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1950-02-03 第7回国会 参議院 厚生委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月三日(金曜日)    午前十時四十七分   —————————————   本日の会議に付した事件派遣議員報告   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。本日は去る一月八日から十六日まで院議を以ちまして宗教団体経営する社会事業実情及び地方における共同募金処理実情調査のために議員姫井伊介君、竹中七郎君、草葉隆圓君の三君の実価調査をお願いいたした次第であります。観察されました各委員よりそれぞれ調査の結果の御報告を聽取したいと思います。先ず共同募金調査につきまして草葉隆圓君から御報告願います。
  3. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 院議を以ちまして派遣されました議員は、只今の委員長のお話のように、竹中七郎君、姫井伊介君と私と三人でございますが、事務局から木村専門員政安調査員及び中原法制局第一課長に同行して頂きまして、特に地元議員たる山下義信君、又地元関係者皆さんがこの調査に関しまして大変に熱心に協力して下さいました関係上、調査上多大の便宜を頂きまして、調査は一月九日と十日と僅か二日間ではありましたが、本事件の重要な中心点はこれを明確にいたし得たことを、これらの関係者皆さん感謝の意を表します。  第一に調査方法といたしましては、先ず出張の前に予備調査をしまして、予備調査に当りましては厚生省なり、或いは全国共同募金運動に関します企画調整中央機関である財団法人中央共同募金委員会につきまして、数回調査を行いまして各種の資料を整え、又十分なる一応の知識を得まして現地参つたのであります。更に大阪京都共同募金状態調査いたしまして、いわゆる問題の広島事件に関します諸問題と比較参照する機会を得たのでありましてこの調査に当りまして広島事件重要点を明確にいたしますと同時に、他面におきましては、今後におきます共同募金運動の適正な発展に関して、何らかの重要な資料になると存じておるのであります。  第二に現地におきます調査概要は、先ず広島県庁の一室に臨時調査室を設けまして、この事件現地調査に当りますと同時に、或いは資料の蒐集なり、又関係の方々について、いろいろな角度からの意見を聽取いたしたのであります。で、先ず広島県知事以下、昭和二十二年度、並びに二十三年度の共同募金運動幹部でありました人達、併し現に起訴されて收容中の人達は別でありまするが、即ち楠瀬広島県知事、現在の内田民生部長小谷広島共同幕命委員長、即ち現在の県会議長、並びに昭和二十二年、二十三年の受益団体でありまする人達の中の主だつた代表者といたしまして、六万学園長田中正雄君、同胞援護会河野光治君、小林槌夫君民生委員連盟香川亀人君日赤広島支部中本誠一君、岩淺憲一君、中野丈太郎君、社会事業協会藤井五平君、広島母子寮長の早速チヨノ君、募金委員会事務局藤澤温良君、こういう人達につきまして各方面の角度からいろいろと証言を求めたのであります。又広島地方検察庁に参りまして、高検の検事長なり、地検の検事正なりの、いわゆる幹部検察官なり、又直接この事件を担当しております地検次席検事等につきまして、事件の現場なり或いは起訴理由等につきましての調査をいたしたのであります。この起訴内容につきましては、すでにお手許に資料としてお配りしておりまするので、ここで申上げるのは省略いたします。ただ極く最近に至りまして、更にその外に、本年の一月二十日になりましてから柿島前商工部長が、この問題につきまして起訴された。更に最近中国新聞編集局長蔭山稔君、日刊広島社長の加藤可醉君、両人が強制収容されたということが中央共同募金事務局江川総務部長のところに、地元委員会の方から通報があつたそうでございましてさように発展いたしておるようであります。この起訴の問題、いわゆる刑事事件検察方面におきましては、これは私共は調査の主眼ではありませんので、これはいずれ裁判確定の上において明白になることと存じまして、私共はこの問題をいわゆる国政上、或いは行政的立場、そういう立場から十分検討して行きたいと存じまして、中心をそこに置いて調査をいたしたのであります。  それで第一に事件の発生しました原因について要因についてこれを見てみますると、行政監督者共同募金事務執行者とが同一人であり、これを兼務しておつたということが一つの重大なるポイントであると存じます。次には県の民生関係予算執行者共同募金募金管理責任者とがこれ又同一であつたということであります。次には県の民生関係予算の施行されておりまするその処置状態が、誠に不十分であつた。そして共同募金から約三百九十万円そこそこの金を県費に流用しておる。被つて県費なり、共同募金経理というものが全く混乱状態になつておるという状態であります。そういう状態でありますので、二十三年度におきまして、その関係責かその後も決算ができませず、又専任の共同募金専務職員を十分配置せずに、従来通りずるずるべつたりとして延ばしておつた状態であります。従つて共同募金運動につきましての中央委員会なり、或いは厚生省の方針を実行することを先ず故意に怠つた状態でありまして更に軍政当局の好意ある指示もこれを無にしておつた状態と見受けたのであります。又中央との連絡を殆んどとつておらずに、中央に対する報告もその場その場の思い付きというような状態でありましたために、戦後誠に数字的にも食違いを生じておる。で先に申上げましたように、県費に流用しておりましたために、表面上共同募金繰越金の形をとりまして、而もその繰越金相当額を計上したことく装いながら段々引延ばしておつた。で共同募金地区に三分の一に当ります金を残す方法を行なつて地元協力を得ることといたしておりましたが、この方法が又多くの弊害を生んでおつた。次には県の当局者等が、共同募金配分委員長である、先に申上げました中国新聞編集局の局長の蔭山某などという人違と懇ろになりまして、配分委員会の名義でたびたび会合を開いておつたものでありますが、一方にはそれが新聞社幹部と通じておつた新聞社幹部であるという安心感を強くしておつたためでありましよう、相当専断的なことを続けられておつた。又民生部長なり、厚生課長なり、部課の関係者殆んど一緒にこのような不正行為をやつてつた。次には共同募金委員長なり、委員に対しまして、募金運動の全体についての報告を殆んど全然しておらない。それでこれが督促を受けましても、徒らにこれが言を左右にして遷延せしめておつた。又広島県の共同募金運動は外の地方と異なりまして、運動の初めのとき、即ち二十二年度から日赤合同運動をしておつたのであります。そのため従来の日赤資金募集の慣習でありました手数料なり、或いは地元還附金なり、そういう制度をそのまま慣用して旧来の悪習のまま共同募金を行なつたという状態であつた。又金を集めまするのに重点を置き過ぎましたために、大口の募金等の場合におきましては、特にその例を多く見たのでありまするが、運動費用等に多くの金を消費したのであります。その他これに関するような正しくない状態が多く見られるのであります。又、いろいろな規約なり、或いは準則なりというような、県で取扱うべきその取扱の方針というものが、中央の基準がありますのに拘わらず、殆んどこれを用いずに、又県自体においても、規定らしい規定すら設けておらん。又監査方法なり、この募金の全体に対しまする組織という点におきまして、誠に重大なる欠陷がある。これら以上の諸点を、調査によつて大体明確にすることかできたのであります。そこでこれに対する所見を申上げますると、この調食の結果、以上のような事実に徴しまして、総合的にこれを結論して見ますれば、本件は先に申上げましたように、すでに検察当局の手によつて、鋭意捜査中の事件でありまして、起訴の事実の如何は近く明瞭になることと存しまするが、起訴状に公示されておりまする犯罪の内容につきましては、これを暫く措くことにいたしまして、私共調査班といたしましては、少くとも本調査につきまして明らかになりました重要な点は、即ち第一には、地方行政共同募金運動との混同という点であります。混同をしておる。第二は、地方公務員の最高の地位にある者が、この共同募金運動に関する非難すべき行動をなしておる。而もそれは一方におきましては、かような問題の起つた一つ原因は、人事行政の不十分であつたという点も考えられるのではないか。第三には、共同募金運動組織が不備であり、更に欠陥があるという点。第四には日本赤十字社運営に関しまする諸問題についての不十分、日本赤十字社の本社なり、支社に対しまする問題、こういう以上の点につきましては、これは大体、起訴状の中に記されておるものでありまして、これは私共も、起訴内容同一なる所見を持つたのであります。こういう事件が司直の手によつて摘発されまするまで、殆んど共同募金委員会自体は勿論、行政部局におきましても、殆んど何らこれに対する処置が講ぜられず、又事前の予防的方法が講ぜられずに、そのまま放置されて、そうして事件が突発をした。こういう状態でありますることは、誠にこれは遺憾に堪えないのであります。そして事件、いわゆる共同募金広島事件は、共同募金運動の根本となる運動組織募金管理会計事務、そういう点におきまして、甚だしく適正を欠いておりました。ところが先程申上げましたように、重大なる原因として指摘することができると存じますこれらの問題に関連いたしまして、今後の共同募金運動の進展上必要と考えまして、大阪なり、京都なりの両地区募金委員会につきまして現地調査を行なつたのでありまするが、彼此れ参照いたしますると、大体次のような諸点がこの問題を契機として十分考究を要する問題であると存ずるのであります。共同募金運動の今後の助長発展に関しまするこの広島事件中心とした問題からの一つの考察といたしまして、第一に、共同募金運動については、今後全般的にこれを再検討して、募金方法なり、管理なり、配分なり、監査なりの方法を十分講じて、更に関係行政庁において十分なる監督をなすべきことが必要でありまして、又この広島事件に徴しまして現在行われておりまする府県共同募金について、一応十分な調査をして、本事件のようなことが再び起らないように方法を講ずる必要があるように思うのであります。第三は、関係官庁行政上の監督責任者と、民間運動担当者との責任の分野を明確にして、この美しい民間運動に対しまして、官公吏の支配を排除いたしまする方法を講じますることが最も必要である。これは多くは、これが講じられておるようでありますけれども、この点今後も十分考えるべきものである。第四は、共同募金委員会法人組織といたしまして、民法なり、その他の法令による責任を明確にする方法を講じて置く必要があります。第五には、民間社会事業は、政治、教育同様国民に取りまして強い支持を得なければ発展しないものでありまして、これを左右いたしまする共同募金委員会組織は、いわゆる国民代表を以て本当の意味国民代表を以て民主的に組織すべきものでありまして、ややともしますと、近来形式的な民間代表の弊に陷り易い傾向にある点を、この機会に大いに再検討すべきではないかと考えるのであります。第六には、募金の、先程申上げましたように管理なり、配分なり、監査につきましては、寄附者であります国民が、誰でも直ぐ納得のできる運営機構であり、その内容については十分了解され得る方法を取られておらなければならない。ややともいたしますると、自分の金であるかのごとき錯覚を起し易い状態になつておるのではないか。これはむしろ立派なる寄附者のいわゆる信託の委任行為、これをやつておるという道徳的な考え方を事務をなしておる委員会なり、関係者が十分持つような方法を取らるべきではないか。第七には、地域社会事業年次計画を十分確立させまして、受益団体整理統合を行なつて、適切効果的な配分を行い得るような処置を講じなければならないと存じます。第八には、共同募金委員会は、社会事業界代表意見を十分尊重する処置を講じなければならない。現在は殆んどこれは取られておらずに、一方的な処置であつて受益団体は殆んどこれには嘴を入れると申しまするか、協力すると申しまするか、そういう方法が取られておらない弊害がありはしないか。第九には、募金委員会は、ややともいたしますると、社会事業に対するボス的な存在となる虞れがあると存じます。即ち社会事業関係者は、先にも申上げましたが、委員会のこの問題に殆んど関係をしておりません。従つて配分等の場合には委員会の鼻息を窺つて支援の濃淡によりまして事業経営の難易を来たすという状態に陷り易い弊害がありまするので、この点を十分除去し得る方法を講じなければならないと存じます。第十には事務局整備充実を実行する方法を講じなければならない。最後には共同募金運動全国運動でありまするから、その方針なり企画、宣伝、啓発等は整然と歩調を一にしていたしますることが必要でありまする点に鑑みまして、民主的に組織されました中央共同募金委員会に、その責任を果たさせるために指導、監督責任を持たしめる方法をもつと強くいたすべきものではないか。ただ現在の中央委員会というものは単なる一種の事務的連絡機関に陷り易くなつている嫌いがありますので、もつと各府県内容に対しまする指導監督というものを、現実的にいたすべき方法を取らるべきではないか、かように考えるのであります。  次にこの赤十字社事業資金募集と、共同募金運動に関しまする広島事件中心にした問題からの当面の調査団所見を申上げたいと存じます。  第一には日赤募金共同募金組織運動につきましては、募金の性質が或る意味におきまして全然異なつておりまするから、両者は明確に区分をしで、これを混同せしめないようにすべきではないか。  第二は私共の調査いたしました事実に照らしまして、日赤の機構なりその経理につきまして、この機会調査及び検討が加えられるる必要があると存ずるのであります。それと共に関係官庁におきまして、この日赤に対しまする監督を嚴重になすべきものではないか。  第三に日赤募金は、募金使途内容の公表なりし周知をなさしめることが不十分であろうと存じます。いわゆる徹底をなされておらない、従つてこの機会に十分これを徹底せしめて国民の疑惑を除き、その支持を受ける方法を取るべきではないか。  第四には日赤募金は、日赤自体事業資金のみの募金でありまするのに鑑みまして政府なり或いは公共機関がこれに公的に支援する、援助をするというがごときは、これは嚴に慎むべきではないか。  第五に社団法人でありまする日赤事業資金の募集は、その本質に鑑みまして社員の会費によつて支持さるべきことが本質であります。これを共同募金と共に一般公募方法を取るということは、本質に戻るものではないか。  第六には現在の日赤募金の目的は、重点をむしろ災害救助法による特定法人としての責任の遂付上、必要なる資金を主としておるべきものでありますに拘わらず、今回の調査によりますと、事実は共同募金配分金の約数十%が人件費なり、本社納付金に充当され、そうして一般に公表されておりまする公表の事実と相当の相違があるのでありまして、従つてこの際この点を十分検討いたしますると同時に、速かに日赤再建運営方法を講ずべき必要がありはしないか。  第七に更に具体的にこれを申上げますと、現在日赤の各県の支部は、募金の五十%を県に、二五%を地元に、二五%を本社に上納金として配分しておりまするが、この制度についても具体的に十分検討を要するごとと存じます。  最後日赤は現在尚旧来そのままに知事、副知事支部長、副支部長に委嘱しておりまするが、この民間社会事業団体としての本質を発揮しますために、外の各民間団体と同様にこの方針を速かに改めまして、直ちに民主的組織に改編される必要がありはしないか。以上が日赤に対する所感であります。  以上全体といたしまして本調査報告概要を申上げたのでありまするが、私共は民間社会事業唯一の再建ともいうべきこの共同募金の美しい国民運動が、適正且つ明朗に進展いたしまするより、その方法組織監督、すべての点から国民全部の協力を得ましてますます発展するようにいたすべきであるということを、衷心より期待しておる次第でございます。  以上御報告といたします。
  4. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 次に竹中七郎君から宗教団体経営する社会事業実情調査の結果の御報告をお願いいたします。
  5. 竹中七郎

    竹中七郎君 私は宗教団体関係社会事業に関する調査報告をいたしたいと思います。  我々調査一行は広島日程を終りましてから、予定の通り一月十二日より十四日に至りますまでの間を大阪京都地方日程に入りました。この両地方日程中には、特に塚本、藤森、山下委員もそれぞれ参加せられまして、本調査に御協力願いましたことに対しては厚く感謝を申上げる次第であります。大阪京都の両市の調査目標は、一つ共同募金に関する地方状況と、一つ宗教団体社会事案に関する状況調査でありまして、その中の共同募金問題につきましては、只今草葉委員から一括御報告になりましたから、私は専ら宗教団体社会事業に関しまする問題につきまして、概要報告をいたしたいと思います。一つは本調査対象といたしまして、本調査目標はすでに明らかであります通り我が国社会事業中におきまして、その七割までが民間社会事業でありまして、而もその大多数が宗教関係経営社会事業であるという事実に基きまして、これが適正な振興を促進する必要から、その素材観察のために現地査察をするという、極めて広い奥行きを持つておるのであります。ただ何分にも短い期間でありまして、そうして局限された地方という條件がありますので、本調査はなかぐ困難であつたのであります。併し幸いにも大阪商工業中心といたしまする比較的代表的近代経済都市でありまして而も戦災復興件つて民間社会事業におきましても目覚ましい復興振りを示しておりますのみならず、各宗教団体におきますそれぞれの特色である社会事業が、自由活溌にその美しい競争を見せている地方でありまして、比較視察するためには最も好都合の地方であるというので、ここでは主といたしまして各宗教社会事業施設につきまして査察することといたしました。今回視察いたしましたのは次の五ケ所でありまして、更に施設関係代表者会合に当りましては座談会を催しまして、この間種々査察に努めたのでございます。その視察個所を申上げますと一、仏教台宗大本山四天王守経営財団法人四天王寺病院、これは医療助産施設であります。ニ、キリスト教聖公会派信徒奉仕財団法人博愛社、これは養護施設であります。三は仏教浄土宗正念浄住職奉仕財団法人四恩学園養護乳児保護施設であります。次は四といたしまして天理教大阪教区経営天理教大阪助産所、これは助産施設であります。五はキリスト教フランスカトリック派愛徳童貞会経営聖心隣保館、その中におきましては養護母子保護乳児医療保護隣保事業、これだけであります。次に又京都では御承知の通り仏教大本山が非常に集まつているところの代表的地方でありまして、且つ戦災を免れているので、ここでは主といたしまして仏教の各宗大本山社会事業関係査察すると共に、この大本山燈台下におきまするいわゆる仏教社会事業が、如何運営されているかという点と、如何にしてその地方におきまする公共社会事業施設については、どんな状況にあるかという点を明らかにいたしたいと考えまして、その施設を観察しまして、更に大本山関係代表者との座談会に臨席いたしまして、仏教社会事業の促進について種々意見の交換を行なつたのであります。今回視察いたしました施設は、イといたしまして府立賀茂川母子寮、これは母子だけの寮であります。口、府立洛北寮、これは浮浪者養老保護施設であります。ハ、府委託東本願詳派住宅紫草園、これは婦人保護であります。二、府立京都寮、これは盲人授職の寮であります。ホ、浄土宗住職経営照学園盲聾唖兇養護でありますペ、浄土宗総本山知恩院後援財団法人平安養育院、これは養護、ト、京都仏教和敬会経営財団法人同和園養老保護であります。チといたしまして市立指月寮、これは乳児院乳児養護、第三といたしまして調査の結果につきましては何分調査目標は広汎であり、而も数多い施設のうち僅か数ヶ所の視察を以てしてはこれを明らかにし得ないことは勿論でありますが、ここでは観察したままの極めて大まかな問題につきまして、若干の所感を交えて申上げたいと存じます。先ず第二に、宗教団体社会事業として現在現われておる状態はどうであろうかという問題についてであります。この点については大阪の事例では、大阪におきまする宗教法人経営する事業施設会計四十三ヶ所の内におきまして、大阪市内におきましては二十三ケ所、隣接十都市内におきまして十、郡部におきまして十、計四十三となるのであります。我が国社会事業分布状態そのまま、即ち都市集中の現象を呈し、郡部乃至農山村地方社会福祉は明らかに等閑視され来つた沿革そのままに現われております。そしてその郡部十ヶ所は最も仏教寺院偉そのまま利用しておるものであつて、六ケ所は農村保育所であり、他の、四ヶ所は概ね大阪市民社会に胚胎する事象に基く收容施設で、即ち少年教護又は養護施設として公共委託事業であります。更に又宗団別の特質を見まするというと、仏教系が二十五で、内保育所のみのものは十四、キリスト教系のものが十四でありまして、内保育所のみのものが三、天理教系のものが二でありまして、内保育所のみのものが一つ助産所のみのものが一つ神道系のものが一でありまして、委託少年教護をしております。金光教系のものは一つ、これは診療所で計四十三となるのでありまして、即ち施設の数から見ますると仏教系統が第一位にありまするが、併し施設事業種類から観察いたしますると、村落における寺院建設物事を殆んどそのまま利用できる便利があつて、而も社会事業特有の困難なケースワークのごときは、殆んど必要としないで済むところの晝間保育所施設が全数の半分を占めておるのであります。それで他の半分即ち例えば収容施設乃至は事業対象者ケースワーク或いは地域集団等のグループ・ワーク等のごとく比較的社会事業中の特別技術を必要とし、これがための特別施設を要する事業について数えますと、仏教系キリスト教系では全く同数の施設大阪市又は隣接都市に期せずして集中されておるのであります。この状況だけによつて見ますると、仏耶両宗教我が国における沿革並びに国民生活べの浸透状況に照らし、社会事業界における事業活動においては、仏教関係よりもキリスト教関係の方が勝つておると感ぜられました。尤もこれは今回の調査によつてのことではありますが、この趨勢は恐らく全国的にも当嵌まるものではあるまいかと思われます。  第二点として、各宗団大本山又は総本部と、その宗団系統社会事業施設関係はどうなつておるかという点でありますが、この問題につきましては一般的には各宗団とも、その宗団大本山社会事業活動とは何ら組織上の関係を持つていないことが明らかに判明しました。但し或る宗団におきましてはその宗団教役者は、努めて社会事業活動を伴うべきことを必須の慣行事項として今日に至つておるものがあります。そしてこれらの宗団におきましてはその社会事業活動のための人件費は、すべて宗団がこれを賄うわけであります。従つて社会事業活動とその教役者宗教生活とは不可分のものとして精根を傾けて事に当つておる状態であります。その例といたしましてはキリスト教におきましてはカトリック宗が即ちこれでありまして、又救世軍がこの類であります。仏教においては四天王寺経営する事業施設との関係にのみこの類を見るのでありまするが、特にカトリック教団の社会事業活動は、いわゆるカトリック・チャリティーといたしまして、各国の文化都市にも、又未開発の地に幾多の業績を示しておることは、古来周知の事例でありますが、詳細はここでは省略いたしたいと思います。尚近来天理教及び金光教の各宗団医療助産等の社会事業に、又或いは神道宗団が教護事業に着手したことは刮目すべきことでありますが、これは今後の事績を待つて改めて観察したいと存じます。  第三点といたしまして、然らば現在の宗団社会事業の実態はどうであるかということと、その振興に関する問題の点であります。前に述べました諸点によつて明らかであります通りカトリック宗団におきまする宗教的奉仕の国際活動によりまするものを除きましては、いわゆる宗団社会事業は、その宗団責任経営にかかるものは一つもないのが実態でありますけれども、即ち仏教におきましては、大阪四天王寺の例を除いては、概ね一ケ寺の住職中、特に熱心なる個人がその事業に当つており、又キリスト教におきましては、牧師その他の教役者は、むしろこの事業に遠ざかつておりまして、信徒の中熱心なる者が、同志の協力を求めまして、殆んど献身的活動を続け、辛うじて今日に及んでおるというような状態に過ぎないのであります。従いましてこの事業施設如何に現在の業績を示しておるといたしましても、これは結局事業運営の原動力となつておるところの、その施設責任者でありまする社会事業家個人の能力だけに終りまして、或いは社会事業に世襲なしという言葉の通力、その本人の在任中だけの社会事業に終るという弊害があるのではないかと思うのであります。そうしてたとえ、その経営主体が、財団法人組織でありましても、財団の理事者必ずしも社会事業適任者ではないのであります。のみならず財源や維持組織等の実態から見まして、その事業の永遠性は望めないというような感じがするのであります。この点はもとより我が国民間社会事業に共通する問題でありましようが、この際特に宗教関係社会事業におきます著しい問題として鑑みられるのであります。又地域社会事業の進展を必要とする今後のわが国の社会に、福祉態勢を期待し得ない結果を招く危険が多分に感ぜられる次第でありまして、これは国政上から見ましても誠に放置できない條件と鑑みられるのであります。而してこの危険性は、キリスト教宗団社会事業におきましてよりも、むしろ仏教宗団社会事業においてより強く感じましたのでございます。前者は特に社会事業活動におきます強大な国際的背景を持つておるのみでありませず、いわゆる宣教師活動が、その部面において活溌でありますが、仏教社会事業におきましては、殆んどこれに比べまするところの力は持つておらないような現状であるのであります。よつて京都におきましては、特に仏教大本山社会部長、並びに社会事業関係者諸君との座談会におきまして、これらの問題を中心といたしまして、仏教社会事業振興に関しまする座談会をいたしたのであります。座談会ば凡そ五時間に亘りまして種々の意見が交換されたのでありますが、各宗それぞれ宗団の事情を異にする点もありますけれども、我々の一行の積極的な意見、即ち仏教社会事業振興促進の結論にはもとより異論がありませず、むしろ積極的にこれが促進方の要望が盛んでありまして、遂に別項のような決議がなされまして、その適切なる実現方の熱心な要望を受けたのであります。決議文を朗読いたします。    決議   仏教社会事業の振興を期することは平和日本建設の基本と思料せられるから本日会同した我等工同は「日本仏教社会事業連盟」(仮称)を結成して積極的に仏教社会事業の進展を図り以て文化日本の興隆に資せんことを期する。   尚之が具体的準備は参議院関係者によりて進められんことを望む。   昭和二十五年一月十四日     仏教社会事業関係者懇談会   真宗大谷派本願寺藤津黎   真宗本願寺派條周存   浄土宗知恩院大河内貫靜   臨済宗大徳寺派野村円海   臨済宗南禪寺派鈴木以心   融通念仏宗木霊禪仙   真言宗御室派佐藤明義   浄土宗西山深草派板倉修峰   天台寺門派山本光照   日蓮宗毘尼薩台諒   西本願寺母子寮井上徹也   仏立宗積慶園古村正樹   知恩院平安養育院前田孝雄   相国寺和敬学園樋口圭一   東本願手紫草苑常盤隆澄   大覚守壽楽園鬼山弘憾   西本願寺社会部林龍雲   東本願書社会部月光恵雲   知恩院社会部泰隆慎  こういう決議文がなされたのであります。この決議文に明らかにしてあります通り、この日本仏教社会事業連盟の従来、促進の準備につきましては、参議院関係者によつて進められたいと記してありまするが、当日の模様から見ましても、この関係者とは本委員会の諸君を指しておるものと解釈せられるのであります。願わくば厚生委員会諸君におかれましてもうこの間の事情を御洞察下さいまして、この決議の趣旨を採択されまして、速かに適切なる方途を講ぜられるようお願いする次第であります。以上は誠に概略でありまするが、これを以て報告といたします。  次に要望事項といたしまして、大阪の民生局から要請されたものを朗読いたして置きたいと思います。    要望事項、公益質屋について。   当大阪府下には二十一店舗の公益質屋が運転資金総額四千三百七十八万円をもつて運営されております。一昨年頃よりのインフレもやや安定の域に達したように見えましたが、引続き発生した金詰りは、国民生活を窮迫のどん底に追込み、勢い公益質屋の利用者も急激に増加する結果となり、貸付資金の極端な不足を告ぐるに至りましたので、昨年度において政府より二百二十万円の貸付金と、更に本年度に八百七十万円の地方起債を得て辛ろうじて維持運営しておりまするが、尚相当な貸付不能者を出しておる状況に鑑み、昭和二十五年度には運転資金として三千百万円と、更に庶民金融の性質上、少数人店舗主義を排し、分散小店舗主義を理想として地方の要望に応へ、大阪市、豊中市、吹田市、枚方市外ニ町村六店舗の創設費及び運転資金総額一千九百万円の地方起債を申請準備中であります。由来当府は中小商工業を基盤として発展せる地方事情もあり、生活資金の貸出しと共に、生業資金の貸出しが中小企業に寄與して来つたところ大なるものがあります。右事情御賢察の上、公益質屋の資金増額に格段の御配慮を強く要望する次第であります。   次は、消費生活協同組合について。   消費生活協同組合法は昭和二十三年十月一日から実施され、当大阪府においては、二十七組合、産業組合法による組合が七十冥計百十二組合の設立を見ており、この外に法人でない任意組合が少くとも百余あり、これらの組合員は十五万に達し家族を合せるときは約六十万の消費者がこの恩恵に浴しており、今後この組合は法の普及と相俊つて益々増加の傾向にあるのであります。然しながらこの有意義な組合も一般の業者と同様、資金の澗渇を来たし、組合存廃の岐路に立つている状態であります。これが打開と振興の方策は資金を優先的に注入するより外に途はないのであり、既存の金融機関よりの借入れについては極力努力し援助は続けているのでありますが、この成果は遺憾ながら甚だ微々たるものであります。一方組合内部の充実は資金と共に重要なことでありますので、この点にも十分留意の上組合の普及指導に努力いたしています。右事情御賢察の上左記事項の実現について何分の御高配を賜りたくお願いする次第であります。    記  一、預金部資金を組合へ貸付けること。  二、組合のための親銀行を新設すること。  三、組合普及指導費の国庫補助増額について。              以上    次は未復員者……
  6. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 原稿だけで如何でございましようか
  7. 山下義信

    山下義信君 省略。
  8. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 大臣は予算委員会に出られますから。
  9. 竹中七郎

    竹中七郎君 それでは、未復員者給與法改正について……。次に傷病恩給等の一時金を受領した者に対しても災害給與の療養費を支給されたい。及び国民健康保険の問題であります。以上。
  10. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 三君が実情調査に参られまして、極めて詳細にその実情を把握してお帰りになり、御報告を賜つたことを感謝いたします。以上の御報告に対しまして、先ず厚生大臣の御意見一つ拜聽いたしまして、その後に皆さんにお願いします。
  11. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) 只今議員から詳細の御報告を拜聽いたしまして、誠に有難うございます。両御意見にございましたように、将来私共として大いに考えるべきところがあろうと考えます。殊に広島事件につきましては、監督立場にあります厚生省といたしましては、この上もなく遺憾に思うわけでありますが、現在の法の上におきましては、ただ一応報告を受けますということ、それからこの共同募金などの寄附の分配をいたします、処分をいたしますことに対しまして許可制ぐらいに止まつておりますので、この法の上においても勢い改正を加えるべき点があるのじやなかろうかと考えますので、今後御趣旨を十二分に検討いたしまして、そうしてこの事業法などの改正すべきところのものは、将来改正をするようにいたしまして万遺漏なきを期したいと考えます。尚この上とも御援助をお願いいたします。
  12. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それから社会局長関係方面にお出でになつておりますので、済み次第お見えになるそうであります。それから文部省からは、宗教課の課長補佐荻野勉君が御報告申上げます。
  13. 山下義信

    山下義信君 当委員会調査報告に大臣が御出席下さつたことは従来稀でありますが、本日委員会に御出席下唇つて調査団報告を聽取下さつたことは、我々極めて満足に感ずる次第でございます。調査報告をお聽き下さつたので、十分その要点はお汲み取り下さつたと思うのであります。殊に只今の御発言中には共同募金制度については、要すれば法制の上にも考慮を加える考えであるということの御説明がありましたので、御期待をいたしておるのでありますが、特に私はこの席で厚生当局の御留意を願いたいと思いますことは、この共同募金が今年で三回目に相成るのであります。これは非常に大きな問題であると思うのであります。詳細のことは、我々又小委員会で、この共同募金関係の問題を詳細に調査研究いたしまして、報告書に出したいと考えておりますので、詳細は省きまするけれども、要するところ嚴重に監督をしなければならんということは、裏から申しますると、こういう早り方が果して日本の現状に適しておるかどうかということの根本的検討を加える余地があることを物語るものであります。民間団体として美しくできなければならんことを、十分に政府或いは法律の上でこれが監督をいたさなければならんということは、かかる運動我が国国民の基盤の上に、展開する上にまだ基盤が熟していないということを一面物語つておるとも言えるのでありますが、その間にこういう運動をやつて行ごうというのでありまするから、非常にこれはむずかしいのであります。余程根本的にこれは再検討して見なければならんのではないかと考えるのであります。今までのやり方をただそのままやつて行くために必要な、監督的な点の立法化を企てるというような程度では、私は物足らんと考えまするので、監督の地位にありまする厚生省はあらん限りの智慧をお絞り下さつて、根本的に一つこの運動の在り方について、御研究を本当に力を入れてやつて頂きたいと思うのであります。それは言うまでもなく我が国民間社会事業の、これは生死浮沈の境であります。総額約十一億前後のこの共同募金というものの、これが我が国民間社会事業の運命に密接な関係のありますことは言うまでもございません。でございますから我が国民間社会事業を生かすか殺すかということに関係を及ぼしまするから、十分根本的に政府としても御研究を願いたいと思うのであります。言葉を換えて申上げますれば非常に弊害のあるやり方をやらなくても、十数億の金があれば民間社会事業が若し発達振興し得るならば、それだけの予算を国が使いますればこんな全国を挙げての大騒ぎをいたし、非常に沢山の経費を使つて鳴物入りの強制的な寄附のようなことをいたしませんでもできるわけでございます。考えなければなりません、本当に心からの篤志寄附というものが行われて、そうして社会事業の善悪の区別ができて優良な社会事業を発達せしめるために、民間人がそれに喜んで金を投ずるということの趣旨が没却せられ、半ば税金のごとく割当制度になり、只今の詳細なる調査報告にありまするようにうこれが運営に当る者がボス化いたしまして、そうして民間社会事業がこれによつて運命が左右せられる、玉石混蒲のみではございません。殆んど今日の状態においては、この民間社会事業家にもグレシャムの法則が行われまして、悪い施設がはびこり、優良な施設は顧みられないという状態が段々と年を重ねて推移いたして参りますると、民間社会事業家の熱意というものが悉く消滅いたします。共同募金のみに依頼感を起し、安易感を覚えます。おのおの磨きまして社会の信用を博し、己が施設を発達せしめてこの理解の下に支援を仰ごうという、いわゆる民間社会事業独特の特徴であるところが段々滅却いたして参りますということになりますと、余程考えなければならんと私は思うのでございます。而もこの民間社会事業施設の大部分は、厚生省の公的扶助の福祉関係の委託施設になつておるのであります。この民間社会事業が発達するということは、それだけいわゆる国家財政が軽くなり、政府の手が省けるということになるのでございます。これは密接な関係があるのでございますから特に根本的にこの在り方につきましては、ただ單にこれが民間運動であつて政府は関與することはないといつたような、傍観的にそういうような表面的な立場に立たないで、心からこれは政府におきましても御研究を願いたい、かように考えるのでございます。そういうふうに御研究が願えるかどうか、大臣に伺つて置きたいのであります。  今一つ只今宗教団体経営上ます社会事業につきまして、竹中委員から詳細な御報告があつたのであります。この際私は大臣に伺つて置きたいのは将来我が国民間社会事業に関しまするいろいろの法規について当局も御研究中であろうと思う。その間には社会事業の従事者に対しまする資格の問題も恐らく問題になろうかと思うのであります。ところで宗教団体のいわゆる宗教家の経営いたします社会事業、即ち宗教家として宗教信念に基き、これがためによさのある宗教団体のこの社会事業、これを大いに振興させまするためには、この施設に従事いたします職員の資格、例えば保姆でありますとか、養老院の院長でありますとかいうような、そういうふうな者が、それは宗教家なるが故に信仰に厚い宗教心によるが故に独特のよさがあるのであります。これを一律にいわゆる社会事業の従事者という一定の資格の基準に当嵌めるというようなことに相成りまして、それがために、その資格に合致しないために宗教団体経営上その人を得るに困難を感ずる、如何宗教団体施設であつても一定の資格がなければならん。その資格は或いは何々学校卒業、何々というような杓子定規に照らして、資格選考ということになりますと、宗教団体社会事業施設というものは人の面において宗教家なるが故に特長があり、よさがあるのですが、その人を失う結果に相成るという慮れが多分にありますので、この点におきましても将来、小ざい問題のようでございますが、只今お聞きのように我が国民間社会事業の六割、七割を占める、殆ど六七千に当る施設関係あるわけでございます。その点御考慮を加えて頂けますかどうか、この席で承わつて置きたいと思うのであります。
  14. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) 只今お話のございましたように、社会事業の浮沈に関しましては、非常に重大なる問題になることと考えますので、この点山下議員のおつしやいました通り篤と私共は留意をいたして、他日法規を変えるというようなことにつきましても十分考慮をいたして行きたいと考えております。両民間社会事業に対します人物の資格の問題でありますが、私共が凄いながらもあつちこつち視察をいたしましたその結果といたしまして考えまするのに、よく行つております所はその人の人物の如何によることと深く私共葬祭いたしております。ただ形の上におきまして資格を持つたような者が、月給取りになつてしまつているよりな所は、甚だ成績も上つておらんばかりでなく、往々にしてそれが食いものになつているような感を抱いて、私共帰つた場所もあるわけであります。つきまして今宗教に関係いたしますところの資格について、現在までの規定を遺憾ながら私よく存じておりませんが、十分人物にによつてその成績が上げ得られるという点につきまして、これは特に我々がいろいろな規定を拵えます上におおきまして、十二分に考慮いたしまして、そうして成績が上り得ますような方向に持つて行きたいと考えております。ただ私今までの資格についての規定をよく存じませんから、何とも申上げ兼ねますのでここでは只今申上げましたように人物の如何によるということ、又従つて宗教的の問題につきましては、篤と私共考えて行きたいと考えております。
  15. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 先程の草葉委員の御報告で、商工部長が最近起訴されたというのは、商工部長として起訴されたのですか、民生部長か何かしておつてですか。
  16. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 これは私も詳しく存じませんが、当時は商工関係の何か仕事らしかつたのです。そうしてその繋がりの一端があるようですが。
  17. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 募金関係ですか。
  18. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 何か材料とか何とかの……
  19. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 それからもう一つ広島募金委員会には、県の民生部長とか、今後のいろいろの関係者募金委員会事務局の役員、そういうようなことになつていたのですか。
  20. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 これは実はその起訴状内容を申上げますとはつきりしましたけれども、時間がかかりますので止めましたが、結局実際上は知事が会長でありましたけれども、実際の仕事は最初から民生部長が責任者としてやつてつた。それから幹事長としていわゆる当時の厚生課長。
  21. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 そこでちよつとお伺いしたいのですが、私も実は最近まで県におつたのですが、段々県の関係者というものが募金委員会から外されて、その筋の政府の指導方針が純然たる民間人ばかりでやらなければならぬということになつて、我々の共同募金のときには、趣旨の宣伝ぐらいに出されたが、後の運営その他につきましては、これは私が余り関係しなかつたのが悪かつたかも知れませんが、殆んど知らないような立場に置かれてしまつてつたのでありますが、この広島事件は特に県庁の者が入つてつて、そういう事件が起きたというのでありますが、私の気持としてはそういう例外もありますけれども、募金委員会のボス化であるとか、そういつたものを防ぐ意味で県庁の関係者、例えば民生部長が募金委員会委員になるとか、県の職員と委員というものが関連を持つておるのがいいのじやないかという考を持つておりますが、段々方向としては県の関係者委員会から排除してしまうという方向に向つているようでありますが、その点についてどういうお考えを持つておられますか、大臣よりもむしろ局長さんあたりでいい問題でありまするが。
  22. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) 大体民間側のみにやらせるようにということは、その筋からの御意向であつたのじやないか知らんと思います。成るべくそういうことを役所の方は監督する立場にだけあつて関係しない方がよいというような示唆があつたもののように私考えております。今後どういうふうにして行くかということにつきまして、こういうようなことが方々に起きるということは、役所の関係したことでも起きる問題ですし、又民間側の方にのみ委して置いてどうかという懸念もあるわけでありますが、それで先程申上げました通りに、制度の上においてただ報告を受けるということと、処分をするということに対する許可だけが規定をせられておるようなものですから、これを如何に取扱うべきかということを、役所といたしましても十二分に考慮いたしまして、又厚生委員などの御意見も十分に考慮いたしました上で、将来成文でもできるような工合にしたらどうか知らんと、こう考えております。
  23. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 他に御意見ございませんか。大臣は予算委員会の方から出席を求められておりますから、大臣に対する質疑をこの程度で打切ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。尚他に御発言は……。では本日は委員会はこれを以て閉会いたします。    午後零時二分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    委員            中平常太郎君            山下 義信君            石原幹市郎君            草葉 隆圓君            竹中 七郎君            藤森 眞治暦            井上なつゑ君            小杉 イ子君   国務大臣    厚 生 大 臣 林  讓治君