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1950-03-23 第7回国会 参議院 水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十三日(木曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○臘虎膃肭獸猟獲取締法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○漁業法の一部を改正する法律案(衆  議院提出)   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  本日は臘虎膃肭獸猟獲取締法の一部を改正する法律案を先ず上程いたします。政府の御説明を求めます。
  3. 坂本實

    政府委員坂本實君) 只今提案されました臘虎膃肭獸猟獲取締法の一部を改正する法案につきまして、その提案理由概要を御説明申し上げます。「らつこ」、「おつとせい」の猟獲の取締につきましては、すでに現行猟虎膃肭獸猟獲取締法によりまして、その嚴正に努力して参つたのでありますが、事柄の性質上、遺憾ながら十分なる実効を挙げ難い実情にあるのでありまして、これは現在日本国の置かれている地位並びに将来の問題に対する関連に鑑みて、特に考慮を要するものと考えられるのであります。而してこの「らつこ」、「おつとせい」の違法な猟獲に対する取締実効を期するためには、更に一歩を進めて、「らつこ」、「おつとせい」の毛皮及びその製品等製造加工及び販売について制限又は禁止措置を講じ、適法な方法によつて取得されたもののみを流通せしめることとするのが最も効果的であろうと存ずるのであります。本案は、現行の臘虎、膃肭獸猟獲取締法の一部を改正しようとするものでありまして、その内容といたしますところは先に述べました目的を達するため、「らつこ」、「おつとせい」の毛皮及びその製品販売等政府禁止又は制限するものといたすことを主とし、その他罰金等の処置について現行一般法令に適合せしめるための若干の改正を含んでおります。  以上が本案を提出するに至りました理由であります。何とぞ愼重審議の上、速かに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
  4. 千田正

    千田正君 政府に質して置きたいんですが、「らつこ」「おつとせい」の捕獲をする日本領土範囲はどこでありますか。
  5. 山本豊

    政府委員山本豊君) 現在の連合軍から指令を受けておりまする区域内についての猟獲を禁止するつもりであります。
  6. 千田正

    千田正君 現在のポツダム宣言後におけるところ日本のいわゆる領域とされておる範囲内の捕獲であるとするならば、私は頗る少数なものであり、且つ又殆んど猟獲することのできない状態にあるんではないかと、かように存じますが、「らつこ」、「おつとせい」に対する猟獲の情勢について一応農林省の所見を質したいと思うのです。
  7. 山本豊

    政府委員山本豊君) 的確なその猟獲数字とうものは、今申上げられないのでありますが、大体のお手許に資料として経過概要としてお配りしてあるのを御覧頂きますれば、大体の今日までの推移が分るわけであります。この「おつとせい」保護條約は、明治四十四年七月に締結されまして、そこでその当時は大体四百万頭以上あつたものが、條約締結当時には十四万頭程度に減退したのであります。そこで日、英、米、露の四ケ国間で、その保護條約が明治四十四年七月に締結になつたのであります。そこで四十年の四月に、この現在改正せんとしまする元の法律が制定せられまして、その後この結果として段々と頭数が殖えて参りまして、大正十五年には八十三万頭、昭和十五年には二百二十万頭、現在では大体四百万頭以上に増加したと、こういうふうにまあ見られておるわけであります。ところが御承知のように、昭和十五年十月に廃棄をこちらの方から通告いたしまして、翌年十月限り失効したのであります。十七年の二月に今度は臘虎獸猟獲取締法の一部を改正いたしまして、むしろ獲つてもよろしいという許可による猟獲を認めたのであります。併し当時はまあ戰争でもありまして、十八年から二十年までの間に、大体そういう猟船を六十隻の範囲内で抑えまして、三ケ年を通じまして約七千頭の猟獲を見た。まあこういう状態でありまして、大して獲つてはいなかつたのであります。終戰後連合最高司令部の命によりまして、この猟獲を禁止しろということで禁止して今日に至つておるのであります。丁度昨年の八月の八日に、水産庁長官宛のNRSのヘリングトン氏の方から、これに関する覚書と言いまするが、勧告文が参つておりまして、これもお手許に参考に配付してあると思うのでありますが、その勧告文によりますると、これはまあ向うの見られたところでありますけれども、実際に想像し得る密猟が行われており、大体二、三十頭でなければならんのが、実際にその動いておるものが二、三千頭ぐらいも獲られておるようなふうに見られると、こういうまあ向うの観測でありまして、これでは非常に困るということで、向うの方からこの状況の調査なり、又取締肴強く要請せられたのであります。そこでその勧告の少し前の昭和二十四年の、二、三月頃から、これも連合軍との話合いによりまして、若干の予算を組みまして、その調査なり取締を開始したのであります。二五年の三月には僅か四十四万円ばかりの予算で以てやつたのでありますが来年度の予算といたしましては、約九百七十三万円ばかりの予算で以て、これで調査に関しては船を一隻と、それから取締に対しては船を二隻、これを以ちまして万全を期して参りたいと、こういうような状態であります。
  8. 千田正

    千田正君 大体この法案の出さなくちやならないという理由は今の御説明で分かりますが、然らばこれによつて生活しておつたところ業者そのものに対するところの、この法案ができることによつて自分らの職を失うであろうところ人達に対して、何らかの方法考えておられるか。この点につきましては、どういうふうな方法によつて、この人達生業を転換させるというようなことについて、農林省としての案はどういうふうなものを持つておられますが、その点について……
  9. 山本豊

    政府委員山本豊君) 戰時中並びに今日までいろいろの推移を見まして、実際にこれを専業に大いに獲つておるという者は極く少数であろうかと思うのであります。たまたま猟に参りました序でに、機会を得て、一、二頭捕獲するということは、これはあり得るかと思うのでありますが、專らこれを専業にとて、これで生計を立てておるという者はそうないのじやなかろうかというふうに考えられますので、政府といたしましては、今のお尋ねの点につきましては、何らの対策も持つておらないのであります。
  10. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 外に御質問はありませんか……。なければ、私からちよつと質問しますが、終戰と同時にこの事業は中止されたと、こうなつておりますが、中止されたものに猟獲がある筈はないと思いますが、どうですか。
  11. 山本豊

    政府委員山本豊君) その点は形式上そういうことはありませんので、恐らくいわゆるまあ密猟に相当するものが何ぼかになつておるのではないかと、こう考えられます。
  12. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 密猟を相手に取締規則を作るというのはおかしいじやありませんか。
  13. 山本豊

    政府委員山本豊君) 現在のところ、一応その條約破棄以後は、まあ法律建前から言いますと、獲り得る状態に置かれておる。併し関係方面の方針によりましてこれが大つぴらに獲つてはいかぬというサゼッションを受けておるわけであります。そこでその関係方面方向政府としても調和する必要があるというので、今度のような措置に出たわけでありますが、只今お尋ねの点でありますが、全部が密猟というのでもないのでありまして、建前は條約の破棄後今日に至つておるので、獲つて獲れないわけはないのでありまして、正式と申しますと、語弊がありますが、多少……。普通はそういうことはないと思いますが、戰後或いは準生業として獲つておる者も若干ありはせんかと、こういうふうに思うのであります。
  14. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは「終戰後連合軍最高司令部の命によつて中止された」とはつきり書いておりますが、この事実が間違つておるのですか。現在獲れる状態にあるならば、命令によつて中止されたとは書けない。中止されたならば全部密猟になつておる筈ですが。
  15. 尾崎順三郎

    説明員尾崎順三郎君) 「おつとせい」は、戰争中解禁いたしましたけれども、終戦後連合国から禁止されておるわけであります。併し條約を破棄しておりますので、現在の臘虎膃肭獸猟獲取締法許可を以ちまして、終戰までは一時的には猟獲し得る状態にあつたわけでありますが、併し連合国から獲つてはいけないと禁止されておりますけれども、これはいつ又獲つてよろしいという指令を受けるがも知れないわけでございますが、本当に日本もそういう事態に即しまして、獲り得ることを前提として一応この改正案提案いたしておるわけであります。
  16. 千田正

    千田正君 どうも政府がこの法案を出した理由が甚だ明確でないと私は考えるのであります。先程からいろいろ御質問の中にもありまするが、御承知の通り「らつこ」、「おつとせい」の棲息する地区はすでに日本領土外である。現在ポツダム宣言後における限定された日本領海においては、恐らく「らつこ」、「おつとせい」は棲息しておらない。而もすでに破棄した條約において、現在はむしろ連合軍によつて禁止命令を受けておるというのであつて法案を出すということは、日本が密漁をしておるということを恰も世界に公示せられる法案であつて、私はかように考えておるのであつて禁止されるものであるのならば、そのままであつてよろしいのであつて、むしろこれが解放されたというような場合において、初めて日本の立場としての立法をすべきであると私は考えるのでありますが、その点は政府としてはどういうふうに考えておられますか。
  17. 山本豊

    政府委員山本豊君) 完全なる禁止命令が出ておりますれば、無論これによりまして法律改正とか、何とかいうものより前にできなくなるわけでありますが、この昨年の八月の八日の向うから参りました文書なるものは、そのはつきりした命令とまでは行かないのでないかと思うのであります。併しその主義とするところは、これに対して何らかの措置をとれということが可なり明瞭に出ておりますので、水産庁としましても、その意味汲取りまして、今度の挙廷に出たわけであります。ただこれをこういう挙に出ましたことは、やはりその他のいわゆる日本の現在の置かれておりまする漁業地位というものの観点から考えまして、一応そういうふうな挙には出ますけれども、これは将来「おつとせい」の保護條約というふうなもののあり方につきましても、今日国際的にはまだ本当の結論というものは出ていないので、例えば我々には分りかねる点でありますけれども、この日本の近海に参りまする「おつとせい」なるものが、果して米領プリビロブ群島回游魚族を食べるものであるかどうか、一時日本の農村で、何とかという雀が有害であるか、有害でないかというふうな問題と同じような議論が「おつとせい」についてもありまして、これについては現在のところアメリカ側考え日本側考えとは必ずしも致していないのであります。併し向う考えられておられるような点にも、こちらも進んで協力いたしましてその後におきまして、例えば連合調査をやるとか、いろいろなことをいたしまして、これらの結論になりまして、保護條約に、やはり対等に今後参加して行くような方向に導くのがいいのではないかというふうな考えのもとに、連合軍の方からの勧告と言いまするかの意味汲取りまして、今度の改正に出たわけであります。
  18. 千田正

    千田正君 将来日本がやはり講和会議に、或いはこうした意味におけるところ国際條約に、参加するという意味での、一つの何と言いますか、準備態勢としての法律案であれば、私も大いに賛成なのでありますが、そうでなかつたならば、むしろ政令ぐらいで、この程度の問題であれば、むしろ国内の僅かなる、こうしたことによつて制限を受けておる人達を押えるような程度であつたら、政令くらいのもので結構ではないかと、私は考えるのであります。只今ところ国際條約の将来の参加を目指しているというのでありますから、これは各議員からいろいろ御質問もあると思いますけれども、愼重審議あられんことを要望いたします。
  19. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 外に御質問なければ、この法文に移りたいと思います。改正法文について政府委員の御説明を伺います。
  20. 山本豊

    政府委員山本豊君) 改正の極く要点だけを私から申上げまして、細部に亘つて係官め方から必要に応じまして御説明したいと思います。  第一点は、第一條に関する点でありまして、現在のところは「臘虎又は膃肭獣ノ猟獲ヲ禁止ハ制限スルコトヲ得」というのみの規定でありまするが、これを嚴重にいたしまして、「らつこ」、「おつとせい」の獸皮若しくはその製品製造加工販売、この三つについても制限禁止をする。それから同時に違法に取得せられました製品或いは毛皮等につきましては、その所持禁止する、こういうことであります。  それから第二條は削除になつておりまするけれども、この削除なつ條文の代りに、政府はこういう禁止又は制限をする場合には、公聽会を開いて、利害関係人学識経験者意見を徴してやる、これもまあ関係方面の大体いろいろな意見も相当ありまして、そういう條文が新らしく入つたわけであります。これはその方法でありまする。  それから第三点は、罰金規定であります。現在の四條、五條の関係になるのでありますが、この五千円以下を十万円以下にする、これはまあ最近のいわゆる外の例に倣いまして……どういう根拠でこの五千円を十万円にするかという御質問が出ると思うのでありますが、大体古い時代の法律に対しまして二十倍乃至二十五倍というのが、その筋の方の検務局あたり考えのようであります。これはまあ検務局の御意見に従つたわけでありますが、この罰金額を上げましたこと、主なる点はそういう以上三点に盡きておるわけであります。尚詳細に亘りましては、御質問に応じて御説明申上げます。
  21. 千田正

    千田正君 第一條の末尾に「臘虎又ハ膃肭獸獸皮若ハ其製品製造ハ加工ハ販売ニ付亦同ジ」、これはよろしいが、「前項規定ハ同項ノ規定ニ依ル禁止ハ制限ニ違反シテ猟獸シ製造シ加工シハ販売シタル臘虎膃肭獸又ハ其獸皮若ハ製品ニ付ヲ準用ス」というのがありまするが、この所持という問題になると、三年前から「らつこ」の毛皮のチョッキを買つて着ておつたというものに対してもこれは制限を受けるわけでありますか、これに対するところの一体明確な規定はどうするのでありますか。
  22. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) お話しのように、所持につきまして禁止をいたしますると、その影響が非常に大きいという点も考えられますので、現在猟虎膃肭獸猟獲取締法施行規則改正によりまして、製造業者加工業者販売業者の現在所持する獸皮又はその製品につきましては、一定の時期を限定しまして、そのときまでに住居地都道府県知事届出をさせる、それによつてその証明を受取るということによりまして、その取締りの正確さを期しておるということになつておるのでございます。
  23. 千田正

    千田正君 どうもこの法律は誠に、所持の問題になりますと、恐らく噴飯ものとしか我々は考えられないのでありまして何年前かに所持しておるところの「らつこ」の裏附き或いは「おつとせい」の裏附きの外套を着ておつた。これを皆都道府県届出で、その許可を得て着て歩かなかつたら処罰される。こういうようなこれは私は誠に珍無類の法案だと思います。でありまするから、今後におけるところ禁止法律を作るならば、何年以後という明確なる年月を入れて、その以後において捕獲したるものに対してというようなん何らかここに限界を求めない限りにおいては、この法律は誠におかしいと私は思う。尚、一層愼重なる立案を考えて頂きたいと私は思います。
  24. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 外に御質問ありませんか。
  25. 尾形六郎兵衞

    尾形六郎兵衞君 今千田委員からのお話がありましたが、この外のことはともかくにしろ、所持ということをこの法案から削除するということは政府考えていますか。お尋ねいたします。
  26. 山本豊

    政府委員山本豊君) これはちよつと速記を止めて頂きたいのですが。
  27. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ちよつと速記を止めて……    〔速記中止
  28. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 速記を始めて……。私からちよつと質問しますが、この所持というのは、恐らく業者が沢山のものを持つておることを指すと思います。普通の一般使用者が借用しておるようなものに及ぶかどうか、これをはつきり区別すべきじやないかと思いますが、どうでしようか。
  29. 山本豊

    政府委員山本豊君) これは同意見でありまして、先程言われましたような規則の場合に、製造業者とか、そういうようなやつだけを押えて行くとい言うに考えで、たまたま一枚持つておるというのは含まないということに規定したい、こう思つております。
  30. 千田正

    千田正君 併しこれは幾らも言い逃れができますよ。こういう緩やかなあれだつたら。どこかにこれははつきりして貰わぬとね。
  31. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) どうせこの法案については、委員会において愼重審議を次の委員会にいたしたいと思いますが、御質問は外にありませんか。
  32. 尾形六郎兵衞

    尾形六郎兵衞君 どうもはつきりしないと思つておりますが、そうすると、まあさつき千田委員は、日本領海には「おつとせい」がいない筈だということをおつしやるが、日本領土内に「おつとせい」の根拠地はないけれども、海上を游泳する「おつとせい」の数は相当ある筈です。現益は生業としているものはないというお話があるし、又禁止命令があるという話ですが、禁止命令があるのに「おつとせい」を捕獲することの制限法律を出すということが、どうも私はつきりしないのですが、もう一度その点についてお答え願います。
  33. 山本豊

    政府委員山本豊君) 禁止命令はないわけであります。法律の上では一応許可を受けてやれる形のまま終戰後ずつと今日にまで来ておるわけであります。ただいわゆる連合軍当局の方からの命令というものが来たわけじやないのでありますが、ここに添附しでありますような八月八日の総司令部からの書簡として来ておるわけであります。書簡でありますが、正式のスキャップとか、何とかになりますれば、もう政令で当然行けるわけでありますが、これだけでは政令で行けないのです。といつて、この内容は相当まあ強く要望されておるものでありますから、それに即応するものとして、少し大げさになつたのでありますが、簡単な法律でありますので、この法律でやつて行こう、こういうことになつたわけであります。
  34. 尾形六郎兵衞

    尾形六郎兵衞君 ちよつとこの機会政府委員にお聞きしたいのですが、今「らつこ」の皮及び「おつとせい」の皮はどのくらいの価格をしておるか、ちよつとお聞きしたい。
  35. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 現在、「おつとせい」の生皮でございますが、坪二百五十円ということになつております。それから「らつこ」につきましては、密猟等関係もございまして、はつきりは分りかねる点もございますが、大体一頭の皮の値段が七万円という程度になつております。
  36. 尾形六郎兵衞

    尾形六郎兵衞君 坪二百五十円という坪というのはどのくらいの面積ですか。
  37. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 坪と言いますのは一尺四方でございます。
  38. 尾形六郎兵衞

    尾形六郎兵衞君 そうしますと、一匹にしてどのくらいになりますか。
  39. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 大体「おつとせい」一匹の生皮価格に直しますと、千五百円程度になります。
  40. 千田正

    千田正君 この法案内容は、結局全部これはまあ毛皮も着てはいかぬ、持つてはいかぬ、肉も販売しちやいかぬと、こういうのですから、全部これは禁止する法律ですね。その点、そう考えてよろしうございますか。これはもう製造加工も、すでに加工したものも所持しちやいけないと、こういうのですから、これは全然禁止する法律ですね。
  41. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 先程御説明申上げましたように、現在許可制度に猟獲がなつておりまして、その許可司令部の慫慂によりまして一応しないという建前で、猟獲を事実上中止しておるというような建前をとつておりますので、而も陸上の関係から申しましても、或る程度規制しませんと、そういう事実がなかなか押え切れぬというような関係で、この取締り程度の問題になるわけでございますが、現在政府考えております取締の大要といたしましては、先程御説明申上げましたように、販売業者と、それから加工業者、いわゆる業とする者につきまして取締の対象を限定いたしておるのでございまして、お話のように、将来に亘つてその材料による皮革の製造なり、加工なりが禁止されるということでございまするが、一般需要者が、従来正式に獲つて皮になつておるというようなものを身に着けて所持するという点の取締につきましては、今のところ考えていないわけであります。
  42. 千田正

    千田正君 それでは、非常にこの法律所持という問題が甚だここでは妥当じやないと思うのだが、法文の或いは文章を直さなければならない。この所持はもうすでに過去とか、そういうことを書いておりません。ここには「前項規定ハ同項ノ規定二依ル禁止又ハ制限ニ違反シテ猟獲シ製造シ加工シハ販売シタル臘虎膃肭獸又ハ其獸皮若ハ製品所持ニ付ヲ準用ス」、最後のこちらの項目附則によりますというと、「この法律は、公布の日から施行する。」ということになつておりまするから、前にこれを買つて取得しておつた。こういうものに対しての何ら許すべきあれがここに載つておりませんので、これは恐らく禁止すべきところ法案と見て私は差支えないと思います。だからここに「所持ニ付ヲ準用ス」という問題を、そう考えなかつたならば、今の御説明は妥当じやないと私は思いますが、その見解について一応お聞きしたいと思います。
  43. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 現在の法規によりまするというと、政府命令の定むるところによつて「らつこ」と「おつとせい」の猟獲を禁止し、又は制限することを得というような規定になつておりまして、このことができるという建前になつておる規定を二項で準用いたしておるのであります。従いまして、第一項の禁止制限という範囲の問題につきましても、命令に実は讓つてあるのでございまして、それによりまして現在の施行規則によつて調整がとれておるということになつておるのでございます。従いまして、このたび改正いたそうといたしておりまする販売なり、所持制限禁止というような事項につきましても、その範囲は必ずしも全部を禁止するということを意味しておらないのでございます。事実に即応いたしまして、取締りの可能な、或いはその効果が十分であるという程度に、その取締り範囲を及ぼすということを考えておる次第であります。
  44. 千田正

    千田正君 然らばこれに対する何か「所持ニ付」という問題に対しては、これに対する附則か何か付けるという御意思はお持ちになつておりますかどうか、その点を伺います。
  45. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 御質問の、附則で以てその点を明確にするということは実は考えておりませんので施行規則改正によりまして、その範囲はつきりするというふうに考えておるのでございます。
  46. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) よろしうございますか。   —————————————
  47. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 本日の質問はこのくらいで中止いたしまして、次に、衆議院から送付されました漁業法の一部を改正する法律案、これを議題に供したいと思います。提案者の御説明を求めます。
  48. 鈴木善幸

    衆議院議員鈴木善幸君) 只今付記されました漁業法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院の決定いたしました法律案理由を御説明申上げます。  この漁業法の一部を改正する法律案は、昭和二十五年二月二十日に田渕光一君外二十名から提案なつたものでありまして、その議院提出案内容を概略申上げますと、瀬戸内海を和歌山県田倉崎から兵庫淡路島生石崎に至る直線、それから徳島県大磯崎から兵庫淡路島潮崎に至る直線で以て線を引きまして、いわゆる紀伊水道瀬戸内海から分離する、そうしてそれを外洋と同じように取扱おう、こういう内容であつたのであります。これが衆議院水産常任委員会に付託されまして、常任委員会におきまして、これを愼重に審議いたしました結果、この議員提出法案を否決いたしまし、水産会員会は別途の、只今参議院に送付されておりますところ法律案委員会で決定をいたしたのであります。この瀬戸内海から紀伊水道を分離いたしたいという要望は、多年徳島県戸和歌山県の漁民諸君の中から要望されておつたのでありますが、漁業法改正に伴いまして、具体的な大きな運動として地元から提起されて参つたのであります。そこで第六国会におきまして、漁業法を審議いたしました当時、衆議院水産常任委員会におきましては、調査班を特に派遣いたしまして、現地調査をいたしたのであります。紀伊水道側の現地も調査をし、地元の意見も十分聽取いたしますと同時に、内海側の現地調査及び漁民諸君及び関係係官等の意見をも聴取いたしたのでありまするし、又水産試験場その地の機関が多年に亘つて調査研究いたしましたところの資料等につきましても、いろいろ検討を加えたのであります。併しながら第六国会において漁業法を審議いたしました際には、御承知のような諸般の事情から、参議院の御提案になりました修正案を、これを全面的に衆議院としては了承いたしまして、参議院修正案通りに漁業法を議決いたして今日に至つたわけであります。然るに先程申上げましたように、議員提出として田渕光一君外二十名の議員から、改めてこの紀伊水道分離案が法律案心して提出されましたので、委員会は、かねて第六国会において調査いたしましたところの資料等を基礎といたしまして、愼重に審議をいたしました結果、次に御説明申上げる修正案を決定いたしたのであります。  その内容を申上げます。非常に簡単な法律でありますから、これを一応読み上げます。    漁業法の一部を改正する法律案に対する修正案   漁業法の一部を改正する法律案の全部を次のように修正する。  漁業法昭和二十四年法律第二百六十七号)の部を次のように、改正する。   第八十二條第二項中「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会」の下に「及び紀伊水道連合海区漁業調整委員会」を加える。   第百九條を次のように改める。(瀬戸内海連合海区漁業調整委員会等)  第百九條 瀬戸内海瀬戸内海連合海区漁業調整委員会を、紀伊水道紀伊水道連合海区漁業調整委員会を置く。  2 前項規定において「瀬戸内海」とは、左に掲げる直線及び陸岸によつて囲まれた海面をいう。   一 和歌山県田倉崎から兵庫淡路島生石崎に至る直線   二 徳島県大磯崎から兵庫淡路島潮崎に至る直線   三 愛媛県佐田岬から大分県関崎燈台に至る直線   四 山口県火ノ山下船舶通航信号所から福岡県門司崎燈台に至る直線  3 第一項の規定において「紀伊水道」とは、左に掲げる直線及び陸岸によつて囲まれた海面をいう。   一 和歌山県紀伊日の御岬燈台から徳島県伊島及び前島を経て蒲生田御岬に至る直線   二 和歌山県田倉崎から兵庫県淡路島住石崎に至る直線   三 徳島県大磯崎から兵庫淡路島潮崎に至る直線  4 瀬戸内海連合海区漁業調整委員会の委員は、左に掲げる者をもつて充てる。   一 瀬戸内海の区域内に設置された海区漁業調整委員会の委員が府県ごとに互選した者各人   二 学識経験がある者の中から主務大臣が選任した者四人  5 紀伊水道連合海区漁業調整委員会の委員は、左に掲げる者をもつて充てる。   一 紀伊水道の区域内に設置された海区漁業調整委員会の委員が府県ごとに互選した者各二人   二 学識経験がある者の中から主務大臣が選任した者二人  6 海区漁業調整委員会の委員は瀬戸内海連合海区漁業調整委員会又は紀伊水道連合海区漁業調整委員会の委員となつたときは、その職を失う。  7 委員の任期は、二年とする。  8 補欠委員は、前任者の残任期間存任する。  9 第百七條(連合海区漁業調整委員会の委員の任期及び解任)の規定は、瀬戸内海連合海区漁業調整委員会及び紀伊水道連合海区漁業調整委員会には適用しない。   第百十條の見出しを「(瀬戸内海連合海区漁業調整委員会等の指示)」に改める。   第百十條中「瀬戸内海」の下に「又は紀伊水道」を加え、「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会」を「それぞれ瀬戸内海連合海区漁業調整委員会又は紀伊水道連台海区漁業調整委員会」に改める。    第百十一條中「第百九條第三項第二号の」を参「第百九條第四項第二号の、紀伊水道連合海区漁業調整委員会にあつては同條第五項第二号の」に、「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会にあつては主務大臣」を「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会及び紀伊水道連合海区漁業調整委員会にあつては主務大臣」に、「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会にあつては委員」を「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会及び紀伊水道連合海区漁業調整委員会にあつては委員」に改める。    第百十六條第三項中「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会」の下に「若しくは紀伊水道連合海区漁業調整委員会」を加える。    第百十七條「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会の下に「及び紀伊水道連合海区漁業調整委員会」を加える。    附則第十二項中「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会、」の下に「紀伊水道連合海区漁業調整委員会、」を加え、「第百九條第五項」を「第百九條第七項」に改める。      附則   1 この法律は、公布の日から施行する。   2 水産庁設置法(昭和二十三年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。    第七條の六第一項中瀬戸内海連合海区漁業調整委員会の項の次に次の一項を加える。   紀伊水道連合海区漁業調整委員会 紀伊水道における漁業調整を行うこと。   同條第二項中「及び瀬戸内海連合海区漁業調整委員会」を「瀬戸内海連合海区漁業調整委員会及び紀伊水道連合海区漁業調整委員会」に改める。   第七條の七の見出しを「(瀬戸内海紀伊水道漁業調整事務局)」に改める。   第七條の七中「瀬戸内海」の下に「及び紀伊水道」を加え、「瀬戸内海漁業調整事務局」を」瀬戸内海紀伊水道漁業調整事務局」に改める。第八條第一項中「瀬戸内海漁業調整事務局」を「瀬戸内海紀伊水道漁業調整事務局」に改める。  以上のように修正を可決をいたしたわけであります。この理由といたしましては、紀伊水道は現地を実際に調査し、いろいろな試験機関等の海洋学的な或いは生物学的な調査をいたしました資料によりまして判断をいたしまするに、和歌山県寄りは黒潮の影響を強く受けておるのでありまして、いわゆる外洋性の性格を多分に持つておるのであります。又徳島県側は鳴門海峽から流出いたしますところの内水の影響を多分に受けておりまして、その点から内海的性格を多分に持つておるのであります。これは潮流の関係を検討いたし、或いは海水の比重等を調査いたしましても、はつきりと確認できるのであります。又それに伴いまして、生物学的分布からいたしましても、和歌山県寄りは外洋性の水産動植物が見られるのであります。このように紀伊水道は外海にあらず、内海にあらざるところの中間的特異の性格を持つた海区である、こういう判断が下されたのであります。これは地勢学的な面からも、紀淡海峽及び鳴門海峽は非常に狹くなつておりまして、これを瀬戸内海の中に一つに入れて置くということに聊か無理が存することは、地勢学的にも判断されるところであります。このような内海にあらず、外海にあらざる中間的な特異な性格を持つところ紀伊水道は、漁業法漁業調整の精神が、できるだけ関係漁民の自主的な意思に基いて、そうして現地の実情に即する漁業調整をやらしめようという趣旨に鑑みましても、この独特な性格を持つところ紀伊水道は、これに関係いたしますところの和歌山、徳島及び兵庫県三県の関係漁民の作りますところ紀伊水道連合海区調整委員会によつて調整をせしめる。こういうことが適当であつて、比較的関係の薄いところ瀬戸内海の山口県であるとか、愛媛県であるとか、そういうような海図の調整委員から、紀伊水道の問題について、いろいろ直接的な発言、制約を受けるということは妥当でないと、こういう工合に考えられるわけであります。併しながらこれを議員提出案のごとくに、紀淡海峽及び鳴門海峽で一線を引きまして、あとはこれをオープンにする、外洋と同じような取扱にするということは、内海に対するところの影響が極めて大きい、こう考えられるのであります。そこで内外との関係も十分考慮いたしまして、従来も日の御岬及び蒲生田御岬の一線は、これは断然従来通り存在すべきものである。併しながら紀伊水道の特殊性を生かすために、紀淡海峽及び鳴門海峽で一線を設けまして、これを紀伊水道と称するところの特別海区にいたしたのであります。でありますから、従来の瀬戸内海は、瀬戸内海という特別海区と、紀伊水道という特別海区との二つに分れたわけであります。そうしてこの二つの特例海区に分れました海区相互間の関係が、又非常に唇歯輔車の関係にございまするから、これを一つの調整事務局、即ち「瀬戸内海漁業調整事務局」を、「瀬戸内海紀伊水道漁業調整事務局」と名称を変えまして、その一つの調整事務局の監督下に二つの特別海図を置いたわけであります。そうしてそれぞれの特別海区の自主性、特殊性を生かしながら、両者の関係を調整して、そうして漁業生産力の発展と漁業の民主化を図つて行くべきである。こういう結論に達したわけであります。これに対しまして、内海方面からいろいろ御意見もあるのでありますが、その趣旨は大体において繁殖保護と漁業取締の点が問題になつておるようであります。これを紀伊水道を特別海区にいたしたために、繁殖保護及び漁業取締の面が疎になつて、延いては瀬戸内海の資源の維持、培養の上にも惡影響を及ぼすということが内海関係漁民の御心配の点であるようであります。併しながら、これは漁業法第六十七條にありますが、ちよつとこれを読んでみます。  (海区漁業調整委員会の指示)  第六十七條 海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会は、水産動植物の繁殖保護を図り、漁業権又は入漁権の行使を適切にし、漁場の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他漁業調整のために必要があると認めるときは、関係者に対し、水産動植物の採捕に関する制限又は禁止、漁業者の数に関する制限、漁場の使用に関する制限その他必要な指示をすることができる。  2 前項規定による海区漁業調整委員会の指示が同項の規定による連合海区漁業調整委員会の指示に牴触するときは、当該指示に、牴触する範囲においてその効力を有しない。  3 第一項の場合において、都道府県知事瀬戸内海連合海区漁業調整委員会のした指示についでは主務大臣。以下本條中同じ。)は、その指示が妥当でないと認めるときは、その全部又は一部を取り消すことができる。  こういう工合に規定いたしておりまして、この紀伊水道、或いは瀬戸内海の特別海区の連合海区漁業調整委員会の繁殖保護なり、或いは漁業取締なりに関しまするところの指示が、若し妥当でないと認めます場合は、農林大臣はその指示の全部又は部を取消すことができるように相成つているのでありましてこれがいわゆるこの二つの、特別海区の漁業調整連合海区、漁業調整委員会を、一つの「瀬戸内海紀伊水道漁業調整委員会」の所管区におきまして、両者の資源維持、濫獲防止の見地から、それぞれの調整委員会の出しましたところの指示が、両者の関係において妥当を欠く、紀伊水道が気まま勝手な漁業調整に関する指示をいたしまして、それが瀬戸内海に対して惡影響を及ぼす、その指示が妥当でないと認めます場合は、農林大臣の出先機関でありますところの「紀伊水道瀬戸内海漁業調整事務局」は、その指示の全部又は一部を取消すことによりまして、両海区の調整を十二分に図り得る、こう私共考えまして、このような改正をいたしたわけであります。尚、瀬戸内海から紀伊水道を独立いたしまして、特別海区といたすのでありまするから、今日瀬戸内灘に適用されておりますところ瀬戸内海漁業取締規則は、当然この法律が公布の暁には紀伊水道側には適用されないということに相成るのでありまするが、それは漁業取締及び繁殖保護の見地から、そういう空白時代を作つてはいけないというところから、紀伊水道瀬戸内海にも新らしく調整事務局の下に、それぞれの連合海区漁業調整委員会ができて、繁殖保護及び漁業取締に対する意見を纏めますまでの空白時代は、瀬戸内海漁業取締規則政令によつてそのまま紀伊水道にも適用いたして、空白を嚴に避くべきであるということを、委員会政府に対して強く要請いたして、十分この資源保護の面につきましては留意いたしておるのであります。  又一部には、紀伊水道を独立海区にさせることは、機船底曳網等の跳梁跋扈を惹起する結果となり、そういう底意を以て瀬戸内海紀伊水道側の関係漁民が要望しておるということが言われておるのでありまするが、御承知のように、底曳き漁業の禁漁区或は、日の御岬、蒲生田御岬の線の外にはつきりと禁止区域として明記されておるのであります。でありまするから……
  49. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 提案理由説明を……
  50. 鈴木善幸

    衆議院議員鈴木善幸君) でありますから、この面も取締の面でありまして、海区の問題ではないと、こういうのであります。そのような関係からいたしまして、私共議員提出案も、このように内海と紀伊水道の両方の関係を十分考慮いたしまして、このように修正可決いたしまして、参議院の方へ御審議を煩わすことに相成つたのであります。  以上提案理由を申上げます。
  51. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 如何いたしましようか、大分提案者提案理由で以て詳細に分りましたが、いずれこの次の委員会において更に御質問をお願いいたしましようか。如何でしようか。
  52. 青山正一

    ○青山正君 委員長に申入れて置きたいと思いますが、衆議院の鈴木さんから非常に詳しく御説明漁業法改正案が、ただ單に瀬戸内海に関する海区の変更ということばかりでなしに、瀬戸内海のすべての問題が全部関連しておりまして、ただ單に紀伊水道瀬戸内海より開放すべきいわゆる海区変更に関する問題だけを取上げるわけには行かないと思うのです。それに関連するものとして、まあいろいろ只今説明もあつたわけでありますが、例えば漁業調整委員会の問題も今少しく参議院として研究なり、調査が必要だろうと思いますし、又内海の漁業秩序の問題、これも鈴木さんからいろいろ御説明もありましたし、或いは資源保護に関して内海の秩序が非常に紊乱しておるが、それには内海の漁業取締規則に不備があるかないが、不備がある結果から、こういう問題が起つて来るから、こういつた問題を十分に研究する必要があるのではないかと思うのであります。その他違反漁業の調整に関する問題とか、或いは取締の徹底とか、或いは救済施策をどうするかというような問題、こういつた問題を十分研究なり、調査してやるべき筋合のものだろうと私は思うのであります。衆議院側として、今鈴木さんの御説明によるて、非常に熱心に数回に亘りまして現地視察をなさつたような模様でありますが、参議院はまた遺憾ながら、その問題について十分の研究なり、調査というものは付いていないと思うのであります。そこで委員長にお願いいたしたいのは、急速に委員或いは專門員というものを現地に派遣いたしまして、又必要あれば証人も喚問いたしまして、一つ迅速に議を練つて頂きたい。こういうことを申入して置きます。
  53. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今青山委員の申入がありましたが、今後のこの法案の取扱いについては、次の委員会で十分一つ審議をお願いしたいと思います。  本日はこれにて散会したいと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。今日はこれにて散会いたします。    午後二時五十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事           尾形六郎兵衞君            千田  正君    委員            青山 正一君            加藤常太郎君   衆議院議員    鈴木 善幸君   政府委員    農林政務次官  坂本  實君    農林事務官    (水産庁次長) 山本  豊君   説明員    農林事務官    (水産庁漁政部    長)     松任谷健太郎君    農 林 技 官    (水産庁生産部    遠洋漁業課)  尾崎順三郎