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1950-01-26 第7回国会 参議院 厚生委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年一月二十六日(木曜日)    午後一時二十九分開会   —————————————   委員の異動 十二月二十日委員中山壽彦君辞任し た。   —————————————   本日の会議に附した事件 ○社会保障制度に関する調査の件(厚  生省所管予算について)   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。本日は昭和二十五年度厚生省所管予算につきまして、当局の説明を聽取したいと思います。
  3. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) この度会計課長になりました大宰であります。どうそよろしくお願いします。  只今議題となりました昭和二十五年度厚生省所管予定経費要求書概要を簡単に御説明申上げます。  昭和二十五年度厚生省所管一般会計予算要求額は、全部で三百二十八億五千二百八万二千円でございまして、二十四年度予算額と比較いたしますると、二十四年度予算額におきましては、二百七十一億六千八百四十九万七千円でございますので、差引きいたしまして、五十六億八千三百五十八万五千円の増加なつてございます。順序が少し狂いますが、お分り願いますに都合がいいようにちよつと附加えますと、御承知シヤウプ勧告に基きまして、地方に対して補助金を交付しております。その一部が平衡交付金と相成りまするので、その分が若干落ちてございます。大体その額が、充来地方財政委員会に計上いたしました分を除きますと、約二十一億円程ございまするので、先程申しました昭和二十四年度との比較において五十八億程増加なつておると申上げましたが、内容的には更に二十一億程度プラスせられたものが、実質的には昨年に比べ増加になつたのであります。ただその二十一億は平衡交付金の方に入つておりまするために、今年度の三百二十八億の中からすでにおつこちておりまするので、只今申上げましたように、正式には五十八億八千三百五十八万円の増加、かようになつておる次第でございます。今予算の中で主な事項について内容を申上げますると、先ず第一は、公衆保健衛生並びに予防衛生対策に関する経費、これか二十億一千五百九十三万六千円でございます。その内容を少し申上げますると、小さいのもいろいろ入りまして恐縮でございますが、公衆衛生及び予防衛生行政総合調整を図るための必要な経費が二百八十四万余円、国民栄養に関する知識を普及徹底すると共に、適切な指導を行い、その改善向上を図るために、国民栄養調査を実施いたしますなとのために約三千百三十六万余円、国民の食生活の改善方策を科学的に調査研究いたしまする国立栄養研究所経営に必要な経費一千十三万余円、衛生行政末端機関でありまする保健所の使命はいよいよ重要性を加えて参りましたので、現在の六百八十九ヶ所ございまするものを更に新たに十五ヶ所を増加いたしまして、その内容を充実整備するためと、この運営に関して調査企画指導に必要な経費、合せまして八億八百五十一万余円、伝染病の発生を防止いたしますため防疫行政の徹底を期するに必要な経費及び都道府県に対するトラホーム、癩、寄生虫、精神病その他の伝染病予防経費補助と、外来伝染病等予防する事務都道府県に委託いたしまするために必要な経費合せまして五億六千三百六万余円、予防接種法に基き都道府県市町村の行う予防接種について企画指導すると共に、都道府県接種事務費及び臨時接種費に対して補助いたしますための必要な経費が五百八十三万余円、それから結核蔓延現状に鑑みまして、これの予防の万全を期するために予防対策をいよいよ強化する必要がございますので、その調査研究講習会などを行う経費と、この結核予防治療対策に最も有効な薬でありますスーレプーマイノノの研究に要する経費その他結核予防法に基いて都道府県負担する結核予防費並びに公益法人の経告する結核療養所経費について補助するための必要な経費九千九百九十一万余円。
  4. 中平常太郎

    中平常太郎君 どこを見ていいか分らんから、この一般会計予算のとこを見るのか、分るようにして下さい。
  5. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 大きな方で四百八十一頁を御覧願いますると、それからあと厚生省所管予定経費要求書というのか、そこからあとずつと続いてございます。
  6. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 先に中平君のお話もありましたが、一応説明して貰つてあと資料フリノーにして廻して貰つたら如何ですか。
  7. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 先に各局の総額、これを申上げまして、あと大きなところ、変化のありますところを申上げますと、先ず問題の置き所がお分りになろうかと思いますので、あとこれにつきまして、それがどこにあるかか申上げるということで……。
  8. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 大まかにそういり点だけ、これに頼らないで……。
  9. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) それでは今細かい点を申上げましたが、その細かい点を省きまして、公衆衛生予防衛生に要する経費というのが二億千五百九十三万六千円であるということは先程申上げましたが、それから第二番目は、医務対策に関する経費でございます。これを局て申上げますれば医務局になりますか、その経費が四千四百五十六万円とございます。それから第三番目が国立病院及び療養所経営に関する経費が五十八億七百八十万八千円、これは一般会計の分でございます。それから第四番目が薬務対策に要する経費でございますが、これは所管で申しますると薬務局になります。それが八億一千九十九万六千円、第七番目が、民生安定に関する経費、局て申しますると社会局に大体なります。これが百五十九億六千五百四十二万九千円。次に第六番目が児童福祉に関し必要な経費、局て申しますと児童局に相成りますが、これが三億四千八百二十二万八千円であります。次に第七番目は社会保險対策に関する経費、局て申しますると厚生省保險局になりまするが、二十一億五千六百四十六万二千円ということに相成つております。次に第八番目は引揚援護対策に関する経費、これが五十一億二千五百二万五千円、その他の経費といたしまして、村会保障制度企画並びに基本的調査を行う費用とか、或いは厚生行政国民に普及徹底いたしまするため厚生活動費用国立公園、これの維持運営費用、或いは衛生統計事務の充実を図る費用など、いろいろ取揃えましたその他といたしまして五億七千七百六十三万八千円計上してございます。以上は昭和二十五年度厚生省所管一般会計予算の極く大要でございます。  次に特別会計大要といたしましては、先ず第一が厚生保險特別会計、これは健康勘定年金勘定業務勘定三つに分れてございまして、健康勘定においては、歳入歳出共百四十五億九千六百五千九万五千円、年金勘定の方におきましては、歳入が百二十七億三百四万四千円、歳出が十三億七千五百五十六万八千円、差引き歳入超過が百十三億二千七百四十五万六千円を見込んでございます。又業務勘定の方におきましては、歳入歳出共九億二千百十三万二千円と相成つております。二番目の特別会計は、船員保險特別会計でございまして、歳入におきましては二十億六千八万一千円、歳出におきましては十六億六千八百十五万七千円、差引き歳入超過か三億九千百九十二万四千円に相成つております。最後国立病院特別会計でございまするが、これは歳入歳出共三十四億五千九百七万三千円と相成つております。これが特別会計明年度におきまする予算要求額でございます。  次に明年度予算要求におきまして、従来と著しく増減のございました個所を申上げたいと存じます。先ず公衆衛生関係におきまして保健所費用でございます。お手許にありまする一般会計予算のうち、四百八十八頁、保健所費八億六百五十三万五千円というのがございます。これは昨年度予算が、この右側にございまする一億四千六百七十六万六千円でございます。差引き六億五千九百七十六万九千円というものが増になつておるのでございます。これはその説明にございますように、全国にありまする保健所六百八十九ヶ所、これに更に十五保健所を新設いたします。それと共に既存の六百八十九ヶ所の保健所につきまして、内容を更に充実いたします。それに伴うところの費用でございます。  それからその次に伝染病予防費補助、これは保健所費の次にございますが、四億五千二百六十四万八千円、これが昨年度の五億八千九百二十六万五千円との間に大きなマイナスに減少してございます。これは前年度におきましては、前の年からの負担を約一億円程引継いてございまするのか、明年度の場合におきましては、そういう負担がなくなるという見通しの下に、その部分だけ減つておるのでございます。  その次に医務局の方に参りまして、四百九十三頁、上の方から二つ目にございます国立病院指導監督に必要な経費九億一千九百四十二万二千円、これは前年度の六億四千二百二十九万三千円と比較いたしまして、二億七千七百十二万九千円の増となつております。これは單価引上げ等に伴います人件費の増、かようなものが主な理由をいたしておるわけでございます。  それからその同じ頁の下から二つ目国立病院療養所土地建物購入に必要な経費七千万円、前年度は六億でございます。この差額五億三千万円と申しますものは、日本医療団からその施設を買取りまする費用が六億であつたのでありますが、大体それは本年度のうちに終了いたしまするので、明年度におきましては、医療団に所属いたしません清算法人その他個人の所有にかかりますもの、これをこちらに購入するというその費用七千万円でございまして、その間に大きなマイナスを生じておるわけでございます。  それから一枚めくりまして四百九十五頁、上から二つ目の枠の中で、国立療養所施設整備に必要な経費六千八百九十二万七千円でございます。これは前年度は一億九千七百三十四万一千円となつております。その差が一億二千八百四十一万四千円、これは昨年度の一億九千七百三十四万一千円の中で、本来公共事業でなすべき結核療養所整備を、昨年度に限りまして一般予算の方でこれを見て貰いました。その費用が省けますのでかような大きな減額になつておるのでございます。  それから薬務対策の方に参りまして、四百九十九頁の真中の辺にございます特殊薬品買上諸費特殊医薬品供給確保に必要な経費六億九千九百四十二万円、前年度が八千六百八十四万三千円でございます。その差額六億一千二百余万円となつておりまするが、これは結核に対するストレプトマイシン、これを多量に購入するための費用が新たに加わりました関係上、これだけの大きな増になつておるのでございます。それからその次に民生安定に要する経費社会局の方に移りまして五百三頁の一番下の方、生活保護法施行等に必要な経費百五十二億五千三百七十万三千円、これを前年度に比較いたしますると、前年度が百十五億二千万円でございますので、約三十七億三千三百七十万円程の増になつております。これは生活扶助におきまして、その基礎額引上げ、それに伴います額と、それから医療保護におきましてそれの対象人員が非常に殖えたと、こういう二つの主な理由に基きまして、三十七億三千三百万円程増になつておるわけでございます。  次いで児童局の方に参りまして、五百六頁の真中の辺りに不良児、孤児及び浮浪児等保護に必要な経費、これが一億百二十四万九千円となつております。それを前年の五値九千四百三十六万余円、これに比べますると減少しておりまするが、この他に平衡交付金の方に約八億程のものが廻つてございます。それと併せますると逆に三億程これが増になるのでございます。これはやはり生活保護法と相並びまして基準の引上げ、そういうものに伴う増でございます。それからその次に保育所及母子寮等に必要な経費、これが六百五十一万四千円、それが前年度は三億四千二百七十二万七千円でございまするので、その辺は更に減つたように見えまするが、そのうち平衡交付金の方に廻りましたものが約五億三千万円程ございまするので、それを引直しますると実際においては約一億九千八百万円程、これが予算としては本来は増額なつて然るべきである、かようなことになります。この点は先程と同じようにやはり給付内容限度引上げということにこれが原因するのでございます。今の二つ項目につきまして、平衡交付金ということを申上げましたので非常にむずかしくなつて来てございまするが、これは後で平衡交付金についてもう一つ申上げたいと存じまするので、そのときに申上げます。  それから社会保險に関する保險局の方におきまして、五百十頁の上から二番目に、社会保險費国庫負担金に必要な経費八億六千八百三十二万三千円、これが前年度は七億二千七百九十八万八千円、かようになつておりまして、差引一億三千八百三十三万五千円程これが増になつております。続いて国民健康保險補助に必要な経費十二億六千三百九万三千円、前年度の九億一千七百十二万七千円と比較いたしまして約三億四千五百九十六万六千円程これが増になつております。これはいずれも事務費補助補助率限度引上げました結果生じました増でございます。  それから次に引揚援護庁の方に参りまして、五百十三頁、地方引揚援護局事業に必要な経費、これが十億二千六百六十二万七千円、これが前年度の七億一千百二十二万八千円と比較いたしまして三億一千五百三十九万九千円の増になつております。これは主として外地から引揚げて参りまする同胞に対しまして、上陸地援護局においていろいろの給與をいたしまするそれに必要な経費でございまして、引揚げて参りまする人員は現象いたしましたが、物の單価その他が上りました関係上、総体においてこれが増になつております。続いて特別未帰還者給與に必要な経費、これが三億四百五十六万八千円昨年度の八千二百一万五千円と比較いたしまして二億二千二百五十五万三千円の増になつておりまするが、これは特別未帰還者給與法給與内容引上げましたことと、それから適用地域を、いわゆる中共地域等に大巾に拡張いたしました結果生じましたところの増でございます。その次に未復員者給與法施行に必要なる経費、それか三十一億七千九百二万円、従前は二十二億四百七十五万八千円でございます。その差九億七千四百二十六万二千円、これだけ増なつておりまするが、これは未復員者給與法に基きまして給與いたしまするその給與内容引上げに伴つて生じた増でございます。それから次に施設の方に参りまして、国立療養所、五百二十一頁でございまするが、それの枠で行きますと上から三つ目ですが、国立結核療養所経営に必要な経費三十八億五千三百三十三万八千円、これが前年度が二十七億七千八百六十一万四千円、十億七千四百七十二万四千円、大巾にこれが増になつております。これは結核病床を八千五百床増床いたしまする計画になつておりまするので、その増床に伴いまするところの人件費その他必要な医療費でございます。引続きまして、その次の国立瀬癩療養所経営に必要な経費、これが五億七千七百九十九万九千円、前年度が四億五千百二万六千円で一億二千六百九十七万余円の増となつておりまするが、これが大体前の結核と同様に、病床を一千床、その他の整備によりまして一千床、二千床増加いたしまするので、それに伴いまして生じた人件費の増その他の費用でございます。大体一般会計では、主なものは只今申上げた通りでございます。  それから公共事業費でございまするが、これはこの本の一番最後の方の九百八十六頁のところを見て頂きますると、この中にこれは経済安定本部所管なつておりまするが、この中に公共事業費として各省関係のものが組み入れられてございます。それで九百六十六頁の上から四つ目厚生施設費というものが載つてございます。この公共事業費厚生施設費十四億九千万円、これは前年度と比較しまして十二億九百万円程の増になつております。これの主なる内容は、国立結核療養所其他施設整備費五億八千三百余万円、その主なるものは先程申上げました結核療養所ベット拡充八千五百床、それから癩療養所の新設と増設ベット拡充二千床というようなものがそれの中心なつてございます。それから社会事業施設整備費一千二百二十余万円、額は少うございますが、この中には身体障害者更正指導所増設補修費用域い国立光明寮補修費用なとか含まれてございます。  それからその次に公衆衛生施設整備費補助三億八千八百七十三万余円、これの主なるものは児童局所管保育所及び母子寮を、保育所について百ヶ所、母子寮百ヶ所それぞれ新たに設けますもの二億五千万円というものが大体その中心なつております。次いで上下水道改良費が約一億というものが厚生施設費として公共事業費に載つておるものでございます。尚その外公共事業費は外の所にも若干それぞれ分れてございますが、省略させて頂きます。  それから次の九百六十七頁の方の災害復旧公共事業費というものがこれが療養所復旧その他で二千万円、それから水道の災害復旧かが五千万円、その他昨年起りましたいろいろな台風による災害復旧費、いろいろございまして、それから二千万円、厚生施設災害復旧事業費にはかようなものが含まれてございます。  それから最後平衡交付金のことにつきまして、この際ちよつと一言申上げたいと存します。御承知通りシヤウプ勧告が昨年出まして、その結果日本税制度中心に大きな変革を来たすことになりました。この議会には平衡交付金法を初め地方税法改正等を御審議を願うことになつておりますが、その中で地方に対する補助金が非常に大きな影響を受けまして、従来国が補助をいたしておりまするものにつきましては、特別なものを除きまして、或いは十分の八とか或いは二分の一とか、三分の一とかいうような一部補助であつたのでございますが、この一部補助制度につきましては、シヤウプ勧告におきまして、責任の所在が明らかになつていないというような点からいたしまして、その他の点からいたしまして、これは好ましくない制度である。そしてかような制度は全部国で一括いたしまして、従来の他方財政委員会配付税と称して交付いたしておりまするものと一本にいたしまして、これを他方自治庁の方から交付する。それにつきましては、各地方団体府県市町村全部につきまして、この府県、この市町村においてはどのくらいの行政をやつたらいいかというところを先ず出しまして、標準財政需要と申しますが、それに似合いますところの、このくらいの税収入があつて然るべきだというところを出しまして、これだけ行政費用をかけて然るべきだと思われる額から、これだけ税収入でとれる筈だという額と、その差額平衡交付金として国から流す。こういうふうに大きな変化を遂げて参つたのでございます。厚生省所管項目につきましても、やはり大きな割合を占めておりまするものは、地方厚生行政に対する補助負担金でございまして、それがやはりこの平衡交付金制度の中に繰入れられることに相成つたのでございます。ただその際に考慮いたさねばならないことは、厚生省所管行政は、また日本現状におきましては地方に委せつ切りて来た場合においては、殆んどそれが伸びない、どうしても国において、尚面倒を見て育成して行かなければならない面が多々ある。ということから、本末ならばこの平衡交付金の方に入つて然るべきものが、今申しました理由から、尚補助金として残つて来ておりますが、大半はそういうことで厚生省に暫くの間は残つていることになつたのであります。尚それにも拘わりませす、平衡交付金として、従来の補助金厚生省の分から地方自治体の分の方にこれが移し替えになりまする額か、明年度予算におきましては、約二十七億六千万円程のものがそこにあるわけでございます。この分は一番冒頭に申上げましたように、厚生省予算の面からは、それか減額されているような次第でございます。以上。
  10. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) この機会に、宮崎援護庁次長から御挨拶をしたいとのことでございます。
  11. 宮崎太一

    政府委員宮崎太一君) 私、葛西厚生次官が一月の十日にアメリカに参りましたので、その間二ヶ月か或いは三ヶ月になると思いますが、厚生次官の代理をすることになりましたので、国会の皆さんからどうぞよろしく御指導をお願いしたいと思います。それから今予算につきましていろいろ御説明申上げましたが、申上げました通り、今年の予算は、去年に比べまして五十六億も増加をいたしておりまするし、又公共事業につきましても、非常な増額をいたしているのでありまして、厚生省といたしましては、去年に比べまして行政が躍進する形になつていると思うのでございますが、従来からいろいろ御鞭撻を頂きました行政につきまして、また足りない点もかなりあろうと思うのでありますが、私共といたしましては、今御説明申上げました予算の包囲内におきまして、十分能率を挙げて厚生行政の進展に努力いたしたいと、こういう考えておりまするので、どうかよろしく御審議を願いまして、私共の希望を満し得るようにお願いをいたしたい、そういうことを申上げたいと思います。
  12. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 如何いたしましよう。今の説明に対して一応質問がありますか。それとも直ちに各局課別に入つて参りますか。そうして質問を受けて局別に一つ参りましようか。どうしましようか。
  13. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 局別に参るといいですね。
  14. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今説明を頂きましたけれども、初めに申上げましたようなふうに、十分材料も持つて来てもおりませず、又そちらからも頂いておりませんので、今日これから直ぐ質問ということは少し無理ではないでしようか、よければそのようにして頂きたいと思います。
  15. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 続いて各部局説明を聞きますか。次に延ばしますか。
  16. 姫井伊介

    姫井伊介君 部局説明プリントを頂いてからにして、今日はあと三十分ばかり今の説明について心付きの点で二三点拾つて質問したい点がありますから、そういうことを質問するという程度で如何でしようか。
  17. 中平常太郎

    中平常太郎君 今姫井委員の言われた通り賛成いたすのでありますが、大きな予算書を毎日持つて来るわけに行きませんから、どうかプリントを至急に作つて頂くことをお願いいたします。  それから今の概括的の問題としてお伺いしたいのでありますが。
  18. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 姫井さんのことはいいですな。
  19. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 よろしうございます。
  20. 中平常太郎

    中平常太郎君 保險行政でありますが、健康保險赤字問題、この国民健康保險につきましては、事務費増額をしたようでありますが、これは詳しいことについては、局別のときにお尋ねしますが、健康保險赤字は、相当前国会におきましても指摘された問題でありますが、その後の状況がどうならておりますか、お伺いしたいと思いますひ赤字の問題、健康保険つまり初診料をとつた状態、結果、それから保險料の値上りから後の徴収状況、それから診療報酬の査定、並びにその支拂の遅速、スムースに行つておるか否や、という問題、それから同時に赤字がやはりどんどん出ておるか否や。保險行政危機を訴えられておつたのでありますが、その危機を脱したかどうか、こういうことについて御説明を一応願いたいと思います。
  21. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) どうでしよう、保險局長今日来ておりませんが、局の場合にお譲り願つたら。
  22. 中平常太郎

    中平常太郎君 そうしましよう。そんに対して資料を貰うことにして、そのうち局長の見えたときにおいて。
  23. 姫井伊介

    姫井伊介君 小さいところで、局部的に一つお尋ねしたいと思いますが、さつき説明厚生保険で、年金勘定のことがありましたが、現在年金積立幾らつて、そのうち預金部資金幾らつておるかということを一つお伺いいたします。次は身体障害者福祉施設ですが、さつきの御説明だというと、外のものを加えて一千二百万円だということでありましたが、身体障害者に対する幅融施設純金額幾らで、それはどういうことをおやりになるかということが二点。第三点は児童福祉の部面で、保育委託費でありますが、保育委託費予算幾ら見ておられますか。一応その三点だけをお尋ねいたします。
  24. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 詳細な点はちよつと申上げかねますが、厚生保險の年金勘定で、大体積立が百七十億と聞いております。その殆んど大部分が預金部じやないかと思つております。これにつきまして、何といいますか、これを掛けました一般勤労者の福祉施設関係に成るべく使うようにしたらどうかという御意見が従来からありました由でございますけれども、只今のところはまだそれが解決していないように聞いております。それから身体障害者予算でございますが、これは明年度予算におきましては、大体三千四百三十四万五千円を見ております。この外に国立身体障害者更生指導所と、それから国立光明寮、これが二ヶ所ございまして、この三つ施設経費が、身体障害者更生指導関係が二千百十六万円、それから光明寮の費用が三百八十八万円程別に計上遣れております。大体御承知通り身体障害者の方に対しまして、国立の更生指導所乃至光明寮に収容いたしますと同時に、これの訓練をいたします。それから職業補導をいたしまして、これを世間にもう一度再帰せしめると同時に、地方の、府県におきまして身体障害者の収容、授産施設、これが現在十二ヶ所ございますが、来年度は更に八ヶ所程これを増設いたしましてこれに収容し、同じく授産をいたしてとれを訓練して行きたいと、かように考えております。
  25. 姫井伊介

    姫井伊介君 八ヶ所の新設費が分りますか。
  26. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これは大体二千二百万円程の公共事業なつております。それから三番目は、保育委託の経費でございますか。
  27. 姫井伊介

    姫井伊介君 それは平衡交付金なつておるかも知れませんが……。
  28. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これは平衡交付金の方に入つてございます。
  29. 姫井伊介

    姫井伊介君 交付金額が分りますれば……。
  30. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これはあとで調べてお答えします。
  31. 姫井伊介

    姫井伊介君 身体障害者の授産施設の新設八ヶ所、その経費二千二百万円と言われましたが、これは八ヶ所の新設費のみか、或いは二千二百万円の中には、他のものも入つておりますか、若し入つておるとすれば八ヶ所に対する新設費というものが分りましようか。これも分りませんければあとで結構です。
  32. 中平常太郎

    中平常太郎君 先程言われました平衡交付金は紐付きなのですか。例えば兒童局の不良兒童の保護に必要な経費八億程と、それから保育所母子寮に必要な経費五億七千万円が平衛交付金の方に入つておるという御説明でありましたが、こういうような八億、五億という金は紐付きで市町村の方に行くようになつておるのでありますか。或いはそれだけの金は厚生省の別の枠で出せるような金を別にとるのでありますか、その点。
  33. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) お答え申上げます。あの平衡交付金は、本来の建前では、お前り市なら市にこれだけの金を平衡交付金としてやると申します場合に、その金の内訳は、これに対する分がこれだけであるというような紐は付かないのが原則であります。ただこれは来年度から実施されます関係、而も地方によりましては、非常に大きな変動を受けます。例えで申しますと非常に財政力の豊かな大阪とが兵庫とかいうような所では、従来の補助金でございますと、一律に二分り一とか十分の八とかというものが参りましたものが、財政力が豊かな所にはもう行かないというような結果すらも来たしますので、そういう所は非常に大きな打撃を受けるのであります。そういう関係からいたしまして、紐は付かないわけでございまするけれども、最初の年は大きな変動を来たすに違いないので、地方自治庁、現在の自治庁の方から、お前の所の行政費用の総額はこれくらいである、その大体の内訳は、こういう厚生行政についてこれくらい、何とか行政についてこれくらいというようなことを示してやろうかというようなことを、まあ現在考えておるようでございますが、尚はつきりその辺は決つてございません。
  34. 中平常太郎

    中平常太郎君 この問題が、いつもその紐付でないために、財政の困難な地方自治庁におきましては、その予算が逃げでしまうのです。場合によりましては教育費の方に廻つたり、或いは又市の吏員の月給に廻つてみたり、その外河川の改修の方の不足分の方に廻りてみたりして、折角厚生省の方で考えておられるところの不良兒或いは孤児等の援護に必要な経費として、明らかに、厚生省としては一億何千万円しか予算が来ておらないけれども、平衡交付金の方に八億入れてあるという説明がおる以上は、八億円はその方に必ず付けなければならないのでありますが、その紐付でない限りは、その金はそういう不良兒の収容の方に、保護の方面に八億が流れるということは思つていないのです。これはどういう手を打つか。今言われたようにいわゆる地方県庁單位の漠然とした考え方で、項目を並べて、経費を何倍されただけでは、これはとても具体的な何にならないと思うのですが、例えてみれば、この平衡交付金が一県下にどれ程行くと、その一県下にはこういろふうな施設をするというちやんと計画がある。そり計画に対しては、この平衡交付金からなんぼ出すというどころの何かの指示を與えて、確実にその平衡交付金が目的に向つて投ぜられるという方法を講じなければ、厚生省説明が、ただ我々の委員会において説明があつただけでは、我々は満足は絶対にできないのであります。そり辺はどういうふうな手を打たれるか。今おつしやつたような手ではまだなまぬるいと思いますし、この点はまだ御質問の機会があると思いますが、あなた達厚生省の方におきましても、もつと強くとの紐の付くような方法を特に考慮して頂きたい。紐を付けなければ、それまでの間に十分な了解を、府県庁との間に了解を得て、逃げないように、この予算の金が逃げないような方法を、具体的の方策をとつて頂きたい。又それについての御答弁を一つ適当な機会にお願いいたしたいと思います。
  35. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 御心配になりましたような点は、誠に私共も同様に危惧しておるのでございまして、先程厚生省は、厚生行政に関しては日本現状においては地方に任せつきりにするのは非常に危な、そういう意味で本来平衡交付金に入るのが妥当じやないかと思われるものにつきましても補助金として厚生省に残してあるということをちよつと申上げたつもりでございますが、それが約百七十六億程あるのであります。で只今平衡交け金の方に入りました分は約二十七億程でございます。従いまして厚生省関係所管行政に関する補助金の大半は、現在のところは厚生省の方で握つて、そうしてその紐付でこれを流す。従つて地方かそれを実行いたしません場合には、補助金が行かない、こういうふうになつておる。そういうことで、その点は大分考えておるつもりでございます。それから尚平衡交付金に入りましたものにつきましても、これはどこの省としても、やはり主管大臣として非常にその点心配すると思うのでありますが、その点につきましては大体最低行政、これだけの人口を擁しておる市町村においてはこれだけの行政は少く共しなくちやいかんという最低行政というものは指示される筈でございますから、それを実施いたすことすら割つておるような場合においては、交付金を取返すとか或いはやらないとかいう制裁の途は、自治庁の方でも現在考えておるようでございます。そのくらいです。
  36. 中平常太郎

    中平常太郎君 只今の御説明で、百何十億というものは二十何億が平衡交付金とおつしやつたのでございますけれども、その二十何億の中に不良兒の経費が八億、母子寮の方の側が五億なんぼ入つておるというのでありますから、そういう方面にちやんと限られておるところの経費の方が平衡交付金に大部分入つておるのでありますから、その他のものがスムースに行きましても、この問題がスムースに行かなかつたらこの目的を達せられないわけになると思いますから、それは先程私が申上げたように、もつと強力な手を打つてつて目的に向つてその資金が使われるように、特に具体的な方策を講じて貰いたいということを要望すると同時に、どういう方法になされるかということについて適当な機会に御答を願いたいと思います。それからもう一つは公共事業費の方でありますが、これは厚生省公共事業費というものの方に十四億程ありますが、これも母子寮とか育兒所、保育所等に、二億五千万円の中に入つておるし、社会事業施設整備の中にも入つておりますし、殊に公衆衛生費或いは今度新たにここに五項目載せられておりますが、この厚生施設というものは、これは直営でありますか、お伺いいたします。公共事業費の十四億何千万円というものは、これは全然平衡交付金でないのでありますから、厚生施設費でありますから、厚生省が特別に枠をとつて予算でおやりになるのですか。その点お伺いいたします。
  37. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これは所管は、経済安定本部の所官に一応組まれます。そうしましてこれを実施いたします際に、関係各省の方へこれが移し替えになるのでございます。ここには、御承知通りお読みになると分りますように、整備費というもの、これは国が直営でございます。中央でやるのでございます。それから整備補助と書いてあります補助というのは、地方団体が行いますものに対しで、こちらが二分の一とかいうものを補助してやる、こういう費用でございます。
  38. 中平常太郎

    中平常太郎君 そうでありますが、そうなればこの十四億に対しましては厚生省が自由に十分その意図のままに目的に向つて使うことができ得るわけでありますね。そうとつてよろしいのでございますか。
  39. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 或いはこれは言葉のあれかと存じて恐縮でございますが、自由に使うと申しますが、同じ、例えば社会事業施設整備費補助と書いてあるからといつて、社会事業ならどういう方向に向けてもいいというのではございません。すでにかような数字が築き上げられまするには、安定本部の方に、こちらとしてはいくらいのものを来年度やりたい、どこのどの施設をどうするというものをちやんと提出いたしまして、相談いたしまして決まつたのでございますので、やはりこの内訳は大体決まつておるのでございます。その決まりました内訳にこれを使うということになつております。
  40. 中平常太郎

    中平常太郎君 私は内容の中の必要なもの、不必要なものという問題をお聞きするのじやない、厚生施設費というものの予算十四億というものは、あなたの方で、大体希望通りな方向にこれが使われるれるように、経済安定本部の方からこれだけの枠をお貰いになるかどうかということです。お貰いになるか、又それは生殺與奪の権は安本に握られてしまつて、こうなつているのだけれども、一々お辞儀をしてやつて貰わなければならないし、又何かの資金のズレや何かでそれができないこともあろうし、縮減されることもあるというのであるか、あなたの方で、厚生省でこれだけ掴んでおられて、十分に目的に向かつて枠をおとりになつておるかどうかということです。
  41. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 大体枠としてこれが決まつたものと御了承願いたいと存じます。
  42. 井上なつゑ

    ○井上なつゑ君 ちよつお伺いいたしますが、この間の国会で補正予算が通過いたしましたときにも問題になつたのでございますが、結核対策のことでございますが、この前の予算のときにも結核対策として八千五百床殖やす、今もおつしやいましたようにこれについて十五億費用をとつている筈でございます。それからストレプトマイシンのための六億幾らの金をとつております。それでございますと、この前の補正予算のときの説明とちつとも変りないわけでございますが、今度厚生省でも結核予防法の改正もしたいと思うとおつしやつているのでございますが、その外に全面的り結核対策に対する補助を、これ以上とれないものでございますか、ちよつとお伺いいたします。
  43. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) この前の補正予算のとき、実はまだ私会計課長なつておりませんので、どういうことと当時の会計課長が申上げたか存じませんが、当時八千五百床の増床というのは、予算面として決まりましたのは、来年度予算でございまして、それ以前は單にその部局或いは厚生省としての意見を申上げた程度ではないかと存ずるのであります。そのときすでに補正予算というものに、数字となつて、これが予算なつてでておりますれば、これは今度のは何ら新らしいものではないと思います。尚結核予防法の改正のことがちよつと出ましたのでございますが、これはまだ国会の方へ提出して御審議を煩わす程にまで、現在関係各省との打合せができていない、こういう段階であるように私は聞いております。
  44. 井上なつゑ

    ○井上なつゑ君 只今の十五億、六億、これでございますと、結核予防法の改正をしなくても、現在の法律で行くわけでございますから、どうぞ……。もう一つ、公共事業費の中で、只今療養所の設備費ということで八千五百床、癩の療養所二千床ということでございますが、これは問題が少々細かくなつて恐縮でございますけれども、勿論増床に連て看護婦の寄宿舎り新設ということも計画の中にお入れになつていることと存じますが、実はこの間からして看護婦の問題とか何とかいうことで、厚生省関係の厚生施設としては、母子寮は非常によくできているのでございますけれども、御承知通りに若い看護婦のための寄宿舎ができておらないのでございます。これは大きな問題であると思うのでございますので、これは公共事業費の中に、増床に連れてどのくらいお入れになる予定になつておりますか、お分りでしたら承わりたいと思います。
  45. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これは病床が殖えるに伴いまして、当然それに伴つて増して然るべきものがあると思うのでございますけれども、ただ看護婦の寄宿舎が入つておりますかどうか、ちよつと私分りませんでございます。お調べてお答え申上げます。
  46. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外にございませんか。本日はこの程度で散会してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。本日はこれで散会いたします。    午後二時五十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事      谷口弥三郎君    委員            山下 義信君            姫井 伊介君            中平常太郎君            草葉 隆圓君            竹中 七郎君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            小杉 イ子君            穗積眞六郎君   政府委員    厚生事務官    (官房会計課    長)      太宰 博邦君    厚生事務官    (官房国立公園    部長)     飯島  稔君    引揚援護庁次長 宮崎 太一君