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1950-07-11 第7回国会 参議院 人事委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月十一日(火曜日)   —————————————   委員の異動 五月二日委員田中利勝君、松嶋喜作 君、小畑哲夫君、市來乙彦君、宇都宮 登君及び大山安議員の任期を終了し た。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員給与問題に関する調査  の件   —————————————    午後二時十二分開会
  2. 中井光次

    委員長中井光次君) 只今から人事委員会開会いたします。国家公務員給与問題に関する調査の御報告を申上げ、お打合せをいたすのでありまするが、千葉委員から御質問のお申出でがありまするから時間の関係上先ず御質問を先に許します。
  3. 千葉信

    千葉信君 質問の順序として、お出でになつておりまする人事院の方に御質問申上げて、その次に内閣官房長官に御質問申上げたいと思います。人事院に対する質問の第一の点は、いろいろ新聞などにも報道されておりまするが、昨年一二月四日に勧告せられました七千八百七十七円ベースが未だに実施されておりませんけれども、昨年七月以来の情勢変化に応じて、更に人事院においては第二次勧告を用意されているということが報ぜられておりまするが、勿論我々としては先きの勧告が至急実施されることを望みまするけれども、現在の段階としては先きの勧告基礎となりました昨年七月以降におけるところの、例えば配給食糧の増量並びにその価格の改訂、或いは又電燈料金値上がり、醤油、味噌等における値上がり等考えますると、実施はされておりませんけれども、更に第二次の、これらの情勢に適応した第二次の勧告をして、至急その第二次のの勧告実施させる必要があると思うのでございますが、新聞に伝えられるところによりますと、人事院の一応の見解として、現在の公務員諸君給与は、その平均において六千八百円程度に達しているというような情報もございますが、果たして人事院では六千八百円程度に現在の公務員給与がなつているというふうにお考えになつておられまするか、それから又、伝えられておるところの第二次の給与ベース勧告について、どの程度現在人事院においてはその作業内容が進んでいるか、できるだけ詳細に御答弁を承りたい。  第二の点は、寒冷地支給手当の中の石炭手当に関する問題ですが、先きに人事院かち北海道職員に対する石炭手当支給金額として、一トン当り金額を六千カロリー価格計算を以て四千百五十円というふうに政府に対して勧告されておりまするが、北海道における実際の暖房用炭として使用されておる石炭カロリーは、その平均は六千四百カロリーになつておりまするし、更に又、北海道における知事、鉄道局長、或いは郵政局長国税局長等がお互いの連絡機関として持つている支庁会議結論としては、北海道における実情調査の結果六千八百カロリー北海道における暖房用炭最低カロリーである、こういうふうな結論に到達して、政府当局に対しても相当強硬に而も積極的に交渉されたようでございますが、こういう状態の中で人事院は、一応六千カロリー石炭基礎として四千百五十円というふうに勧告を出されたようでしが、このカロリー計算根拠となりまたもの並びに北海道における人事院当局実情調査状態について、できるだけこの際詳細に国民の前に公表して頂きたいと思うのでございます。  第二の石炭手当の問題につきましては、今直ちに御答弁を承るよりも、むしろ正確な、十分責任を持つた資料国会提出して頂く。この二点でございまして第一番の点については只今答弁を承りたい。第二の点については今申上げたように資料提出を御要求申上げます。以上でございます。
  4. 瀧本忠男

    説明委員瀧本忠男君) 只今千葉委員の御質問に対しまして、人事院見解をお答え申上げます。  現在の公務員給与ベースが六千八百円程度になつていないという御質問でありますが、この給与ベースという問題は我々余り重きをおいておりません。それは人員の年齢別構成或いは級別構成というようなことによりまして、この問題は非常に動くのであります。従いまして我々が問題にいたしたいものは、俸給表それ自身で、俸給表それ自身を問題にいたさなければこれは意味がないのであります。このことはもうすでに大方の認識しておられるところと我々は考えておるのでありまして、それにいたしましても、公務員平均給与がどれくらいになつているかということは一応見当をつけなければなりません。その点につきまして、我々は去年の九月十五日に公務員実態調査というものをいたしておるのであります。この公務員実態調査におきましては、一般職に属する職員給与全部を調べたものでありまして、実態調査ということになつております。それによりますと。やはりその当時におきまして六千三百円程度という数字が出ておつたのであります。従いましてその後の昇給というものを見込んだといたしましても、六千八百円程度になつておるというふうには我々は考えておりません。仮に昇給があつたといたしましても、一部に昇給があつたといたしましても、一方におきまして、やはりタンノウバということがございまして、やはり抜けて行くのでありまして、その平均というものはそれ程上がるものではないのであります。従いまして人事院といたしましては、この給与水準そのものにはそれ程意味を認めておりませんが、併しながらその数字を問われるならば、我々は六千八百円程度になつておると考えております。  それから昨年の七月の現状に基づきまして我々が勧告をいたした次第であります。併しながらその後先般の七千八百七十七円の勧告かち見ますると、大約十ヶ月を経過しているという状況におきまして、その間随分変化もあつたわけであります。物価等におきましては、総理府統計局でやつておる。C・PSというもの、これが公表になつて出ておるものでありますが、大略の傾向というものはこれで分かるのであります。従いまして、それで見ますると物価指数上というようなものは昨年に比べまして、非常に低下しておるという状況は御案内の通りであります。併しながらまあ今後においてこれがどういうふうになつて行くものであるかというようなことにつきましては、目下我々いろいろ分析いたしておりまするが、まあ物価指数だけ見ますとそういう状況が確かに見られるのであります。併しながらその間におきまして国民一人当りの摂取いたしまするカロリー量というものが、公式の見解に従いましても増加いたしておるというような事情もござまと、それから物価指数が即ち我々のマーケツト・バスケツトに反映して来るものではない。我々は昨年から事情変化いたしました現在、これは月々やつておるのでございますが、いわゆるマーケツト・バスケツトというものがどういうふうに変化しておるかということを月々計算いたしております。極く最近におきましても、新しい資料によつてそういうものを作つておるのであります。我々は仮にそういういわゆるベースといわれております七千八百七十七円、その金額が仮それと余り違わないということがございましても、尚且つその後の研究に従いまして俸給表の作り方でございますとか、或いは地域給扶養手当というようなものにつきましても、それぞれ新しい資料に基きまして研究いたしました結果により一層合理的であるというふうに認めるものがあるならば、これはやはり勧告した方がいいのではないだろうかというようなことを考えまして、これは人事院におきましていろいろ相談いたしております。では目下作業を進めておりまして、これが全部完結はまだいたしておりません。そういう状況事務当局はおりますが、これを最後的に検討されまして、そうして勧告すべきであるかどうかということは、これは人事官会議におきまして決定されまする問題でありまするので、我々はただその資料を提供いたしまするために、現在作業を一生懸命にやつておる、こういう状況でございます。  それから石炭手当の四千百五十円、六千カロリーというものにつきまして、どういう算出根拠をしたかというお話がございます。これは千葉委員かわお話がございましたように、詳細なる資料を今後適当な機会に提供いたします。ここで大凡そ見当を申上げまするならば、我々は北海道主要都市につきまして実際に小売されておりまする各種の石炭価格調査いたしたのであります。この調査の結果によりますると、必ずしもカロリーの高いものが高くて、カロリーの低いものが安いというわけではない。大略の傾向はそういうふうになるのでございますが、やはりその間に若干の中があるのでございまして、我々はそういうものからこの石炭価格決定するのに非常に難渋を感じます。そうしてその調査によりますると、北海道市場に最も出廻つておる炭というものは大体七千カロリー以上の炭と、それから六千カロリー乃至六千四百カロリーという、そういう数字北海道市場に非常に出廻つておるという事情明かにつたのてあります。併しながら一方におきまして五千カロリー程度の低品位の炭を産出する鉱山も北海道には二三あるのでありまして、又石炭公団廃止当時に抱えておりました石炭の滞貨というものも相当ございます。尤もこれは大変低品位であります。恐らくは問題にならんでありましよう。そういう状況でございまして、こういう調査だけからは北海道において使う炭というものを決定的に決めるということは非常に困難であります。併し我々は大体この調査によりまして、このカロリーと価額といふものを塊炭或いは中塊炭というものにつきまして、まあこれは両者は合一いたして補正いたしたのであります。それから粉炭こういう二種類に分けまして、それぞれカロリーとそれから炭価との相関関係を表します直線を出したのであります。そうして大凡その話をいたしますれば、何カロリーの炭は大体どれくらいであるという、そういう資料を作成いたしました。一方札幌におきまして、これはC・P・Sを行なつておりますが、極く最近の札幌における石炭使用状況というようなものをC・P・Sから見て見ますと、これはその炭が何カロリーの炭であるかということは分りません。又非常に便宜があつて非常に廉い値段で良い炭を貰つておられるかも知れませんが、とにかく北海道のC・P・S調査該当世帯が入手いたしております一トン当り値段というものが出るわけでありますが、そういう計算をやつて見ますると四千百五十円になるのであります。この四千百五十円に相当いたしまするカロリー量はどのくらいかということを、先程の作りました資料に基きまして照して見ますると、これが六千カロリーということになるのであります。北海道札幌におきまして実際得ておりますものは高品位のものも、低品位のものもいろいろあるでありましようが、これは平均して四千百五十円ということになつておるのであります。ところで札幌だけでそういう調査をしたので満足であるかという問題が当然起つて来るのでありますが、これは外に資料がないので止むを得ないと言えば止むを得ないのでありますが、昨年の十一月におきましては特別C・P・Sというもりをやつておりまして、北海道におきまして札幌以外の都市も相当調べております。そのときの状況がどういうふうになつてつたかと言いますと、昨年の十一月におきましてそういつた特別C・P・S該当都市において購入いたしました一トン当り値段というものが三千九百円程度になつておるのであります。そのときに札幌におきましては四千円程度ということになつてつた、こういう事実があるのであります。そうなつておりますならば、余り懸け隔たつていない、札幌値段というものは全道平均値段と懸け隔たつていないのでありますから、四千百五十円というものを今回は輸送費というようなものを見なかつた、併しながらそういうことも若干加味して考えますならば、四千百五十円という数字は現実に妥当な数字である、こういうように結論いたしたのであります。勿論実情調査の詳しい資軒は次回に御報告いたします。
  5. 千葉信

    千葉信君 大体今の御答弁で了承いたしましたが、ただその中に人事院で最近発表したと伝えられておる公務員諸君平均給与が六千八百円だというふうに、私がそう考えておるように御答弁がございましたが、これはそういう情報があつたについては、私はそういう六千八百円ベースの上に、千円であるとか八百円であるとか、積み重なるという方向において勧告するということが新聞に伝えられておりますので、そういう点について御質問申上げたわけですから、その点については御訂正申上げておきます。それからもう一つは第二次の勧告について相当作業も進んでおられるという御答弁でございましたけれども、御承知通りに明日から第八臨時国会が開催されますし、できるだけ私共この第八国会において、国会としての立場からこの問題を十分に検討して、できれば結論も出したい、こういうように考えておりますので、至急その勧告実施して貰たいと思うのですが、先程の御答弁では期日の点等については、単に作業が進行中であるそうして又人事官会議結論に俟たなければならんという御答弁でございましたが、一応これらの点について、只今申上げたような時間の問題もございますので、どの程度の時期に勧告するというようなことをお考えになつておられるか、若しできたらこの際或る程度明確に伺つておきたい、かように考えます。
  6. 瀧本忠男

    説明員瀧本忠男君) 只今の御質問につきましては私御答弁の限りでございませんので、千葉委員の御希望等十分人事官にもお伝え申上げたいと思います。
  7. 千葉信

    千葉信君 内閣官房長官に御質問申上げますが、私共従来例えば給与ベースの問題ですとか、或いは寒冷地給の問題などにつきまして、政府当局と個別にいろいろ折衝いたしますると、ややもすると、これは議院提出法案であつて予算考慮を全然せずに通した法律だから知らん、特にこういう意思表示大蔵当局からしばしばなされておりまするが、この点については我我見解としては、たとえ議院提出した法案でありましようとも、一旦国会においてそれが可決した、成立いたしました後においては、政府提出法案も、議院提出法案差別があつてはいけない、差別あるべき性質のものではない、こういうふうに考えておるのですが、特にこの寒冷地給、或いは又石炭手当法律議院提出法律でありましたために非常にこの法律実施ということに対して政府が熱意を欠いておる。加えるに今私が申上げたように議院提出法案であつて、当初から予算上の考慮を殆んどしておらんからこんなものは知らん、こういう恰好の意思表示が公私の場合に、よく発言せられておるなよですが、このとについては、私はこうことが絶対あつてはいけない、かように思うので、これに対する、先ず第一に内閣官房長官から、議院提出法案と、政府提出法案成立後における取扱いについて差違があるのかどうか、このことについて一応の御答弁を第一番に承つておきたい、かように思うのでございます。  それから第二の点に至りましては、二十四年の法律第二百号の国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支’給に関する法律、この法律の第二条第二項によりますると、「石炭手当は、その支給期間を通じて、世帯主たる職員に対しては三トン、その他の職員に対しては一トンを、それぞれ公定小売価格によつて換算した額に相当する額をこえて支給してはならない。」この条文の中で後段の方で公定小売価格という言葉がございますけれども、これは自然的に小売市場価格というふうに日当然に移行されておる表現でございまするが、こういうふうに第二条の第二項にはつきりとそのトン数並びにその価格計算する基礎というものが一応明確に出ておりまするし、更に又第三条の第三項におきましては「内閣総理大臣は、前項規定する定めをするについては、人事院勧告に基づいてこれをしなければならない。この前項規定というのは寒冷地手当及び石炭手当支給額支給期間支給方法、こういうふうになつておりまして、特に石炭手当支給額についてはその計算基礎を三トン、或いは一トン、そうしてその価格公定小売価格ということになつております。これは現在の立場から言いますると、当然に小売市場価格というふうになるわけですが、こういうふうに第三条の第二項において従来の給与ベース勧告、つまり公務員法の第二十八条におけるように、情勢適の応原則に基いて、単に人事院勧告を怠つてはならない、或いは勧告をしなければならなないという規定とは違つて、もつと具体的に、勧告に基づいてこれをしなければならない、こういうふうになつております。従つてこれに対しては公務員法の二十八条よりももつと政府に対する拘束が強められておる、こういう立場からいたしますると、私共は今度の寒冷地給並びに石灰手当の問題につきまして、人事院からの石炭手当として、六千カロリー基礎を以つてした金額が四千百五十円、先程も人事院当局から御答弁がありましたように、このカロリー計算というのは、決して出鱈目のものでもなければ、又北海道における実情調査の結果に基いて、この程度カロリー北海道暖房用炭としては当然考えなければならないというふうに、或る程度のはつきりした基礎の上に立つて勧告をされているわけでありますが、これに対して、政府当局としては、先の閣議におきまして、一トン当り三千円というふうに数字を出されておるようでございます。人事院勧告から言いますと、例えば、人事院勧告通り支給される場合があるといたしましても、御承知通りに、四千百五十円のトン当り価格に対して、当然これはその二割、八百三十円程度税金が引かれる。更に小運搬賃として一トン当り三百円程度かかる。そうすると、実際支給される額は、人事院勧告の額を以てしても三千七十円、これで一体北海道市場価格状態から見まして、どの程度石炭が買えるかどうか、これさえも、私は、危ぶんでいるわけですが、更に政府閣議決定されましたトン当り三千円ということになりますと、これ亦、税金において六百円、小運搬等において三百円ということになりますと、実際上、石炭価格として、支出できる金というのは、二千七十円に過ぎない。一体政府計算基礎となりましたのは、どういうところにあつたか、暖房用炭として、二千七十円の石炭一体買えるかどうか、そういうカロリー石炭暖房用炭として間に合うかどうか。そういう点について、十分調査研究されて、妥当なりという結論を出されたかどうか。この点一つ。それからもう一つは、御承知通りに、昨年は、石炭手当としトン当り二千七百円支給されております。ところが、私共政府当路者といろいろ個別に折衝いたしましたときには、今年は予算としては、トン当たり二千五百円であつたけれども、今度の閣議決定は三千円である、従つて、昨年に比べて、大体三百円、一割というものが増額されておる、固定じやない、こういうことを言つております。ところが、ご承知のように、昨年議員提出法律として、この法案国会において成立しました当時には、予算は全然計上されておりませませんでした。併し、我々は、追加予算が計上されるということを期待し、更に、それが若し不能な場合であつても、その他の費用からの移用、若くは流用ということを考えて、第一条に、予算範囲内において支給するということを明確に規定しております。ところが、昨年は予算の中に、一銭も予め計上されておらないし、更に又、追加予算としても何ら補正されておらないに拘らず、二千五百円支給されておる。今年は、一割増額されたと言つておりますけれども、今年は、たつた三百円しか予算に計上された以外には支出されておらない。一体今年度のこの三百円は、二千五百円にプラスになつた五百円というのは、どの費目から流用されたか。そして又その費目にはこれ以上に実際に公務員の生活を考えまして支給するような財源が果たしてなかつたかどうか、この点のについてはどこから財源を出したかということと、それからできれば若しこの石炭手当支給するために財源考慮政府がすることができるという、若しくは一応考えられるという財源がどこかにあるとすれば、その点についても官房長官から一応のお見通しをこの際承つておきたい。この財源の問題については、一般会計特別会計、並びに一応政府機関或いはその他の場合に、今度の人事院勧告とは離れている、直接議には関係のない公共企業等もございますが、できれば合せてこの三合計に亘つて財源の問題について官房長官から見通しを承つておきたい、かように思つているわけであります。
  8. 岡崎勝男

    説明員岡崎勝男君) 只今の御質問の第一点は、政府提出議案議院提出議案とは、成立後にも何か取扱い差別があるのかという趣旨だと思いますが、私はそれはないと思つております。ただ若し何かそういう誤解がありとすれば、政府提出議案の多くは、予算考えて始めから予算に入り得るように出しているのが多いと思います。議院提出の場合は予算考慮を先ずされないで提出して、それから予算をこういうふうに組めという御注文があるのじやないかと思います。これは私見ですけれども……。そんなことで多少誤解があるのじやないかと思いますが、苟も国会で決めた法案差別があることはない、こう私は考えております。それから寒冷地手当の問題が第二の御質問だと思いますが、今財源というお話が先ずありましたが、実は今日どういう御質問かも知らすに、突然私の方の党の議員総会からこちらに伺つたので、その辺の資料を何も持ち合せておりません。正確なことを申上げないと却つて悪いと思いますので、これは大蔵省によく連絡いたしまして、大蔵省局から一つ十分な御説明を願いたいと思います。ただここで申上げておきますのは、私共も実は素人でありまして、本当にこれは自分で北海道行つて石炭を買つたわけでもありませんし、どうしてもこれは関係する各省の出しました数字その他の資料によりまして、これでいいんだろうという判断を下すだげであります。又閣議決定というものは法律決定とは違いまして、場合によつたら又訂正もできるものだと思つております。が寒冷地手当につきまして、議員提出法案つたから政府は甚だ冷淡であるというふうには私の見るところでは今考えておりません。例えば昨年は寒冷地手当をずつと年が押しせまつてから出した。それじや工合が悪いからというので、今年は前々から組合等より陳情がありまして、八月頃に一遍出した。それから又秋に一遍出す。こういう話がありまして、たしか大蔵省当局お話ではそういうふうにできるものだと私は了解しております。この点もなるべく御希望に副うようにしたいと考えている次第であります。それから三千円が低いじやないかというお話であります。これはなるほど人事院勧告等から見ますと低くなつているのは事実でございますが、財政上の考慮もあつてのことと考えております。私法案をここで持つておりませんから覚えておりませんが、いずれ財政の許す範囲でということがあるのじやないかと思いますが、そういうような点も考えてのことだと思います。併しできるだけ満足するような手当を出したいという誠意は、政府側、殊に労働省等にはありまして、相当強く閣議でもこれを反映していると私は考えております。
  9. 千葉信

    千葉信君 私実はこの委員会でこの問題について御質問申上げる前に、事前に首相官邸に参りまして、官房長官とお会いいたしましたときに、国会が始まる前にこの問題について必ず委員会の席上で御質問申上げるつもりであるから、十分にこの問題についてご研究おき願いたいということを私はご注文申上げた筈であります。遺憾ながら只今の御答弁を承つておりますと、非常に官房長官勉強不足のようでございます。だが併し財政問題等も絡んで参りますと、今ここで詳細に御答弁なさることは一応伺つても無理だろうと考えますので、この点については今官房長官からお話がありましたように、国会開会になりましたら即座に大蔵当局にご連絡をお取りになつて、納得の行くような御答弁を承りたい、かように思うのであります。  ただ併しここで私今官房長官の御答弁を承つていて考えましたことは、結局石炭手当閣議決定における金額というものも、財源が問題である、財政上の問題で、これはどうにもならないのではないかというような御答弁でございましたが、私はこの答弁のやり方は、現在の吉田内閣が採つている最も悪辣な政治のやり方から来る答弁だと私はかように考えざるを得ない。何故かというならば、政治というものは、私はここで御講演申上げるまでもなく、先ずこういう問題については、石炭手当をすることが必要かどうかということ、そうして又支給するとすれば一体どの程度金額が必要であるかどうかということを決定するのが、それが政治である。そうしてその決定は決して財源だけの問題で制約を受けてはならない。そういうことの必要が若し当然の措置として決定されたならば、それに対して今度はどこから財源を持つて来るかということが、これが政治だ。財源はどてかに客観的事情としてあるのではない。そういう決定に基いて財源というものが作られなければならない。これが政治だと私は考えるのです。従つてそういう点から見ましても、今度の不当な閣議決定の三千円という金額については、只今官房長官から御答弁がありましたように、政府は決して不誠意な気持を持つてこの問題を扱つているのではない、何とかできるだけしてやりたいという気持を持つて行動しておられるということは私は十分にその言葉を尊重いたしますので、できるだけ近い機会に、この石炭手当の問題について内閣官房長官の方からお話がありましたうに、閣議決定というのはこれは絶対のものじやなく、相当巾のあるものであり、変更されるものだという御答弁を私はそつくりそのままこの言葉に対して期待いたしますから、どうか官房長官におかれても、今度の委員会において御答弁されるまでに、できればその閣議決定の線に対して十分の検討をお加え願いたい、かように希望いたしまして、私の質問を一応打切ります。
  10. 中井光次

    委員長中井光次君) それでは御質問はこれで済みましたが、次に先程の調査の問題を議題にいたしまして、専門員から御報告申上げます。
  11. 川島孝彦

    ○裏門員(川島孝彦君) 人事委員会の継続調査として問題になつておりますのは、国家公務員給与問題に関する調査でございまして、四月二十七日にその要求書を提出しまして、五月二日に決定いたしたものであります。そこで専門員の方で調査のことを計画いたしましたのは大体三点ございまして、前々から引続いておりましてまだ未解決になつておりまする公務員給与べース引上げの問題につきまして、一層事情調査して結論を得たいということ。第二といたしましては、石炭手当の引上の問題に関する調査をいたしたい。第三には林野庁の現業職員の問題がこの前も請願がありましたので、そのことの何とか結論を得るべく調査を進めたい、こういう三つのことを先ず主眼といたしましておつたのでございます。これにつきましては第二第三の問題は、石炭手当につきましては、北海道の現地を調査することが至当であると考えるが、又林野庁の現業職員の問題につきましても、伐採をいたしておりまする現場に臨んで実際の調査をいたすのが適当であると考えまして、専門員の手許におきましてその実地調査の計画と議員派遣の計画をいたしたのであります。これにつきまして、私かない点がございましたのでお詫びをいたしたいと存ずるのでありますが、両方の問題共その計画を立てる時期が遅れましたので、又各方面の連絡やなにかにつきまして、時間をとりましたり、その他種々の事情がございましたために、臨時国会開会を間近かに控えまして遂に実行することができないような事情に立ち至りました。この計画につきまして委員の方々皆様に大変無駄な御心配、又いろいろ御配慮を頂きましたのにこれを無にいたしましたことは、当事者としてまことに申訳なく存じておるのであります。それで第二第三の問題は、そういうために結局十分調査を進めていくことができませんでありましたが、第一の給与ベース引上の問題に関しましては、閉会当時の状況といたしましてはまたいろいろな資料が出て参りません。こういうので本年の始めからその後の各種の関係状況を、どういうふうに変化しているか、その材料を出揃うの待ちまして研究いたしました結果、大体今まで判明いたしましたところは次のような点でございます。第一はG・P・I即ち消費者物価指数の変遷が最近では五月までの分が出て参つてろいます。六月の分はあと一二週間で出揃うそうでありましたが今まで分かりました状況で判断いたしますと、少しくどくなりますが、昭和二十三年の七月即ち六千三百七円ベース計算をいたしました当時以後の状況を概括して通覧いたしますと、二十三年の七月には指数が一〇八であつたものが二十四年の七月、即ち去年の給与ベース引上の勧告をいたしまする基準にしました月、その当時になりますと、十四〇・七に上がつております。一〇八が一四〇・七即ち三〇%の高騰を示しておつたのでありますが、その七月を頂点といたしてその後漸次降り坂になりまして、昭和二十四年の十一月には、一三四、昭和二十三年の七月を一〇〇といたしますと一二四%というふうに下つて参りました。併し今年の昭和二十五年の一月には少し上りまして、一三五・五、即ち昭和二十三年の七月を一〇〇といたしまして一二五%、二割五分増というようになつたのであります。これは丁度昭和二十五年の一月に主食の小売公定価格の改訂がありまして、大凡主食では一割程度の値上りを示したのが影響したのではないかと思います。その後二月三月四月と順次やはり指数は低下いたしまして、一三五・五、一二九・八、一二七・七、一二四・三というふうに下つて参りました。併し、今年の五月になりますと、これがやや又上昇いたしまして、一二六・三というところになつております。これを二十三年の七月を一〇〇といたしまして、計算いたしますと一一七%即ち二十三年の七月に比べて一割七分高目になつておるという状況でございます。今後それが尚上がるかどうかは、もう暫く様子を見ないと分かりません。それからその次には、只今のはC・P・Iで、消費者の側から見た物価、而も闇のものと公定価格と、それから実際に購入しておる状況を織込みました物価指数でございますが、そうではなくして、ただ単に売手の方からだけ調べました物価指数が日銀の調べで出ております。これは大正三年の七月を基準といたしまして、現在までずつと続いておりますが、その状況只今のと比べて見ますというと、昭和二十三年七月には、指数は一九・四八四、昭和二十四年の七月には四五・七三一でございまして、昭和二十三年を一〇〇といたしますと二四八%、倍以上になつております。併し、昭和二十四年の七月から以後は、漸次そのまま下つて参りまして、二十四年の十二月には四二・二二一、これを二十三年の七月に比べますと、二一七%ということになつております。それから昭和二十五年の一月は、やはり消費者物価指数と同じように少しく上りまして、四三・八五四、昭和二十三年の七月を一〇〇といたしますと、二二五%であります。併し二月以降はやはりずつと下りまして、一月二月三月四月五月までは、ずつと下つて来まして、五月は三七・五〇一、即ち二十三年の七月を一〇〇といたしますと、一九三%九割三分の値上りということになります。で日銀の小売物価指数は東京の場所でありまして、そうして食料品四十二品目について調べましたものであります。大体この小売物価指数になりますと、全体の指数ではなくして、個々のものに近いものほど実際の数字が出て参るように思われますので、それをとりましたのですが、同じ日銀の小売物価指数と全品目の総平均数字をとつて見ますというと、昭和二十三年の七月を一〇〇といたしまして、昭和二十三年の六月が一五九%、五割九分増という状況になつております。給与ベースの引上げ勧告は、現行に比べまして、やはり全体で二割五分増、一二五%の増になつておりますので、こういう点から考え合せますと、C・P・Iの現在一一七%、それから日銀の小売物価の指数一九〇%、或いは一五九%の丁度中間位に当るように思います。それからなおこの一般消費者の生活の難易ということにつきましては、昔からエンゲル係数と申しまして、全体の支出の中に食料費の支出がどれだけ占めておるかということを以て、その生活程度の上下を計る方法がございます。で、このエンゲル係数ににつきましても、東京都で調べた勤労者の支出について全体の支出と食料費の支出との割合を調べたものがございます。これは調査といたしましてはあまり正確なものではありませんが、併し全体を通覧いたしますのには、戦前から引続いて数字がありますので便利であると思いますので、御参考までに申上げます。それは昭和十一年、戦前におきましては東京都の勤労者、この東京都の勤労者という中味は官公吏・教職員、銀行会社員、それから職工、こういう人達の家庭の状況でありますが、全体の支出の中で三四%が食糧費に費されております。昭和十五年には三四%が三九%、二十年には四五%、約半分近くが食糧に費されておるのであります。戦後では一番食糧費の割合の多いときは昭和二十一年の六月七月でありまして、六九%が食糧費に費されております。そうして六千三百円ベース計算基礎となりました二十三年の七月にはその割合が五九%になつております、二十四年の七月に五〇%となりまして丁度全支出の半分が食糧に費されておるようであります。それから以後は上つたり下つたりいたしまして二十四年の十二月に四五%となつております。二十五年の一月には又五〇%に戻つております。それから同じエンゲル係数の調べにつきまして総理府の統計局には昭和二十三年から以後の調査ができておりますが、これも大体東京都の調べとほぼ上り下りが同じようになつております。ただ今年の一月二月三月四月五月の傾向を見ますというと、一月から四月までは漸次下つております。一月が五九・九であります。二月が五八・七、三月が五六・八、四月が五四・六、そして五月になりますと五七・三、又盛り返しておるのであります。これは消費者物価指数の五月に上つておるのと対応して非常に注目すべき問題だと思われます。一月二月三月頃に下つたのは主として被服の方の支出の量が殖えております。数字を申上げますと一月は被服に対する支出が全体の支出の七・四%であります。二月が八・一、三月が一一・三、四月が二二・〇、そうして五月は又少なくなつて一二・五、結局一月、二月、一二月頃には衣料品の放出などに伴いまして一般勤労者の支出がそちらの方に向いたのが再び食糧費の方に大きな支出を来たしたというような状況が現れておりまして、これは勤労者の生計が甚だ苦しいということを物語るように見えるのであります。現在そういうような状況でございまして、まだ確たる結論に達しない状態に至つております。
  12. 中井光次

    委員長中井光次君) 調査の概略の途中でありますが、御報告申上げました。何かお尋ねはございますか。
  13. 千葉信

    千葉信君 只今の御報告のありましたのを、できれば即刻印刷して頂いて、せめて人事委員だけにでも至急お配り願いたいと思います。  ただ一つ質問申上げたいのは、御注文申上げたいのは、そのエンゲル係数の中での一般の職業と、できれば公務員とを特に抽出して計上して頂けば尚一層問題解決のために参考になるのじやないかと、かように思いますので、一応お願いする次第です。
  14. 中井光次

    委員長中井光次君) 承知しました。外に御質問もなければ報告書の件についてお諮りいたします。御承知のように、国家公務員給与問題に関する調査については、閉会中専門員室を中心として鋭意努力をして参つたのでありまするが、未だ結論を出すには至つておりません。参議院規則第五十五条により未了報告書を提出しなければならないことになつております。一応調査の経過は只今専門員から報告した通りであります。この報告書の案文は委員長に御一任願つたらと思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 中井光次

    委員長中井光次君) 御異議はないようでありまするから、それではそのように取計らいます。  尚多数意見者の署名を附することになつておりますからお願い申上げます。   多数意見者署名     川村 松助  岩男 仁藏     千葉  信
  16. 中井光次

    委員長中井光次君) それで今日は大体議事はこれで終了いたしました。  そこでちよつと御報告申上げて置きまするが、人事委員会調査員に今回六月三十日付を以て静岡県の岡田佐太郎君を任命いたしましたから御紹介を申上げます。同君は昭和十六年に東京帝国大学法学部を卒業されまして三菱重工業、軽金属統制会、鉱工品貿易公団に就職をされておつたのでありますが、二十三年に辞められまして、今回調査員に任命になりました。どうぞよろしく御了承願います。御紹介を申上げます。  では本日はこれを以て閉会いたします。    午後三時七分散会  出席者は左の通り    委員長     中井 光次君    委員            川村 松助君            千葉  信君            岩男 仁藏君   事務局側    常任委員会専門    員       川島 孝彦君   説明員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    人事院事務官    (給与局長)  瀧本 忠男君