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1950-03-30 第7回国会 参議院 厚生委員会 第23号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年三月三十日(木曜日) 午前十時五十二分開会
—————————————
委員
の異動 三月二十九日
委員高良
とみ君辞任につ き、その補欠として、
小杉イ子
君を議 長において指名した。
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
社会保險審議会
、
社会保險医療協議
会、
社会保險審査官
及び
社会保險審
査会の
設置
に関する
法律案
(
内閣提
出) ○
生活保護法案
(
内閣送付
)
—————————————
塚本重藏
1
○
委員長
(
塚本重藏
君)
只今
より
委員会
を開会いたします。
社会保險審議会
、
社会保險医療協議会
、
社会保險審査官
及び
社会保險審査会
の
設置
に関する
法律案
に対する
質疑
をお願いします。
速記
を止めて……。 午前十時五十三分
速記中止
—————
・
—————
午前十一時四十六分
速記開始
塚本重藏
2
○
委員長
(
塚本重藏
君)
速記
を始めて……、他に御
質疑
ございませんか。
草葉隆圓
3
○
草葉隆圓
君
社会保險審議会
、
社会保險医療協議会
、
社会保險審査官
及び
社会保險審査会
の
設置
に関する
法律案
はいろいろ御
質疑
がありましたが、一応以上を以て
質疑
を打切られたいという
動議
を提出いたします。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
塚本重藏
4
○
委員長
(
塚本重藏
君)
質疑
を終了することの
動議
に御
異議
ございませんか。
藤森眞治
5
○
藤森眞治
君 これはかねて私の考えておる線に参ります
法案
ではありますが、尚もう少し質問なり或いは
審議
して見たいと存じますので
只今
の
動議
に反対いたします。
中平常太郎
6
○
中平常太郎
君
只今藤森委員
からああいうお話がありましたが、
併しな
がら
ちよ
つと問題は年度末にな
つて
おりますし極めて急迫しておる情勢にな
つて
おりますし又
衆議院
に配付するという時間も要ることでありますし、これを
厚生省
がこんなに急に二日、三日前を出したということは、一番のこれは大
責任
であるのでありますが、内情を見たところが一ケ月ほど前からその筋へ出してあ
つた
けれども、どうしてもその筋の方から早くは来られなか
つた
というので、可なり
厚生省
でも早くから
手続き
をや
つて
おられた様子でありましたので、その点も考慮に入れるならば止むを得ん
事情
であ
つた
かとも思われるのであります。
併しな
がら立法府といたしまして、そういう他の事由によ
つて厚生省
が
責任
を回避することは絶対にできない。でありますから、二日、三日でこれをやつつけようということを言うのは極めて非民主的であ
つて
、我々
厚生委員会
といたしましては快からざる問題であります。まだ
審議
を続けたいという人もあるのであります。でありますから、本当を言うたら本日は
決定
したくないのでありますが、この
法案
の性質上
衆議院
へ回付する時間もいることであります。殊に今ここで決議しましても、これを明日本
会議
へ移す時間も要るのでありますし、四月一日からの発効である
法案
でもありますから、特にこの
法案
に
限つて
私は通過を希望しするので、
賛成
をする一人であります。速かに
採決
に入られんことを希望します。
小杉イ子
7
○
小杉イ子
君 この問題につきましては、二日ばかり熟読する期間もございましたし、又多数によ
つて審議
もされたのでございますから、この度は早速採否の決を取
つて
頂きたいと思います。
塚本重藏
8
○
委員長
(
塚本重藏
君) それでは一応お諮りいたします。
質疑
を終了することに御
異議
ない方の御
起立
を願います。 〔
起立者
多数〕
塚本重藏
9
○
委員長
(
塚本重藏
君) 多数であります。多数を
以つて質疑
を終了することに
決定
いたしました。直ちに
討論
に入ることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
塚本重藏
10
○
委員長
(
塚本重藏
君) それでは
本案
の
討論
に移ります。
賛成
、反対の御開陳を願います。
井上なつゑ
11
○
井上なつゑ
君 この際
討論
を打切りまして、直ちに
採決
せられんことの
動議
を提出いたします。
塚本重藏
12
○
委員長
(
塚本重藏
君)
井上委員
の
動議
に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
塚本重藏
13
○
委員長
(
塚本重藏
君) 御
異議
ないものと認めます。それでは直ちに
採決
に入ることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
塚本重藏
14
○
委員長
(
塚本重藏
君) 御
異議
ないものと認めます。
社会保險審議会
、
社会保險医療協議会
、
社会保險審査官
及び
社会保險審査会
の
設置
に関する
法律案
について
採決
いたします。原案を可とする方の御
起立
を願います。 〔
起立者
多数〕
塚本重藏
15
○
委員長
(
塚本重藏
君) 多数と認めます。多数を以て
本案
は原案
通り
可決するものと
決定
いたしました。尚本
会議
における
委員長
の
口頭報告
の
内容
は、本
院規則
第百四條により、予め多数
意見者
の
承認
を得なければならんことにな
つて
おりますが、これは
委員長
において
本案
の
内容
、本
委員会
における
質疑応答
の
要旨
、
討論
の
要旨
及び表決の結果を
報告
することとして御
承認
を願うことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
塚本重藏
16
○
委員長
(
塚本重藏
君) 御
異議
ないものと認めます。それから本
院規則
第七十
二條
によりまして、
委員長
が議院に提出する
報告書
について多数
意見者
の
署名
をすることにな
つて
おりますから、
本案
を可とせられた方は順次御
署名
をお願いいたします。 〔多数
意見者署名
〕
山下
義信
中平常太郎
姫井
伊介
石原幹市郎
草葉
隆圓
今泉 政喜
井上なつゑ
小杉
イ子
塚本重藏
17
○
委員長
(
塚本重藏
君)
署名
漏れないものと認めます。
—————————————
塚本重藏
18
○
委員長
(
塚本重藏
君) この際
生活保護法案
の
審議
に移りたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
塚本重藏
19
○
委員長
(
塚本重藏
君) 御
異議
ないものと認めます。
前回大臣
の
提案説明
は聞きましたが、この際
局長
より
詳細説明
を聞きたいと思います。
木村忠二郎
20
○
政府委員
(
木村忠二郎
君)
生活保護法案
の
内容
につきまして、簡單に御説明申上げます。 本
法案
の
提案
の
趣旨
につきましては、
大臣
から御説明申上げましたので、
法案
の
内容
につきまして御説明申上げたいと存じます。 この
法案
におきましては、従来の
生活保護法
と変りました点といたしましては、第一に憲法第二十五條との
関係
を明らかにいたしまして、
生活保護
をいたしますること、
生活保護
を受けますることが
国民
の
権利
として認めるという
趣旨
にいたしたことが第一の点であります。この点につきましては、
法案
の第
二條
におきまして、「すべて
国民
は、この
法律
の定める要件を満たす限り、この
法律
による
保護
を、無差別平等に受けることができる。」という
規定
を設けました。これで以てこの
保護
を受けることが
国民
の
権利
であるということを明らかにいたしたのであります。尚第一章総則以下各章の
規定
を以ちまして、この法に基くところの
保護
が
国民
の
権利
として認められておるという点は、多々現われておるようにいたしております。尚これに伴いまして、
法案
の第八章第五十六條乃至第六十三條におきまして、被
保護者
の
権利義務
の
関係
を明確に
規定
いたしました。このことはやはり
生活保護法
によりまする
保護
が
国民
の
権利
であるということから、当然その
権利義務関係
も明らかにする必要がございまするので、第八章におきましてこの
規定
を明確に
規定
いたしたような次第でございます。 次に第二点といたしましては、
不服申立
の
制度
をこの法におきまして設けた次第でございます。
生活保護法
が
一つ
の
権利
として認められておりまする以上は、それによりましてその
権利
を侵害せられたものは、それぞれ
裁判所
に適当な
手続
をすることができることは申すまでもないのであります。従いまして、この外に特別な
制度
がなくても一応
権利
の
救済
はできることに相成るのでありまするけれども、
裁判所
におきまして、この
救済
を受けることにつきましては、
手続き
その他におきまして極めて煩雑でもございまするし、又実際に
生活保護
を要しますものの
状態
というものが極めて緊迫化した
状態
にありますことが考えられますので、この
手続き
を簡易にいたしまして、
行政庁
を関與せしめ、これによ
つて
適正なる
保護
をいたすことができまするようにするために
不服申立制度
を設けた次第でございます。この
不服申立
の
制度
につきましては、現在の
法制
の下におきましてはこの
規定
がないのでございます。ただ昨年の五月に
生活保護法
の
施行規則
を改正いたしまして、実質上
不服申立
の
制度
ができ上
つて
おります。これを
法律
上明らかにいたしたものでございます。
不服申立
の
制度
は、第九章
不服申立
という章を設けまして、第六十四条から第六十九條までの間にこの
不服
の
申立
についての
規定
を設けてございます。最後に第六十九条に、「この
法律
に基く
行政庁
の
決定
に
不服
のある者は、その処分に関し
行政庁
の
行つた
事実の認定及び適用につき
裁判所
に訴を提起することができる。」という
規定
が設けてございますが、これは申すまでもないことでございまして、当然
国民
の
権利
として請求し得るものでございますから、これに対しまして
権利侵害
をなした場合に、
裁判所
に訴えを提起することができるわけでありまするが、特に念のためにこの
規定
を設けた次第であります。次に、第三の点といたしましては、この
法案
におきましては、
保護
の
原則
に関する
規定
を明らかにいたしまして、従来の
生活保護法
の場合とその
原則
が変
つた
というわけではないのでございまするが、従来の
法律
におきましては、何らこれに関する
規定
は設けられておらなか
つたの
であります。この点が
保護法
の全体の解釈、或いは
運営といつた面
におきまして、いろいろな問題が起きました場合に、これを明らかにするために
保護
の
原則
を設けたのであります。勿論この点につきましては、従来の
規定
におきましても、若干片鱗が見えるところはあるのでございます。
保護
の
原則
といたしましては、第一に
申請保護
の
原則
、これは
保護
は、
保護
を受ける者の
申請
によ
つて
行うことを
原則
とする。これは
保護
を受けまする
一つ
の
権利
でありまするから、当然こういうことになるのでありますが、併し急迫の場合におきましては、
申請
がなくても
保護
をすることは、
生活保護法
の建てからいたしまして当然行わなければなりませんので、但書といたしまして、
申請
がなくても実際に
保護
を要しまする者が急迫した
状況
にあります場合には、
保護
をしなければならないことにいたしておるわけでございます。次に
基準
及び
程度
の
原則
、これは「
保護
は
厚生大臣
の定める
基準
による測定した要
保護者
の
需要
を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない
不足分
を補う
程度
において行うものとする。」ということにいたしまして、
保護
いたしまする
やり方
についての
原則
を明らかにいたしたのであります。尚これにつきましては、第二項におきまして、「前項の
基準
は、要
保護者
の
年齢別
、
性別
、
世帶構成別
、
所在地域別
その他
保護
の
種類
に応じて必要な
事情
を考慮した
最低限度
の
生活
の
需要
を満たすに十分なものであ
つて
、且つ、これをこえないものでなければならない。」ということにいたしまして、必要な
程度
をどの
程度
にするかということを明らかにいたしたわけでございます。 次に
必要即応
の
原則
、これは非常に重要な
規定
でございまして、第九條におきまして、「
保護
は、要
保護者
の
年齢別
、
性別
、
健康状態等
その
個人
又は
世帶
の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行うものとする。」、
生活保護法
におきましては、法の第
二條
に、「無差別平等に受けることができる。」という
規定
を設けておるのでありまするが、この無差別平等に行う
趣旨
をこの第九條において明らかにしたのでありまして、その者の実際の
実情
というものに適
つた
ところの
保護
を行うのが、この
保護法
の
建前
であるということを明らかにしたのでありまして、いたずらなる形式的な平等というものを取らないという点を明らかにいたしたのであります。 次は
世帶單位
の
原則
でございます。これは「
保護
は、
世帶
を
單位
としてその要否及び
程度
を定めるものとする。」ということにいたしまして、
原則
として
地帶單位
に
保護
をいたすことにいたしております。併しこれにつきましては、「これによりがたい」即ち
世帶
の中の一員が
保護
を要し、その他の者は
保護
を要しない場合がありまするので、そういう特殊なものにつきましては、
個人
を
單位
として
保護
をすることができることにいたしております。 次は、この
法律案
におきまして田、従来は
政令
及び
省令
とい
つた
命令
以下に
規定
いたしておりますことの中で、最近の
法律
の傾向からいたしまして、
法律
で書くことが適当であると認められますものにつきましては、すべてこれを
法律
に書くことにいたしまして、
命令事項
を極めて少くいたしたのでございます。従来の
生活保護法
におきましては、
保護
の
範囲
でありまするとか、或いは
保護
の
方法
でありまするとか、或いは
施設
に関する
規定
でありまするとか、
各種
の
規定
が、
命令
以下に譲られておりまして、
法律
には、その
規礎
になる
規定
が設けられてお
つた
だけであ
つたの
でございます。特に
保護
の
範囲
、
方法
とい
つた
ものにつきましては、殆んど
命令
にこれを
譲つて
お
つた
わけでございます。而もその
命令
におきましても、
保護
の
範囲等
につきましては、
医療
でありまするとか、出産でありまするとか、或いは生業でありまするとかい
つた
ようなものについての
規定
が設けられてお
つたの
でございまするが、この
法律
におきましては、すべての
生活保護
の
範囲
につきましては、その
範囲
ではどの
程度
までのことをやることにしているかということを明らかに
法律
を以て
規定
いたしまして、疑いのないようにいたしたのであります。又
保護
の
方法
につきましても同樣でございまして、従来
命令
で書いておりましたものをこれを
法律
によ
つて
書くようにいたしております。その他
保護
の
施設
に関しますところの
各種
の
規定
、これも従来
省令
で
規定
しておりましたのでございまするが、これを
法律
に
規定
することにいたしました。それと同時に、
保護
の
種類
におきまして、
教育扶助
と
住宅扶助
を明らかに設けました。これは
大臣
からも御説明いたしたのでありまするが、
法案
の第十
一條
におきまして、「
保護
の
種類
は、左の
通り
とする。」という中に、明らかに
教育扶助
と
住宅扶助
を設けました。この
教育扶助
と
住宅扶助
は、従来それからの
扶助
の
内容
はなか
つた
わけではないのでございまして、従来は
生活扶助
の
基準
の中に
教育
に必要なる、
経費
並びに
住宅
に必要なる
経費
というものを
認むることにいたしておりまして
、
生活保護
の
最低生活
の
基準
の中にはこの両方が入
つて
お
つた
わけでございます。殊に
教育
に関しましては、その
教育
をされるべき者がいるかいないかということによりまして判定をすることにいたしておりまして、この点は従来とも雖も同樣であ
つたの
でありまするが、特にその項目の
重要性
に鑑みまして、これを拔き出しまして、單給することができるようにいたした次第でございます。
生活扶助
と併せてやりまする外に、
教育扶助
或いは
住宅扶助
のみを行い得ることにいたしました。それから次に
保護施設
につきましては第三十
八條
以下にこの
規定
を設けたのでございまするが、
保護施設
の
種類
というものを明らかにいたしまして、これは一から六まで六つの
種類
を明らかにしまして、更にその
保護施設
の
内容
、どういうものであるという
保護施設
の定義もこの
規定
におきまして明らかにいたしました。それから
保護施設
の中で、
都道府県
、
市町村
とい
つた
公共団体
以外のものが
施設
いたしまするものにつきましては、特にその
施設
の認可の場合におきまして、
一定
の場合に
限つて
これが認可できる、つまり公の
扶助
は公の
責任
でやるという
建前
からいたしまして、
法案
の第四十
一條
の第三項におきまして、この認可すべき場合を決めてあります。つまり、これらの場合におきましては認可しなければならんということにいたしまして、私の
保護施設
というものについて、
一定
の
基準
に適合する場合には必ず認可されるということを掲げたのであります。 尚、
保護施設
の
監督
に関しましては、
各種
の
規定
を
法律
に明らかに入れました。例えば第四十
一條
以下の
監督
の
規定
が沢山設けてあります。殊に
報告
の
徴收
、立入検査をするとか、或いは適当でないものに対してこれの
改義命令
を出すとか、或いは
保護施設
の
管理規程
を
保護施設
は作らなければならないとか、
保護施設
の
管理規程
につきましては、
都道府県知事
におきまして、これに対する
監督
をいたすという
規定
を設けられたわけでございます。その他
保護施設
の
義務
の
規定
、それから
保護施設
の長の
責任
の
規定
というようなものを四十七條、四十
八條
に設けたのでございます。 それからその次は
医療機関
及び
助産機関
というものにつきまして、新たにこの
生活保護法
によりまするところの
医療機関
の指定の
規定
を設けました。尚その
規定
をいたしますると同時に、これにつきまして、これに対しまするところの
監督
及び
診療方針
に関する
規定
、それから
医療費
につきまして
審査
をすることができるといたしまして、以下こういう
医療機関
に対しまする
審査
並びに
監督
を強化いたしますところの
各種
の
規定
を設けました。 それから次に
生活保護法
の
施行
の実施の
機関等
の点につきまして、公の
扶助
を実施いたしますにつきましては、これを公の
責任
を以てやらなければならない。つまり公の
扶助
は公の
責任
を以てやるということを明らかにいたしまするために、これをやりまする
市町村長
の
責任
についての
規定
を明らかにいたした次第であります。即ち
本案
の第二十
一條
におきまして「
都道府県
及び
厚生大臣
の指定する
市町村
は、この
法律
の
施行
について、
都道府県知事
又は
市町村長
の
事務
の
執行
を
補助
させるため、
社会福祉主事
を置かなければならない。」という
規定
を設けまして、
市町村
は
市町村長自身
がこのことを行わなければならないのでありまするが、この
事務
の
補助
につきましては、やはり專任の
有給
の
職員
をしてこれにあたらせるということを
建前
にすることを明らかにいたしたのであります。この点は従来
補助機関
といたしまして
民生委員
を
使つて
お
つたの
でありますが、
民生委員
を
補助機関
でないということにいたしまして、
補助機関
は飽くまでも
市町村自身
の
職員
でやるということを
建前
にいたしたわけでございます。ただ
市町村
の
職員
を幾ら置きましても、これで以て
十分目
を届かせることができないという虞れもありまするし、又実際の
実情等
を調べまする上におきましても十分でない点も考えられまするので、
民生委員法
によりまするところの
民生委員
につきまして、
本案
第二十
二條
におきまして、
市町村長
及び
社会福祉主事
の行う
保護事務
の
執行
について
側面
からこれに対して努力する
機関
といたしまして、
民生委員法
の
民生委員
をお願いするということにいたしたわけでございます。この点につきましては従来の
市町村長
の
補助機関
でありました
民生委員
をむしろ民間の
機関
といたしまして、これが
側面
からこの
保護事務
の
執行
に協力するという体制をとることにいたしました。
民生委員
に従来徒らにかけておりましたところの
負担
をできるだけ軽くいたしたいということにいたしたわけでございます。ただこの点につきましては、現在
市町村
の
有給
の
專任職員
の
状況
がまだ十分でございませんので、この点につきましては、これの実際の
執行
につきましては、漸進的にや
つて
行かなければならないものであると考えておるようなわけでございます。 次に
費用
の問題につきましては、これはいろいろな
意見
があるのでございまして、現在の
費用
の
負担
につきましては、一般の
保護者
につきましては国が八割、府県が一割、
市町村
が一割という
割合
を以て
負担
をいたしておるのでございまするが、この
負担割合
につきまして、現在の
市町村
の
財政
の
状況
によりまして、
市町村
の
負担
或いは都府県の
負担
というものを更に軽減する必要があるのじやないかということが従来から各
方面
で言われておりまするし、又
社会保障制度審議会
におきましても、この点が強調せられてお
つたの
でございまするが、今回の
シヤウプ博士
の勧告につきまして
地方財政
の
制度
を改める案によりますると、
市町村
と
地方公共団体
の
財政
の
状態
を楽にいたしまして、この
方面
に多くの財源を戻すというような
建前
を執
つて
おりまするので、この際直ちに
市町村
の
負担分
を減らすということが果して適当であるかどうかということにつきましては若干問題もございますし、尚国と
都道府県
、
市町村
との間の仕事の分担をどうするかということにつきましては、
地方行政制度審議会
の方で御
審議
にな
つて
おりまするので、これらの
審議
の
状況等
を見ました上で、これにつきましては今後
研究
いたしたいということで、従来
通り
の
やり方
をいたすことにいたしたようなわけでございます。 大体以上が従来の
法制
と違
つて
おりまするところの大要でございます。大体そういうことに相成
つて
おるのでございます。
塚本重藏
21
○
委員長
(
塚本重藏
君)
ちよ
つと
速記
を止めて下さい。 〔
速記中止
〕
塚本重藏
22
○
委員長
(
塚本重藏
君)
速記
をと
つて
下さい。
山下義信
23
○
山下義信
君 この前
資料
を私はお願いして置いたのですが、二つ私が頼んだ
資料
がある。
一つ
はこの
法律案
の
関係
の
政令
の
草案
を
ちよ
つと見せて頂きたいというのが
一つ
であります。ところがそのときに、
社会局長
はこういう答弁をなさ
つた
と思うのです。「私は
速記録
をまだ見ないですが、私の記憶では、お手元に廻してありまする
資料
にそれがあります。
山下委員
の分にだけはないのが知れませんけれども、こういう意味のことをおつしや
つたの
です。それで私は、これは本当に粗漏なことを申したと
思つて
済まんと
思つたの
ですが、
局長
も人が惡い、皮肉なことを言う、私の分にだけ落ちているように言わんでもよさそうなものだと
思つて
お
つたの
ですが、心安い仲ですからまあよろしうございますが、調べて見ましたら、そのときに私の要求する
資料
について、
政令
の
草案
については特にこういうことなのです。
不服申立
の
制度
については非常にこれはいろいろむずかしいことで御心配下さ
つた
と思うのです。それに関連の
政令
を拜見したい、こう
言つたの
でありますが、これは私の
調べ方
が惡か
つたの
か、それは
法律案
でいうと、第六十
八條
に「この章に定める
不服
の
申立
、
審査
、
決定
及び裁決の
手続
については、
政令
で定める。」とこうあるのです。その六十
八條
についての
政令
の
草案
が私には見当らんのです。それで私の分にだけなか
つたの
ならば、
一つ
私にだけ頂きたいのであります。他の
議員諸君
にあればそれでよろしいわけなのです。これが第一点です。 それから第二点は、
最低生活
の
水準
についての
資料
をお願いをして置いたのです。これは
生活保護
の
扶助
の
基準
と
算定
の
資料
をお願いしたのではないのです。
我が国
における
国民生活
の
最低水準
とはどういうものであるかという、この
我が国
の
国民生活
の
最低水準
をどう見るかということについての御
研究
は、如何なる
資料
について御
研究
にな
つて
おるか、それらの
資料
があれば拜見をしたい、それを頂きたい、こういうことを
言つたの
です。
扶助
の
基準額
の
算定資料
は毎回頂戴しておりますので、今回尚綿密に拜見したいと思うのでありますが、
我が国
の
国民生活
の
最低限度
とは何であるか、それについてどれだけの
調査資料
というものを本省は持
つて
おられるかというその
資料
が頂きたい、こういう
趣旨
であ
つたの
です。先般お配り下さ
つたの
は、私のお願いしました
資料
と思うのでありまするが、それを見まして、どうも
国民生活
の
最低限度
に関しまする
資料
ではないように思いますので、これは前にお願いしたときに
速記
がありましたので、
速記
のあります間に
一つ
その
資料
が頂けますかどうかということと、それから全体の私の配付の
資料
の中に、今の
不服申立制度
に関する
政令
の
草案
が私にだけ落ちてお
つたの
かどうかということについて、この際伺
つて
置きたいのです。
木村忠二郎
24
○
政府委員
(
木村忠二郎
君) 第六十
八條
に関連いたしまする
政令
の
規定
は、現在の
政令
の
草案
におきましては、第六條に一
ケ條
あるだけであります。実は
法律
に非常に詳細な
規定
がございまするものですから、余り
政令
の
事項
として書くことがございませんので、一
ケ條
だけ設けてあるような次第であります。尚、これにつきましては、
只今
のところそういうつもりでおるのでありますから、よく
研究
は今後したいと
思つて
おります。 それから
資料
の点でございますが、現在日本の
最低生活
がどの
程度
であるべきか、或いは実際にどの
程度
であるかということにつきましては適切な
資料
がございません。我々といたしましては、そういう
資料
を是非共作りたいというふうに思いまして、その
方面
の検討をいたしておりますけれども、現在我々の方で
生活保護法
によりますところの
最低生活
費の
基準
を決めるに使いました
資料
以外には持ち合せておりませんので、これにつきましては、そのうち
研究
ができまして差上げることができるようになりましたら、差上げることにいたしたい。現在では持ち合せておらないということを申上げるのは誠に遺憾でございますが、そう申上げます。
塚本重藏
25
○
委員長
(
塚本重藏
君)
速記
を止めて。 〔
速記中止
〕
塚本重藏
26
○
委員長
(
塚本重藏
君)
速記
をと
つて
下さい。休憩いたします。 午後零時二十五分休憩
—————
・
—————
午後二時四十五分開会
塚本重藏
27
○
委員長
(
塚本重藏
君)
只今
より再会いたします。請願及び陳情を
審議
いたします。
速記
を止めて。 午後二時四十六分
速記中止
—————
・
—————
午後四時十九分
速記開始
塚本重藏
28
○
委員長
(
塚本重藏
君)
速記
をと
つて
下さい。本日はこれで散会いたします。 午後四時二十分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
塚本 重藏君 理事 今泉 政喜君 藤森 眞治君
委員
中平常太郎
君 姫井
伊介
君
山下
義信
君
石原幹市郎
君
草葉
隆圓
君
井上なつゑ
君
小杉
イ子
君 国務
大臣
厚 生 大 臣 林 讓治君
政府委員
厚生
事務
官 (医務局次長) 久下 勝次君 厚生
事務
官 (
社会局長
)
木村忠二郎
君 厚生
事務
官 (保險
局長
) 安田 巖君