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1950-05-02 第7回国会 参議院 建設委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年五月二日(火曜日)    午前十一時一分開会   —————————————   委員の異動 五月一日委員今泉政喜君、安達良助君 辞任につき、その補欠として柴田政次 君、田方進君を議長において指名し た。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建築基準法案建設事業一般並びに国土その他諸計  画に関する調査の件 ○岡山地方法務局津山支局庁舎建設  に関する請願(第一三二九号) ○宮崎地方法務局延岡支局庁舎新築に  関する請願(第二〇八八号)   —————————————
  2. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 只今より建設委員会開会いたします。建築基準法案を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。  この際ちよつと御紹介いたします。全国市長会会長代理金刺不二太郎君から本委員会に陳情が参つております。   建築基準法案に関する件   目下貴院において御審議中の建築基準法案は、現在の複雑難澁市街地建築物法関係法令を集約統合して、諸手続きを簡略し、且つ事務中心市町村に置く事とし、これにより国民の便益は著しく増進せられ、住宅復興に資するのみならず、地方自治の精神に即してその確立を期する進歩的にして適切なる法案考え、特に住宅復興急務とする秋、本会としては速かにその確定を期待してやみません。  会期も幾何も無く御繁務の中でありますが、是非本国会において右法案が成立いたしますよう格別の御配意を願います。  尚、名古屋市長から「建築基準法通過に御盡力を請う」という電報が参つております。
  3. 石坂豊一

    石坂豊一君 昨日もちよつと質疑に合わせて意見を述べておいたのでありますが、新憲法実施以来、民主主義政治体系にあらゆる機構を改正するために、続々として法令の改廃が行われておるのであります。この建築基準法都市建設及び国民生活文化的傾向考慮して定められたものでありまして、これは最も国民生活に、殊に都会再建に対する重大な関係のある基本法と私共考えておるのであります。この法律につきましては、従来の建築制限であるとか、或いは区劃整理等に種々なる影響を来たしておるのでありますから、従来これに、旧法になずんでおつたものから見ますると一大変革であると考える。かような場合においては、この新法実施するために、突如として行われる各種のトラブルを成るべく少くして、この新法つまり恩惠と言おうか、利益と言おうか、法的権限をよく各関係者が理解するようにしなければならんと私共考える。で、つきましては、多年建設建築監督、その他指導に当つてつた多数の職員その他に対しても、或いは社会保障制度趣旨を加味しまして、それらの職務に多年忠勤を擢んでておつたそれらの職員に対して、一時にその職域を去らしめるというようなことのないように、建設省において相当注意を拂われることが当然だと思います。それについて昨日住宅局長からも親切な御答弁がありましたので、私共はそれを諒としておるのでありまするが、併し一面において、県庁において行われておつた監督を一時にこれを市町村に移すというような場合において、吏員のやり所等について、特にこの中央において本法を実施せられる責任を持たれる主務大臣が格段の注意を拂われることが必要と考えます。その点について相当の御用意あることと考えますけれども、尚我々はこの委員会を通じて、本会議においてもそれを反映し、更に広く国民に理解せしめる必要があると思いますから、一応この場合政府委員より答弁を願いたいのであります。
  4. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 現在都道府県建築行政を担当しております、建築監督主事と申しておりますが、その人達が担当しております仕事が一部市に、全面的ではありませんが、一部委讓される場合もあることとなるわけでありますので、その場合におきましては、現在この事務に当り多年この経験を有しておる方々を最も活用しなければなりませんし、その身分についても十分建設省としても考慮しなければならんと考えております、具体的に申しまして、市に移る場合の給與の問題とか恩給の継続の問題につきましては、運用においてできますことは実際の運用においていろいろ斡旋をいたしまして目的を果すようにいたしたいと思いますし、又一部法令改正を必要とする面もありますので、その点につきましては速やかに法令改正について考慮いたしたい、こう考えます。
  5. 久松定武

    久松定武君 私は防火地域の点についてお伺いしたいのですが、特に大都市においては防火地域というものが広範囲に亘つて指定されておりまするが、この耐火構造をすることを原則としておるいろいろの規定があるようでありますが、この建築を仮にいたすとしましても相当な費用を要する。これに対しては見返資金を使えるようになつておるのでありましようか。その点をお伺いしたいのですが……。
  6. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 耐火構造がこの法案によりまして強制されますのは、小さな建築物は別でございますが、一般建築物については、只今この防火地区指定しておりますのが、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、函館、これだけの七つの市の、主として中心部商業街路沿線というような所を指定しております。東京だけは特にそういう沿線だけでなく、もう少し広く指定せられております。これは終戰後拡張したものでございますが、この東京都の指定につきましては、この法案と睨み合せて、実際の指定は更に検討しなければならんと思つております。縮小すべきものは縮小し、加えるべきものは加えて行かなければならんと考えております。で、この場合に、見返資金をこの耐火建築をやる場合に融通できるかというお話でございますが、見返資金というふうに、直接そういう金の出所までは考えておりませんが、昨日実は衆議院でこの都市不燃化促進に関する決議がございましたが、この場合に建設大臣からも所見を申述べたのでございますが、国庫補助とか資金融通につきましては、この法案が成立いたしましたならば十分努力すると、こういうことを申上げております。具体的に申しまして、補助を出すということになりますと、これは国の予算に関係しますので、今年度はむずかしいのでございますが、来年度は建設省としては、是非補助を出すような途を開きたいと、こういうふうに考えております。それから補助もですが、この木造との差額の資金融通について考えることが一番急務だと思いますし、これについては預金部資金か、場合によつては見返資金とかいうものから出すように努力したいと思つております。現に最近の熱海の火災に伴いまして、あれは小都市ではありますけれども、この際に是非耐火建築を促進したいという意味で、甲種防火区域を早速指定をいたしまして、そうしてこの資金について只今預金部から出すようにいろいろ努力しておりまして、司令部と折衝しておるのでございます。非常にこの都市不燃化につきましては、関係方面でも相当同情ある御協力をして頂いておりますので、是非我々としても実現するようにいたしたいと考えております。
  7. 久松定武

    久松定武君 もう一つ伺いますが、今のお話ですと、東京都のごとき、防火地域というものは非常に広範囲に亘り過ぎておるような局長お話を承つたのでありますが、縮小するというお考えもあるのですか。これは今最も必要なのは、耐火建築をます厖大都市では作らなければならない、そういう時機において縮小するというお考えはどういう意味なんですか。
  8. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これはもう少し只今説明が足りませんでしたが、東京都の防火地域は根本的な方針としては、将来かくあるべしということで、相当終戰後経済力、資材なんかの関係から言いましても無理でありましたが、将来のことを考えまして非常に拡張したんです。併し実際の運営におきましては、そのうちのほんの一部、丸ノ内界隈だけを本則通り実施をしておりまして、その他の大部分というものは緩和地域と言つております。防火地域ではあるが、しばらく木造塗家つまり、ここで言います準防火地域制限をしておるのであります。看板防火地域であつて、実際やつておるものは準防火地域である、このことからして、それもこれは一つ行き方でありますが、今回はそういう看板と実質とは違うということは止めまして、看板通り実施したいと、こういうふうにいたしまして、バラックを認めないのであります。従つて現在やつておる、緩和しない本当の防火地域はそのまま今度は防火地域に乗り移ることは当然でございますが、その他の区域については、緩和しておる区域については、更に検討しませんと、そのままこれで行くということは、場所によつては強化し過ぎるという場合もあると思いますので、その点を検討してみたい、こういうことを申上げたのであります。結果としましては、防火地域は、東京については、縮小されるということはあり得る、その部分は準防火地域に乗り替るということがあり得ると思います。
  9. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 この建築主事資格検定委員というのがありますが、学識経験者建築上に関して経験のある……何かこれについてはどういう団体から出すとか、どういう方面から出すとかいう試案はあるのですか。
  10. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これについては、法案には具体的に書いておりませんが、特に建築に関して、或いは建築行政に関して深い経験のある方を選任いたしたいと思つております。広く民間から選任いたしたいと思つております。
  11. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 特定の団体を標準とするということはこれはないのですか。まあつまり建築学会とか何とか……。
  12. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 別に選任の母体を民間団体に求めるということまでは考えておりませんが、まあ勢いそういうところで候補者を出して貰うというようなことになると思つております。
  13. 久松定武

    久松定武君 もう一つ伺いたいのは、この本年度から進駐軍使用家屋というものを相当増築するようでありますが、新築するようでありまするが、これらの家屋というものはやはりこの規定が適用されるものでありましようか。関係ないのでございましようか。
  14. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) この法案は、国のものでありましても、公共団体のものでありましても、民間のものでありましても、一様に適用することになつております。この点は、従来はとかく国のものは実質的に適用しないことになつておりまして、非常に違反が多かつたのであります。これはもうどこの国でもやつていることでありますが、国はもう率先してやらなきや、この基準合つたようにやらなきやならんと思つております。従いまして今度進駐軍住宅、これは見返資金日本政府が建てるものでありますので、当然にこの規定は全部適用になります。
  15. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 これは昨日質問のあつたことですけれども、第五十五條建築物面積建築面積のことでございますね。これは前の法律と比較してどういうふうになつているか。参考のために詳しく御説明願いたい。
  16. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 五十五條は、現在は住宅地域、準工業地域工業地域、これは十分の六でございます。それから商業地域は十分の八でございます。今度変りましたのは、住居地域その他では十分の六に、別に九坪を加える、九坪の空地を加えるということに変るのでございます。それから商業地域では十分の七に変るのでございます。その代りこの防火地域内のこの耐火構造のものは十分の一を加える、こういうことになつておりますが、その面では変つておりません。
  17. 島田千壽

    島田千壽君 この法案国民が健康にして文化的生活を営むという見地に立つて考えますると、可なり進歩した法案であつて、これに対して我々は反対の意見を持たないけれども、併しながら一部修正なり、且つ又考慮を拂わなきやならん面があるかのように考えまするので、一応休憩をいたして頂きたい。そうして我々としても各会派の意見もありましようから、一応その方面をまとめてお願いしたいと思いますが、そこで一応審議はこの程度で打切つて休憩して頂きたいと思います。
  18. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 島田君の御意見に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 中川幸平

    委員長中川幸平君) じや異議なしと認めます。それでは午後二時まで休憩いたします。    午前十一時二十分休憩    ——————————     午後二時五十一分開会
  20. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 休憩前に引続き会議を開きます。建築基準法案について質疑を続けます。
  21. 久松定武

    久松定武君 建築基準法によりまして大幅に地方自治体建築行政が移譲されるようになりますが、これに関連する都市計画方面は、これはやはり大幅に移譲する意思政府にありますか、その点をお伺いしたいのです。
  22. 中田政美

    説明員中田政美君) 只今久松委員から御質問の点は非常に重大な御質問のように存じますが、御承知通り今回提案いたしました建築基準法都市計画法姉妹法律でありまして、都市計画法の背景とは表裏一体をなす関係にございます。従いまして、今後都市計画法検討に当りましては、勿論都市計画そのもの都市自治体に重大な関係がありますので、この点については十分検討を要する点があろうかと存じております。どの程度現行法より自治体の方へ移譲するかにつきましては今後十分研究をいたしまして、この法案との平仄が合うように調和が取れるようにいたしたいと考えております次第であります。
  23. 島田千壽

    島田千壽君 政府委員ちよつとお尋ねいたしたいのですが、この基準法実施するに当りまして、例えば従来取扱つてつた部門地方自治体に変つて来るので、その間の事務的取扱、その他の点について可なり輻湊された困難な事情が伴つて来るということが想像できるのでありますが、実施の時期等について相当余裕期間を置いてすべてそうしたいろいろ事務的な手続が完了されて準備ができて実施するというような含みなり用意なりが政府の方にあられるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
  24. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 只今お話のように、この建築基準法案の前身であります市街地建築物法案は三十年間都道府県においてこれを取扱つておりましたので、これを市の希望によつて市に移すという場合におきましては、この移り替りに伴う混乱のないように十分注意いたしたいと思つております。この法案によりましても市が建築主事を置いてこの事務を担当することができる、こうなつておりまして、そうでない場合には、都道府県建築主事を置いてこの事務取扱わなければならないと、都道府県に義務ずけておりまして、市の方には途を開いておるのでございますので、建設省としましては無理に市の方に早くこれを移すというような考は毛頭持つておりません。全くこれは市町村の自発的な考とよつてやるものと思つております。ただ建設省の方の考といたしましては、その間市に移す場合に十分その態勢ができるようになつてから扱うように、又市といたしましては、県と協議の上でこれを市に移すということを決めなければならない立場にありますので、その協議の際に十分余裕期間と申しますか、準備整つた上でこれを移すというふうにやりたいと考えております。
  25. 島田千壽

    島田千壽君 了承
  26. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 今までの質問で問題のあるところが分つたようでありますが、それで政府質問して置きたいのは、問題はやはり四十二條の二項の問題と、それから五十五條の問題だと思うのですが、これは政府でもいろいろ考えておるというような趣でありまするが、次の機会政府では何か修正でもしようという考はありますか。或いは何か別の項目を以て補うとか、問題を少くするような考慮を持つておられますか。
  27. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 四十二條と五十五條の問題でございまして、四十二條は、この建築物建築する場合に道路に接した敷地でなければ建てられないということになつておりまして、その道路というものはこういうものだということを四十二條規定しておるわけでございます。四十二條の問題につきましては、前に委員の方から御質疑があつたのでございますが、この法案におきましては大体四メートル以上のものが道路だというのが原則でございます。これは確か昭和十一年に市街地建築物法改正されまして、その前には九尺以上のものが道路であるとこうなつておりまして、それ以上広く必要とする場合には、別に建築線指定して四メートルに大体指導してやつていたのであります。昭和十一年に改正になりまして、四メートルを原則として、それ以下のものは道路と見ない、こういうことに改めたのであります。今回の提案におきましては四メートルの原則は従来通りに継承したわけでございます。ただ御質疑にありましたと通り現実市街地にはまだ古くからの九尺程度の道が可なり沢山ある。そこに現実に家が建つておるわけであります。それに面して家を新たに造つたり、改築したりする場合には、この四メートルということを原則だけで見ますと非常に無理な場合が起きて来る。それでここに大体四十二條の第二項に幅一・八メートル以上、つまり一間以上のものの既存の道路は両側に二メートルずつの後退した線、これを以てその道路境界線と見做す、つまり九尺の道でありますと二尺一寸引込んで建てればこれで道路と見做して家が建てられる、こういうことにしたのでございまして、この点につきましては現在市街地建築物法直接規定はございませんが、各都道府県の細則でこれと同じことをみな規定しております。それと同じことをやるのでありますので、これで新たにその制限を強化したということにもなりませんので、差支ないのではないかというふうに考えております。  それから五十五條の問題でございますが、これは今回制限を強化したわけでございます。この点につきましては、すでに内容の変つた点などにつきましては御説明申上げましたから、繰返して申上げませんが、この点は尚将来共実施いたしてみまして、無理があつた場合には改正することも必要と思いますが、只今のところではこの程度のことは建築基準法を決める以上はやる必要があるのじやないか、こういうふうに考えておる次第であります。
  28. 久松定武

    久松定武君 そうしますと、今の四十二條、五十五條規定に関連しまするが、この附則を見ると、実施が公布の日から三ヶ月乃至六ヶ月の後に施行される。そういう観点よりしまして、現在新築しつつある家とか六ヶ月後までに完成するという家に対してはこの法律は適用されない、そういうことでございますか。
  29. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 第三條の第三項によりまして、この法律や命令の施行のときに、現に模様替え、修繕その他建築の工事中のものは、その部分は適用しないということにいたしております。
  30. 島田千壽

    島田千壽君 実施の時期等について、先程も局長説明で大体了承できると思いますが、第一この五十五條の問題なんですが、これは我々が公平な見地から見まして、実に零細なるところの国民に対する苛酷な法案であつて、むしろ建築なすべからずと、かようなことにも解釈し得られると思う。第一、例えば三十坪の面積を十坪天引きするというような行き方は、どうも常識的に考えて見て面白くないと思います。そこで例えば、敷地面積の何割を残すんだというようなことに将来政府の方で責任を以て訂正をする意思があるというようなことがはつきり我々に認識できん限りは、どうもこの法案に対して全面的に賛成の意を表することが私は困難ではないかと思うのです。大体現在の国民経済の状態というものは、すでにもう政府委員も御存じのごとく、二進も三進もいかれないから、持たざるところの者に対して一軒の住宅でも当てがおうというのが、先般国会で以て結論を得ましたる住宅金融公庫の設置法案である。かようなことになつておるわけなんだから、前者の法案に比較対照してみて、あまりに零細国民に対する苛酷な法案であると私は言わざるを得ないと思う。そういうような点について、かなり大幅なるところの修正意思の表示がない限りは、どうも我々は納得し難いと思うのだが、この点に対して局長は如何なる考を持たれるのですか。一応お伺いしたいと思います。
  31. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) いろいろ御意見を伺いまして、御尤もな点も多々あると思いますので、この法案が通過いたしましても、施行までに相当猶予期間もございますから、その間に只今の御趣旨の点は十分研究いたしまして、成るべくその線に沿つて改正案考えて見たいと考えております。
  32. 島田千壽

    島田千壽君 責任を以て私の趣旨に副うべく考慮を拂うということに御訂正願えませんか。
  33. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 大体その趣旨のことを申上げたつもりでございますが、御承知通りこの法案作成については関係もございますから、この改正案を作成いたしまして、それの実現に努力することにつきましては、責任を以てここでお答え申上げておきます。(「了承」と呼ぶ者あり)
  34. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 別に御発言もなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 御異議ないと認めます。  それでは直ちに討論に入ります。御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明かにしてお述べを願いたいと思います。
  36. 島田千壽

    島田千壽君 私はこの建築基準法は、本当は国民が健康にして文化的生活を維持するに必要な法案であると深く信じて疑わん者です。併しながら法案実施の時期その他についていろいろ意見がありましたが、先程局長説明でこの点了承が一応できるのであります。同時に一部大幅な修正或いは訂正の面もあるのでありますけれども、総じて政府委員の御説明、御決意によつて了承ができまするので、さような点から本案に対しましては賛成意思を表するのもであります。
  37. 久松定武

    久松定武君 私も島田君の御説のように條件づきで賛成するものであります。それは今もお話がありましたように第四十二條、第五十五條は、本来ならばもつと検討さるべき問題であると私は思うのでありますが、政府本案の提出が甚だ怠慢で、僅か三日間にこれを検討せよというようなことでは、十分な我々は時間の余裕というものも持たない。元来ならば、このような重要な、殊に地方において非常な影響のある法案というものは、もつと検討さるべきものであると私は思うのでありまするが、今の政府の御趣旨によりまして大体了承いたしましたから、四十二條、五十五條のこの二つの條項の中の部分を近い機会修正して頂くことを條件として私はこれに賛成いたします。  尚もう一つ私の望むところは、この基準法がこの度都道府県から市町村事務に一任される、そうして又移譲に際しては事務上空白を生ずる虞れもありまするから、そういうことのないように、建設大臣都道府県の知事、市町村長の間に十分緊密な連絡を取つてこの問題を処理して頂きたい。これが私の希望であります。
  38. 石坂豊一

    石坂豊一君 私は我々同志同僚を代表しまして本案賛成を表するものであります。元来我が国の建築は、ずつと長い伝統を経まして、高尚なものにつきましては、一種の東洋趣味を持ち、特色を発揮しておりまするけれども、如何せん、主として木造を主として建設をいたしておりまするのと、且つ又交通機関関係上狭い道路に面してお互いに非常に接近して建築しておるというようなことで、到るところの都会が今日の文明国に比較して見ますと非常に見劣りがするのであります。然るところ不幸にして戰敗になりまして、戰争中多くの都会が燒野原となりました。このときにおいて都会を再建するのに絶好の、不幸を転じて幸いとする絶好機会でありまするから、相当基準を定めまして将来我々の子孫に対して恥かしからざるところの準備を進めておくということは必要と考えるのであるます。この基準法はその点から申しますと大切なる法案であつて、我々は今後有形的文化都会において建設するというのには最も必要なものと考えるのであります。如何せん、長い間の法制がこの基準法と撞着するような点もありまするし、殊に中央集権的の制度が一朝にして民主主義に変りましたために、法律の定める結果非常な変革を来たしますために国民に迷惑を與え、又多年その事務に従事しておつたものに対して誠に手違いを来たさしめておる点が甚だ多いのであります。我々はその点から考えまして、これを憂えて政府にも質疑をしたのでありますが、政府においてこの点を相当調和を取り、而して本建設基準法の目的とするところに十分の注意を以て実施するという言質を信用しまして、本法律案の本旨が首尾よく完成して都会再建に役立つようにしたいという趣旨を以ちまして本案賛成を表するものであります。
  39. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 本案は大体進歩的な方向を取つておるというので、概括的に賛成いたすわけでありまするが、先程も同僚委員が言つたようにいろいろの問題があり、そうして政府もやつた上で諸般の事情を見て修正したいという意向があるようでありますが、その点において私共も同感でありまするが、若し政府修正というものができないような場合には、これは議院としても修正したいということを皆さん同僚議員にお願いしてこの案に賛成したいと思います。それから附け加えまして、やはり従来建築関係法律と新しいものの運営について、都道府県市町村との間にいろいろの人的交流があると思います。この点は政府の御説明によりますと、どんどん人が殖えるのだから失業とかいうようなものはなかろうというようなお話でありますが、併し複雑な事情の世の中でなかなか政府のおつしやる通りになるかならないか心配いたしております。この点は特段に政府でも御注意つて市町村の方にも気をつけてやつて貰う、さような希望を附け加えまして賛成いたしたいと思います。
  40. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。建築基準法案について採決いたします。本法案を原案通り可決することに賛成の方の挙手をお願いいたします。
  42. 久松定武

    久松定武君 希望を付けないと……。
  43. 中川幸平

    委員長中川幸平君) むろん希望付きです。
  44. 島田千壽

    島田千壽君 局長責任をとると言うのだから……。    〔総員挙手〕
  45. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 全会一致、可決されました。  尚本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    岩崎正三郎   島田 千壽    石坂 豊一   大隅 憲二    柴田 政次   久松 定武
  47. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 署名洩れはございませんか。……署名洩れはないと認めます。   —————————————
  48. 中川幸平

    委員長中川幸平君) それからちよつとお諮りいたしますが、昨年十二月三日以来調査いたしておりました建設事業一般並びに国土その他諸計画に関する調査の未了報告書を提出いたすのでありまするが、その内容を委員長に御一任下さることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 異議ないと認めます。それではこれにも御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    岩崎正三郎   島田 千壽    石坂 豊一   大隅 憲二    柴田 政次   久松 定武  これで付託の議案は全部議了されました。   —————————————
  50. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 次に請願、陳情も今日の公報に載つております三件だけありますが、それを如何ようにいたしますか。三件残つておりますが、一つ解決して頂きたいと思います。
  51. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 この請願は緊急に決定しなければならんというものもないように私は思うのでございますが、今日はどうですか……。
  52. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 二と三につきまして法制意見第一局長がお見えになつておりますから、ちよつと説明を聴いておきましよう。  それでは請願一千三百二十九号、岡山地方法務局津山支局庁舎建設に関する請願請願二千八十八号、宮崎地方法務局延岡支局庁舎新築に関する請願、この二件を一括議題といたします。法制意見第一局長
  53. 岡咲恕一

    政府委員(岡咲恕一君) 只今議題になりました岡山地方法務局津山支局庁舎建設工事促進の請願に対するお答えを申上げます。法務局及び地方法務局並びにその支局の庁舎は、その発足当初の昭和二十二年度においてこれを建設すべきものでございましたが、国家財政の実情その他の事情によりましてその実現を見ませんで、昭和二十三年度及び昭和二十四年度において若干の庁を建設することができるに止まりまして、大部分はまだ裁判所庁舎の一部を使用している現状でございます。然るに法務局及び地方法務局の取扱事務はその後ますます多きを加えて参りまして、国民の皆様に非常な御不便をかけておる点もございまして、庁舎の建設は極めて焦眉の問題となつておるのでございます。当局といたしましては、その解決に種々考慮を拂つておる次第でありまして、陳情の岡山地方法務局津山支局庁舎建設につきましても、昭和二十五年度において若干考慮できる見通しがつきましたので、昭和二十五年度におきまして是非これを実現いたしたい所存でございます。  次に宮崎地方法務局延岡支局庁舎建設についての請願でございまするが、御趣旨は誠に御尤もでございまして、何分予算を伴うことでございまするので、延び延びになつておりましたが、近い将来に支局庁舎建設に着手できるであろうという見通しを持つておる次第でございます。
  54. 中川幸平

    委員長中川幸平君) どうです、これ二件。    〔〔採択」と呼ぶ者あり〕
  55. 中川幸平

    委員長中川幸平君) それでは採択と決定いたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼び者あり〕
  56. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 御異議ないものと認めてさよう決定いたします。あとまだ一件ありまするが、都市局長も見えておりませんから、それでは暫時休憩いたします。    午後三時二十二分休憩    ——————————    午後四時五十九分開会
  57. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 休憩前に引続き会議を開きます。  本日は都合によりこの程度で散会いたします。    午後五時散会  出席者は左の通り。    委員長     中川 幸平君    理事      岩崎正三郎君    委員            島田 千壽君            石坂 豊一君            大隅 憲二君            柴田 政次君            久松 定武君   政府委員    検     事    (法制意見第一    局長)     岡咲 恕一君    建設事務官    (住宅局長)  伊東 五郎君    建設事務官    (都市局長)  八嶋 三郎君   説明員    建設事務次官  中田 政美君