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1950-02-10 第7回国会 参議院 厚生委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十日(金曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件   —————————————社会保障制度に関する調査の件  (厚生行政に関する件)   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。前日に引続き厚生行政に関する質疑を続行いたします。出席を求めて照ります厚生大臣は今閣議中でありますから終了後御出席とのことであります。今出席せられておりますりは、社会局長木村忠二郎氏、兒童局長は御病気でありますから、説明員として企画課技官植山つる養護課事務官淺岡金治、同じく技官小川政治、それから安本労働室長石井通則、以上が出席になつております。尚只今労働省の政務次官と、職業安定局長とが出席になりました。これまり質疑をお願いします。
  3. 姫井伊介

    姫井伊介君 一月二十八日の本会議首相安本、大蔵の各大臣質問いたしました答弁に、私の問わんとするところと食違つた答弁があり、尚不徹底の点もありますので、若干重なる点がありますが、総合的な質問の形において各般の問題につきましてお尋ねしたいと思います。  今日は主として政府施策民自党の今年一月中旬行なわれました党大会におきまする綱領、乃至は基本政策と緊密な関係がありますので、民自党綱領並びに政策立場から伺つて置きたいと思うのであります。併しなるべく質問範団を小範囲に限定いたしたいと思います。質問立場といたしましては民生安定を主としたことになるのであります。民自党綱領の第四には、健全なる自由主義経済を基調とし労資提携して経済復興を期する。第五には、産業振興し、社会政策を実行し国民生活の安定、向上を期する、とあるのであります。  この前も本会議お尋ねしましたときに、一体政治目標経済安定を第一に置くのか、民生安定を第一に置くのかと聞いたんですが、その答弁はにつきりしておりません。私共が民生安定をこそ第一義的に考えて行かなければならない。そういたしますと今申しました綱領の第五、産業振興して国民生活安定向上を期するということは、これを国民生活の安定、向上のために産業振興し、社会政策を実行すると、私は読替えるのが私達の気持なんであります。少くとも民自党を中心といたしましたる今日の政府は、経済安定の第一義的考え方民生安定と同列に、せめて同列考えてほしいということなのでありまするこの点くどく申上げなくてもお分りになると思いますが、これが第一問であります。又経済安定と民生安定の比重を如何にするかということなんであります。  次に政策に移りまして民自党では各種経済統制は、原則として、二十五年度中に全廃するとしてあるのであります。私共は統制経済必ずしもよいとは考えません。併しながら何らの制約なしに直ちに自由競争野放し政策が採られますれば、民法は動揺して業者が増加するということは現実の様相がそれを物語つておるのであります。国民の乏の原因ということは、御承知通りに大きな戦争のあおりを食つた点も無論あるのでありますが、自然的な原因、個人的な原因、社会的な原因経済的な原因と、併しこの貧乏を防いで民生一安定を図るためには、やはり政治というものが同列に行なわれなければならない。ただ自然的な原因、個人的な原因であるとのみ放置して置くわけには行かない。自然的な原因、個人的な原因も又政治的の施策によつてこれを克服することができる。まして経済的原因社会的原因においては無論のことなのであります。そういたしまするならば、今日の自由主諦経済の中で統制経済とは私は申しませんが、少くとも相当範囲計画経済というものが行なわれなければならたい。これは自由主義経済計画経済とが矛盾すべきものではないと私は用う。当然その範囲内において行なわカ得ると思うのであります。然るに曾て安本では五カ年計画というものが立てられたが、遂にそれは甘の目を見ずして葬り去られた、ここにも私共は非巌に疑問を持つので、よし五ケ年計画ボ実行途上において完全に行かないといたしましても、少くとも国民生活の指標というものがその上に示されな什れば民心の安定はしにくい。こういう観点からいたしまして第二の質問といたしましては、計画経済をお採りになるのかどうか。全くお採りにならんのか。採るとするならばどの範囲においてそれをお採りになるかということが聴きたいのであります。  この失業問題につきましては、失業保険拡充という政策要綱が出ておりますが、若干の予算増額を見るのでありますが、無論これだけで失業対策が全うされるべきものではない、且つ質問趣意書におきましても承つたのでありますが、まだまだ相当の手が打たれなければならない。それがためにはどうしてもさつき申しました計画経済、いうものが行なわれて、完全生産賞金雇用というものが狙いとして、そ上に失業対策というものが出て来なければならない、この失業保險拡充といいますが、それは保険金給付金額においても多少増額ということが行なわれますか、或いは給付期間制限延長ということが考えられておるか、更に失業保險の対象となる失業者の数の増加というものが、どの程度考えられておるかということを併せてお尋ねをいたします。尚労働省関係職業補導所と、共同作業所でありますが、これが一層整備拡充されなければならんということは申すまでもありません。殊に補導所における生活困難者生活費の補給といいますかこの点判然いたしておりません。或る一部は生活保護措置つてといわれるのでありまするけれども、もう少しはつきりいたしまして安心をして職業補導を受けられるような方法が考慮されなければならないと思いますが、この職業補導所並び共同作業所整備拡充につきましてはどういう御計画を持つておられますか。  次には生活保護のことでありまして、これは本議会におきまして画期的とも申すべき改正案が出るということで非常に期待しておるのであります。殊に私共多年要望しておりました教育扶助住宅扶助というものも取上げられたということは、その程度範囲はとも角といたしまして非常に有難く思つておるのであります。これの内容を今承わろうとは存じません。これは後刻機会がありますから、そのときに譲りまして、更にこの生活保護だけでも未だ多量に出るところの失業軍全体を食い止めることができない関係にありまするから、成るだけ早く社会保障制度確立実施が行われなければならない。これに対しましては本会議厚生大臣答弁もありましたが、民自党政策におきましては、各種社会保險制度の統合、国民健康保険制度拡充により社会保障制度確立すると示され、ておるのでありますが、それには干の時間的準備期間を持たなければならないわけであります。それまでに多量に出て参りますところの生活不遇者、若くは失業者が受け止め得られるかどうか、一方では失業保険期間が満了する者も続々出て参るのであります。従いましてそれらの制度確立しまするまでの中継措置として何か考えておられますか。例えば先刻申しました労働省関係では共同作業所というものを非常に大きくと申しますか、成るたけ広く整備して行き、一方厚生関係では授産施設というものをもつともつと拡げて行く、そういうことが一方作業資金に非常に多量に重点的に注込まれます一部の経費をこの方に仕向けることによつて、決して私は経済安定を阻害するものではない。むしろ経済安定の基本を培うものであるとさえ考えるのですが、この比重は非常に不均衡になつておるということは予算面でも明らかであります。今問いましたことば中継措置にどうであるかということと、それに附け加えまして、民生委員活動使命徹底方でありますが、これ又くどく申す必要もなく、現在の民生委員制度そのものは宜しいが、相当の、数十万の民生委員がありますが、どうも不徹底でお世話できず、御承知通り親子心中など社会悲劇が段々増加して来るということになる。厚生省予算説明を見ましても、成る方面には相当予算の倍増をしておるようでありますが、私は今の観点がら申しますならば、まだこれは不徹底で、もう少しこれたの仕事民間に広く徹底するようになさらなければならない。その点につきまして何かお考えがありますか、それを承わりたいと思います。  その次には政策の一項に、農作物最低価格維持政策確立というのがあかます。農作物最低価格維持政策勿論結構であります。これに対応いたしまして民生安定の側から考えまして、何故に最低賃金制度確立考えられないか、これは政策にも入つておりません。これが行われなければ本当に国民生活、殊に勤労者生活を安定保障する基本的なものが欠けておると考えられるのであります。最低賃金制度確立につきましてはどういう考えであるかということを問います。  次にそれに関連いたしまして、政策要綱には公務員待遇改善と、労働者実質賃金向上ということがある。これはかねて問題となつておるのでありますが「成る程実質賃金によつて給與ベースを上げないでも相当操作するという答弁であり、又この給與改訂によつて経済安定を乱すといつたい議論は別といたしまして、公務員待遇改善などということがはつきり示されておるならば、これは具体的に出て来なければならない。ただ実質的にそれをやるのだからといつて非常に均衡を失した不安定の状況北置いて、而も釘付けの状態に置いて、これぶ経済安定であるとは私は言い得ないと思います。而も又実質賃金向上と言われますが、事実においてそれはどういう結果をもたらすかということが心配されるのであります。よいことではありませんが、国会共闘委員会などがゼネストの声明を発しております。これはどうなるか分かりませんけども、併しこういう声を立てざるを得ないという行詰りに追込む前に、もう少し私は親切な手が打たれるべきだと考える。一方又政策といたしまして、労働生産性昂揚労資の提携のよる経済復興といすことが書いてありますが、今のような方法によつて労働生産性昂揚ができるかどうか、或る程度までは再生産力を與えるために、やはり生活の安定を保障してやらなければならない。首相は十分ではないと思うと言つておられる。栄養不足の姿で働け働けということは徒らに勤労大衆経済安定の夫めの犠牲を強いるものに外ならない。労資が提携いたしましようにも提携するよすがないということなのであります。資本家企業家に対しましては相当産業資金などが注ぎ込まれて行くのであります。成る程資金難によつて随分困つておりますことも存じておりますが、併しその人々の生活という点になりますると、勤労者大衆自体よりも遙かに恵まれたものがある。これは資金操作におえて中間の何といいますか、吸い取りと申しますか、搾取……搾取という言葉は悪いのでありますが、中間吸収というものが行われる関係で、その日の暮しには困らない、だから生活における実際の生存的な生活とでも申しますが、最低生活において困つている、この点を考えるならば、今少し産業資金というものが、この方面に振り向けられなければならないのじやないか。結局はこの経済安定と民生安定の比重均衡を保つように政策転換が行われないものであるかどうかといふことを、これを私はお尋ねするわけなのであります。  次には消費生活協同組合のことについて、これに主として厚生省関係でありますが、お尋ねをいたします。これは現状乃至発達の過程がどういうふうにあるかということを、簡單でよろしうございますから……、抽象的で結構なんであります。それに加えて中小商業者工業者は余り問題がありませんが、中小商業者生活協同組合との間のトラブルでありますが、これは中小商業者方面におきましても、いろいろな誤解を持つておるようでありますが、これの緩和策をどういうふうに考えられておりますか。多くの摩擦なくして両方が成り立ち得るような方策が考えられておるかどうか。  次には他の協同組合はそれぞれ中央金庫を持つておりますが、生活協同組合にはその施設がありません。このうち質問主意書で、せめて協同組合とうものが即ち農協水協中小企業協同組合“ぞれから生協、これらの協組合というものが、我々のの荒から社会協同生活基本体をなすものとするならば、中央協同組合中央金庫というものを一本にいたしまして、その下で或いは農協水協という部門別操作を取るといたしまして、協同組合中央金庫一本立ての金融機関を設けることが、これが妥当ではないかということを質問いたしましたが、政府では今日そういう考えは持つておらんという答弁がありました。それならばこの生協に対しての資金操作というものは、一体どういうお考えであるか、地方におきまして、都道府県などで若干の特別の捻出をやつておるようでありますが、これは全般に普遍すべきものではないのであります。政府といたしましては、継子扱いでないような方法か講じられなければならないんではないか、更に民自党政策を見ますると、農業協同組合水産業協同組合育成助長いう一項が入つております。が、今申しました生活協同組合育成助長という項はございませ戦。この点から申しましても、産業方面には非常に重点が置かれますが、一般に働く者のための生活面におきましては、考慮されることが非常に稀薄であると考えざるを得ないのであります。この辺の政府のお考沈え承わりたいと思います。  以上甚だ雑駁で統一、一貫せん点からあるかとも思いますが、私の気持をお掬み下さいまして、関係当局からそれぞれ適当にお答えを願いたいと思います。
  4. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) その後政府側から出席になつております方を御報告いたします。鈴木労働大臣法務庁から矯正保護局教育課長菊地省三氏、中央更生保護委員会事務局少年部観察課長本田兵三郎氏がご出席になりました。
  5. 石井通則

    政府委員石井通則君) 只今質問のありました、とくにこの案に関係する問題につきまして御答弁したいと思いますが、私も安本におきまして、まあ労働の分野を担当しておりまする関係から、総括的にこういう大きな問題を御答弁申上げるのは、或いは不適切かも分りませんが、一応安本事務当局として考えておりますおことにつきまして申上げて見たいと思います。  第一の経済安定と民生安定との関係経済安定が第一義務であるのか、民生安定が第一義的であるのかというこの問題は、なかなか重要な問題でもあります。又この考え方というものをどう考えるかという問題が非常にむづかしい問題であろう思いますが、併しながらまあ私共の考といたしましては結局この日本経済の安定なり経済のこの自立というものが達成されるということは、この八千万を超える日本国民のその生活の安定が確保されて始めて日本の国の安定なり自立ができるのでないかと考えるのでありまして、経済の安定も民生の安定も別々のものでなくつて、まあ一つのものであるんじたなかろうか、まあ普通いわれておりまする経済の安定として、或いは輸出の振興なり、或いは生産復興なり或いは又賃金物価等の安定ということ、それはまあその生活の安定と密接不可分関係にある問題であつて、これらの生産貿易、その他産業経済面におきまする安定、或いは復興というものが確立されなければ、民生の安定というものはできないというようなことになろうと思いまして、まあ究極の問題は国民全体の生活が安定しその福利が増進されるというところに究極目標があろうと思いますが、それは経済安定というものによつて確立され、又生活の安定という問題と、経済の安定という問題はいつも不可分な関係においてつきまとつているというようなことになろうと思いますので、究極的に言えば民生の安定が最後の目標であるが、これと不可分的な関係において経済の安定が進められなければならんとこういうように考える次第でございます。  次に経済統制の問題でございますが、これは私共直接関係しておりませんが、安本におります者といたしまして、いわゆる生産活動がその担当者の自由なる意思によつて活機復興して行く、又特にこの我が国の経済が世界の経済え参加して行くためには、自由競争原理を導入して行つて、或いは技術の面におきましても、生産のコストにおきましても、いろいろ工夫勘案、創意を凝らして日本生産国際経済の間におきましても、十分に自由競争場裡において、進出し得るということにならなけれどならんと考えるのであります。特にまあそういうことから経済安定九原則実施各種物資統制、或いは価格統制が撤廃されて参つたわけであります。二十五年度中におきましては、相当大幅に統制の撤廃が行われて行くと存じます。併しながら一面不足物資、特にこの国民生活に特に緊要な物資、或いは食糧のようなものにつきましては、統制がまだ或る程度残されて行かなければならん部門もあるのではなかろうかと思うのです。このいわゆる自由競争原理導入自由経済というものは、いわゆるあらゆるものを放任して行くということではなくて、自由経済自由競争の中におきまして、いろいろ経済的な不利な條件があるもの、或いは個人的に生活の不安定になるものも出て来るのです。これに対しましては、国家の政策としてできるだけ計画的にこれが対策考えて行かなければならんと考えまして、例えば失業の問題にいたしましても、貿易振興、或いは又国内の各生産復興というものを図る。で、一般民間企業振興を助長いたしますと共に、政府といたしましても、特に政府資金によつて公共事業を大いに拡張して行く、或いは又見返り資金というものも社会政策的な観点を加味して、いろいろ自由企業における困窮する者の救済ができ得るように、雇用量をできるだけ増大するというような観点から運営を図つて行くというように考えておる次第であります。尚計画経済を今後立てなければならんのじやないかと思います。前の五ケ年計画が事務的にできておつたということでありますが、この五ケ年計画も今日のいろいろの内外情勢から考えて、いわゆる一定の計画を作つて置くということが不適当であるということのために、あれが政府としての決定に至らなかつたと思うのでございますが、今日いろいろ内外事情複雑多岐になつております関係から、全般的な計画経済計画を立てていくということは非常に至難な問題でありまして、従つて安本といたしましては、或る程度の、いわゆる政府の努力といいますか、計画的な措置を考慮した上の見通しという、いわゆる一つ目標を二十五年度につきましては立てたようなわけでありまして、この点はいわゆる従来の計画経済というような面から、一つ目標経済というようなもつによつて、いわゆる自由経済の欠陥といいますかを補いながら進めて行かれなければいかんかと考えるのであります。尚この計画経済ということは大きな問題でございますので、私から御説明するのは或いは不十分かと思いますが、まあ私共の考えとしてはそういうふうに思つております。あとは労働省の方から説明して頂きます。
  6. 新谷寅三郎

    政府委員新谷寅三郎君) 姫井委員の御尋ねの中で特に労働省関係のある問題といたしましては失業の問題特に失業保險の問題、職業補導所及び共同作業所に関する問題及び最低賃金制確立に関する問題が、主たる問題であつたかと存じます。只今安本政府委員から安本としての考えを御説明申上げたのでありますが、その中に失業問題等につきましては、犬局的な御説明を申上げた次第でありまして、失業問題につきましては、御承知のようにこれは一般的にやはり経済界復興いたしまして、産業全般振興して来ないと、根本的にはいわゆる失業救済全般的な目的は達し得ないということは御承知通りでありますが、労働省に関する失業救済措置といたしまして考えられますのは失業保險職業補導所等であるかと思います。尚その外に公共事業方面における失業者吸収率についてというようなことも問題になるかと思うのであります。これらにつきましては、後程政府委員から数学的に御説明させても結構かと存じますが、失業保険関する問題はいろいろの問題が提起されておりまするが、二十五年度におきましては大体保險給付百二十億程度を予定いたしてありまして、これによりまして保險給付を受ける者大体四十万人ぐらいが可能で、その外に予備費といたしまして、四十億程度を予定いたしておりますので、これによりまして合計大体六千万人ぐらいは吸収し得る可能性が十分あります。  それから職業補導所共同作業所の問題でございますが、職業補導所関係は二十五年度におきまし、三十五ヶ所増設する考えを以ちまして所要の経費予算案において要求いたしております。職業補導所関係は御承知かと存じますが、昨年の十二月から国庫の補助を廃止いたしまして、これは一般企業との関係を考慮いたしまして。関係方面と折衝した結果、そういう結果になるたのでありましたが、併し全国約四百ヶ所の共同作業所仕事を中止すると言いますよりも、やはりこれは姫井委員お話のように民生安定の一貫の施策として、これをやはり維持し、尚これを労働省としましては、何らかの形において支援して行くという必要を認めておりますので、実は共同作業所四百ヶ所の中央一つの連盟のような組織を作りまして、補助金は出しませんが、事実上資材方面、或いは資金方面等につきまして、側面的な援助をいたしておる次第であります。職業補導所及び共同作業所に関連いたしまして、生活保護の問題について御意見がございました。これにつきましては実際上の問題としましては、いろいろ具体的な事件があちちこちらにあるということを聞かないでもございません。併し建前といたしましては、これはやはりどうしてもお話のように民生委員の適切な活動によりまして、職業補導所或いは共同作業所関係いたしております方々に対しましても、要すれば生活保護を続けて行かなければならんということは当然でありまして、要は各町村民生委員方々の適切な活動に待つということが必要であるかと思います。それから最低賃金制確立の問題についてでありますが、御承知のように従来インフレーションが昂進しておりますときにおいて、この最低賃金制を設定いたしますことは、いろいろな観点からして適当でないという理由でその審議を延期しておりました事情につきましては、姫井委員も御承知通りであろうかと思います。最近いろいろな情勢からいたしまして、最低賃金制を設定する必要があるのじやないかという考えを以ちまして、明年度予算には賃金審議会を四月から発足せしめるために必要な経費と計上いたしまして、目下御審議中であるのであります。その予算が通過いたしますれば、明年度早々賃金審議会を発足せしまして、御審議を願いたい、かように考えておる次第であります。
  7. 木村忠二郎

    政府委員木村忠二郎君) 只今姫井委員の御質問の中で厚生省社会局関係のものにつきましてお答えいたします。社会保障制度実施されるまでの中間におきまする措置のものといたしまして、如何にするかということでございますが、各種失業対策等によりまして、生活の援護できない面につきましては、厚生省といたしましては生活保護法の適正な運用によりまして、その最終の線は確保さしたいというふうに考えておるような次第であります。要は生活保護法を適正に実施する方法がどうかという問題にあるかと存ずるのであります。先程御指摘にありましたように、民生委員活動を積極化すること、又民生委員使命を確定化するということ、これは誠に御尤もでございまして我々としましては実際に生活に困窮いたしまする実際の個個の世帶につきまして、その世帶に対しまするところの生活の指導を、如何に適正にやるかというてとが最も緊要であるというふうに考えまして、町村におきますところの末端の生活保護法運用に当りまする職員というものの内容の充実を、この際図りたいというふうに考えまして、明年度予算におきましては、そのための必要な予算的措置を若干講じておるようなわけであります。これによりまして、この予算を適正に使うということによりまして、末端におきまするところの専門の有給のケース・ワークというものを質的にも量的にも充実して参りたい、これによりまして生活保護法実施につきまして、その個々の世帶に適当でありますところの生活指導をいたしますると同時にもこれに必要でありますところの各種の事務は、すべて有給事務の調査員、専任の職員にやらせるように逐次いたして参りたい、これによりまして手の空きました民生委員によりまして、民間人としての生活の指導という面の徹底化を図りまして、これによりまして両々相俟つて生活保護を適正に運用せられ、又各種生活困難にあります原因を除去せられるようにいたして参りたいというふうに考えておるのであります。昨年十二月以来実施いたしておりますところの、公的保護事務の処理につきましての方向を大きく転換いたそうといたしておりますのもこの趣旨によつておるわけでありまして、今後益々亡の方向に向いまして、内容を充実して参りたいというふうに考えておる次第であります。  それから次に消費生活協同組合の問題でございまするが、消費生活協同組合は昭和二十三年の暮から施行になつておりまして、その後のこの法によりますところの組合というものが逐次増加いたしておるのでありまするが、厚生省といたしましては、実際に適正ないい健全な組合ができるということを希望いたしておる次第でありまして、その数の多いことは望まない。従いまして、現在におきましてこの法によりますものは組合が七百四十八というような状況になりております。組合員数は九十二万二千二百九十九人、その出資金が一億二十八百九十万五千百七十円というような状況でございます。尚今年の九月末日までに産業組合から組織変更になりますものが約千二百組合に相成るだろうと思つております。これらにつきましては、できるだけ健全な組合ができますようにいたしたいというふうに考えておりますので、現在の消費生活協同組合の実情に鑑みまして健全でないものにつきましては、これが健全になりますように指導いたしますると同時に、健全な組合はそれができるだけ内容的にも乗りまするようにいたしたい。そういう意味におきまして、直接監督に当つておりますところの地方庁を指導いたしまして経理面、経営面につきましての監査を実施いたしますると同時に、それに対する援助をできるだけいたしたいというふうに考えておるわけであります。  次にこの消費生活協同組合中小商業との摩擦でございまするが、この点は政治的には割合に摩擦があるように考えられますが、実際の実情といたしましては、この摩擦が大きくて消費生活協同組合そのものが非常で破綻せられているというようなことはないのであります。従いまして具体的にこれが緩和策を講ずるということは取つていないのでありますが、これに対しましては消費生活協同組合に対するところの特別の特典というものがかければ自由な競争ができるわけでありまして、その間何らの問題も起らないというふうに考えるのであります。従いまして、生活協同組合という性格かも来ますところの各種施策はいたしますけれど、特にこのために利益を與えるというような措置は講じてはいないわけであります。従いまして現在取つております。施策から来ますところの摩擦が起こるというようなことはないというふうに信じておるようなわけであります。尚生活協同組合の金融関係でございますが、これにつきましては現在御指摘の通りに金融に対するところの必要な措置が十分講ぜられていない。これに対するところの特定の金融機関というものがないということで、組合では非常に金融上困つておるということは事実でありまして、組合におきましてもそういう意見は常に出ておるのでありますが、我々といたしましてはできるだけこれに対しまするところの必要な金融はできるようにいたして参りたいというふうに考えているわけでありますが、現在各種の金融に関する施策関係がございまして、特別にこの生協に対しますところの金融機関というものの設置は困難なのでありまするが、これに対しまして当方といたしまして考えております現在の措置は、中小企業協同組合法に対しますところの信用協同組合というものを、消費生活協同組合と結び付けるというやり方ができるということが、金融関係方面と完全に了解がつきまして、これらの設置を奨励するようにいたして参つておるのであります。尚国民金融公庫につきましても、組合の役員の連名で借入ができるように斡施いたしまして、この点につきましても若干進展はいたして参つておるのであります。尚今後組合に対しますどころの融機関というものにつきましては、尚一層努力をいたして参りたいというふうに考えております。  それからもう一つの性格につきましては、各種協同組合生協との関係につきましてどういうふうになつていおるかということについての御答弁は私からいたしかねるのでありまして、生活協同組合につきましては、健全なものを育成するという方向に努力いたしているまうな次第であることを申上げまして、お答えといたす次第であります。
  8. 鈴木正文

    ○国務大臣(鈴木正文君) 私外の会議がありますから、中間ですけれども簡單にお答えだけをして帰りたいと思いますが……
  9. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは国務大臣
  10. 鈴木正文

    ○国務大臣(鈴木正文君) 姫井さんの御質問、最初かち時間が間に合わず聞いておりませんでしたので、或いは多少御質問に外れたようなお答えをするかも知れませんが、参りましたので簡単に……。今政務次官かちお答えがありましたが、民自党政策を根拠にしてというような御質問の趣旨もあつたらしいので、それらの点について簡單にお答えいたして置きます。  主として私の関係労働省関係の点でありまして民自党の掲げておる政策は、民生の問題をだけれども、無規しているとに言わんけれども、それよりは資本的な建設というものに重参点が置かれ過ぎているのではないかというような御意見もあり、又失業対策というふうなものはどういうふうな考え方で組立てられているかといような点が重点だつたように思います私共の考え方民生の問題を無規するというような立場を取るはずは、これはもういずれの政党でもあるはずはないのでありますが、一面においで積極的な経済建設をやる。これは決して民生の問題を無視しているのではなくして、相関的の問題であると同時に結局は民生の問題を片付ける一番の正しい、そうして強力な方向であるという考えの下に経済再建の方法を展開しておるわけであります。それからその方法論につきましては、立場により計画統制経済を主軸としてやつて行くという考え方がある一方、私共の考え方は元の自由主義に戻るのではありませんけれども、新らしい自由主義の方に即して、活溌な生産力活動を促すという方式を先ず第一段階として押出して行かなければ駄目であるという考えの下に一連の政策が樹てられておるというのが、これは極く簡單でございますけれども、簡單に申しますと、考え方の根本でございます。短い時間で広い経済政策全面に亘つての御説明というふうなことは到底できませんので、尚細目の点につきましてはそれぞれの政府委員からも説明して貰いますが、もう一つ重要な点は、そういう考えの下に失業対策というものを組立てておる。従つて失業対策の主体は、経済再建の方法の中に置かれておるというひとが一番の重要なのでありまして、例の労働省で以て受持つているところの四十億円、昨年は八億円でありましたが、二十四年度は……。二十五年度予算には四十億円が盛られておりまするところの緊急失業対策が、或いは先程もちよつと説明がありました四十万乃至六十万程度、場合によつては八十五万まで参りますが、その程度失業保險というふうなものも、いわゆる直接的な失業対策として勿論考えれるのでありますけれども、私の失業対策の根本的の考え方は、これは勿論やりますが、むしろ積極的に努力すべきは経済建設の方にある。従つて予算で申まするならば、一般の六千億前後に上るこの予算全体が生産向上的作られているかどうかという問題が主体をなして来るのであつて、その限りにおいては私達の計算では、過日も参議院小会議で申しましたように、二十五年度にはあの予算を動かし、既定の方針を遂行して行くことによつて、六十万人ぐらいの新らしい雇用力というものが生れて来るという見通しが一つ。  それからもう一つ何といつて失業対策で以て大きい問題は公共事業であります。昨年度は約五百億円であつたものを九百何十億円、大体一千億円近くの二十五年度予算で以て引上げをいたしておる。同時に公共事業の失業対策の性質をも考えまして、それぞれの公共事業に安定所が送るところの失業者を或る程度のパーセンテージだけは是非吸收しなければいけないということは、安本とも相談して準備ができております。大体三〇%乃至四〇%ぐらいは、各事業に亘つて安定所から行くところの失業者を以て公共事業をやるということになつてもおるのであります。そうして大体昨年度五百億円の公共事業で五十万人の人達を年間吸収しておつたのでありますが、一応物価の問題というふうなものを除けば、一千億円に増額された場合には百万人の雇用力が公共事業の面で生れて来る、二十四年度に比べて五十万人は直ぐ増加があるということも十分考えられるわけであります。  それからもう一つよく言われる見返資金であります。これを導入することによつて、三十万入ぐらいは新らしい雇用が生まれて来る。以上のような積極的な面が失業対策の根幹で、民自党の取つているところの失業対策の根幹であります。従つて失業対策が根本的にうまく行くかどうかという重大な点は、民自党の内閣の経済政策各般の総合的施設がうまく進行するかどうかということにかかつておるわけでありまして、更に一面そういつた時間的のずれに対応するために、一面において保險制度、それから緊急失業対策をやつ行く。保險制度は幸いにして、これは実に幸いにしてと今の段階では思わざるを得ないのでありますが、幸いにして発足後数年を出ておらないけれども、極めて保險経理が強い基礎の上に立つておるのでありまして、今も申しましたように四十万から、或る場合には八十五万人ぐらいまでは保險経理は危險なしに吸收をして行けるという基礎を今持つております。その外に又日傭失業保險もやつておる、それから四十億の緊急失業対策費を以て約十万くらいの人達を緊急的に吸収し続けて行くこともできるというような、そういうような考えの下に大体でき上つておるのであります。  それからもう一つ社会政策的の面、これは極く大雑把な話でありますが、二十五年度予算の中にそういつた社会対策的な、例えば生活保護の費用等も含まれるでありましようが、そういつた社会政策的なものがどのくらい含まれておるか、と申しまするというと、五百六億円くらいが含まれておるわけであります。  大体以上によつて、我々が考えておるところの失業対策の持つて行き方、経済再建の考え方というものについて御了解を得たいと思います。尚詳細の点もありますけれども時間もありませんので以上大体だけお答えして置きます。
  11. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 尚通産省から宮幡政務次官が出席されておりますから、姫井委員続いて……
  12. 姫井伊介

    姫井伊介君 今までの質問のうちで、さつきやつたように適当に、関係方面から……、もう一遍……
  13. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) もう一遍やつて下さい。
  14. 姫井伊介

    姫井伊介君 今労働大臣答弁では、民生安定を無視はしない。無論そうなんですが私のお尋ねしておりますのは、民生安定が目的であつて経済安定は手段、然るに今日のように産業政策計画的の操作が行われていない、先程の安本の御説明を聽きましても、目標経済と言われましたが、その目標経済すらも、いわゆる行き当りばつたりのような姿ではつきりしていない。御承知通りにソ連にいたしましても、五ケ年計画を順次やるて行くことによつて、若干の批判はあるにいたしましても、相当の効果を挙げていつているわけです。そういたしまするならば、やはりこの目標経済といつてもやはり計画経済一つでありますから、産業方面におきましても、産業政策といたしまして、目標を立てて、計画経済というものが行われなければ、失業問題にいたしましても、失業の根本防止といつたようなことができないのではないか、今の産業政策自由経済一本で行かれますと弱者が出て来る。而もその弱者のうちに相当働き得るものが多数あるに拘わらず、徒らに弱者として葬られて行かなければならない。病人を出して、そしてその一部の病人を救うことが失業対策でも何でもないのであつて失業対策は更に超越した、失業を出さないとこみの産業政策考えられて来なければならない。だから私は経済安定と民生安定につきましては、安本答弁に不可分関係、両者同一とかいろいろ言われましたが、結局、甲たりがたく乙たりがたし、この点は分りますが、今の政府政策並びに予算関係を見ますると、余りにも経済安定の手段にのみ主力が注がれておつて、直接民生安定の方への施策考えられておることが非常に薄い。従つて労使提携して経済復興を図ると言われますが、労使が提携するような情勢が作り上げられて行つて、働く者は下の方から上に手を差上げ、上の者は上から下に手を下して、つまり上下関係において協力するという姿がいけないので、同一レベルに立つて両者が手を握り合つて行くという政策が打ち立てられて、そこから均衡を得たところの予算、ただ收支の均衡のみならずして、今申しました二つの部面の均衡の主体性というものがとられなければいけないのではないか。この点につきまして、電話の……、これは通産ではないのでありますが、運営をするとか、或いは電力国家管理を解き放すとか、いろいろ言われておりますが、これにはいろいろ議論もあるわけでありますが、ともかくもただ自由経済原理によつてのみ押し通して行くということになりまするならば、余りに物に重きを置かれ過ぎる。もう少し人の面を考えて欲しい。これが私の質問の要旨なんであります。だから具体的に数字をどうこうということでなくして、根本の政策の部面におきまして私はお尋ねするので、その点から通産省におきましても、どういうお考えを持つておりますか承わりたいと思います。
  15. 宮幡靖

    政府委員(宮幡靖君) 実は稻垣大臣が伺いまして申上ぐべきでありますが、只今閣議中でありますので、代つて概要をお答えいたさして頂きます。今姫井委員の豊富なる御体験と卓越した御経験によりますところの御所説に対しましては、或いはこの主義主張の相違からの議論として考えますれば異論もございましようけれども、国の民生の安定と、経済の安定を平行的にお考えになりまして、どうか一日も早く国民が、俗な言葉で申せば、食えるようになつて相共に喜んで生活すべきであるという御意思に対しましては、心から敬意を表するもりであります。  ただ自由主義経済の中に計画性が欲しいという御議論、これももう言葉としてはその通りであります。現在我が党のとつておりますところの自由主義経済なるものが、とかく野放し的の経済であるかのように誤解せられておりまして、政治というものは一つの争いを含んで進んでおけますので、そういうふうに話さなければ自由主義経済の悪さが分からないというような企みや、或いは急進政党に手段的に使われている言葉であるかも知れませんが、現在進んでおりますところの、つまり吉田内閣の持つておりますところの自由主義経済というものは、自由主義経済の中の合理性を強く追究せんとするものでありまして、その合理性が計画経済であるとは私は申上げ兼ねるのでありますけれども、ただ單に野放しにしておきまして、民生が安定し、経済が安定すると絶対に考えておらないのでありまして、その合理性というものが、どこにあるかと、こういう問題になりますと、これは個々一々具体的な政策の中にとり入れまして、皆様の御審議に訴え行なつて行かなければ、これは全く机上の空論となつてしまうであろう、かように考えられるわけであります。現在民生安定の方が第ニ義的になりまして、経済安定の方が先になつているのではないか、こういうことから考えますと、これはもう姫井委員のお考え通りであります。何故かと申しますと、現在の政府施策は、残念ながら独創的な観念が全部用いられているとは申上げることができないことは御承知通りであります。  根本は経済安定九原則、これの指示を受けでいるのでありまして、経済安定九原則なるものは、我が国の早期の経済の安定、早期の経済自立、早期の国際経済への参加、こういうことが概ね狙われているもののようであります。この線においてとつておりますところの、いわゆる自由主義経済というものが、超均衡予算というようなもので、可なりな反動的な傾向さえ現れております。これは現在、このよしあしを論ずる自由を有しない状況でありますが、この枠の中において、即ち早期の経済の安定を狙う、早期の経済自立を行う、そこに民生の安定が裏付けられる、こう考えていることには一応お見通しの通りになつておることも、これは否定いたす者でありませんが、そこで通商産業省といたしましては、先ず以て物に傾く経済政策だという御指摘もありましたが、やはり物を作るということが第一であるということは、長い前からの各内閣を通じて考えられて来たことでありまして、物をよく作る、いい物を安く作りまして、そうしてこれを海外市場に送りまして、国際経済への参加を一日も早くしようとするような狙いで、そこに産業振興というものが幸いに伴なつて参りますならば、極めて微温的な言い方になるかも知れませんが、失業問題等の解決も関連とて処理できるのではなかろうかと思つております。通商産業省といたしまして、直接只今労働政策そのものにタツチいたしまして、いろいろの施策を公表しでおりませんが、その点につきましては厚生省、或いは労働省等につきまして、常に私の省の方の産業労働課を通じまして、緊密な連絡を取りまして、更に産業に吸収します労働力の面というようなものは十分検討を加えておりますが、やはり経過的な措置といたしまして、職場がなければ失業者ができて来る、而も自由主義経済の結果としまして弱者ができるのではないか、この弱者を救うということは、必ずしも失業対策とは言わないが、こういう面も救つて行くというところに民生の安定があるというお考えに全て一致しないようね部面も地域的に、或いは事業的に起つておることも現状だと思います。併しこれは計画経済と申します縛られた経済のうちから、許された自由を謳歌できるところの経済に移り変ります過程といたしましては、これは止むを得ないものではないか。そうかといつて、安易な考えを以てそういうものを見逃がしていいとは考えおりません。特に私共の方で関心を持つておりますことは、先ず以て近頃の勤労者の良心というものを買わなければならないだろう。それは振返つて見ますと、二年以前くらいの各企業が現在のように不振となつて、この金詰り、この金詰りの理由につきましては、後刻許されましたならば申上げたいと思うのでありますが、必ずしも金詰りということを叫ぶ人が、真理を全部表明するものではないかと思つておりますが、とに角そういう金詰りの一応の形等で賃金の不拂、遅拂というような問題が起つておりますが、これが二年前の状況で見ますると、その産業に携わります労働者は直ちに立上りまして組合運動と申しますか、何と申しますか、生産管理というような言葉を以ちまして、我々に仕事を渡せ、我々がやるのだどいうことで、そこにストックされました資材を彼等の放漫な経営、経験のない寄集りによりまして食つてしまう。そうしてその事業を倒して行つたような事例も乏しくないのであります。然るに最近の労働者はどうかと申しますと、一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月等と給料の遅拂というような問題が生じましても、而も弁当を持ちまして、その職場に通つております。現在の労働者というものは、職場を持つて真剣に働きたい、働きたいという気持になつておるこの労働者の良心を買わないということは、それは資本主義経済の破滅になると思つております。即ちこの働きたい気持なつ労働者に職場を與える、このことが先決問題だろうと思いまして、我が省といたしましては、各種産業において、統制という枠を外されまして直接監督、命令、指導等の権限はございませんけれども、他の機会におきましてその産業に創意工夫と誠実を積み重ねることを勧奨いたしまして、怠けても食わせろというような方はそれは失業者であろうが、弱者であろうが、それを救済しようというような意欲は浮いてまいりませんけども、いやしくも働きたいという熱意を持つております勤労階級を救済することが、我々産業省が生産振興し、輸出、輸入貿易両面に亘ります振興、これと相俊つて働かすべき分野であろうと思いまして、折角その線に向かいまして或いは具体的に個々の問題にまで、差支ない関連までもちまして只今進めておりまするが、時代は御承知通り経済安定への過渡時代でありまして、その若干の期間においては理論と実際とが一致しない場合もありまするが、幸いにいたしまして現在の段階が過ぎまして国民が財政資金によつて事業をやつて行こう、税金で納めましたところの金を特定の産業者に資金をして使つて行こうというような安易な組織でなく、つまり民間のべースにおいて調達いたしました資金によつて企業をやるべきだという観念に立還つて頂きまして、又国家に依存し、なんでも国家が何とかしてくれるというような依存観念を捨てまして、自主独立の創意工夫と誠実を積み重ねる企業形態に近く移つて参ることを私共は確信心たしております。併しその場合におきましても御指摘の電力とか、或いは通信の問題等は、これは公益性があります。非常なる公益性を持つものでありまして、必ずしも企業の収益であるとか、或いは経営者の利益、或いはそれに携わります労働者、或いは勤労者の利益となるようなことのみを考えないのでありまするから、かような問題につきましては、公益性を十分加味いたしまして、公益性を達成するに必要なるところの制限とか、或いはこれはコントロールと申してよいのか、変つた言葉で申しますれば、我々は公益性の事業には相当のレギユレートをなすべきであると、かような観点から只今大臣を中心といたしまして諸計画を進めております。是非この実効を收めるためには国会を中心とした御協力を頂きたい。いずれかような国情下におきましては、思い余つてそこに力及ばぬ面もあるわけでありますが、今後とも何分御指導を頂きまして、尚且つ足らざるところを率直、果敢にお教えを仰ぎまして、失業対策等と合せまして産業振興考えて参りたいとかように存じます。
  16. 姫井伊介

    姫井伊介君 徒らに揚足と取るとか、各派根性に捉われるのでなくして、さつき次官が言われましたように、真に国民としての立場から私共は考えておるのでありますが、今お話になりましたこの善良なる勤労意欲を持つておる勤労者に職場を與える、これは結構な、当然なことでありますが、その職場を、どういうふうに開拓するか、どういう目標でやつて行くかという、その完全な計画はできんといたしましても、少くともこの事業をこういうふうに、こういう地域にといつたような計画があれば働きに行く人に拠り所を與える、国民に拠り所を與えるわけなんで、ただまじめに働く者は働かしてやるぞどいうだけでははつきりしないので、それを私共は自由経済の中で、目標経済といいますか、計画経済といいますか、それを重点的に主なる部面につきましては今後国民に示すという必要があるのではないかということが一つと、それからいま一つは段々失業者が多くなつて参りまして、これは、過渡期でそういうふうな現象もある。やがてそれが段々吸收されるのだと、まあ明るい見通しを持つておられるようでありますが、現在目前の事態といたしまして、もう弁当を持つて働きに行こうにも行けないような、職場もない、一方は生活力を失いつつあるような人が随所に出て来る傾向があるわけなんです。これらに対しましては余り多くの経費が要するのじやない。少くとも労働の再生産の活力というものは維持させるだけの保証方法というものが講じられなければならないので、この点にも少し考えをいたして欲しい。さつき申しましたように労資提携と言いましても、この意味におきまして上下の関係でなくして、平面的関係において行くようにされることがいわゆる労働尊重であり、国民安定の基準でもあるわけなんでありまするからして、その上下の両面において、今一つ経済ということも必要なんでありますけれども、今少し民生安定に考えをいたして貰うことができないかということと、今一つは職場の計画一つこの点についてどうぞお答えを願いたい。
  17. 宮幡靖

    政府委員(宮幡靖君) 民生安定のために御考慮を頂きます姫井委員の御意見に対し、その考え方といたしましては同感と申上げるより外適当の言葉がないと思います。御指摘の働きたい者に職場を與えるということの具体的なことはどうだと、これは御尤もなことでありまして、かようなことは形の上だけでは解決いたさないことかと存じます。大体職場というものの考え方がここ一年間ぐらいの間に非常に変遷しておると私共は考えておるわけであります。今までは例えば同じ事業の組合なり、工場なりというものが存在いたしますと、いやしくもそれが統制経済の枠に嵌つておりますというと、優秀な技術を持ち、工場も非常に勤労意欲旺盛な従業員を有する工場も割当は同様であります。もつと具体的に申せば、働いても働かなくても同じ配給をする観念で企業をやつておる。ところがいろいろ御批評もありますけれどもも、統制経済を解きまして、自由にものを入手するということのできます状況になりますると、これはその企業家の意欲と努力以外には、経営の力というものは生れて参りません。そこで今までは計画経済、何でもものが不経済にでき上りましても、結局は国民全般民生安定のために役立たなくとも、或いは輸出振興のためにならなくとも、一応事業としての名乗りを上げておりますると、平等の配給を受けたのであります。従つて職場はその企業の将来性や或いは企業の收益性、或いは国家的の利益の観点、延いては全国民民生安定という問題の解決ということは暫く忘れても、そこに職場というものはでき上つてつたのでありまして、今回はそう参りません。従つて御指摘のような失業者ができて参ります。そこで一番能率のよい工場を使いますと、それは人の節約ということが急先鋒に上つて参りまして、いわゆる合理化ということは首切りじやないかというようなお叱りを受けるのであります。従いまして能率のよい、得だということを以て、いろいろ一時お叱りをも受けました集中生産ということは、当初として考えております。あくまでも自由主義経済の創意工夫を凝し、努力と誠実の積み上げられたところの競争、この中によいものができてそこに職場が開けるであろう。職場におきましても理窟ばかり言つて少しも働くことを考えて呉れない者は、その企業家が見て整理いたしますことに対しまして、私共は干渉しようとは考えておりませんが、一、二名前を申すことは差控えたいと思うんですが、実際の労働争議の中でも、私自身飛込みまして解決しましたものが四、五ございますが、なぜそうしなければならんかというと、事業家の方が意欲を失つておりまして、勤労者の方が意欲があるというような実に見つともないような実情であります。そこでそれに対しましてはなぜ君達は事業家としてこの働く、よい意欲を持つておる従業員を以て盛んにし、もつとやらないのかと、これを切実に申しました。そうしたところが例えばかような面において、例えば足らないものが、具体的に言えば石炭が配炭公団に借金がありまして入つて来ない。その資金がないので、どうも工場を止めなければならんと、こういうような事実でありまして、これは一例でありますが、それでは何とかして石炭を入れてやろうじやないか。或いは通商産業省のたとえ暫定でありましても、役人の形に入つております私共がそとまで行きますのは行き過ぎであろうと思いますけれども、経済の移り変りのいろいろの矛盾や不都合心を少しでも緩和して参り、労資の間の摩擦を減らして行こうとするには、又止むを得ない行き過ぎだろうと思いまして、石炭を供給してやる。そうして仕事を継続させまして、その産業のコストを調べて見ましたところが、大分採算が取れる。ここに産業労働課長がおりますが、前任者の課長の時でありましたが、担当者が調べてみました。そうしましたところが今後やりましすと殊によると損をするかも知れん、今までは少し儲かつておる、ここらで何とかしてお辞儀をして、お辞儀をしても札で持つておれば又再生してやれるのじやないか。今は一遍お辞儀をした方が得だというのが真実の経営者の観念であります。名前を申しますれば驚くべき地位の方であります。私はその矛盾を指摘しまして、どうかもつと雇用量を拡大してこの事業を大きくして貰いたい。苟しくもここに首切や争議の起る理由はないじやないか。これだけ従業員を持ち、これだけよい條件を持ち、而もこれを活用して貰うことによつて日本産業振興と輸出の振興のことも必ずその一端を担うことができるのである。こういうことを申しまして、全雇用をやつて頂きますと同時に、その後雇用量を活用いたしまして、只今では非常にうまく行つておるような状況であります。併しながら我が省といたしましては、これに対しまして物の割当の権利もなければ、或いは指揮命令する権限はありません。けれども御指摘のような観念から行きますと、どうしても職場を與えることに骨を折らなければならん。例えば限に迫る問題といたしまして、石炭配炭公団が昨年廃止になりました。清算事務、この部面に入つております方々の職場を求めなければならない。曾て通商産業省としてはそうしたことはないが、大臣のお許しを受けまして、各民間産業に対しまして一々書面を持たせまして、そうして就職斡旋委員会を組織いたしまして、そうしてそれを関係方面に御無理にならない点で是非お雇い願いたいということで骨を折つて参りました一政務次官である宮幡が書面を書いて、大臣の稻垣平太郎が書いたということは非常に行過ぎだというお叱りを我々と思想を同じくする人間にお叱りを受けましたが、敢然といたしまして就職斡旋をいたしまして、例えば三月三十一日に終るベきところのこの人員の整理というものが、九州地区で五十三人を残すのみで全部職場を差出げることができております。尚その外の点におきましても努力しておりますと同時に、この正月に九州に産業視察に参りましたとき、鉱害の調査に参りましたときにも、それぞれの職場において有望なるところで、とかく事業家が採算一点、利益一点という、いわゆる曾ての独占資本主義の考えを持つておる方々には、切々にその職場の拡大雇用をお願いいたしまして、現実に数人の方なり何人かを採用して貰う、こういうことに努力をして参つております。これもやはり委員会を設けてありますので、計画的に、これこそ計画的にこれはこういうふうに人を雇用するという具体案もつて現実にやつております。先般、昨年でございましたか、こちらの通商産業委員会で自動車会社の日産、トヨタ、いすずの三労働組合と、現在の常務さんがおいでになりまして、自動車の月賦販売を許して貰わなければ、その資金を供給して呉れなければ、とても会社はやりきれない。今首切り整理しようとしておるということでお揃いでおいでになりました。私呼び出されまして御意見を承わりました。その場合にやはり先程申上げましたように、その労働組合の方々は曾てはどういう行動をとられたか存じませんけれども、現在の状況においては仕事をしたいということであります。ところが常務さんになつておる方々は残念ながら経済的その他の関係で、本当の企業者じやないので、一応事業をしまつた方がよいというようなことで、月賦販売制度で積極的に資金を流して呉れ、それじや幾ら欲しいから貸して欲しい、その斡旋をして呉れということを言つて来ない。それで私は参議院の議員の方々のおられる席で申上げました。日産でも、トヨタでも、いすずでも、これだけやらなければならん、これだけの金が要るのだ、これを何とかして呉れ、或いは貸して呉れろということを言つて来たか、一遍もないじやないか、そうして資金の調達ができないということによつて、とれだけ働きたいという労働者を犠牲にする必要はない。而も司令部と交渉して、自動車の生産は今までは僅か年間三百台か六百台に抑えられたものを、数を申上げるとどうか分りませんが、その十倍にも、二十倍にも製造を許されておるのではないか。こういう事実があるのではないか。こういうことから押しますと、最後はその常務三人揃つて、誠に申しわけがございません。計画を立てまして直ちにお願いに参ります。かようなことでありましたが、今に至るもまだその金を貸して呉れという申込みがないのであります。  かような問題を一々取上げることは長くなりますが、通商産業省として従来の官庁の観念とは矛盾するかも知れませんが、苟くも事が経済の移り変りでありまして、税制依存の日本経済、それを本当の産業資金一方、かような、而もそこに今までのインフレ傾向、物さえ作れば名目的でも利益が得られるどいう時代と、少くとも現在の政府の言つておりますデイス・インフレの線に抑えようという、この間の摩擦というものは避けられない。これを何とかして少くして行くには、これをやるべきことであらうと思いまして、実は一々の産業につきまして産業労働課長もおりますが、毎月のように雇用関係その他のものを会社別に調査させまして、そうして産業の報告をとりまして、気のついたことはこちらから指図いたしまして一生懸命でやつております。併しながらそれがなかなか表に現われてよくやつたというようなお言葉を頂くまでには程遠いと思うのでありますが、熱意だけは大臣も私も事務当局も一生懸命やつておることを御了解願いたいのでありまして、又この点に対する御意見は労働者のいわゆる弁当を持つて行けない。再生産労働力を涵養しろ、かような御指摘に対しても一々これは御尤もであります。是非そうしなければならんということで努力いたしておりますが、こういう問題につきましては、余り派手でないものでありますから、二股に差し迫つて争議でも起きますと労働問題を取り上げますが、平常は労働問題とか、或いは職場問題というようなものには、どうも忘れ勝ちでありまして関心も薄いようであります。是非かような機会におきまして国会の皆さんから強力に鞭撻して頂くことを、甚だ勝手でございますが、お願いいたしまして、誠にくだらないことで恐縮でありますが、お答えをいたしたいと思います。
  18. 小杉イ子

    ○小杉イ子君 私の質問は三項目で七、八分でありますが、先ず不良青少年と酒、たばこに関して少年局長と社会局長の御意見を伺いたいのであります。  今全国的に行われておりますところの少年不良化防止策として各省、各庁、市町村並びに有識者によつて防止行事は巡回相談、不良兒等発見、兒童生徒の自伝組織の結成、俗惡書の駆逐その他でいずれもよい防止策でありますが、併し私はこれにはただの防止策だけでは六億円の予算を食う割に効果挙げ得ないと思います。なぜなら統計に示す通り不良は飲酒家、犯罪者に生れた因果の子が主で、時には孤兒もおりますが、それ以外は始めから不良に生れたのではございません。それは食糧の不足や、文房具等の不足、両親の慈愛と冷静な判断、教育の不足も原因しますが、最も少年の小遣いと身分不相応に高い酒やたばこを呑みたいため不良となつたものが大多数で、昔から少年審判所でも殆んどが飲酒喫煙したことを発表しております。  その例はある薬屋に相当月給で勤めていた至つて優良であつた青年は酒を呑み、たばこを吸い続けておりました。貯金もないものがどこからこの金が出るものかと思つておりましたところ、果して高価注射液の箱に偽造注射液を入替えて売つていました。今一つは第二国会で青少年禁酒法案審議の際に来た広島からの手紙でございます。それは、「十八歳の次男が酒を呑みたいばかりに盗みをし近所に迷惑をかけ、一向仕事も手伝わず、家族を困らせております。どうかこのようなものは体刑として下さるよう、重刑として下さるよう、家族一同からお願い申します、」とあります。親はつまらぬ子でも褒めて貰いたいもの、袴りたいものでありますのに、文中には配給米を持ち出して市場でたばこに替へ、小学校の裏手で数名で吸つております。又中学生数名が先生に見付けられ、あわてて屑籠にすいがらを投げ入れたので全校舎を燒きました。中毒すれば意思強固の人でもやめられません。前鈴木法務総裁は犯罪の五割五分は青少年だと申されましたが、今は八歳から二十五歳迄の犯罪二十五万六百六十一件、九人に一人の割の犯罪者で、このうち強盗窃盗が十七万五千六百件、傷害二万三千七百件で大人より五千件多く、而も十三歳未満の学童が二千三百件とありますが、但しこれは表面に現われただけの数であります。すべてが防止策であるためか、議会における御質問の中にも又関係大臣答弁でも聞かれませんが、少年局長、社会局長はこれに対してどうお考えになられるかということを伺いたいのでございます。  次は青少年の性病予防について厚生大臣に伺いたいのでございます。昨年某県教育委員会の、招聘で三日間高等学校生徒に、禁酒問題と性問題について講義をさせて貰いました。そのとき先生は性問題についでは露骨な話ができぬから、今は大変紊れているから、も少し強調して貰いたいとのことでした。その後青少年不良化防止対策会や、県下教育者の性問題研究会等にちよいちよい出席しましたが、どこでも防止策だけであるためか、私の痛感する予防策については一向聞き得ませんでした。それは前岡田厚相時代に自由討議で要望しておることでありますが、近頃はいよいよ十三、四歳のものの妊娠や十五、六歳の性病が殖えたことを聞きますので、性病知識普及のため性病による生殖器の糜爛状態や身ぶるいする程の生殖器の変型や、又酒を呑めば第一道徳を司る大脳を冒され、変態性慾を生じ、白血球の殺菌作用を失うため、接した場合に性病にかかり易く不具、不良を生むことになる、それでこの白血球と濁る赤血球の循環経路等のニコチン毒を受けた内臓器の模型をもつと全国的に人通りの多いところでレコードでもかけて入りやすく、又何ものでも無料では真に見ませんから、安く有料で開催して頂きたいと思います。このような予防方法は親も教育家も又説教でも教え難いことでありますし、それと申して結果の如何を知る筈もないところの青少年だけを惡いと責めてはならんと思います。私はいつでも梅毒は唇の裏に出るから、活動写真等で見るような、接吻等をうつかりすると、自分一生では済まん。毒素は代々続くと申しております。これなど見せて頂きましたならば、今後の結婚失敗等も余程減少すると思います。  私はこの催しを二十数年前奇特にも歯科の医師会が催したとき見ました。それは料理屋で酔い、不良の女から病毒を受けたところから始まつております。先だつて田舎の町で高い入場料で催しておりましたが、会場費も税金も支拂えず、押えられて惨めな目に会つておりました、民間催しはなかなかむづかしいことと思いますので、青少年の将来の幸福のためにこれを厚生省で催して頂きたいのでございますが、如何でございましまうか。これだけが厚生大臣に対しての要望質問でございます。  次に法務関係で伺います。今まででさえも軒を並べて妾宅を構えていたところもありますところに、姦通罪が削除されて、恋愛は自由だ、趣味だというので、妻子を捨て、夫を捨てて家出する中年男女が殖えました。どこからも不良兒を出しております。私は未だ曾て妬み、嫉みを思つたこともありません。又多い親類中でも蓄妾者は一人もいませんが、妾、蓄妾は特別理由は別として、憎んでも足らん罪深いものだと思つております。その中には喰える未亡人も多数おります。堂々と一家を構えている蓄妾者や、切売をする多数の人の妾等には住宅税として重税を課すべきだと主張して来ました。取り違えた民主々義は、実に国家を混乱させます。国家の基礎である、一家庭が恨み、妬みに包まれて、何が世界平和か、ユネスコかと思います。このままにするがままに、なるがままに動物同様以上で進むことは、精神的にも、物質生産に及ぼす損害も多大なものと思います。又未亡人に対しても生活保護費だけ與えれば幸いだと思うことは、片手落りだと私は思いますが、これに対して法務関係では何か防止案をお考えなつたことがございましようか。これを伺いたいのでございます。これで終りでございます。
  19. 木村忠二郎

    政府委員木村忠二郎君) 現下の道徳頽廃につきまして御指摘がございました。そういう傾向が非常に戰後強くなつております、ということは誠に遺憾に存ずる次第でありまして、我々社会局といたしましては、何と申しましても生活の安定が必要でありまして、すべていろいろな社会の害惡というものが生活の安定を欠く因であると考えております。で生活安定に対する施策を十分措置するように努力いたしまして、そういうことの未然に起らないように防止をいたしたいと考えております。政府としましてこれに対して強力な指導をして行くことにつきましては、思想或いはそういう点についての道徳等の面につきましての強力な力による指導といつたようなものは困難なことと思うのでありまして、教育の振興その他によつて得られることだろうと存じます。尚我々としまして、今申しましたように、民生安定どいうことの面を通じまして、そういうようなことがないようにいたして参りたいと思います。
  20. 小杉イ子

    ○小杉イ子君 私の質問は理想的でなく、具体的に酒、タバコについて伺つたのでございますが、それについて私は答弁を頂きたいと思います。
  21. 木村忠二郎

    政府委員木村忠二郎君) 未成年者の酒、煙草を飲みますることについて、これが精神的又肉体的と関係があることは勿論でございまして、これにつきまして現在では御承知通りに、未成年者の飲酒喫煙についてはできないことになつておるようでありまして、これにつきましては十分学校その他の教育の手段によりまして、又兒童局といたしましては兒童委員等の手を通じまして、これらの十分な指導をいたして参るようにしたいと考えております。
  22. 菊池省三

    説明員(菊池省三君) 局長が留守でございますので、代つて説明いたします。只今お話のありましたように酒と煙草は青少年不良化の第一歩であることは敢て申すまでもないことでございます。この問題がうまく解決できるようになれば、これは当然世の中に不良少年というものがいなくなる結果になるのであります。先程お話のございましたように酒や煙草の不良化に関係のあります面は、それが不良化の前兆であるということが一つと、そのために犯罪をやるということと二つの面があると考えられるのであります。小学校或いは中学校等におきまして煙草を飲む少年を調べて見ますと、これはどこかに家庭的にも欠陷があり、又本人自身も相当程度不良化が進んでおるという少年なのであります。家庭裁判所等において調査をいたします場合にも、そういつたことを一つの基準といたしまして、そういう少年に対しましてはそれぞれ適当な措置を採つておるわけでありますが、問題は喫煙をする少年が非常に殖えて参つておることだと思います。これは單に関係の一部局だけが如何に骨を折つて見ましても、十分な目的を達することはできないのでありまして、先般青少年対策委員会というようなものができまして、厚生省、法務府、労働省その他の関係省が集まりまして、これに対する対策を立てておりますが、曾て富山県におきまして逸早く喫煙の問題が教育委員会の方で探り上げられたことがあるのでありますが、その際それに関係がありますところの家庭裁判所並びに少年院その他学校、検察庁そういつたあらゆる機関が提携いたしまして、この教育委員会の喫煙防止運動を援助したことがあるのであります。そうしてそれは可なりの成果を改めたのでありますが、丁度昨年十一月の青少年の保護育成運動が全国的に展開せられましたが、各地区におきまして青少年補導の協議会を設けまして、いろいろな対策を立てたのであります。その際も喫煙の防止ということにつきまして、全国各地区で非常な成果を得たと考えておるのであります。併しながらとの問題は極めて困難な問題でありますので、永久的にあらゆる機会を利用いたしまして指導をする必要があると考えております。簡單でありますが、以上を以てお答えといたします。
  23. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後零時五十分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    委員            姫井 伊介君            中平常太郎君            石原幹市郎君            草葉 隆圓君            竹中 七郎君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            小杉 イ子君   国務大臣    労 働 大 臣 鈴木 正文君   政府委員    通商産業政務次    官       宮幡  靖君    厚生事務官    (社会局長)  木村忠二郎君    労働政務次官  新谷寅三郎君    労働事務官    (職業安定局    長)      齋藤 邦吉君    経済安定事務官    (経済安定本部    総裁官房労働室    長)      石井 通則君   説明員    法務府事務官    (法務府矯正保   護局教育課長)  菊池 省三君