運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-04-19 第7回国会 参議院 建設・大蔵連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十九日(水曜日)    午前十一時二十七分開会   —————————————  委員氏名   建設委員    委員長     中川 幸平君    理事      岩崎正三郎君    理事      仲子  隆君    理事      赤木 正雄君            島田 千壽君            石坂 豊一君            大隅 憲二君            佐々木鹿藏君            石川 一衞君            安達 良助君            安部  定君            久松 定武君            北條 秀一君            細川 嘉六君   大蔵委員    委員長     木内 四郎君    理事      波多野 鼎君    理事      黒田 英雄君    理事      伊東 保平君    理事      九鬼紋十郎君            天田 勝正君            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            林屋亀次郎君            油井賢太郎君            小宮山常吉君            高瀬荘太郎君            高橋龍太郎君            藤井 丙午君            板野 勝次君            川上  嘉君            木村禧八郎君            米倉 龍也君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○住宅金融公庫法案内閣送付)   —————————————    〔中川幸平委員席に着く〕
  2. 中川幸平

    委員長中川幸平君) それでは只今より建設大蔵連合委員会を開会いたします。慣例によりまして、私委員長を勤めさして頂きます。  住宅金融公庫法案を議題といたします。本法案建設委員会において政府説明を聞き、その後公聴会も開いたのでありますが、本連合委員会においては政府に大体の説明をして頂くことにいたします。
  3. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 概略御説明を申上げます。  現在我が国の住宅難は極めて深刻でありまして、なかんずく都市住宅難は終戦後四年を経たのでありますが、まだ国民の生活の安定上放置することを許さない状態にあるわけであります。政府としましては公共事業として、国庫補助を出して地方公共団体庶民住宅建設をお願いしておりますが、一般に多少の自己資金を以て、或る程度長期資金融通を受ければ自分の家を拵えることができるという人も相当数ございますので、それを対象としまして、住宅資金貸付をいたしますために、この公庫法案を上程したような次第でございます。この住宅金融公庫機構としましては、資本金金額政府出資にかかる公的な独立の金融機関といたしましてこの住宅金融公庫を設立いたします。事業運営については民間企業の長所を取入れると共に、この公共性に鑑みまして、毎年度の予算は国会の議決を経るという他に、役員任命業務運営等に関しまして政府監督を受けしめるようにいたしました。又資金貸付対象建設される住宅の規模、貸付の限度、条件償還方法等に関する基本的に事項につきましては、その重要性に鑑みまして、この法律案に直接規定をいたしました。尚本公庫機構はできるだけ簡素なものとする必要上貸付の決定以外の、貸付及び回収の業務につきましては、銀行その他金融機関に委託する。それから貸付金の使途を適正にし、建設される住宅の質の改善、向上を図るために、住宅建設工事審査、指導につきましては地方公共団体に委託することができるようにいたしました。大体この公庫性確業務運営方法の概要について以上申上げたのでございます。逐条の説明は省略さして頂きまして御質疑等がございますればお答え申上げます。
  4. 久松定武

    久松定武君 私は第二章の役員任命、それから第五章の監督のところの役員の解任、この二つは主務大臣がいたすようになつておりますが、この主務大臣というのは大蔵大臣を指すのでありますか。建設大臣を指すのでありますか。
  5. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 建設大蔵大臣でございます。
  6. 黒田英雄

    黒田英雄君 御説明がすでに建設委員会であつたろうとは思いますが、この五十億円の資本金で発足して行かれるというのですが、まあ増資その他もあるのでしようが、この五十億円で以てどういう計画でやられる今案になつておりますか。つまりどれくらいの価格の家屋をどれくらい造るか。それから先ず場所も或いは戦災地という所を主としてやられるのですか。或いは全国住宅の不足しておるような地方には建築する、使用を許すというような、何か県別とか或いは都会別とかの大体の目標というようなものがあおりでありますか。その実施の方においての大体の計画を御説明を願いたい。
  7. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 政府出資金五十億となつておりますが、その外に第五条の第四項にございますように、米国対日援助見返資金の中から交付を受けまして資本金に繰入れるということになつております。二十五年度におきましては、予算で御承知の通りに百億ということになりまして、合計百五十億の資本金使つて資金貸付をいたす計画でございます。これは第十七条にありますように、貸付対象個人住宅組合と、それから賃貸住宅を経営するところの会社法人と、こういう三つの種類になつておりますが、この会社法人賃貸住宅、これは主としてコンリートのアパートと考えております。それから個人と国の分は大体において木造になるわけであります。多少コンクリート等も防火の観点から奨励して行きたいと思います。従いまして大不分は木造、それから或る程度コンクリートブロツク造、或いは鉄筋コンクリート造、こういうことになつております。木造は地域的に差がありますが、計画といたしましては坪当り大体一万七千円前後、そういうふうに予定としては考えておりまして、坪数は十二坪前後、一応の計算はそういうことでございます。それからコンクリートブロツク造鉄筋コンクリート造というのは若干建築費は高うございますが、それには適当な見込みを立てまして、これらのものを合わせまして、全体で八万一千戸に対して貸付をする。その資金が百五十一億五千万円程になるわけであります。これは百五十億円の外に償還金があります、これなどを一億五千万円程入れまして、大体八万戸程度のものに貸付ができるという一応の目安で進みたいと思つております。  それから建てる場所については、住宅難の著しいところに先ず考えたいと思つております。又戦災都市なども無論その最も住宅に困つておるところでありますが、戦災都市でなくても、可なりの全国的に引揚げ関係とか、或いは地方に疎開して居着いておるというような関係もありまして、その戦災都市以外にも可なり住宅に困つておるということが統計などにも明らかになつておりますので、取敢えずは、全社的に大体市の程度のところからやつて行きたいと思います。又町村などにつきましても特別のところが或いはあるかも知れませんが、取敢えずは市を対象として考えて行きたいと思つております。
  8. 黒田英雄

    黒田英雄君 住宅金融公庫の支所というようなものを設けられるのでありますか。そうして又全国どのくらい設けられる予定なつておるか。
  9. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 支出を必要に応じて置くことができるようになつておりますが、差当り全国で大体七ケ所置く予定にしております。いわゆるこのブロツク中心地というような所に置きます。名前を申上げますと、北海道の札幌、それから仙台、それから関東はこれは本部で扱いますから、関東は要りませんが、名古屋、大阪、広島、それから福岡、それから四国に一ケ所。
  10. 久松定武

    久松定武君 四国高松ですか。
  11. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 大体高松のつもりでおりますが……
  12. 米倉龍也

    米倉龍也君 こり住宅金融公庫資金を出して建築するのは、まあ主として都市住宅難のために大体できたと思うのですが、大蔵委員会で先日開拓者住宅問題についてお聞きしたところでは、この住宅についての問題は、一つ所へ集めて今後処理するんだ、で開拓者に対しての資金貸付は、従来はこの住宅に対しての資金貸付もあつたんですけれども、今年度からはそれを削除して、それは住宅金融公庫の方で融通をして、その点の処置をするんだというお話があつたのです。そこで私お聞きしたいのは今の御計画の中に、開拓者に対する住宅問題の御計画があるのか、あればそれはどういうふうな御計画であるか、又その御計画農林省開拓局あたり十分お話合の上で、そういう計画をお立てになつているのであるか。まだ私共は、開拓者に対する住宅の問題は解決していないと思つておるのです。やはり今後の開拓者に対する住宅心配をしてやらなければならない、そういう事情があると思つて、先日もお聞きしたんです。これはこの方へ讓つて、そこで処置をするというお話でありましたので、その点をお聞きしたいのです。
  13. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これは建設省としましては、先程も申上げましたように、取敢えずは都市中心にやつて行きたいと思つておりますので、開拓者住宅に対する貸付只今のところ考えておりません。農林省などとも別にこの点について打合せしたことはございません。ただまあ開拓者でも都市近傍地にある場合もありますので、これは全然関係がないとは申しませんが、特に開拓者住宅に対する資金貸付ということは、計画的には只今のところ考えておりません。別に開拓者について農林省で御心配なつておりますが、国庫補助住宅は従来やつておりますが、それが二十五年度も引続いてやるのじやないかというふうに聞いておりますが、そういうふうに承知しておりますが、全然この資金貸付ということだけではないので、従来から国庫補助を出しておりますので、建設省としてはその方には直接関係いたしておらないわけであります。
  14. 米倉龍也

    米倉龍也君 どうもそうお聞きすると非常におかしいのでありまして、住宅問題は建設省一問で行く方針なつておるということで、従来開拓者に対する資金融通特別会計から住宅資金を出しておつたのを、それを打切つてあるのです。打切つてあることの理由をお聞きしたら、只今申上げたようにそれは建設省でやるのだというお話でありますから、お聞きするのですが、何ら農林省との間にそういうお話合がないということであるならこれはいずれ又農林省の方へ私はお聞きしたいと思います。そうすると結局今度の建設省で御計画なつておる、住宅建設についての計画の中には、開拓者等開拓者としての住宅についての問題は取上げておらないと承知してよろしうございますか。只今お伺いすると、都市の附近というが、むしろ開拓者の最も必要なのは山間なんです。都市の問題じやないのです。それを全然考慮しないということになれば、これは開拓者の問題として又私共農林省へお伺いしなければなりませんが、そういうふうに承知してよろしうございますか。
  15. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) はい。
  16. 北條秀一

    北條秀一君 本日出席された政府委員は……
  17. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 厚生省と安本の方に連絡しておりますが、今お見えになつているのは住宅局長だけであります。
  18. 北條秀一

    北條秀一君 特に今日は連合委員会ですから、関係の省の方が出て頂くといいと思うのですが……
  19. 久松定武

    久松定武君 今度の地方における貸付の代行をやるのは銀行若しくは金融機関に指定されておりますが、指定される銀行なり金融機関というのがお分りでありましたら……どういうところですか。
  20. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 委託銀行関係についてはまだ大蔵省と折衝中でございまして決まつておりませんが、成るべく地方におきましては、その地方優良銀行中心としてやりたい。そうして余り監督関係からいつて数多くしない。貸付の戸数に対して適当数に制限したいと、こういう方針でおります。
  21. 久松定武

    久松定武君 それから金融機関というのは銀行以外のどんなものですか。
  22. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 例えば無尽会社のようなものであります。
  23. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 先刻委員長から申上げた通りに十二日に公聴会をいたしまして、十人の公述人からいろいろ意見を聴きまして、その要点をプリントして差上げたかと思つておりますが、それといま一つは衆議院の建設委員会でいろいろ修正案を錬つて関係方面と今日から折衝しております。その要旨をプリントしたものがありますから、今日お手許に上げて置いた方が御参考になつてよいかと思いますから、お配りいたします。
  24. 石坂豊一

    石坂豊一君 これは大蔵委員会との連合審査ですから、やつぱり大蔵当局に出て貰わないと困る。できれば大蔵大臣出席を求めて審議した方がよいと思います。
  25. 中川幸平

    委員長中川幸平君) 大蔵委員長とも打合せて明日又継続委員会を開くことにしておりますが、関係政府委員出席の要求を……
  26. 北條秀一

    北條秀一君 明日更に連合委員会があるというお話でございますが、特に今日は連合委員会大蔵常任委員の各位からいろいろ意見が出ると思うのでございますが、私は特に明日大蔵省関係政府委員をお呼びになりますならば、この際明日議事を能率的にやるために問題だけを出して置きたいと思います。  第一は今回の住宅金融公庫というものが実際は、公庫でなしに、私は全く銀行的な性格を非常に強く持つておると思うのでございます。でありますから、住宅金融公庫でなしに、これは住宅銀行というふうに考えます。この点についてそういうふうな銀行という形では、どうしても今日の住宅難に対する体制として十分に善処できないのでありますから、飽くまでも先般主張しておりますように、公庫としての私は社会政策的な、或いは厚生行政という点からいいまして、公庫としての機能を十分に発揮するようなものにしなければならないという点が一つ。  更にその次は、一番問題になりますのは、貸付金に対するところの担保保証の問題でありますが、これは飽くまても貸りた金を回收することは正しいのでありますけれども、考え方がどうも回收は非常に悪いから、だから飽くまでも二重、三重に担保を、或いは保証を取らなければならない。個人の場合には建てた家を担保にして、同時に保証人を立てなければならない。住宅組合の場合はこれは法律によつて当然住宅組合というものが擁護されておるにも拘わらず組合の場合には組合連帯保証をして、その上に建てた家を担保にして更に又保証人を立てるというふうに、非常に私は合理的でないというふうに考えます。この点についての大蔵省考え方が強いというようなにおいがしますので、この点について大蔵省考え方をお聞きしたい。  第三点は前々から問題になつておる利息の問題であります。この五分五厘という利息はどうしても現在の情勢からいつてつていけないというふうに考えます。でありますから、この点について……  第四点は償還期間の問題でありますが、この十五年を二十年にするということは、前の公聴会においてもお話がありました。そういう点はやれないかということ。  第五点は償還条件の変更であります。結局今日のような貨幣価値の低いときに借りた金を、それを将来経済事情の変動したときに償還するということになりますと、非常にそこに不合理ができて来るわけであります。併しながら貸した金額を割引するということは到底できないことであります。そうなりますと、結局どうなるかと言いますと、一面、保険をつけて置いていよいよ貨幣価値が段々と高くなつたときに、莫大な負債を返さなければならんということになると、まあそういうことは予想できませんけれども、簡単に言えば、家を焼いて、その保険金で金を払う。今度は新らしい家が更に有利に建ち得る、ということになつて来るというふうにも考えられますので、その点については償還条件を、年数を延ばすということが考えられないか。  以上申しました五つの点を特に大蔵当局から承わりたいということを申して置きます。
  27. 中川幸平

    委員長中川幸平君) まだ継続開会することに予定しておりますから、今日はこの程度で散会いたします。    午前十一時五十七分散会  出席者は左の通り   建設委員    委員長     中川 幸平君    理事            赤木 正雄君    委員            石坂 豊一君            大隅 憲二君            佐々木鹿藏君            久松 定武君            北條 秀一君   大蔵委員    委員長     木内 四郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            玉屋 喜章君            平沼彌太郎君            油井賢太郎君            藤井 丙午君            米倉 龍也君   政府委員    建設事務官    (住宅局長)  伊東 五郎