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1950-02-07 第7回国会 参議院 建設委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年二月七日(火曜日) 午後一時三十三分開会 ————————————— 本日の会議に付した事件 ○
理事補欠互選
の件 ○小
委員会設置
の件 ○
建設事業一般
並びに国土その他諸計 画に関する
調査
の件 (
昭和
二十五
年度
公共事業費
及び見 返
資金等
に関する件) —————————————
石坂豊一
1
○
委員長
(
石坂豊一
君) それではこれから本日の
建設委員会
を開会いたします。公報によ
つて
お示しいたして置きました
通り
、二十五
年度
の
公共事業費
及び見返
資金
についての
説明
を聽取いたします。それから小
委員会
の件と
理事補欠互選
の件とこうな
つて
おりますが、公式にいたしますか。
理事
の
補欠
は
差当り
二名を
補欠
したいと思いますが、御
異議
ございませんか。
中川幸平
2
○
中川幸平
君
理事
の
補欠選挙
は
成規
の手続を省略して
委員長
の指名に一任したいと思います。
石坂豊一
3
○
委員長
(
石坂豊一
君)
中川
君の提議に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石坂豊一
4
○
委員長
(
石坂豊一
君) それでは
委員長
より指名いたします。
赤木正雄
君、
岩崎正三郎
君このお二人にお願いいたいと思います。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
石坂豊一
5
○
委員長
(
石坂豊一
君) 次に小
委員設置
の件でありまするが、これは先の打
合会
においてほぼ決定いたしてお
つたの
でありますが、これは主として
請願陳情
の処理をするために設けたいと考えておるのであります。本件についてその員数及び
入選等
を如何にいたしますか。
中川幸平
6
○
中川幸平
君 先だ
つて
の
委員会
にその話はありましたけれども、併しこの
委員会
の法案の数も多くないし、
請願
、
陳情
及びもう
一つ四国
の
災害調査
の小
委員
というような話もありましたけれども、やはりこの小
委員会
をせないで、これを全員でや
つた
方が却
つて
よいことではないかという考えを持
つて
いるのです。先だ
つて
我々
委員
も少か
つたの
で、もう一遍
相当集まつ
たときに相談して見ることにしたらどうかと思います。
石坂豊一
7
○
委員長
(
石坂豊一
君) その点はさように皆考えておりますけれども、小
委員
を設置するということは、なかなか定員を得難いために、それで便宜上小
委員
を設置して
請願
、
陳情
を処理するようにすれば、
建設事業
の大綱というものをこちらで定め得るものと考えて、設置することにほぼ同意を得ておるのです。そのことは只今決めなければならんということもないのですけれども……
中川幸平
8
○
中川幸平
君 決めなければならんということもないじやないですか。
岩崎正三郎
9
○
岩崎正三郎
君 その件は次の
委員会
に廻して決定する、さように願
つて
置きたいと思います。
石坂豊一
10
○
委員長
(
石坂豊一
君) 次回に廻すということに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石坂豊一
11
○
委員長
(
石坂豊一
君) そういうことにいたします。 —————————————
石坂豊一
12
○
委員長
(
石坂豊一
君) それでは本日の主たる議題の
昭和
二十五
年度
公共事業費
及び見返
資金
についての
説明
を聽取することにいたします。
政府
より御
説明
を願います。
高野與作
13
○
政府委員
(
高野與作
君) それでは
昭和
二十五
年度
の
公共事業費予算
につきまして
概略
を御
説明
申上げます。お手許に資料を差上げてありますが、
昭和
二十五
年度
、
昭和
二十四
年度
公共事業費比較表
というのを差上げてありますが、今
年度
の
予算
は
合計
九百七十億であります。昨
年度
当初
予算
五百億と
追加予算
を加えまして、六百六億六千万円、本
年度
は昨年に比しまして約六割くらい殖えているということになります。それから
一般会計
のうちに
公共事業費
の占める比率を勘定してみますと、昨
年度
は約八・二%、今
年度
は一四・七%、結果から見まして昨
年度
よりも
相当
公共事業費
は増額されて、
一般会計
に占める重要さが加わ
つて参
つて
いることになるわけであります。 そこで二十五
年度予算
の極く特徴的なことを申上げますと、先ず第一に今まで
公共事業費
というものは
部款項
が
一つ
でありまして、非常に
国会
へ提出いたしましてもその
内容
が非民主的な
予算制度
であ
つたの
でありますが、今
年度
は
部款項
を
はつ
きり区分いたしまして、提出いたしましたことは非常な今
年度予算
の
変つた点
ではないかと考えます。 それから第二番目といたしまして、二十五
年度
に出されるであらうところの
災害予備費
を大幅に計上しておることであります。昨年、二十四
年度
の
予算
におきましては
予備費
、特に必ず起るところの夏季の
災害
に対しまして一文の
予備費
も計上してなか
つた
ことは、非常に今日の欠陥であ
つたの
であります。今
年度
は百億の
予備費
を計上いたしております。 それから第三番目に特徴といたしまするところは、後で又詳細申上げたいと思いまするが、
災害復旧費
の中の主要なる
土木災害
に関しまして、
全額国庫負担
といたしたことであります。こうい
つた
三つの大きな特徴を指摘することができると考えるのであります。 さてこの
内容
に入りまいて、配分の仕方について
概略
の
方針
を申上げて見ますると、先ず第一に
治山
、
治水
と
災害復旧
に最も
重点
を置いたことであります。御
承知
のように
連年災害
は、常に大きな国の
財政
の基礎を搖がすような大きな
災害
が連続して起
つて参
つて
おりますが、
公共事業費
の主要な部門が殆んど
災害復旧
に投資されなければならんということは甚だ遺憾なことでありまして、これが
根本対策
を講じなければならん。一日も早く
災害
を未然に防止しなければならんということは
国家
的な輿論でありますにも拘わらず、未だこれに対して十分な手当がされなか
つた
ということは甚だ遺憾なことでありますが、本
年度予算
におきましては、この
災害
の
根本原因
でありますところの、
治山
、
治水
に、最も
重点
を置いて編成いたしております。それで例えば、
治山
、
治水費
、表で御覽のごとく
治山治水
と申しますと、
河川事業
、
砂防事業
、
山林事業
、これを総称して私共、
治山治水事業
と申しておるのでありますが、ここに計が上げてありませんが、
合計
いたしまして、二十五
年度
は百七十五億になります。それから二十四
年度
は約百億、端数がございますが大体百億であります。
従つて
今
年度
は一七五%
治山治水事業
に
重点
を置いたつもりであります。 それから
一般
のその他の
公共事業
におきましては、昨
年度予算
において特に不
均衡
でありましたものを、これを一部是正いたしまして、正常なものにいたしたつもりであります。そうしてその他の
項目
につきましては、相変らず、二十四
年度
と同じくドツジ・ラインが堅持されておりますので、
財政
の面から
相当
の圧縮を受けておるのと考えるのであります。先ず大筋は只今申上げましたように、
治山治水費
に
重点
を置きまして、
一般
の中では特に不
均衡
であ
つた
ものを是正した。その他は前
年度
の
考え方
を踏襲した、こういうわけであります。 その次に
災害
につきましては先に申しました
通り
に、
全額国庫負担
という問題が
シャウプ勧告
によ
つて
起
つて参
りました。これに対していろいろ今日まで
研究
をいたして参
つたの
でありますが、
地方財政
の不如意の面も勘案いたしまして、
河川災害
、それから
砂防
、
道路
、
港湾等
の
土木災害
を主といたしまして
全額国庫負担
にする。その他の
項目
につきましては従来
通り
の
補助率
を踏襲する。こういうふうに
方針
を決めておるわけであります。
災害復旧
の
全額
といたしましてはこの表で御覽の如く三百七十億、それに二十五
年度
予備金
といたしまして百億、
合計
四百七十億を計上いたしております。
金額
の面から申上げますと非常に大幅な増額をいたしておるわけでありますが、今申す
通り
最も大きな
災害
であります
土木災害
を
全額国庫負担
といたします
関係
上、
金額
の開き程には
事務費
は伸びておりません。大体あらましの
考え方
といたしましては以上のごとくでありますが、若し御質問がございましたら……
岩崎正三郎
14
○
岩崎正三郎
君 今回、
治山治水
その他
災害復旧
の費用が非常に増額されたことは喜ばしいことでありますが、承わればこの
方面
には見返
資金
が大分入
つて
来ておる。こういうふうにな
つた
と思いますが、見返
資金
が今回の
予算
に組まれたうちで、それが
災害復旧
、
一般公共事業
に入れられた金、見返
資金
で今度の
予算
に組み入れられたパーセンテージはどのくらいかということを先ず承わりたい。見返
資金
をこの
方面
に
相当
廻してあると思うが、その
関係
がどの
程度公共事業費
や
災害復旧
の方に影響しておるかということです。別な言葉で言えば……
高野與作
15
○
政府委員
(
高野與作
君) 見返
資金
の問題は、武井さんから私のところの
財政金融局長
をお呼びして洩れなく
お話
するわけでありましたが、おいでがないようですから、私知る限り
お答え
いたします。 今
年度
見返
資金
の一応
計画
をいたされておりますのは、多分
新聞等
で発表になりまして御存じと思いますが、
公共企業
と
私企業
、それから
国債償還
、
予備費
、仮にこの四つに区分されておるようであります。
公共企業費
に大体四百億を充てる。その内訳を申しますと
通信特別会計
に百二十億
鉄道特別会計
四十億、それから
国有林野
三十億、それから
公共事業
に百十億、
住宅
に百億、こういうふうに分けてあります。その次に
私企業
に四百億、一応最終的に確定までは行かないものと思いまするが、電気に百五十億、それから造船に百億、
農業
に五十億、その他百億、こいうふうに一応予定されておるようであります。それから
国債償還
が五百億、その次に
予備費
が二百八十億、
合計
千五百八十億になりまするが、その中で拾
つて
見ますと、特に
公共事業
の面から問題に関心がありますことは、
通信
、
鉄道
、
国有林
、これは
特別会計
でありますが、それを除きまして
工業事業
に百十億あります。それと
私企業
でありますが、
農業
の五十億がやはり
土地改良
、
農林水産
の
そういつた方面
に使われるものだろうと思
つて
おります。それでこの
公共事業
の百十億というものを、どうするかということにつきましては、これは
衆議院
の
予算委員会
においても
大蔵大臣
が
お答え
にな
つて
おりまするが、
年度
途中において予備的に使いたいものである。それで厖大な
失業群
が発生するとか、特殊の
そういつた状況
に応じて使われるべきものと考えるのである。こういうふうに
お答え
にな
つて
おられるようでありあすが、私共
事務当局
といたしましては、最も
経済効果
のある妥当な
使い方
は、どういうことであろうかということを、
目下寄り研究
をいたしております。そういう
程度
であります。
岩崎正三郎
16
○
岩崎正三郎
君
大蔵大臣
は、
予備費
として百億と
つて
ありますが、
災害復旧
、その
方面
に主に使いたいという
意見
を発表されたわけですね。而も
当局
の方はさような
大臣
の言は言として、もつとこれ以上に
使用法
があればと、目下
研究
しておる。かように了解してよいのですか。
高野與作
17
○
政府委員
(
高野與作
君) そうではありません。私の申上げたいのは一応
失業救済
とか、突発したことに使うにいたしましても、やはり俄かにそうい
つた
適当な
使い方
というものは考えられないので、予めやはりいろいろな場合を考えて置くということが
事務当局
の任務でありますので、そういう
意味
で
関係者
が寄り寄り研突しておるという
段階
であります。
岩崎正三郎
18
○
岩崎正三郎
君
大蔵大臣
の答弁した範囲内でと言うのですか。
高野與作
19
○
政府委員
(
高野與作
君) そうです。尚
司令部当局
とはよく連絡をと
つて意見
を聽かなければならんものと思
つて
おりますが、まだ具体的な
意見
を聽く
段階
には至
つて
いないわけでありまして、近く
意見
を聽かなければならんだろうと思
つて
おります。
赤木正雄
20
○
赤木正雄
君 今の
岩崎委員
の見返
資金
の問題についてもう一度お尋ねいたします。百十億は、そういたしますと巷間では
道路費
に何ぼとか、
河川費
に何ぼとか、そう言われておりますが、まだ具体的にどの
道路
に
幾ら
とか、どの
河川
、どの
砂防
に
幾ら
と決ま
つた
わけではないのですね。
高野與作
21
○
政府委員
(
高野與作
君) ありません。
赤木正雄
22
○
赤木正雄
君 全然白紙なのですね。今
局長
のおつしや
つた
ように、大体
大蔵大臣
が
衆議院
の
予算委員会
で御答弁にな
つた
あの趣旨で突発的に起
つた
ものに出す。こういう
方針
ですか。
高野與作
23
○
政府委員
(
高野與作
君) 恐らく
司令部
の
見解
が、
大蔵大臣
のおつしや
つた
ような
見解
になるのではないかと私共想像いたしております。それだけでは雲を掴むようなものだから、尚事務的にこれからもつと
意見
を叩かなければならんと思うが、
意見
を叩くにいたしましてもあらゆる角度から、構想を持
つて意見
を質したいと、こういうふうに考えております。
赤木正雄
24
○
赤木正雄
君 このすでに決められた
予算
以外に、見返
資金
の金が
相当
入
つて
来るだろうということを、
地方
で
言つて
おるところもありますが、それは全然今まで考えられていない、こう考えていいのですか。
高野與作
25
○
政府委員
(
高野與作
君) それをどう考えていいかということは、それは今まで申上げたところで
一つ
御判断願いたいと思います。
久松定武
26
○
久松定武
君
住宅
の方に、この見返
資金
の
公共事業費
からでなく、別のところから出るのですか。
高野與作
27
○
政府委員
(
高野與作
君) 今
公共事業
のうち
住宅
に、百億の見返
資金
を用意しておりますのですが、これは
住宅金融公庫
と申しますか、あれに
政府予算
から五十億融資されると思います。これは恐らく
住宅金融公庫
として
国会
に提出されるでしようが、それと同じように使いたいというふうに今考えております。
従つて住宅金融公庫
を通じて
住宅建設
に融資されるのではないかと、こういうふうに考えておるのであります。
久松定武
28
○
久松定武
君 そうすると、今の
公共事業費
百十億以外に
住宅
に出る。こういう
意味
ですね。
高野與作
29
○
政府委員
(
高野與作
君) そうでございます。
石坂豊一
30
○
委員長
(
石坂豊一
君) 今
金融局長
がお
見え
になりましたから、何か御質疑を継続される方があれば
一つ
御質疑して下さい。大体は
高野局長
から
お話
がありましたけれども、その担当の方がお
見え
になりましたから、一層明瞭になろうと思います。それじや
金融局長
から見返
資金
の
関係
について
一つ
はつ
きりと御
説明
願いたいと思います。
内田常雄
31
○
政府委員
(
内田常雄
君)
建設局長
からすでに
お話
があ
つた
と存じますが、来
年度
の見返
資金
は御
承知
のように千五百八十一億ということにな
つて
おりますが、これは中身を割
つて
見れば
アメリカ
の新らしい対
日援助資金
が繰入れられる分は約千三百億くらい、
あと
の二百八十億ばかりは二十四
年度
から来
年度
への繰越と、それから二十四
年度
に見返
資金
がもう働いておりますから、それの
利息收入
がある。それで千五百八十一億になるわけでありますが、そこでその
予算
の
使い方
は、すでに二十四年から二十五年に繰越す金が、正確に申すと、二百三十八億というものがあるのですから、それに更に四十何億かを加えました二百八十一億は、まあできるならば使わないで二十六
年度
に繰越すと、こういうような心持が実はあるのです。
予算
の
使い方
は、今の千五百八十一億を、先ず
債務償還
に五百億、これも
予算
に出ております。そらから
私企業
、
プライヴェイト・エンタープライズ
に投資するのが四百億と、それから
公企業
の
関係
で、ここに
公共事業
の問題が出て来るのですが、
鉄道
とか、
通信
とか、
国有林野
とかいう
政府
の
特別会計
でや
つて
おりまする
事業
、或いは公社の
関係
、そと御
承知
の今度
住宅金融公庫
というものが
政府
の
一般会計
五十億の出資でできることにな
つて
おるのですが、この
住宅金融公庫
に百億円ぐらい
住宅資金
として出してやる。そういうものを含め尚百十億ばかりを、これは
政府
の
事業
でもないし、
住宅公庫
でもない。
一般
の
公共事業
的なものに使うというつもりで四百億円、こういうものを支出いたしまして、つまり五百億と四百億と四百億で千三百億になりまして、
残り
の二百八十一億は、
名前
は
経済再建費
という
名前
にな
つて
おりますが、これはまあ妙な
名前
でして一種の
留保金
、乃至は先程申上げましたように、GHQの本当の気持は、できれば再来年への繰越金にしようと、こういうよう
なつ
もりで、
経済再建費
というような、どうしても使わなければならない事態が起
つた
ときには使うが、使わなくて済む場合には
財政金融
の調整というような
意味
で残して置く、こうようなものであります。そこで直接問題になりますのは、今申上げたこの
公企業
四百億の中で、すでに決ま
つて
おりますところの
鉄道
、それから
通信
、
国有林野事業特別会計
、それが全体で百九十億になりますが、
鉄道
が四十億、
通信事業特別会計
が百二十億、それから
国有林野事業特別会計
が三十億、それで百九十億、それに
住宅関係
の百億が決ま
つて
お
つて
、
残り
の百十億を一体どういうふうに使うかということが、今年これからの課題になるわけでございます。尚二十四
年度
、本
年度
の見返
資金
ですが、これは出発当時は為替の
換算率等
が
はつ
きりしておらなか
つた
し、又見返
資金
の基になる
アメリカ
の対
日援助費
で買われる物資が、如何なる時期に日本に到着して、それが円で売られて
会計
に入
つて
来るかというような時期の
見通し
が
はつ
きりしなか
つた
ために、一応当初
予算
で御
承知
のように千七百五十億というような見返
資金予算
を載せておりましたが、その後漸次見返
資金
の入り方等が分
つて
来るに
従つて
、これを
補正
いたして千五百八十億でしたかに直してあるわけです。
経済安定本部
としては、実は当初
予算
千七百五十億の時代から
司令部
に折衝いたしておりましたために、この総
金額
は、初めてのことであるし、果して千七百五十億の金が使えるかどうか分らんということが可なり
はつ
きりしておりましたために、我々の
資金運用計画
としては千四百億円くらいが使える金であろうと、こう思いまして、千四百億円で二十四
年度
の見返
資金運用計画
を立ててお
つた
わけです。ところがそれが先程申しましたように、
予算
が
補正
になり、而もその一部は来年に繰越すというようなことにもなりましたために、大体当
つて
おる。その場合に千四百億の
使い方
は、これも本
年度
の
予算
ですでに御
承知
のように、
鉄道
、
通信
の両
特別会計
に二百七十億、詳しく言うと、
鉄道
に百五十億、
通信
に百二十億、それから
私企業
の
関係
で……、その前に
復金債
の
償還
の
関係
がありまして、
復興金融金庫
の債券を
償還
する。これはまあ直接に見返
資金
から
償還
するわけではなしに、手はなかなか込んでお
つて
、
政府
から
復金
に
復金債償還
のために
交付公債
を渡すと、その
交付公債
を見返
資金
が
買取つて
、そうして
復金
に
現金
を入れると、
復金
はその
現金
で
復金債
を還すというなかなか手の込んだ
やり方
ですが、要するにこの
復金債償還
のために六百二十四億円というものを予定し、これは予定も何もないので、
金額
がそう出て来る。
残つた金額
を、当初の案では、
私企業
、
プライヴェイト・エンタープライズ
に確か二百九十億ばかり、それから
残り
の百五億であ
つた
と思います。それは計算して見ますと分りますが、確か百五億
程度
のものを
公共事業
的なものに使いたい、その中には
道路
もあれば、六三制もあれば、
災害復旧
もあれば、更に又、
鉄道
、
通信
が二百七十億では、
鉄道
の
電化
も満足にできない、もう少し
東海道線
ぐらい
電化
を完成したいということのために、
鉄道
、
通信
への
追加分
のようなものも三十五億ぐらい含めて、百五億ばかりの
公共事業関係
を載せてあ
つた
わけです。それが今日までの
状態
ですと、
公共事業関係
の百五億ばかりのものは、
計画
としては向こに折衝しておるけれども、向うから個別的にオーケーが出ない。今の
見通し
ですと、
復金債
の六百二十四億は、これはまあ当然出される。
鉄道
、
通信
の二百七十億も概ね出される。
私企業
の方の確か三百九十億ばかりのものが、三月一杯で二百五、六十億出るのではなかろうか。言い換えると、百何十億のものが
私企業
の方も
計画通り
には出ないでしようが、
公共事業関係
も百億くらいのものは出ないでしまう。合せて二百何億というようなものが
計画通り
出ない
じまい
になる。この出ない
じまい
になるのは、一部は今申すように二百三十何億を来
年度
に繰越す。当然二百何十億を来
年度
に繰越すために、
私企業
の一部も、
公共事業
も抑えなければならん。もう
一つ
は、
補正予算
を千五百八億としたけれども、これが千五百八億だけ入りそうもない。やはり最初に私共
計画
を立てたように、千四百億かそこらで終わるのではなかろうか。すでに一月現在で入
つて
来ておる金は、千百十二、三億しか入
つて
来ておりませんから、
あと
二月分、三月分が入るとして、せいぜい二百億乃至三百億ぐらいしか入らんだろう、
予算通り
は金が入
つて
来ないというようなことのために、今年の
公共事業関係
は余り望みを嘱せないで、その分来年の百十億ということで、今度は
予算
の上で正々堂々と載つか
つた
と、こういうふうに御
理解願
つた
らよろしいのではないかと思う。この百十億の中に何を盛り込むかということになると、これは議論のあるところで、
一般会計
の方の
公共事業費
が、御
承知
のように
失業対策費
まで入ると千十億になります。
一般会計公共事業費
が九百七十億に、
失業救済関係
が四十億ありますから、
事務費
を除いて千十億ある。
災害復旧
に三百七十億、来年の新らしい
災害
のために百億取
つて
、
残り
の五百億ばかりを
一般
の
公共事業費
に振り当てておるというような
状態
で、去年から見ると
公共事業費
全体で六、七割殖えて可なり楽にな
つて
おるけれども、楽にな
つた分
は
災害
の方に取られておるために、まだ
一般
の
事業費
というものは楽にな
つて
おらん。現にこの千十億の
公共事業費
を割り振る場合に各省、各
地方
から
要求
があ
つた
公共事業費
、その
要求額
は私の記憶では確か三千億を超しておると思うわけです。それを
失業救済
まで含めて一千十億に
ちよ
ん
切つて
、そのうち
災害復旧
が四百七十億、その他あ
つて
、
残つた分
五百億、これは開拓でも、干拓でも、漁業でも、
港湾
でも、
都市計画
でもできる。そうして見返
資金
が百億ばかり出るそうだということで……、今まで査定された各
公共事業費
では
事業
は何程もできないので、それに総
司令部
の
意向
もまだ
はつ
きり分りませんが、
司令部
の
意向
を聞く前に
建設局
の方で
一つ
立派な案を立てて頂いて、その案の立て方は
一般
の
公共事業費
を万遍なくやる。見返
資金
は今後、二三年しかない、
講和條
約でもできたら又
違つた形
になるでしようが、これは毎年と
つて
来ておりますから、たまたま百億ばかり使える金がある際に、
一般
の
公共事業費
は何年待
つて
もなかなか出そうもない、特殊のものをまとめて僅かばかりでも取上げて、それをここ二三年くらいの間にずつとや
つて
行けるようにしたらよいのじやないか、而もその
やり方
もこれは分らんですが、
一般
の
公共事業
は
地方
からも
分担金
を取らなけらばならん、
分担金
を取ると
言つて
も
地方債
の枠が一杯だし、拡張すると
言つて
もなかなかいけないだろうから、
分担金
を一切とらないで、
国家
で
分担金
なしでやるようにしたらどうかということで、折角今打合せをいたしておる。こういう恰好であります。それで
高野
さんから
お話
があ
つた
かとも存じますが、
財政
は
一般会計
が去年より今年は
相当
減
つて
来ておる。去年は七千余億、今年は六千余億に減
つて
来ておる、去年は恐らくもつと減るだろうと思います。それはすでに今年の
予算
の中に、御
承知
のように今年の新らしい財源から
債務償還
として五百億も入
つて
おる。前
年度
の
剰余金
を抜きにいたしましても……。それから又
終戰処理費
が千億余りにな
つて
おる。この
終戰処理費
も恐らく減るであろうし、
債務償還
というものは、二年も
安定経済
を続けてインフレがぶり返す危險がなくなるに
従つて
、少くなると解していいじやないかと思われる。そうなればそこに歳出上の
余裕
が出て来る。その
余裕
の一部なり、半分なりは当然これは税の方の軽減にも当てらるべきであるけれども、他の一部は何に使うかというと、要するに
文化国家建設
の方に使うべきであろう。そうすると
公共事業費
に対する
発言権
が
相当
大きくなるんじやなかろうか、現に去年より今年は
公共事業費
が
相当
殖えておる。又総
予算
に対する割合も殖えておる。二十四
年度
の
公共事業費
の
予算
は御
承知
の
通り追加予算
を入れまして六百二十五億ばかりですが、これは総
予算
の八・二%にな
つて
おる。それが二十五
年度
公共事業費予算
は、今度の六千余億に対して一四・七%くらいに殖えて来ておる。私丁度ここに昔の数字が持
つて
おりますが、
公共事業費
という形を取
つたの
は
昭和
二十一年からだと思いますが、
昭和
二十一年あたりは
公共事業費
も少くて、二十一年が総
予算
に対して六・七%、二十二年が六・八%、それから二十三年が一〇・五%、このときは
公共事業費
が五百億近くに殖えた。二十四年が今申しますように八・二%、
ちよ
つと落ちましたが……。
昭和
にな
つて
からでも、例えば
昭和元年
を見ますと一一・七%、
昭和
二年が一三・六%、
昭和
三年が一四・五%、
昭和
四年が一二・四%、
昭和
五年が一〇・五%、六年は九%ばかり落ちておりますが、七、八、九年とそれぞれ一二%くらいにまで行
つて
おる。この頃のまだ軍事費が
相当
あ
つた
時代においてこの一二%乃至一四・五%くらいまで行
つて
おるので、軍事費がなくな
つて
来ておる今日以後の
財政
の下においては、こういう建設的の経費は当然殖える運命にあるのじやなかろうかと私は思います。非常に楽観しておるわけですが、これは
建設局長
も同
意見
のようでございます。
赤木正雄
32
○
赤木正雄
君
建設局長
にお伺いいたしたいのですが、この区分の中にある
河川
というのは、どういう
意味
の
河川
なんですか。
河川
の範囲を知りたいのです。
高野與作
33
○
政府委員
(
高野與作
君)
災害
の方の
河川
ですか。それとも
事業
の方の……
赤木正雄
34
○
赤木正雄
君 さつき貰いました表の中に区分欄がありますが、この
河川
というのはどういう
意味
の、どの範囲を
意味
しておるのか……
高野與作
35
○
政府委員
(
高野與作
君)
ちよ
つとその表を御覽になりますと、
河川事業
費と書いてありまして、その次に八つ程書いてありますが、直轄
河川
改修費、直轄河水統制
事業費
、
河川事業
調査
費、土木機械
調査
費、北海道
河川
改修
事業費
、
河川
改修費補助、河水統制
事業費
補助、海岸堤防修築費補助、これだけの区分です。
赤木正雄
36
○
赤木正雄
君 そういたしますと、今お読みにな
つた
表には
砂防事業
費がありますが、
河川事業
費の中に
砂防
がないのはどういうわけですか。
高野與作
37
○
政府委員
(
高野與作
君)
災害
の方の表をおつしや
つて
おるのですか。
赤木正雄
38
○
赤木正雄
君 今
河川
の
内容
は
局長
の話で分りました。……この区分ですね、
河川
、
農業
、公共施設、耕地、山林云々とありますが、この中に
砂防
という
項目
はありませんが、それはどういうわけでないのか。
一般公共事業
費の中には
河川
、
砂防
と分けていながら、この表にはどうして
砂防
を分けてないのですか。
高野與作
39
○
政府委員
(
高野與作
君)
災害
の中には
砂防
という区分をしてないが、とおつしやるのですが、今のところ
砂防
の
災害復旧費
は非常に少ないのではないですか……
赤木正雄
40
○
赤木正雄
君 ああそうですか。
石坂豊一
41
○
委員長
(
石坂豊一
君) 赤木さん、それで分りましたか。
赤木正雄
42
○
赤木正雄
君 その点は分りましたが、質問したいことはまだ沢山ありますが、それから二十五
年度
の
公共事業費
の中には今までありましたように、
災害
防止というのが見当りませんが、それは何か
名前
が変
つて
いるのでありますか、その点はどうな
つて
おりましよう。
白石正雄
43
○
説明
員(白石正雄君)
災害
防除的なものは、
災害
の中から除きまして、
一般
の中で考えるように処置しております。
赤木正雄
44
○
赤木正雄
君
一般
のどの費目に入
つて
いましようか。
高野與作
45
○
政府委員
(
高野與作
君) これは
河川事業
費の中に
河川
改修費補助というのがあります。これの中を分けますと、中小
河川費
、直轄
河川費
、附帯工事費、
災害
防除費、
河川
維持費、
災害
土木助成費、こういうものが
河川
改修費補助の中に入れておりますが……
白石正雄
46
○
説明
員(白石正雄君)
災害
防除的なものは、表の表面に現われておりませんが、
河川
維持費、並びに
河川
維持費補助、及び都道府県
災害
土木
事業
助成費と、こうい
つた
項目
の中で支出しております。
赤木正雄
47
○
赤木正雄
君 それは各
項目
について金は大体分
つて
おりますか。
白石正雄
48
○
説明
員(白石正雄君) 分
つて
おります。
赤木正雄
49
○
赤木正雄
君
ちよ
つとそれを承わりたい。
白石正雄
50
○
説明
員(白石正雄君) 直轄
河川
の維持費が三億三千七百万円、それから北海道の国費
河川
維持費が五千万円、それから都道府県の
災害
土木
事業
助成費が三億、それから
河川
維持費補助が三億八千百万円。
石坂豊一
51
○
委員長
(
石坂豊一
君) よろしうございますか。
岩崎正三郎
52
○
岩崎正三郎
君 さつきの見返
資金
の方に帰るのですが、
住宅金融公庫
ですね、これに百億程出すというのが、
住宅金融公庫
というものは企業体であるので、企業体に金を出すということは、それだけ出して結局利子を
政府
は取ろうという考えなんですか。これは無利子でするというのですか。どうなんですか。
内田常雄
53
○
政府委員
(
内田常雄
君) 利子は取るのでございます。恐らく……見返
資金
の金は今まで七分五厘が基準にな
つて
おりますから、七分五厘くらい取るのじやないでしようか。それは公庫に出すのは繰入れて移し替えであります。
岩崎正三郎
54
○
岩崎正三郎
君 金融公庫を設立するために利子は取りませんのですか。
内田常雄
55
○
政府委員
(
内田常雄
君) 利子は取りません。公庫の計算において家賃を彈き出したり、金を貸す場合には恐らくは七分五厘くらいの基準でやるのじやないかと思います。
久松定武
56
○
久松定武
君 土木機械
調査
費というのは
相当
額のようですけれども、八億円ですか、これはどういうようなものですか。
白石正雄
57
○
説明
員(白石正雄君) これは機械費です。
久松定武
58
○
久松定武
君 機械の費用ですか。これは
ちよ
つと漠然としてお
つて
……
高野與作
59
○
政府委員
(
高野與作
君)
国会
に提出した
予算
書にはどう書いてありますか、土木機械整備費かも知れません。
白石正雄
60
○
説明
員(白石正雄君) 機械を購入する金であります。
久松定武
61
○
久松定武
君
調査
費でなしに、整備費の誤りですね。
白石正雄
62
○
説明
員(白石正雄君) 誤りであります。
久松定武
63
○
久松定武
君 それは向うのを買うというのですか。
白石正雄
64
○
説明
員(白石正雄君) そうでもありません。
久松定武
65
○
久松定武
君 国産品ですね。
高野與作
66
○
政府委員
(
高野與作
君) これでざつと御覽になりまして、この
治山治水費
の外に、この各
項目
につきまして、特にこの最初の表のパーセンテージの比較表を見て頂きますと、ぐつと殖えておりますのは、数字が小さいけれども、海上保安施設費、これが去年二億四千二百万円が五億にな
つて
おりますが、これはもう
一つ
の表を御覽になりますと、保安
通信
施設整備費というのが実は今まで行政費から出ておりましたのを、二十五
年度
から初めて
公共事業費
に移し替えられたわけであります。一億五千万、これが入
つて
おりますので、この比率が馬鹿に殖えております。 それから文教施設費、これは御
承知
のように、昨年六・三制の学校費が零になりまして、
追加予算
といたしまして十五億計上されましたが、これがこの中で四十五億計上されておりますので、大幅にこの比率が増加いたしております。これはむしろ昨
年度
の
予算
が当を得なか
つた
、こういうふうに考えて然るべきじやないかと思います。 それからその次の欄の厚生施設費、これが非常に殖えております。五三一%、これはこの別の表で御覽頂きますように、この厚生施設費というのは、国立結核療養所その他施設整備費とか、社会
事業
施設整備費、公衆衛生施設整備費補助、それから社会
事業
施設整備費補助、上下水道改良
事業費
補助、こういうような目に分れておりまするが、大体この
項目
は、日本がこういう文化
国家
になりまして、この社会施設、厚生施設というものにはもう少しやはり金が注ぎ込まれてなければならなか
つた
にも拘わらず、余りに今まで少額過ぎたという嫌いがあります。約十五億今年投ずるのでありますが、或いはこれでも尚少いのではないかというふうに考えてもいいのじやないか、こういうふうに私共思
つたの
であります。まあ非常にいいことじやないかと思
つて
おります。
石坂豊一
67
○
委員長
(
石坂豊一
君) 水道費は入
つて
おりますか。
高野與作
68
○
政府委員
(
高野與作
君) そうでございます。上下水道改良費、これは非常に少いのでございますが……
久松定武
69
○
久松定武
君 両
局長
にお伺いいたしますが、先年来問題にな
つて
おる総合開発によると、北海道の方に総合開発庁というものができて、そういう面の総合開発が若し実現するとなれば、
予算
面においてはそういう
一つ
の
予算
を特別に、つまり特定地区に出すというようなお考えがありますか。今までの特定地区というものは何らそういうものについて
予算
面に現われておりませんね。
関係
官庁が別々にな
つて
おる。仮に北海道が開発を今度特に指定されるというようなことがありました場合には、
予算
面においてもそれが
はつ
きり現われるような方法に
予算
が組めますか。
高野與作
70
○
政府委員
(
高野與作
君) この特定地区総合開発、或いは
地方
開発等と申しておりますが、これは実は今漸く開発の
調査
に着手いたしましたばかりの
状態
でありまして、この
段階
で私考えますに、今までこうい
つた
ような開発の
事業
は非常に無
計画
に、国としては遂行して参
つて
おりまするので、この原因をいろいろ考えて見ますと、こうい
つた
ような国土
計画
とか、国土開発
計画
とか、いろいろな言葉で表現されますが、これは中央だけ今までや
つて
お
つた
。中央の官庁だけでやり合
つて
、そうして或いは学識経験者のお手伝いを願
つた
りして考えてお
つた
ということで、幾度かいろいろな
委員会
なり審議会なりできましたけれども、まとま
つた
案が今日尚ありません。ただ各省それぞれ
相当
な資料は持
つて
おりまするけれども……。そこでこの原因はやはり
地方
と非常に無
関係
にや
つて
おるということに帰するのである、こういうふうに考えております。そこで
経済安定本部
の私共のところでは、一昨年ぐらいからそういうことに着目いたしまして、これはどうしても
地方
開発ということを
一つ
一生懸命にや
つて
、それから上
つて
来た
計画
でないと立派な国土
計画
、或いは開発
計画
ができないのではないかというふうに考えまして、各
地方
といろいろ連絡を取りまして、そういう気運の釀成に実は努力して参
つた
わけであります。ところがたまたま
地方
におきましても、
地方
の知事、市長の方々、或いは議員の方々がやはり
地方
開発に非常に熱心に気運が向いて参りました。そういうことと丁度一致いたしました結果でありましようかしら、翕然と各
地方
においてそうい
つた
ような纏ま
つた
協議会が、今結成されつつあるわけであります。例えば中国、四国
地方
の協議会、或いは九州あたりもそのうちできようとしておるようであります。それから関東、東北、まあできない地区もありまするけれども、こうい
つた
ブロックの協議会ができまして、更にそれが今度細分されて府県にまで下りて行
つて
、そうしてそこらで段々
計画
ができて、それがブロックへ来て調整され、更に又中央へ戻
つて
総合調整される。そういう
段階
で初めて立派な国土
計画
ができる。そうすると国の
予算
の配分もその線に沿
つて
考えて行
つた
らいいのじやないか。今それの
段階
といたしまして
河川
総合開発の調整と、それから今申されました
通り
地方
の特定地域の総合開発、こうい
つた
ようなものが手に着いたところでありまして、これが急速に具体的に立派な
計画
にな
つて
来まして、そうしてその線に沿
つて
この国の
予算
が配分されるということが一番望ましい。併しながら現
段階
ではその過程であるからと申しましても、一応段々と
相当
の問題がクローズ・アップして参
つて
おりますので、私のところで
公共事業費
の
予算
を決めまするとき、いろいろな角度から検討いたしまして、先ず
公共事業
課ではそうい
つた
予算
の配分をいたしますが、それにこの開発課というのがあります。この開発課が担当いたいしております開発の面から、
地方
的な配分について妥当な
計画
をやはり提出いたし、それから監督課の面から
事業
の効率的な、経済的な実施という観点から、この監督を通じて監督と通じて経験したことから、やはり別な角度から案を提出いたします。そうい
つた
ようなことを総合調整いたしまして、この案を考えて行くつもりであります。
久松定武
71
○
久松定武
君 もう
一つ
お伺いしますが、その総合開発につきまして
地方
の様子や何かを聽いて見ましても、なかなか熱意のあるところが多いのであります。併しその
調査
費を配分されても全然その使途が分らない。
調査
費そのものも僅少なものでしようけれども、一体何に
調査
の費用が出たかということも知らない、こういう今の
一般
の空気です。総合開発をするという以上は、
調査
費等が
予算
面においても
はつ
きり出るような方法の方が、却
つて
将来の空気をよくするという点があるのじやないか。この
予算
面を見ましても開発の面の
予算
というものは、
調査
費等の名目で何ら出ていないというような現状であります。一体この
公共事業費
その他
予算
面ではどの
項目
に入りますか。
高野與作
72
○
政府委員
(
高野與作
君) これは
河川事業
調査
費の中に入
つて
おります。この
河川事業
調査
費の中には、普通
調査
費と、
調査
費補助と、北海道総合開発
調査
費、それから特定地域総合開発の
調査
費、それだけ含まれております。
久松定武
73
○
久松定武
君 その費用の細分は……
ちよ
つと大別したらどういうふうになりますか。
高野與作
74
○
政府委員
(
高野與作
君) 来
年度
は一千二百万円を予定されております。
久松定武
75
○
久松定武
君 今おつしや
つた
来
年度
一千二百万円というのは
河川事業
調査
費でしよう。
高野與作
76
○
政府委員
(
高野與作
君) 特定地区だけです。
久松定武
77
○
久松定武
君 十地区ですね。
高野與作
78
○
政府委員
(
高野與作
君) 十地区です。
久松定武
79
○
久松定武
君 千二百万円……
高野與作
80
○
政府委員
(
高野與作
君) 千二百万円でございます。これがもう少し殖えるかも知れないと思いますが。
赤木正雄
81
○
赤木正雄
君
河川費
、それから
砂防
費のことについてお尋ねします。本
年度
の
砂防
費と
河川費
に対して、来
年度
の
砂防
費、
河川費
、これは共に殖えております。併し、数字を
一般
として考える場合に、
砂防
費がこれくらいの殖え方では恐らく安定本部もいいとは思
つて
いらつしやらんと思いますが、私は初め閣議で三十億というものが
砂防
費に決定されたことは新聞で知
つて
おります。それがドツジ・ラインの結果、十八億にな
つた
ことも知
つて
おります。併し特に
砂防
費が他の費目よりも大幅に減
つた
こと、これに対する経緯をお伺いしたいと思います。
高野與作
82
○
政府委員
(
高野與作
君) 私共安定本部の
考え方
といたしましては、或る
程度
の
災害復旧
というものは原状復旧であ
つて
、何らプラスにならない。積極面が余りないのでありまして、むしろこれは少し我慢をしても、
根本対策
である、
治山治水
に
重点
を置いてや
つた
方が、これはプラスになるだろうという
考え方
を持
つて
おります。それでその線に副
つて
相当
はつ
きりしたそういう
考え方
を表現いたしますと、
砂防
費は三十億以上のものが欲しいわけであります。そうしますと、その殖えた金をどこから持
つて
来るかということ、
一般公共事業
費、或いは
災害復旧費
から持
つて
来るということになるわけでありますが、
災害復旧費
は実はお手許に差上げてありますように、千数百億に上
つて
おる。
従つて
理屈はそうであろうとも、目の前に
河川
が
災害
を受けておる。或いはその他の施設が
災害
を受けておるのをほ
つた
らかすのもいかんという辛いところもあるのです。それから
一般
その他の
項目
にあります
公共事業費
の額も、毎年々々圧縮されておりますし、少しでも余計盛りたいのでありますが、そうい
つた
ような
関係
で、初め私が、考えた
治山治水
に本当の筋金を入れるということはが途中で段々と細
つて
行
つた
。併しそれでもまあここで御覽のように、比率から申上げまして
相当
の大幅な比率の工事をしておる。こういう結果にな
つて
おるわけであります。
政府
といたしましては正に
考え方
は、建設的な積極面に、
治山治水
に金を投じたいと、こういうふうに最初、思い
切つて
考えたわけであります。やはり他の
項目
との調整上段々こういうことにな
つた
、そういうふうにお考え願いたいと思います。
赤木正雄
83
○
赤木正雄
君 今
局長
は、
砂防
費は来
年度
においては、本
年度
より殖えたとおつしやいますが、その
通り
です。又比率のこともおつしやいました、これは併し比率のことを今更言うのもおかしいと思いますが、御
承知
の
通り
に
昭和
十四、五年は
砂防
の一に対して
河川
は一・五、それが戰争中に段々この比率が変りまして、昨今では
砂防
の一に対して
河川
は六乃至七と、こういうふうに非常に異
つて
来ております。その原因は申すまでもなく戰争中に、
砂防事業
に必要な資材がないのであるから、
予算
をや
つて
も資材がないために仕事ができないから、止むを得ず
予算
を減す、こういうことを我々は安本から聞いております。今は資材の点は何ら問題はない。それで今おつしやつる比率はこれは公正な比率ではない。成る程本
年度
の費用に比べまして来
年度
の費用は殖えていますが、間違
つた
比率を以て本
年度
よりも殖えておると
言つて
も、これは議論にならない。私はそういうことを申そうとは思いません。ただ
建設局長
は、
治水
の観点から
治山
、
治水
共にやらんならんと非常に考えていらつしやることはよく存じております。私の聞きたいのは三十億が十八億に減りました。十二億減
つた
。他の
事業
に比べて特に
砂防
が減
つて
いる。そのわけを聞きたい。なぜ特に
砂防
を大幅にお減らしにな
つたの
か。その理屈を聞きたい。折角
局長
がそういう日本の将来の
治水
という観点から
砂防
を考えにな
つて
下さるのは非常に私はよく知
つて
います。その志をなぜもう少し突つ張
つて
いらつしやることができなか
つたの
か。その
内容
を聞きたい。そういうことであります。
高野與作
84
○
政府委員
(
高野與作
君) 非常にむずかしい御質問ですが、私が最初に考え出したことは、やはり現在の客観情勢、或いは常識からは余計盛り過ぎたということではないか。こういうふうに大幅に減らされたということは、そういうふうに考えるより仕方がないと思います。
赤木正雄
85
○
赤木正雄
君 では閣議に盛られてあ
つた
三十億の
砂防
は誤りと、こういうふうに解釈していいですか。安定本部は余計の
予算
を閣議に出した、こういうふうに我々は解釈していいのですか。
高野與作
86
○
政府委員
(
高野與作
君) それは今申上げます
通り
、これは
砂防
ばかりじやありません。
河川
の方も減
つて
来ました。あなたのおつしやるのは
砂防
ばかりですが、
河川
もずつと減らされた。そらから山林の方も減らされた。ですから
治山治水
に
重点
を置かにやならんという我々
事務当局
の
考え方
が、余りやはり今
年度
、二十五
年度
あたりには大きく私共は力を入れ過ぎて、結局閣議の批判を蒙
つた
。政治的にはそういう情勢でなか
つた
、こういうことですがね、それ以上私はどうも
お答え
できませんが……
赤木正雄
87
○
赤木正雄
君 先程
局長
は、
砂防
費のことを私お尋ねしたら、
砂防
費を余計盛り過ぎた、こういう御答弁であ
つた
。そして今の御答弁は全然違う。私の聞いているのは
河川
はもとよりやらにやいかん。私はなぜ
砂防
費が特に沢山減
つた
か、それを聞いているのです。
砂防
も、
河川
も、他の費用も減
つた
ということはよく存じています。特に
砂防
を何故減らしたか、それを聞いているのです。御答弁願います。
石坂豊一
88
○
委員長
(
石坂豊一
君)
ちよ
つと私からも添えたいのですが、今の割合はやはり
砂防
費の方は余計削除されているようにまあ考えられるのですが、それで
局長
の考えは盛り過ぎたと言おうか、まあ過大に
要求
したということにお考えにな
つて
おるけれども、私はやはりこの
要求額
というものはそれぞれ皆どの個所々々ということの予定が立
つて
、その
計画
を集計したものが
要求
の総額となるのであるから、別に過大なものはおつしやれない。私はまああなた方もお考えにな
つた
であろうと考えるが、国の現状は先程
お話
しにな
つた
通り
、これは
治山治水
に
重点
を置いて頂かなければならんことにな
つて
おりますので、山林を濫伐して一雨ごとに水が出て来る。山に草木の蓄積が多くな
つて
来れば、これは河床も安定して来るかも知れないが、只今のところはそれを待つわけに行かない。どうしても
砂防
というものをや
つて
来なければ
河川
が安定して来ない。それにつれて下流の方も圧迫されるということになる。それは御
要求額
は余り過大でなか
つた
と思う。ただそれは一遍に大なく金の嵩が上
つた
から他へ取られ易いというようなことにな
つて
、止むを得ず財源をそこから見出して行
つた
という、つまり誠に我々から見ると遺憾な話だけれども、
一般
に金が少いところから持
つて
来るのだから、蒿上げのところから持
つて
来たということでしようかと思うのであります。ついては、今年はさような
状態
になりましても、この
重点
主義としてや
つて
行くその御
方針
はどこまでも強く主張されて、今年はその目的が達せられなければ来年ということに
一つ
強く主張して、頂かんというと、どこまでも
河川
の憂えが絶えないのじやないか。私は真に各
地方
を見るにつけましてもさような感を懐くのであります。その点について
局長
のお考えはどうですか、赤木君に答えられると同時に
一つ
説明
して下さい。
高野與作
89
○
政府委員
(
高野與作
君) 正にその
通り
であります。実は
委員長
と赤木さんが特において下さいましたが、あれからも
相当
努力をいたしました。そのときはもう小し出る自信を実は持
つて
お
つたの
でありますが、結局さように行きませんで見積り
通り
行かなか
つたの
であります。まあ過大に私が提出したいということではなくて、私の
考え方
がまだ今
委員長
のおつしやるような
考え方
で、
治山
、
治水
に最
重点
を置くというような
程度
の客観的情勢……これはどうして減したかということは、本当はこれは閣僚にお聞き下さればいいので、私は
大臣
でありませんし、非常に主張したのだけれども、こういうことにな
つたの
でありましてどうも申訳がないのですが、まあ
一つ
後でその原因は
大臣
にもお聞きし、閣議に列席した他の
大臣
諸公も、これには御賛成を得なか
つた
からこうな
つたの
であります。併し今
委員長
の申されます
治山
、
治水
の当面の責任者はやはり繰返し繰返しこれは強調しまして、そうしていかなければ、……まあこういう増額の傾向にありますので、恐らく次には又非常に殖えるのは楽だと思うのであります、一度この辺まで踏
切つて
置きますと……。それで大体
治山
、
治水
計画
と申しましても、何か対策があるのかということになりますが、大体これだけの年々の
災害
を、どこかで
一つ
カーヴが上
つて
おるやつを、せめて水平にするか、下向きにでもしないと楽しみがない。こういう
程度
の金では、これは技術的に見て、まだこういう
程度
の金を毎年注ぎ込んで行
つたの
では、まだ水平まで……今後五年ぐらいで少なくとも水平か、下向きにしたいというような、私共
事務当局
、技術
当局
の
考え方
で
治山治水事業
というものはや
つて
行かなければならない。すおすると大体許しますならば
河川
に二百億ぐらい、
砂防
に四十億、山林に五十億ぐらいのものを投下して行くならば、恐らく五年後には、カーヴが大分なだらかにな
つて
来るのではないかという
程度
の
研究
を、実は私共で考えておりまして、そういう結論を……併し先程内田
局長
が言われました
通り
に、やはり
公共事業費
というものは日本の今後においては殖える見込のあるものであるというふうに私共も考えておりますので、今年はまあ千億近くな
つた
ということは、一応これでまあ成功ではないか。来年、再来年に段々ともつと殖えまして、そうして私共の願うところの
治山治水費
の水準にまで恐らく行き得るのじやないか。二十六
年度
くらいの
予算
においてはこういうことを楽しみにして、先ず今年この辺くらいは止むを得ないだろうと実は今考えておるわけであります。
赤木正雄
90
○
赤木正雄
君
局長
が
治水
全体をお考えにな
つて
、そうして
治山
の方もおろそかにしないというお気持はよく知
つて
おります。先に三十億を
計画
したのは過大に
計画
したという、そういうお考えをお持ちにな
つて
貰つちや僕らは困る。そういうお考えは恐らく御本心ではなかろうと思いますが、先程のようなこれは過大に計上したというような考えを、二十六
年度
の
予算
にはお持ちにな
つて
は困る。やはり正しい判断をして今のような、私の申し方が少し突込み過ぎたせいかも知れませんが、そういうふうな考えでこの次の
予算
には、
砂防
を少く盛るというようなことは今
委員長
の言われた
通り
に、やはり公正に考えて頂きたい。そのことを特に考えて頂きたい。
高野與作
91
○
政府委員
(
高野與作
君) 言葉を返すようですが、過大に見積
つた
というのは世間が過大であると考えたのではないかと思うのであります。私自身は過大であると思
つて
おるのじやありません。(笑声)
石坂豊一
92
○
委員長
(
石坂豊一
君) 全くその
通り
。世間が見たという、こういうことなんですね。
赤木正雄
93
○
赤木正雄
君 それなら、世間の声をそれ程
局長
がおつしやるなら一言申したい。世間の声を代表するものはこの
国会
であります。
国会
には
衆議院
、参議院、この大部分を網羅しておる
治山治水
議員連盟というのがあります。
治山治水
議員連盟はこの十八億の
砂防
費の内訳につきまして直轄工事が多過ぎる、もつと府県工事をや
つて
下さい。これを我々、今
委員長
もいらつしやいますが、他の議員も一緒にな
つて
大臣
によく言
つた
んです。そのときにまだそれは決めてないからしてお前らの趣旨に副うと、こういう話があ
つた
んです。これはいわゆる世間の声なんです。その聽を無視して、やはり初めと同じように直轄を五億五千万円、府県
砂防
の補助を十二億四千万円にせられた。これは非常に遺憾の思う。これに対する
公共事業
課長の御
意見
を伺いたい。
白石正雄
94
○
説明
員(白石正雄君) 正にお説のような趣旨によりまして直轄
事業
は能力の限界もあることである。そういう
意味
で
相当
減らして査定したつもりでありますが、そういうふうに考えておりましたのです。
赤木正雄
95
○
赤木正雄
君 査定なす
つた
か知れませんが、二十四
年度
の直轄
事業
は、一億五千万円、それから二十五
年度
の直轄
事業
は五億五千万円、二十四
年度
の府県補助は五億三千九百万円、それに対して府県は十二億四千万円、この比率は如何でしようか。
白石正雄
96
○
説明
員(白石正雄君) 正に前
年度
と比較いたしますと、補助の率が大幅に多くな
つた
という結果にな
つて
おりません。ただ建設省の方では直轄の方にもつと大幅の増額を
要求
しておりましたので、この
程度
に縮めたというような結論にな
つて
おります。
赤木正雄
97
○
赤木正雄
君 建設省は直轄にどのぐらい
要求
しましたか。
白石正雄
98
○
説明
員(白石正雄君) 今数字を持
つて
おりません。
赤木正雄
99
○
赤木正雄
君 この次の
委員会
で御
説明
願いたい。特にこの際
局長
にお願いしたいことは、今申す
通り
我々
治山治水
連盟は、いわゆる大衆の声といたしまして、各
地方
では実際水害に困
つて
おる。それでどうしても府県ではできないような
河川
の改修は直轄
事業
でやるが、その外は府県でやる。而も年々の水害で困るというのが多いのですから、一旦決めたものは彼此れ申しませんが、今度こういう直轄及び府県の
砂防事業
を御査定なさるときに、今
局長
の言われた大衆の声をどうかお聞きになるようお願いいたします。
岩崎正三郎
100
○
岩崎正三郎
君 今
局長
の
お話
を承
つて
おると、これからの
見通し
は年々
河川
に二百億、
砂防
に四十億、山林
関係
に四十億ぐらい取れるだろうという
見通し
があ
つて
、それから
終戰処理費
、そういうものを取
つて
来れば漸次
治山治水
の
計画
がいわゆる
計画
的に、食込み
予算
でなくして行けるだろうという御
説明
で、そうなれば例えばいろいろな
河川
、利根川、北上川、そうい
つた
治山治水
の
河川
改修とか、そういうものの立派な
計画
があると思う。併し一面においては
政府
の方は吉田総理の考えで、いろいろな産業復興の
計画
を今止めておるということになると、あなた方がそういう
計画
を持
つて
も、片方において産業復興
関係
、経済復興
関係
に何ら
計画
もなく、又それとあなた方の
計画
とはどういうふうにマッチするのか、又衝突するのかお聞きしたい。
高野與作
101
○
政府委員
(
高野與作
君) 産業復興の面と、
治山治水
の面と衝突するというのですか。
岩崎正三郎
102
○
岩崎正三郎
君 あなた方の
計画
があるでしよう。
高野與作
103
○
政府委員
(
高野與作
君) それは私が申上げたのは、大体
河川
に二百億と、
砂防
に四十億、山林に五十億を五ヶ年
計画
で一応や
つて
行けばこれぐらいの能力が……、これぐらいの金を注ぎ込んで行きますと、最初の五ヶ年といたしましては、先ず年々累増する
災害復旧費
を今こういうカーヴですから、それをせめてこういうふうにできやせんか、一応ここまでにしないと楽しみがありませんから、そこで更にその先は又国情によ
つて
相当
努力をいたして、しまいにこういうふうにカーヴを下げて行く。こういうふうにまあ恐らく十五ヶ年
計画
ぐらいで
災害
というものを、僅か二百ミリ、二百五十ミリの雨が降
つて
も
災害
はそう喰わないのだというふうにしなけらばならんし、又なるのではないか。その可能性はどうかということはこれは私共が申上げるより、あなた方
国会
議員はもつと将来のことをお考えの筈だから、国の
財政
というものは恐らく二十六年ぐらいから
公共事業費
に
相当
突込むことができるであろう。そうすると、
治山治水費
は今これぐらいに縮小されておるが、もう少し私共の理想に近いものが決まりはせんか、こういうような予想を申上げたのであ
つて
……
岩崎正三郎
104
○
岩崎正三郎
君 私が聞きたい骨子は、とにかく吉田総理は、そういう産業復興の
計画
が一応できたにも拘わらずこれを今止めておる。止めて置いて、あなた方はいろいろの
計画
を出しておる。
計画
でも理想でもよいが出しておる。ところが折角あなた方の理想でも
計画
でも
相当
よいのがあるけれども、それが何となく裏付がない。片一方に何ら産業経済復興の
計画
を持たない、あなた方だけが
言つて
もこれは何か……
高野與作
105
○
政府委員
(
高野與作
君) よく分りました。この
治山治水
計画
につきまして、私共今持
つて
おる構想を、もう少し今各省と非常に真劍に細かい打合せをしておりまして、各省は又それぞれ府県の
関係者
を呼びまして、今急いで一生懸命に去年からや
つて
おるのですが、これらの
計画
が一応立ちますと、私は閣議に一応提案いたしまして、そしてこういう
計画
を持
つて
おるのでありますけれども、これの推進の
一つ
……それにはいろいろ條件が伴いますけれども、とにかく
計画
というものは
予算
の裏付けがなければなりません。ところが
予算制度
というものはその年きりでありますから、継続的
予算
を決めておりません。併しそうかとい
つて
今年はや
つて
も、来年はそういうことは知らんという
計画
では、今後のこういう大
事業
は成し遂げられないのだ、こうい
つた
ような観点から閣議に出して、閣議決定とは行かんか知りませんが、一応お目にかけて論議をして頂いて、国の
治水
計画
というものを打立てて行きたい、こういうふうに私は考えております。全体の経済復興五ヶ年
計画
というものは、これは又複雑なものでありますから、少くとも部分的なこういう
治水
計画
のそれぞれの
計画
が、国の
財政
の能力に合うような
計画
が打立てられて然るべきじやないかと、こういうふうに考えております。
石坂豊一
106
○
委員長
(
石坂豊一
君) 今の質問に関連いたしまして、私からも
一つ
、
災害復旧
の
全額
支弁ですね。これは誠に
地方
にと
つて
は楽なことにな
つて
よいと思いますけれども一年限りで、来年はどうなるか分らないというようにこの間建設省から
説明
があ
つた
が、そうなると一年だけや
つて
、来年の
災害
はあるに相違ないけれども、そういうときには又
方針
が変
つて
行くということになると困ると思うが、あなた方のお
見通し
はずつとこういうふうに行くような確信がありますか。
高野與作
107
○
政府委員
(
高野與作
君) 私共は
災害復旧費
全額国庫負担
ということにつきまして、これはいろいろな條件が伴いまして
予算
が十分にありますれば、こうい
つた
天災は丁度私共が病気したときに困ると同じようにやはり突発のことでありますから、
予算
というものは何もそう
余裕
がありませんし、
地方
に負担させるということは非常に困ることであります。それで、併し
地方財政
も国の
財政
も同じく窮屈なんで、たんまりと
予算
は呉れないのでありまするから、
全額
負担にするということは趣旨としては非常に結構なんだけれども、実際問題として、現在でも国が借金しております千何百億という
災害復旧費
があるわけです。それにこれぐらいのものを出してお
つて
、そうして而もこれで
全額
負担にするのだということになりますと、
事業
は一向伸びないのじやないか、それからいろいろこれに伴う弊害がございまして、維持、補修、管理面からそうい
つた
ようなことや、或いは全国的に見て受益者はやはり或る
程度
自分で負担すべきではないかとい
つた
ような見地から、現在
全額国庫負担
という制度は適当ではないのじやないかというのが、私共の
意見
だ
つたの
です。併し結果はこういうことになりましたが、これはおつしやる
通り
一年きりかどうか、これは私共よく分りませんが、この前の
予算委員会
で
大蔵大臣
が御答弁になりましたことによりますと、
地方財政
審議会ですか、新たにできるのだそうで、その方にかけて二十六
年度
のことを十分検討の上
一つ
やる。こういうふうに
お答え
にな
つて
いるようですが、私共はそういうことを了解いたしております。それで
予算
金額
がうんと殖える、出してやるのなら
全額国庫負担
もいいけれども、さもなければ
地方
自治体が迷惑じやないかと思います。非常に疑問が多いと思います。この制度では……
石坂豊一
108
○
委員長
(
石坂豊一
君) 建前は非常にいいけれども、実際や
つて
見ると甚だ困難なことではなかろうかと思います。補助ならば国が主体にな
つて
補助を貰うのですからいいんですけれども、こうな
つて
来ると、国で認めんとなればそれきりにな
つて
必要な
事業
でも宙に迷うというようなことにな
つて
来る。そういう傾きが恐らくは生じて来るだろうと思います。一々国になすりつけられても困るのだ、それでやりたければ、
全額
自分で持たなければならん、こういうことになりますね。
赤木正雄
109
○
赤木正雄
君
災害復旧
のことについて伺いたい。
災害復旧
の取扱ですが、或いは建設省或いは農林省、それぞれ
災害復旧
事業
がありますが、これに対して査定
方針
とか、そういうものは一応各省とも共通に決
つて
おりますか、どうですか、それから伺いたい。
高野與作
110
○
政府委員
(
高野與作
君) 赤木さん、この査定の基準とか
方針
とかいうことについてですね。
赤木正雄
111
○
赤木正雄
君 先ずそれから……
高野與作
112
○
政府委員
(
高野與作
君) 大体この大きな
災害
の
項目
につきましては、ずつと古いのが大分残
つて
おるわけです。それで余り古いのを持
つて
廻
つて
、毎年過
年度予算
と言うのも何ですし、二十五
年度
においては二十二
年度
災害
までは皆済ましてしまおう。それから二十三
年度
災害
につきましては大体残
つた
ものの半分くらいやりたい。それから二十四
年度
ですね、今年起りました
災害
につきましては、今年の
追加予算
でも或る
程度
賄いますが、それを合せましてこれは三割前後くらいしかできないことになります。大体二割から三割くらいで、し上げるようにというふうな見当で、出入りはありますけれども、そういうふうな
方針
で考えております。
赤木正雄
113
○
赤木正雄
君 そういたしますと二十三
年度
、二十四
年度
を通じまして今後残
つて
おる
災害復旧費
は
幾ら
要るのですか、これ以外に二十五
年度
以降
災害復旧費
は必要ですか。
高野與作
114
○
政府委員
(
高野與作
君) この別表にございますよ。
赤木正雄
115
○
赤木正雄
君 これですか、分りました。もう
一つ
聽きたいのは、
災害復旧
の対象となるところの査定
方針
ですが、これは各省とも共通な
方針
をお取りにな
つて
おりますか、各省ごとに今まではそれぞれ違
つた
査定
方針
を持
つて
いましたか、それを統一されておりますかどうか、それを伺いたい。
白石正雄
116
○
説明
員(白石正雄君) それじや私から御答弁いたします。現在まで一応査定しておりまする過
年度
災害
につきましては、建設省は大体七万五千円、
港湾
の方は五万円、それから農林省は十五万円以上のものを取上げておるのであります。で本
年度
からはこれを全部十五万円以上に統一しようという
方針
で進んでおります。
赤木正雄
117
○
赤木正雄
君 私の承わりたいのは金の問題じやありません。査定
方針
です。査定
方針
は、どういう
事業
を
災害
の国庫補助の対象とされるか、或いは建設省ではこれを
災害
の対象としない、取上げない。そういうものを他の省では取上げて行く。そういう例もありますから、これは統一されておるかどうかということであります。
高野與作
118
○
政府委員
(
高野與作
君) その細かいことは安本では実は統一しておりません。各省それぞれ今までの規則なり、それから決められた手続でおやりにな
つて
おりますが、これは
全額国庫負担
ということにな
つて参
りますと、これ又問題は別だと思
つて
おります。これは恐らく
全額国庫負担
になりますと非常に嚴重な
考え方
で行かなければ、大事な税金を使うことでありまうすから、これについてはよく
一つ
具体的に、
関係
各省とよく
お話
をして見たいと思
つて
おります。
赤木正雄
119
○
赤木正雄
君 二十五
年度
の
災害
は、或る額以上は二十五
年度
に限りまして
全額国庫負担
になるのですね。そういたしますと今まで
災害
に取上げたものを、今
局長
のおつしや
つた
観点からもう一度
災害
査定をなさる意思はありますかどうですか。そうしないと各省によ
つて
……
高野與作
120
○
政府委員
(
高野與作
君) これはやつぱりその査定をやりますと、
予算
も又要ることでありましようけれども、これは私共の方の考えとしては、或いは現地まで行かなくても机上査定がやれるかも知れんが、一応今までの
考え方
とは
一つ
新たにして、もつと嚴重な
考え方
で考えて貰いたいという希望を持
つて
おるわけであります。
全額国庫負担
となりますと、具体的にどういうふうになさるか。これは各省の問題でありますけれども、そういうふうに考えております。
赤木正雄
121
○
赤木正雄
君
災害
査定の机上云々の言葉を今
局長
は言われましたが、机上によ
つて
、
災害
査定をするがいいか、或いは
災害
箇所を、一々現場によ
つて
災害
査定をすべきものか。これに対する
局長
のお考えを伺いたい。
高野與作
122
○
政府委員
(
高野與作
君) それは現場へ行
つて
見るのが本当でしよう。
赤木正雄
123
○
赤木正雄
君 それならば今日の各省の
災害
査定を、どういうふうにお考えにな
つて
おりますか。
高野與作
124
○
政府委員
(
高野與作
君) 率直に申上げますと、現在の
災害
査定は各省とも非常にルーズです。私共の見たところでは……、そこで例えば余りルーズでそうして府県が
言つて
来たままを何百億だ、何十億だと持
つて
歩くような傾向ですし、そういうことはしたくなか
つたの
ですけれども、私のところで一遍抜き検査をや
つて
見ました。神奈川県とどこでしかた、数県や
つて
見ました。そうすると、やはりどうも各省から
言つて
来る
金額
が多過ぎる。実際や
つて
見ると
相当
あれは内輪なものではない。それで例えば農林省あたりの何を聞きましても、実はこの
災害
予算
の現地査定をする何というのですか、逗留費、これが非常に窮屈だ、それには
相当
の金が要るし、やはり抜き検査をや
つて
おる。県の
当局
の資料を貰
つて
、そうしてそれを抜き検査をや
つて
おるという
お話
ですが、それもやはり数学的に考えて精密に
一つ
一つ
皆現場へ行
つて
測量して歩くことは、これは愚かなことでありまして、府県が
相当
や
つて
おるのだから、それを使
つて
抜き検査をや
つて
、これを
相当
正確にやれば、県の嚴格な、精密な
程度
は
相当
想像もできる。統計学上からやはりそういう方法を用いて、人件費も節約し、旅費も節約しても、もつと信頼すべき結果が出て来るのではないかと思う。
農業
の如きは広い範囲に亘りますので、
河川災害
とは違いまして、非常に査定に困難な面が
相当
あるようであります。実は各省の査定が非常にルーズだというふうに私は考えております。
赤木正雄
125
○
赤木正雄
君
災害
査定によ
つて
すでに国庫の補助を貰うことに決めたものを、同じ県内で他の
災害
箇所の復旧のために、賃金或いは物価の騰貴のために、これを流用する。すでに
災害
の復旧を決定したところを廃止しておるものがままあるのでありますが、これに対してどういうお考えをお持ちですか。もう一度言いますと、一旦
災害復旧
の場所に査定したものを、他の場所を復旧せねばならん、それがために、その費用を以て他の仕事を復旧する。その結果その仕事は廃工にな
つて
おる、仕事をやめてしまう、復旧しない。そういうものに対して、どういうお考えを持
つて
いますか。
高野與作
126
○
政府委員
(
高野與作
君) それはいずれも
災害
旧費ですか。
赤木正雄
127
○
赤木正雄
君 ええ同じ
災害復旧
です。
高野與作
128
○
政府委員
(
高野與作
君) そこまでは
経済安定本部
としては干渉できないですね、認証の費目というものは、そういう個々の具体的な箇所にはな
つて
おりませんので、ただその
災害復旧費
で改良をや
つた
とか、外のことをやるとい
つた
ようなことをやりますと、これは認証の
方針
とは違いますので、問題ですけれども、それは建設省で運用上おやりになることであ
つて
、妥当だということであるならば、それでいいんじやありませんでしようか。
赤木正雄
129
○
赤木正雄
君 我々は現場へ行
つて
見ましても、それは当然
災害復旧
として復旧せんならん、それを廃工にしてしまう、例えて申しますと、堰堤が半分壊れた。当然復旧費を貰
つて
いながら、その費用を外に流用して、その壊れた堰堤はそのままにしてある、そういうものも実際においてある。而もそういう仕事は山間部の仕事に多いのです。どうしても各府県とも山の方の仕事はルーズになりますから、折角
災害復旧費
を取りながら、廃工しておる。そういう事実もあります。これを
一つ
よくお考え願いたいと思う。 それからもう
一つ
は
災害復旧
を嚴にやると、これはまあ
建設局長
の御
意見
通り
です。併し嚴になさるならば、平等にひとしく嚴にして欲しい。或る仕事に対しては
相当
に……これは恐らく安定本部では御
承知
ないと思いますが、実際見ますと、
相当
ルーズなものがある。そてに対して或るものは非常に嚴にされておる。同じ将来の仕事に対して、これは非常に均一を欠いておる。この前の、二十五
年度
の
災害
対策が、そういう名目で
砂防
の
予算
を
災害復旧
から出そうということを聞きまして、これは私は穏当を欠く、
災害
対策という仕事を
災害復旧
から取るというのは、これはよくないと思
つて
おります。それならその
方針
をすべての
事業
に一貫さるべきが至当と思うところが或る
事業
に対しては
災害復旧
でない仕事を認められていると、こういう事実もあります。一々私ここに例を挙げません。でありますから、
一つ
の省なら省において、又各省なら各省において、殊に今後或いは
全額国庫負担
になろうというふうな場合におきましては、余程各省通じて公正な立場に、少くとも安定本部は立
つて
欲しい。これに対する
公共事業
課長のお考えを承わりたい。
白石正雄
130
○
説明
員(白石正雄君) 誠にお説の
通り
でありまして、今まで
災害復旧
でなくて、
災害復旧
の費目から出てお
つた
ものがありますので、こうい
つた
ものは私共の検討した範囲におきましては、全部それぞれの費目から支出するというように処置したんです。御指摘のようなものは、二十五
年度
においてはないつもりでおりますが、お気づきの点がありましたら、御注意頂けば私共認証のときにおきまして処置するつもりでおります。
岩崎正三郎
131
○
岩崎正三郎
君 最後に、どちらの
局長
でもいいですけれども、今後は見返
資金
がかように
公共事業費
の
方面
に
相当
来ることになる。そうして
公共事業
の費用が
相当
殖えて来た。これは
失業救済
ということも考えると同時に、非常に
資金
が固定的にな
つて
、いわゆる停滞して行く金である。で我々は日本の今のデフレの情勢においてはできるだけ流動
資金
を多くして、まあ大衆の購買力を高めるということが当面考えられるのだが、一応
失業救済
ということはそれはそれとして、
資金
がそういうふうに固定的にな
つて
しまうということは、どういうふうにお考えになるのか、そういうことは結構なことではあるけれども、何かそういうことについてお考えがあ
つて
のことか、承わりたい。
内田常雄
132
○
政府委員
(
内田常雄
君) 只今の御質問ですが、昨年あたりから一番金融上問題にな
つて
いるのは、今の
お話
とは逆で、長期
資金
、設備
資金
が非常に足りない。昨年春までは
復興金融金庫
がありまして一年七百億くらいの貸出をしてお
つた
。
復興金融金庫
の貸出の七割くらいまでは設備
資金
だ。それが一朝にして腹金がなくな
つた
ために設備
資金
がなかなか出ない。そのため昨年から社債とか、株式による長期
資金
の自己調達ということが活發にな
つたの
ですが、株式におる
資金
の調達なんかも、御
承知
のように最近行き詰
つて
来ておる。
一般
の金融機関はなかなか短期の手形割引とか、短期の貸出ならするけれども、長期の貸出というものは、日本の金融機関全体が商業銀行にな
つて
しま
つて
いる今日では到底期待できない。僅かに興業銀行だけが債券を発行しておりますために、興銀からは比較的長期
資金
が出るが、その他の銀行から出る長期
資金
というものは、これは大体の見当ですが、貸出総額のせいぜい一%半か2%くらいしか長期
資金
が出ないということのために、非常に困
つて
おるということが、これはもう常識にな
つて
おります。その結果はどうかというと、長期
資金
は設備
資金
になる金ですから、いろいろな資材、物資の有効需要になるわけです。ただ運転
資金
だけは要するに廻転するだけですから、多くの有効需要を起さない。そういうことのために昨年来滞貨が多くな
つて
来ておるような、そういうようなことにのために、経済全体が弱
つて
来ておる。こういう次第ですから、現在私共一番考えておる、又国民の一番待望しておるところのものは、とにかく設備
資金
をできるだけ余計出して呉れということであります。そこで見返
資金
は、これは
アメリカ
の援助
資金
で、将来返すのか、或いは貰い切りか知りませんが、いずれにしても恐らく当分使
つて
もいい金であると思います。ですから見返
資金
はその総額を設備
資金
の方に廻したい。又銀行、農林中金、商工中金等につきましてもいずれ法律案が出されるでしようが、債券の発行限度を拡張して、そして債券を出させて、それで取
つた
金を長期
資金
に強制的に廻させるというようなことを講じてまでも、長期の設備
資金
を出させよう。こういうことがこれからの一番大きな課題にな
つて
おるわけですから、
従つて
見返
資金
の或る部分を
私企業
から出す場合に設備
資金
として出す、鋼材なり、セメントなり、アルミなり、銅なり、木材なり、こういうものの基礎を固めることによ
つて
、日本経済の復興の
意味
から
言つて
も、或いは循環の
意味
から
言つて
も結構なことではなかろうか、かように私共考えております。
岩崎正三郎
133
○
岩崎正三郎
君 とにかく御
説明
によるというと、長期
資金
は設備
資金
として固定するけれども、それによ
つて
日本のそういう設備の基礎を固めるんだというふうに理解されますが、併し今の世間の金詰りというやつは、又それと別な
意味
で中小企業を困らしておることが非常に多い。そういうことを考えないでや
つて
おると私共には思われますけれども、そういうことについてお考えがあ
つて
のことですか。
内田常雄
134
○
政府委員
(
内田常雄
君) それは両方睨んでおります。運転
資金
も多々益々弁ずでありますし、殊に今年からは貿易も民間貿易になるというようなことで、輸入を多くするにも、今までのような
政府
のやることを待
つて
おられん、自分の運転
資金
を調達して、それで輸入手形の決済をしなければならんということのために、今年はそういう新らしい運転
資金
も出ようし、又この
計画
には載らんでしようが、実際納税のためにもそういう運転
資金
が要るでしようし、そういう面は要ることは要るでしようが、昨年から今年にかけて物価が安定しましたために、今までよりも生産品の値上りということのための、いわゆる増加運転
資金
というものは、理屈の上からも現実の上からも要らなくな
つて
来て、今までは自分の例えば或る製品を一万円で作る、その次に同じ製品を繰返して作ろうと思えば原料が上
つて
おるために、一万円では同じ数量の生産ができなくなる。そこで高い原料を買
つて
、それが売れるまでは繋ぎの運転
資金
が要る。こういうことでインフレによる物価の高騰に
従つて
尻上りに運転
資金
というものが増加されたわけです。現在においてはそういうことがなくなる面も
相当
出て来ておる。まあいずれにしても運転
資金
も苦しいですが、併し先程来赤木先生並びに皆さんの方から
お話
のあ
つた
、
公共事業
あたりに重要性を置かなければならんと点から考えましても、どうしてもこの際設備
資金
、長期
資金
というものをできるだけ余計に供給する方法を講じて、いわゆる資本形成というものを暫くの間続けることが、是非必要じやないかとかように思
つて
おります。
岩崎正三郎
135
○
岩崎正三郎
君 結論は資本の蓄積、資本の形成等が主で、現在給與の問題とか、中小企業の金詰りの問題とかは二の次だと、こう考えていいのですか。
内田常雄
136
○
政府委員
(
内田常雄
君) そうじやありません。中小企業につきましても、運転
資金
ばかりでは商品も作れません。設備
資金
のないときでありますし、そこで企業の合理化をしなければならん。設備の改修とか補修とかいうものも是非必要である。そこで中小企業に対して、私は十分とは思いませんが、運転
資金
については御
承知
の日本銀行から興銀、農林中金、商工中金等へ三十数億の特別の信用による枠を設定して、中小企業は運転
資金
については興銀、農林中金、商工中金という三つの機関から日銀の運転
資金
がどんどん借りられるという仕組、それだけでは長期に間に合わないということで、見返
資金
から一・四半期に三億円を中小企業のために下して、それで市中銀行から期限五年以内という長期
資金
を供給する方法について今や
つて
おるわけであります。そういうように中小企業につきましても運転
資金
、設備
資金
の両方を睨み合せながらや
つて
おる。公務員の給與ベースの問題は、設備
資金
とか、運転
資金
の問題よりもむしろ
財政
の問題でありまして、これは私は受益者でありますから、余り多く申しません。
久松定武
137
○
久松定武
君
金融局長
にお伺いいたしますが、先程
ちよ
つと
お話
がありましたように、建築物に対して、特に土地に対しての金融機関というものがいろいろ議論をされておるようでありますけれども、今後そういう設備
資金
と相俟
つて
、そういう
方面
に対する特別の金融機関、勧銀がや
つて
お
つた
、或いは信託会社ああいうような金融機関というものは今後作られる御意思があるかどうか。
内田常雄
138
○
政府委員
(
内田常雄
君)
住宅
につきましては、例の
住宅金融公庫
が出来まして……
久松定武
139
○
久松定武
君 土地に関して……
内田常雄
140
○
政府委員
(
内田常雄
君) 家屋でも適当に家屋を作るためには土地が要るということで、或いは
資金
の一部は必要止むを得ない場合には、
住宅建設
用地の取得のためにも一部向けられるようなことが考えられておると存じます。尚昔のような興業銀行とか、勧業銀行式の……、一時
新聞等
にも昨年あたりから、或いは直接勧銀でやるとか、救済機関を作るというような話もありましたが、私は現在
承知
しておるところでは、そのアイディアを更に発展させて、ひとり勧銀のみならず興業銀行、北海道拓殖銀行、或いは農林中金、更に
一般
の金融機関にも特に資本金と、それから積立金の二十倍までは債券を発行させる。但し預金をと
つて
おる銀行につきましては預金と債券とを合せたものが、資本金の二十倍以上になる場合には、それ以上の債券の発行を認めないという制限が置かれることになりますから、まあ大体普通の市中銀行は債券発行能力がないと思います。今日預金が資本金の二十倍、或いはそれ以上にな
つて
おるから……。勧銀や中金や北殖にはそういう債券を出せる資格が與えられる。その入
つた
金は三年なり五年まりの長期
資金
にする。それは長期の金は長期
資金
として出す。言い換えれば救済金融、
そういつた方面
へ廻すように仕向けて行く、こういう仕組で今折角立案をいたしております。ただよく問題になるのですが、私も詳しいことは存じませんが、例の農地調整法の
関係
で、農地は担保力がないとか、移転が制限されておるとか、或いは先の漁業法の改正で漁業権についても同じような面が現われて来ておるという困難な問題があるのです。まあできるだけそういう場合には、何か副担保といいますか、副保証といいますか、というような方法を講じて不動産そのものに法律上担保力のないものを補
つて
行く、こういう方法で進めるようにいたしております。
久松定武
141
○
久松定武
君 それは本
国会
に……
内田常雄
142
○
政府委員
(
内田常雄
君) 本
国会
に出る筈でございます。
赤木正雄
143
○
赤木正雄
君 開墾
事業費
につきましては、この
委員会
でも、随分問題があ
つたの
であります。二十五
年度
の開墾
事業費
は本
年度
より殖えておりますが、これはやはり今まで運営された開墾を引続きなさる
関係
上、それでこの経費が必要なんですか、又新らしく開墾なさるために必要なんですか、この辺の事情を教えて下さい。どういうふうでこういう開墾費が出ておるか……
高野與作
144
○
政府委員
(
高野與作
君) 開墾
事業費
については世間のおつしやる
通り
特に
国会
あたりの非難が随分ありました結果、又
地方
長官各位も、無
計画
の開墾
事業
については非常に非難が出て参りましたのに鑑みまして、私共開墾については随分
研究
いたしましたが、ここに掲げております経費の増というのは現在や
つて
おります開墾
事業
につきましてすでにもう入植しておる者、既入植者の建設工事とかいうものは、今まで
予算
が非常に切詰められまして、一向遅々として進まないわけであります。それから賃金あたりも非常に切詰めた賃金でありまして、それでは到底入植者は生活して行けないという問題があり、そうい
つた
面で
相当
程度
調整して増額しておりますが、又昨
年度
と同じように新規入植は一万戸を予定しております。二十四
年度
と同じように新規入植は一万戸、これはすでに待機中のものでありまして、どうしても新規に入れてやらなければなりません。それから特に府県がやります代行開墾といいますか、府県のやる開墾、あれについての問題は……、あれに対する非難です。国営、国がや
つて
おりますものにつきましては随分
調査
してや
つて
おりますから、非常に慎重にや
つて
おることと思
つて
おります。
久松定武
145
○
久松定武
君 もう
一つ
局長
にお伺いしたいのですが、大体
災害復旧
というものは、原状復旧のできない
災害
に対してはどういうふうに考えておられますか。
高野與作
146
○
政府委員
(
高野與作
君) それは改良と
災害復旧
の金を組合わしたもの、そういう金について特別に
災害
と組合わしたものを防除費ですか、そういうような
名前
で
予算
に挙げておるわけであります。
赤木正雄
147
○
赤木正雄
君 この開墾の問題でありますが、引続き……。実はこの間群馬県の開墾地を見て来たのですが、とにかく開墾をや
つて
相当
の食糧を生産しております。殊に大豆などを生産しておりますが、今後は食糧も
相当
外国から入
つて
来るというような
見通し
もありますので、開墾をや
つて
食糧を得るのがいいか、或いは、そこは
相当
森林のよく生育する土地でありますから、森林経営をや
つた
方が結局いいか、そういうことまで根本的に考えていないように思
つたの
です。現にこの間私が見たところでは農林
当局
の開拓
関係
も、林野
関係
もいましたが、どちらを聞いてもそういう結論を考えてや
つて
いないように思います。でありますから今後開墾というものは單に開墾してそこで食糧を得るのみならず、それ以外にむしろ現状のまま森林を育成した方が結局は利益がある。そうして人が殖えて来ればその人は工業面に向けて、工業の生産に役立てた方がいいというような考えもありますが、これに地する安定本部の御
意見
はどうでしようか。
高野與作
148
○
政府委員
(
高野與作
君) 正におつしやる
通り
で、学者の話によりますと一番国土を経済的に使うには森林を育成することだと言う。太陽エネルギーを吸收する
意味
で、作物は非常に短期間しか吸收できない……、そうして而も隣りの国には森林がない、禿山ばかりの国であるから、或いは森林にしてしま
つて
、無理な開墾をしないで、そうして木材を中国にでも輸出して、中国から粟や高粱や穀物を買う、こういう
考え方
もあるかも知れません。そらからおつしやる
通り
に狭い土地に工業を興しまして、そうして多数の人数を吸收する。まあ定石は、日本あたりは八千万以上の人間が、やはり工業を中心として生きて行かなければならんでありましようが、当面工業
方面
に吸收するということがないということになると、やはり手近な開墾、土地を與えなければならん。ただその際今まで批判されておりますように、
治山治水
上大事なところの山を開墾して見たり、無
計画
にや
つて
見たりすることがいけないのであ
つて
、やはり当面土地を與えるということを国策として推進して行かなければならんのではないか。こういうふうに考えます。
赤木正雄
149
○
赤木正雄
君 それからこの各費目につきまして補助費或いは直轄の
事業
でありますが、直轄におきましてもその三分一の費用は各府県から国に納付すると思いますが、こういうような
関係
で、補助の費目は随分ありあすので、今どの仕事がどれ程
補助率
を持
つて
おるのか。私共
ちよ
つと忘れたのもありますからして、この次の機会に、いつでもよろしうございますが
補助率
、それを
一つ
お知らせして頂きたいと思います。 それからもう
一つ
、これは
事業費
だけをお示しになりましたが、
事務費
は承
つて
ないのですが、
事務費
をお知らせ願うわけには行かないのですか。例えば
河川事業
費に対する
事務費
というふうに……
高野與作
150
○
政府委員
(
高野與作
君)
事務費
い
つた
ら労務費ですか。
赤木正雄
151
○
赤木正雄
君 いやそうじやない。
高野與作
152
○
政府委員
(
高野與作
君)
事務費
として二十億と
つて
いるわけです。
赤木正雄
153
○
赤木正雄
君
河川事業
費に対して
事務費
がどれだけとか、或いは
土地改良
事業費
に対して
事務費
がどれだけとか、そういうものはないですか。
白石正雄
154
○
説明
員(白石正雄君)
予算
の中にあるわけです。
石坂豊一
155
○
委員長
(
石坂豊一
君) それでは本日はこの
程度
にして散会いたします。 午後三時五十三分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
石坂 豊一君
理事
仲子 隆君 赤木 正雄君
岩崎正三郎
君
委員
島田 千壽君 堀 末治君
中川
幸平君 久松 定武君
政府委員
経済安定事務官 (
財政金融
局 長) 内田 常雄君 経済安定事務官 (建設交通局 長)
高野
與作君
説明
員
経済安定本部
建 設交通局技官 (
公共事業
課 長) 白石 正雄君