運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-01-31 第7回国会 参議院 厚生委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年一月三十一日(火曜日)    午後一時三十二分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○社会保障制度に関する調査の件  (厚生省関係予算について)   ―――――――――――――
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会を開会いたします丁本日は厚生省薬務局関係予算説明を伺います。
  3. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 昭和二十五年度一般会計予算書の四百九十七頁から順を追うて御説明申上げます。  概括的に申上げますると、その数字は五百頁の上の方にございますが、薬務局予算といたしましては、昭和二十五年度の予箕の要求額七億七午六百万円余でございます。これ以外は後程御説明いたします衛生試験所金額三千それがしがございます。前年度予算に比較いたしますと、本年度は約六億四千万円ばかり増加しておるわけでございます。尚これに対しまして歳入予算は六億九千五百万円余でございます。歳入の内容は薬剤師登録、それから薬剤師国家試験の手数料、医薬品或いは麻薬製造業登録その他スレプトマイシンの販売代金等でございます。人員といたしましては昭和二十五年度要求人員は二百四十九名でございます。これを前年度に比較いたしますと、前年度の当初定員が四百三十二名、尚行政整理後の定員が三百六名でございまして、即ち要求人員三百四十九名は前年度の当初に比較いたしまして百八十三名の減員、本年度中に実施されました行政整理後の定員に比しましても五十七名の減員となつております。相当の能率向上を期しておる次第であります。尚この予算の中で特に申上げるべき項目について簡単に申上げますと、一番大きなものを占めておりますのは、約七億を占めておりますワクチン或いはストレプトマイシン買上費でございます。殊にストレプトマイシンにつきましては結核対策一環といたしまして内国産のもの五百キロ、輸入四百キロ即ち合計九百キロのストンプトマイシンを買上げまして、病院療養所等配給いたしまして我が国結核対策の強力な施策一つとなるものといたしたいど存じておる次第であります。これは即ち輸入品国産品との値の開きが相当ございますので、それをプールいたしますために国家買上げ、一方国産を奨励いたしますための補助的な意味も含めている次第であります。第二の大きな点は麻薬取締員官吏といたします経費といたしまして約二千八百万円でございますが、従来麻薬の直接の取締に当つておりました職員三百二十二名は都道府県吏員でありまして経費につきましては全額国庫補助をなしておつたのでありますが、国及び自治体の行うべき事業を明確に区別するべき段階になつて参りました。それはシヤウプの勧告に基くものでございますが、且つ国際條約との関連即ち講和條約の際におきまして日本麻薬が従来いろいろ問題を起こしておつたということを解決いたします一つの事といたしまして、国の事業といたしまして一貫性のある取締をなす必要から官吏とするべく要求いたしたものであります。  第三は平衡交付金制度の設定によりまして従来全額或いは二分の一補助をいたしておりました医薬品配給取締及び指導取締に従事いたしました地労職員に対します平衡交付金補助額々繰入れたわけでございます。併しながらこれとは別に特殊な業務でございますところの薬事監視費或いは大麻栽培取締費はそのまま補助金として計上しておる次第でございます。  次は各項員につきまして極く簡単に御説明申上げますと、第一は医薬品供給その他薬事衛生に必要な経費でございます。これは大体従来と違つた点はございませんが、ただ取締その他の強化をいたしますためにこの面におきましては人員が殖えております。全体としては勿論減つておりますが、この面におきましては人員が殖えております。即ち薬務行政におきましては経済的或いは社会的條件によかまして最近粗悪な医薬品が相当出ております。それを取締るために取締陣強化し優良な医薬品確保することが第一。第二の点につきましては、今日粗悪品ができます一つの理由といたしましては、企業経営が非常に困難な点がございます。即ち金融問題等におきまして多く打開すべ費点があるのでありまして、そのためには金融の斡旋或いは借入に対しまするいろいろな調査指導監督又は固定資産の再評価等が必要でございます。それに対しまして人を必要とするわけもございます。尚一面輸入医薬品確認調査ということがございます。これは司令部指令でございますが、医薬品輸入に対しまする需要調査、こういうことをいたしまして正確に又必要な薬を調査する、こういうことをいたすための経費でございます。それが大体におきまして第一でございまして、次は薬事審議会に必要な経費でございます。これも大体前年度と同じようなことでございますが、薬事審議会公定書或いは薬局方改訂、或いは追補、又薬剤師国家試験いを執行いたしまして、且つ新医薬品その他薬事に関しまして厚生大臣に建議するものでありますことは、薬事法に示ざれた通りでございます。でそれらのことを行いますために薬事審議会がいろいろな事業をやつておるのでございますが、特に主にやつておりますことは、薬剤師国家試験、或いは薬局方その他公定書の発行、公定書の編纂、その他医薬品の公告に関しまする調査とか、新らしい薬の調査等をやつておるものでありまして、問それら以外に個々に専門的な調査をいたしますために、専門調査会を設けておる次第でございます。  次は薬剤師国家試験に必要な経費でございます。これはここに書いてございますのと、尚次の四百九十九頁に薬剤師国家試験実施に必要な経費、この実施に必要な経費と二つございますが、こちらにございます分は、薬剤師国家試験に要しまする、本省におきまする人員費用でございます。これと薬剤師国家試験を実際に行いますためには、約四百万円の費用が組んである長けでございます。薬剤師国家試験は来年度におきましては、全国十七ケ所におきまして四月学説試験を行いまして、次に七月に七ケ所におきまして実地試験を行う。年一回ずつ行うことに決まつておるものでございます。すでに学読試験につきましては、告示をいたしておるのであります。  次は医薬品等生産確保に必要な経費でございます。これも従来通りのままでございまして、医薬品品質の尚上、並びに重要なる医薬品緊急増産を図りまして、以て医療の完璧を期したいという次第でございます。医薬品はその性質上、品質の如何ということが最も重要でございます。従いましてそのために完全な計画、特に必要なものにつきましては完全な計画を立てまして、そうして重要な医薬品生産確保に努めますと共に、技術向上を図り、そうして不良医薬品生産を防止するということを望んでおるものでございます。  次は医薬品製造業登録許可に必要な経費でございます。これは薬事法の規定によりまして、医薬品製造いたしますには製造業登録許可を受けなくてはなりません。且つ又いわゆる小定書に載つておりません薬を作りますには、一品目ごと許可を受けなければなりません。それに要する経費でございます。  次は次の頁に移りまして、化粧品製造業等登録等に必要な経費でございます。これも、化粧品も同じく品質確保ということが必要でございます。従いましてその意味におきまして、化粧品製造をいたさんとする者も登録を受ける必要がございます、厚生大臣に……。その意味におきまして登録に必要な人件費、その他を見積つておるのでございます。勿論化粧品製造につきましても技術上の指導その他万全の施策を期しておる、次第でございます。  次は歯科用貴金属配給監査に必要な経費でございます。これは貴金属につきましては、すべて金にいたしましても、銀にいたしましても、或いは白金にいたしましても、この配給につきましては司令部指令がございまして、それに従いまして完全な統制下に行われておるのでありまするその意味におきまして歯科用の金属の配給、特に歯科に、業務局関係におきましては一番貴金属を使います。例えば金にいたしましても、銀、或いは白金等を使うわけでございますからして、それに対しまして特に監督を厳重にする、或いは責任を明らかにすると、こういう意味でこれだけの経費を組んだものでございます。  次は生物学的製剤等対策に必要な経費でございます。生物学的製剤は即ち御存じアクチン血清等でございまして、いろいろ問題の従来もあつたものでございますが、今これらにつきましては厳重な基準を設定し、又その検定を十分強化いたさなくてはなりません。そろして伝染病の予防その他に必要な接種液を始め、ワクチンを十分に供給することが必要でございます。その意味におきまして昨年よりも柳か増額を認められまして、ワクチンその他の検定、或いは生産につきまして完璧を期しておるものでございます。  次は麻薬取締監督に必要な経費大麻栽培取締監督に必要な経費、これは大麻にいたしましてもやはり麻薬的な意味を以て取締を行われているものでございますが、最初に申述べました通り、従来麻薬取締に関しましては全額国庫補助地方吏員をして取締に当らしめておつたのでございますが、本件につきましては麻薬取締法、或いは大麻におきましては大麻取締法に基いて行なつてつたものであります。申すまでもなく麻薬医療用として必要欠くことのできない薬品ではございますが、極めて習慣性があり、そのこれを濫用することによつて多くの害を世の中に流すものでございます。その意味においてこれは国際的に各国同じ歩調で十分な取締をする必要がございます。その意味におきまして従来地方にございました麻薬取締のための人員、即ち三百二十二名を、これを全部国家の管理にいたしまして、そうしてその点万全を期したものでございます。尚大麻栽培につきましてはこれはただ大麻なるものを……、麻でございますが、これを栽培いたしますのを厚生大臣許可によつてつております。そうしてこれは各全府県でやつておるわけではございませんで、従いましてその府県ごと補助金を出すのでございますが、いわゆる平衡交付金でなくして、費目を限定いたしまして補助金として地方に流す予定のものでございます。  次は公定書改正に必要な経費でございます。公定書と申しますのは、これは薬局方と、それから国民医薬品集の二つがございます。薬局方改訂につきましては目下進行中でございまして、大体明年度におきましては第六改正日本薬局方を出版し得ることになつております。従いまして薬局方改正に要します経費といたしましては本年を以て打切るのでございますが、来年度におきましては国民医薬品集改訂に着手いたす所存であります。と申しますのは国民医薬品集薬事法によれば二年ごと改訂すると、こういうことでございます。そうして薬局方に載つておりません薬につきまして嚴重な規格を作りまして、以て純良なる医薬品供給することを期しておるものでございます。  次は薬剤師国家試験費、これは先程申上げました通りでございまして、次は特殊医薬品供給確保に必要な経費でございます。これは先程最初に申上げました通りストレプトマイシンとコレナ、インフルェンザ、発疹チフスのワクチン生産とそれから配給の万全を期する必要がございますので、この経費を計上したものでございますが、殊にその中でストシプトマイシンにつきましては、これは皆様御存じ通り最近結核の薬といたしましては、今日までに現われましたもののうちで最もよいものでございます。その意味におきまして結核対策一環といたしましてストレプトマイシン国産化いたすことが要請されておるのでございます。併しながらこの国産化には多くの資金或いは資材等を要しまして、なかなか簡單に参りません。何らかの形におきまして国家補助が、助成がなくては困難でございます。それにつきまして最初私共は国家でこれを作ること、或いは製造施設に対する補助その他いろいろな点を考えたのではございますが、結局落ち着きましたのは、輸入品国産品とを共に買上げまして、そうして国産品につきましては十分採算の取れる適正価格を以て国産品買上げ、そうしてこれに対しましてそれより遥かに安い輸入品、これとプールをいたしまして、そうして供給することによつて国産ストレプトマイシン生産を上げるということに考えております。これにつきましては最初に申上げました通り、二十五年度におきましては国産ストレプトマイシンは五百キロ生産せしめる予定でございます。そうして最初は一グラムが千三百円につきますものが大体来年度年度末におきましては九百円ぐらいに下がる、平均単価といたしましては約九百八十円ぐらいのものが国産として出る。そうして輸入品は今日のところでは恐らく二百数十円ぐらいではないかと存ぜられるのでありますが、とれとプールいたしまして、以てストレプトてイシンの供給に遺憾なきを期したいと存ずるのであります。尚一方コレラ・ワクチン、インフルエンザ・ワクチン等につきましては、いつこれらの病気が出て来るか分りません。併しながらそれらは或る程度国におきまして備蓄して置く必要があります。確保して置く必至がでざいますりその意味におきまして国家的に買上げましで、これを国で持つておるということは考えておるのでございます。いつ出て来るか分りませんし、又これらは出て来ないかも分りません。そうしますと、これは一般企業において府県負担を以て作らすべきことではなくで、国でその点の補償をして作らすべきものと考えられるからでございます。  次は医薬品等供給確保に必要な経費でございます。これは今日も尚或る種の医薬品はその供給が十分ではございません。それはその中には輸入に待つものもございます。例えて申しますと、しばしば問題になりますサントニン等ごときものがそうでありますが、そういつたものがやはり供給確保いたします。又均等に配給いたしますことが必要でございますので、配給統制をいたしております。勿論この配給統制品目は年々或いは四半期ごとにも減つて来ております。併しながら輸入されましたような薬につきましては、両供給が十分ではございまけんので、その意味において配給統制を行わんとするものでございますが、これで御覧になりますと、人員といたしましては申分金額といたしましても約半分に昨年度よりは減つておる次第でございます。  次は医薬品等生産に要する指定生産資材割当に必要な経費、これも同じく指定生産資材なるものは各種の医薬品、これは医薬品に限らず、すべての物資の製造に必要な原料でございますが、原料配給については従来多くの割当制が行われておりました。併しながらこの割当に或いは配給統制品目は漸次減少して来ております。従いましてその意味におきまして明年度は従来の半数に近い人間で以てこれを行なうという見通しでございます。それで只今申しましたものの総計額最初に申上げました通り七億七千六百万円余となつておる次第でございます。  次は五百二十四頁国立衛生試験所に必要な経費でございます。これは明年度は本年度予算額が二千五百万円余でございますに比しまして、三千二百万円余と増額いたしておりますが、これ忙は人員増が十人ございます。この人員増の十人り内訳は、これは従来注射薬等におきまして多く発熱をするとが、或いは悪寒、戰慄をするとか、いろいろ問題が起つて来ております。従いましてそれらの点を十分研究し、又それらに関しまして試験検定を行なう乙いう意味で新らしく認められたものでございます。いずれにいたしましても我が国におきまして、衛生試験所のみならず、研究機関拡充が、或いは拡充強化ということが必要であると要請されておりますことは申すまでもございません。その意味におきまして聊かの増額をごこに計上いたしておりますことは大変喜ばしいことでございます。  次にこれとは別に輸出品取締法施行に伴う医薬品検定に必要な経費なるものが計上されております。これは輸出品取締法というものがございまして、輸出されます品目、即ち医薬品或いは化粧品或いば食品は、すべて国家検定済のものでなければ輸出できません。その意味におきましてごの経費が計上されておるものでございます。即ちこの輸出品取締法施行に伴う医薬品検定に必要な経費国立衛生試験所に必要な経費を合せまして三千四百三十五万円になる次第であります。  以上簡單でございますが、大体薬務局関係説明を終ります。
  4. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 業務局関係質問はありませんか。
  5. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 ちよつと予算とは関係は違いますけれども、最近医薬分業に対しまして薬務局といたしましてどういうようなお考えを持つておられるか。或いは御方針が定まつておればそれを承わりたいと存じます。実はこの問題につきましては、もうすでに七十年からの問題になつているのであります。なかなか簡單にこれを解決することが困難なのです。この問題は、單に医師とが薬剤師のみの問題では絶対なくして、国民全体の大問題であると思うておるのであります。従つてこの問題を解決します場合には、どうしても医療費が高くならんようにしてあげんというと、国民全体が非常に困るだろう、又患者に激しい不便を起させんようにせんければなるまい。無論法律が変るというと幾らか不便は起りますけれども、それは段だ慣れれば何でもないという程度の不便ならば凌げますけれども、併し実際上、非常な不便を起すことがあつては困るだろう、又治療の成績が不明であるというようなことがあつてはならんような関係で、なかなか決定でき得ず調査が困難になつておるのであります。ところが、最近これが多分間違いであろうと思つておるのでありますが、薬務局におかれまして、今回薬事法改正して、医薬分業を強制するというようなお噂が飛んでいるのでございますが、これは多分間違いと思うのでございますけれども、そういうような噂がある関係上、ここで一つ薬務局の、そういうような御方針でもあるのか、何かお聞きをして置けば、我々が今後いろいろな点を研究する上において、ためになると思いますので一応お伺いしたいと思います。
  6. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 医薬分業の問題につきましては、只今谷口委員からおつしやいました通り、すでに七十年来問題になつていることでございまして、この解決はなかなか簡單なこととは考えられません。そうしてこれを解決いたしまするのは、当然一般社会人或いは国民の、医療の面におきまする便利、或いはそれによつて多くの利益を得るということを第一の建前としなくてはなりません。が、又一面におきましてこれを行うといたしますれば、医者と薬剤師の絶大な協力が必要でございます。併しながら又一面世界的に見ますと、すでに昨年マツカーサー元帥の招請によりまして日本を訪れましたアメリカの薬剤師使節団勧告書にもございます通り、大体世界におきまじでは、医薬の分離が行われているようでございます。それこれ考え合せまして、私共といたしましては分業となりますれば、如何なる事態が起るか、又医寮費がどうなるか、国民に如何なる便利があるか、又不便があるかということにつきまして、基礎的な調査或いは研究を、鋭意続けている次第でございまして、最後に仰せになりました薬務局として薬事法改正法案を品うかどうかということにつきましては、これは全く誤報であると私は思います。
  7. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 この特殊医薬品供給……要するにストレプトマイシン費用でございますが、六億も取つて頂いて大変に有難いと存じますのでございますが、先日来よりいろいろこのことについて伺つておりますと、国内の生産も思うように行かないとか……輸入品は多量に輸入されるでございましようけれども、若し二十五年度ストレプトマイシンが思うように生産できなかつたり、思うように輸入できなかつたりいたしまして、万一予算が、何と申しましようか、一杯々々に使われてしまいませんようなときには、この六億円の費用は、これは薬務局の他の方面へお使いになるおつもりでございましようか。都合によつては、これは結核患者のため何とかもう少しお金を取つて頂きたいということを常々言つておるのでございますけれども、どうもお金が余りに……病院療養所の方は今度沢山費用が取れたようでございます。  それから生活保護方面では社会保険医療生活保護方面でほ大分取れたようでありますが、私はいつも願つております。在宅患者であります。在宅患者にはまだお米の特配は行なつておりませんし、栄養費の額にしましても思うようには行つて勢らないのでございます。東京におきましては私共が住んでおります近所の保健所を訪ねましてもなかなか思うようにできませんということを言つておられるのであります。そうしたような人々がある。一面非常に若い有能な人々が生活協同組合で物を購入したりいろいろな便利を得ておりますけれども、婦人の方とかお年寄の方はできない、何とかもう少し在宅患者にも援助する途があればいいと願つておるのでありまする若しそうしたことで薬務局で、外の薬にとましても、栄養費にしましても、若しこれが余れば廻して頂けるかどうかと思つてお伺したような次第であります。
  8. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 井上委員から、若しもお金が余ればというお問いでございますが、大体私共は確信を持つてこの量的に申しまして余らないと存じますので、ちよつと家庭のことにはお答えできかねると思います。と申しますのは、輸入の四百キロというのはもうすでに入つて来る途が十分あるのであります。と申しますのは、本年度つて参りましたものの残りとして入つて参りますのでこれはもう確定しております。四百キロと申しますか、それから五百キロのものができるかできないかという問題でありますが、これにつきましては世上いろいろ言われておるようでありますが、私共といたしましてはできるという見通しを持つております。と申しますのは、すでに一、二の工場におきまして本年の一月くらいからストレプトマイシンができるような見通しがついてございます。大きなタンクもできましてその一つ工場だけでも恐らく二十五年度に三百キロ余は出ると私共は見るのであります。といたしますと、あともう少し力を入れますれば五百キロほできる。従つて大体この指数は私共はストレプトマイシン日本供給し得る最低の数字というふうに考えておるのでございまして、若しもそれ以上になりますれば、追加予算或いは予備金等一つお願いした方がいいくらいかと思います。
  9. 中平常太郎

    中平常太郎君 慶松局長にお伺いして見たいのですが、公定書改正に必騨な経費僅か日に計上されておりますが、医薬品純度品質の適正ということはこれは薬務局の非常に必要な問題でありまして、十分局長としてはお力をそこへかけておると思うのでありますが、ややもすると日本進歩が遅れだりしてもはや旧い残りのものがやはり底の中へ混つておるというようなこともありはせんかと思うのでありますが、日進月歩の今日といたしまして研究については非常に新らしい方面を取入れて、絶えず清新な純度の高い品質を市場に出すということが極めて必要でありますが、ややもするとそれが消極的になつたり、或いは進歩が停滞したりするような傾向がありはしないかと思うのであります、あの矢追博士の問題はこれはワクチンその他の製造に対して非常に深い経験を持つておられる人であるに拘わらず、琢にみじめな状態でその職を去られたということになつておりますが、ああいうようなとは大変に国家の損失であると私は思うのでありますが、ああいう立派なの方のエキスパートをお用いになる適当なる方法はないのですか。やはりあのままにして行かれるつもりですか。お伺いします。
  10. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) どうも御質問でございますが、矢追問題につきましては私の所管外でございまして全くどうも御返答できませんことを残念に思います。但し私は適材は当然適所に用うべきむのであるどいうことにつきましては全く御同意申上げます。
  11. 中平常太郎

    中平常太郎君 それならば外の局長に改めてお伺いしますが、慶松局長ちよつとお尋ねいたしたいのは今谷品君の言われましだ医薬分業の問題であひますが、今現在東京におきまして医師会、歯科医師会その他皆大分御研究中だということであひますが、相当その筋の勧告というものは強力なものになつて来ておるのであ。ぼすか。是非ども実施しなければならん程度のものになつておるのでありますか。その幅をお伺いしたいということと、それから我だの考えといたしましては、まだ今日日本の衛生的民度におきましては医薬分業はまだ早い、将来の理想ではあるがまだ早いという根拠を、いろいろな方面からの根拠を掴んでおるつもりでおりまして、これは明細にいろならば相当になるわけでございますけれども、まだ日本の衛生的民度におきましては、まだ医薬分業は早いということを我々考えておるものであります。どうかこの点は、つ十分に御研究になりますとは思いますが、愼重なる態度を以て臨んで貰いたい。それから今の勧告は相当何ですか実行しなければならない至上命令になつておるのですか、この点お伺いいたします。
  12. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 勧告につきましては二つございます。一つ最初私が申しました米国薬剤師使節団勧告、これはその勧告にはつきり医薬はおのおのその職分において仕事をする。即ち医者は診断し、処方し、薬剤師が調剤するということの勧告一つでございます。これはサムス準将を通じまして医師会、歯科医師会、薬剤師会の三者立会の下に渡されました一つ勧告でございます。  いま一つはサムス準将が医師会、歯科医師会、薬剤師会の三者の首脳部の集まりにおきまして、この点について十分三者において協議をしろ。但しこの問題は非常に重要な問題であつて長い期間放つて置くべきことではない。直ぐに考究しろというふうに言われたということを私共はその席におりませんのでいろいろ伝い聞いておる次第でございます。尚後段において仰せになりました、この問題を愼重に且つ先程私がお答えいたしましたように国民すべてに十分納得が行き、又十分利益が與えられる。すべてが円満に行くようなふうに解決いたすために愼重に考慮すべきことであることは十分私共も銘記しておる次第でございます。
  13. 小杉イ子

    ○小杉イ子君 第一回のとき、又昨年も医薬分業の論が出ましたときに、私は同じことを三遍申しますが、私はそれ程にむずかしいことではないと思つております。米国が行なつておることをすべて真似しなければならないということはございませんけれども、私はこれは遠からず分業とされなければならんものと信じております。そこで又医師が調剤してはならんということもなかろうと思います。それには薬剤師という資格を取ればよいじやないか。こういうのでございますけれども折角の専門の薬剤師なつたものをこれを重要視しないというようなことは折角の職業に対して大変よくないことである。それはやはり政府はこれは分業として明らかにさせるべくこれを進めて行かなければならんと思いますが如何でございますか。
  14. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 併せて全国的にはいろいろそういうことを実施する諸般の状勢が整つていないということは中平君が申した通りですが、これを市部と町村部とに分けて全国的に行えないけれども第一段階として市部では行える、町村部では無理だというような漸進的にそういうことを実現されるような方途を考えておられるかどうか、それを併せて……。
  15. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 理論的に申しますと小杉委員のおつしやいました通りでございます。又塚本委員長のおつしやいました考え方も当然出て来ることでございます。併しながら先程来私がお答え申しておりますように実際に行われるとするならば、私はすべてに迷惑を掛けない、又医者ど薬剤師と十分協力し得るような、そういうようなことを十分考究した上において解決さるべきものと存じます。尚市部或いは郡部等において漸進的にこれを実施するや否やの問題につきましては、市部におきましても医院或いは診療所と薬局が非常に離れておるところもあります。又郡部においても然らざるところもございます。それこれ考えますと、この点も一概に議論できないことでございますと存ずる次第でございます。
  16. 小杉イ子

    ○小杉イ子君 今の薬剤師のうちには夏などアイスキャンデーを売つておるような人が沢山おるようであります。勉強して専門の技術を得た者をそういう職に廻すということは誠に私はこれはよくないと思います。それで若しない村があればそういう人達は必ず願出て調剤局をできさせると私は思つております。
  17. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) もう一つお尋ねします。先程中平君が言われましたが、医師、歯科医師、薬剤師の間でいろいろ折衝が行われておるようでありますが、厚生省としては飽くまでもそういう両者の自発的の協議や協定の成行を静観しておられるのであるか。厚生省自体としてそれにどの程度にタツチし、指導して行かれる方針であるか承わりたいと存じます。
  18. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 最初に小杉委員のおつしやいましたことは誠に尤もなことでありまして、特殊な専門教育を受けた者が、その受けた技術を十分活すようにしなければならないと私も存じます。  第二の点につきましては、先程来私が申しておりますように実際に行われるようになりましても、医者と薬剤師の間の強い協力がなくてはなりません。その意味において両者の間における円満な了解或いは解決ということが、一つの大きなこの問題解決の要素になると存じます。それ以外に勿論先程来申しておりますように国民保険の円満な途行ということがより以上大きな要素でございます。こういう意味において、厚生省といたしましては十分な調査研究を進めておるのでありますが、この問題にづきましてはひとり業務局だけの問題でございませんで、医務局その他保険局等すべてに関連いたす問題でございますので、従いましてこの解決につきましては、各局、更に次官等のところにおきまして十分な検討をいたすべく目下進行中でございます。
  19. 小杉イ子

    ○小杉イ子君 この医薬分業についてはいろいろ折衝、交渉があるかのように申されますが、初め第一回のとき私のところに四、五人の人が尋ねて来ました。併し私は陳情であろうが、請願であろうがお目にかかつて頼まれたことは言わないといつて議題に上げなかつた。その後も幾ら交渉を受けましても会いませんし、又頼まれても一切しない。そうして薬剤師の親戚もなければ知つた人もないのでありますけれども、私はこれを痛切に感じますので主張する次第でございます。
  20. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一つ書類の上でお伺いしたいのでありますけれでも、国立衛生研究所がするのですか、予防衛生研究所がするのですか、京都のジフテリア禍、宮城のワクチン禍の検定をするのはどちらでございましようか。
  21. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) それは国立予防衛生研究所でございます。
  22. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 薬務局質問はごの程度で打切つて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 次に兒童局関係予算説明をお願いいたします。速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  24. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは速記を取つて下さい。  兒童局の方はどなたか……。
  25. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) 兒童局長病気で休んでおられますので、企画課長の私から御説明いたします。  それではあらましの御講明を申上げます。五百六頁でございます。厚生省兒童局、先ず厚生本省の方でございますが、これは九百三十八万九千円の要求額でございまするが、これは兒童局の人件費でございます。内訳は一級一名、二級二十三名、三級二十八名、雇員十九名、傭員一名ということになつております。  次に兒童保護費でございます。この九千八百七十三万八千円でございますが、この内訳は先ず第一に、中央兒童福祉審議会の費用が入つております。兒童福祉法によりまして、中央に中央兒童福祉審議会を設けることになつております。これは兒童福祉行政の中稻的な機関として設置されるのでございまして、この委員、臨時委員、幹事十書記、総計四十九名の費用がごこに掲げられております。それは約二十八万三千円程でございます。  それから次に全国兒童一齊調査費というのが三百万円程計上されております。これは実は兒童局といたしましては、全国の保護を要する兒童の実態を把握したい、実態を正確に把握いたしたいということで、以前から是非この調査をいたしたいという考えでおつたのでありますが、明年度お認め願いますれば是非この調査をいたしまして、問題の保護を要する兒童の実態及び母子世帯の実態を数字において掴みたい、かように考えて、その調査費用を載せておる次第でございます。  その次に周知徹底の費用といたしまして、三百九十一万五千円程計上されておりますが、これは兒童福祉法が施行になりましてから一年程になりまするが、この仕事は非常に周知徹底という、いわば兒童福祉思想の普及という面も多分にございまするし、そういう方面に力を入れなければならんということが非常にございますし、尚この関係者がよく兒童福祉の仕事を理解する必要が多々あるのでございまして、そこでかような費用につきましてお願いいたしておるのでございまするが、この内容といたしましては、ケース記録集の編集でございます。それを府県職員の協議会でございます。ケース記録集といいますのは、この保護を要する兒童につきまして、その兒童がいろいろな環境、又精神的な悩みというものをいろいろな方法によつて直して行くということが、ケース・ワークと言われる仕事でございますが、それを全国的なよい例を、実際やりましたいい例を集めまして、そうして関係の者にその記録を配りまして、ケース・ワークの指針といたしたい、かように考えてこの費用の計上方をお願いしておるのでございます。  次に福祉司の指導でございますが、これは二十二万三千円程でございます。これは兒童福祉司は御承知のようにこの事業の第一線におぎまする中枢的な機関でございましてこれが只今申上げましたケース・ワークの実際のことを当つてつておるのでございます。この福祉司を指導するための費用をお願いしておるのでございます。  その次に兒童委員の指導費、これは五百三十九万七千円程でございまするが、これも兒童委員も、この兒童福祉事業におきまする兒童福祉司よりは更にその問題の家庭及び兒童に密接な関係を持つものでございます。これは民生委員をして兒童委員を兼ねさしているのでございまするが、この兒童委員の指導のための経費として御許上方をお願いしているのであります。  それから兒童相談所の費用といたしまして百三十六万八千円程お願いいたしております。  それから次に一時保護所の費用として八千三百五十三万五千円程お願いいたしております。これは兒童相談所がこの兒童福祉事業の仕事の中枢的な機関でございまして、この相談所を通りまして兒童の資質が鑑別されまして、その兒童をどう取扱つたらいいかということが決まるのでございます。現在各府県に兒童相談所がございます。尚附設の兒童相談所が一県に三ケ所ぐらいずつございます。その相談所におきましていろいろな兒童が鑑別されまして、これはどこの施設に入れたがよい、或いはこれは家庭においてこういうような指導をしてよかろうというような保護の方法を決めているのでございますが、その兒童相談所の費用といたしまして計上方をお願いいたしているのであります。それから一時保護所と申しますのは、これは昨年の六月の兒童福祉法と少年法の改正によりまして、兒童福祉法において取扱う兒童の対象が、例えば十四歳未満で犯罪を犯す行為をした者、いわゆる犯罪少年、或いは十八歳未満から十四歳の間で犯罪を犯す虞れのある兒童、こういう相当不良化の程度の激しい者が兒童相談所に持込まれることになりましたので、これらの者を一時保護する必要があるのであります。そこでそういう保護所というものを設けまして、この職員費及び事務費を計上方をお願いいたしているのであります。  それからこの項目の最後に、都道府県の兒童福祉審議会の費用をお願いいたしております。これは約百万円でございます。この都道府県の兒童福祉審議会も中央と同じように、中央の兒童福祉審議会と同じような機能を持つて、その都道府県の兒童福祉事業の中枢的な機関でございます。その委員手当及び事務費を計上方をお願いいたしているのでございます。  それから次の項目で、不良兒、孤児及び浮浪児等の保護に必要な経費といたしまして一億百二十四万九千円の計上をお願いいたしております。これは先ず第一にこの中味は里親制度の運営費でございます。里親制度は御承知のように各種の収容施設に兒童を入れるということでなくて、適当な里親に、その兒童を保護しよう、こういう希望のある家庭にその子供を託して養育して貰う制度でございますが、これは非常によい制度であるということで、私共も力を随分入れて参つておるのでございますが、この里親制度につきましては、中央におきましてもこの運営のための協議をいたさなければなりません、地方においてもその普及をいたさなければなりませんので、その運営に要する費用としてお願いいたしておるのであります。  それから兒童補導費でございますが、これは昨年非常に問題に大きく取上げられまして、内閣において不良化防止という問題として各省協力の下に大分力を入れておりました問題ございますが、これにつきまして兒童局といたしまして兒童補導対策協議会というものを中央地方に開催いたしまして、その不良化防止の徹底を期したい、又浮浪兒の根絶の徹底を期したいという考えでおります。  それから次に施設費補助として一億の計上方をお願いいたしております。これは各種収容施設の改築費と補修費でございます。国からの補助金として必要額の二分の一を計上しております。  その次の項目で保育所及び母子寮等に必要な経費六百五十一万四千円の計上方をお願いいたしておりますが、その内容は指導要領の作成費として三十万円。この指導要領の中味といたしましては、母親クラブの指導要領、それから兒童指導班の指導要領、保育給食の指導要領、まあこういうものを考えでおります。これらの仕事はいずれも相当実際に当りましてはむずかしい問題でありますし、又新らしい仕事である点もありますので、かような指導要領によりまして実際に当る者によく間違いのないように教えて行きたいという内容の。パンフレツトの作成でございます。  それから保育施設給食対策費でございます。これは十一万九千円程の額でございまするが、これは給食事務の担当者の事務の打合会又給食実務講習会の費用でございます。  それから職員養成の施設費補助といたしまして六百九万円程お願いいたしております。これは先ず第一は保母の養成所の補助でございます。保母養成所の事務費、即ち職員、それから事業費といたしまして講師の手当とか或いは生徒の手当とかいうようなものでございます。それから生徒の経費といたしましてお願いいたしておる部分もございます。それからその職員養成施設費の二といたしまして保母講習会費の補助でございます。これは講師の手勢、或いは保育の実習費、或いは実地の見学費というようなものでございます。  それからその次に婦人衛生に要する経費がございまするが、これは母子衛生課長がお見えになつておりますから、母子衛生課長から御説明願うことといたしましてへその次の援護物資取扱費でユニセフ兒童救護物資の処理に必要な経費八千八百六万円程の御説明を申上げます。このユニセフ物資につきましてはすでに御承知のことと思いまするが、昨年の十月から国際連合の方の御支持によりましてこの物資の配給を開始しておるのでございまするが、今日までの配給の状態は、衣料関係で千三百八十二俵という原棉で配給されて参りましたが、そのうち二十四万八千人に今日まで支給いたしております。これは服ど下着という現物、直ぐ着れるものに換えまして配給いたしております。それが丁度八百八俵程になりますから残りは五百七十四俵であります。これは今後三月までに配給してしまうという計画になつております。それは衣料の方でございますが、もう一つはミルクの方がございます。ミルクの方は、毎日六万三千人分を配給して参つております。ミルクの量といたしまして、八十二万一千五百二十四ポンドという総量において計画されております。で、かような数量を問題の兒童に離船して参つておるのでありますが、この計画明年度におきましても同様に続けられるということになつておりますので、それに要する費用といたしまして、これは輸送の費用、運搬の費用、それから衣料につきましては加工の費用、こういうものが計上されております。極くあらましで、私から申上げるのは以上でございます。
  26. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは母子衛生課長田波さん、御説明願います。
  27. 田波幸男

    説明員(田波幸男君) 母子衛生課の所管に属する分を簡單に御説明申上げます。最初に母子衛生研究審議会費というものがございます。これは私共いろいろ仕事をやつて行きます上に、いろいろの方面から御意見を伺い、或いはお智慧を拝借しなければならない場合が多々ございますので、例えば産科或いは小見科の専門の方々、或いは農林省、安本というような諾官庁とか、或いは第一線で働いておられます保健婦、保健所長、或いは民生委員というような方々の御意見などもいろいろ伺わなければならないので、そういう方々に委貰になつて頂きまして、審議会を開く費用でございます。これが三十六万八千円ということになつております。  それからその次の母子衛生実態調査費でございます。これは母子衛生の実際の状況がどういうふうになつておるむのかということを、各地方に亘つて調べます費用でございます。それから今年は乳幼児の栄養の問題が非常に重要だつたものですから、主に乳幼児の栄養調査にこの費用を充てたのでありますが、来年は妊産婦の実際の衛生状態、どういうふうな状態でお産をしておられるか、或いはどのくらいの程度に実際に助産婦とか医師に見て貰つておるかというようなことを調査いたしたいと存じまして、ここに計上したものでございます。これが十八万四千八百円ということになつております。  その次に母子衛生主務者講習会と申しますのは、これは各府県の母子衛生係、或いは今母子衛生課というものが神奈川県一つになわましたが、母子衛生課長、そういう方々にお集まりを願いまして、いろいろ打合せをしたり、同時に新らしいデーターについて講習をしたりするというような費用であります。それと同時に保健所の母子係にも同様に打合せ或いは講習会というようなことをいたします費用であります、これが二十五万八千五百十円ということになつております。  そり次の母子保健資料作成費でございますが、これは保育所のところにありましたと同様でございまして、いろいろ府県で仕事をなさつておられる方に対していろいろな指導的なものを作る、これは裏門家の方々に作つて頂きましてこれを配付する費用であります。今年は妊産婦それから乳幼児の保健指導に関する総論的の書物を作りまして、それを配付いたしましたが、来年はそういう問題について各論的なものを作りたいというように考えておりましてこれを計上いたしたわけであります、これが三十一万円であります。  その次の母子衛生関係者養成委託費というのがございますが、これは愛育会に委託いたしまして、助産婦と医師の講習会をする費用であります。でこの講脅会は前に申述べました講習会と違いまして、長期の講習会でございまして、約二ケ月或いは三ケ月くらいの長期講習会でございます。でこの講習会の企図するところは、保健指導を行うに当つてその技術面の向上を図ろ与というのがその趣旨でありまして、これは全く技術的な講習会を三ケ月乃至三ケ月行う、従つてごの講習会は専ら実習というようなことが主になつて参ります。そういう講習会を愛育会に委託をして行う経費であります、それが百八十三万円。その次の母子衛生研究委託費も同様に愛育会にお願いしていろいろ研究をいたして頂くのでありますが、私共の仕事の基礎になります、例えば下痢腸炎或いは妊娠中毒というような問題について、いろいろの研究をお願いしておる次第でありますが、その研究に擬する費用でございます、これが百十六万円ということになつておりますが、この研究は愛育会が主体になりまして、全国各地の大学とか或いは著名の病院とかいうところへいろいろ調査をお願いいたしまして、調査をするというような恰好のことが多くなります。最後に妊産婦、乳幼児の保健指導費でございます。これは府県に対する補助費になるわけでございますが、母子手帳の作成費と、それから妊産婦の健康診査費と、それから乳幼兒の健康診査費の三つの部分から、それから母子保健指導医の請習会費、この四つの部分から成つております。母子手帳は法律で決められておりますように、妊娠届が出ましたならば、直ぐ交付しなければならないのでございまして、それの費用で、それから妊産婦の診察の費用、それから乳幼児の健康診断の費用、これは全妊産婦、全乳幼児の健康診断に要する費用ではありませんのでございまして、その費用の負担に堪えられない、費用を拂うことができないという方々の分だけを組んでございます。その率は二五%であるというふうに組んでおります。最後の母子保健指導医講習会と言いますのは、このいろいろな保険指導に当つて頂くお医者様方に講習会を受けて頂く費用でございます。これも各府県にお願いしてやつておるわけであります。この費用が全部で三千二百四十九万円、約三千二百五十万円ということになつております。
  28. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) 兒童局に国立の教護院が一ケ所ございます。この費用といたしまし七七百六十七万丁千円の計上方をお願いしております。これは教護院の職員の俸給、これは定員が四十六名でございます……の人件費。次に職員の養成の費用が計上されております。それから鑑別の研究費、主た項目を拾つて説明したものでありますが、そういうものが載せられております。それが国立教護院の経費でございますが……。それから兒童福祉施設、各種の施設につきまして、公共事業費の計上方をお願いしておるのでありますが、先ず一時保護所、先程ちよつと御説明申上げましたが、保護を要する者が一時そこに丁…。後かち三枚目の一番最後り所に、兒童局で兒童一時保護所の設置に要する経費六百ケ十万。これは問題の兒童を一時保護する施設でございますが、新設の三ケ所、これはもう予定としましては東京、大阪、福岡でございますが、拡張は三十六ケ所であります。  その次にその一時保護所の災害復旧に要する経費として五十五万円ばかり出しております。それから不良兒保護施設設置に要する経費といたしまして、五千二百七十五万三千円お願いいたしております。この内容は教護院の監護室九ケ所一それから新設の分が一ケ所でございます。拡張が二十三ケ所、それから精薄兒童の牧容施設の新築六ケ所、そうしてその施設の災害復旧に要する経費として、百七十万円計上方をお願いしております。それは教護院、養護施設り方に向けたいと思います。それから保育所、母子寮設置に要する経費、これは保育所の新築百ケ所、母子寮の方も百ケ所という計画を一応立てておりますが、その保育所、母子寮の方の災害復旧の経費としまして、九十五万円の計上方をお願いしております。それから助産施設の方の設置に要する経費といたしまして二千万円お願いいたしておりますが、その内訳は助産施設の新築が二ケ所、それから乳児院が五ケ所予定されております。兒童局の公共事業費については以上でございます。
  29. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 只今の公共事業費から伺いたいのでございますが、助産所の新設二ケ所というと、これは若し具体的に場所が分つておりましたら伺わして頂きたいのでございますが、何県のどこに出来ますやら。
  30. 田波幸男

    説明員(田波幸男君) 助産所でございますね。予定乏いたしましては助産施設は宮城、新潟、愛知、福岡という予定になつております。
  31. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 二ケ所……。
  32. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) これにつきましては只今各県からいろいろ要望もございまして、各県の計画書を見まして検討いたしておるのでございまするが、只今母子衛生課長がお語いたしましたのは、最近の事情から見てのお話かと思います。
  33. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 それじやもう一つお願いいたします。この母子衛生課長さんが説明なさつたように、妊産婦の健康診断というような費用がここへ出ておりますが、これはこの頃助産婦の人で兒童福祉法による助産施設を申請しているのが沢山あるのですがね、その人達がこの兒童福祉法により助産の費用を貰つているのですが、そういう費用を含んでいるのでしようか、どうでしようか。
  34. 田波幸男

    説明員(田波幸男君) これはそういう施設の措置費は含まれておりません。これは全く健康診断に要する費用だけでありまして、そちらの費用平衡交付金の中に入ることになつております。
  35. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 よく分りました。
  36. 中平常太郎

    中平常太郎君 お尋ねしますが、厚生省所管で公共事業費は全額で幾らですか。公共事業費から繰入れられた性質の経費は幾らありますか。合計で……。
  37. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) お手許に差上げました一番最後の所、厚生省合計というのが書いてあります。
  38. 中平常太郎

    中平常太郎君 あれですか。あれは公共事業費ばかりですか。
  39. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) そうでございます。それでこれは念のために申上げておきますが、公共事業費は経済安定本部のところに組まれておりまして、国会で御審議願う際、厚生省の項目にはこれは載つておらないのでございます。ただここには皆様方に御審議を煩わすのになにかと思いまして、書いたものであります。
  40. 中平常太郎

    中平常太郎君 すると二十一億何ぼですか。
  41. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) そうでございます。
  42. 中平常太郎

    中平常太郎君 それからもう一つお伺いしますが、地方財政交付金の場合には相当見積つておられるでしよう。あれには、厚生省には二十七億となりますようですが、それはどういうふうに使われるわけでございますか。平衡交付金ですね、あれから二十七億程行くようですが……。
  43. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) 二十七億のうち、従来から地方財政委員会の方で、補助職員人件費と考えておりますものは約六億三千八百万円ございます。それを差引きました二十一億二千三百万円が、純粋の地方事業に対する補助でございまして、この補助は、従来は国からそれぞれ二分の一とか、三分の一とかいう一定の比率のうちから補助金として行つたものでございます。併しながら、これが平衡交付金制度実施に伴いまして、一時補助のものにつきましては、これは補助金として或いは負担金上して各省から支出するのをやめまして、一措いたしまして自治庁の所管に平衡交付金としてこれを計上いたしました。そうして地方のそれぞれの行政につきまして、標準酌な所要経費と、それに見合いまするところの標準的な税收入額というものを撥きまして、その差額についてこの平衡交付金として溜めておりましたものを流す。こういうような、大筋だけ申上げますが、そういう建前になつておるのでございます。従いまして、これが本来の姿におきましては、地方平衡交付金として流れます際に、ここに掲げてありますように、この項目の分について幾ら、この項目の分について幾らという形では流れて行かないのが建前でございます。ただ先日ちよつと申上げました通り、何しろ千五十億というものが、各地方の財政力に反比例して流れて行きます関係上、地方財政としては非常に大きな変革をもたらすものでございますので、その過渡的に大きな衝動を、何と申しますか、抑えますために自治庁の方と相談して、三十五年、せめて来年度くらいにつきましては、大体厚生行政のうちのこの行政についてはこれくらいの費用を見ておるということを地方に知らせて行きまして、この平衡交付金となりました額を、少くとも地方がそれを誤つて外へ使うということのないようにいたしたいと、今かように考えておりますが、この点は政府としてはまだ本決りにはなつていない段階でございます。
  44. 中平常太郎

    中平常太郎君 もう一つお尋ねしますが、この交付金が紐付でないことは、先日もお話があつたのでありますが、併し平衡交付金は随分多いので以りますから、地方財政におきましては、やはり大体の紐は付いている筈だと思います。大体という上におきましては、多分厚生省からもこういう方面のものが、ここへ入つているどいうことはへ十分内示を與えておられるだろうと思いますが、そういうふうに明らかな紐付でなくても、大体において掴んでおるところにおいては、厚生省関係二十七億ということは、紐がついているわけですね。二十七億六千二百五円でありますが、厚生省から出て来旨ところの交付金は、その二十七億六午二百万円というものは、厚生省関係に使うべきだという紐は付くんですかどうかという問題です。
  45. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) これは差当つて、二十五年度くらいにつきましては、私の方からでも地方に示したいと、自分では目下考えております。これは政府全体として統一的な方針が定まるだろうと思うのでございまして、その点はまだ地方自治庁、その他関係の各省との間に、まだ本決りと言い事すか、そういう具体的なところまで話がついてございません。厚生省としてはお説の通り、これが外に横流しと申しますか、そういうことのないように地方に何とかして示してや。たいと、かように考えております。
  46. 中平常太郎

    中平常太郎君 これは極めて大切な問題でありまして、この本省における予算の編成の場合には、各省の予算獲得運動があると同じように、各地方におきましても、この平衡交付金の内容につきましては、それぞれの各省の出先において、又各省から指示されている上におきまして、どうしても予算については獲得がそれぞれ競争的になるだろうと思いますが、これは大まかな紐はどのみち付かねばならん。そうしてその範囲における業務一仕事の補助を統制したのでありますからしでいこれまでの補助のあつた一つの実績が、それぞれの機関があるのでありますから、そういうものを統合したものが二十七億となつているのでありますから、やはりこれは明らかにそういう方面に十分な指示をお與えになるということを予算に入れる必要があると思います。十分考えないというと……。まだこれで私の意見や希望は盡きたとは言えないが、今日どしてはあなたにその要望を申上げて置く。
  47. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それからこの機会に兒童保護の各種の施設に対して、兒童保護を委託せられる場合の委託費の内容、精薄の場合はころであるとか、何々についてはこうであるとかいう、委託費を大体一通りお話し願いたいと思います。
  48. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) 御質問の点は各施設についても……。保護費の額でございますか。
  49. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) そうでございます。精薄施設に収容している者については、一人当り何ぼ出すか、普通の浮浪兒施設についてはどう……。
  50. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) これは非常に各種の段階に分れておりまして、読み上げましても大変でございますか……。
  51. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 表にして貰いましようか。
  52. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) 表にして差上げます。建前といたしまして三十人前の施設、それから三十人前から四十人前ぐらいの施設、それから五十人前六十人前の施設と、こういうふうに段々分けまして、それからこれが九段階に分れております。  それからそれが更に乳児院とか、母子寮とか、養護施設、精薄施設とか、こういうふうに各段階に分けてあります、各種別ごとに……。
  53. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それを一つ表にして下さい。それから表をお願いするときに、先程説明のあつたユニセフ物資ですが、今日まで送られて来たユニセフ物資の種類別、数量、それからそれが配給せられた状況、そういうものを一つ最近の日にち、現在で集計したものを一つ表にして頂きたい。
  54. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) 承知いたしました。
  55. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これは場合によつたら国会で感謝の決議案でも出そう、こう考えておりますから……。外に御質問ございませんか。
  56. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 母子課長さんにちよつとお尋ねいたします。行政委託費の問題でございますが、これはお医者さんなり助産婦なりの長期の講習をするとおつしやつておりますが、これはどういう人を対象に計上してございますのですか。助産婦は数多いことでございますし、去年は保健所の助産婦なんか済んだ筈でございますが、保健所には助産婦はそう沢山いないのでございますが、今年はどういう人を対象にするのでございますか。ち一つとお伺いいたしたいのであります。
  57. 田波幸男

    説明員(田波幸男君) 今年は大体保健所の助産婦ということを考えておりますが、助産婦の免状を持つている保健婦さんが沢山おられるのではないか、そういう方々を対象にしたいと思います。それから、それではその外に又場合によれば、病院におられる助産婦さん、或いは開業しておられる方も、場合によれば対象に入れたいとも考えますが、主に保健所関係におられる方々を重点を置いております。
  58. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外に御質問あひませんか。
  59. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一つちよつと私、御希望を申添えさせて頂きたいのですが、この助産施設四つも五つも出でいる中で、二ケ所が新築、いろいろ條件があると思うのでございますけれども、この助産施設は、特に必要な地方にこれを、助産施設を置いて頂けるように御研究が願いたいと思うのでございます。実はこの間も何と申しましようか、出産証明書のことでいろいろ法務庁に伺つて見たところ、山形県は産婆さんのどころえ行くのに七里も八里もあつて、又産婆さんにかからないような妊産婦がおられるそうでございす。そうかと言つて、そういう所に助産所を作りましても、なかなか大変でございましようし、これは国の経費を倒すようになつてしまうというようなことでは大変でありましようが、東京の万には助産施設が沢山あるかも知れませんが、それをうまく勘案して頂いて、予算に入れて頂きたいと思います。も
  60. 川島三郎

    説明員(川島三郎君) 承知いたしました。
  61. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外に御質問ありませんか。兒童局の予算説明に関する質疑を打切ります。  引続いて保險局関係予算説明をお願いいたします。
  62. 安田巖

    政府委員(安田巖君) 保險局関係予算を簡単に御説明申上げます。五百九ページでございますが、第一の項の厚生本省費と言いますのが、これは一般会計の人件費でございまして、ずつと上から下まで全部人件費で、昨年と変りはないのでございます。ただ前年度と増減がありますのは、只今申上げましたこの事項の中の融通と申しますか、実際の人員予算を併せるために、遣り繰りをしただけでございまして、総数を御計算になりますと分りますけれども、人員の増減がございません。そういうことで一つ御了承願いたいと存じます。  それからその次の頁でございますが、社会保險審査費、これも人件費でございまして、昨年同様府県におりますところの社会保險審査官の費用でございます。それから社会保險費国庫負担金であります。これは健康保險の事務費でございますが、先ず(2)の(イ)という所を御覧になつて頂きますと、健康保險組合の事務費、政府管掌の健康保險の方の事務費、これが組合管掌が一億三千七百二十万円一それから政府管掌が一億五千三百二十二万円、大体そんなものであります。併せますると、約三十九億四千万円くらいで、これは事務費の五割の国庫負担になつております。これから(ロ)の方の厚生年金保險の方で国庫負担がございますが、これは事務費は全額国庫負担、それから保險を給付をいたしまする方が、普通の場合には一制国庫が持ちますし、それから坑内夫の場合は二割持つわけでございます。この額が合計で四億二千三百四十一万円、それだけでございます。それから船員保險で国庫負担がございますのが、これは事務費の方は、大体長期保險については全額でございます。短期の医療なんかは、これは健康保險と同じように、五割の国庫負担、保險の給付費は、長期の方は二割、この額が一億五千二百四十九万二千円、これを全部併せましたのが八億六千六百三十三万三千円、昨年から殖えましたのは健康保險の方におきまして、事務費が従来三割でありましたのが五割に殖えた関係でございます。それから吹は国民健康保險一これがあそこにありますように、十二億六千三百何ぼでございます。大体都道府県に対する補助が千三百三十九万九千円、まれから保險者に対する補助、つまり市町村に対する補助が十二億四千六百五十三万三千円、これが一番大きいわけであります。この中で問題の事務費が八億一千先百七十六万六千円、これは昨年と比べますどいうと、五割の国庫負担でありましたものが七割の国庫負担に増額になりましたために殖えたのでございます。それから直営診療所が二億五千万円でございます。これは三分の一補助でございますから、一億五千万円補助されると七億五千万円に使えるわけでございます。後は普及指導費でありますとか、或いは国民保險の委員会費用でありますとか、或いは保險婦を置きます費用でありますとか、そういうものが一億一千四百十万円ばかりございます。それらを加えたむのが十二億六千三百万円ばかりになります。  以上が一般会計でございます。  それから特別会計でございますが、九十五頁、保險局関係の特別会計は健康勘定ど申しますのと、年金勘定、業務勘定、それから船員保險勘定、この四つに分れております。最初の健康勘定ど言いますのは、健康保險で保險料を取りまして、それを今度は健康保險心給付に使う。これが健康勘定でございます。そこの歳入の部を見て頂きますと、保險料収入が百四十五億九千二百六十万円、これの基礎は大体三百三十五万人で、そうして平均の標準報酬が六千六百円でございまして、それに千分の五十を掛けた数字でございます。一人当りにしますと、大体四千三百五十六円ばかりの保險料になります。後の雑収入はこれは特に御説明する程のものではございません。  それから歳出の部は今入つて来ましたむのを先ず保險の給付をいた」ますので、給付の費用が百三十二億六千七百四十五万四千円、被保險者とそれから被保險者の家族の保險給付に要する経費でございます。それから業務勘定へ繰入というのがございます。これは下にも書いてございますが、業務取扱費、つまり事務費と、それから健康保険で療養所を作つております七それから保險施設をやつておかます。福祉施設をやつております。それの補修費、そういつたようなものを業務勘定でやつておりますからその方べ繰入れておる。これで大体歳入歳出は終りでございます。ただ予備費といたしまして八億九千四百八十四万八千円ばかり組んでおります。  それからその次に九十九頁の年金勘定、これは厚生年金の方の業務の勘定になるわけでありますが、歳入か保險料収入が百十五億六千八百四十二万円、これは大体数を申しますというと、男子が三百九十五万人、女子が百三十九万人、それからその外の数字といたしまして坑内夫が二十七万、全部入れますというと五百六十一万人、これから徴收する保險料でございます。それから運用收入、これはまだ年金の方の主たる支出でありますところの養老年金の支出がございませんから、積立てて行つておるわけでございますが、この積立金の運用の收入をここへ見込んだわけでございます。大体二十四年度の末におきましては二百十一億円の積立金が出来ます。これに対する維持收入といだしまして、これだけの十億四千三曹四十二万四千円というものが見込んでおるわけでございます。それから歳出べ参ります。保險給付費、これが十二億八千七百四十五万三千円、これは大体まだ養老年金は始つておりませんけれども、傷害年金でありますとか、遺族年金でありますとか、傷害手当、脱退手当、そういつた各種の年金の一時給付が十三億八千七百四千五万三千円くらいあるとこういうことであひます。その次に業務勘定へ繰入れというのがありますが、やはりこれは事務費は全額国庫負担でありますが、福祉施設を自分のところでやりますので、そちらの方に繰入れる費用が三千三百五十万円、これはあと特別会計の方に出ております。大体そのようなところございます。それから業務勘定、これが健康保險及び年金保険の事務の費用でありますとか、或いは福祉施設の費用でありますとか、先ず歳入の部を見て頂きますと、一般会計からの受入が叫億四千七百九十七万八千円、この内訳は健康保險で一億五千三百二十三万一千円、年金の方寮、三億九千四樹七十五万七千円、こういうことになつております。それから仙勘定よりの受入と申しますのは、先程健康勘定で申しましたが、そちらからこちらに出した金が、これが四億二千二百万円ばかりございます。これは事務費と療養所でありますとか、或いは保健施設とか、稿融施設、そういつたものに対する財源であります。それから年金勘定からの受入、これは厚生年金の福祉施設、事務費が一般予備費の中に入つております。これは支出の方に出て参ります。それから療養所收入、これは健康保險は千葉に療養所を持つておりますので、それの診療収入、こういうことであります。それから雑収入は特に申上げることはございません。  歳出の部、ここに人件費がございます。これがいわゆる特別会計の人間でございまして、大体厚生省に百八十大名、地方庁に四千四百九十六人ばかりあります。これを併せまして四千大百八十二人が特別会計場で賄われておる人員であります。療養所費で、これは先程申上げました千葉の療養所は、これは約五百床ございますけれども、これに要する経費が三千二百十三万三千円ばかり、それから保健施設費、これは健康保險の被保險者に対していろいろ運動をやりますどか、或いは健康診断をやりますとか、保健診断をやりますとか、或いは疾病予防をやりますとか、そういう費用が一億六百六十八五円ばかり計上してあるわけであります。それから福祉施設補修費、これはいろいろ福祉施設に対する修繕費を含んでおるわけであります。以上が業務勘定の説明でございます。  それから百九頁を見て頂きますと、船員保險の特別会計があります。船員保險だけの特別会計を持つております。歳入の部に保險料收入が十八億七千百三十一万一千円、これの大体の予算の基礎になつております人員は十六万五千大百人、その中で失業保險の適用のない者があります。漁船なんかでは失業保險の適用がありません。これは八千人ばかりあります。それで基礎は大体平均の標準の報酬の月額が七千三百円になりまして、失業保險が適用のある者に対する料率が百分の十三であります。失業保險の適用のない者が百分の十一であります。これを掛合せましたものが十八億七千百何がしで以ります。それから運用収入というのがございます。これも船員保險の方にやはり養老年金というよろな長期の保險がまだ実際に始まつておりませんので、積立金があります。その収入であります。それから次に参りまして一般会計よりの受入、これは保險給付費及び事務費に対して国庫より補助がございます。長期におきましては事務費が全額、短期におきましては二割の補助があります。  歳出の部で、これは船員保險の給付でございます。大体疾病が九億六千四百四十八万千七百四十円ばかりであります。失業保險の方は給付が一億四百十七万一千九百四十八円、それから序期給付、これが二億六千万円ばかり、これを併せますと、十三億三千三百大十九万四千円、業務取扱費、これがいわゆる事務費でございます。人間といたしましては三百四十三人、これがやはり中央と地方に分れております。それから福祉施設費、これは被保險者に対して保養所であります止か、病院であるとか、疾病予防であるとか、そういうことをやつておる費用であります。予備費が二十一億七千亘万円、これはいろいろ給付が動きますのでこの程度のものを取つて置きたい。以上であります。
  63. 中平常太郎

    中平常太郎君 ちよつと二、三お尋ねしたいのですが、今国立の療養所ですが、千葉の療養所、随分療養所もありますが、ああいう健康保險の上においての療養所というのは、あそこ一ケ所になつているようですが全国であそこだけですか。
  64. 安田巖

    政府委員(安田巖君) そうであります。
  65. 中平常太郎

    中平常太郎君 それじや関東、関西とか九州とかというふうに置かないと、どうも療養者に非常に不便じやたいかと思うのですが、その点はどうたつておりますか。
  66. 安田巖

    政府委員(安田巖君) 健康保險で自分のところの療養所をちますのは、これは理想でありますけれども、併し自分で全部持つと言いましても、非常に費用のかかることでございますし、国立療養所とかその他の療養所の方にお願いをいたしまして、その代りは金拂う、こういう工合に行なつているわけであります。併し全国一つぐらいは理想的な、模範的な所を持ちたいというので努力しているわけであります。
  67. 中平常太郎

    中平常太郎君 将来関西にも殖やすというお考えはないわけですね。
  68. 安田巖

    政府委員(安田巖君) 今のところは考えておりません。これは国の結核対策として、そういつた施設をどうするかとい方大きな問題とも関連があるのでございまして、将来そういうことり関連とも睨合せて考えたいと思います。
  69. 中平常太郎

    中平常太郎君 それから次に健康保険の保險施設に必要な経費で一億六百何ぼありますが、これもやはりどこかに偏しておりますか、その位置が。これは全般的にやつていますか。
  70. 堀岡吉次

    説明員(堀岡吉次君) それは病院が全国にございまして、一つも持つていないという県は若干の県だけでございます。従つて全国にばら播かれておるという状況でございます。
  71. 中平常太郎

    中平常太郎君 次にもう一つお尋ねしたいのは、船員保險の収入は收入は十八億何ぼであるのだが、出す方の額は十三億ですが、あの点は料率が少し高いように思うのですが、料率が冷のお話では百分の十三と聞いたのですが、あれは組合の分ですか、どちらですか。
  72. 安田巖

    政府委員(安田巖君) 船員保險の料率は、実に安いのでございます。船員保險の百分の十三でやつておりますのは、健康保險に相当します疾病保險と労災保險に相当しますものと、それから年金保險に相当しておりますものと、それから失業保險に相当しておりますものと、四つの保險をやつているのでございまして、陸上の保險の最低を出しましても一三・七、安いのであります。それも上げたいくらいに思つておりますが、合そういうふうに余裕が出ておるじやないかと申されまするのは、年金の方の勘定を見て頂きますと分りますように、年金で二百十一億ばかりが本年度の末に余りますと同じように、船員保險の中に財源がございますから、それを積立てたものであります。
  73. 中平常太郎

    中平常太郎君 ズレがあるわけですな。
  74. 安田巖

    政府委員(安田巖君) そうでございます。
  75. 中平常太郎

    中平常太郎君 それから百分の十三というのは経営者と受益者が半々ですか、どうなつておりますか。
  76. 安田巖

    政府委員(安田巖君) 百分の十三の中には健康保險と、それから年金、失業保險に対するものは大体半々でございますけれども、労災保險に相当いたします百分の二とありますのは、これが全部事業主の負担でございますから、それがこつちにくつつくのと減るので違つて来るのであります。
  77. 中平常太郎

    中平常太郎君 もう一つお尋ねいたします。特別会計の中の健康勘定ですが、二十五年度予算は百四十五億どいう歳入、それに同額の歳出でありますが、前年度百四十六億であつて、前年度よりもち一つと少くなつておるわけですが、現在の健康保險の勘定が私は総体的に減少するとは思えないのですが、この点一つ
  78. 安田巖

    政府委員(安田巖君) お答えいたします。実は昨年は十四億ばかりのものを二十四年度に繰越しておるのであります。赤字と申しますか、歳入歳出共繰越しておる。その関係で額が多くなつてお。まして、来年度は一応それを二十四年度の末までにこなしてしまうという予算になつておりますので、その関係で実際は殖えておるのでありますけれども、差引き減つておるのであります。
  79. 中平常太郎

    中平常太郎君 それではちよつと一割ぐらい殖えておるわけですな。
  80. 安田巖

    政府委員(安田巖君) そうです。大体そうでございます。
  81. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外に御質問ございませんか。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後三時四十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事      谷口弥三郎君    委員            中平常太郎君            山下 義信君            石原幹市郎君            寺尾  豊君            井上なつゑ君            小杉 イ子君   政府委員    厚生事務官    (薬務局長)  慶松 一郎君    厚生事務官    (保險局長)  安田  巖君    厚生事務官    (官房会計課    長)      太宰 博邦君   説明員    厚生事務官    (兒童局企画課    長)      川島 三郎君    厚生事務官    (兒童局母子衛    生課長)    田波 幸男君    厚生事務官    (保險局庶務課    長)      堀岡 吉次君