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1950-03-14 第7回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月十四日(火曜日)    午前十時四十六分開会   —————————————   委員の異動 二月二十七日委員柏木庫治君及び楠見 義男君辞任につき、その補欠として阿 竹齋次郎君及び小杉イ子君を議長にお いて指名した。 二月二十八日委員北村一男辞任につ き、その補欠として草葉隆圓君を議長 において指名した。 三月十日委員城義臣辞任につき、そ の補欠として池田宇右衞門君を議長に おいて指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件理事補欠互選 ○過拂法案及び特別未帰還者給與法に  関する改正案に関する件 ○証人喚問に関する件   —————————————
  2. 岡元義人

    委員長岡元義人君) これより委員会開会いたします。先ず第一番に現事の補選をいたしたいと思います。只今理事の欠けておるところは、自由党民主党でありますので、自由党からは淺岡委員理事に推薦し、民主党から門屋委員理事に推薦されておりますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡元義人

    委員長岡元義人君) ではさよう決定いたします。   —————————————
  4. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 次に一応御了解を求めたいと思う点がございます。それは法案の提出でございますが、旧軍人軍属等に関する過拂給與金債権処理に関する法律案でございますが、これはできますならば、従来通り委員会の各委員方々の御発議にして頂くようにいたしたいと思つております。尚この内容につきましては、只今手許にお配りいたしますが、いろいろ御意見がございます場合には、できるだけ早く御意見を承わりたいので、本日は取敢えず委員方々でこれを提出するということをお諮り申上げたいと思うのでございますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  5. 岡元義人

    委員長岡元義人君) もう一案は持別帰還者給與法改正がございますが、これは簡單改正案でございまして、「国又は地上公共団体公務員で現に俸給又は扶養手当を受けている者には、この法律による俸給及び扶養手当は支給しない。」未復員者給與法によりますと失業保險の適用或いは退職手当の支給の途がございませんので、むしろ未帰還者給與法を適用されるよりも、公務員等の、従来の公務員として給與された方が率がいい、こういうことになるわけです。こういう改正を出したいと思います。こういうことですが、これも前の過拂債権の処理に関する法案と同樣に各委員発議にして頂きたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中野重治

    中野重治君 何に異議がないか。
  7. 岡元義人

    委員長岡元義人君) この委員会の各委員方々の御発議にして頂くということなんであります。  尚、未復員者給與法の一部を改正する法律案もございますが、多少の修正意見があるようでございますので、これは次の委員会でお諮りいたすことにいたしたいと思います。   —————————————
  8. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 次に前の委員会におきまして、問題になりました長野県における農地問題に関するところの報告書手許まで参つておりますが、一応回覽にいたしまして、後程全部印刷物にして各委員にお配りいたしたいと思います。到着しておることだけ御報告申上げて置きたいと思います。  尚もう一つ、問合わせいたしました恒吉好文の死因調査についての報告書が到着いたしておりますが、これも伺樣に取扱いをいたしたいと思します。これは先達て帰還船の中から海に落されたというよ女なふうに伝えられたものであります。  次に、先月二十三日の委員長野事打合会におきまして、一応委員長理事打合会においては決定をいたしておりました大連事件証人喚問は十五日にすることになつておりましたが、もう一つ調査といたしまして、徳田要請調査を十六日にいたすことになつておりましたけれども、前後の関係を考えまして、大連事件証人喚問は三月の二十二日、水曜日にこれを繰延べるということを委員長理事打合会において昨日決定いたしましたので、一応お諮りいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岡元義人

    委員長岡元義人君) そのよう決定いたします。  尚、三月二十三日の委員長理事打合会におきまして、ソ連地区残留同胞実態調査に調し、日本共産党書記長より反動は帰すなとの要請問題と、これに関連する諸問題についての調査のため、日本共産党書記長徳田球一氏を三月十六日に出頭を求めることに決定いたしましたが、お諮りいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 時間は何時ですか。
  11. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 時間は午前十時であります。
  12. 中野重治

    中野重治君 その十六日という日取の決定は、昨日の打合法で二十三日になされたというふうに聞きましたが、それはどなたが出ておられたのですか。二十三日の集りというのは。
  13. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今二十三日というのは、先月の二十三日であります。そのときに証人喚問を終りましたあと、直ちに委員長理事会を開いたんです。そのときには、大体十六日ということはその場で決まつたわけなんです。尚念のため、昨日の委員長理川会において、大連事件証人出頭は十五日ということになつておりましたが、これを二十二日に延ばす。そうして徳田書記長出頭を十六日、こういう工合に決めたわけであります。
  14. 中野重治

    中野重治君 それで私のお尋ねするのは、二十三日にそういうふうに打合せられたのですね。委員長は分つておりますけりども、理事はどなたでありましたか。
  15. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 理事は、当時の天田委員淺岡委員門屋委員……。ちよつと中野委員委員長から訂正しておきますが、二十三日の委員長理事は、理事がまだそのときに正式に決定していないので、打合せしてあつて、昨日大体決定した、こういうことになつております。
  16. 中野重治

    中野重治君 そうしますと、筋は分りましたが、つまり委員長理事会で決めたというのではないということになりますか、
  17. 門屋盛一

    門屋盛一君 決定はいてなかつた
  18. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それは打合せだけです。
  19. 中野重治

    中野重治君 ですから、この前委員会ではこの喚問ということが決定されて、いつ喚問するかという日取については、何しろ問題が重要であるから、速記録ができてからということがたしか門屋委員から発言されて、これは皆了承して、日取の決定をいうことは、速記録が、これを作成を急がせつつでき上る時期を睨み合せて、委員長理事会決定するというふうになせつおつたと記憶します。今の委員長説明では、従つて委員長理事による日取の決定ということは、まだなされていないということになると思いますが、その点はどうなりましようか。
  20. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 中野委員の申される通りなんですが、そこで昨日一応委員長理事打合会をいたしましたのでありますが、日取はとにかく今日の委員会によつて、大体最後の決定を見るわけです。一応十六日という申合せをいたしまして、この委員会にこれを諮つているわけです。
  21. 中野重治

    中野重治君 そのことは、私も昨日出ておりましたから、大体においては承知しているのですが、昨日も民主党門屋委員自由党淺岡委員理事としての選出は、あとになつてつたと思います。それですから、昨日の打合会あとで、委員長理事によるこの問題の日取の決定ということが正式に行われていましようか。
  22. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 私は先月の二十三日に、委員会で以て一対十四という数字で、徳田書記長証人喚問するという決定があつた。日時の点は、門屋委員から速記録ができて、その上で一つ決定をしよう。そのときには委員長理事打合会ということになつておりましたが、正式の理事決定しておりませんので、各会派を会表してという形におきまして打合がされて、更に昨日委員長理事打合会ということでございましたが、これもやはり正式に理事決定いたしておりませんので、各会派代表した各委員が出て、そうして御決定になつたと思いますが、それで今日この委員会でそれをお諮りして頂ければいいんでありますから、委員長理事打合会ということは、或いは委員長理事でないかも知れない。けれども各会派代表しておるということは同じでありますから、今日の委員会におきまして正式の御決定を頂きたいということをお願いいたします。
  23. 中野重治

    中野重治君 そうしますと、新聞に十六日に証人喚問決つたというふうなことが、相当センセイションを呼ぶような形で今日まで伝えられて来ておりますが、あれはどういうところからああいう工合になつた委員としては受取つていいのでありましようか。
  24. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 中野委員にお答えいたしますが、この十六日というのは正式には発表されていない。その証拠に新聞にもこれはまちまちに出ておると私は見ております。だから十六日という一応の打合をしたということに対して書かれたものである。かように考えておるのです。
  25. 中野重治

    中野重治君 私の見た新聞では、それは朝日、読売、毎日、東京、その他一、二でありますが、日にちはどれも十六日に決定したというふうに出ておつたように記憶します。私が何故このことを問題にするかといいますと、この問題は委員会としても重要でありますから、新聞にそういう日取も発表されておるし、私の方からも事務局へたびたび尋ねております。事務局の青木君及び窪田君の方からはまだ決つておらん、それは十四日に決まるだろうという答を得ておる。これは一方から言えば、丁度今の委員のお言葉を裏書するような、謂わば正式な正面切つた言葉であつた。こう受取れないわけでもない。併し実際問題を言いますと、私はさつき淺岡君の言われたことを実際に了承するものです。それが了承される一面を持つておるだけに、つい最近まで事務局からはそういうふうな答えしか得られなかつた。口頭によつても文書によつてもこのことについて、他の会派委員諸君に何らかの連絡があつたか、なかつたか、私は知りませんが、私の方には一回もない。今初めてこれが出された。こういう形になるのです。で、私はこの事務局取扱いについても解せんところがあるのでこのことがはつきりされるならば非常に仕合せだ、問題をのみ込むのに工合がよい。こう思つてこのことをお尋ねするわけです。
  26. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 大体中野君の説明を私共伺つておりまして、これは委員長理事打合会ということにずつと二十三日の後にもなりましたが、それには大体各会派代表委員が出ております。更に昨日の委員長理事打合会におきましても、各会派から皆出ておつて、そうしていろいろと御審議を願つたのであります。そこで私はその二十三日の時に大体十五日に大連事件、更に十六日には徳田書記長をということは申合事項でありまして決定事項ではありません。決定委員会において正式に決定するのである。こういうことであつたのであります。ですから、私は今日のこの委員会において改めて御決定頂ければいいと思いますから、それを再び要請するものであります。
  27. 中野重治

    中野重治君 先月の二十三日にそういう申合せが正式にではないけれどもあつた。それは十六日ということになつてつた。それは新聞にも大きく十六日という日取りが発表されておつた。正式に言えば今日初めて、つまり二十三日の打合せがあつたから二十日経つて初めて発表された。こういう形になります。それで委員会或いは委員長としてはそういうことを新聞に対して発表してはおらんというお話ですが、それはそうであろうと思いますが、現に二十日前に日前りが打合せられて、今それが変更されてではなく、そのときの打合せのまま委員会に正式に掛けられ、それと同じ日取り新聞に二十日間の間においてしばしば発表されておる。そうするとこれはどこから外へ出たということになるのでしようか。
  28. 門屋盛一

    門屋盛一君 これはこんがらがつた話になるようですが、今中野委員の言われた点も尤もな点もありのですが、大体私今日当委員会には初めてですが、委員会運営上から行きますと、委員長理事打合会というのは、その委員会企画をやることに重点が置かれておるのであつて、本当にそのものが是か非かという決定委員会以外ではできないので、委員長理事打合会決定しても委員会決定事項にならないことは御承知通りだと思います。そこで二十三日に委員長理事打合会という名前でやりましたけれども、これは非常に嚴格な意味では理事でない者が理事として打合会に来ておるのではないかということも言い得るのでありますが、これはこの打合会に限つたことではない。この委員会打合会は大体各派連絡を取りつつ、各派代表的の意見を纏めて一つ委員会の肚を決めて置こというのが一つの目的である。我々も正式の理事ではなかつたけれども、その打合会に参加したというようなわけです。そこで一応速記録ができてからということを私は申上げてあるのですが、速記録が何日ぐらいでできるであろうか、そういうことを想像して打合せた結果、まあ大体十六日ぐらいでよいのではないかという企画をした。それから又昨日の委員長理事打合会、これは中野委員も御出席になつてつた通り、これとても正確に言えば我々は理事ではなかつたかも知れない。併しそれは今日の委員会に持込む一つ企画決定したので、その打合せの結果がどこから洩れたか、新聞記事になつたかということを委員長にお尋ねになることは、これは少し中野委員の方で無理ではないか。委員長理事打合会がその資格に欠けておつたか、欠けておらんかということは、まあ別個の問題としましても、委員会打合会の性質が本委員会運営を円満にやつて行くための準備行為であつたとしたならば、これは私は資格の問題ではなくて打合せの方の問題になると思う。打合せ重点を置くべきだと思う。そこで打合せのできたものについて若し御異議がありましたならば、この委員会で議論をなさつて、そうして委員会決定したことが委員会決定事項になる。そこで事務当局では十四日と言つたが、事務当局なんというものは得てして非常に鉄條網を張り廻らしておつて、自分の怪我のできないようなことしか言わない。ところが議員はのん気ですから、今日打合会は何であつたか、これこれであつた徳田喚問を十六日にやるだろうというくらいのことは誰でも言うことなんで、この記事がどこから出たかということを委員長に追及なさることは少し御無理じやないか、私もその打合会に参加しました一人として感じましたから申上げておるのです。だから問題の本質に戻りますと、いろいろのいきさつはありましたろうが、委員長理事打合会では企画をしたのであつてその企画されたことが、今日この委員会でいいか惡いかはつきり決める。それからでなけれで相手方の証人の方に通知が出せないわけです。純ういうふうに心得ております。ここらで議事を進行させて参りたいと思います。
  29. 中野重治

    中野重治君 丁度門屋委員の言われたその理由によつて私は尋ねておるわけです。それをこれから問題が出ますからそういう分りにくい問題がそのままになつた形では、当委員会に参加するわけにはいかないから議事を進行するために聞いておると、こういうことになります。徳いうのは一つは私はその事務局人々のことを門屋委員のお言葉は尤もでありますからどうこう言うつもりでなく、又門屋委員お話で、議員は呑気だから打合会の結果を何ら雑念を交えずに言つた。それが外に出たということは大いにあり得るわけですから、大体の見当も付くわけですが、事務局の仕事のやり方について一例を申せば、今度の問題の切つかけとなつた久保田証人の文章の中にある菅という通訳についてはどこにいるか分らないというふうな話もあり、且つ事務局判断としてあれは朝鮮人らしいというよう発言があつて、そうしてどういう材料からそういう判断をしたのかということが委員会が問題になつて、その判断材料を提出するように私の方から言つてありますけれども、そういうことが出ておりながら一方で事務局人々が、まあいわば何といいますか、その職責上から門屋委員が言われたようにいろいろ鉄状網を張り廻らしてあるから過誤のないように、問題を残さんようにという見地から発言をも愼重にやつておるということが一方でありながら、菅通訳の問題なんかに関してはそういう発言をして、そうしてその発言の根拠は未だ示されておらんというようなことがいろいろあるものですから、今度十六日ということが新聞に書かれたことについて、私の方から連絡したのについてはそういう木で鼻をくくつたような何かそういう話がすでにあつたということが事実あるのに、又昨日の話なんかは私も出てちやんといきさつは了承できるのに役人風で隠しておく、こういうようなことをやられると速かに議事を運ぼうとするのに差支えが生ずる。このことを非常に従来の経験から懸念して今改めて尋ねておるわけです。他意はないわけです。
  30. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 大体今の中野君のお話他意はないということで判然としますが、先程の十六日証人喚問云々という問題が各新聞に出たというようお話がありましたが、御承知ように今まで委員長理事打合会というのがありましても、これには殆ど中野君も共産党代表委員としてお出になつておる。或いは縁風会からは北條委員がお出になつておるというようなことで、今まで秘密会があつたということはない。ただ一回二月の十三日に委員長理事打合会という名の下に、これは中野委員もそれに出られた。そうしてそのときに秘密会になつただけで、委員長理事打合会という名の下にやつた場合も、委員会においても秘密会をやつたことはない。だから先月の二十三日の委員会の途上において大連事件を十五日、或いは徳田証人喚問が十六日というように一応打合せたということは、当時何人も知つておることで、その知つてつたことを各紙が書いたということに対して、委員長責任、或いは事務局責任はどうかということは如何かと思うのですが、併しそうしたことをここで繰返す必要もないと思いますが、一つ議事の進行をお諮り願いたい。
  31. 岡元義人

    委員長岡元義人君) お諮りいたします。ソ連地区残留同胞実態調査に関して日本書記長より反動は帰すなという要請問題と、これに関連する諸問題についての調査をいたしますために、日本共産党徳田書記長出頭を求めることにつきまして、三月十六日の午前十時にいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 岡元義人

    委員長岡元義人君) そのよう決定いたします。
  33. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 その出頭という言葉は分るのですが、証人として出頭して貰うのですか参考人ですか。
  34. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 証人です。尚この際当日は非常に混雑いたしますので傍聽等に関しまして各委員に……、只今のところまだ委員会の室が決定しておりませんが、若し予算委員室が交渉の結果使えます場合におきましては、各委員につきまして傍聽券を十枚宛、受付に五十枚その他委員長予備といたしまして百五十枚、このように取計うことにいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 岡元義人

    委員長岡元義人君) そのよう決定いたします。尚当日の運営につきましては、委員会開会前に一応委員長理事打合会をいたしまして、その後委員会の冒頭にお諮りして運営の円満を期するようにいたしたいと思いますので、そのように御了承願えますか、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 岡元義人

    委員長岡元義人君) そのよう決定いたします。
  37. 北條秀一

    北條秀一君 証人出頭を求める件でありますので、私は大連労働組合事件について前に証人を折角呼んでおりながら、それを流した事実を知つているのでありますが、これはどういうふうになつたか、それをはつきりして頂きたいのであります。
  38. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 北條委員に申上げますが、本日北條委員が御出席なさる前に三月二十二日に大連事合証人出頭を願うことに決定いたしております。
  39. 北條秀一

    北條秀一君 了承しました。
  40. 中野重治

    中野重治君 今までの問題は済みましたが、私はさつき委員長手許に出しておきました問題について簡單に報告したいとこう思うのです。それはこの前去年の暮の十二月二十三、二十四の二日間に亘つて多くの証人を呼んでソヴイエト地区における問題について証言を求めたのですが、そのとき加藤善雄証人から日本新聞記者須藤昭和二十二年十二月ウォロシーロフ第五七一労働大隊において在ソ中の俘虜は約三〇%死亡したと言つたとの証言を行なつたについて、事実とそれは違うという申入がありまして、そうして須藤氏は岡元委員長を大分探したようですが、なかなか会えなくて、私の所に来て岡元委員長の方へこれを差出してくれというので、私の所に写を置いて本文を岡元委員長へ出しております。これは証人証言を本として委員会は妥当な結論を得なければならぬのですから、一応このことを説明したいと思います。文句は簡單であります。   昭和二十四年二十月二十三、四日参議院引揚特別委員会は在ソ中に於ける各地区よりの証人喚問し、各種の証言をなさしめた。この際加藤善雄元准尉(ウォシーロフ第五七一労働大隊)は「日本新聞記者須藤昭和二十二年十二月ウォロシーロフ第五七一労働大隊において在ソ中の俘虜は約三〇%死亡したと言つたとの証言を行つた。これは全くの加藤証人の作文であつてそのような事実は全く存在しないことを次のような事実によつて証明する。   一、須藤昭和二十二年十二月二十日頃ウォロシーロフ第五七一労働大隊に行つたことは全然ない。同年十二月二十五日過ぎ第五五六労働大隊に行つたことはあるが、その時加藤なる者に会つて話したことはない。   二、須藤昭和二十二年五月より八月頃まで、日本新聞社にいたことはあるが、須藤日本新聞記者ではなかつたし、又日本新聞記者として発言したことも一度もない。   三、須藤は在ソ中の捕虜が三〇%も死亡したと言う「事実」は全く知らない。従つてような言を如何なる時、如何なる所に於ても発表したことは未だ嘗つてない。    以上の三点によつて明瞭なことく、加藤証人は虚構の証言を捏造し在ソ中の日本俘虜死亡数について、日本新聞を引合いに出して誇大な欺瞞の証言行つたのである。  よつて加藤証人偽証である。この加藤証人偽証留守家族をはじめ一般大衆に重大な影響を及ベすものであり、しかも占領国であるソヴイエト同盟に対する誹謗である。  依つて委員会に於て加藤善雄証人証言を耶体的に且つ嚴重に調査されんことをお願いする。    昭和二十五年一月三十日            須藤 憲道   参議院引揚特別委員会御中  こういうのが全文でありまして、加藤証人証言委員会で更に正確に調べな貰いたいという願いであります。
  41. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 了承いたしました。一応事務局を通じて調査いたしました上、委員会に報告いたすことにいたします。本日の委員会はこれにて閉会いたします。    午後十一時二十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡元 義人君    理事            淺岡 信夫君            門屋 盛一君    委員            木下 源吾君           池田宇右衞門君            木内キヤウ君            小杉 イ子君            北條 秀一君            穗積眞六郎君            中野 重治