運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-02-03 第7回国会 参議院 水産委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月三日(金曜日)    午後二時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水産物増産対策に関する調査の件  (水産金融資材及び税制に関する  件)   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。本日の議題は水産資材水産金融水産の諸税制の問題、それから漁業に関する電波関係の問題について政府当局ら説明を聴き、質問をいたしたいと思います。実は小委員会において資材問題、金融問題、税制問題を取扱う筈でありますけれども、この前の委員会におきまして今日まで繰延べた関係がありますので、今日一般的な説明質問をいたしまして、そうして小委員会に付託したいと思いますから、さよう御承知を願います。  先ず漁業税、これは目下水産庁地方自治庁、或いは大蔵省折衝中でありますので、水産庁折衝しておる経過説明を願いたいと思います。その説明のときは暫く速記を止めて下さい。  実は民間の輿論として、付加価値税原始産業たる漁業には免除して貰いたいとい意見が非常に強いのであります。これは農業においては地租を払う関係上、付加価値税を課しておりません。併し水産の方においては地租と同じような漁業権税を払つておる以上、付加価値税を含む必要はないんじやないか、含むのは不当じやないかというような意見が非常に多いのであります。  第二番目には、漁業権税中、漁業権取得に対する課税を是非廃止して貰いたい、漁業権税取得税というものを、従来漁獲の一割程度をかけておるようでしたが、こういうものは非常に不当である、これは是非撤廃して貰いたいとい意見が非常に強いのであります。  次に漁船に対する固定資産税課率については特定の措置を講じて貰いたい、これは従来のような非常に高い率をかけては困る、何とか安くして貰いたいというような要望が非常に強いのでありますからして、農林当局においてもこの民間の声を十分尊重されて、今後その筋とも折衝を強くしてこの目的を達するように努力してもらいたいといことであります。久宗課長から大蔵省或いは地方自治庁との折衝経過を詳しく御説明をするということでありますけれども、これはむしろ私は小委員会譲つたがよかろうと思いますのでそういたしたいと思いますが如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは詳しい経過は小委員会譲つて、大体の方針だけをこの委員会において速記を作る程度において話して貰いたいと思います。
  4. 久宗高

    説明員久宗高君) 税の問題につきましては国税の関係地方税関係いろいろ問題があるのでございますが、只今指摘のありました付加価値税、それから漁業権税それから固定資産税といつたものにつきましては、主として地方税関係に非常に大きな問題が残つておると思うのであります。これの交渉経過でございますが、税制改革案そのものがたびたび関係方面との折衝その他で変つて参りまして、現在では確か地方税におきましては第九次案とい段階まで来ておるのであります。それで特に漁業関係では、この地方税関係で非常にいろんな問題がありますので、私共といたしましても地方自治庁と常に連絡をとりながら、同時に関係方面にも折衝して参つたのであります。ただ主として税の関係をやつておられます関係方面担当官と直接に交渉をいたした段階もあつたのでありますが、結局日本の国内で十分固めてからでなければ十分論議できないということで、漁業についての特殊性という点については資料も沢山提供し、議論も十分いたしてはおるのでありますけれども、関係方面との関係においては直接交渉で何らか結論に至るところまで至つておりません。併しながら自治庁の方の案につきましては、只今申し上げましたように第九次といところまで持つて来ておりまして、その間私共と相当相談がまとまつたもので、関係方面との折衝の結果又根本からひつくりかえるというような経過を辿つておりまするので、その細かい経過につきましては後で小委員会で詳しく申上げたいと思つております。  只今指摘のありました付加価値税につきましては、これは従来の事業税に代るものでございますが、新聞その他でもいろいろ議論されておりますように、各産業について産業それ自体特殊性に基いていろいろ問題が多いわけでありますが、特に漁業におきましては旧事業税所得というものを対象にして取られたのに対して、付加価値という新らしい概念が出て参りまして、この中には労賃部門が入つているという点が漁業にとつては非常に大きな問題がある。殊に一般産業のように原料品買つてそれに加工するというものであればよろしいのでありますが、漁業の場合には原料品代というものがない、従つて付加価値の率が非常に大きくなるわけでございます。従つて付加価値税を作りました場合に付加価値が大きくなるので、税率一般に旧事業税よりも下げておるのでありますが、漁業のように付加価値が非常に大きくなるものについては一般税率ちよつと下げただけではむしろカバーできない、旧事業税より非常に大きな負担になることは、現実に各経営においてこれを当てはめて見た場合に出て来るわけであります。そこで根本的に申しますと、付加価値税というもが漁業とい産業には適しないということがはつきり私は言えると思うのであります。ただそういう税の形式が悪いだけであつて、その形つまり所得に対する税であれば、税を払うとい能力は大きな漁業については勿論あるということで、従来の経過では一番当初は付加価値を全然漁業にはかけないで呉れとい交渉をした段階もあるのでありますが、一般的にそのことは不可能であるといことで、若しそうであれば税率を変更して貰いたいということ、又或いは付加価値が非常に大きくなるものについて、特に零細な家族労働主体とした漁業というものについて、当然に免税という問題が出て来るのじやないかというような点が中心になつて来るのであります。この詳細につきましては後程申上げたいと思います。  それから漁業権所得税につきましては、今度の税制改革におきましては取得税部分が落ちたのであります。つまり漁業権を持つていることについて税がかかつて来るわけであります。そこでこの二年間つまり新らしい漁業方が施行されて漁場の切換えが終つたあと、例の免許料許可料という問題が出て参ります。こうなりますと漁業権を持つておることについて税がかかつて来るということと、それと同じ内容を持つた免許料許可料というものがかかつて来る、これは明らかに競合いたすわけであります。そこで地方自治庁に対しましてこの二年間の間は別といたしまして、新らしい漁業権が免許されて免許料許可料を取る場合には、同じ対象についての税になるからこれを止めて貰いたい、それを法文中に明記して貰いたいということを申出ております。併しこれは現在の先方の法案の中にはまだ盛られておらないのであります。この二年間の処置といたしましては、今の所得税部分を除きましてこれについてはかかつて来る。而もこれは各地方非常にまちまちなんでありまして、税率その他については一定め基準がない。そこで今度の法案の中では、これについて一定基準を設けたいということでいろいろ計算をして見ました結果、従来の漁業権税で予定しておりました額と大体同程度のものが取れるようにとい考え方から、賃貸料の百分の十といところ最高限度として一つ基準に入れるということで話をしております。いずれにいたしましてもこの漁業法を制定いたしました際に、免許料と税の問題が出ました際に、漁業権税の問題にも当然触れるべきであつたのでありますが、ただたまたま一般的に税制改革という問題がありまして、それと見合つて考えて行きたいということを考えておりましたので、今度の税制改正の場合に漁業権税免許料関係は明確にして置く必要があると思うのであります。  それからもう一つ船評価の問題が出て参りましたが、これにつきましては従来評価が自由になされるものであるか、或いは一律になされるものであるかという点が非常に問題になつておりまして、陳情その他に出ておりますものにつきましては、まだ評価一般的に一定の率を強制的にかけられるというのに対して、それで船価が非常に高いものになるからとい議論が出ておるわけであります。この関係は強制的な率の適用という問題が外れましたので、一応解消したと思われるのであります。  大体主な点を申上げると以上のようでありますが、尚この他につきましてはいろいろ交渉経過その他もございますので、詳しくは小委員会で申上げたいと思います。
  5. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 第一番の附加価値税は今までは事業税として純益の七%だつたと記憶しておりますが、今度は最高漁獲高から積込資料を引いた残りの天体六%乃至七%と非常に高くなつておるようですが、これは一体甚だ高税なので、これに対してはどういうお考えですか。
  6. 久宗高

    説明員久宗高君) 今のお話数字は多少現在固まつております案とは離れておると思うのでありますが、現在の案では一般産業につきましては附加価値の四%ということになつております。それで原始座業については三%ということが、一応法案の中に書かれておるわけなんであります。ただこの附加価値の問題につきましては、一般産業について見ますと、旧事業所得に対しでかかつておりましたものよりは、むしろ附加価値の場合に減るようになつておるわけであります。総額においても減るのです。個々の結果についても渡るようになつておる。ところ漁業におきましては、漁業の特殊な構造、つまり原料品というものが差つ引かれないという点、それから労賃部面が入つて来る。それが而も非常に大きいということも、附加価値部分が非常に大きいわけなのであります。そこで仮に原始産業の三%というような率をかけて貰つても、尚且つ旧事業税の場合よりも非常に大きなものになつてしまう。これはあと資料によつて詳しく申上げたいと思います。  そういうようなことから、結局漁業にこういう附加価値といつた税の形式がまずいのであつて、これをどうしてもかけなければいかんということになれば、大体大きく二つに分けまして、つまり家族労働主体とした漁業というようなもの、それは附加価値で申しますともう全体の八〇%以上が附加価値ということになりますので、大変なことになるわけなのであります。こういうようなものについては、当然免税という問題が考えられる。更にこれは大きな漁業についても負担能力はないというのではないけれども、附加価値税という形で一々に一率を課されたのでは、外の産業とり非常に附加価値税が大きいために非常に問題が大きい。従つてこの場合大きな漁業についても特殊な税率が必要であるということを申上げたわけであります。
  7. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 私は附加価値税の問題については、ちよつと新聞などで聞いたり見たりした程度の知識しかないし勉強していないから分らない。併し実際場合でも税金の取扱い方については、農業と比較した関係は、漁業関係が非常に……前の事業税のときすでに私共は当時税が決定されるときに非常に不均衡であると反対したのです。にも拘わらずああいう不幸な結果になつて、果せるかな去年あたり漁村のどこへ行つても実に非難攻撃されてどうも防ぎようがなく、御承知のような食糧事情の下において鮮魚の統制は取られておる。主食に準じて扱われておることは結構ですが、税の方は全然考慮されていないというようなことが問題になつておる。自然私共は非常な攻撃を受けたわけです。我々の努力の足らないところ、我々の力の弱さということを痛感したわけでありますが、今日附加価値税問題を取上げる場合においても、私はこの点には十分一つ研究して頂きたい。これは今久宗課長の発言の中に、いろいろそういう点を考慮された御意見もあるようでありますから、殊に零細漁民の場合における附加価値税なんということを考えることは、これは大体根本的に理念的に間違つておると思いますが、そういうことを今言つたところで、その筋の成る大きな一つの指示によつて動いておる仕事であるからして、又情勢の止むを得ない点もあろうかと思うのでありますが、最前委員長も話されたが原始産業であるこういつた漁業に対して、殊に零細漁業者とい言葉ば非常にこれを使われるけれども、この内容を検討されると世にもこういうような仕事があるだろうかと思う程零細な程度のものが非常に多いのですが、そのときの附加価値税とい扱い方は、一体どうするのか、そこが私は分らないのです。それからそういう人たちを以て形成されておるところ協同組合の場合における附加価値税取扱方ですね。私は大体協同組合というものは課税すべき対象ではないと私は思うけれども、これは万国共通り考え方なんです。これも私矯激な理論をいうのではなくて、万国共通の、世界的な会議においてもそういうことは決定されておる問題であるにも拘わらず、これは恐らく協同組合あたりの場合でも余り考慮されないのじやないか。これはまだ決つておるわけじやないし、今の説明じや内容がここでは分らないから疑問になるかと思うが、そこらあたりは十分考慮して貰わなければいけないという気がする。そういうようなことについて何か御心配になつておれば、一つお示しして頂ければ私が勉強するのに大変参考になると思います。こういうふうに思うわけです。別にこういうところがどうだとか、いかんじやないかというふうな資料も実は持たないので、私は今日は皆さんの方がら説明を開いた上で御質問申上げようと思う。
  8. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 千田君何か…
  9. 千田正

    千田正君 まだ研究してありませんから……
  10. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 付加価値税の問題については、私は協同組合の場合についても相当考えられると思う。協同組合自体対象とならないような場合に、この附加価値税を更に協同組合の場合もそういうふうに進めたいと思うが、それから個人の場合はまた別にやるというようなことになるが、そこらあたりはどうなつておりますか。協同相合における付加価値税の場合は、個人の場合は階段を置いて考えるとか、金額においてどうするとか、そういう問題については考えておりますか。
  11. 久宗高

    説明員久宗高君) 協同組合の場合に個人附加価値税のようなものをかけると、これは又非常に大きな問題になるのであります。それについては法人税においても協同組合特別扱いにされておらないという点と絡み合せまして、あと資料をお配りいたしますが大きな問題があるのであります。いずれにしても何らか特殊な措置が我々も是非必要だと考えるわけであります。現在の要綱の中ではそれが考慮されておらないということなのであります。  「
  12. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは税制の問題は少委員会において詳しく資料を以て説明するということが当局の意向ですからして、それへ譲つて如何でしようか。これはここで速記に付けられんこともありますし、大変資料も広汎に亘るようでありますか折角小委員譲りましよう……それでは税の問題については小委員会に譲りまして、これはこれで打切りたいと思います。  それから何か水産金融のことについては今日当局が見えておりませんから、これ又小委員会に譲りまして、水産資材の問題について何か御質問がありましたらお願いいたします。
  13. 千田正

    千田正君 水産資材の中で殊に先般来問題になつておるところの燃油の問題について、その後水産庁としましては関係方面との折衝並びに各省との折衝状態が、若しお分りだつたならばお知らせ願いたいと思います。
  14. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 折角ですが、係の方が今日見えておりませんので千田君の御質問に対してば小委員会において答えさせるように取運びます。
  15. 千田正

    千田正君 続いて綿糸の問題につきまして、来年度割当可能範囲と実際に即して昨年との比較の問題、それからロープその他の問題に関しましても、同様の点を詳しく伺いたいと思います。
  16. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 委員長、続いて質問した方が答えるのに都合がいいから……  私は先般長崎当り漁村を詳しく調べたのですが、どこへいつて綿糸類不足ということを聞かされて、殊に極く小さい業者達の「はえ」繩の糸さえないというような言葉を聞いて、実は意外に思つたのです。その後この委員会で、前の委員会当りでもそのことについてお伺して多少とも将来明るいといつたような漠然たる話を開いたのですが、昨日あたり地方の方から陳情に来ている人の話を聞いてみると、いよいよ各府県とも或いは全般的に全部を調べれば県によつちやあ存外偏つているところもあると思うのですが、そこのところ私には分らない。陳情して来ている人達だけの資料で判断すると著しく少いために大変小さい業者たちが困つておるということを異口同音に言つておる。こういうようなことについて特に御説明願いたい。
  17. 藍谷政徳

    説明員藍谷政徳君) 綿糸需給状況について申上げます。綿糸は終戦以来逐年割当の枠が増量いたして参つたのでありますが、昭和二十四年度になりましてから前年度より約四割程度枠が減少いたしまして、そのために二十四年度におきましては需給状況がややよくないという現象が生じたのであります。この二十四年度におきましては、年間大体の数字としまして二百万玉という枠に一応押えまして、その二百万玉の範囲内において割当を行うということで大枠が決定されたのであります。それでこの二十四年度の枠の二百万玉の配分につきましては、第二四半期に約六十万玉消費割当、それから第三四半期に五十万玉割当をやりまして、第四四半期に四十万玉割当をやつておる。残り昭和二十五年度の第一四半期分があるわけでありまして、これが大体今月中の安定本部の枠の通知が参ることになつております。この二百万玉の年度決り方でありますが、これは一九五〇年度のアメリカの合計年度で起算されます関係上、昨年の第二四半期から二十五年度の第一四半期までの期間が一九五〇年度に相当するわけでありまして、一応計画の二百万玉に対しまして、昭和二十五年の第一四半期分が一期残つておるということになつております。それで特に最近綿糸不足状態お話がありましたが、これは第四四半期割当数量が非常に少かつたという点に原因しているのではないかと考えられるのであります。これは御承知のように、第四四半期からは補給金打切りになりまして、価格が約倍以上に値上りすることになるわけであります。そのために割当があつても資金その他の都合上、現物を引取ることが不可能な業者があるということの臆測で、安定本部等におきましても非常にこの第四四半期割当というものに対して、大事を取つた。その関係有効需要というものの調べを水産庁でやつたわけであります。これは地方調整事務所に対しまして補給金打切りになつて値上りなつた場合、どの程度引取能力があるかとい数量調査をやつたわけであります。この数字を大体集計しますと約九十万玉の需要量が出るわけであります。ところが一方安定本部考え方としましては、せいぜい第四四半期で枠を水産庁に下ろすにしても四十万玉程度しか出せない。それで四十万玉の範囲内において割当をやつて貰いたいということで、水産庁としましては四十万玉では九十万玉の有効需要に対して半分以下だ、そういう数字では接術割当が困難だということを再三折衝いたしましたが、とにかく一応補給金も切れた関係があるから四十万玉で割当の案を立てて、その結果によつて次回の割当の際に考慮しようということで四十万玉だけしか発券ができなかつたわけであります。ところがこの四十万玉の内容の中には、昨年の九月以降非常に頻繁に台風の来襲、その他稀に見る災害がありまして、災害関係資材が可なり出ておるわけであります。これの災害復旧資材としまして、安定本部にも相当量の別枠の増加を申請しておつたわけであります。ところがこの災害用に対する特配というものに、すでに二百万玉の中に包含されておるから、その中において賄つて貰いたいということで、枠の追加ということは実現できなかつたわけであります。そのために四十万玉の中から、一般補充用災害用と両方これによつて見るということになりました関係上、一般補充量が少くなつということになるわけであります。それでこの枠の増加の点につきましては安定本部に対しまして、有効需用が第四四半期においては九十万玉以上もあるという点につきまして、現在尚折衝を続けておりまして、第一四半期には相当量割当が得られるように最近まで考えておつたのであります。ところが最近の安定本部との折衝におきましては、本年の五月頃までは、輸出面に可なり原料棉花が充当され、そのために第一四半期枠そのものも量的には期待ができないというような情勢になつておりす。而もこの冬期間は紡績の事情が電力の関係その他で非常に低下しておる時期でありまして、それで輸出用に重点的に原料が廻された場合は、勢い内需用原料が減少するわけであります。そのために内需用の中に含まれております漁網にはこの影響が当然起きる。そのために第一四半期においては第四四半期以上の量の割当は困難だろうという、これは最近の安定本部との折衝の際の話であります。それで第二四半期以降においては水産庁需要要求に対しては全面的か協力ができるということになつております。ところが第四四半期、第一四半期需要は春以降の引込みの漁業相当影響がありますので、第四四半期追加或いは又第一四半期の枠の増加の点につきましては、尚水産庁といたしまして安定本部司令部等にも打合せをいたしまして、相当量の確保を図りたいとい考えでありまするが、現在のところ輸出関係にどの程度廻されて、内需画にどの程度供給があるかという確実な数字がまだ出ておりません。併し私の聞いておりました状態では昭和二十五年度需給計画といたしましては、二十四年度よりも相当好転するということは聞いておりますが、これも輸出関係が一応終了します六月以降においてこの分が実現できるのでありまして、五月までの間は輸出重点に向けられる関係上、量の増加はなかなか困難だというような状態であります。
  18. 千田正

    千田正君 安本のその説明というのはあれですか。昭和二十四年度におけるところ内需面並びにその輸出に対するところ綿製品に対するところのまあ滞荷、ストヅク、そういうものを勘案して水量の関係に対する案を現在立てられておるとは思いますけれども、二十五年度輸出というものを対象として考えた場合には、私から見ればむしろ昭和二十四年度の滞荷というものの処理関係から見て、相当原綿が或る程度余剰を生じて来るのではないか。その綿を水産関係必需原料に廻すというような手を安本で打つ気がないかどうか。その点は水産庁としてに相当御折衝なさつたと思いますけれども、その点はどういうふうでございますか。
  19. 藍谷政徳

    説明員藍谷政徳君) それは先程もちよつと申上げたのでございますが、この五月までの割当期間輸出に充当される時期でありまして、五月から先になれば内需用に振向けることができる。これで第四四半期と第一四半期はたまたま時期が輸出に振向けられる時期に相当しておりますから、この間の内需面が可なり規制を受けまして、輸出用に振向けられるその半面、輸出が終りました第二四半期以降においては内需の方に相当量の増量ができるということの話しか現在のところではまだついておらんのであります。具体的のいろいろの数字についてはまだはつきりしたものが出ておりません。
  20. 千田正

    千田正君 貿易関係からいえば恐らくローガン構想の下に政府は新たなる貿易というものに対しての処置を講ずると思いますが、昭和二十四年度分におけるところ綿製品関係輸出はあのような状態で余り香ばしくない状態であるというような関係からして、昭和二十五年度におけるところ輸出というものに対しては成る程度の限界を政府は予想しておるのではないか。勿論予想しているということは、我々は常にそう思つておるのですが、予想しておるとするならばある程度水産方面にこつちが相当強くその点を押して行つたならば、こつちの方へ廻されるというような方法を取れるのではないかというふうに考えられますので、成る程第四四半期、第一四半期は二十五年の五月まで、輸出に対する問題の解決するまで待つて呉れというのは無理もないと思いますけれども、我々の感じからするとなかなか輸出は好転しないと感得している。ですからそこは多少でも色をつけてその前に枠を貰える操作をする必要があると我々は考えるのですが、その点を一つ水産庁においても十分御検討を願つてもつと強硬に一つつて頂きたいと、こう思うのです。その点見通しがありますならば一つお答え願いたい。
  21. 藍谷政徳

    説明員藍谷政徳君) 現在のところまだ見通しその他について細部的な折衝をやつておりません。いずれ帰つて折衝しまして結果を御報告申上げます。
  22. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 今の御説明の中に補給金がなくなつて値段が倍になつた、そうすれば引取手がないだろうというので安本が枠を狭めたというようなふうにちよつと聞いたのですが、若しそうだとすればこれはちよつと話が甚だ通らない話で、この重要な生産の仕事に、そういう非常な反対を押切つて補給金をなくなしたということはこれにまあいろいろな事情上止むを得ないとしても、値段が上つたから恐らく取らないだろう、取らないとい数量が相当予想されるというので枠を初めから少くしたのでは、これはとんでもないことをいわゆる生産部門に起し、漁業者たちが非常に現物を入手するに困るから、又そこに妙な操作を行わなければならんというようなことにもなるし、こういうこと自体が余りに和は間違つた行き方じやないかとこう思うのです。これは水産庁も又そういうようなことを安本側でやつたから仕方ないというだけにおいて今まで放つたらかしておつたことを私は甚だ遺憾に思うのですが、私も今そのことを実は初めて聞いて私も不勉強であつたということになるのですが、一体そこらあたりは何かそういう行き方の出たときに水産庁としてはもつと突つ込んだ要求をしなかつたのか。又はしたとすればどういう内容であつたか、結果であつたか。私はそういうようなことを役人が小手先で勝手なことをやるものだから、下の方では現物が手に入らないという現実に直面しつつ、なくちやならない人たち、少し高くても何とかして手に入れなければならんのに、その人たちが手に入れることができないというようなことが起るのは非常に困るのじやないかとこう思うのです。実は余りこの問題に拘わることはないでしようが、非常に今現地で現物がないということで困つているようですから、従つて千田委員の言われた問題であるが、本年の五月まで枠がないというので放任して置くことは非常に困ると思うのですが、これに対してはちよつと見通しがつかないと、こういうのですが、併し見通しがつかないということで放つて置くわけには現在のところ行かない。そうして前に申上げたように、その根本に遡つて考えて見れば当時において安本の取つた態度に、行き方に間違いがあつたということが私ははつきり言えると思うのですが、それに対してどうお考えになりますか。
  23. 藍谷政徳

    説明員藍谷政徳君) 補給金打切りになつて需要面が減るだろうということはこれは安定本部考え方でありまして、水産庁といたしましては補給金がたとい打切られても漁具に使用される資材というものの減少は考えられないということで、強くこの点の考え方につきましては安定本部に申入れをやつております。それでそのための必要上から各地方有効需要というものを調査いたしまして、大体それの集計した数字安定本部に第四四半期の枠の設定される前に実は提出しておるわけであります。その数字は大体九十万束出しておりまして、九十万束だけは第四四半期において割当の枠が参りましても、確実な引取可能数量であるという申入はやつておるのであります。それでそれに対しまして半量以下の四十万束でありまして、こういつた数字では到底我々としては割当が困難だからということは、強く需要者の立場も理解して貰えるように話は申入してあるわけであります。それで第四四半期割当が済みまして、直ちに各地方地方不足状況の数字が出まして、この点につきましても安定本部には折衝いたしまして、第四四半期追加又は第一四半期の操上配給の操作ができるように申入は現在進めております。でこれも約一通間くらい先になりますれば大体第四四半期追加で出せるか、又は第一四半期の操上というような手が打てるかの方法の結論が得られるようになつております。
  24. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 そこで私は現地の調査の結果から推論して、是非追加割当をして頂きたいということです。いずれ資材調整事務所から資料が参つてつて、あなたの方にははつきりした数字で出ておると思う。君はこれはもう実際地方では非常に困つておる。殊に極く小さな「はえ」繩の糸がないということを皆が言つているところを見ると、如何に欠乏しているかということがよく分る。これは追加割当をするということに向つて一つ全力を挙げて御努力をして頂きたいと思う。そうして頂かない限りには各県とも非常に今困つておる。今言われるように九十方束の要求に対して四十万束なんという配給をし、而も何だか非常に明るくなるのではないかというような予想をしておる暁に、突如としてそういうべら棒な数字割当をしたのでは実にもう者共はどういうわけか分らない。而もその理由として、取らないだろうとか、価格が上つたから取る実力がないから取らないだろうというような考えでやつたということを説明されたのでは、実は私は余り意外な措置に驚いておるわけなんであります。これは余り実情を知らなさ過ぎるし、それに知らんなら知らんでも、やらぬとするその理由が誠に出たらめだと思うのである。これはあなたはその方の専門家であるからよく分る。技術屋だからよく分る。実際「はえ」繩の糸が手に入らないからどうするか、どうするかと言つて、沿岸到るところに行くたびに、地獄で仏に会つたような気持で我々にとりすがつて来るというような実態に漁村があるということは、これは私は非常な問題だと思う。まあ非常にカの強い者は無理な闇をしなくとも何とかしてやつておるというので、そうやかましい陳情はないかも知れませんが、併し「はえ」繩がないという実情からいつて、大きい業者達が尚一段と困つておることははつきり分つておることです。それで君はこれは緊急に追加割当をするということについて御努力を願いたいということを御了承願いたい。、
  25. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) これ以上は資材の小委員会に譲りまして、ちよつと経済課長に少々お伺いして置きますが、漁業権の補償の……まあ漁業公債といいますか、これは担保価値があるかどうか。利子は五分だつたと思いますが、換金する価値があるがどうかということについて一つお答え願いたい。
  26. 久宗高

    説明員久宗高君) 漁業権証券についての御質問でありますが、これは担保価値があるかどうかという点、これは証券自体といたしましては無記名の証券でありまして、転々と流通し、これを担保にし、或いはこれを売るということも自由なんでありますが、ただたびたび御説明いたしましたように、農地証券の場合には当時の特殊のインフレ状態の問題と、更に地主に対する補償といつたような問題をも含めまして、五年間事実上流通が阻害されるような措置が取られておるわけであります。これに対して漁業権証券の場合には補償する対象も違いますし、又現在の経済状態というものも違いますので、これに対しましてはそういつた流通を規制するような措置は取らないでほしいということを財政当局に申込んであるわけであります。ただ漁業権証券につきましては、まだこれの一番基礎になります補償の基礎計算というものが計数的に出ませんことと、もう一つに、これを如何なる利率にすべきかというような点、それから償還の期間、そういうような点が統計それ自体といたしましても、又それをいたしました場合に免許料負担業者に掛つて来るわけでありますが、この負担数量の関連を見ましても今直ちに決定することはできないのであります。もう暫く実情を見ました上で決めて参ることになりますので、計算上魚価がそのままと見まして一応我々の推定いたしました補償で行けば、大体五分くらいの見当で二十五年くらいの償還になるのではないかという御説明をしておるわけであります。
  27. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 他に御質問はありませんか……御質問もなければ後は小委員会に譲りまして、水産委員会はこの程度で閉会いたしたいと思います。如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めまして本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事           尾形六郎兵衞君            千田  正君    委員            西山 龜七君            江熊 哲翁君            矢野 酉雄君   説明員    農林事務官    (水産庁魚政     部経済課長) 久宗  高君    農 林 技 官    (水産庁生産部    資材課勤務)  藍谷 政徳君