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淺岡信夫君 只今引揚の、前
委員長の
千田委員から、概要の
中間報告がありまして、後は
文書によ
つて重大な段階に達しました
引揚の問題に対しまして御
報告があると思いますが、ここで
委員長に特にお諮りを願いたいと思うことは、これは今日の
委員会が成立しまして、そうして一切の役員もできたことですから、ここで急遽お諮りを願いたいと思うのでございますが、それは私共三名の者が派遣されまして、そうして
最終船の一応言われておりまする
信洋丸の
梯団長以下、
信洋丸の
上陸者或いはその他の船の
方々といろいろ
座談会をし、
懇談会をしたりしたのですが、結局今大きな問題と
なつておりまするのは、この
ソ連地区に
一体日本人がどのくらい残留しておるか、どのくらい死亡しておるかということが一番大きな問題だと思うのであります。そこでこの問題に対しましては、
連合国側にこれを明らかにして貰う以外に、なかなか
日本側としては明らかにできないと思うのでございます。例えば昨日の
各派の
委員に出て呉れということで、
引揚者諸君が二十数名お見えになりまして、我々
懇談をしたのでありますが、その中にも死んだという公報が来てお
つた、然るに毅然として帰
つて来ておるという人もその中にあ
つたのです。こういうふうなことは、
日本側で大いに誤
つた点もあると思いまするが、何としても
連合国側からそういうふうな氏名を
発表願う以外には的確なものはあり得ないと思います。もうこの死者の面はそういうふうでありますし、又この残留されておる数の問題ということになりますと、この間調べた人達も一
地方に三千名からも残留しておる。或いは他の
地方には二千名も残留しておるという
ようなふうで、僅か十数名の人と
懇談をしました結果におきましても、一万四、五千名の者が残留しておる。或いは更にあちらこちらを総合すると、三万名余の者が残留しておる。又
死亡者の方はとにかく二、三割は死んでおるということになりますと、仮に五十九万四千人がお
つたのだという、
ソ連タス通信の
発表からいたしますと、三割ということになればとにかく十八万近い人が死んでおる。二割という立場におきましても十二万近い人が死んでおるという
ようなことで、なかなか
はつきりとできないのであります。そこで過日の
決議文にも
はつきりと言われておる点は、
国内的な調査においても遺憾なく最大現に、而も
政府は果敢にやれということを言われておるのでありますが、そうした点から、これは
北條委員がたまたま言われたことでありまするが、つまり
舞鶴に上りますると、
いの一番に
留守家族の
手紙を渡すということに
なつております。その
手紙が十八万通から来ておるので、一応十八万通から来ておるということになりますると、これは
留守家族が、その夫が、或いは子供が、或いは親が帰
つて来た、それに
いの一番に自分の家庭内の
通信を渡し、又受ける方も涙を以て受けておるのでありますが、とにかくこの中にはダブ
つておる人も多数あります。又出さない人もある。この十八万通の来ておりますところの儼然たる事実、これを
一つ援護庁に至急調査せしめて、各
県別或いはこれこれの者が、とにかく
留守家族というものが、これだけあるのだということを、ダブ
つておる者は整理させまして、そうしてとにかく
留守家族から
舞鶴に出しまして
手紙の的確なる数を、
委員会に
報告せしめる
ようなふうに
委員長において特に、或いは
委員会の名においてお諮り願いたい、そう私はお願いして、お諮り頂きたいと思います。