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1950-02-11 第7回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十一日(土曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   委員長補欠 二月八日石坂豊一委員長辞任につ き、その補欠として中川幸平君を議長 において委員長に指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設事業一般並びに国土その他諸計  画に関する調査の件  (建設省関係予算に関する件)   —————————————
  2. 中川幸平

    委員長中川幸平君) それではこれから建設委員会を開会いたします。
  3. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 簡單に二十五年度建設省予算につきまして御説明申上げます。お手許に配付いたしましたのは二十五年度一般会計予算の中に載つております各項目建設省分を移しまして便宜御配付申上げたわけであります。尚建設省関係予算につきましては、この外に行政部費公共事業事務費終戰処理費物調費、こういうものがございますがこれは事務費的なものでございまして、これについては資料を差上げておりません。これは概計予算の方で御覽願いたいと思いますが、その内容を簡單に御説明申上げたいと思います。  先ず事務費の方でございますが、建設省予算は二十五年度におきまして、十六億九千五百万円余りに相成つております。これは二十四年度に比較いたしますと、約二億九千四百万円の減に相成つておるのでございます。この減に相成りました理由といたしましては、他の省と共通の問題としまして昨年度、二十四年度に行われました行政整理に伴う人件費の減及び行政整理の際の退職金等を今年度はそれ程多く計上する必要がなかつた、こういう理由もあります外に、二十四年度までは住宅局でやつております、庶民賃貸住宅のための資材を国で一括して購入いたしまして、これを地方団体に売却しておる、こういう手続きをやつておりましたが、資材事情が緩和されましたので、この費用を二十五年度から計上いたさないことにいたしましたので、その分が大きな減と相成つておるのでございます。これを費目別に申上げますと、行政部費におきましては、二十五年度が六億一千八百万円、公共事業費が十億三千九百万円、物調費が九百七十四万円、終戰処理費が二千八百四十万円、こういうことに相成つておるのでございます。御承知通り行政部費は、建設省関係事務費でございますが、地方建設局と、北海道土木部人件費公共事業事務費に相成つておるのでございます。これは前年度と同様でございます。  次に公共事業費事業費につきして申上げたいと思います。これはお手許にお配りいたしました資料で御覽願いたいと思います。これは前年度同様経済安定本部の方に一括計上なつておるのでございますが、昭和二十四年度におきましては、公共事業費五百億というふうに一括して計上になつたのでございますが、本年度におきましてはこれを目まで明記いたしまして最初に掲記されておるわけでございます。お手許いお配りいたしましたのは、建設省関係の分だけでございます。御承知通り公共事業費総額は九百九十億になつておりまして、このうち先程も建設省についても申しました事務費でございますが、これが各省合せまして、約二十億残りました九百七十億が公共事業費事業費でございます。九百七十億うち五百億が一般公共事業費、四百七十億が災害復旧公共事業費、かように相成つておるのでございます。その四百七十億の災害復旧費のうち百億が二十五年度発生の災害に引当てまして、これにつきましては予備費的な使い方に相成ろうかと存じます。従いまして災害復旧予算としましては、各省を通じまして三百七十億ということに相成るわけでございます。この公共事業費九百七十億のうちにおきまして、建設省に二十五年度移し替えるべき金額につきましては五百十二億四千四百万円ございます。総額の五八・九%が建設省において使用いたすということに相成つておるのでございます。  次に建設省で使用することになりますところの公共事業費につきましてお手許にお配りしました数字によりまして簡單に御説明申上げます。建設省所管に相成るものとしましては河川事業費砂防事業費道路事業費都市計画事業費住宅施設費官庁営繕費の一部、これは一般公共事業の分でございます。災害復旧公共事業費におきましては河川災害復旧事業費道路災害復旧事業費都市災害復旧事業費、それから官庁建物其他災害復旧費、かように相成るわけでございます。河川事業費でございますが、これも内容的に申しますと昨年度と同じような趣旨のものでありますから、細かい説明は省略いたしたいと存じますが、二十五年度として新規に入りましたのは河川事業費の一番あとに出ておりますところの海岸堤防修築費補助であります。その他前々からいろいろこういつた費目について説明しております項目に比較いたしまして、二十五年度項目は非常に少いように見えるわけでありますが、これは概括的な項目を使用いたしましたので、一つ項目の中に従来は三つ、四つに分れておつたものを一まとめにしておるという性質のものがございます。例えば河川事業調査費という項目がありませんが、これは直轄調査費もこのうちに含まれておりますし、府県補助して調査する分もこれに入つております。こういつたような概括的な項目でございまして、これを実際に安定本部から移し替えてやる場合におきましてはほぼ二十四年度と同様な各項目に区分いたしまして使用いたすわけであります。次は砂防事業費でございますが、本年度、二十五年度は十八億計上に相成つております。二十四年度と比較しますと十一億の増額に相成つております。次は道路でございますが、これは前年度が五十億でございまして今年度は五十一億、殆ど前年度と変りない状態でございます。都市計画事業におきましては、二十四年度の十八億が、二十五年度におきましては二十一億ということに相成つております。住宅施設費でございますが、これは総額が三十六億円でございます。そのうち建設省分としましては三十一億でございますから、お手許資料の方には三十一億だけ計上いたしております。省略いたしております。この三十一億が前年度に引続きまして、府県等をしまして戰災庶民賃貸住宅を建設せしめる予算でございまして、これは專用住宅も含めまして約二万七千戸の新規住宅を供給いたしたい、かように考えている予算でございます。次に官庁営繕費でございますが、これは総額が十三億でございます。そのうち八億二千四百万円だけが建設省所管で、管理局営繕費で施行いたすこといなつておりますので、その分だけそこに省略いたしたわけであります。次に災害復旧公共事業費でありますが、これはもう前年度と同様な費目の分け方でございます。ただ災害復旧土木費補助というのが二百三十五億ございますが、この項目も一括しておりますので、これは従来の道府県土木費補助の中に、地盤変動対策事業費補助、こういつたものも加えた金額でありまして、これも今申しました二つに分けて見ますと、道府県災害復旧費補助は二百二十八億三千万円、地盤変動対策事業費補助は七億円、こういうふうになつております。それを総括いたしまして、災害復旧土木費補助として計上しているわけでございます。  あとは従来と同様の項目でございまして、いずれも金額におきましては殖えているわけでございます。詳細につきましては、御質問があれば政府委員の方から御説明があるかと存じますが、概括的に簡單に、これで御説明を終ることにいたします。
  4. 赤木正雄

    赤木正雄君 今日は大臣が見えておりませんが、この前大臣に、私質問かたがたお願いしたのです。それは折角建設省に立派な技官がお出でになつております、技官がありながら政府委員になさらんということは非常に穏当を欠く、少くとも技術上の元締として、法律問題は無論その他の問題に関しても、技官はやはり国会と密接な関係をおとりになる必要もありますから、どうしても技官政府委員になられるのが本当だ、現に初代の技官においても二代目の技官においても技官政府委員であつたのです。そういう観点からして、どうしても政府委員なつてほしい、又なられるべきが本当だということを申したのですが、今以て政府委員なつておられませんが、これは一つ政府の方々からして、特にそういう発言があつたということを強く大臣におつしやつて頂きたい。そうして貰わなければ不合理だと思います。
  5. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今赤木委員お話につきましては答弁申上げる必要もないかと思います。国会に対して政府委員の申請をするわけでありますが、従来も技官が当初は政府委員なつていない場合も多いわけであります。審議との関連において政府委員が段々と追加されるのじやないかと考えておりますので、御趣旨の点は省の人にも申上げまして善処いたしたいと思います。
  6. 久松定武

    久松定武君 この間建設次官から承わつたのですが、全国特定十地区の開発調査費というものが確か河川事業調査費に入つておると思いましたが、その金額千二百万円ですがその内訳はどうなつておりますか。
  7. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 特定地域綜合開発調査費は千二百万円ということははつきりと決つたわけでもございませんが、まあ大体そういつた点に決まるのじやないか、これも項目整理のために只今お説のように河川調査費の中に入れております。この内訳につきましてはまだはつきりした結論を得ていないのでありまして、二十四年度におきましては十地域を対象としておつたのでありますが、二十五年度におきましては若干それよりも殖やすという議もございますけれども、まだ結論には到達しておりません。
  8. 久松定武

    久松定武君 二十四年度内訳はどうなつておりますか。
  9. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 私その方を直接担当しておりませんので、或いは違うかも知れんと思いますが、そのときには又訂正の機会をお許し願いたいと思いますが、私資料で知つておる範囲におきましては、二十四年度では十地域でございまして、北海道の石狩、福島、新潟に亘ります奥会津、それから東京都の伊豆島嶼、それから石川県の能登、愛知県の東三河、奈良、和歌山に亘ります吉野、熊野、島根、鳥取、岡山に亘ります島根、大山、高知、愛媛に亘ります四国西岸、熊本、大分に亘ります阿蘇、鹿児島、宮崎に亘ります南九州これで十であります。
  10. 久松定武

    久松定武君 その金額は各地域別に分りますか。
  11. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) これは、配分金額ははつきりしたことを覚えておりませんが、実はこの予算配分につきましてもまだ決まつていない。問題としましては、二十四年度までは特定地域特定地域と申しましても総合開発でありますので、特定地域だけ調査補助金を出すのでなくて、各府県にも或る程度出しておるわけであります。二十五年度におきましては特定地域に重点して補助金を出して参りますか、或いは昨年度同様全国の各府県に少額ずつでも分けるかこういう点に問題があるわけであります。特定地域に分けました金額只今はつきり覚えておりませんが、事業調査費になりまして、百万円前後、補助金でその半額だつたと思います。この程度しか記憶ございません。これは取調べまして別の機会に申上げます。
  12. 久松定武

    久松定武君 そうすると本年度、二十五年度は分らないわけですね。
  13. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 二十五年度は分らないのですが、金額は昨年は八百万円でございました。それに比較しまして大して殖える当てはありません。調査費としては大して多くを期待することはできないと思います。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 直轄河川統制事業費、それから河水統制事業費補助とありますが、これはどこどこの仕事をなさるか、若し今分つていなければこの次の機会にお教え願いたいと思います。
  15. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 直轄の方は例の二百の河川統制を一ヶ所やつております。それから河川統制補助はすでにやつておりますやつが、小丸川、銅山川、大野川、三面川であります。更に本年度がこれに四、五本、四本ぐらい追加になるのじやないかというふうに考えております。
  16. 赤木正雄

    赤木正雄君 直轄ならざる場合には全額国営でありますか、或いはその中に三分の一の地方費が入つて来るのであります。
  17. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 河川統制は御承知通りに四分の一の補助を、直轄の場合には三分の二が国庫で三分の一が地方費と相成つておるのでありまするが、これでは非常に均衡が取れませんで琵琶湖の場合には特別な負担割合をやつておるわけであります。四分の一が国庫で四分の三が地方であります。
  18. 赤木正雄

    赤木正雄君 中小河川とか、災害防除費は出ておりませんが、これは恐らく河川改修費の中に入つていることと思いますが、この河川改修費の中でどういうふうな仕事はどうとかどういうふうな中小河川はどうとか、内訳が分つていなければこの次に、分つていれば今……。
  19. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 今お渡ししました表が今までのやり方の費目に直して見たわけであります。大体これの方が今までの慣習上分りいいことになつております。それを安本、大蔵省の方では成るべく費目が多いから整理した方がいいじやないかということで予算の方は整理されて載つかつております。実際は今お渡しした表で実施しておるのであります。
  20. 久松定武

    久松定武君 今度出ました中の項目海岸堤防修築費というのは補助費ですか、これはどちらの地域です。
  21. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) これは例の海岸堤防が今までは地主がありまして、地主がこの海岸堤防維持をやつておつたのが大部分であります。例の九州方面では有明海の沿岸と或いは瀬戸内の山口県の海岸というような例が大部分ですが、それが特に終戰後になりますると地主が零細な農民の手に移りましてなかなか維持管理ができないというようなことでこれは何とか救わなければならんということになりまして、大体この管理を大部分県管理に移したわけであります。海岸線堤防は国が助成すべきだということでこの予算を取つたのであります。
  22. 赤木正雄

    赤木正雄君 只今問題になつております海岸堤防補助率はどういうふうになりますか。
  23. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 大体二分の一であります。これは中小河川と同じような補助率で行きたいと思つております。
  24. 赤木正雄

    赤木正雄君 国立公園の問題は厚生省に属しておりますが、併し実際御承知通り事業はされておる、そこで国立公園に関連してこの建設省としてなさるべき仕事が沢山にありますが、道路方面は別といたしまして河川方面国立公園に関連してなされるような仕事はされておりましようか。
  25. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 国立公園河川関係といいますると、御承知通り河川は非常に荒廃しまして積極的に風致保存というところまでは手が廻らないのでありまするが、併し国立公園地域内におきましては山地の崩壊、禿山などというものが現われて来ますると、風致保存相当影響がありまするので、砂防方面におきましてその辺のところを考えて行きたいというふうに考えております。実際その大河川或いは中小河川において国立公園地内において仕事をやるというのは今のところは手が廻りかねておるという意味であります。
  26. 久松定武

    久松定武君 この細目をみますと、地盤変動対策費補助というのが出ておりますが、これはどちらの地方なんですか。
  27. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) これは例の南海震災以後の四国大阪方面それから名古屋方面までも及んでおりますが、地盤沈下による海岸堤防、主として堤防でありますが、これが崩壊したという……。
  28. 久松定武

    久松定武君 中心としては南海地震淀川地震を大別しますとどれくらいの内訳になりますか。
  29. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 淀川といいますか、淀川の河口とそれから大阪の附近のあの辺の海岸堤防というのと、もう一つ比較的大きいのは名古屋地震があるようです。これは戰争中名古屋地方地盤沈下というのが金額は分りませんが大部分南海地震以後のものとこう考えております。
  30. 久松定武

    久松定武君 この明細は分りますか。
  31. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 明細は分りますが……。
  32. 久松定武

    久松定武君 南海地震金額だけでもちよつと。
  33. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 今調べて全体の地盤変動について申上げますと四十八億万円ばかりあるのです。そのうち今まで支出したものを除きまして、残りが来年度以降が三十五億ばかり、そのうちのまあ内訳は大部分南海方面に属しております。
  34. 赤木正雄

    赤木正雄君 直轄河川或いは直轄砂防費用は御承知通りに一年二年で終るべきものでありません。従つて一つ河川に対して相当の額を計上して何年かの継続事業に俟つべきものでありますが、最近は御承知通りに年々予算を新らしく取つておる。こういう情勢で恐らく事務当局もこれは非常にお困りと思いますが、これを継続予算は現下の情勢として確保できないのですか、どういうような情勢なつているのですか。
  35. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 我々も継続事業は望ましいのでありまして、実は本年度はまあまあ今のような将来の見通しも不安定であるというようなことからして、継続事業はなかなか通らなかつたのでありますが、これが経済状態が安定して参りまして将来の見通しがつくようなことはなりますれば、我々は来年度からでもこれを要求したいというふうに考えております。もうこういうふうな大事業継続事業でしなければいかんというように事務当局の方では考えておりますが、まあ将来の経済安定の状況如何ということにかかつておるのではないかというふうに考えておりますが、これは国会の方でもこの辺のところは十分慎重に御考慮願いまして、我々の希望が到達されるように願いたいと考えております。
  36. 久松定武

    久松定武君 今の赤木委員の御質問に関連いたしますが、来年度予算を編成しましたときのこの事業費というものは、来年度よりも多少上るものとの計算の下に予算を作られてのでしようか。
  37. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 二十五年度予算編成ですが、来年度見通し如何というような問題ですが、我々としては一応現在の基準で予算を編成して行つて、まあその程度においてやつて行きたいとこういう考え方で、これが見通しは上るか下るかという問題になりますが、その辺のところは事業量において、その時機が到達すれば事業量を縮小するなり或いは増加するなりで行きたいとこう考えております。で御承知通りに我々の方では十ヶ年計画というようなものを立てておりまして、この線に乗つて行きたいというのは理想であるのですが、何するといつても二十四年度事業量というものは非常に少いので十ヶ年計画に沿うことができなかつたのです。来年度はまあ一応要求河川だけ申しますと、中小河川なんかを申しましても、要求五百億のうちまあ百七十億というから約五分の一程度でありますが、それにいたしましても十ヶ年が三十ヶ年くらいにすれば、この十ヶ年計画が或る程度線に乗れるのではないかという見通しは多少ついておりまするので、この十ヶ年計画の線に沿つて来年は実施して行きたい。で物価の変動によりまするものは、その事業量の増大或いは縮小によつてカバーして行きたい、こういうふうに考えております。
  38. 安部定

    安部定君 直轄河川の七十三河川というのは昨年度と同じ程度でありますか。増減がありますか。
  39. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) この内訳はまあ七十三河川程度でありましてまだはつきりいたしておらないのですが、大体昨年ここでいろいろ議論されまして問題になりました例の直轄河川府県委讓するということでいろいろ一年揉んで見ましたが、その地方委讓した河川を再び又直轄に戻さなければならんという河川が二本ばかり現われました。これはまあ事情止むを得ないものとして又直轄に戻したいと考えております。それから新河川はまあ一本かそこらを取上げて行きたいと目下考慮中であります。この程度で他は変つておりません。
  40. 安部定

    安部定君 昨年度の分で二本戻すというのでございますね。昨年度六本程中止とあつたように思うのですが、その休止ですか中止ですか、それはそのままでございますか。
  41. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 中止河川は二本ありましたが、四本のうちで二本が中止ですが、その中止河川は結局一年間調査をしました結果、調査施行方針が決まりましたからこれは中止でなく復活いたしまして着工いたしたいという考えであります。
  42. 安部定

    安部定君 四本のうち二本を戻すのですね。
  43. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 四本のうち二本が中止、復活ですから、二本だけ結局委讓したというわけです。
  44. 安部定

    安部定君 二本だけ府県委讓を続けるのですか。
  45. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) はあ続けるのです。
  46. 安部定

    安部定君 その二本の府県委讓というのは完全に県に委讓いたしましたか。或いは事業建設省、あなたの方でおやりになるのですか。
  47. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 現在の形はまだ府県委讓といいましても、二十四年度におきましてはそう金を府県につけておりません。従つて現在は一応来年度から完全に府県の手に渡る準備をいたしております。その間或いは現在の直轄の方に委託を受けておるというような形をとつておるところもあります。この永年やつて参りました直轄府県委讓する事務的な非常な複雑さもありますので、相当時間を要するもので来年度の四月からはつきりして参ると思うのであります。
  48. 安部定

    安部定君 更に続いてお尋ねしますが、昨年度はまあ整理して行こうということであつたときに、いろいろあなたの方の御事情も伺つたわけですが、二本を中止しておつたのは戻し、それから更に二本を府県委讓の分からも復活するということで、まあ六分の四だけ戻つて来るのですが、それは昨年度やろうと思いました委讓が元へ戻つたからですか。別に理由があるのでございますか。
  49. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 理由といたしましては、実際の形は理想といたしましてはできるだけ地方自治の尊重というわけで、地方自治体の力をつけて行き、地方が積極的に河川改修をやるような形に持つて行くことが理想なのでありますが、現在の財政上殊に地方財政上から考えて、なかなか委讓を受けてこれが遂行を計るには財政の点からいいましても非常に困るという実情なんであります。理想と実際とは非常にかけ離れておるというような現状であります。もう一つ地方民地方自治体に対する信頼の度と、国に対する信頼の度というものが非常に違つておるので、実際は自治体に対して相当信頼をすべきに拘わらず、そういうふうな形が現れて来るだろうと我々は考えておつたのでありまするが、それとは反対に中央に対する信頼の度が相当厚いどういうことから地方民はどうしても直轄の方にやつてくれという声が強いのであります。この辺も昨年の見通しと実際経験した結果とは非常に差があるということを発見いたしましたような次第であります。
  50. 安部定

    安部定君 只今の御説明で分りましたが、私はそういうことを昨年申したわけでありますが、なかなか只今御周到な御答弁で恐縮に思います。理想としてはというお言葉でしたからやはりそういうお考えは持つておられる。併し一年やつてみてやはり地方民地方自治体よりも中央に非常に信頼しておるということが分つたというお話でしたが、そうしますと昨年度のあなたの方の意気込として、逐次これを拡大して行くというようなお考えであるたように御答弁もあつたように思うのですが、取敢ずその理想になかなか遠いから方針はとにかく変える、こういうことなんでございますね。昨年度、二十四年度にお考えなつておられた、大体本年六本程こういうふうにやつて、そのまま縮小して行く考えである、尚地方の各府県土木当局相当技術も進んだのであるからそれにやらして結構行けるのであるというお話であつたので、これは單に信頼の問題とは言い切れない、非常な技術の進歩を挙げられておられるんですけれども、従つて今後この線を拡張して行くというように私共伺つていたのですけれども、取敢ず只今の御答弁通り、一応要するに二十四年の方針を変えられたことになりますね。かように承知いたしていいですか。
  51. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 実はその問題は非常に重大な問題でして、今河川だけ考え理想の形に持つて行こうとしたことが実際とは合わなかつたということなんでありまして、地方自治体の今後のあり方というようなことが今目下委員会で審議されて研究中でありますが、これがはつきりいたしますればその線に副つて行きたいと考えております。それが完全にできない以上は我々としては現在考えおりまする、先程申上げました中央財政的にも信頼があるという地方民の声を尊重して行くのが本当であろうと考えております。併しながら若し地方自治の形が財政的にも制度的にも立ち変るということになりますれば、我々の方ではこれに副つて河川法改正というような問題も起りましようと考えております。そのときまでは現状のような先程申上げた考え方で進んで参りたいと考えております。
  52. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の問題からしましてこれは河川法改正になりますが、一体河川というものをこんなあり方でいいかという非常に大きな問題です。これにつきましては私は委員会として皆さんお集りのときにどういうふうに日本の河川を持つて行つたらいいか、場合によつては政府委員以外のお方の專門家の御意見を聞いてもいい。現にこの間農林委員会で大学の先生なんか呼んで非常にいい話を聞きました。ああいうこともありますからして、この委員会として将来日本の河川をどういうふうに持つて行くか、これを実は一応研究する機会委員長の方でお作り願いたいと思う。
  53. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 結構ですね。それから先程のお話継続事業の方に、一年々々でそんなものは進むわけじやないのだから、それらの点についてもこれは非常に委員会としても……。
  54. 赤木正雄

    赤木正雄君 でありますからそれは先ず以てこの委員会でやつぱり審議して、そうして政府委員の方も来て頂いてよく検討したい。そう考えます。
  55. 久松定武

    久松定武君 災害復旧費についてお伺いします。全額国庫補助の対象は河川道路の外どういつたものがありますか。もう一つは全額補助に関する法律が建設省から提出とならなかつた理由、この二つをお伺いしたい。
  56. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 全額補助の問題は非常に困難な問題でありまして、今の範囲をどうするかということが先ず第一番に議論があるので、それで我々の立場から申上げますると、農林省関係とは別である、公共性の程度からいつても相当強いフアクターがあるので、我々に関する公共支出に対しては、全額である場合は農林省関係の他の事業はこれと違つた行き方をとつて貰いたいという希望は多分に持つておるのでありますが、その辺のところがなかなか複雑なのであります。そこで、いずれこれは法律案が提出されると思いますが、その辺のところが結局議論の中心になるのではないかと我々は想像しております。で、今のところは、原案の気持は公共性の強い、而も地方公共団体が施行しておる範囲というふうに考えておるようでありまするが、その線をどこまでにするかというようなことは、なかなか今後の委員会の審議に俟つ点が多いと思います。それからどうして建設省がこれを出さなかつたかと申しますのは、そういう点におきましてはそれは各省に共通したものである、我々のところだけが全額になるということの線がはつきりいたしますれば、我々のところで予算、法律案を出すべきだとおもいますが、その辺のところがなかなかはつきりいたしません。勿論我々のところ以外に、例えば港湾というような問題も当然公共性の点からいつても強いフアクターを持つておりますから、やはり各省共通の法案といたしまして、今のところは地方自治庁が、地方財政の見地からこれをまとめて出そうというような話合になつておるのであります。
  57. 久松定武

    久松定武君 そうすると今のところでは河川道路の外は何々ということは確定してないわけですか。
  58. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 今のところはまだはつきりいたしておりません。
  59. 久松定武

    久松定武君 この間の建設次官お話にありましたが、二十五年度災害に対しては全額国庫負担をやるという予定だつたというお話でありましたが、どうして二十五年度に限つてそういう全額国庫負担ということになつたのですか。
  60. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) ちよつと速記を止めて頂きたいのですが……。
  61. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  62. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     中川 幸平君    理事            仲子  隆君            赤木 正雄君            岩崎正三郎君    委員            堀  末治君            安部  定君            久松 定武君  政府委員    建設事務官    (大臣官房会計    課長)     植田 俊雄君    建 設 技 官    (河川局長)  目黒 清雄君