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1950-02-07 第7回国会 参議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月七日(火曜日)    午後一時三十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠互選の件 ○小委員会設置の件 ○建設事業一般並びに国土その他諸計  画に関する調査の件  (昭和二十五年度公共事業費及び見  返資金等に関する件)   —————————————
  2. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それではこれから本日の建設委員会を開会いたします。公報によつてお示しいたして置きました通り、二十五年度公共事業費及び見返資金についての説明を聽取いたします。それから小委員会の件と理事補欠互選の件とこうなつておりますが、公式にいたしますか。理事補欠差当り二名を補欠したいと思いますが、御異議ございませんか。
  3. 中川幸平

    中川幸平君 理事補欠選挙成規の手続を省略して委員長の指名に一任したいと思います。
  4. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 中川君の提議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは委員長より指名いたします。赤木正雄君、岩崎正三郎君このお二人にお願いいたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  6. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 次に小委員設置の件でありまするが、これは先の打合会においてほぼ決定いたしておつたのでありますが、これは主として請願陳情の処理をするために設けたいと考えておるのであります。本件についてその員数及び入選等を如何にいたしますか。
  7. 中川幸平

    中川幸平君 先だつて委員会にその話はありましたけれども、併しこの委員会の法案の数も多くないし、請願陳情及びもう一つ四国災害調査の小委員というような話もありましたけれども、やはりこの小委員会をせないで、これを全員でやつた方が却つてよいことではないかという考えを持つているのです。先だつて我々委員も少かつたので、もう一遍相当集まつたときに相談して見ることにしたらどうかと思います。
  8. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) その点はさように皆考えておりますけれども、小委員を設置するということは、なかなか定員を得難いために、それで便宜上小委員を設置して請願陳情を処理するようにすれば、建設事業の大綱というものをこちらで定め得るものと考えて、設置することにほぼ同意を得ておるのです。そのことは只今決めなければならんということもないのですけれども……
  9. 中川幸平

    中川幸平君 決めなければならんということもないじやないですか。
  10. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 その件は次の委員会に廻して決定する、さように願つて置きたいと思います。
  11. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 次回に廻すということに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) そういうことにいたします。   —————————————
  13. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは本日の主たる議題の昭和二十五年度公共事業費及び見返資金についての説明を聽取することにいたします。政府より御説明を願います。
  14. 高野與作

    政府委員高野與作君) それでは昭和二十五年度公共事業費予算につきまして概略を御説明申上げます。お手許に資料を差上げてありますが、昭和二十五年度昭和二十四年度公共事業費比較表というのを差上げてありますが、今年度予算合計九百七十億であります。昨年度当初予算五百億と追加予算を加えまして、六百六億六千万円、本年度は昨年に比しまして約六割くらい殖えているということになります。それから一般会計のうちに公共事業費の占める比率を勘定してみますと、昨年度は約八・二%、今年度は一四・七%、結果から見まして昨年度よりも相当公共事業費は増額されて、一般会計に占める重要さが加わつて参つていることになるわけであります。  そこで二十五年度予算の極く特徴的なことを申上げますと、先ず第一に今まで公共事業費というものは部款項一つでありまして、非常に国会へ提出いたしましてもその内容が非民主的な予算制度であつたのでありますが、今年度部款項はつきり区分いたしまして、提出いたしましたことは非常な今年度予算変つた点ではないかと考えます。  それから第二番目といたしまして、二十五年度に出されるであらうところの災害予備費を大幅に計上しておることであります。昨年、二十四年度予算におきましては予備費、特に必ず起るところの夏季の災害に対しまして一文の予備費も計上してなかつたことは、非常に今日の欠陥であつたのであります。今年度は百億の予備費を計上いたしております。  それから第三番目に特徴といたしまするところは、後で又詳細申上げたいと思いまするが、災害復旧費の中の主要なる土木災害に関しまして、全額国庫負担といたしたことであります。こういつた三つの大きな特徴を指摘することができると考えるのであります。  さてこの内容に入りまいて、配分の仕方について概略方針を申上げて見ますると、先ず第一に治山治水災害復旧に最も重点を置いたことであります。御承知のように連年災害は、常に大きな国の財政の基礎を搖がすような大きな災害が連続して起つて参つておりますが、公共事業費の主要な部門が殆んど災害復旧に投資されなければならんということは甚だ遺憾なことでありまして、これが根本対策を講じなければならん。一日も早く災害を未然に防止しなければならんということは国家的な輿論でありますにも拘わらず、未だこれに対して十分な手当がされなかつたということは甚だ遺憾なことでありますが、本年度予算におきましては、この災害根本原因でありますところの、治山治水に、最も重点を置いて編成いたしております。それで例えば、治山治水費、表で御覽のごとく治山治水と申しますと、河川事業砂防事業山林事業、これを総称して私共、治山治水事業と申しておるのでありますが、ここに計が上げてありませんが、合計いたしまして、二十五年度は百七十五億になります。それから二十四年度は約百億、端数がございますが大体百億であります。従つて年度は一七五%治山治水事業重点を置いたつもりであります。  それから一般のその他の公共事業におきましては、昨年度予算において特に不均衡でありましたものを、これを一部是正いたしまして、正常なものにいたしたつもりであります。そうしてその他の項目につきましては、相変らず、二十四年度と同じくドツジ・ラインが堅持されておりますので、財政の面から相当の圧縮を受けておるのと考えるのであります。先ず大筋は只今申上げましたように、治山治水費重点を置きまして、一般の中では特に不均衡であつたものを是正した。その他は前年度考え方を踏襲した、こういうわけであります。  その次に災害につきましては先に申しました通りに、全額国庫負担という問題がシャウプ勧告によつてつて参りました。これに対していろいろ今日まで研究をいたして参つたのでありますが、地方財政の不如意の面も勘案いたしまして、河川災害、それから砂防道路港湾等土木災害を主といたしまして全額国庫負担にする。その他の項目につきましては従来通り補助率を踏襲する。こういうふうに方針を決めておるわけであります。災害復旧全額といたしましてはこの表で御覽の如く三百七十億、それに二十五年度予備金といたしまして百億、合計四百七十億を計上いたしております。金額の面から申上げますと非常に大幅な増額をいたしておるわけでありますが、今申す通り最も大きな災害であります土木災害全額国庫負担といたします関係上、金額の開き程には事務費は伸びておりません。大体あらましの考え方といたしましては以上のごとくでありますが、若し御質問がございましたら……
  15. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 今回、治山治水その他災害復旧の費用が非常に増額されたことは喜ばしいことでありますが、承わればこの方面には見返資金が大分入つて来ておる。こういうふうになつたと思いますが、見返資金が今回の予算に組まれたうちで、それが災害復旧一般公共事業に入れられた金、見返資金で今度の予算に組み入れられたパーセンテージはどのくらいかということを先ず承わりたい。見返資金をこの方面相当廻してあると思うが、その関係がどの程度公共事業費災害復旧の方に影響しておるかということです。別な言葉で言えば……
  16. 高野與作

    政府委員高野與作君) 見返資金の問題は、武井さんから私のところの財政金融局長をお呼びして洩れなくお話するわけでありましたが、おいでがないようですから、私知る限りお答えいたします。  今年度見返資金の一応計画をいたされておりますのは、多分新聞等で発表になりまして御存じと思いますが、公共企業私企業、それから国債償還予備費、仮にこの四つに区分されておるようであります。公共企業費に大体四百億を充てる。その内訳を申しますと通信特別会計に百二十億鉄道特別会計四十億、それから国有林野三十億、それから公共事業に百十億、住宅に百億、こういうふうに分けてあります。その次に私企業に四百億、一応最終的に確定までは行かないものと思いまするが、電気に百五十億、それから造船に百億、農業に五十億、その他百億、こいうふうに一応予定されておるようであります。それから国債償還が五百億、その次に予備費が二百八十億、合計千五百八十億になりまするが、その中で拾つて見ますと、特に公共事業の面から問題に関心がありますことは、通信鉄道国有林、これは特別会計でありますが、それを除きまして工業事業に百十億あります。それと私企業でありますが、農業の五十億がやはり土地改良農林水産そういつた方面に使われるものだろうと思つております。それでこの公共事業の百十億というものを、どうするかということにつきましては、これは衆議院予算委員会においても大蔵大臣お答えになつておりまするが、年度途中において予備的に使いたいものである。それで厖大な失業群が発生するとか、特殊のそういつた状況に応じて使われるべきものと考えるのである。こういうふうにお答えになつておられるようでありあすが、私共事務当局といたしましては、最も経済効果のある妥当な使い方は、どういうことであろうかということを、目下寄り研究をいたしております。そういう程度であります。
  17. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 大蔵大臣は、予備費として百億とつてありますが、災害復旧、その方面に主に使いたいという意見を発表されたわけですね。而も当局の方はさような大臣の言は言として、もつとこれ以上に使用法があればと、目下研究しておる。かように了解してよいのですか。
  18. 高野與作

    政府委員高野與作君) そうではありません。私の申上げたいのは一応失業救済とか、突発したことに使うにいたしましても、やはり俄かにそういつた適当な使い方というものは考えられないので、予めやはりいろいろな場合を考えて置くということが事務当局の任務でありますので、そういう意味関係者が寄り寄り研突しておるという段階であります。
  19. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 大蔵大臣の答弁した範囲内でと言うのですか。
  20. 高野與作

    政府委員高野與作君) そうです。尚司令部当局とはよく連絡をとつて意見を聽かなければならんものと思つておりますが、まだ具体的な意見を聽く段階には至つていないわけでありまして、近く意見を聽かなければならんだろうと思つております。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の岩崎委員の見返資金の問題についてもう一度お尋ねいたします。百十億は、そういたしますと巷間では道路費に何ぼとか、河川費に何ぼとか、そう言われておりますが、まだ具体的にどの道路幾らとか、どの河川、どの砂防幾らと決まつたわけではないのですね。
  22. 高野與作

    政府委員高野與作君) ありません。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 全然白紙なのですね。今局長のおつしやつたように、大体大蔵大臣衆議院予算委員会で御答弁になつたあの趣旨で突発的に起つたものに出す。こういう方針ですか。
  24. 高野與作

    政府委員高野與作君) 恐らく司令部見解が、大蔵大臣のおつしやつたような見解になるのではないかと私共想像いたしております。それだけでは雲を掴むようなものだから、尚事務的にこれからもつと意見を叩かなければならんと思うが、意見を叩くにいたしましてもあらゆる角度から、構想を持つて意見を質したいと、こういうふうに考えております。
  25. 赤木正雄

    赤木正雄君 このすでに決められた予算以外に、見返資金の金が相当つて来るだろうということを、地方言つておるところもありますが、それは全然今まで考えられていない、こう考えていいのですか。
  26. 高野與作

    政府委員高野與作君) それをどう考えていいかということは、それは今まで申上げたところで一つ御判断願いたいと思います。
  27. 久松定武

    久松定武君 住宅の方に、この見返資金公共事業費からでなく、別のところから出るのですか。
  28. 高野與作

    政府委員高野與作君) 今公共事業のうち住宅に、百億の見返資金を用意しておりますのですが、これは住宅金融公庫と申しますか、あれに政府予算から五十億融資されると思います。これは恐らく住宅金融公庫として国会に提出されるでしようが、それと同じように使いたいというふうに今考えております。従つて住宅金融公庫を通じて住宅建設に融資されるのではないかと、こういうふうに考えておるのであります。
  29. 久松定武

    久松定武君 そうすると、今の公共事業費百十億以外に住宅に出る。こういう意味ですね。
  30. 高野與作

    政府委員高野與作君) そうでございます。
  31. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 今金融局長がお見えになりましたから、何か御質疑を継続される方があれば一つ御質疑して下さい。大体は高野局長からお話がありましたけれども、その担当の方がお見えになりましたから、一層明瞭になろうと思います。それじや金融局長から見返資金関係について一つはつきりと御説明願いたいと思います。
  32. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 建設局長からすでにお話があつたと存じますが、来年度の見返資金は御承知のように千五百八十一億ということになつておりますが、これは中身を割つて見ればアメリカの新らしい対日援助資金が繰入れられる分は約千三百億くらい、あとの二百八十億ばかりは二十四年度から来年度への繰越と、それから二十四年度に見返資金がもう働いておりますから、それの利息收入がある。それで千五百八十一億になるわけでありますが、そこでその予算使い方は、すでに二十四年から二十五年に繰越す金が、正確に申すと、二百三十八億というものがあるのですから、それに更に四十何億かを加えました二百八十一億は、まあできるならば使わないで二十六年度に繰越すと、こういうような心持が実はあるのです。予算使い方は、今の千五百八十一億を、先ず債務償還に五百億、これも予算に出ております。そらから私企業プライヴェイト・エンタープライズに投資するのが四百億と、それから公企業関係で、ここに公共事業の問題が出て来るのですが、鉄道とか、通信とか、国有林野とかいう政府特別会計でやつておりまする事業、或いは公社の関係、そと御承知の今度住宅金融公庫というものが政府一般会計五十億の出資でできることになつておるのですが、この住宅金融公庫に百億円ぐらい住宅資金として出してやる。そういうものを含め尚百十億ばかりを、これは政府事業でもないし、住宅公庫でもない。一般公共事業的なものに使うというつもりで四百億円、こういうものを支出いたしまして、つまり五百億と四百億と四百億で千三百億になりまして、残りの二百八十一億は、名前経済再建費という名前になつておりますが、これはまあ妙な名前でして一種の留保金、乃至は先程申上げましたように、GHQの本当の気持は、できれば再来年への繰越金にしようと、こういうようなつもりで、経済再建費というような、どうしても使わなければならない事態が起つたときには使うが、使わなくて済む場合には財政金融の調整というような意味で残して置く、こうようなものであります。そこで直接問題になりますのは、今申上げたこの公企業四百億の中で、すでに決まつておりますところの鉄道、それから通信国有林野事業特別会計、それが全体で百九十億になりますが、鉄道が四十億、通信事業特別会計が百二十億、それから国有林野事業特別会計が三十億、それで百九十億、それに住宅関係の百億が決まつてつて残りの百十億を一体どういうふうに使うかということが、今年これからの課題になるわけでございます。尚二十四年度、本年度の見返資金ですが、これは出発当時は為替の換算率等はつきりしておらなかつたし、又見返資金の基になるアメリカの対日援助費で買われる物資が、如何なる時期に日本に到着して、それが円で売られて会計に入つて来るかというような時期の見通しはつきりしなかつたために、一応当初予算で御承知のように千七百五十億というような見返資金予算を載せておりましたが、その後漸次見返資金の入り方等が分つて来るに従つて、これを補正いたして千五百八十億でしたかに直してあるわけです。経済安定本部としては、実は当初予算千七百五十億の時代から司令部に折衝いたしておりましたために、この総金額は、初めてのことであるし、果して千七百五十億の金が使えるかどうか分らんということが可なりはつきりしておりましたために、我々の資金運用計画としては千四百億円くらいが使える金であろうと、こう思いまして、千四百億円で二十四年度の見返資金運用計画を立てておつたわけです。ところがそれが先程申しましたように、予算補正になり、而もその一部は来年に繰越すというようなことにもなりましたために、大体当つておる。その場合に千四百億の使い方は、これも本年度予算ですでに御承知のように、鉄道通信の両特別会計に二百七十億、詳しく言うと、鉄道に百五十億、通信に百二十億、それから私企業関係で……、その前に復金債償還関係がありまして、復興金融金庫の債券を償還する。これはまあ直接に見返資金から償還するわけではなしに、手はなかなか込んでおつて政府から復金復金債償還のために交付公債を渡すと、その交付公債を見返資金買取つて、そうして復金現金を入れると、復金はその現金復金債を還すというなかなか手の込んだやり方ですが、要するにこの復金債償還のために六百二十四億円というものを予定し、これは予定も何もないので、金額がそう出て来る。残つた金額を、当初の案では、私企業プライヴェイト・エンタープライズに確か二百九十億ばかり、それから残りの百五億であつたと思います。それは計算して見ますと分りますが、確か百五億程度のものを公共事業的なものに使いたい、その中には道路もあれば、六三制もあれば、災害復旧もあれば、更に又、鉄道通信が二百七十億では、鉄道電化も満足にできない、もう少し東海道線ぐらい電化を完成したいということのために、鉄道通信への追加分のようなものも三十五億ぐらい含めて、百五億ばかりの公共事業関係を載せてあつたわけです。それが今日までの状態ですと、公共事業関係の百五億ばかりのものは、計画としては向こに折衝しておるけれども、向うから個別的にオーケーが出ない。今の見通しですと、復金債の六百二十四億は、これはまあ当然出される。鉄道通信の二百七十億も概ね出される。私企業の方の確か三百九十億ばかりのものが、三月一杯で二百五、六十億出るのではなかろうか。言い換えると、百何十億のものが私企業の方も計画通りには出ないでしようが、公共事業関係も百億くらいのものは出ないでしまう。合せて二百何億というようなものが計画通り出ないじまいになる。この出ないじまいになるのは、一部は今申すように二百三十何億を来年度に繰越す。当然二百何十億を来年度に繰越すために、私企業の一部も、公共事業も抑えなければならん。もう一つは、補正予算を千五百八億としたけれども、これが千五百八億だけ入りそうもない。やはり最初に私共計画を立てたように、千四百億かそこらで終わるのではなかろうか。すでに一月現在で入つて来ておる金は、千百十二、三億しか入つて来ておりませんから、あと二月分、三月分が入るとして、せいぜい二百億乃至三百億ぐらいしか入らんだろう、予算通りは金が入つて来ないというようなことのために、今年の公共事業関係は余り望みを嘱せないで、その分来年の百十億ということで、今度は予算の上で正々堂々と載つかつたと、こういうふうに御理解願つたらよろしいのではないかと思う。この百十億の中に何を盛り込むかということになると、これは議論のあるところで、一般会計の方の公共事業費が、御承知のように失業対策費まで入ると千十億になります。一般会計公共事業費が九百七十億に、失業救済関係が四十億ありますから、事務費を除いて千十億ある。災害復旧に三百七十億、来年の新らしい災害のために百億取つて残りの五百億ばかりを一般公共事業費に振り当てておるというような状態で、去年から見ると公共事業費全体で六、七割殖えて可なり楽になつておるけれども、楽になつた分災害の方に取られておるために、まだ一般事業費というものは楽になつておらん。現にこの千十億の公共事業費を割り振る場合に各省、各地方から要求があつた公共事業費、その要求額は私の記憶では確か三千億を超しておると思うわけです。それを失業救済まで含めて一千十億にちよ切つて、そのうち災害復旧が四百七十億、その他あつて残つた分五百億、これは開拓でも、干拓でも、漁業でも、港湾でも、都市計画でもできる。そうして見返資金が百億ばかり出るそうだということで……、今まで査定された各公共事業費では事業は何程もできないので、それに総司令部意向もまだはつきり分りませんが、司令部意向を聞く前に建設局の方で一つ立派な案を立てて頂いて、その案の立て方は一般公共事業費を万遍なくやる。見返資金は今後、二三年しかない、講和條約でもできたら又違つた形になるでしようが、これは毎年とつて来ておりますから、たまたま百億ばかり使える金がある際に、一般公共事業費は何年待つてもなかなか出そうもない、特殊のものをまとめて僅かばかりでも取上げて、それをここ二三年くらいの間にずつとやつて行けるようにしたらよいのじやないか、而もそのやり方もこれは分らんですが、一般公共事業地方からも分担金を取らなけらばならん、分担金を取ると言つて地方債の枠が一杯だし、拡張すると言つてもなかなかいけないだろうから、分担金を一切とらないで、国家分担金なしでやるようにしたらどうかということで、折角今打合せをいたしておる。こういう恰好であります。それで高野さんからお話があつたかとも存じますが、財政一般会計が去年より今年は相当つて来ておる。去年は七千余億、今年は六千余億に減つて来ておる、去年は恐らくもつと減るだろうと思います。それはすでに今年の予算の中に、御承知のように今年の新らしい財源から債務償還として五百億も入つておる。前年度剰余金を抜きにいたしましても……。それから又終戰処理費が千億余りになつておる。この終戰処理費も恐らく減るであろうし、債務償還というものは、二年も安定経済を続けてインフレがぶり返す危險がなくなるに従つて、少くなると解していいじやないかと思われる。そうなればそこに歳出上の余裕が出て来る。その余裕の一部なり、半分なりは当然これは税の方の軽減にも当てらるべきであるけれども、他の一部は何に使うかというと、要するに文化国家建設の方に使うべきであろう。そうすると公共事業費に対する発言権相当大きくなるんじやなかろうか、現に去年より今年は公共事業費相当殖えておる。又総予算に対する割合も殖えておる。二十四年度公共事業費予算は御承知通り追加予算を入れまして六百二十五億ばかりですが、これは総予算の八・二%になつておる。それが二十五年度公共事業費予算は、今度の六千余億に対して一四・七%くらいに殖えて来ておる。私丁度ここに昔の数字が持つておりますが、公共事業費という形を取つたの昭和二十一年からだと思いますが、昭和二十一年あたりは公共事業費も少くて、二十一年が総予算に対して六・七%、二十二年が六・八%、それから二十三年が一〇・五%、このときは公共事業費が五百億近くに殖えた。二十四年が今申しますように八・二%、ちよつと落ちましたが……。昭和になつてからでも、例えば昭和元年を見ますと一一・七%、昭和二年が一三・六%、昭和三年が一四・五%、昭和四年が一二・四%、昭和五年が一〇・五%、六年は九%ばかり落ちておりますが、七、八、九年とそれぞれ一二%くらいにまで行つておる。この頃のまだ軍事費が相当つた時代においてこの一二%乃至一四・五%くらいまで行つておるので、軍事費がなくなつて来ておる今日以後の財政の下においては、こういう建設的の経費は当然殖える運命にあるのじやなかろうかと私は思います。非常に楽観しておるわけですが、これは建設局長も同意見のようでございます。
  33. 赤木正雄

    赤木正雄君 建設局長にお伺いいたしたいのですが、この区分の中にある河川というのは、どういう意味河川なんですか。河川の範囲を知りたいのです。
  34. 高野與作

    政府委員高野與作君) 災害の方の河川ですか。それとも事業の方の……
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 さつき貰いました表の中に区分欄がありますが、この河川というのはどういう意味の、どの範囲を意味しておるのか……
  36. 高野與作

    政府委員高野與作君) ちよつとその表を御覽になりますと、河川事業費と書いてありまして、その次に八つ程書いてありますが、直轄河川改修費、直轄河水統制事業費河川事業調査費、土木機械調査費、北海道河川改修事業費河川改修費補助、河水統制事業費補助、海岸堤防修築費補助、これだけの区分です。
  37. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、今お読みになつた表には砂防事業費がありますが、河川事業費の中に砂防がないのはどういうわけですか。
  38. 高野與作

    政府委員高野與作君) 災害の方の表をおつしやつておるのですか。
  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 今河川内容局長の話で分りました。……この区分ですね、河川農業、公共施設、耕地、山林云々とありますが、この中に砂防という項目はありませんが、それはどういうわけでないのか。一般公共事業費の中には河川砂防と分けていながら、この表にはどうして砂防を分けてないのですか。
  40. 高野與作

    政府委員高野與作君) 災害の中には砂防という区分をしてないが、とおつしやるのですが、今のところ砂防災害復旧費は非常に少ないのではないですか……
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 ああそうですか。
  42. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 赤木さん、それで分りましたか。
  43. 赤木正雄

    赤木正雄君 その点は分りましたが、質問したいことはまだ沢山ありますが、それから二十五年度公共事業費の中には今までありましたように、災害防止というのが見当りませんが、それは何か名前が変つているのでありますか、その点はどうなつておりましよう。
  44. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 災害防除的なものは、災害の中から除きまして、一般の中で考えるように処置しております。
  45. 赤木正雄

    赤木正雄君 一般のどの費目に入つていましようか。
  46. 高野與作

    政府委員高野與作君) これは河川事業費の中に河川改修費補助というのがあります。これの中を分けますと、中小河川費、直轄河川費、附帯工事費、災害防除費、河川維持費、災害土木助成費、こういうものが河川改修費補助の中に入れておりますが……
  47. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 災害防除的なものは、表の表面に現われておりませんが、河川維持費、並びに河川維持費補助、及び都道府県災害土木事業助成費と、こういつた項目の中で支出しております。
  48. 赤木正雄

    赤木正雄君 それは各項目について金は大体分つておりますか。
  49. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 分つております。
  50. 赤木正雄

    赤木正雄君 ちよつとそれを承わりたい。
  51. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 直轄河川の維持費が三億三千七百万円、それから北海道の国費河川維持費が五千万円、それから都道府県の災害土木事業助成費が三億、それから河川維持費補助が三億八千百万円。
  52. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) よろしうございますか。
  53. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 さつきの見返資金の方に帰るのですが、住宅金融公庫ですね、これに百億程出すというのが、住宅金融公庫というものは企業体であるので、企業体に金を出すということは、それだけ出して結局利子を政府は取ろうという考えなんですか。これは無利子でするというのですか。どうなんですか。
  54. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 利子は取るのでございます。恐らく……見返資金の金は今まで七分五厘が基準になつておりますから、七分五厘くらい取るのじやないでしようか。それは公庫に出すのは繰入れて移し替えであります。
  55. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 金融公庫を設立するために利子は取りませんのですか。
  56. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 利子は取りません。公庫の計算において家賃を彈き出したり、金を貸す場合には恐らくは七分五厘くらいの基準でやるのじやないかと思います。
  57. 久松定武

    久松定武君 土木機械調査費というのは相当額のようですけれども、八億円ですか、これはどういうようなものですか。
  58. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) これは機械費です。
  59. 久松定武

    久松定武君 機械の費用ですか。これはちよつと漠然としておつて……
  60. 高野與作

    政府委員高野與作君) 国会に提出した予算書にはどう書いてありますか、土木機械整備費かも知れません。
  61. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 機械を購入する金であります。
  62. 久松定武

    久松定武君 調査費でなしに、整備費の誤りですね。
  63. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 誤りであります。
  64. 久松定武

    久松定武君 それは向うのを買うというのですか。
  65. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) そうでもありません。
  66. 久松定武

    久松定武君 国産品ですね。
  67. 高野與作

    政府委員高野與作君) これでざつと御覽になりまして、この治山治水費の外に、この各項目につきまして、特にこの最初の表のパーセンテージの比較表を見て頂きますと、ぐつと殖えておりますのは、数字が小さいけれども、海上保安施設費、これが去年二億四千二百万円が五億になつておりますが、これはもう一つの表を御覽になりますと、保安通信施設整備費というのが実は今まで行政費から出ておりましたのを、二十五年度から初めて公共事業費に移し替えられたわけであります。一億五千万、これが入つておりますので、この比率が馬鹿に殖えております。  それから文教施設費、これは御承知のように、昨年六・三制の学校費が零になりまして、追加予算といたしまして十五億計上されましたが、これがこの中で四十五億計上されておりますので、大幅にこの比率が増加いたしております。これはむしろ昨年度予算が当を得なかつた、こういうふうに考えて然るべきじやないかと思います。  それからその次の欄の厚生施設費、これが非常に殖えております。五三一%、これはこの別の表で御覽頂きますように、この厚生施設費というのは、国立結核療養所その他施設整備費とか、社会事業施設整備費、公衆衛生施設整備費補助、それから社会事業施設整備費補助、上下水道改良事業費補助、こういうような目に分れておりまするが、大体この項目は、日本がこういう文化国家になりまして、この社会施設、厚生施設というものにはもう少しやはり金が注ぎ込まれてなければならなかつたにも拘わらず、余りに今まで少額過ぎたという嫌いがあります。約十五億今年投ずるのでありますが、或いはこれでも尚少いのではないかというふうに考えてもいいのじやないか、こういうふうに私共思つたのであります。まあ非常にいいことじやないかと思つております。
  68. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 水道費は入つておりますか。
  69. 高野與作

    政府委員高野與作君) そうでございます。上下水道改良費、これは非常に少いのでございますが……
  70. 久松定武

    久松定武君 両局長にお伺いいたしますが、先年来問題になつておる総合開発によると、北海道の方に総合開発庁というものができて、そういう面の総合開発が若し実現するとなれば、予算面においてはそういう一つ予算を特別に、つまり特定地区に出すというようなお考えがありますか。今までの特定地区というものは何らそういうものについて予算面に現われておりませんね。関係官庁が別々になつておる。仮に北海道が開発を今度特に指定されるというようなことがありました場合には、予算面においてもそれがはつきり現われるような方法に予算が組めますか。
  71. 高野與作

    政府委員高野與作君) この特定地区総合開発、或いは地方開発等と申しておりますが、これは実は今漸く開発の調査に着手いたしましたばかりの状態でありまして、この段階で私考えますに、今までこういつたような開発の事業は非常に無計画に、国としては遂行して参つておりまするので、この原因をいろいろ考えて見ますと、こういつたような国土計画とか、国土開発計画とか、いろいろな言葉で表現されますが、これは中央だけ今までやつてつた。中央の官庁だけでやり合つて、そうして或いは学識経験者のお手伝いを願つたりして考えておつたということで、幾度かいろいろな委員会なり審議会なりできましたけれども、まとまつた案が今日尚ありません。ただ各省それぞれ相当な資料は持つておりまするけれども……。そこでこの原因はやはり地方と非常に無関係にやつておるということに帰するのである、こういうふうに考えております。そこで経済安定本部の私共のところでは、一昨年ぐらいからそういうことに着目いたしまして、これはどうしても地方開発ということを一つ一生懸命にやつて、それから上つて来た計画でないと立派な国土計画、或いは開発計画ができないのではないかというふうに考えまして、各地方といろいろ連絡を取りまして、そういう気運の釀成に実は努力して参つたわけであります。ところがたまたま地方におきましても、地方の知事、市長の方々、或いは議員の方々がやはり地方開発に非常に熱心に気運が向いて参りました。そういうことと丁度一致いたしました結果でありましようかしら、翕然と各地方においてそういつたような纏まつた協議会が、今結成されつつあるわけであります。例えば中国、四国地方の協議会、或いは九州あたりもそのうちできようとしておるようであります。それから関東、東北、まあできない地区もありまするけれども、こういつたブロックの協議会ができまして、更にそれが今度細分されて府県にまで下りて行つて、そうしてそこらで段々計画ができて、それがブロックへ来て調整され、更に又中央へ戻つて総合調整される。そういう段階で初めて立派な国土計画ができる。そうすると国の予算の配分もその線に沿つて考えて行つたらいいのじやないか。今それの段階といたしまして河川総合開発の調整と、それから今申されました通り地方の特定地域の総合開発、こういつたようなものが手に着いたところでありまして、これが急速に具体的に立派な計画になつて来まして、そうしてその線に沿つてこの国の予算が配分されるということが一番望ましい。併しながら現段階ではその過程であるからと申しましても、一応段々と相当の問題がクローズ・アップして参つておりますので、私のところで公共事業費予算を決めまするとき、いろいろな角度から検討いたしまして、先ず公共事業課ではそういつた予算の配分をいたしますが、それにこの開発課というのがあります。この開発課が担当いたいしております開発の面から、地方的な配分について妥当な計画をやはり提出いたし、それから監督課の面から事業の効率的な、経済的な実施という観点から、この監督を通じて監督と通じて経験したことから、やはり別な角度から案を提出いたします。そういつたようなことを総合調整いたしまして、この案を考えて行くつもりであります。
  72. 久松定武

    久松定武君 もう一つお伺いしますが、その総合開発につきまして地方の様子や何かを聽いて見ましても、なかなか熱意のあるところが多いのであります。併しその調査費を配分されても全然その使途が分らない。調査費そのものも僅少なものでしようけれども、一体何に調査の費用が出たかということも知らない、こういう今の一般の空気です。総合開発をするという以上は、調査費等が予算面においてもはつきり出るような方法の方が、却つて将来の空気をよくするという点があるのじやないか。この予算面を見ましても開発の面の予算というものは、調査費等の名目で何ら出ていないというような現状であります。一体この公共事業費その他予算面ではどの項目に入りますか。
  73. 高野與作

    政府委員高野與作君) これは河川事業調査費の中に入つております。この河川事業調査費の中には、普通調査費と、調査費補助と、北海道総合開発調査費、それから特定地域総合開発の調査費、それだけ含まれております。
  74. 久松定武

    久松定武君 その費用の細分は……ちよつと大別したらどういうふうになりますか。
  75. 高野與作

    政府委員高野與作君) 来年度は一千二百万円を予定されております。
  76. 久松定武

    久松定武君 今おつしやつた年度一千二百万円というのは河川事業調査費でしよう。
  77. 高野與作

    政府委員高野與作君) 特定地区だけです。
  78. 久松定武

    久松定武君 十地区ですね。
  79. 高野與作

    政府委員高野與作君) 十地区です。
  80. 久松定武

    久松定武君 千二百万円……
  81. 高野與作

    政府委員高野與作君) 千二百万円でございます。これがもう少し殖えるかも知れないと思いますが。
  82. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川費、それから砂防費のことについてお尋ねします。本年度砂防費と河川費に対して、来年度砂防費、河川費、これは共に殖えております。併し、数字を一般として考える場合に、砂防費がこれくらいの殖え方では恐らく安定本部もいいとは思つていらつしやらんと思いますが、私は初め閣議で三十億というものが砂防費に決定されたことは新聞で知つております。それがドツジ・ラインの結果、十八億になつたことも知つております。併し特に砂防費が他の費目よりも大幅に減つたこと、これに対する経緯をお伺いしたいと思います。
  83. 高野與作

    政府委員高野與作君) 私共安定本部の考え方といたしましては、或る程度災害復旧というものは原状復旧であつて、何らプラスにならない。積極面が余りないのでありまして、むしろこれは少し我慢をしても、根本対策である、治山治水重点を置いてやつた方が、これはプラスになるだろうという考え方を持つております。それでその線に副つて相当はつきりしたそういう考え方を表現いたしますと、砂防費は三十億以上のものが欲しいわけであります。そうしますと、その殖えた金をどこから持つて来るかということ、一般公共事業費、或いは災害復旧費から持つて来るということになるわけでありますが、災害復旧費は実はお手許に差上げてありますように、千数百億に上つておる。従つて理屈はそうであろうとも、目の前に河川災害を受けておる。或いはその他の施設が災害を受けておるのをほつたらかすのもいかんという辛いところもあるのです。それから一般その他の項目にあります公共事業費の額も、毎年々々圧縮されておりますし、少しでも余計盛りたいのでありますが、そういつたような関係で、初め私が、考えた治山治水に本当の筋金を入れるということはが途中で段々と細つてつた。併しそれでもまあここで御覽のように、比率から申上げまして相当の大幅な比率の工事をしておる。こういう結果になつておるわけであります。政府といたしましては正に考え方は、建設的な積極面に、治山治水に金を投じたいと、こういうふうに最初、思い切つて考えたわけであります。やはり他の項目との調整上段々こういうことになつた、そういうふうにお考え願いたいと思います。
  84. 赤木正雄

    赤木正雄君 今局長は、砂防費は来年度においては、本年度より殖えたとおつしやいますが、その通りです。又比率のこともおつしやいました、これは併し比率のことを今更言うのもおかしいと思いますが、御承知通り昭和十四、五年は砂防の一に対して河川は一・五、それが戰争中に段々この比率が変りまして、昨今では砂防の一に対して河川は六乃至七と、こういうふうに非常に異つて来ております。その原因は申すまでもなく戰争中に、砂防事業に必要な資材がないのであるから、予算をやつても資材がないために仕事ができないから、止むを得ず予算を減す、こういうことを我々は安本から聞いております。今は資材の点は何ら問題はない。それで今おつしやつる比率はこれは公正な比率ではない。成る程本年度の費用に比べまして来年度の費用は殖えていますが、間違つた比率を以て本年度よりも殖えておると言つても、これは議論にならない。私はそういうことを申そうとは思いません。ただ建設局長は、治水の観点から治山治水共にやらんならんと非常に考えていらつしやることはよく存じております。私の聞きたいのは三十億が十八億に減りました。十二億減つた。他の事業に比べて特に砂防が減つている。そのわけを聞きたい。なぜ特に砂防を大幅にお減らしになつたのか。その理屈を聞きたい。折角局長がそういう日本の将来の治水という観点から砂防を考えになつて下さるのは非常に私はよく知つています。その志をなぜもう少し突つ張つていらつしやることができなかつたのか。その内容を聞きたい。そういうことであります。
  85. 高野與作

    政府委員高野與作君) 非常にむずかしい御質問ですが、私が最初に考え出したことは、やはり現在の客観情勢、或いは常識からは余計盛り過ぎたということではないか。こういうふうに大幅に減らされたということは、そういうふうに考えるより仕方がないと思います。
  86. 赤木正雄

    赤木正雄君 では閣議に盛られてあつた三十億の砂防は誤りと、こういうふうに解釈していいですか。安定本部は余計の予算を閣議に出した、こういうふうに我々は解釈していいのですか。
  87. 高野與作

    政府委員高野與作君) それは今申上げます通り、これは砂防ばかりじやありません。河川の方も減つて来ました。あなたのおつしやるのは砂防ばかりですが、河川もずつと減らされた。そらから山林の方も減らされた。ですから治山治水重点を置かにやならんという我々事務当局考え方が、余りやはり今年度、二十五年度あたりには大きく私共は力を入れ過ぎて、結局閣議の批判を蒙つた。政治的にはそういう情勢でなかつた、こういうことですがね、それ以上私はどうもお答えできませんが……
  88. 赤木正雄

    赤木正雄君 先程局長は、砂防費のことを私お尋ねしたら、砂防費を余計盛り過ぎた、こういう御答弁であつた。そして今の御答弁は全然違う。私の聞いているのは河川はもとよりやらにやいかん。私はなぜ砂防費が特に沢山減つたか、それを聞いているのです。砂防も、河川も、他の費用も減つたということはよく存じています。特に砂防を何故減らしたか、それを聞いているのです。御答弁願います。
  89. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) ちよつと私からも添えたいのですが、今の割合はやはり砂防費の方は余計削除されているようにまあ考えられるのですが、それで局長の考えは盛り過ぎたと言おうか、まあ過大に要求したということにお考えになつておるけれども、私はやはりこの要求額というものはそれぞれ皆どの個所々々ということの予定が立つて、その計画を集計したものが要求の総額となるのであるから、別に過大なものはおつしやれない。私はまああなた方もお考えになつたであろうと考えるが、国の現状は先程お話しになつた通り、これは治山治水重点を置いて頂かなければならんことになつておりますので、山林を濫伐して一雨ごとに水が出て来る。山に草木の蓄積が多くなつて来れば、これは河床も安定して来るかも知れないが、只今のところはそれを待つわけに行かない。どうしても砂防というものをやつて来なければ河川が安定して来ない。それにつれて下流の方も圧迫されるということになる。それは御要求額は余り過大でなかつたと思う。ただそれは一遍に大なく金の嵩が上つたから他へ取られ易いというようなことになつて、止むを得ず財源をそこから見出して行つたという、つまり誠に我々から見ると遺憾な話だけれども、一般に金が少いところから持つて来るのだから、蒿上げのところから持つて来たということでしようかと思うのであります。ついては、今年はさような状態になりましても、この重点主義としてやつて行くその御方針はどこまでも強く主張されて、今年はその目的が達せられなければ来年ということに一つ強く主張して、頂かんというと、どこまでも河川の憂えが絶えないのじやないか。私は真に各地方を見るにつけましてもさような感を懐くのであります。その点について局長のお考えはどうですか、赤木君に答えられると同時に一つ説明して下さい。
  90. 高野與作

    政府委員高野與作君) 正にその通りであります。実は委員長と赤木さんが特において下さいましたが、あれからも相当努力をいたしました。そのときはもう小し出る自信を実は持つてつたのでありますが、結局さように行きませんで見積り通り行かなかつたのであります。まあ過大に私が提出したいということではなくて、私の考え方がまだ今委員長のおつしやるような考え方で、治山治水に最重点を置くというような程度の客観的情勢……これはどうして減したかということは、本当はこれは閣僚にお聞き下さればいいので、私は大臣でありませんし、非常に主張したのだけれども、こういうことになつたのでありましてどうも申訳がないのですが、まあ一つ後でその原因は大臣にもお聞きし、閣議に列席した他の大臣諸公も、これには御賛成を得なかつたからこうなつたのであります。併し今委員長の申されます治山治水の当面の責任者はやはり繰返し繰返しこれは強調しまして、そうしていかなければ、……まあこういう増額の傾向にありますので、恐らく次には又非常に殖えるのは楽だと思うのであります、一度この辺まで踏切つて置きますと……。それで大体治山治水計画と申しましても、何か対策があるのかということになりますが、大体これだけの年々の災害を、どこかで一つカーヴが上つておるやつを、せめて水平にするか、下向きにでもしないと楽しみがない。こういう程度の金では、これは技術的に見て、まだこういう程度の金を毎年注ぎ込んで行つたのでは、まだ水平まで……今後五年ぐらいで少なくとも水平か、下向きにしたいというような、私共事務当局、技術当局考え方治山治水事業というものはやつて行かなければならない。すおすると大体許しますならば河川に二百億ぐらい、砂防に四十億、山林に五十億ぐらいのものを投下して行くならば、恐らく五年後には、カーヴが大分なだらかになつて来るのではないかという程度研究を、実は私共で考えておりまして、そういう結論を……併し先程内田局長が言われました通りに、やはり公共事業費というものは日本の今後においては殖える見込のあるものであるというふうに私共も考えておりますので、今年はまあ千億近くなつたということは、一応これでまあ成功ではないか。来年、再来年に段々ともつと殖えまして、そうして私共の願うところの治山治水費の水準にまで恐らく行き得るのじやないか。二十六年度くらいの予算においてはこういうことを楽しみにして、先ず今年この辺くらいは止むを得ないだろうと実は今考えておるわけであります。
  91. 赤木正雄

    赤木正雄君 局長治水全体をお考えになつて、そうして治山の方もおろそかにしないというお気持はよく知つております。先に三十億を計画したのは過大に計画したという、そういうお考えをお持ちになつて貰つちや僕らは困る。そういうお考えは恐らく御本心ではなかろうと思いますが、先程のようなこれは過大に計上したというような考えを、二十六年度予算にはお持ちになつては困る。やはり正しい判断をして今のような、私の申し方が少し突込み過ぎたせいかも知れませんが、そういうふうな考えでこの次の予算には、砂防を少く盛るというようなことは今委員長の言われた通りに、やはり公正に考えて頂きたい。そのことを特に考えて頂きたい。
  92. 高野與作

    政府委員高野與作君) 言葉を返すようですが、過大に見積つたというのは世間が過大であると考えたのではないかと思うのであります。私自身は過大であると思つておるのじやありません。(笑声)
  93. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 全くその通り。世間が見たという、こういうことなんですね。
  94. 赤木正雄

    赤木正雄君 それなら、世間の声をそれ程局長がおつしやるなら一言申したい。世間の声を代表するものはこの国会であります。国会には衆議院、参議院、この大部分を網羅しておる治山治水議員連盟というのがあります。治山治水議員連盟はこの十八億の砂防費の内訳につきまして直轄工事が多過ぎる、もつと府県工事をやつて下さい。これを我々、今委員長もいらつしやいますが、他の議員も一緒になつて大臣によく言つたんです。そのときにまだそれは決めてないからしてお前らの趣旨に副うと、こういう話があつたんです。これはいわゆる世間の声なんです。その聽を無視して、やはり初めと同じように直轄を五億五千万円、府県砂防の補助を十二億四千万円にせられた。これは非常に遺憾の思う。これに対する公共事業課長の御意見を伺いたい。
  95. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 正にお説のような趣旨によりまして直轄事業は能力の限界もあることである。そういう意味相当減らして査定したつもりでありますが、そういうふうに考えておりましたのです。
  96. 赤木正雄

    赤木正雄君 査定なすつたか知れませんが、二十四年度の直轄事業は、一億五千万円、それから二十五年度の直轄事業は五億五千万円、二十四年度の府県補助は五億三千九百万円、それに対して府県は十二億四千万円、この比率は如何でしようか。
  97. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 正に前年度と比較いたしますと、補助の率が大幅に多くなつたという結果になつておりません。ただ建設省の方では直轄の方にもつと大幅の増額を要求しておりましたので、この程度に縮めたというような結論になつております。
  98. 赤木正雄

    赤木正雄君 建設省は直轄にどのぐらい要求しましたか。
  99. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 今数字を持つておりません。
  100. 赤木正雄

    赤木正雄君 この次の委員会で御説明願いたい。特にこの際局長にお願いしたいことは、今申す通り我々治山治水連盟は、いわゆる大衆の声といたしまして、各地方では実際水害に困つておる。それでどうしても府県ではできないような河川の改修は直轄事業でやるが、その外は府県でやる。而も年々の水害で困るというのが多いのですから、一旦決めたものは彼此れ申しませんが、今度こういう直轄及び府県の砂防事業を御査定なさるときに、今局長の言われた大衆の声をどうかお聞きになるようお願いいたします。
  101. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 今局長お話を承つておると、これからの見通しは年々河川に二百億、砂防に四十億、山林関係に四十億ぐらい取れるだろうという見通しがあつて、それから終戰処理費、そういうものを取つて来れば漸次治山治水計画がいわゆる計画的に、食込み予算でなくして行けるだろうという御説明で、そうなれば例えばいろいろな河川、利根川、北上川、そういつた治山治水河川改修とか、そういうものの立派な計画があると思う。併し一面においては政府の方は吉田総理の考えで、いろいろな産業復興の計画を今止めておるということになると、あなた方がそういう計画を持つても、片方において産業復興関係、経済復興関係に何ら計画もなく、又それとあなた方の計画とはどういうふうにマッチするのか、又衝突するのかお聞きしたい。
  102. 高野與作

    政府委員高野與作君) 産業復興の面と、治山治水の面と衝突するというのですか。
  103. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 あなた方の計画があるでしよう。
  104. 高野與作

    政府委員高野與作君) それは私が申上げたのは、大体河川に二百億と、砂防に四十億、山林に五十億を五ヶ年計画で一応やつて行けばこれぐらいの能力が……、これぐらいの金を注ぎ込んで行きますと、最初の五ヶ年といたしましては、先ず年々累増する災害復旧費を今こういうカーヴですから、それをせめてこういうふうにできやせんか、一応ここまでにしないと楽しみがありませんから、そこで更にその先は又国情によつて相当努力をいたして、しまいにこういうふうにカーヴを下げて行く。こういうふうにまあ恐らく十五ヶ年計画ぐらいで災害というものを、僅か二百ミリ、二百五十ミリの雨が降つて災害はそう喰わないのだというふうにしなけらばならんし、又なるのではないか。その可能性はどうかということはこれは私共が申上げるより、あなた方国会議員はもつと将来のことをお考えの筈だから、国の財政というものは恐らく二十六年ぐらいから公共事業費相当突込むことができるであろう。そうすると、治山治水費は今これぐらいに縮小されておるが、もう少し私共の理想に近いものが決まりはせんか、こういうような予想を申上げたのであつて……
  105. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 私が聞きたい骨子は、とにかく吉田総理は、そういう産業復興の計画が一応できたにも拘わらずこれを今止めておる。止めて置いて、あなた方はいろいろの計画を出しておる。計画でも理想でもよいが出しておる。ところが折角あなた方の理想でも計画でも相当よいのがあるけれども、それが何となく裏付がない。片一方に何ら産業経済復興の計画を持たない、あなた方だけが言つてもこれは何か……
  106. 高野與作

    政府委員高野與作君) よく分りました。この治山治水計画につきまして、私共今持つておる構想を、もう少し今各省と非常に真劍に細かい打合せをしておりまして、各省は又それぞれ府県の関係者を呼びまして、今急いで一生懸命に去年からやつておるのですが、これらの計画が一応立ちますと、私は閣議に一応提案いたしまして、そしてこういう計画を持つておるのでありますけれども、これの推進の一つ……それにはいろいろ條件が伴いますけれども、とにかく計画というものは予算の裏付けがなければなりません。ところが予算制度というものはその年きりでありますから、継続的予算を決めておりません。併しそうかといつて今年はやつても、来年はそういうことは知らんという計画では、今後のこういう大事業は成し遂げられないのだ、こういつたような観点から閣議に出して、閣議決定とは行かんか知りませんが、一応お目にかけて論議をして頂いて、国の治水計画というものを打立てて行きたい、こういうふうに私は考えております。全体の経済復興五ヶ年計画というものは、これは又複雑なものでありますから、少くとも部分的なこういう治水計画のそれぞれの計画が、国の財政の能力に合うような計画が打立てられて然るべきじやないかと、こういうふうに考えております。
  107. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 今の質問に関連いたしまして、私からも一つ災害復旧全額支弁ですね。これは誠に地方にとつては楽なことになつてよいと思いますけれども一年限りで、来年はどうなるか分らないというようにこの間建設省から説明があつたが、そうなると一年だけやつて、来年の災害はあるに相違ないけれども、そういうときには又方針が変つて行くということになると困ると思うが、あなた方のお見通しはずつとこういうふうに行くような確信がありますか。
  108. 高野與作

    政府委員高野與作君) 私共は災害復旧費全額国庫負担ということにつきまして、これはいろいろな條件が伴いまして予算が十分にありますれば、こういつた天災は丁度私共が病気したときに困ると同じようにやはり突発のことでありますから、予算というものは何もそう余裕がありませんし、地方に負担させるということは非常に困ることであります。それで、併し地方財政も国の財政も同じく窮屈なんで、たんまりと予算は呉れないのでありまするから、全額負担にするということは趣旨としては非常に結構なんだけれども、実際問題として、現在でも国が借金しております千何百億という災害復旧費があるわけです。それにこれぐらいのものを出しておつて、そうして而もこれで全額負担にするのだということになりますと、事業は一向伸びないのじやないか、それからいろいろこれに伴う弊害がございまして、維持、補修、管理面からそういつたようなことや、或いは全国的に見て受益者はやはり或る程度自分で負担すべきではないかといつたような見地から、現在全額国庫負担という制度は適当ではないのじやないかというのが、私共の意見つたのです。併し結果はこういうことになりましたが、これはおつしやる通り一年きりかどうか、これは私共よく分りませんが、この前の予算委員会大蔵大臣が御答弁になりましたことによりますと、地方財政審議会ですか、新たにできるのだそうで、その方にかけて二十六年度のことを十分検討の上一つやる。こういうふうにお答えになつているようですが、私共はそういうことを了解いたしております。それで予算金額がうんと殖える、出してやるのなら全額国庫負担もいいけれども、さもなければ地方自治体が迷惑じやないかと思います。非常に疑問が多いと思います。この制度では……
  109. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 建前は非常にいいけれども、実際やつて見ると甚だ困難なことではなかろうかと思います。補助ならば国が主体になつて補助を貰うのですからいいんですけれども、こうなつて来ると、国で認めんとなればそれきりになつて必要な事業でも宙に迷うというようなことになつて来る。そういう傾きが恐らくは生じて来るだろうと思います。一々国になすりつけられても困るのだ、それでやりたければ、全額自分で持たなければならん、こういうことになりますね。
  110. 赤木正雄

    赤木正雄君 災害復旧のことについて伺いたい。災害復旧の取扱ですが、或いは建設省或いは農林省、それぞれ災害復旧事業がありますが、これに対して査定方針とか、そういうものは一応各省とも共通に決つておりますか、どうですか、それから伺いたい。
  111. 高野與作

    政府委員高野與作君) 赤木さん、この査定の基準とか方針とかいうことについてですね。
  112. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ずそれから……
  113. 高野與作

    政府委員高野與作君) 大体この大きな災害項目につきましては、ずつと古いのが大分残つておるわけです。それで余り古いのを持つてつて、毎年過年度予算と言うのも何ですし、二十五年度においては二十二年度災害までは皆済ましてしまおう。それから二十三年度災害につきましては大体残つたものの半分くらいやりたい。それから二十四年度ですね、今年起りました災害につきましては、今年の追加予算でも或る程度賄いますが、それを合せましてこれは三割前後くらいしかできないことになります。大体二割から三割くらいで、し上げるようにというふうな見当で、出入りはありますけれども、そういうふうな方針で考えております。
  114. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと二十三年度、二十四年度を通じまして今後残つておる災害復旧費幾ら要るのですか、これ以外に二十五年度以降災害復旧費は必要ですか。
  115. 高野與作

    政府委員高野與作君) この別表にございますよ。
  116. 赤木正雄

    赤木正雄君 これですか、分りました。もう一つ聽きたいのは、災害復旧の対象となるところの査定方針ですが、これは各省とも共通な方針をお取りになつておりますか、各省ごとに今まではそれぞれ違つた査定方針を持つていましたか、それを統一されておりますかどうか、それを伺いたい。
  117. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) それじや私から御答弁いたします。現在まで一応査定しておりまする過年度災害につきましては、建設省は大体七万五千円、港湾の方は五万円、それから農林省は十五万円以上のものを取上げておるのであります。で本年度からはこれを全部十五万円以上に統一しようという方針で進んでおります。
  118. 赤木正雄

    赤木正雄君 私の承わりたいのは金の問題じやありません。査定方針です。査定方針は、どういう事業災害の国庫補助の対象とされるか、或いは建設省ではこれを災害の対象としない、取上げない。そういうものを他の省では取上げて行く。そういう例もありますから、これは統一されておるかどうかということであります。
  119. 高野與作

    政府委員高野與作君) その細かいことは安本では実は統一しておりません。各省それぞれ今までの規則なり、それから決められた手続でおやりになつておりますが、これは全額国庫負担ということになつて参りますと、これ又問題は別だと思つております。これは恐らく全額国庫負担になりますと非常に嚴重な考え方で行かなければ、大事な税金を使うことでありまうすから、これについてはよく一つ具体的に、関係各省とよくお話をして見たいと思つております。
  120. 赤木正雄

    赤木正雄君 二十五年度災害は、或る額以上は二十五年度に限りまして全額国庫負担になるのですね。そういたしますと今まで災害に取上げたものを、今局長のおつしやつた観点からもう一度災害査定をなさる意思はありますかどうですか。そうしないと各省によつて……
  121. 高野與作

    政府委員高野與作君) これはやつぱりその査定をやりますと、予算も又要ることでありましようけれども、これは私共の方の考えとしては、或いは現地まで行かなくても机上査定がやれるかも知れんが、一応今までの考え方とは一つ新たにして、もつと嚴重な考え方で考えて貰いたいという希望を持つておるわけであります。全額国庫負担となりますと、具体的にどういうふうになさるか。これは各省の問題でありますけれども、そういうふうに考えております。
  122. 赤木正雄

    赤木正雄君 災害査定の机上云々の言葉を今局長は言われましたが、机上によつて災害査定をするがいいか、或いは災害箇所を、一々現場によつて災害査定をすべきものか。これに対する局長のお考えを伺いたい。
  123. 高野與作

    政府委員高野與作君) それは現場へ行つて見るのが本当でしよう。
  124. 赤木正雄

    赤木正雄君 それならば今日の各省の災害査定を、どういうふうにお考えになつておりますか。
  125. 高野與作

    政府委員高野與作君) 率直に申上げますと、現在の災害査定は各省とも非常にルーズです。私共の見たところでは……、そこで例えば余りルーズでそうして府県が言つて来たままを何百億だ、何十億だと持つて歩くような傾向ですし、そういうことはしたくなかつたのですけれども、私のところで一遍抜き検査をやつて見ました。神奈川県とどこでしかた、数県やつて見ました。そうすると、やはりどうも各省から言つて来る金額が多過ぎる。実際やつて見ると相当あれは内輪なものではない。それで例えば農林省あたりの何を聞きましても、実はこの災害予算の現地査定をする何というのですか、逗留費、これが非常に窮屈だ、それには相当の金が要るし、やはり抜き検査をやつておる。県の当局の資料を貰つて、そうしてそれを抜き検査をやつておるというお話ですが、それもやはり数学的に考えて精密に一つ一つ皆現場へ行つて測量して歩くことは、これは愚かなことでありまして、府県が相当つておるのだから、それを使つて抜き検査をやつて、これを相当正確にやれば、県の嚴格な、精密な程度相当想像もできる。統計学上からやはりそういう方法を用いて、人件費も節約し、旅費も節約しても、もつと信頼すべき結果が出て来るのではないかと思う。農業の如きは広い範囲に亘りますので、河川災害とは違いまして、非常に査定に困難な面が相当あるようであります。実は各省の査定が非常にルーズだというふうに私は考えております。
  126. 赤木正雄

    赤木正雄君 災害査定によつてすでに国庫の補助を貰うことに決めたものを、同じ県内で他の災害箇所の復旧のために、賃金或いは物価の騰貴のために、これを流用する。すでに災害の復旧を決定したところを廃止しておるものがままあるのでありますが、これに対してどういうお考えをお持ちですか。もう一度言いますと、一旦災害復旧の場所に査定したものを、他の場所を復旧せねばならん、それがために、その費用を以て他の仕事を復旧する。その結果その仕事は廃工になつておる、仕事をやめてしまう、復旧しない。そういうものに対して、どういうお考えを持つていますか。
  127. 高野與作

    政府委員高野與作君) それはいずれも災害旧費ですか。
  128. 赤木正雄

    赤木正雄君 ええ同じ災害復旧です。
  129. 高野與作

    政府委員高野與作君) そこまでは経済安定本部としては干渉できないですね、認証の費目というものは、そういう個々の具体的な箇所にはなつておりませんので、ただその災害復旧費で改良をやつたとか、外のことをやるといつたようなことをやりますと、これは認証の方針とは違いますので、問題ですけれども、それは建設省で運用上おやりになることであつて、妥当だということであるならば、それでいいんじやありませんでしようか。
  130. 赤木正雄

    赤木正雄君 我々は現場へ行つて見ましても、それは当然災害復旧として復旧せんならん、それを廃工にしてしまう、例えて申しますと、堰堤が半分壊れた。当然復旧費を貰つていながら、その費用を外に流用して、その壊れた堰堤はそのままにしてある、そういうものも実際においてある。而もそういう仕事は山間部の仕事に多いのです。どうしても各府県とも山の方の仕事はルーズになりますから、折角災害復旧費を取りながら、廃工しておる。そういう事実もあります。これを一つよくお考え願いたいと思う。  それからもう一つ災害復旧を嚴にやると、これはまあ建設局長の御意見通りです。併し嚴になさるならば、平等にひとしく嚴にして欲しい。或る仕事に対しては相当に……これは恐らく安定本部では御承知ないと思いますが、実際見ますと、相当ルーズなものがある。そてに対して或るものは非常に嚴にされておる。同じ将来の仕事に対して、これは非常に均一を欠いておる。この前の、二十五年度災害対策が、そういう名目で砂防予算災害復旧から出そうということを聞きまして、これは私は穏当を欠く、災害対策という仕事を災害復旧から取るというのは、これはよくないと思つております。それならその方針をすべての事業に一貫さるべきが至当と思うところが或る事業に対しては災害復旧でない仕事を認められていると、こういう事実もあります。一々私ここに例を挙げません。でありますから、一つの省なら省において、又各省なら各省において、殊に今後或いは全額国庫負担になろうというふうな場合におきましては、余程各省通じて公正な立場に、少くとも安定本部は立つて欲しい。これに対する公共事業課長のお考えを承わりたい。
  131. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 誠にお説の通りでありまして、今まで災害復旧でなくて、災害復旧の費目から出ておつたものがありますので、こういつたものは私共の検討した範囲におきましては、全部それぞれの費目から支出するというように処置したんです。御指摘のようなものは、二十五年度においてはないつもりでおりますが、お気づきの点がありましたら、御注意頂けば私共認証のときにおきまして処置するつもりでおります。
  132. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 最後に、どちらの局長でもいいですけれども、今後は見返資金がかように公共事業費方面相当来ることになる。そうして公共事業の費用が相当殖えて来た。これは失業救済ということも考えると同時に、非常に資金が固定的になつて、いわゆる停滞して行く金である。で我々は日本の今のデフレの情勢においてはできるだけ流動資金を多くして、まあ大衆の購買力を高めるということが当面考えられるのだが、一応失業救済ということはそれはそれとして、資金がそういうふうに固定的になつてしまうということは、どういうふうにお考えになるのか、そういうことは結構なことではあるけれども、何かそういうことについてお考えがあつてのことか、承わりたい。
  133. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 只今の御質問ですが、昨年あたりから一番金融上問題になつているのは、今のお話とは逆で、長期資金、設備資金が非常に足りない。昨年春までは復興金融金庫がありまして一年七百億くらいの貸出をしておつた復興金融金庫の貸出の七割くらいまでは設備資金だ。それが一朝にして腹金がなくなつたために設備資金がなかなか出ない。そのため昨年から社債とか、株式による長期資金の自己調達ということが活發になつたのですが、株式におる資金の調達なんかも、御承知のように最近行き詰つて来ておる。一般の金融機関はなかなか短期の手形割引とか、短期の貸出ならするけれども、長期の貸出というものは、日本の金融機関全体が商業銀行になつてしまつている今日では到底期待できない。僅かに興業銀行だけが債券を発行しておりますために、興銀からは比較的長期資金が出るが、その他の銀行から出る長期資金というものは、これは大体の見当ですが、貸出総額のせいぜい一%半か2%くらいしか長期資金が出ないということのために、非常に困つておるということが、これはもう常識になつております。その結果はどうかというと、長期資金は設備資金になる金ですから、いろいろな資材、物資の有効需要になるわけです。ただ運転資金だけは要するに廻転するだけですから、多くの有効需要を起さない。そういうことのために昨年来滞貨が多くなつて来ておるような、そういうようなことにのために、経済全体が弱つて来ておる。こういう次第ですから、現在私共一番考えておる、又国民の一番待望しておるところのものは、とにかく設備資金をできるだけ余計出して呉れということであります。そこで見返資金は、これはアメリカの援助資金で、将来返すのか、或いは貰い切りか知りませんが、いずれにしても恐らく当分使つてもいい金であると思います。ですから見返資金はその総額を設備資金の方に廻したい。又銀行、農林中金、商工中金等につきましてもいずれ法律案が出されるでしようが、債券の発行限度を拡張して、そして債券を出させて、それで取つた金を長期資金に強制的に廻させるというようなことを講じてまでも、長期の設備資金を出させよう。こういうことがこれからの一番大きな課題になつておるわけですから、従つて見返資金の或る部分を私企業から出す場合に設備資金として出す、鋼材なり、セメントなり、アルミなり、銅なり、木材なり、こういうものの基礎を固めることによつて、日本経済の復興の意味から言つても、或いは循環の意味から言つても結構なことではなかろうか、かように私共考えております。
  134. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 とにかく御説明によるというと、長期資金は設備資金として固定するけれども、それによつて日本のそういう設備の基礎を固めるんだというふうに理解されますが、併し今の世間の金詰りというやつは、又それと別な意味で中小企業を困らしておることが非常に多い。そういうことを考えないでやつておると私共には思われますけれども、そういうことについてお考えがあつてのことですか。
  135. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) それは両方睨んでおります。運転資金も多々益々弁ずでありますし、殊に今年からは貿易も民間貿易になるというようなことで、輸入を多くするにも、今までのような政府のやることを待つておられん、自分の運転資金を調達して、それで輸入手形の決済をしなければならんということのために、今年はそういう新らしい運転資金も出ようし、又この計画には載らんでしようが、実際納税のためにもそういう運転資金が要るでしようし、そういう面は要ることは要るでしようが、昨年から今年にかけて物価が安定しましたために、今までよりも生産品の値上りということのための、いわゆる増加運転資金というものは、理屈の上からも現実の上からも要らなくなつて来て、今までは自分の例えば或る製品を一万円で作る、その次に同じ製品を繰返して作ろうと思えば原料が上つておるために、一万円では同じ数量の生産ができなくなる。そこで高い原料を買つて、それが売れるまでは繋ぎの運転資金が要る。こういうことでインフレによる物価の高騰に従つて尻上りに運転資金というものが増加されたわけです。現在においてはそういうことがなくなる面も相当出て来ておる。まあいずれにしても運転資金も苦しいですが、併し先程来赤木先生並びに皆さんの方からお話のあつた公共事業あたりに重要性を置かなければならんと点から考えましても、どうしてもこの際設備資金、長期資金というものをできるだけ余計に供給する方法を講じて、いわゆる資本形成というものを暫くの間続けることが、是非必要じやないかとかように思つております。
  136. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 結論は資本の蓄積、資本の形成等が主で、現在給與の問題とか、中小企業の金詰りの問題とかは二の次だと、こう考えていいのですか。
  137. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) そうじやありません。中小企業につきましても、運転資金ばかりでは商品も作れません。設備資金のないときでありますし、そこで企業の合理化をしなければならん。設備の改修とか補修とかいうものも是非必要である。そこで中小企業に対して、私は十分とは思いませんが、運転資金については御承知の日本銀行から興銀、農林中金、商工中金等へ三十数億の特別の信用による枠を設定して、中小企業は運転資金については興銀、農林中金、商工中金という三つの機関から日銀の運転資金がどんどん借りられるという仕組、それだけでは長期に間に合わないということで、見返資金から一・四半期に三億円を中小企業のために下して、それで市中銀行から期限五年以内という長期資金を供給する方法について今やつておるわけであります。そういうように中小企業につきましても運転資金、設備資金の両方を睨み合せながらやつておる。公務員の給與ベースの問題は、設備資金とか、運転資金の問題よりもむしろ財政の問題でありまして、これは私は受益者でありますから、余り多く申しません。
  138. 久松定武

    久松定武君 金融局長にお伺いいたしますが、先程ちよつとお話がありましたように、建築物に対して、特に土地に対しての金融機関というものがいろいろ議論をされておるようでありますけれども、今後そういう設備資金と相俟つて、そういう方面に対する特別の金融機関、勧銀がやつてつた、或いは信託会社ああいうような金融機関というものは今後作られる御意思があるかどうか。
  139. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 住宅につきましては、例の住宅金融公庫が出来まして……
  140. 久松定武

    久松定武君 土地に関して……
  141. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 家屋でも適当に家屋を作るためには土地が要るということで、或いは資金の一部は必要止むを得ない場合には、住宅建設用地の取得のためにも一部向けられるようなことが考えられておると存じます。尚昔のような興業銀行とか、勧業銀行式の……、一時新聞等にも昨年あたりから、或いは直接勧銀でやるとか、救済機関を作るというような話もありましたが、私は現在承知しておるところでは、そのアイディアを更に発展させて、ひとり勧銀のみならず興業銀行、北海道拓殖銀行、或いは農林中金、更に一般の金融機関にも特に資本金と、それから積立金の二十倍までは債券を発行させる。但し預金をとつておる銀行につきましては預金と債券とを合せたものが、資本金の二十倍以上になる場合には、それ以上の債券の発行を認めないという制限が置かれることになりますから、まあ大体普通の市中銀行は債券発行能力がないと思います。今日預金が資本金の二十倍、或いはそれ以上になつておるから……。勧銀や中金や北殖にはそういう債券を出せる資格が與えられる。その入つた金は三年なり五年まりの長期資金にする。それは長期の金は長期資金として出す。言い換えれば救済金融、そういつた方面へ廻すように仕向けて行く、こういう仕組で今折角立案をいたしております。ただよく問題になるのですが、私も詳しいことは存じませんが、例の農地調整法の関係で、農地は担保力がないとか、移転が制限されておるとか、或いは先の漁業法の改正で漁業権についても同じような面が現われて来ておるという困難な問題があるのです。まあできるだけそういう場合には、何か副担保といいますか、副保証といいますか、というような方法を講じて不動産そのものに法律上担保力のないものを補つて行く、こういう方法で進めるようにいたしております。
  142. 久松定武

    久松定武君 それは本国会に……
  143. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 本国会に出る筈でございます。
  144. 赤木正雄

    赤木正雄君 開墾事業費につきましては、この委員会でも、随分問題があつたのであります。二十五年度の開墾事業費は本年度より殖えておりますが、これはやはり今まで運営された開墾を引続きなさる関係上、それでこの経費が必要なんですか、又新らしく開墾なさるために必要なんですか、この辺の事情を教えて下さい。どういうふうでこういう開墾費が出ておるか……
  145. 高野與作

    政府委員高野與作君) 開墾事業費については世間のおつしやる通り特に国会あたりの非難が随分ありました結果、又地方長官各位も、無計画の開墾事業については非常に非難が出て参りましたのに鑑みまして、私共開墾については随分研究いたしましたが、ここに掲げております経費の増というのは現在やつております開墾事業につきましてすでにもう入植しておる者、既入植者の建設工事とかいうものは、今まで予算が非常に切詰められまして、一向遅々として進まないわけであります。それから賃金あたりも非常に切詰めた賃金でありまして、それでは到底入植者は生活して行けないという問題があり、そういつた面で相当程度調整して増額しておりますが、又昨年度と同じように新規入植は一万戸を予定しております。二十四年度と同じように新規入植は一万戸、これはすでに待機中のものでありまして、どうしても新規に入れてやらなければなりません。それから特に府県がやります代行開墾といいますか、府県のやる開墾、あれについての問題は……、あれに対する非難です。国営、国がやつておりますものにつきましては随分調査してやつておりますから、非常に慎重にやつておることと思つております。
  146. 久松定武

    久松定武君 もう一つ局長にお伺いしたいのですが、大体災害復旧というものは、原状復旧のできない災害に対してはどういうふうに考えておられますか。
  147. 高野與作

    政府委員高野與作君) それは改良と災害復旧の金を組合わしたもの、そういう金について特別に災害と組合わしたものを防除費ですか、そういうような名前予算に挙げておるわけであります。
  148. 赤木正雄

    赤木正雄君 この開墾の問題でありますが、引続き……。実はこの間群馬県の開墾地を見て来たのですが、とにかく開墾をやつて相当の食糧を生産しております。殊に大豆などを生産しておりますが、今後は食糧も相当外国から入つて来るというような見通しもありますので、開墾をやつて食糧を得るのがいいか、或いは、そこは相当森林のよく生育する土地でありますから、森林経営をやつた方が結局いいか、そういうことまで根本的に考えていないように思つたのです。現にこの間私が見たところでは農林当局の開拓関係も、林野関係もいましたが、どちらを聞いてもそういう結論を考えてやつていないように思います。でありますから今後開墾というものは單に開墾してそこで食糧を得るのみならず、それ以外にむしろ現状のまま森林を育成した方が結局は利益がある。そうして人が殖えて来ればその人は工業面に向けて、工業の生産に役立てた方がいいというような考えもありますが、これに地する安定本部の御意見はどうでしようか。
  149. 高野與作

    政府委員高野與作君) 正におつしやる通りで、学者の話によりますと一番国土を経済的に使うには森林を育成することだと言う。太陽エネルギーを吸收する意味で、作物は非常に短期間しか吸收できない……、そうして而も隣りの国には森林がない、禿山ばかりの国であるから、或いは森林にしてしまつて、無理な開墾をしないで、そうして木材を中国にでも輸出して、中国から粟や高粱や穀物を買う、こういう考え方もあるかも知れません。そらからおつしやる通りに狭い土地に工業を興しまして、そうして多数の人数を吸收する。まあ定石は、日本あたりは八千万以上の人間が、やはり工業を中心として生きて行かなければならんでありましようが、当面工業方面に吸收するということがないということになると、やはり手近な開墾、土地を與えなければならん。ただその際今まで批判されておりますように、治山治水上大事なところの山を開墾して見たり、無計画にやつて見たりすることがいけないのであつて、やはり当面土地を與えるということを国策として推進して行かなければならんのではないか。こういうふうに考えます。
  150. 赤木正雄

    赤木正雄君 それからこの各費目につきまして補助費或いは直轄の事業でありますが、直轄におきましてもその三分一の費用は各府県から国に納付すると思いますが、こういうような関係で、補助の費目は随分ありあすので、今どの仕事がどれ程補助率を持つておるのか。私共ちよつと忘れたのもありますからして、この次の機会に、いつでもよろしうございますが補助率、それを一つお知らせして頂きたいと思います。  それからもう一つ、これは事業費だけをお示しになりましたが、事務費は承つてないのですが、事務費をお知らせ願うわけには行かないのですか。例えば河川事業費に対する事務費というふうに……
  151. 高野與作

    政府委員高野與作君) 事務費つたら労務費ですか。
  152. 赤木正雄

    赤木正雄君 いやそうじやない。
  153. 高野與作

    政府委員高野與作君) 事務費として二十億とつているわけです。
  154. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川事業費に対して事務費がどれだけとか、或いは土地改良事業費に対して事務費がどれだけとか、そういうものはないですか。
  155. 白石正雄

    説明員(白石正雄君) 予算の中にあるわけです。
  156. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) それでは本日はこの程度にして散会いたします。    午後三時五十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    理事            仲子  隆君            赤木 正雄君            岩崎正三郎君    委員            島田 千壽君            堀  末治君            中川 幸平君            久松 定武君   政府委員    経済安定事務官    (財政金融局    長)      内田 常雄君    経済安定事務官    (建設交通局    長)      高野 與作君   説明員    経済安定本部建    設交通局技官    (公共事業課    長)      白石 正雄君