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1949-12-06 第7回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月六日(火曜日)    午前十一時二分開会   ————————————— 昭和二十四年十二月五日(月曜日)議 長において、本委員を左の通り指名し た。            天田 勝正君            木下 源吾君            田中 利勝君            淺岡 信夫君           池田宇右衞門君            草葉 隆圓君            水久保甚作君            伊東 隆治君            小畑 哲夫君            木内キヤウ君            紅露 みつ君            岩本 月洲君            宇都宮 登君            岡元 義人君            九鬼紋十郎君            北條 秀一君            穗積眞六郎君            中野 重治君            千田  正君            三好  始君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○委員長互選理事互選お年玉つき郵便葉書寄附金配分団  体の中に全国引揚者団体連合会を指  名するの件 ○ソ連引揚者楽団演奏に関する件 ○ソ連地区残留同胞数に関する件 ○引揚最終船に関する件   —————————————    〔年長者木内キヤウ君仮委員長となる〕
  2. 木内キヤウ

    ○仮委員長木内キヤウ君) 只今から委員会開会いたします。年長者の故を以て私が仮委員長になりまして、これから参議院規則第八十条の規定によりまして特別委員長互選をいたしたいと思います。この際お諮りいたします。互選に入る前に一旦休憩して各派で御懇談を願いたいと思いますが……    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木内キヤウ

    ○仮委員長木内キヤウ君) それではこれから暫時休憩いたします。    午前十一時三分休憩    ——————————    午前十一時五分開会
  4. 木内キヤウ

    ○仮委員長木内キヤウ君) 只今から再開いたします。
  5. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 委員長は、この第七国会におきましては、緑風会から御選任頂くことになつて、了承しておるのですが、そうした点で一応この動議を出しますから、委員長からお諮り頂きたい。
  6. 木内キヤウ

    ○仮委員長木内キヤウ君) 今の淺岡委員の御動議に御異議おありになりませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 宇都宮登

    宇都宮登君 只今動議が成立いたしましたので、緑風会の方で所属の議員が一応まとめております今度の委員長は、岡元義人先生にお願いしたいと思います。  この動議を提出いたします。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 木内キヤウ

    ○仮委員長木内キヤウ君) 御異議がなければ委員長岡元先生をお願い申上げます。(拍手)    〔岡元義人委員長席に着く〕
  9. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今皆さんの御指名によりまして委員長を引受けることになりましたが、私淺学菲学でありまして、尚若輩で修養足らざるところ沢山あるのでありますけれども、幸に前委員長方々がまだ委員沢山いらつしやるわけでございまして、今後共御指導にあずかりまして、今まで各国会ごとにこの委員は非常な実績をば挙げて参つたのでありますが、今後共どうか一つ皆樣の御鞭撻によりまして、特に講和会議を控えまして、いろいろ在外資産の問題とか、沢山案件が目前に堆積しておるわけでございますから、この問題を処理して行きます上には、どうしても各委員方々が本当に一致協力して解決を付けるという態度でなければ、恐らく六百五十万の引揚者要望に応えることができないのではないかと、非常に懸念されますので、今後共御指導鞭撻の程をひとえにお願いいたします。
  10. 千田正

    千田正君 私から皆さんに御礼申上げさせて頂きたい。第六国会におきまして不肖私が皆さんの御推輓によりまして委員長を勤めさして頂きまして、足らざるところを皆樣の御熱誠を以て補つて頂きまして、極めて短い期間ではありましたが、その間に未復員者給与法の一部改正法法案、或いは特別未帰還者給与法の一部改正法律案並びに誠に画期的な、各国民の期待しておりましたところの引揚促進に関する決議案も無事に通過いたしまして、国民の期待に対して聊か我々が報いることができ得ましたのも、これ皆樣の御熱誠の賜物であつたことを深く感銘いたしまして、感謝の意を表する次第でございます。極めて短い期間でありましたが、皆樣から頂きました御懇情に対しまして厚く御礼申上げる次第であります。
  11. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 尚この際委員長から、前千田委員長に対しまして僅かの期間にいろいろ重要な案件を持たれまして、そうして御承知ような成績を挙げられましたことに対して、その労に対し厚く御礼を申上げたいと思います。   —————————————
  12. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 尚この際理事互選をお諮りいたしたいと思います。
  13. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 民主自由党理事水久保甚作君を推挙することにいたしておりますから、一つそういうふうにお計らいをお願いいたします。
  14. 木下源吾

    木下源吾君 社会党は従来通り天田君。
  15. 木内キヤウ

  16. 千田正

  17. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 無所属懇談会新政クラブ共産党を代表して千田委員理事として頂く……
  18. 千田正

    千田正君 ここに共産党中野委員が見えておりますから、一応御相談いたしますから、ちよつと速記を五、六分ばかり止めて頂きたいと思います。
  19. 岡元義人

    委員長岡元義人君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  20. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 速記を始めて下さい。
  21. 千田正

    千田正君 共産党無所属懇談会は私ということになりましたけれども、新政クラブとは一応相談いたしますが、一応今日の委員会理事千田指名して置いて頂いて、又変りましたら改めてお諮りを願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それでは理事は民自党は水久保委員民主党紅露委員社会党天田委員無所属懇談会共産党、尚新政クラブがありますが、この三つの会派から理事として千田委員、かようにいたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 岡元義人

    委員長岡元義人君) さように決定いたします。  お諮りいたしますが、今日は別に案件もございませんので、ただ次委員会をいつ開くかということをば協議いたしたいと思いますが……
  24. 宇都宮登

    宇都宮登君 次の委員会理事会に一任したいと思います。
  25. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今宇都宮委員から理事会に一任したいということでございましたが、差支ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それではさようにいたします。
  27. 千田正

    千田正君 先般お年玉つき郵便葉書を販売した後の寄附金配分について、その配分指定団体の中に、全国引揚者団体連合会指名するように手配願いたいということを、この委員会で決めて置いた結果、援護局当局に向つてその旨文書を以て伝えましたところ、先般その返事が参つたのであります、それは援護庁として十分に申込まれたけれども、その指名機関は別に中央委員会があるから、中央委員会の方で取扱うことにするが、一応文書を以て申上げると、こういう文書を持つてつておりますので、委員長の手許まで差上げます。  もう一つ、これはお諮り願いたいと思いますのは、再近帰つて参りましたソ連からの帰還者の中に、ソ連抑留中時間を得て、そうしておのおのが音楽にいそしんで、そうして各収容所を慰問しながら、とにかく抑留の間慰め合つて来たという当時の人たちが帰つて来られて、是非我々が長い抑留の間に、僅かな時間を割いて、そうして勉強し、慰め合つて来た音楽一つ国会皆さんに聞かしたいと同時に、願わくば、皆さんにお聞かせ申上げたい、せめて引揚者特別委員会方々に対しまして我々の感謝の気持ちをお伝えしたい、演奏さして頂きたいという申入があつたのであります。この点につきましてお諮り願いたいと思います。
  28. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今千田委員から申出がございましま第一の援護庁からの文書に対しましてき、どのようにお取計らいたしましようか。それから第二のソ連帰還者音楽特別委員会方々に是非聞いて頂きたいということでございますが、この二つにつきましてお諮りいたします。
  29. 千田正

    千田正君 援護庁の方からの通牒につきましては、委員長において一応簡単に内容をお話を願いまして、更に改めて是非そういうふうに、ここの委員会要望通りいずれ尚一層の墾請を願えれば有難いと思います。
  30. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今千田委員の御発言通りに処置することにいたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 第二のこれをちよつと委員長から、千田委員にお伺いいたしますが、場所と時間は……
  32. 千田正

    千田正君 場所といたしましては、でき得ればこの庭か、或いは一室を拝借して貰いたいという希望がございましたので、ただ場所にしましても、いずれは許可を得なければならない問題であろううと思いますから、その点につきましては皆さんにお諮りを願いまして、できるだけ希望に副うようにいたしたいと思います。
  33. 天田勝正

    天田勝正君 時はいつです。
  34. 千田正

    千田正君 時は今日この委員会終つた後で、僅かの時間でもいいから割いて頂きたいという申出でございました。
  35. 天田勝正

    天田勝正君 実は先程木下委員の秘書から私にそういう話がありまして、会館の方の庭を使わして貰いたいという話があつたのです。ところが会館の方につきましては、御承知通り、自治的に処理して行くということになつており、それから処理する機関といたしましては、理事会並びに自治委員会があつて、私は実はその理事自治委員の両方をしているわけでありますが、過日の理事会には松平さんの参議院葬儀がありまして、で一日遅れ、そのために出席できなかつたので、その間それらのことを協議したか否かということについて質しに実は参つたのです。一室を使うという方法ならば、これは議員を紹介する以上はどなたが申込まれましても一室無料で使えるわけであります。お茶を貰わない限りは無料、こういうことにまあなつております。庭でありますが、前の方の庭は入口の関係からいたしまして、どこも使いようのないようなことになつております。道に沿つて正門が作つてあるという関係で、どうしても自動車なんか来ると全部廻らなければならない。表門では困るし、では側の方の庭ということになると一号館に庭、こういうことになるのですが、そういたしますと、我々委員はいいとしましても、それ以外の人が現在事務所に使つておられて、お客も来ておられる、こういう時に迷惑をされるという結果になろうかと思う。さて本館の方だと、今度はこれらのものを使うのは議長の権限であるから、ただこの委員会で決定して、そしてそれを委員会全体として議長の方にお願いする、こういう恰好になりはせんかと思うのでありますが、当初の話は会館の方だと、こういうお話であつたから、それを確かめたのです。結局今も話しておつたのでありますが、一号室ならば詰めれば二百人は入れるのであるから、一号館を使つて、他に迷惑を及ぼさんということの方がよくはあるまいかと、こういう私としては結論に達しております。以上、一応参考に申上げて置きます。
  36. 中野重治

    中野重治君 天田さんからも手続上の問題の説明がありましたが、私は場所その他のことはやはり理事諸君にお世話を是非お願いすることにして、問題そのものとしては、委員会に対して感謝したいというふうな話もありまするしするから、何とか便宜を計らつて頂いて、演奏者側としては、感謝の意が現せるように、我々としてはまあ私共の方が不十分でありましたけれども、とにかく感謝の受けられるように、問題としてはそういうふうに扱つて貰いたい、こう思うのであります。
  37. 木下源吾

    木下源吾君 賛成
  38. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今天田委員中野委員の御発言に対しまして、木下委員から御賛成発言がありましたが、中野委員の御申出通り一応理事等で相談いたしまして、速かに場所その他の選定をいたすということにいたして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 岡元義人

    委員長岡元義人君) ではさように取計らいいたします。
  40. 天田勝正

    天田勝正君 皆さん賛成から異議ないのですが、ただ本日だというと、登院者数が極めて少いですね、登院者数が多いときならば、これは議長の方へお願いいたさなければならないといたしましても、予算総会室を使うとか、何かそういうふうに非常に有効に、非常に多くの人がそれらをお聴きできるというあれもある。ところが今日ということに御指定なつておりますと、そういう幅がないことになりますが、この委員会だけで、それらの御希望の方の意見を、私は聞いてないので、ここで議論しているわけなんですけれども、その点はどうなんでしようか。
  41. 千田正

    千田正君 昨日そういうよう理由がありましたので、今一応休会ような状況にあるので、委員方々は殆んど御郷里に帰られておる。で皆さんにお聴からしたい御意思は十分分るけれども……せめてこれはとにかく第一回として、特別委員方々を中心にしてでも聴いて頂きたいという気持でございましたから、申添えて置きます。
  42. 天田勝正

    天田勝正君 特別委員だけでもいいということですね。
  43. 中野重治

    中野重治君 これは沢山の人に、非常に完全な手続で聴いて貰う方が、又聴く方としてもその方が楽しいだろうと思いますけれども、併し自然休会と申しますか、そういう関係もありますし、折角のことですからたとえ少くとも私共として聴かして貰う、こういうふうに運んで貰つたらよくはないか、こういうふうに私として希望いたします。
  44. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 どうですか、その問題は一つこの委員会を閉じて、或いは懇談委員長理事一つお計らい願いたいと思います。その前に外に問題がありますから、その方に一つ議事進行を願いたいと思います。
  45. 岡元義人

    委員長岡元義人君) それではこの問題は、一応委員会を閉じました後で御相談いたすということにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 只今引揚の、前委員長千田委員から、概要の中間報告がありまして、後は文書によつて重大な段階に達しました引揚の問題に対しまして御報告があると思いますが、ここで委員長に特にお諮りを願いたいと思うことは、これは今日の委員会が成立しまして、そうして一切の役員もできたことですから、ここで急遽お諮りを願いたいと思うのでございますが、それは私共三名の者が派遣されまして、そうして最終船の一応言われておりまする信洋丸梯団長以下、信洋丸上陸者或いはその他の船の方々といろいろ座談会をし、懇談会をしたりしたのですが、結局今大きな問題となつておりまするのは、このソ連地区一体日本人がどのくらい残留しておるか、どのくらい死亡しておるかということが一番大きな問題だと思うのであります。そこでこの問題に対しましては、連合国側にこれを明らかにして貰う以外に、なかなか日本側としては明らかにできないと思うのでございます。例えば昨日の各派委員に出て呉れということで、引揚者諸君が二十数名お見えになりまして、我々懇談をしたのでありますが、その中にも死んだという公報が来ておつた、然るに毅然として帰つて来ておるという人もその中にあつたのです。こういうふうなことは、日本側で大いに誤つた点もあると思いまするが、何としても連合国側からそういうふうな氏名を発表願う以外には的確なものはあり得ないと思います。もうこの死者の面はそういうふうでありますし、又この残留されておる数の問題ということになりますと、この間調べた人達も一地方に三千名からも残留しておる。或いは他の地方には二千名も残留しておるというようなふうで、僅か十数名の人と懇談をしました結果におきましても、一万四、五千名の者が残留しておる。或いは更にあちらこちらを総合すると、三万名余の者が残留しておる。又死亡者の方はとにかく二、三割は死んでおるということになりますと、仮に五十九万四千人がおつたのだという、ソ連タス通信発表からいたしますと、三割ということになればとにかく十八万近い人が死んでおる。二割という立場におきましても十二万近い人が死んでおるというようなことで、なかなかはつきりとできないのであります。そこで過日の決議文にもはつきりと言われておる点は、国内的な調査においても遺憾なく最大現に、而も政府は果敢にやれということを言われておるのでありますが、そうした点から、これは北條委員がたまたま言われたことでありまするが、つまり舞鶴に上りますると、いの一番留守家族手紙を渡すということになつております。その手紙が十八万通から来ておるので、一応十八万通から来ておるということになりますると、これは留守家族が、その夫が、或いは子供が、或いは親が帰つて来た、それにいの一番に自分の家庭内の通信を渡し、又受ける方も涙を以て受けておるのでありますが、とにかくこの中にはダブつておる人も多数あります。又出さない人もある。この十八万通の来ておりますところの儼然たる事実、これを一つ援護庁に至急調査せしめて、各県別或いはこれこれの者が、とにかく留守家族というものが、これだけあるのだということを、ダブつておる者は整理させまして、そうしてとにかく留守家族から舞鶴に出しまして手紙の的確なる数を、委員会報告せしめるようなふうに委員長において特に、或いは委員会の名においてお諮り願いたい、そう私はお願いして、お諮り頂きたいと思います。
  47. 中野重治

    中野重治君 私は淺岡委員意見に全く賛成です。ただその賛成理由には、淺岡君の言われたことの外に尚一、二ありますからその点を申し添えたいと思います。それは数の問題というものは、国会の問題にもなつておりまして、そうしてこれが言葉は適当でないかも知れないけれども、扱う人々党派の争いにも絡まつておる。実情としてそういうふうになつております。懲罰の動議なんかも成立するというようなところまで行つておる。それでこれは大事な問題でありまして、党派の如何に拘わらず実情を調べに行けば確たる結論に達し得る筈でありますから、どうしてもやらなくてはならん、これが一つ、それからもう一つき、淺岡委員からはソヴイエト地区という言葉で出ておりますが、すでにこの委員会でも或る程度明らかになつて来ておりますように、又衆議院並び参議院で問題になつたときも、話の中に出ておりますが、我々の同胞が尚残留していると思われる全地域に亙つて、これをやる必要がある。今正確な数字を私覚えておりませんけれども、引揚げかとつくに完了してしまつて、もう誰もいないと言われていた地区から引揚げて来る人々がある。それからもう残つていないのだと言われていた所に、まだ相当残つておると思われる。こういう二つの事情があるので、これを全体を含めてやりたい。そうするとこの引揚特別委員会の本当の使命にも合致する。そういう意味で賛成であります。それからもう一つは、死亡通知が正式に来ておる所に、人が戻つて来たというようなこともありますし、それからあなたの旦那さんは死んだのだ、私もそれに立会つたというふうな現認書を添えて、その奥さん手紙が役所から来た。ところが奥さんはすでに亡くなつておられて、本人はつい最近帰つて来たばかりだというようなこともある。それから元の海軍省側発表と他の日本官庁発表との間が数字食違いがあるというようなこともあります。これは我々として既往に遡つて一々、咎めたてする必要は必ずしもないと思う。ないと思いますけれども、そういうよう間違がどのくらいあつたか、これは記録されておる筈ですから、こういうことも淺岡委員も言われたように、提出させるものの中に含めて頂きたい、こういうようにやつて頂きたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 北條秀一

    北條秀一君 只今淺岡委員から話がありました件ですが、先般我々三人が舞鶴に行きましたときに、あすごに残留している者の留守家族からの通信は十八万七千ありました。で、これを今浅岡さんの言う通りに、早急に整理して貰いたいと、いうことを申しましたところが、援護局次長は、一週間くらいの作業で、これを整理し得ると思うから、整理して、早速当委員会に宛てて報告するということでありましたので、折角今淺岡委員からお話があつたのでありますが、それを持つてからでも遅くはないと考えますから、この点特にここに申添えまして、先方から回答あり次第、更に本委員会においてそれを検討するということで結構だというふうに考えます。
  49. 中野重治

    中野重治君 私もう一つ附加えたいと思います。それはソヴイエト地区、その他の地区関係でいろいろ異つた点も出て来るだろうとは思いますけれども、これは芦田内閣の時でありましたけれども、ソヴイエト政府では、ラジオ放送を通して向うに残つている人の名前と、それからその帰りを待つておる日本側家族所在等放送して、近い中に帰るからという放送をしておりました。これは日本語放送としてやつてつた。それで非常に国内では心配して待つておるのですから、政府が打つべき手を打つて、これを取次ぐというふうに放送局に働いて貰うようにしたらどうかということを、本会議で私共の方から質問しましたけれども、芦田内閣では、その手筈を少しも取らなかつた。これに対して全然答えませんでした。それで私は最近の放送を聴いておりませんので、最近はどうなつておるか、これは人は帰つてしまつたということになつておりますから、その点はないかも知りませんけれども、今後問題の進展によつて、戦犯その他の人々に関して、又そういう放送があるということも、可能性としては考えられると思います。他の地区についても同様だと思います。この間中国から引揚げて来た人々の証人として出て貰つて、私共は話を聞きましたが、向うにいる人々は、日本側からの放送を非常に待ちわびている。もうその放送を聞いて、非常に安心しているというようなことがありましたが、向う側からの放送国内に伝える。国内放送向う側に伝える、その点で芦田内閣時代ように、できることはやらないというような不親切をやらないように、できるだけ手を尽して貰う。こういうよう政府にも申入れたいと私は考えますので、この点も一つ考えて頂きたいと思います。
  50. 北條秀一

    北條秀一君 申し添えて置きますが、先程舞鶴にある留守家族への通信が、先程申しましたように、全部の報告でき次第、それを検討することにして頂きたいと思いますが、先般厚生大臣が本会議において報告しました、ソ連から来たところの手紙、及びその他の地域から或いは来ているかも知れませんが、手紙が全体で二十二万七千通あるということでありましたが、この二十二万七千通も、或いは中にはダブつているものがあると考えますので、この厚生大臣の言明された二十二万七千通の検討をした結果を至急本委員会報告するように、これは当委員会から早急に申出て頂きたい。
  51. 木下源吾

    木下源吾君 政府のこの措置に対する態度は、今各委員からの話を聞かれる通りだが、怠慢とまでは行かなくてそれからこの際改めて未帰還者に対する、この数を調査し得るあらゆる資料を一つ提供さしたらどうか。そうして同時に只今ような話の、政府の怠慢に対して、一つ警告を発する必要があると思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)そのくらいの措置を今国会特別委員会においてとられたらいいと、こういうように考えます。
  52. 岡元義人

    委員長岡元義人君) では、只今北條委員から要望いたしますことにつきましては、早速政府側に要求いたして置きます、尚木下委員からのお申出でありましたが、次の委員会等においても、政府側に当委員会に出席を要求いたしまして、この問題を審議して頂くようにお願いいたします。
  53. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 これは引揚げて参りました秋田県の一ノ関貴三郎という永豊丸の一引揚者でありますが、その引揚者の語るところによりますと、一九四九年十一月下旬ライチハにおいて、最終集結地復員式をやつたそうでありますが、ソ側外務省官吏も出席されました。その時にソ側の代表の報告は、日本語にて、「一つ、諸君が見らるるごとく、輸送は現在非常に停滞しつつある。だがソ同盟政府は、政府の責任においても輸送を成功裡に果すであろう。」向うの、ソ側の外務省の官吏が、誠に愉快なことを申しておりまして、朗報でありまするが、ところが当時のいろいろな状況を更に語つておりますが、「当時ナホトカの収容所は満員なるにも拘わらず、船はなかなか来ない。皆が、なぜ連合国は、政府は船をよこさないのかと、毎日海を眺めては怒つていた、」これは十一月下旬のライチハにおける集結地の問題と、ナルトカの問題とありまして、ソ側の方では輸送を成功裡に果すであろう、こう言われる。ところが連合国或いは日本政府においては船はよこさないというふうなことを言われておるのでありまして、とにかく十一月の配船六船団、信洋丸を以て最終の船かのごとく、これは国民の大半はそういうふうに信じているわけであります。万が一この船が最終船であるということでありますれば、これは重大な段階に達しておると言わざるを得ないと思う。当委員会におきまして、十一月二日に入港いたしました信洋丸を以て最終なる船というふうになつた場合において、如何なる委員会としてその措置を、この問題に対して善処するかということにつきまして、一つ委員長からお諮り頂きたい。なかなか重大な段階に入つたということは決議を以てしても分りますが、現実に信洋丸を以て最終船なりや否やという点について、どうしたらいいかということを一つお諮り願いたい。
  54. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 只今淺沼委員から最終船であるかどうかという点につきまして、委員会としての措置をどうするかという御発言があつたのでありますが、この点に関しまして各委員から御意見を開陳して頂きたいと思います。
  55. 中野重治

    中野重治君 最終船云々に関して日本政府側発表の経路はどんなふうになつていましたでしようか。
  56. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 中野委員の今の御質問は、只今まで最終船であるということをまだ政府として申していなかつた、かように我々は解釈しております。
  57. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 私は最終船と断じているわけではありませんが、例えば昨日引揚者諸君がこの第六船団で帰られた、第一船の高砂丸以下その他の船で帰られた二十数名の諸君のその懇談の談話を以てしても、その最終船ということを再々言われておつた。それから過日派遣されました私共が舞鶴に行きまして、そうしていろいろ話を総合いたしますと、何だか最終船よう結論に達しつつあるのですが、そこで私はこの問題を提起したわけです。
  58. 千田正

    千田正君 この問題は私から申上げますというと、我々委員会から三名派遣されまして、一応舞鶴における帰還者或いは船長その他からいろいろの話を承わつてつておりますが、今明日中には報告書も提出いたします。その提出に基きまして調査した結論から言うと、必ずしも最終船じやないように見受けられます。それで見受けられるが故に政府に対しまして、若しソ連側の御同調が願えれば、尚この帰還に対する方法を運んで頂きたい。連合国に対しましても、連合国といいますか、今の占領軍総司令部に対しましても、尚残留者があるとするならば、でき得る限り今後とも御援助願いたいということを申入れて頂きたい。私から申上げることは、一は政府に向つて更に善処方を至急申入れる。一は連合国側に向つて尚一層の援助を願うということを緊急に運んで頂きたいということを申上げて置きたい。
  59. 木下源吾

    木下源吾君 只今淺岡君の言われたようなことのあるかないかについてのもつと正確なことを、根拠を確めるために、その前にいろいろなことを話合つて政府鞭撻して我々は材料を集めようとしているわけであります。その結果によつて、その確信を持つたところで政府を通じてそれぞれやられる、こういう手順が必要だと思います。
  60. 北條秀一

    北條秀一君 この問題は淺岡委員最終船だという意味は、これはソ連からの引揚船の意味だろうと思いますが、その点につきましては当然連合国の一つの主要な国でありますので、若し最終船だというふうになれば、当然私は正当な発表があるというふうに考えております。尚先般の千田特別委員長が本会議報告されました中でも四万六千が満州に残つておるというふうに推定されるということを発表されておりますので、従つて引揚船の最終であるということはあり得ないことであるというふうに考えております。でありますから今の淺岡委員からの話は、ソ同盟から帰つて来た人の一つの情報でありまするので、今日この問題について検討するということは、若干早計じやないかというふうに考えますから、暫く情勢の推移を見るということが最も賢明な態度であると私は考えます。そういうふうに御了解願います。
  61. 天田勝正

    天田勝正君 これは私は今日の議事をこうお願いしたい。私はこれから採上げて行くところの命題の重要なるものを挙げて置くということでよろしいのじやないか。その内容の審議のことまでここで御議論なさつても、今のことも最終船であるかどうかは非常に疑問が出て参るのであつて、そういうふうなことのないように、議論に亙らずして、私は今後とにかく採上げて参る重要命題という形で列べて置けばよろしい。随分無責任のような話でありますけれども、結局そうでなければ処置はできないのじやないか。先程淺岡君から提起のありました十八万七千云々の問題につきましても、向うが送つて来ればそれでよろしいし、併し役所の関係であるから、送ると言つても、それは送るのは正式な中央官庁から要求があつた場合にこちらから送るのだと、そういうことが可なりあるのです末端の役所において、そういう意味で中央に要請するという約束であつたけれども、尚中央からも要求して呉れという手続を取ればいいのであつて、これを同じに行つた北條氏と淺岡氏と別な意見が出て来るので、非常に僕はだから変な気持で聴いておるのです。とにかく取敢ずその内容のことに余り長い説明を費さずして、こういうことを採上げようじやないかということで、今日の議事を一つお進め願いたいと思います。
  62. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 大体今天田委員の言われたことに私賛成であります。そこで私はこの問題につきまして、船が最終の船であるか、どうかということは今後の検討に俟たなければならないと思います。とにかくいずれにいたしましても重大なる段階に入つておることは、これは事実でありまするから、その事実というものは決議文そのものにおいてはつきりしておる。そこでいずれ私共派遣されました結果の出て参ります報告書によつて、御承知を願えればいいと思います。改めてここで問題を簡単に提起して置きたいと思いますことは、過日の国会におきましての決議文そのことにつきまして、できればこれを議長をして一つ何と言つて連合国側に、一つこうした議会において決議されておるということを、今までは委員会委員長、若しくは委員が行なつたのでありますが、過日の第六回の決議では、この決議の処置はみずから議長に取つて頂くというようなことに、一つお願いしたいと思うのですが、これをお諮り願いたい。
  63. 木下源吾

    木下源吾君 今のと関連ないのですが、私はちよつと用事があつて行かんければならんので、今淺岡君の言われたように昨日帰還者の諸君と面接して懇談したのですが、あの人達の情報では旅費が足らぬのでどうにもならぬ、それから被服はもう少し冬に亘つて来た者には外套ぐらいやらなくてはいかん、それからその他定着する場合に、住宅の問題やらいろいろなことを言つております。こういうことは一応この委員会で早急に協議をして、一つ決議案を十二日に開かれる本会議に出して……出しても聴かんければ仕方ないから、我々努力をしてこれを立法化する、こういうことに一つ進めて行きたいというので、今日までいろいろ我々がやつてつた。そうして岡元君初め皆さん個人的な折衝などは十分強力にしておるけれども、最初からやつていることでも、実現しているものは全く寥々たるものです。我々の職責といたしまして、最大限の何を使つて、そうしてこれの実現を図るということが当然の段階だと思う。従つて十二日に帰還旅費或いは給与の被服又は住宅、職業等についても一つここで相談して、一つの目標を定めて決議案を出す、そうして一定の期間政府に要請して、若しできなければ我々立法化する。こういうつまり国会本来の姿に持つて行きたい。かように考えますので、皆さんの御賛成を得て早急に委員会を開いて、これらのことをまとめるということに一つ進めて頂きたいと思います。
  64. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 一応この際淺岡委員より先達ての決議につきまして、委員長からも伝えて頂きたいという御提案がございましたが、各委員に御異議がありませんければ、委員長から、この点を議長に申入れをしたいと思いますが、御異議ございませんか…速記を止めて下さい。    〔速記中止
  65. 岡元義人

    委員長岡元義人君) 速記を付けて下さい。  それでは今まで各委員から御提案になりました問題等含めまして、一応理事会において次の開会日並びに案件を決定いたしたいと思います。今日はこれにて散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 岡元義人

    委員長岡元義人君) これにて散会いたします。    午前十一時五十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡元 義人君    理事            天田 勝正君            水久保甚作君            紅露 みつ君            千田  正君    委員            木下 源吾君            淺岡 信夫君            木内キヤウ君            宇都宮 登君            北條 秀一君            穗積眞六郎君            中野 重治