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1950-03-22 第7回国会 参議院 人事委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十二日(水曜日)    午後二時十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員給與問題に関する調査  の件   —————————————
  2. 中井光次

    委員長中井光次君) 只今から委員会を開会いたします。  国家公務員給與問題に関する調査の件を議題といたします。速記を止めて下さい。    午後二時十三分速記中止    ——————————    午後三時二分速記開始
  3. 中井光次

    委員長中井光次君) 速記を始めて下さい。質問を続行して頂きます。官房長官に対する質問を許します。
  4. 千葉信

    千葉信君 前回の委員会最後質問に関連することでございますが、官房長官はあの答弁の中で生産財値上り云々に対する、或いは横這い云々に対する私が読上げた物価庁見解に対して、君の見解間違つているという御答弁でございましたが、あれは私がはつきりと申上げましたように、私の見解ではなくて、日本物価庁見解でございますから、この点については官房長官誤解のないように改めて申上げて置くわけでございます。あの官房長官答弁の中で、増田官房長官はこういうことを言つておられるのでございます。実効価格の問題に関連して闇物価については、この物価庁見解はこれを含んでおらないというふうな御答弁でございましたが、物価庁のあの見解というものははつきりと生産財或いは消費財というふうに分けて公定価格も調べておりますし、それから又闇物価趨勢ということも十分に研究の結果出た意見のようでございますが、これについては増田官房長官はむしろ逆に感違いされておると思われる節がございますので、重ねて御答弁をお願いしたいということと、それからもう一つは増田官房長官は、日本経済新聞に二月十日掲載せられた物価庁のこの意見が公式なものではないというふうな御発言がございましたが、一応この問題については調査の結果何分の答弁をするという御返事でございましたが、その後官房長官物価庁のこの見解に対して公式なものかどうか、或いは又どうしてこういうふうに政府自体の中から違つた見解発表されたかということについて御調査なつたかどうかということを承りたいと思うのであります。
  5. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先ず第二の御質問からお答え申上げます。私の約束通りその後調査いたしました。日本経済新聞二月十日の記事について調査いたしましたところ、あの記事物価庁の調べではない。いわんや政府が公式に責任を負える記事ではないし、又物価庁責任を負える記事でもない。給與白書ース作成については、経済安定本部も参加しておりまするし、見解給與白書ベースのこの通りである。こういうことでございます。そうすると千葉さんのおつしやる、どういう関係でああいう記事がどこから出たのであろうということについては、官から出たとすればこれは官紀関係にもなりまするしいろいろいたしまするから、今調査をいたしております。まあ官から漏洩いたした各種の場合を想定し得るのでありまするが、仮に官側から漏洩いたしたといたしましても、あの記事は去年の十二月頃何か一応調査しておつたという事実はあるのでございます、青木安本長官の言によると……。併しながら何ら責任を負い得る数字でもなし、見込も又ああいうふうに立てているのではない、こういうことでございます。公団の官紀関係については調査中でありますから、若し官側から出たとすれば面白くないことでもございますから、追つて調査の上御報告申上げます。  それから第一の質問にお答え申上げまするが、我々は実効価格というのはもとよりあなたも御承知のごとくマル公入手したものと闇で入手するものとのその平均値をとつたのである、その割合はいろいろ違いまするが、各種のデータをとりまして、そうして実効価格が出て来るわけでありますから、すべて実効価格と言えば、必ずその中には時価入手にかかる一定分量価格と、それからマル公入手にかかる一定分量価格とが、それぞれ消費者によつて違いまするが、それが平均された価格である、こういうふうに考えておることは千葉さんと同じであります。
  6. 千葉信

    千葉信君 この物価庁意見発表に絡んでの官紀紊乱云々の問題についてはこれは私の質問の趣旨ではございません。私はそのことについては別に増田官房長官綱紀紊乱傾向があるからこうであるとか、或いはこれに対して処置をすべきだ、などということを決して申上げるつもりはございませんです。私の申上げたいことは、増田官房長官が、たとえ綱紀紊乱傾向が存在するからこれを処罰するとかしないとか、或いはそういう措置をとつてもとらなくても、処置そのことは重大な問題ではなくて、実際に科学的に物価趨勢に対して所管事項としての立場からも常に研究しておるところの日本物価庁名前が、公式なものであろうとなかろうと、こういう研究がなされて、而も私が委員会において読上げたような見解が持たれておるということについて私は重大な意義をこの発表に見出すのである、こういう立場から言いますと、私は先きにも申上げましたように、本年度における一般会計特別会計並びに政府機関における物件費使用状況というものが増田官房長官の言われておるような結論には私は来ないのではないか、従つて私は重ねて申上げますが、これらの厖大な経費、一千四百四十億というようなこの余剰見込まれる金額というものは、これはドツジ・ラインの直接の妨害ではないという立場から、政府として十分この経費特選改善でありましても、或いは進んでは賃金ベースの改訂にこれを流用することができ得るというふうに私は考えておるのでございますが、これは官房長官と私との意見相違ということで一蹴される虞れがありますので、私は次の質問に入りたいと思うわけでございます。  この間、増田官房長官はこの物件費使用のあり方につきまして、たとえ闇物価が下るようなことがあつても、政府はそういう闇で以て仕事を賄うわけには行かないし、或いは又物資を賄うわけには行かないから、闇の場合には多く問題にならない。それよりもむしろ公定価格は今後も相当値上りを予想されるものがあるから、そういう点からすると、物件費余剰というものはそう簡單には見込まれない、こういう御答弁でございましたが、一体この公定価格というものは固定的なものかどうか。申上げるまでもなく、吉田内閣はかねてから一切の統制をできるだけ可能なものから排除して行きたい。自由経済を主張するという立場から言いますと、この公定価格というものは固定的なものだというお考えに立つてのこういう答弁は、私は増田官房長官立場考えて納得できない点でございます。それから又そういう自分達のかねがねの主張と反するようなこういう公定価格の固定というふうな考え方というのは、一部の業者の利益を非常に尊重しているという立場のように私は曲解せざるを得ないのでございますが、これに対して増田官房長官の御答弁をお願いしたいと思います。
  7. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 予算の編成に当りまして、物件費を先ず組みます。その物件費をどういうふうに見ておるかというと、政府が直接事業をなしておる分のうち、生産割当を受けてある物品は今六十五品目あります。成る程自由党の政策の通り、我々はこれをできる限り堅持いたしたいと、こう思つておりますが、とにかく現在は六十五品目ある重要生産資材、そのうち例えば鉄橋を架けるというような場合に、鉄の目方は調整費の外されることに比例して段々マル公としては価格値上りになるのですから、それは見込まなくてはいけないわけで、仮に又肥料あたりにいたしましても、農業試験場が相当大規模に農業経営をしておる、その肥料購買値格はこの四月と七月とでは値段が違つて来ます。どういうわけで違いますかというと、補給金が外されるに比例して違うわけでありまして、そういう点を見込んで、我々は予算を立てております。それから、六十五品目乃至、価格統制のある物以外に、外されたものには、闇というものはないのですから、これは自由価格である。而も明るみ価格ですからこれは明るみ価格は凡そ時価を予想して組んでおります。将来は併し下るであろうという予想も相当入れなくちやならん、又入れている筈であります。但しいわゆる闇値にあらざる表に出された自由商品自由価格というものが我我見込よりも下るというような場合があれば、御指摘のような物件費が多少節約化されるということはあり得ると思いますが、御指摘のように千百四十四億という数は私共は見込んでありません。これは多く見た立場で私は百億にも止まりません。千百四十四億という数は、あなたはどこから出されたか知りませんが、私共はそういうことは全然根拠はないのじやないかというくらいに考えております。ともかくも併しながら若干でも物件費節約できた、これは経済安定施策の奏功した結果でありますから、一面そういうものを外の方へ活用すべきであるという考えだけは持つていることはこの際明瞭に申上げて置きます。
  8. 千葉信

    千葉信君 官房長官物件費節約が百億程度出るだろうということをおつしやいまして、そうして私の物件費における千四百四十億という数字は一体どこから出たか、根拠がないじやないかというふうな御発言でございますが、私はむしろ逆に増田官房長官の言われる百億程度というのは、一体どこに根拠を持つてそういうことを言つておられるのか、逆に私は非常に了解に苦しむものでございまして、私が申上げた千四百四十億というこの物件費節約金額というのは、申すまでもなく現在の二十五年度予算に組まれておる一般会計特別会計並びに政府機関におけるところの昭和二十四年度の一五四という物価指数から、特に二十五年度は一六八という指数の上に立つて組まれておる予算である。従つて私は物価庁のこの物価の値下りに対する見解を、抜きにしても、去年の物価から横這状態に来ておるという、政府の何度も何度もおつしやつておられる、その横這状態立場から言いますと、これは当然物価指数を特に一四という数字を上げて計算された二十四年度に水増しになつておるところの物件費の点を私は指しておるわけでございまして、決して私は根拠のない数字を挙げておるのではございません。むしろ私は逆にこの際増田官房長官から只今お話なつた百億という根拠は、百億程度という根拠はどこにあるのか、その点を私は御質問申上げたいわけであります。
  9. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は百億程度とは申しません。とても千百四十四億なんというのは、数は根拠がない、こう思つておるのでありまして、人によつては出ないかも知れんと言う人もあります。数億と言う人もあります。とにかく百億なんというものから上廻ることは絶対にない。恐らくは数億でないかと、こういうふうに考えております。数億ではないかと考えております。
  10. 千葉信

    千葉信君 この質疑の中にも明らかに現われておりまするように、官房長官が言われておる百億というのこそどこに根拠があるか、多分百億ぐらいだろうという表現だと私は承わるわけであります。私の申上げておるのははつきり申上げたように今申上げたようなこういう根拠に立つて金額でございますから、その点について官房長官誤解がないように私はお願いするわけでございます。この問題はこれ以上論議いたしましても、発展しそうもございませんので、更に次の質問に入るわけでございますが、三月二十一日の東京新聞に登載されたところによりますると、日本政府労働省におきましては、職業別賃金を決定という見出しで、法律百七十一号の廃止ということを考えておられるようでございます。そうとて労働省ではこれに代つて一般職業別賃金法案、これは仮称ございますが、提出用意があるということを承つておるのでございますが、果してこの問題は事実でございますかどうか、予めその点について御答弁を承わりたいと思います。
  11. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) それは事実であります。
  12. 千葉信

    千葉信君 重ねてお尋ねいたしますが、この問題に関して、例えば今後の決定されようとするところの、この地域別職種、或いは職種別賃金に関して最高或いは最低を決める必要があるという労働省見解と、大蔵省最高は決めても最底は決めないという意見とが対立しておるのなら、これは閣議で決定されないわけでございますが、この点は事実でございますか。
  13. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 政府部内のことは余り申上げにくいのでございますが、まだ部内における意見の調節を図つております。ただ併しながら要するに特別調達庁関係の職員の賃金の問題であります。この賃金は今のところ不正支拂防止に関するあの法律で保障されまして、いわゆるプリベリング・ウエージを拂うことになつております。あの法律が廃止されましても将来ともプリベリング・ウエージを拂う必要がある、こういう考えでございます。従つてこれに対する根拠である法律、若しくは政令というものを制定して保障する必要がある。特別調達庁関係労働者公務員であります、公務員勤務條件維持改善を図る必要がある、その根拠としてプリベリング・ウエージを保障するための法令的措置をなす必要があるということだけは政府は明確に考えております。
  14. 千葉信

    千葉信君 只今の御答弁で一応了解はいたしましたが、そうすると政府部内の見解としては別にこの職業別労働賃金法令化する場合に、最高、或いは又最低という問題についてはまだ結論が出ていないというふうに了解して差支ございませんか。
  15. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 要するにあの法令通りのものを法令に現わしたい、こう考えております。そこで特別調達庁関係公務員は、職種別平均賃金を與える、プリベリング・ウエージを與えると、こういうことになつておりますから、その点だけは従來と増減がないように法令的措置を講ずる必要がある、この点だけは明瞭であります。
  16. 千葉信

    千葉信君 次に御質問申上げたいことは、先にも論議の焦点になりましたけれども、給與白書の中についておりまする資料第二の点でございまするこの資料第二の問題につきましては、先にも相当詳しく御答弁を願つたところでございますが、私はこの資料が非常に信用できないという立場で、尚その後もいろいろ調査いたしました結果、この資料の中に盛られておりまするところの一般会計並びに特別会計公務員諸君に対する給與を調べて見ますると、相当人事院でも同様の調査がなされておりまするが、人事院調査に比べまして政府提出しました資料は非常に私は信用することができない。どうして信用することができないかと言いますと、これは先にも申上げましたように、公務員賃金ベースに含まれるべきものと含まれないものとの混乱があつたというようなことについては、これはもう先に御答弁を頂いておりまするので、その点については触れませんけれども、例えば給與白書発表いたしました後で、更に政府は同様の追加資料というものを提出されております。その追加資料は、これは御覧になればお分りになりまするように、飽くまでも前の資料追加という形で出されておりまするが、その内容を検討いたしますと、前に出された資料追加ということは、到底これはどの点から言つても言えないと私は考えざるを得ない。その理由としては、内容に亘るところの数字が非常に広汎に修正せられておる。勿論これは表面上は昭和二十四年の十月における鉄道專売調査が完了しておらなかつたからこれを追加したというふうな提出でございますが、驚くべきことには先に提出せられましたところの昭和二十四年三月の調査並びに十月における一般会計特別会計の中の調査で、この追加資料というのは完全に前の数字を覆した資料というものをお出しになつておられる。例えば御参考までに読上げて見ますると、昭和二十四年の三月における一般会計俸給額として、四千七百四十九円というものを国民全般に対して給與白書という形でこの数字発表して置きながら、今度の資料ではこれがいつの間にか追加という名前で四千七百九十四円というふうになつておる。更に又その次の扶養手当におきましては七百六十五円と発表して置きながら追加では同じく七百七十五円と訂正されておる。而もその次の勤務地手当につきましては八百二十七円が八百二十九円と訂正されておる。最後の計におきましては、六千七百四十五円というふうに、先に発表された六千七百三十三円がいつの間にか修正されている、單に問題はこればかりじやない、特別会計におきましても俸給然り、勤務地手当然り、合計額然り。鉄道におきましては同じく勤務地手当の額が変更されております。更に合計額もこれは変更せられている。平均額が更に結論として変更せられている。扶養手当が八百三十七円というのが八百三十九円といつの間にか変更せられている。最も大事な合計額におきましても、これはたつた一年の開きでございますが、いずれにしてもこれも修正されている。更に十月の項におきましては、一般会計の場合において勤務地手当が九百四十五円が九百四十三円、超勤務手当が五百九十四円が五百七十九円、次の特殊勤務手当が二十五円が二十七円と訂正されている。更に又それの合計において、七千二百七十九円が七千二百六十六円と訂正されている。特別会計の場合にありましては、俸給が四千六百八十五円が四千六百二十四円、扶養手当が八百六円が八百五十四円、勤務地手当が八百八十九円が六百八十四円、更に特殊勤務手当に至りましては、三百五十一円が六百四十二円と訂正されている。従つてこれの合計額は七千百九十一円が七千二百六十九円と訂正されている。資料の二のたつたこれだけの数字の中で、二十箇所もそういう場合がある。それを政府訂正ということを言わずに、追加ということで発表している。前の数字が出たらめであるか、後の数字が出たらめであるか知りませんけれども、少くとも我々としては後に出たものをどうしても信用いたします。而も信用すべき資料がこういうふうな内容においてはつきりと訂正というようなことで表示しないで、單に資料追加、而もその注意書を見ますると、鉄道專売調査ができなかつたので、そのために追加したのだというふうにこれを発表しておられる。こういうふうな数字発表は、單に民間の企業者や或いは一般事業家から出たものならば、私は多くその責任を追及する気持はございませんが、少くとも一国の大臣内閣総理大臣官房審議室名前でこれを発表する。こういう発表の仕方をされるということについては私は到底了解しがたい。問題の波及するところが單に一般公務員の八十六万人の問題ではなくして、その関係するところの国鉄従業員であるとか、或いは專売従業員、その他地方公務員、教職員の、あの尨大な二百数十万の死活の問題であるという、この重大な問題を審議するに当つて、その問題の解決のためのキイ・ポイントとなるべき資料がこういう出たらめな数字構成されているということになりますと、これは私は政府責任を追及せざるを得ない。先にも申上げたように、この資料作成やり方を見ますると、少くとも人事院で先に勧告しました六千三百七円というものが、今完全に実施されておりまして、従つてその六千三百七円を如何に今度は修正しなければならないかどうかという重大な段階に来ている。而も現在公務員に支給せられているのは、飽くまで六千三百七円、政府が今度の勧告についてこれをどうするかという立場において資料作成する必要があるならば、当然これは六千三百七円の現在の賃金ベースとの比較を可能ならしめるような資料提出すべきである。而も政府作成しましたこの資料というのは、そういう点について到底比較することの不可能な構成を以て、ベースに入るべきものをベース以外の欄で計算してみたり、或いは又超過勤務手当を加算している。ベースに入らない超過勤務手当を加算して、そうしてそれを官公吏の実際給與平均額であるという表現を以てこれを出している。恐らくこの資料を見て、参議院における二百数十名の諸君が、簡單にこの資料を見て、この資料のそういう根本に潜むところの惡意というもの、増田官房長官は恐らくこれは惡意でない、好意であるとおつしやるかも知れませんけれども、少くともそういうような詐略的なやり方に対して、簡單にこれを見抜いて事態の判断に処することが国会議員の姿だろうと思う。こういう政府やり方に対して頗る私は遺憾の意を表せざるを得ないのでありますが、増田官房長官はこの問題の正確な国会議員諸君の把握のために、もう一度至急取急いで正確な資料をお出しになる用意があるかどうか、このことについて明確な御答弁を承りたいと思います。
  17. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 御答弁申上げます。この追加で出ましたのが正確であると思つております。但しこればかり版でなかなか不明瞭で、私もどうも読みにくい点があると思われますから、数字関係は実は公正を期する意味で私は任しております。何ら干渉もせず、又勧告もしません。従つて数字作成には安本もおりまするし、大蔵省、それから内閣審議室もおりますから、後刻説明員なり政府委員として出席させまして、御納得の行くように御答弁をさしたいと思つております。
  18. 千葉信

    千葉信君 勿論これにつきましては、官房長官自分は全然手心を加えておらない、これを作成したものがおるからそれに答弁させようということについては私も了解いたしますけれども、併しその場合と雖も私は増田官房長官に御注意申上げて置きますことは、私はこの資料につきましては十分検討いたして、次のようなことが判明しておるのでございますが、人事院から出ておりますこの問題に関する資料を見ますると、調査人員というものも明確になつております。そして人員の点については、政府から提出せられました人員について先に御質問申上げましたところが、九千人以上の開きを持つておる。従つて私はそういう九千人以上の開きがどうして資料作成のときに生じたか、それから又その開きによつて結論数字に恐らく私は相当の又差違が生じて来るだろうと思いますが、若し増田官房長官がそういう事務当局をして説明させるというなら、私はそれを了承いたしますから、少くともそのときには対象人員を正確に計上して頂きたい。それからもう二つはこの給與ース白書に掛ておるようないんちき極まる調書の方法ではなく、はつきりと現在の公務員給與ベースを計算するに足るところの、国会議員の一人一人が誰でもが分るような資料作り方をして持つて来て貰いたい。公務員給與ベース給與ベース以外のものとを算入して、それによつて一応の数字の魔術が結論として生ずるようなそういう資料作り方でなく、そういう点について明確な態度でやつて貰いたい。そして又同時にもう一つ申上げて置きたいことは、できればその政府委員答弁の際までに間に合うように、少くとも人事院の作つている資料と同様に、現在の官公吏賃金ベースの中に含まれているものと含まれていないものとを区別して、そしてその実施額を出すということであるならば私は一応了解いたします。そういう資料国会出して貰うということを前提にして増田官房長官の代りに事務当局が出て説明をされるということについては私は了解いたします。実は前にもこの問題につきましては、当人事委員会においてこの問題について私が質問しました次の日に、大蔵当局から出席しております。そうして私は質疑をいたしましたが、そのときにも私は実は率直に申しますと、その人は、基礎的な数字調査したけれども、こういう構成については我々はあずかり知らない、こういう表の巧みな作成方法については、自分達はあずかり知らない、そういう御答弁でございましたので、明らかに総計額において二百七円の相違が出ておる。政府出し資料というものと、人事院が正確に基礎の対象人員を計上して、そうして一〇〇%の人員を捉えて実態調査をやつた数字と二百七円という実際給與額開きがあるので、こういうことについても、実は私はそういう御答弁がありましたので、増田官房長官の方でこういう数字を巧みに結論として搾るような方法に変えたというふうに私は了解いたしましたので、そのときには多く追及いたしませんでした。併し若し増田官房長官が問題を明瞭ならしめるために、自分の代りに事務当局をして答弁させるということであれば、こういう数字について容赦なく追及せざるを得ない。こういうことを申上げて、私は代理の方がおいでになりますまでに、今申しましたように、私ばかりでなく、他の国会議員諸君、実は国会議員の中にもいろいろな方がおりまして、給與の問題なんかについては一切無関心な方がおられる、仮にそういう方がおられますと、非常に危険なことは、政府の作つてよこす資料作り方によつては、簡單に鵜呑みにしてしまつて、実際給與額というものと、賃金ベースというものと混同して判断される方がございます。従つて私はそういうことの起らないようにベースの枠内、枠外というものを明確にして貰いたいと同時に、賃金ベース関係と実際給與関係というものを明確に区別して、そうして一月して国会議員諸君も、又国民諸君も分るような資料作成して提出して頂きたい。
  19. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 承知いたしました。ただ申上げたい点は、政府作成にかかる数字は何ら技巧は施しておりません。実際において支給したところの平均額を算出している次第であります。もとより給與ベースというものは六千三百七円である、それに各種手当を加えて平均これこれになる、これは事実を結果から見てこういう数字出しただけでありまして、正確であるということは重ねて申上げて置きます。
  20. 千葉信

    千葉信君 どうも重ねて申上げるのは忍びない形でございますが、私が申上げておるのは、主として人事院資料というものと政府資料というものが余りに甚しく開きがある。このことにつきましては、実は今増田官房長官数字の点についてはこれは絶対に間違ないとおつしやいますが、一応私はこれは多分そうだろうと思います。併しです、人事院の方で調査しましたものは、実際に全部の公務員を対象として、而も実際の給與額を調べておる、ところが政府の方では全体の人員に対して当りもしておらないし、これはさきの答弁でも明らかでございます。それからもう一点は、これは手が届かなかつたからと言つているが、実際支給額でなくして予算額を予算で割つておる、これも明らかでございます。私はこういう点については、今増田官房長官が折角正確な数字であるとおつしやつたのを崩すようで大変恐縮に思うのでございますが、そういう点についても本当に政府が正確な数字であるというためには、これは賄われた予算額で調査したというようなそういう資料では、正確な資料ということを強弁できないだろうと思います。従つてそういう点についても完備したもの、私共が決してここがこう間違つている、或いはここがこういうように嘘であるというようなことを私共が言わなくてもいいように、資料責任をもつて提出するようにお取計らいを願つて置く次第でございます。
  21. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 官房長官にお尋ねいたしますが、民間給與公務員給與、生活の実態に開きがあります。民間給與につきましては、大きいところは大体一万円を越しているということが言えると思う。十一月の労働統計調査月報によりましても、金属工業、ガス、電気、水道、商業、運輸、通信というのは一万円を超しております。政府においても或いは人事院においても、政府職員の給與とそれから工業平均を取つておられます。けれども、本当はこれは工業平均を取るのではなくて、常用職員の給與と比較せられるべきだと思うのであります。仕事、或いは経歴、学歴あたりから考えましても、民間の職員給與と比べるべきものだと思うのでありますが、職員給與の殆んど大部分が一万円を超しておるということは、これは労働省の統計によつても明らかなところであります。先般争議をやつておりました製鉄所のごときは一万二千円に、それにプラス幾らの業績手当を出すか。業績手当というのはいわば能率給でありますが、能率給を出すかということで争議をやつてつた。手許に資料がありませんけれども、神戸市の昨年の半ば頃の全体の賃金の平均は一万円を超したと神戸市では見ております。それから社宅にいたしましても大企業においては殆んど持つておるのが実情であります、通勤を除きまして。それから購買会、その他現物給與と申しますか、或いは福利施設的な給與にいたしましても、官庁職員に遥かに上廻つおる。官庁職員は御承知の通り六千三百円ベースに釘付けになつておる。超過勤務なり、或いは旅費、その他仕事に関連いたしますいろいろな利得で以て辛うじて生活をしておるという実情であります。私は中央官庁の実情についてはその職員の生活の細かいものについて知りませんけれども、従來私共が地方で見て来たところでは、例えば超過勤務だとか、或いは旅費だとかというものが、これは仕事によつてあるところはある、ないところはない、或いは多いところもあり、少いところがあるということで、あの仕事はいい、この仕事は惡いという言説を聞いて來たのであります。尚こういう民間給與との開き、或いは実質生活の低さというものが、公務員の犯罪を増加しておる原因ではないかと憂うるものなのであります。先般官房長官は、なるべく実質給與をよくして、良い人間が得られるように努力いたしたいということでありましたけれども、こういう実情では良い人間は得られない。尚現在の生活の実情では公務員の誇りはこれは失われる虞れがある。或いは末端においては失いかけておるところもあるのじやないかということを考えるのであります。或いは超勤だとか、或いは出張旅費、そういうものを入れ、そうして辛うじて生活をしておるというこの公務員の生活の実情、こういう実態については官房長官は認められるかどうか。  実は私共の手許に法務府の検務局或いは法務府法制意見第四局から公務員の犯罪調というものが出ておりますが、そういう犯罪の増加の原因の一端が、給與の低さにあるということを考えられるかどうか。その二点について先ずお伺いをいたします。
  22. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 吉田さんにお答え申上げます。  先ず第一に一般産業労働平均賃金でありますが、この中には大体公務員と同じような仕事をしておるところの筋肉労働者のみならず智能労働者、或いは会社の職員が入つておる次第でございます。  それから第二点でございますが、といたしましてもまだ一般産業労働平均賃金よりは低いのでございまして、将来は予算の許す限り鞘寄せをして参りたい、こう思つておるのであります。のみならず、マツカーサー・レターに心公務員の地位が好ましき地位であるというふうにならなくてはならんということが書いてありまして、将来の我我の目標としては、昭和五乃至九というところに、国民全体が文化生活の水準を高めることを許されておるのでありますから、飽くまでそこを狙いとして産業の復興も図ると同時に、各種給與労働賃金のスタンダードを上げて行くべきものである。この際我々が人事院勧告に従い得なかつたのは、実際残念でならないのであります。我々はできれば従い、そうして給與ベースを上げて行きたいのでありますが、衷心からそういうことを考えております。総理以下自分俸給が第一非常に少くて困るのだということもこぼしておるくらいでありまして、だからして一般の官公労働者諸君給與がさぞ低くて苦しんでいるであろう。こういうふうにいつも発言しております。今朝も又專売公社の裁定を受諾するといつたような関係から、その話が又公務員給與ベースの問題に展開して行きまして、相共に公務員給與ベースの低いことについて憂いを共にし、歎きを共にした次第でありまして、安定施策が効果を奏した曉においては、今暫く乏しきに耐えて貰いまして、その後は名目賃金の上昇が許されるならば上昇、実質賃金の上昇が許されるならば上昇を必ず図りたい。殊に明年度におきましては、相当程度の実質給與の増額をいたしたい。こう政府は熱望して努力しておる次第でございます。
  23. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 上げたいというお話でありますが、現に開いておるその開き、或いは民間給與は、昨年の初め頃から緩いカーブではありますが、上昇をしつつある。併し昨年の初め頃から今日に至りますまでの民間給與公務員給與開きは現実でありますが、その開きの現実はどうするか。これらの問題もありますが、過去の分については、これは或いは赤字となり借金となつて累積しておるのでありますが、そういうものを考えますと、これは将来の希望でなくして、今日どうするかという問題でありますが、その過去の給與開き、或いは赤字の累積というものについてはどういう工合にされるお考えでありますか。
  24. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 今日或る程度開いておることも残念に思つております。でありますから、明年度におきましては、実際の手取りというものを殖やし得るように各種の配慮をしておりまして、この追加表にも現われております通り、去年の十月の現在は去年の三月現在よりも三百円高いということになつておりますが、これから後もこういうことはどしどしやつて参りたい。こう思つております。
  25. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 三百円やそこらの開きでないのですが、その点はあと廻しにいたしましてこの前のときに、実質賃金の向上のために医療関係、或いは消費組合等について云々というお話がありましたが、これは医療関係については民間の工場、鉱山、企業体においては健康保険があるので、或いは消費組合については購買会その他、これは公務員以上の補給、或いは現物給與をしておるのであります。その点は問題にならんということを申上げたいと思います。そういうものを除きました現金の金銭給與についてどうするかという問題が問題なのであります。尚そのとき説明をされました住宅についででありますが、住宅についても先程申上げましたように、民間企業体については社宅を相当持つているのであります。今後住宅を増してやりたいという話でありましたが、それでは官庁職員について今年中に全部住宅を作つてやるつもりなのか、その辺をお伺いをしたいと思います。
  26. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 住宅の問題についてお答え申上げます。今年は予算に十二億というものを計上しております。去年の予算には十一億計上しております。去年の予算は周囲の関係もありまして、まだ執行できない状態であります。でありまして、明年度においては二十三億円、十一億と十二億で二十三億円という新住宅の建設をする運びになつております。
  27. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それでは全部に作つてやれないだろうということを申上げ、尚それでは民間の労働者の住宅に追つかないということを指摘するに止めまして、超勤手当云々ということがありますが、超勤手当については先程もちよつと申しましたように、付くものもあり、付かんものもあり、不公平である事実についてはこれをお認めになりますかどうか。
  28. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) これは勤務の成績でありまして、当然、例えば八時半に出て、午後四時半に帰る、而も極めて機械的であり、パンクチユアリーであるという人に対しては超勤手当は出し得ない。普通非現業的の仕事をしておる人は超勤が多いのであります。その実情に副うように超勤を出したい、こう考えておりまして、今年は相当増額を各省、各庁に亘つてなつた次第でございます。  尚吉田さんの今御指摘のような不公平な事実があれば御指摘に伴いまして、これから後もどしどし是正して参りたいと思つております。
  29. 中井光次

    委員長中井光次君) ちよつと……官房長官は午後四時五分前までと約束しておりましたからそのおつもりで御質問を、あとは又明日にお讓り願いたいと思います。
  30. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それではこの点を一つだけ聞いて置きたいと思うのでありますが、超過勤務手当を加えて七千四百十一円になるということは、官房長官の方から出された数字の中にあるのでありますが、これだけのとにかく財源はあるということはこれははつきりしておる。二十五年度の予算で超勤手当を入れて七千四百十一円になる、これはその外であるか、内であるか、はつきりいたしませんけれども、最初新聞紙に報ぜられたところには、その外に特別賞與というか、或いは手当を考えておられるように聞いておるのでありますが、その特別手当というか、賞與というか、そういうものについては、これは確定しておりませんでしようから、その具体的な内容はここで問いませんけれども、七千四百十一円になる、それだけの予算はあるといたしますならば、それにあと三、四百円を加えるというと、七千八百円に近いものになるのでございますが、第一に七千八百円ベースにする御意思はないのかどうか。或いは七千四百十一円の外に出すというものは、内であるか、外であるのか、その具体的な形についてお伺いしたいと思います。
  31. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 明年度大体七千四百円に公務員の数をかけただけ出すのであります。各種手当を加えて……。十一円というものは記憶いたしませんが、大体において七千四百円かけるの八十なんぼ、行政整理直後八十七万でしたか、それをかけただけの予算が組んである次第であります。それからそのあと行政費を役人諸君に勉強して節約して貰つたとか、能率を上げて貰つたとか、欠員分を現在員で一生懸命働いて貰つたとか、そういうものがありますると、それだけ予算節約されまするが、その節約された予算を従来の法令によりますというと、大蔵省へ返さなくてはなりませんが、折角勉強して働いて呉れたもので、若し予算が余つておるならば、これを何とかして、法令的措置やいろいろありましようが、とにかく何とかして給與を殖やす方へ出したいものであるという抽象的な配慮をいたしております。吉田さんも御質問の中に具体的のことは言わないでもよろしいとおつしやつていましたから、非常に幸いでございまするが、具体的にはまだ何らどうこうということを申上げる段階になつておりませんが、今のような場合は投入が折角努力したんだからして、その努力の甲斐があるようにしてもよろしいんじやないかというふうな、抽象的な考えを持ち、苦慮をいたしておる次第であります。
  32. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 具体的な内容も問題なんでありますが、それを聞かんでもいいというたんじやありません。確定はしていないであろうが云々と申上げた、その具体的な内容も追つて是非承わらなければならんと思うのでありますが、そういう工合に七千四百円、まあ十一円というものは示された表との開きでありますけれども、それは問わんとして、七千四百円の予算があり、そうしてその外に今のお話では何らかの形で給與を増そうという考えがあるならば、現在のベースが低いということを認めておられると思うのです。そこでその七千四百円の予算に何らかのものを附加えて、そうして七千八百円のベースに改訂するということは、これはそういう財政の面からも可能であると思うのでありますが、七千八百円ベースに改訂する意思はないかということを先程最後に聞いたわけであります。
  33. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) これは九原則その他の関係もありまして、ベース自身は改訂いたしたいのでございますけれども、いたしかねる次第でございます。併しながら実質給與をよくいたして参りたいという点につきましては、政府は熱意と誠意とを以て苦慮いたしております。
  34. 中井光次

    委員長中井光次君) 今日はこのぐらいで如何ですか……じや本日はこれを以て散会いたします。    午後三時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     中井 光次君    理事            宇都宮 登君    委員            吉田 法晴君            川村 松助君            寺尾  博君            千葉  信君            岩男 仁藏君   国務大臣    国 務 大 臣 増田甲子七君   政府委員    人  事  官 山下 興家君    人事院事務官    (給與局長)  瀧本 忠男君