○岩男仁藏君
公務員の
給與に関する問題については、
木下君、千葉君からのいろいろ質疑に対して
総裁から御懇切な御
答弁があり、腑に落ちない点もありますが、大体今日はそれで了承して
質問は差控えますが、ただ今日は久し振りに
総裁が、お見えにな
つておりますから、私が平素
考えてお
つた人事院について、
公務員の任免、黜陟に関する問題について、御感想でもいいが、率直に
一つ御所見を承りたい。御
承知の
通り、先般中小企業庁の蜷川長官と水産庁の飯山長官が、恰も大根の首を刎ねられる
ように、極めて簡單に首を刎ねられてしま
つた。この問題につきましては、実はその間にいろいろ……殊に蜷川長官の場合は、中小企業の三月危機説を唱えられたという
理由の下に、
閣議決定にしてこれを罷免する、併しながら蜷川長官は、罷免される前に自身でおやめに
なつた
ようでありますが、最後まで辞職をしなか
つたところの飯山
水産庁長官に対しては、遂に
公務員法の罷免権を発動してやめさせたと、これは
公務員から見ましても、又国民全体から見ましても、実に私は不愉快な仕打ちであ
つたとこう
考えておるのであります。新聞の伝えるところによりますというと、農林大臣の談として三つの事項を挙げてお
つたようであります。いわゆる服務規律に反する三つの事項、そのうちの
一つの、俺の家に来んからということだけは抜きにして、農林省
関係の幹部の会合に出て来ないと、それから俺に無断で北海道かどこかに出張したと、この簡單な
理由で、あの罷免権を発動して昔でいうと懲戒処分に付した。実に残酷極まる仕方である。あの筆法で行くと恐らく何十万の
公務員は一人も残らんと思います。そら遅刻した、早退けした、出張等で、それは或いは上司がおらずに黙
つて行くこともありまし
よう。それは大臣も現にや
つておる。そういうことを一々取上げて行けば、恐らく
公務員の身分というものは保障されないと、こういうふうに
考えておりますが、尚これを具体的に例を引いて申上げますと、昔の政友会と憲政会の二大政党のときに行われてお
つたことが、今日繰返さるるということを私
考えますと、非常に
公務員の身分保障のために心配をしておるのでありますが、これに対して
総裁はどういうふうにお
考えにな
つておるか、
一つお聽きしたいのであります。