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1950-04-26 第7回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十六日(水曜日)    午前十一時三分開会   —————————————   委員の異動 三月二十九日委員今泉政喜君及び岡田 喜久治君辞任につき、その補欠として 草葉隆圓君及び池田宇右衞門君を議長 において指名した。 四月二十一日委員淺岡信夫君辞任につ き、その補欠として山田佐一君を議長 において指名した。 四月二十四日委員山田佐一辞任につ き、その補欠として淺岡信夫君議長 において指名した。 四月二十六日委員水久保甚作君池田 宇右衞門君及び草葉隆圓辞任につ き、その補欠として中山壽彦君鈴木 安孝君及び廣瀬與兵衞君を議長におい て指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○証人喚問に関する件 ○大連労働組合の徴收した引揚対策お  よび難民救済資金支拂補償に関す  る請願(第二三九号) ○復員者救済に関する請願(第一〇  四号) ○旧大連日本人労働組合等拠出金を  在外公館借入金に認定の請願(第八  八八号)   —————————————
  2. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今から委員会を開会いたします。各委員の方は先程来出席をされておられたのでありますが、速記関係上、只今退席されておられますけれども、間もなくお見えになると思うので、一応審議を続けて行きたいと思います。  先ず委員長から御報告申上げておきたいことがございますが、先程来問題になつておりました特別未帰還者給與法改正法案につきまして関係方面のオーケーが出ましたので、できますならば最も早い機会に本会議に上程いたしたいと考えます。御了解を頂きたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それでは二十八日の本会議に上程することにいたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 尚この際当委員会中野委員から、提案者から除外して貰いたいとの御要求がございましたので、一応中野委員提案は除外してございますから、御報告申上げておきます。  次に証人喚問の件でございますが、尚二、三議員の方がお見えになると思いますので……
  5. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 その前に一つお諮りして頂きたいのですが、二十二日のタス通信ソ連地区引揚完了という発表がなされたのでありますが、この問題に対しましては当委員会といたしまして、或いは参議院といたしましても、国民はこれがために非常な衝動を受けるのみならず、その留守家族の身に取つて見ますと断腸の思いがすると申しますか、もう表現のしようがありません。これに対してこの委員会を代表して、緊急質問政府にして、そうしてこの面を明かになさしめたい、こう思うのでありますが、それに対して一つお諮り頂きたいと思います。
  6. 門屋盛一

    門屋盛一君 その緊急質問をするということはいいのですが、ただ委員会を代表して委員長の資格においてやるということはどうかと思うのです。この委員会自体がそれを、そういうことの調査を命ぜられておる委員会なんですから、そういう必要があればこの委員会調査しなければならん。むしろ緊急質問は他の、この委員会のメンバーでない人が質問して、それで本会議で質疑応答された結果、まだはつきりしない、審かでない点をこの委員会に持ち込むというのが審議の形なんです。それは岡元委員長がやられることはいいと思うのだけれども、今朝もちよつと議運でも問題になつた……これは私が問題にしたのですが、委員会を代表してということになると、そこに審議機構の問題で厄介なことになるから、緑風会からやるというような形で出されたらどうかということにして、今日は保留してあるのですが……
  7. 岡元義人

    委員会岡元義人君) ちよつと速記を止めて、    〔速記中止
  8. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 速記をつけて頂きます。只今淺岡議員の御発言につきましては、この委員会のどなたか議会の中から適当な機会にやつて頂くということで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  9. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それでは次に簡單に、舞鶴に参りました御報告を兼ねて証人喚問の件をお諮りいたしたいと思います。  明優丸及び信濃丸をば、衆議院から中山委員長外受田議員玉置議員竹村議員中山委員長を含めまして参つておられたのでありますが、参議院は非常に忙がしい関係上私が一人で二回とも兼ねて参つたわけであります。  今回の舞鶴入港の船は御承知通りに非常に話題を沢山持つて帰つておるわけでありまして、この最後の信濃丸入港と同時に問題のタス通信が発表されましたので、殆んどその以前から新聞等によつていろいろ報道されて、これが最終船じやないかというような噂もあつたものですから、全国から相当家族舞鶴の平棧橋に押しかけられたわけであります。丁度信濃丸の投錨時間にタス通信の放送を聞いた留守家族は昂奮してしまいまして、今までに曾てない場面が展開された、海の中にすべてのものを投げ捨てたり、或いはもう気狂いのようになつて援護局当局に喰つてかかる者、又我々衆参両院の代表に対しまして泣きついて来られる状況は、誠に我々の力の足りないところをば痛切に感ぜしめられたのであります。このことは後程他の機会に詳しく報告書を提出いたしまして御報告申上げたいと思いますが、帰還者の中で相当変つておりますところでは、僞名を使つて帰つて来た者が相当数ある。この理由はいろいろ見解を表示しておるようでありますが、我々調査に当つております者には、その目的をはつきり掴み得なかつた。現在尚政府当局をしてそのよつて来る理由をば調査して頂くよう御依頼申上げて帰つて来たのでありますが、それからもう一つ特色がありますのは、三百六十一名という受刑者帰還いたしております。この受刑者の中で特に注意しなければなりませんことは、先達てこの委員会で問題になりました菅証人、自殺いたしました菅証人等一緒におりました地下工作員等関東軍罪惡史というものを編纂するという名目の下に、各收容所における抑留者懴悔録を書かせまして、その懴悔録を書いた者から順次日本に帰す、このようないわゆる甘言を以て署名させました。その署名させたものの工作員は先に日本に帰つて来てしまつたわけでありますが、尚今回その中の一人も帰つて来ております。そういう工合に署名させられた者は殆んど十年乃至十五年の刑を一斉に言渡されまして、この刑を言渡された者の中の四十五名が、二月十二日モスコーの指令によつて大赦が行われまして、今度の信濃丸に乘船して帰つて来たわけであります。その船の中で、たまたまそういう甘言によつて署名させた者と船室で一緒になりましたために、お互いに殴り合いが始まりまして、相当險惡な空気が船内には終始舞鶴に着くまで続けられたのでありますが、舞鶴の寮内に上りましてからも、警官詰所にこれらの犠牲者が押しかけまして、とにかく殴らせろ、こういう申出をば猛烈に要求したわけであります。併しながら警官その他のなだめによりまして、一応平靜を現在保つておるわけであります。尚特にこの受刑者と関連いたしまして、特色がございますのは、大体ハバロフスク周辺に集まりましたところの帰還できる、いわゆる特赦をされました受刑者六百人程度でありますが、その内三百六十一名が帰つて来たのでありますけれども、あと残り受刑者は殆んど樺太邦人であります。樺太邦人新聞に一部掲載されましたが、SSSL、いわゆるCCCPという印が名簿の上に記載されておりまして、結局国籍がソ連にある、日本にはない、こういう見解の下に残されておるようであります。これは非常に重要な問題でありまして、現に樺太留守家族日本帰つて参つておりますから、この人達だけが取残されておるということに対しては、何らか委員会としても処置を講じなければならないのじやないかということを痛切に感じたのであります。それから受刑者の中に特に女性が相当含まれておるということが明らかにされました。これらの犯罪を調べますと、誠に我々の常識では考えられない問題が非常に多いのでございまして、樺太地区等においては、海岸に打寄せておつたところの「にしん」を三匹、死んでおつたので家へ持つて帰つて食つた、その三匹死んだ「にしん」を食つたということで十年の刑を言渡されている。それから現在帰還しております中の受刑者犯罪事実を調べますと、殆んど建築作業中に板を一枚割つても十年の刑を言渡されている、こういうような状況でございまして、この刑の減刑ということについては、相当活溌に今後何らかの手を打つてやらなければならないのではないかと考えられるのであります。  その外いろいろな話題を持つて帰つて来ているのでありますが、中でも一番感心させられましたのは、山田乙関東軍司令官並び梅津美治郎関東軍司令官時代からの副官を勤めておりました魚澤少佐が、今回明優丸帰還いたしました。この魚澤少佐がたまたま秋山中将の自決いたしました遺骨をば石鹸の中に塗り込みまして、五人で分担して日本に持つて帰つて参りました。その外貴重な資料といたしましては、エラブカ日本側将校一万人が收容されましたときに、百七十一名の死亡者を出しました。その百七十一名の死亡者をばエラブカであらゆる苦心の末お墓を建てまして、その合同慰霊祭を催しました。各将校立会の写真を日本にこの際持つて帰つているのであります。これらはいずれも国会に提出するというので、現物をば未だ渡してくれておりません。この外にもいろいろな貴重な資料をば今回の引揚者は提供してくれたのでありますが、今回信濃丸舞鶴に着きまして、大体判明いたしました信濃丸帰還者だけによる生存氏名の確認されたものだけでも、二日間の調査によりまして、四千百四十名を数えることができました。この中に、女が二百三十名、尚死亡確認したものが約二千七百名余りでございまして、その中に女の死亡者が二名入つております。そういう状況でございますので、この際先日の打合会で、できる限り、将官等帰還も見ました今日、今回信濃丸明優丸帰還者の中から相当数証人喚問いたしまして、そうして貴重な資料をば記録いたし、尚今後の対策をば考えたいということを打合せいたしたわけでございますが、この際これら二船から証人喚問することに……尚員数等は後程お諮りいたしますが、御異議ございませんか。お諮りいたします。
  10. 門屋盛一

    門屋盛一君 この証人喚問のことを検討する前に、この特別委員会が余す会期七日の間にどういうことをやるかということを一応企画的に決めておいた方がいいじやないか。それでその証人喚問等に入りますと、勢いこれは継続審査なつて来る。普通の場合と違うので、継続審査は甚だ困難じやないかと思う。それはもう御承知のように、半数改選というものを政治的に見まして、この継続審査ができると言えば、あらゆる議案の継続審査を引受けなければならん。これは他の常任委員会等との動き方を、政府提案法案等審議未了を防ぐ意味において継続審査というものが特にできれば……、それができないとすれば、普通の国会と違うから、本国会は五月二日で終了するという建前から考えますと、今私一人で考えて見ましても、今から証人喚問をやりましても、二十七、二十八日しか喚問余地がない。二十九、三十日の休みを休まずに整理しても五月一日には先ずこの特別委員会としての報告を、本会議に大体の報告をしなければならん。概括的の報告をして詳細のことは書類報告をするとしても、それをぎりぎりにやるといたしてましても、もう一日ぐらいは延べられるけれども、三日ぐらいしか証人喚問余地がない。それで余程の特別の処置を取らない限り、在京の証人ならばともかくも、これから証人喚問することがいいか惡いかを判断して、そうしてその通知を発してやるということは、恐らくは今日決定して明日ということは無理じやないかと思います。そういうところを企画的に考えて行かないと後の締括りがつかない関係なつて困ると思います。
  11. 岡元義人

    委員長岡元義人君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  12. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 速記を付けて下さい。  それでは証人喚問につきましては只今門屋委員から御発言がございまして、当委員会といたしましては大体継続審査はしないという考え方から、二十七、八、九と三日に亘りまして大体十五名程度証人喚問する、十五人の証人喚問する、その後その結果を五月会期一杯に調査報告書として提出するということに決定いたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それではそのように決定いたします。  尚証人の選択につきましてはどのようにいたしましようか。お諮りいたします。
  14. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 委員長理事に御一任願つたらどうかなあ。
  15. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今淺岡委員から委員長理事一任ということでございましたが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それではそのように決定いたします。尚できるだけ急ぎますので、後程決定いたしまして御報告を申上げます。   —————————————
  17. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 次に陳情請願審議いたしたいと思いますが、問題になりました点を三点だけ一応お諮り申上げて置きたいと思うのであります。以前の委員会におきましてお手許にお配りしてございます請願第二百三十九号、第百四号、第八百八十八号が留保となつておりますが、この点に関して御意見がございましたら承りたいと思います。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  18. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 速記をつけて下さい。
  19. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 証人十五名の喚問の件でありまするが、これは先程委員長理事に御一任願つたのでありまするから、委員長理事がこれを決定して、委員会には報告しないでそのまま処理するということを、一応御確認願つて置きたいと思いますが、お諮り頂きたいと思います。
  20. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今淺岡委員の御発言がございましたが、時間の関係等もございますので、十五名の証人は一応委員長理事で決めましたものに対して、委員長において処理いたしましてもお差支ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 岡元義人

    委員長岡元義人君) そのように決定いたします。それでは速記はよろしうございます。    午前十一時四十八分速記中止    —————・—————
  22. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 速記を始めて、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡元 義人君    理事            門屋 盛一君            千田  正君    委員            淺岡 信夫君            鈴木 安孝君            中山 壽彦君            廣瀬與兵衞君            大隈 信幸君            阿竹齋次郎君            宇都宮 登君            小杉 イ子君            北條 秀一君            三好  始君