運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-03-01 第7回国会 参議院 厚生委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月一日(水曜日)    午前十時五十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠の選任の件 ○医薬分業中心とする医療の問題に  関する件 ○小委員会設置の件   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。公報に報告しておきました日程に従いまして、理事補欠互選を行いたいと思います。ついては理事補欠互選を行いたいと思います。
  3. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 理事補欠選挙はこれを省略いたしまして、委員長において選任せられたい動議を提出いたします。
  4. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それでは理事補欠といたしまして藤森眞治君を指名いたします。
  6. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 最近社会保険制度の問題或いは国民保健問題等と関連しまして、国民医療といいますか、医療問題が非常にやかましくなつております。殊にその筋の調査、又アメリカ薬剤師協会使節団等も見えた結果等によりまして、医薬分業の問題なんかも非常な大きな問題となつているのでありますが、これは只今医師歯科医師薬剤師会、いわゆる三師会において非常に研究もされているのでありまするが、これは独り三師会だけの問題でなく、やはり国民医療全体に非常な大きな影響があり、関心のある問題だろうと思います。で最近各政党等においてもいろいろ研究をされているし、いろいろの方面でこの問題も論議されております。そういう点から考えまして、参議院といたしましても、厚生委員会としても、これは相当関心拂つて研究をして置かねばならん問題ではないかと思うのです。医療分業とか極限されたことでなく、やはり一つの大きな医療制度国民医療の問題として、この厚生委員会一つ部門でも設けて研究したらどうかという話もいろいろ出ておりますし、厚生委員会でそういう問題を一つ取上げて見て貰つたらどうかという動議を提出いたします。
  7. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 只今石原委員医薬分業中心とする医療問題について特別な研究部門を設けたらという御発言ですが、これについて皆さんの御意見を……。
  8. 山下義信

    山下義信君 石原君の御意見御尤もでありまして、私共も先般来から、これは是非何とかこの厚生委員会で根本的な調査をやらなければならんのじやないかということを感じておつたのであります。最近、殊に医師会方面なり薬剤師関係方面なりからもこの問題に関しまする種々なる意見の文書なども、我々の手許に頻繁に配布せられるというような状態でありますし、各新聞雑誌等も頻りにこの問題を取上げて論じておりますようなことで、今やこれらの問題は、ただ單に薬剤師或いは医師等の方のみの問題ではなくして、国民全般の問題となつて来ておりまして、申すまでもありません。これは由来数十年に亘る問題ではございますが、或いはこれらの解決を最近の機会においてしなければならんというような情勢が近ずいておるかのごとくに伝聞いたす点もあります。只今石原委員の御動議原生委員会医薬分業に関する小委員会設置して、みつちり一つ調査して、公平な見地から十分一つ厚生委員会としての檢討をいたして置こうではないかという御発議と了承いたしたのでありますが、全く同感でございまして、幸い当委員会には専門医師同僚委員もおられまするし、或いは又薬業関係同僚委員諸君もおられまするし、非常に専門的造詣の知識を持つておられまするので、これに又第三者の委員も参加いたしまして、これらの問題を真剣に調査いたしますることは、時期極めて妥当なものであると考えまするので、石原委員の御動議は小委員会設置の御動議と了承いたしまして賛成いたします。
  9. 中平常太郎

    中平常太郎君 私心その点について山下君と同意見であります。それでこの問題は非常に国民医療に裨益するところが大きうございまして、日本の現在の衛生観念、或いは医療に関する一般国民の常識などが、殆んど今のところ治療において医者委せでありますが、科学的な考を患者が余り持つていない、そのために、医者側の方にも様々なことがありましようし、又薬剤師の方にも様々な問題が伏在しておるのでありまして、この問題は影響するところが非常に大きいと思われるので、公聽会というようなものを開いたり、又各先覚者、又は経験者意見を聽く必要もありましようしするのでありますから、専門亘つて一つの小委員会を作るということは大変この際必要なことと思うのであります。併しながら医薬分業という言葉を出しますと、医薬分業に対する方法という、いわゆる医薬分業は自然的なものとして考えられる通念であろうかと思いますので、医薬分業という言葉はこの際出すことは、医薬分業をするための委員会のごとく考えられる気味合もあるので、そういうふうなことはこの際余りそういう文字を用いずして、医療制度とかなんとか清い意味における題材を使つて委員会を作られんことを希望します。
  10. 小杉イ子

    小杉イ子君 この頃すでに各党におきまして、医師会薬剤師会から詳しい説明をして貰つておられると私は思います。いずれも伺えば御尤もな点が沢山ございます。それで私がこの説明を、どうして担当者委員会の方々にもう一層力強く説明なさらないかと、こう申しておりましたので、幸いに石原委員のお説の通り、一度これに対する熱心な研究をなさつて頂きたい、こう思つております。
  11. 藤森眞治

    藤森眞治君 只今石原委員の御発議、この趣旨におきましても全く同感賛成いたしまするが、併し、現在小委員会社会事業の小委員会結核対策の小委員会と、すでに二つの小委員会ができております。その上にもう一つ医薬分業中心にして小委員会を設けるということは、果して運営上うまく行くかどうかということに多少の疑問を持つております。従つて今中委員が言われましたように、広い意味に解釈して、現在社会保障制度調査ということは随分長く継続審査されて、非常に大きな効果も挙がつております。この範囲内においてやつて頂く方が却つてうまく行けるのではないかという考をいたしますので、御趣旨には賛成いたしまするが、小委員会を設けるということには、今直ちに賛成いたし兼ねるのじやないか、もう少し運営の面が円滑にいくならば結構ですけれども、この点は十分研究されてからいたされたらどうかと思います。
  12. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 私も只今藤森委員の御説明の御趣旨賛成をいたすものであります。と申しますのは、勿論この医薬分業の問題は大きな問題でございまして、單に医師薬剤師の問題ではございません。国民全体の保健衛生に関する問題でございますので、十分に愼重に研究して頂かなければならないのでございますが、幸いに本委員会には社会保障制度研究している部門もございますし、これは從來の社会保障制度の中に織り込んで行くべき問題で、社会保障制度の中に消化すべき問題でございますので、そうした委員会の中の社会保障制度研究会の方で先ず調査して行くことが妥当でないか。徒に小委員会を設けるということは、悪いとは言いませんが、非常に只今医師会の人にいたしましても、歯科医師会の人にいたしましても、なかなか自分達方面で非常に氣を遣つておられる状態にあると見受けられますので、先ず調査をして頂くことが妥当でないかと思います。
  13. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 石原君の御発議によりまして、いろいろ皆さんの御意見を拜聽いたしましたが、この医療制度の問題はずつと前回の国会以來小委員会等を設けて進んで参つたのでありますが、当時の医療制度小委員会等と現在の環境内容とが大分、今の御定義の趣旨によつて内容違つて來ると存じます。で、現在の情勢におきましては、医療調査団なり域い医薬調査団なりによつて日本医療問題の解決ということが強く取上げられており、又輿論の問題もここへ來ておりまするが、これは只今中平君のお話のように、医療合理化に関する小委員会としての設置をお願い申上げます。そうしてそれの中心医薬分業の問題でありまするが、その他の医療合理化についても大いに調査研究をして、この参議院厚生常任委員会としての使命を達する方がいいじやないか。社会保障制度特別調査は進んでおりますが、今小委員会を設けておりますのは、広い意味に言いますと、全部社会保障制度に入つてしまいますし、まあこの委員会そのもの社会保障制度に全部含まれて来ると思います。そういう意味におきまして、やはりこの機会医療合理化に関する小委員会というのを御設置願つて、私は大体七名くらいが適当じやないかと思いますが、そういうふうにして一つお進め願うほうが問題を円滑に解決することではないか。私どもはむしろ昨今重大な問題になつております問題をなるべく円滑に解決する方法を採るという意味において、十分研究調査するということで、小委員会設置賛成をいたしたいと思います。
  14. 山下義信

    山下義信君 草葉委員の御意見御尤もで、中平君の御意見に大体我々も同調するのでありますが、医療制度と申しますと、ただ医師関係のみのように実は考えられる点もございますので、今草葉委員並びに中平委員の御意見の御趣旨は医と薬と、つまり医薬制度ということでないというと、医療と申しますると、医師治療面や或いは医師医療関係のみの制度というようなふうに、今日までその言葉は用いられて来ておりますが、医薬制度、医と薬と、医薬制度に関する、そういう意味にいたしたら如何ですか。名称は適当にいいものを付けましてですね。
  15. 中平常太郎

    中平常太郎君 今山一下君が医薬ということを言われたのですが、実際この医療制度調査にいたしましても、根本は医薬分業の問題が今日輿論となり、又一般識者関係で何とかしなければならないというような空気も相当広汎に広がつておる問題でもあるし、又先般アメリカから来られたお客さん達もいわゆるその点は、薬剤師方面ではありましたけれども、大変医薬分業に関する勧告のような関係を以て示唆されておる点もありますし、さればと言つて医者の方の側からアメリカが来れば或いは何と申しますか知れませんけれども、とにかくこの問題は可なり広い意味を持つて国民医療に及ぼす影響が大きいのでありますから、どうしでも小委員会を作つたらよろしいことこう思うのでありますが、その名前につきましてはやはり医薬分業をいう問題を専門に、本当をいうたら取り上げるという内容を持つた委員会にしたいと思う。公聽会を開くなり、或いは又学識経験者を証人に喚問して話を聽くなり、一般輿論の動向を調べるなりということはやりたいのでありますが、ただ医薬分業小委員会と言うと、医薬分業にするためにこの委員会を作るように誤解を招く慮れがあるから、医薬分業にするという前提の下でなくて、そういう問題を研究するという意味においてであるから、医薬分業という言葉を使わずして、医療制度調査会、こういうふうにしたいと思うりでありますけれどもにそれでは余り漠としていおという点もあるので、今山下君の言われた医薬制度ということは非常にいい言葉を言われたように思いますが、その点は私は山下議員の説に賛成したいのですが、どうですか。藤森君あたりもどうですか、この問題は……。
  16. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  17. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を取つて下さい。
  18. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 大分いろいろ論議皆さん出たようですが、私はやはり今の医薬問題というのは一つの時局の大きな問題だと思います。カレント・トピツクスと言いますか、まあ厚生委員会あたりが寄つて、そういう世間が騒いでおる、或いは業界が騒いでおる、こういう問題を取上げて、それをやはり真劔に掘り下げて檢討して取るということは、国会としても時局問題なり、或いは国民全体に関連する問題を非常に熱意を持つて研究しておるという態勢を示すことにもなると思うので、そういう意味から言つても、これは運営その他についてはいろいろ議論もあると思いまするが、大いに関心を持つてつているのだという意味で、この問題の小委員会というか、或いは特別研究会というか、そういうものを起して置くという方が私はいいのじやないかと思います。それで名前はいろいろ御意見もあるようですが、やはり医薬分業という名前を直接出すことは少し刺戟する嫌いがありまするから、医薬制度言いうか、或いは医療薬剤というか、そういうようなところで決めて頂いて、小委員会を起すということについては、一つこの際委員会で決めて貰つたらどうかと思います。
  19. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 それで一つ進んで頂いて、名前は先に医療制度医療薬剤制度の小委員会て、これはどもらでもいいと思います。(「どちらでもいいじや済まんね」と呼ぶ者あり)医療薬剤制度……余り長過ぎると思うが、医薬でいいじやないの。そういうので……。(「医薬というと薬だけになる」「医療薬剤に関する小委員会ではどうですか」と呼ぶ者あり)それでは私も名前は別に固執しません。医療薬剤制度に関する小委員会として、そうして小委員会設置して、先に申上げました七名くらいでお進めを願いたいということに賛成いたします。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  20. 藤森眞治

    藤森眞治君 私は小委員会設置趣旨においては敢えて反対する者じやありませんが、併しこの医薬分業そのものの問題が非常に大きいということから考えても、むしろ小委員会でやるよりも、本委員会で全体によつて研究さるべきものじやないか(「賛成」と呼ぶ者あり)という考えもいたします。かだがた小委員会が三つもあつて運営上なかなか面倒だということを考えました際には、やはり本委員会で全体の厚生委員がこれに大きな関心を持つて研究して行くべきものである、〔「賛成」と呼ぶ者あり)こういうふうに考えますので、小委員会設置には些か同意し難い。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  21. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 私も只今藤森委員の御説に賛成いたします者でございます。勿論結核の問題も国民全般がこれを採上げなくちやなりませんのでございますけれども、結核を治す上においても医療問題の解決が先で、なかなか医療薬剤の問題は大きな問題と存じますので、本委員会でこれを審査をし、調査をしていくことに賛成するものでございます。
  22. 山下義信

    山下義信君 委員長、採決を願います。
  23. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 一応採決しるのに、こういうふうに整理したいと思いますが、医薬分業の問題がやかましくなつておるときであるから、医薬分業という文字は使わないで、医療薬剤制度に関する……。
  24. 姫井伊介

    姫井伊介君 いや、制度を除く……
  25. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 制度を除いで、医療医薬に関する調査、それをやるということに賛成だろうと思いますが、御異議ございません。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないと認めます。それで調査研究いたしまする方法として、これを本委員会でやるか、小委員会設置するかということについて採決したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは本委員会でやるということに賛成の方の挙手を願います。    〔挙手者少数
  28. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 三名。小委員会でやるということに御賛成の方の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  29. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 五名でございます。多数を以て医療医薬に関する小委員会を設けることにいたします。  この小委員の人数は、草葉委員発議通り七名とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないと認めます。  この七名につきましては追つて皆さんの御協議を得まして決定したいと思います。
  31. 山下義信

    山下義信君 医療医薬に関する調査承認要求書の文面の作成及び小委員人選につきましては、委員長に一任いたしたいと思います。但し成るべく適当に委員人選を願わなければなりませんから、要すれば理事その他各会派党にも御相談下さいまして、委員長指名の形式によつて御指名あらんことの動議を提出いたします。
  32. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 山下委員動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。さように決定いたしまして追つて指名いたします。本日はこれを以て散会いたします。    午前十一時二十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            藤森 眞治君    委員            中平常太郎君            姫井 伊介君            山下 義信君            石原幹市郎君            草葉 隆圓君            井上なつゑ君            小杉 イ子