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1950-02-16 第7回国会 参議院 決算委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年二月十六日(木曜日) 午前十時十二分開会
—————————————
委員
の異動 一月十一日
委員荒井八郎
君死去された 。 二月十三日
委員草葉隆圓
君、
森田豊壽
君、
尾形六郎兵衞
君、
竹中七郎
君辞任 につき、その補欠として
加藤常太郎
君 、
中川幸平
君、
廣瀬與兵衞
君、
横尾龍
君、石川準吉君、
鬼丸義齊
君を議長に おいて指名した。
—————————————
本日の会議に付した
事件
承諾
を求 ○
派遣議員
の
報告
める件 ○
昭和
二十三年度
一般会計
(
内閣提
予備費使用
総
調書
(その 出・衆議 2)
院送付
) ○
昭和
二十三年度
特別会計
予備費使用
総
調書
(その 2) ○
昭和
二十三年度
特別会計
予備総則
第四
條但書
に基 く
使用
総
調書
○
昭和
二十四年度
特別会計
予備費使用
総
調書
(その 1) ○
持株会社整理委員会令
第二十三條第 六項の
規定
に基く、
昭和
二十三
事業
年度持株会社整理委員会経費收支計
算書
並びに
譲受財産
及び
過度経済力
集中排除法
第七條第二項第五号の規 定に基きその譲受けたる
財産
に関す る
財産目録
及び
收支計算書
—————————————
奧主一郎
1
○
委員長
(
奧主一郎
君) 只今から
決算委員会
を開会いたします。先ず
最初
に先月行われました
議員派遣
の
報告
を各班の方からお聽きすることに致します。
最初
に第一班の
柴田政次
君からお願いいたします。
柴田政次
2
○
柴田政次
君 私から
報告書
を朗読致します。 愛知県、三重県、
奈良
県及び
京都
府における
国有財産
の
処理状況実地調査
のため
決算委員会
から派遣された
委員
は、
中平常太郎
、
柴田政次
の両議員であり、尚
森專門員
がこれに参加した。然るところ
中平委員
は病気のため遺憾ながら参加し得なかつた。一行は左の日程で視察を
行なつ
た。
昭和
二十五年 一月十六日 朝
東京発
夕
京都着
一月十七日
京都視察
一月十八日
奈良視察
一月十九日
宇治山田視察
一月二十日 同右 一月二十一日
名古屋視察
夜
東京着
その
調査
の
目的
及び結果を左に
報告
する。 第一章
調査
の
目的
本
調査
の
目的
の第一は、
昭和
二十二年
法律
第五十三号の規定により、
從來社寺
に対して
無償
で貸付けてあつた
国有財産
たる
境内地処理
の状況を
実地
に
調査
することにある。この
法律
は憲法第二十條及び第八十九條に規定されている
政教分離
の原則に基き、
宗教団体
たる
神社
及び
寺院
に対する
国有境内地
の
無償貸付関係等
を断つと共に、その
善後措置
として一定の
條件
を具備するものについては、
境内地
の無
償譲與
及び
半額売拂等
の方法により、国家と
社寺
との間の沿革的な
財産
上の
特殊関係
を整理せんとするものである。即ち、
社寺境内地
が
国有財産
に編入された由來を明らかにし、明治初年の
社寺土地
、
地租改正
、
寄附等
によ
つて
、元
來境内地
の
所有権
が
社寺側
に属していたものが
国有地
と
なつ
たものに付ては、その事実が立証される場合には、その
所有権
を返還する意味で之を
社寺
に
無償
で
譲與
することとし、かかる事実がないか又は仮にその事実があつたとしても立証できない場合には、
永久無償使用権消滅
の補償として、
半額売拂
を認めたのである。然しいずれの場合においても、この
法律
が
社寺
に対して特別の恩惠を與えるものでない精神から、
処分
の範囲は、
社寺
の
收益目的
に供されることなく、
社寺
が
宗教活動
を行うに必要な部分に限定されている。
從つて昭和
二十二年勅令第百九十号を以て、その
処分
の範囲を、(一)
社寺
の建物の敷地、(ニ)
宗教
上の儀式又は行事を行うため必要な
土地
、(三)参道、(四)庭園、(五)
社寺
の
尊嚴保持
に必要な
土地
、(六)
社寺
の
災害防止
に直接必要な
土地
、(七)
社寺
に特別の由緒ある
土地
、(八)
社寺
が現に
公益事業
のため
使用
する
土地
、(九)此等の
土地
における立木、(十)
社寺
の主宰する
公益法人
が
公益事業
のため
使用
する
土地等
に限定しているのである。而してこの
法律施行
後一年内に、
社寺
がその譲渡又は売拂の申請をしたときは、
主務大臣
は
社寺境内地処分審査会
に諮問して、その
処分
を決定することにな
つて
いる。要するに、
法律
の精神は、国家と
宗教
との分離を実現するための
財産権
の整理であり、その
善後措置
として、旧
所有権
の返還と、
永久無償使用権解消
のための補償とを規定するものである。 次に本
調査
の第二の
目的
は、
昭和
二十二年度の
決算報告
中、
国有財産
の管理について、会計検査院がその
検査報告
中に
不当事項
として指摘している若干の事件につき、その
実地調査
をすることである。但し、
調査
に赴いた府県における事件は、いずれも
社寺境内地
の
処分
に関する問題と関連しているから、この
報告
中には便宜上、区別をせずに記載することとした。 第二章
京都
府における
調査
第一節
賀茂別雷神社
当社は俗に
上賀茂神社
と称し、元
官幣大社
であり、
桓武天皇以來皇
都鎭譲の神として崇められ
來つたの
である。
国有財産台帳
には十五万余坪の
境内地
が記載せられ、これが譲渡又は
売拂申請
の
目的物
とな
つて
いる。当社に関しては二つの問題がある。 第一は
伐採木
の
不当收得事件
である。問題の経過を記すと、
昭和
二十一年十一月四日
京都軍政部
から
京都
府に対して、この
境内
に
進駐軍專用
の
ゴルフ場
を設営すべき
調達要求書
が発せられ、
京都
府において
神社側
と交渉の上で
工事
が進められたのであつた。然るにその後程なく、同年十二月二十日に右の
調達要求書
が取消されたので、
京都府知事
は
工事請負人
に
相当多額
の賠償を
終戰処理費
で
支拂つて
、
工事
を中止したのであつた。この
工事
に関して、
京都府知事
が
国有財産管理庁
たる
大阪財務局
と協議しなかつたこと、並びに、
ゴルフ場敷地
内の立木を伐採するに当
つて
、
神社側
から提出した
障害木伐採
の願書に許可を與え、これによ
つて
その伐採した樹木を
神社側
の收得に帰せしめたことは、いずれも不当な
措置
と言わなければならない。この際伐採した立木は、
ゴルフ場建設敷地
内の立木であ
つて
、
国有境内地等木竹管理規則
に謂うところの
障害木
ではないから、たとえ形式上
京都府知事
の許可を得た上での伐採であ
つて
も、その
処分代金
は速かに国庫に納入せしむべきものである。 第二は
境内地
に
ゴルフ場
を設置した事件である。これは、右の
工事中止
後、
京都
府では
観光地
としての
京都繁栄策
の一環として、
右ゴルフ場
の完成を期し、
昭和
二十三年三月から
上賀茂ゴルフ場設営委員会
(
委員長
は副知事)を
事業主体
として第二期
工事
に移つた。その
事業
は同年六月に
観光日本株式会社
に引き継ぎ、すでに今日では
ゴルフ場
として実用に供されている。このいわゆる第二期
工事
において、
昭和
二十三年三月に
京都府知事
から
境内地無償貸付願
に
神社側
の
承諾書
を添えて、
大蔵大臣
に願い出たが、これに対して
当局
よりは確答が與えられなかつた。同年十月に
神社側
から
ゴルフ場設置許可願
を提出したので、
当局
は
宗教目的
以外の
使用
であるから、無
償譲與申請
より除外し、時価による拂下手続をなすべき
條件
を付してこれを許可した。その後、翌年三月に
関係筋
より
右許可
の
條件変更
の要求があつたので、該区域については
社地境内地処分中央審査会
に諮問の上、無
償譲與
又は時価により売拂を決定する、とその
條件
を変更された。斯くのごとき次第で、この第二期
工事
の経過は甚だ遺憾なる紆余曲折をたど
つて
きたものである。最後の決定は
審査会
に諮問の上で、
大蔵大臣
が決定する筈であるが、
ゴルフ場
の設置が
神社
の
宗教活動
に必要なものでないことは、言わずして明らかなものと認めざるを得ない。殊に立木の無
許可伐採
、及び地形の変更などを
行なつ
たことについては、関係各方面との錯雑した事情があつたとは言え、
京都
府の採
つた措置
は穏当と認められない。
神社側
では、
境内地
の
宗教目的外使用
に対し、極力反対し続けていたのであることを附記して置く。 (
賀茂別雷神社実地調査調書参照
) 第二節
東福寺
当寺は
臨済宗東福寺派
の
大本山
であり、建長七年に完成したものである。明治十四年に
本堂等
は燒失し、その後再興されたものであるが、今尚八棟の
国宝建物
が残存する。
国有財産台帳
には六万四千余坪の
境内地
が記載せられ、これが
譲與申請
の
目的物
とな
つて
いる。当寺に関しては一つの問題がある。山門に近き
丘陵斜面地
は元來、当
寺院
の
尊嚴保持
に必要な地帯として、樹木が密生していたのであつたが、
戰時中
本坊に軍隊の屯営していた際、
防空待避場所
として、樹木を伐採し、防空壕を設け、その一部が
軍隊直営
の菜園に供されていた。又その一部は附近の
町内会
の要請により、一般の福祉のため、
戰時中
の
臨時措置
として、
宗教的精神
から附近の
住民
に
家庭菜園
として
使用
を許していた。
終戰後
に至り
町内会
の解散と共に、
使用者
の責任がなくなり、唯が
使用
しているか分らぬ状態になり、
附近住民
が耕作を続けて來た。
寺院
においては、一方には政府に対して、
宗教活動
上必要な
土地
として
譲與
を申請し、他方には
耕作者
に対して
土地
の返還を請求し、その大部分の者の
承諾書
を得ているが、現在
使用
中の者の一部には
返還請求
に応じない者がある。
寺院
においては、この
土地
が
国宝建造物
の保護のため、並びに
寺院
の
尊嚴保持
のため必要な
土地
であり、将來その
目的
のために植林その他必要な
措置
を講ずる意向である。 然るに一部の
運動者
は、この
土地
を純然たる耕地として拂下を受けんと欲し、
自作農創設特別措置法
に基き、
京都
府
農地委員会
はこれを適当と認め、
京都
府
農地事務局
を経て
農林省
への
所管換認可
を申請している。これに対して
大蔵省大阪財務部
からは、
反対意見
を陳述しているという。 今この
土地
を
実地
について視察すると、第一にその
土地
は
戰時及び戰後
の
食糧事情
最も困難を極めた際に設けられ、極めて細かく分割された純然たる
家庭菜園
であり、其作物の実況を見ても明らかに
家庭菜園
の域を出でざるものである。 第二に、此の
地域
は当
寺院
の
尊嚴保持
に必要であり、殊に隣接せる
国宝建造物
その他の
文化財
の保護のためには絶対必要であると認める。現に
京都
府
教育委員会方面
においては、
文化財
の保護の見地から、此の点を特に強調しているのである。要する
農地委員会関係者
の言うがごとく、現に農作物のある
土地
は悉く
農地
であるというがごとき意見は、妥当な見解でないと認める。聞くところによれば、
京都
の
社寺
について
家庭菜園等
の問題は、いずれも無事円満に解決しているに拘わらず、この
東山地区
の一角においてのみ問題を起しているということであるが、かかる事態を起していることは誠に悲しむべき世相の反映である。 (
東福寺実地調査調書参照
) 第三節
泉湧寺
当寺は
真言宗泉湧寺派
の
大本山
であり、歴代の天皇及び皇族の陵墓甚だ多く、皇室の崇敬特に厚い
寺院
である。
国有財産台帳
には三万四千余坪の
境内地
が記載せられ、これが
譲與申請
の
目的物
とな
つて
いる。当寺に関しては一の問題があり、その性質は
前記
の
東福寺
におけるものと大体同様である。 本坊から
悲田院
に至る道路の南側の
斜面地域
にある竹林は、
寺院
の
尊嚴保持
に必要な
土地
であるが、竹林を自然のままに放置するときは
原始林的林野
を形成するため、多年その保管及び手入を
寺院出入
の一農家に依嘱して來た。
戰時中食糧事情
の著しく急迫を告げたとき、この竹林の一部及び
悲田院南側
の
山林地域
を
附近住民
の請願に応じて
家庭菜園
として
使用
せしめて來た。その後、
寺院
より現
耕作者
に対し、別に
寺院所有地
を代償として提供することとして、
前記地域
の返還を請求し、
耕作者
もこれを承諾して個人的には解決している。
寺院
としてはその
尊嚴保持
のため、竹林はそのまま保存し、樹木を伐採された
土地
には適当の植林を行う等、必要な
措置
を講ずる意向である。然るに一部の
地方民
が、現に
耕作地
とな
つて
いる
土地
及び竹林を純然たる
農地
と見てその拂下を受けんと欲し、
自作農創設特別措置法
に基き、
京都
府
農地委員会
ではこれを適当と認めて、
京都
府
農地事務局
を経て
農林省
えの
所管換認可
を申請している。これに対して
大蔵省大阪財務部
からは、
反対意見
を陳述しているという。 今、この
土地
を
実地
について視察すると、第一に、その
耕作地
に
戰時及び戰後
の
食糧事情
の最も困難を極めた際に設けられた、極めて細かく分割された純然たる
家庭菜園
であり、その作物の実況を見ても明らかに
家庭菜園
の域を出でざるものである。 第二に、一部
地方民
の言うがごとく、竹林からは筍を採取するが故に
農地
であるというごときは、もとより取るに足らざる見解である。第三に
前記
の一部
地方民
は、更に言葉を加えて、この竹林は場合によ
つて
は附近にある
小学校運動場
に充てたいと
言つて
いるが、これは
自作農創設
問題と無関係であるのみならず、この
土地
は甚しい急斜面の
傾斜面
であ
つて
、
小学校
の
運動場
としては不適当な
土地
である。第四に一般的に
言つて
、これらの
地域
は当
寺院
の
尊嚴保持
に必要であるという点は、十分に首肯されるのであるが、その全部が必要であるか、或いは一部は解放の余地があるかについては
関係者
の間の協議に待つべきであろう。 当
寺院
は、前節に記した
東福寺
と指顧の間にある
寺院
であるが、
前記
の如くこの
東山地区
の一角に限り、一部の者から問題を提起して、
国有境内地
譲渡問題を複雑化しているのであ
つて
、甚だ悲しむべき事態であるから、速かに適当な機関の仲介により円満なる解決を望みたい。 (
泉湧寺実地調査調書参照
) 第三章
奈良
県における
調査
第一節
興福寺
当時は
法相宗
の
大本山
であり、昔から
南都七大寺
の一として広大なる
境内地
と
我国社寺
中最高の
社寺領
を有していた。然るに明治維新の後、一時廃寺と
なつ
たが、明治十四年に再興された。
国有財産台帳
には二万四千余坪の
境内地
が記載せられ、これが
譲與申請
の
目的物
とな
つて
いる。当時に関しては左の一問題がある。 当時の
境内地
にある若干の道路は、
境内参道
として
宗教目的
のため必要な
土地
であること勿論であるが、現在では公園内の道路として、車馬の
交通等
、公の利用に供されている。但し県又は市の
認定道路
にはな
つて
いない。
從つて
、今後のこれが
利用並
に維持について、県及び市と
寺院
との間に交渉中であるが、近く適当なる解決に達する見込である。 (
興福寺実地調査調書参照
) 第二節
東大寺
当寺は
華嚴宗
の
大本山
で、昔から
南都七大寺
の一として有名である。
国有財産台帳
には六万余坪の
境内地
が記載せられ、これが
譲與申請
の
目的物
とな
つて
いる。当時に関しては二つの問題がある。
東塔跡
の
土地
は、もと
東大寺
の
境内地
に属していたが、明治四十年に之を第三者に売却し、その後
大正元年
に内務省が買上げて
国有地
となり、
奈良公園地
の一部となれたものである。その後
昭和
二十二年に
境内地
として必要のため、
奈良県知事
より
公園地解除
の指令を受け、引続き
東大寺
に貸付けてあるもので、
寺院側
では無
償譲與
を希望しているが、すでに
東大寺
の
所有関係
は中断されてあるので、無
償譲與
の
目的物
とするのは困難であろう。 次に、
境内地
のうちに、
大仏鐘楼
の附近に、七軒の
土産物
を売る売店がある。これは
奈良県知事
において、
公園施設
の一部として許可しているものである。元來、当
寺院
の
境内地
の大部分は、嘗ては
公園地
に指定されており、その解除後においても現に
公園地
の性質を帯びて利用されているので、
遊覧客
並びに
参詣者
の便宜を
図つて
、
土産物
の売店又は茶店を設けることは、
公園施設
の一部であると同時に
観光都市
としての
繁栄策
でもあるから、
奈良
県
当局
は
前記
の売店に関して、これを
境内地
の
目的外使用
としての取扱を受けないよう、
大蔵省当局
に対して了解を得ることに努めて來たもののようである。
寺院
においては、
尊嚴保持
の見地から、從來これが
撤去方
を県に対して屡々懇請したが、その意を得るに至らなかつたのであつた。而して
社寺国有境内地
の
譲與
に関する
法律
の制定されたときにも、これは無
償譲與
に支障を來る虞れがあるので、重ねてその撤去を
奈良
県に陳情したところ、
奈良
県としては
大蔵省当局
の了解を得ているとのことであつたから、
寺院
も意を安じて今日に至つたものである。然るに今若しこれを
宗教
上の
目的外使用
であると認定されるならば、
寺院
としては
不当使用
として
收益
を図り來つたかの印象を今後に残すこととなり、
寺院
としての面目を傷けることになり、
宗教信仰
上にも好ましからざる影響を及ぼすことを憂えるので、これを
宗教活動
上必要なるものとして認定されるよう希望しているのである。 元來、当
寺院
は
大仏殿等
に捧げられる信者の奉納、その他により財政上豊富であるから、
境内地
即ち
公園地
の多額に上る
維持管理費用
をも悉く
寺院
において負担し
來つたの
であり、
前記
の売店より納付する貸
地料
のごときも全く
有名無実
のもの(
坪当り月額
十五銭)に過ぎない状態であるから、
收益
を
目的
として
土地
を利用しているものとは認められない。また、それが
宗教活動
の妨げになるものと認められない。從前はその貸
地料
を
寺院
において
公園費
として積立て、
奈良
県
公園課
で之を保管していたが、
公園地解除
後はこれを
寺院
において、
境内公園地整備費
の一部に充てているのである。かくのごとくこの売店の設置は、
奈良
県
当局
の意思に基き、
公園施設
の一部として設置されているものであ
つて
、寧ろ
寺院側
の意思に反して設置されているという事実はこれを承認すべきである。現に、
大仏院
の
正面参道
に面して設けられていた二軒の売店は、
公園地解除
のときにこれを撤去させた事実さえも存するのである。
從つて
この売店問題は、
大蔵省当局
と、
奈良
県及び
寺院側
との間の話合いにより、時宜に適した解決を図るべきであり、必ずしも杓子定規の解決をなすべきではないと思う。 (
東大寺実地調査調書参照
) 第三節
春日神社
当社は元
官幣大社
であり、昔から一般の崇敬厚き
神社
である。
国有財産台帳
には三万五千余坪の記載があり、これが
譲與申請
の
目的物
とな
つて
いる。当社については殆んど問題はない。ただ
境内
の参道その他の道路が
公園通行用
その他公の
目的
に
使用
されている所があるので、そのうち如何なる範囲までを「
公用存置
」とすべきかにつき、
財務部当局
は県及び市並びに
神社
に対して、それぞれの意向を
調査
中であるという。尚当社の主宰する
財団法人
が経営する
公益事業
として、(一)
春日神鹿愛護会
の
事業
は当社の
宗教的信向
と不可分のものであり、(二)
萬葉植物園
は
学術研究
及び文化の向上のため有益な施設である。 (
春日神社実地調査調書参照
) 第四章 三重県における
調査
第一節
伊勢神宮
三重県においては
伊勢神宮
についてのみ
調査
した。
神宮
には、内宮及び外宮の外に別宮、攝社、末社及び
所管社等
を併せて百二十余社が一体をなし、三重県の
南部一帯
にわたる莊嚴なる神域を形
つて
いる。
国有財産台帳
には
境内地
六千
余町歩
(千八百余万坪)が掲載せられ、その大部分につき
譲與申請
がなされ、一部分につき時価の半額による
売拂申請
がなされている。当社については五つの問題がある。 第一は
農地貸付
の問題である。
神宮
の
宮域
を流れている
五十鈴川上流
の両岸、並びに前山の一部に点々として散在する田畑(田二十町歩、畑十四町歩、稲干場七
町歩
)は、かなり古い時代から次第に開墾を許して
地方民
に
使用
せしめ、引継いて現今に及んでいるものであり、
貸付料
も單に名義上の少額(一ケ年、
田一反
に付一円十三銭乃至五円七十五銭、畑は八十三銭乃至四円)に過ぎない。これに対して三重県
農地委員会
から、
自作農創設
の
目的
に供することを認め、
農林省
えの
所管換認可申請
をしている。
神宮側
では、これらの
土地
をも他の
境内地
と共に一括して
譲與
を受け、
農地
問題はその後において考慮したいと
言つて
いる。
実地
について
調査
したところによれば、これらの
土地
は純然たる
農地
であり、敢て
神宮
の
尊嚴保持
に缺くべからざるものとは思われない。 第二は
外宮御料田
の問題である。
神宮
においては祭祀に必要な米を自給するために、内宮のためには四郷村楠部の神田を直営で耕作し、外宮のためには
宇治山田市
の岡本町及び豊同時にある
宮崎御料田
を
耕作担当者
を定めて耕作させている。右のうち楠部の神田については問題はないが、外宮の
御料田
については
宇治山田市
農地委員会
において
自作農創設
の計画に基き、
農林省
えの
所管換認可申請
を問題としている。これに対して
神宮側
では、
神宮祭祀用
の米は
楠部神田
の産米のみでは不足であり、
宮崎御料田
の産米も
宗教活動
に必要なものとして、その
土地
を
譲與申請
の
目的物
中に加えている。この件については、
祭祀用
の米の
必要量
、及びこれを生産するに必要な
土地
の面積を
調査
さえすれば、問題は自から解決される筈である。嘗て三重県はこれらの
土地
からの産米に対して
強制供出
を命じたことがあるが、
全国各地
からの烈しい批難を受けて、現在では
任意供出
の方法を採
つて
いるという。 第三は高麗広部落の
森林拂下問題
である。
神宮
では
境内地
を神域と
宮域
とに大別し、
宮域内
の
森林
を第
一宮域林
と第
二宮域林
とに小別し、これらに対する
森林経営計画
を大正十二年に決定し、
内務大臣
の認可を得て、爾來その施業案を忠実に実行している。そのうち第
二宮域林
は
宮域林
中の大部分を占めるもので、その面積約四千
町歩
あり、
五十鈴川
の
水源涵養
、水害の防止、
神宮
の
尊嚴保持
、特に
神宮造営用
の
木材自給策
として六百年にわたる
造林計画
を実施し來つたものである。 然るにこの山間にある
宇治山田市
高麗広部落の
住民
から、
住民
の生活困難を理由として、
五十鈴川上流森林
の拂下を請願しているのである。これに対し
神宮側
では、
前記
の
森林経営計画
に基いて反対を唱えている。又、
宇治山田市議会
では、
五十鈴川上流
の
森林
が地元民に開放せられる場合には、河川の氾濫による
流域地
の水害、河川並びに
宇治山田港
の改修の
必要等
を理由として、
調査委員会
において拂下反対を決議し、
神宮造営林
の
育成地
として保存することを希望し、屡々
前記住民
と交渉を重ねているが、未だ解決に至
つて
いない。 今これを
実地
について
調査
するに、高麗広部落の
住民
四十六戸の
住宅等
の構造を見ると、決して生活困難を訴えているようなものとは思えない。山間の
土地
であるから、田畑は少いが、
薪炭用材
として
神宮
から廉価(時価の殆んど三分の一程度の価格)に
拂下げ
を受ける
慣行権
、農業及び
炭燒業
による
收益
、並びに
神宮
の
造林等
のために雇用されて受ける
賃金等
による收入は、相当の額に達し、他の地方における
山地住民
の
一般生活程度
と比べて決して遜色なき
生活程度
を維持しているものと思われる。 更に、この
地域
の広大なる
森林
の育成は、
神宮造営
の
用材自給策
として、六百年にわたる
計画的経営
を必要ならしめること疑なき所であり、又すでに多年にわた
つて
着々として実行されていることである。今若しこの
地域
の
森林
が
部落民
に
拂下げ
られ、自由に伐採されるような場合には、
宇治山田市議会
が憂うるごとく、
治山治水
の国策に違反することとなり、河川の氾濫を來して
流域一帯
の農作物收穫を害し、また河川及び港湾の改修に絶えず巨額の経費を徒費しなければならないような弊害を生ずることも明らかであろう。況んや、雨後には
五十鈴川
の清流を汚濁ならしめ、早期にはその河水を枯渇せしめ、
国民崇敬
の的たる
神宮
の神聖を毀損すること、蓋し言語に絶するものがあるであろう。要するにこの問題は、決して一時的な利害の打算を以て解決すべき問題ではない。 第四は
滝原宮境内地
一部の
拂下げ
問題である。
滝原宮
は
宇治山田市
から十里余を離れた、宮川の上流にある。歴史を遡れば、
垂仁天皇
のとき
倭姫命
が
神宮奉祀
の聖地を求めて
諸国遍歴
の後、西暦紀元前五年に此の地に社殿を
造つて皇大神
を祭られたのであつたが、その翌年に現在の
五十鈴川上流
の地に
神宮
を移されたのである。かかる由緒深き地であるから、この宮は
境内地
も広く、祭祀も
神宮
と殆ど同一の莊嚴さを以て執行され
來つたの
である。
境内地
は四十四
町歩
を占め、二千年の星霜を経て、未だ嘗て斧鉞の入らざる
原始林
である。 然るに近時一部の人々が、この
森林
の一部(約七
町歩
)の拂下を受けて
木材会社
を設立しようとする計画があると聞く。その理由は、現在我が国民が
建築資材
の欠乏のため、住宅の拂底に苦しんでいる問題の解決に資せんとするためであり、またその
境内地
の一部を割くも
神社
の尊嚴を害することが無いというのである。 今、
実地
について
調査
するに、この
境内地
は
前記
のごとき由緒深き地であるのみならず、これを学術的見地から見ても、稀有の
原始林
として、天然記念物として十分に保護されねばならぬ
土地
であると思う。
神宮側
においては、勿論この
地域
が
神社
の
尊嚴保持
のため必要であると主張している。地元の人々もまた同じ意向である。氏子総代の言によれば、最近の
戰時中
に海軍から造船資材としてこの林木の提供を嚴命されたときにおいてさえも、この
森林
に手を触れることを堅く拒否し、その代りに氏子総代の私有地の大木を犠牲的に伐採して提供したということである。かくのごとき次第であるから、一営利会社の
事業
のために、この
境内地
の一部を伐採せしめるがごときは、何人もこれを承認しないであろう。尚この
境内地
が
神宮
に
譲與
された曉には、直ちにこれを天然記念物として指定されたいと思う。この点に関しては
神宮側
においても、同意見であるもののようである。 以上は
神社
国有境内地
の
譲與
に関する問題であるが、この外に
境内地
の立木無
許可伐採
の問題があり、
昭和
二十二年度の
決算報告
に関連して、会計検査院から
不当事項
として指摘されており、現に
決算委員会
において審議中であるから、
境内地
譲與
問題の
実地調査
と共に、この事件について
調査
した。 從來、
神宮
宮城林の経営並に施業は、大正十二年に
内務大臣
の許可を得た「
神宮
森林経営計画
」に基き、総て
神宮
司庁限りにおいて遂行して來たのであつた。然るに
終戰後
、
神宮
は国家の管理を離れて
宗教
法人と
なつ
た結果、
境内地
の立木の伐採については、
昭和
二十一年八月十六日改正の「
社寺国有境内地
等木竹、管理規則」に從い、県知事の許可を必要とすることに
なつ
た。
從つて
神宮
においては立木伐採の申請手続等につき、三重県林務課と屡々打合せしたのであるが、その打合せが迅速に進行しなかつた。やがて、
宗教
関係事務は教育課の所管であることが分り、改めて打合せを
行なつ
たが、県庁の分課規程改正問題等も生じ、未だ打合せの終了を見るに至らなかつた。この間において、地元山稼人組合(慣行組合)に対する薪炭林の拂下を始め、
障害木
枯損木の拂下願が続出し、殊に戰災に罹つた
宇治山田市
及び市周辺の戰災復旧用材並びに燃料材としての立木拂下に関して、市議会及び地元民等より熱心なる要望と陳情があつたので、県
当局
と交渉継続のまま、
神宮
においては事情止むを得ず「
神宮
森林経営計画
」に準拠し、施業案に支障を來さざる範囲において立木の拂下を
行なつ
たのであつた。かくのごとくにして
昭和
二十一年八月十六日から、二十二年六月十四日までの間に、無
許可伐採
した立木については、名古屋財務局の指令により、その売拂価格中から、慣行組合え拂下の分及び拂下関係費用を控除した差額を弁償金として国庫に納入したのであつた。 かくのごとき事情で、制度変更の過渡期において、
神宮側
及び県庁側においてそれぞれ手続上の不備に基き、なお当時の急迫せる会社事情の要請も加わ
つて
、遺憾なる事態を生じたのであ
つて
、別段の惡意はなかつたものと認められる。伐採地について
実地調査
をした結果においても、
前記
施業案に支障を來さざる範囲内のものであつたことを認める。 尚、
神宮
境内地
の奥深く立入
つて
実地調査
をしたが、樹木が余り密生して居
つて
、間伐等の手入が未だ十分でない所が多く見受けられたので、管理者に注意を與えて置いたことを附記する。管理者の説明によれば、
戰時及び戰後
における手不足のため、この結果に
なつ
たのであるということである。 (左の書類を参照) 一、
神宮
境内地
について 二、
宗教活動
に必要なる
神宮
境内地
の説明概要 三、
神宮
森林経営計画
解説 四、
神宮
宮域林
と
神宮
宗教活動
との関係 五、国有林拂下陳情に関する口述書(高麗広) 六、高麗広部落について 七、
神宮
所管
土地
建物所在図 八、皇大
神宮
宮域
図 九、豊受
神宮
宮域
図 第五章 愛知県における
調査
第一節 熱田
神宮
愛知県においては熱田
神宮
についてのみ
調査
した。当社は元
官幣大社
であり、一般国民の崇敬厚き
神社
である。
国有財産台帳
には八万六千余坪の
境内地
が記載せられ、これが
譲與申請
の
目的物
とな
つて
いる。当社に関してはただ一つ問題がある。 当社勅使門の前に七棟の家屋があり、
土産物
の販売とか、茶店等を営んでいる。これは
昭和
二十一年に引揚者のため住宅の建築を許可したものである。元來この
土地
は
神宮
奉讚会が買入れて、これを
国有財産
に寄付したものであるから、名古屋市民が烈しい戰災に悩み、住宅難を訴えている際に、更に引揚者の住宅問題が起つたので、名古屋市及び
神宮
奉讚会からの熱心な要望に応じて、当社では一年更新の
條件
の下に、仮建築を許したのであつた。かくのごとき事情に照し、而も
神社
の営利を
目的
とするものでない点からいえば、之を
境内地
の
目的外使用
として取扱われることは、当社にと
つて
甚だ遺憾とする所であろうと思う。当社としては、一日も速かに其の住宅の撤去を希望しているのである。殊にその
土地
は、勅使門の直前にあり、官庁、齋館、勅使館等に至る通路に当
つて
いる。今では此等の建物が戰災にかか
つて
荒地とな
つて
いるものの、近き将來にはその再建が予期されているのであり、その曉には
神社
の
宗教活動
に必要な
土地
であること明白であ
つて
、住宅撤去は不可避の問題となるのである。現在はこの異常時における臨時の救済施設として、この問題を観察することが至当であろうと思う。 (熱田
神宮
実地調査
参照) 第六章 結論 今回の
調査
の結果は左の七項に要約される。 一、公共的問題は、国民生活全般のため、大所高所から観察されなければならない。 二、公務員は、所掌事務の関係から、偏狹な見解に捕われてはならない。 三、国民の
文化財
は高く評価され、分に保護されなければならない。 四、国民の
宗教
信向心の発露は、十分に尊重されなければならない。 五、
宗教
法人の慈惠的行為は、
宗教
及び道徳の側面から観察されなければならない。 六、時局に便乘して経済的利権を狙う者は、嚴重に指彈されなければならない。 七、正義の仮面にかくれて動く「黒い手」は、極力排除されなければならない。
譲與申請
に対する最後の決定は、
審査会
に諮問の上で、
主務大臣
が行うものであり、その審査及び決定が公正且つ適切であるであろうことを信ずるが、その審議が決して一時的の経済的又は政治的利害関係、情実関係、勢力関係等によ
つて
影響されるがごときことなく、大所高所より達観し、我が民族百年の大計に立脚して行われることを、切に期待する。 尚今回の視察旅行中、各地で見聞した事項のうち重要なもの若干を左に附記する。 一、
社寺
に寄附を強要する者があること。
国有境内地
の
譲與
は、国家と
社寺
との從來の
所有権
関係を明確にしたものであ
つて
、これがために
社寺
の
財産
又は
收益
が特に増加した訳ではない。
譲與
又は
半額売拂
の対象となる物件は、
社寺
の
宗教活動
に必要なものに限られているのであるから、将來においても
社寺
の
尊嚴保持
等の
目的
のために、從來と同じく管理され、更に一層の整備が図らなければならない。然るに
地方民
の間には、ややもすれば
社寺
が此の際偶然にも多額の
財産
を惠與されたかのごとく考え、学校、その他公共建造物の建設費等にあてるため寄附を要請したり、或いは
境内地
森林
の伐採を要請する事件等が往々にして各地に発生していると聞く。
関係者
はかくのごとき誤解を一掃せしめるように努められたい。 二、
社寺境内地
の免税のこと。
宗教
法人法によれば、
社寺
等に対して免税の途が開かれており、又よく実現されているようであるが、今回の
措置
によ
つて
国有地
が
社寺
の私有地に変更される結果として、地方財政の困難を理由として、地租の類を
境内地
に課するがごときことのないよう、注意されなければならない。もとより、間伐その他による
收益
にたいして課税することは妨げないであろうが、元本に対して課税するがごとき場合には、これがために
境内地
森林
の伐採を必要とするがごとき結果となり、国土の保全
宗教活動
の阻害等の結果をきたす虞がある。 三、
境内地
を、
社寺
が適当に管理すること。
国有地
であつた間は、
宗教目的
外の利用は監督官庁の許可を受けなければならなかつたので、その弊害は稀であつたが、今後
境内地
が私有地となる以上は、その
目的外使用
に関する監督方法がないことになり、
從つて
営利
目的
の利用が起り得るのみならず、
森林
の濫伐、又は適当な管理行為の欠如等のごとき弊害を見る虞がある。又すでにその実例があつたとも聞く。現行法の上では、譲渡後の監督方法がないから、適当な立法
措置
を講ずる必要の有無が考慮されなければならないであろう。差当りの方法としては、
社寺
の管理者、氏子総代、檀徒総代等において、
境内地
の管理につき愼重なる考慮を拂われるよう希望する。 以上を以て
調査
報告
を終る。
奧主一郎
3
○
委員長
(
奧主一郎
君) では次に第二班の方は私から御
報告
申上げます……。
決算委員会
は院議を経て一月十六日から二十一日迄の間に、大阪鉄道局に関する
昭和
二十二年度決算
検査報告
(以下決算
検査報告
と略称する)に記載されている批難事項の
調査
及び大阪特別調達局並びに
京都
特別調達局管内の
終戰処理費
処理
状況
を
調査
した。
調査
を
行なつ
た
委員
は奥
委員長
及び安部
委員
であ
つて
、これに波江野專門員が参加した。 以上をもちまして第二班の御
報告
を終ります。それでは暫時休憩致します。 午前十一時零分休憩 —————・————— 午前十一時六分開会
奧主一郎
4
○
委員長
(
奧主一郎
君) それでは休憩前に引続き会議を続行いたします。 都合によりまして本日議題の最後の
昭和
二十三年度
一般会計
予備費使用
総
調書
及び
昭和
二十三年度
特別会計
予備費使用
総
調書
、
昭和
二十三年度
特別会計
予算総則第四
條但書
に基く
使用
調書
、
昭和
二十四年度
特別会計
予備費使用
総
調書
これの政府
当局
の説明はこの前の
委員
会で大体承つたのでありまして、今日はこれに対する質疑がありましたらどうぞ一つや
つて
頂きたい。 それからもう一つ申上げておきますが、政府
当局
から大蔵省主計局次長の東條氏がお見えにな
つて
おりますからさよう御承知願います。
中平常太郎
5
○
中平常太郎
君 予備費を年度末に至
つて
使用
決定したものが
相当
あるように思われますが、三月二十五日以後に
使用
決定したものだけでも、
一般会計
に二十五口、一億九千万円ほど
予備費使用
がなされておりますが、政府側といたしましては、年度末に予備費をできるだけ必要の面に
使用
額を成るべく少くするような一つの考え方が支配しておつたようなことはないでしようか。また不十分の内容のままで急いで
使用
決定したような弊害に陥いる危險があるのでありますが、年度末における予備費の、急に予備費を使うということにつきまして、会計検査院の双方に検査院が御覧に
なつ
たその考え方にそういう点はなかつたかどうか。又
当局
の側にもそういう考えはなかつたかどうかということをここで明らかにして頂きたいと思います。 それからもう一つは
予備費使用
といいますのは、必要止むを得ないところに
使用
することは当然でありますが、この
昭和
二十二年の四月二十六日の閣議の決定といたしましては、予備費の
使用
におきましては、行政機構の
設置
改廃に伴つたものは、予備費は出さないことにな
つて
おります。いわゆる
法律
の政令の改廃に伴うものでありますから、それは予備費として出さないということにな
つて
おるのでありまするが、この予備費は
使用
調書
の三十四頁には、外国為替
管理
委員
会の
設置
、その事務局の
設置
ということに対しまして予備費を十六万円余り使つた、それから又二十九頁でありますが、総理府の所管の公職資格訴願の審査に関する事務処理に必要な
経費
として、これが二百九十万円使
つて
おりますが、こういうのはどちらも新らしい項目でありまして、予備費から出すべきじやないように思われるのであります。殊に国会の開会中には予備費の
使用
ができないということの閣議申合せができておるのでありますが、このようなことにつきましては、
昭和
二十三年度の予備費の
承諾
を我々審査したときにも
承諾
を與える場合におきまして政府に警告してあつたのであります。それをやはり新らしい項目に予備費を使
つて
おられまするが、これに対する閣議に違反していないか、閣議決定に違反していないか、止むを得ないことであつたかどうか、こういうこうについて御説明を願います。
東條猛猪
6
○政府
委員
(東條猛猪君) お答えを申上げます。
昭和
二十三年度の
一般会計
の予備費の
使用
が、二十二年度の予備費を御承認頂きます場合の附帯決議と申しますか、御警告と申しますか、そういうところに反しておる点がありはしないか、こういう御趣旨のお尋ねでございます。誠に御尤もな御質問と存じますが、ただこの
昭和
二十三年度の
一般会計
の予備費は、どういう経緯で当初の二十億円が六十五億円に増額をせられたかという経緯から少しく詳細に申述べたいと思います。当初予算におきましては、御承知のように、二十億円の予備費が計上いたされておつたのであります。それが二十三年の十二月の二十二日に成立を見ましたところの補正予算におきまして、四十五億円の追加を見まして、合計六十五億円に相成つた次第であります。何が故にこの比較的大きな四十五億円の予備費の計上を国会で決議をお願い申上げましたかという点でございまするが、実は政府といたしましては、補正予算を提出するにつきまして、かねて閣議決定の次第もございまするし、勿論日附から申せば翌年の五月の参議院の御議決ではありますが、私共閣議決定を十分尊重し、予備費の本來の使命から考えまして、この予備費の金額はなるべく、止むを得ず補正予算に計上するにいたしましても、少額にとどめたいと、こういう方針を以ちまして、この補正予算の編成に当
つて
おつたのでありまするが、たまたま御承知と存じまするが、いわゆる人事院の勧告を契機といたしまして、給與ベース改訂の問題が起
つて
参りました。当時政府といたしましては、当初の考えでは、政府と申しますより、或いは大蔵省と申上げた方がよろしいかと存じますが、五千三百円ベースで、給與の改訂をいたそうという心組みで、予算の編成をいたしておりましたところ、各般の
事情
によりまして、人事院勧告に從いまして、六千三百円ベースで給與予算の編成をいたさなければならないというような、実はこの予算編成の途上におきまして、種々複雑な
事情
が出て参りまして、一刻も早く補正予算の国会への提出を急がれるという
関係
がございまして、
関係
方面
の
意向
もありまして、この四十五億の予備費の内訳につきましては、当時大蔵省の主計局といたしましては、
関係
各省といろいろ相談をいたす途中でありましたが、概略のほぼ内訳はできましたが、最終決定に至らずして補正予算の提出をせざるを得ないという実は情勢に立至つたわけであります。併しながら、今お尋ねもございましたように、予備費の金額をなるべく小さくいたしたいという所存から、補正予算の四十五億円を提出いたしますと共に、速かに政府といたしまして、この四十五億円の内訳は大凡そこういう内容のものを予定いたしておるのだという内訳書を当時国会に参考資料として御提出申上げまして、一見如何にも予備費の金額は大きに過ぎるような感は與えるけれども、実はこういう内訳にな
つて
おるし、予算提出を国会に急速に提出せざるを得ない
事情
に
なつ
たので御了承を得たいということで、予算
委員
会にもそういう趣旨のことを御説明いたしまして、それぞれ国会の決議をお願いいたしましたわけであります。從いまして、私共この四十五億円をそういう経緯で国会の決議をお願いいたしました
関係
上、只今御指摘のございましたごとく、この二十三年度の
一般会計
の予備費の
使用
の金額並びに件数におきまして、通常の
状態
からすれば、やや件数並びに金額等においても多過ぎはしないかという御質問は、誠に御尤もでございまするが、そういう特殊の
事情
が二十三年度にはございましたことを御了承頂きたいと思います。 それから、新たに行政機構の
設置
改配廃を伴うものにつきましては、閣議決定におきましても、原則として予備費の
使用
はいたさない。又このことは、二十四年五月二十三日の参議院の院議といたしまして私共承知いたしておりまするところでありますが、今申上げました四十五億円の内訳にな
つて
おりましたところが一つと、いま一つは、この外国為替
管理
委員
会にいたしましても、或いは行政訴願の総理府の事務局にいたしましても、その少し前に連合軍からの正式の司令が出まして、実は政府といたしましては、ポ政を実は出しておるような
事情
もございます。從いまして、閣議決定におきましても、これは前の予備費運用の方針に関する本來の決議決定の趣旨には反するものであるけれども、ポ政の出た
関係
もあ
つて
止むを得ずこういうことをいたすということは、それぞれの案件につきまして、閣議の方には御説明を申上げております。実はそういう
関係
もございまして、只今御指摘のように、例外ではございまするが、新たに行政機構の
設置
改廃を伴います分二件につきましては、予備費の支出を止むを得ずいたしましたような
事情
に相成
つて
おります。勿論、重ねて申上げまするが、政府といたしましては、その
予備費使用
を、年度末に至りまして急速に予備費の
使用
残額を少くいたすとか、或いは事務処理を急ぐの余りに審査の内容が粗漏にな
つて
参るというようなことは、あくまでもこれは避けなければならないところでありまして、予備費本來の内容、
性質
というものに鑑みまして、十分参議院の院議の御趣旨は、私共平素事務をとる場合におきましても心に止めておる次第でございまするので、さよう御了承頂きたいと存じます。
奧主一郎
7
○
委員長
(
奧主一郎
君) 別に外に御質疑ありませんか。尚若しなければ、この前済んでおりまするけれども、持株会社
整理
委員
会のやつですが、これも
当局
から見えておりますから、
委員
会の方から土井さんと藤本さんが見えておりますから、これの方も若し御質疑がありましたら併せてお願いいたします。
中平常太郎
8
○
中平常太郎
君 議事進行についてですが、
予備費使用
だけの方を質疑も済んだようでございますので討論にした方がいいと思います。やはり一緒にされますか。
奧主一郎
9
○
委員長
(
奧主一郎
君) 一緒にしたいと思います。暫くお待ち下さい。
平沼彌太郎
10
○平沼彌太郎君 持株会社の方のことについて前に欠席してよく分らないのですが、御説明あつたと思いますが、決算の
状況
、最後の結果から今後どういうふうな
整理
でいつ頃完了するのかそういうふうなことについて……。
藤本司
11
○説明員(藤本司君) お答えいたします。今後のことでありますけれども、只今の段階では、正確なことはまだはつきり見通しがつかないと申上げるのが正しいと思います。今までのことを極く簡單に御説明申上げますが、
委員
会の仕事の中で後から
委員
会の仕事に法令で附與されました、
過度経済力
集中排除法
の仕事、これは前回私の方の
委員長
からも申上げたと存じますが、大体目鼻が付いた
状況
にな
つて
おります。只今同法によりまして指定中の会社は二十八ございますが、そのうち十社は、これは御存じの電力
関係
、日本発送電等の配電会社九社、合計十社であります。これは御承知の通り別途政府の方でその取扱いについて御研究中でありますから別でございますが、その残りの十八社につきましては、全部同法による手続きによりまして最後の決定指令まで済んでおります。そうして只今それぞれ決定指令で指令されました内容に從いまして再編成を急いでおります。そうしてその後出ました政令の定めるところによりまして、今年の來る四月一日で原則として
集中排除法
関係
の仕事は、公正取引
委員
会の方に移管するということにな
つて
おりますので、この
関係
の仕事は大体只今申上げましたような
状況
で目鼻が付いております。それから
最初
から私共
委員
会の主要な業務でありましたところの、一口に言いますと財閥解体の方の仕事でありますが、これは持株会社現在は八十二社でございますが、大体法令によりまして指定されました指定社、これは現在五十四名ございます。この指定社、持株会社から譲り受けました、法令の
規定
によりまして譲り受けました有価証券が、拂込み金額にいたしまして総額約七十億でございますが、これをこれまた法令の
規定
するところに從いまして
処分
いたしまして、各持株会社等は、そのいろいろ 性格によ
つて
差がございますが、その性格に從いまして
整理
するという仕事でございます。で、この方は大体約七十億譲り受けました有価証券のうち、現在まで
処分
が済んでおりますのが三十九億、これも拂込み金額でございます。約四十億でございます。ところが御存じのように去年の十月頃から証券市場が
相当
惡くな
つて
参りまして、その対策の一つといたしまして証券処理調整協議会の方で私共が持
つて
おりますような、こういう放出株が
一般
市場放出を止めておるような
状況
でございます。從いましてこの証券の
処分
の進行
状況
と、それから持株会社の清算
状況
というものは関連がございます。と申上げますのは、
委員
会が譲り受けました
処分
の代金を、法令の
規定
するところに從いまして国債等で持株会社へ返しまして、それを清算する持株会社につきましては、株主の方に更に分配して清算を終了するという恰好がとられます
関係
上、両方に密接な関連がございますものですから、只今の申上げました市場の
関係
で、残りの約三十億見当の有価証券の
処分
が只今のところちよつとはつきり目鼻がつきませんので、まだ暫くそういつた時間を要するのではないか、そういう
状況
でございます。從いまして只今冒頭に申上げましたように、
委員
会の仕事がはつきり済む時期、これは只今のところでは明確には申上げられない。ただ
委員
会といたしましては、成るべく早くこういつた戰後の
措置
を使命とする仕事でございますので、成るべく早く仕事を終了したい。こういう心組で諸事取運んでおります。以上簡單でございますが、御説明申上げました。御了承願います。
平沼彌太郎
12
○平沼彌太郎君 御説明でよく分りましたが、この收支の情勢を見ますると、
相当
の
経費
が掛
つて
おるように見えますが、現在のごとく株価が下りまして売ることができない。そうして自然それを無理に売れば赤字の計算にな
つて
しまう。
相当
の時期を俟たなくてはならないのですが、
相当
の厖大な数字の株式も経営しておられるようですけれども、今売り出せば必ず市場圧迫を進ませて、いろいろな面においてなかなか
整理
は困難な情勢に段々なりつつあるというときに、こういうふうな
経費
を組んで赤字に
なつ
た場合には、一体どういうふうな方針でおやりになるか、お聽きします。
藤本司
13
○説明員(藤本司君) お答え申上げます。私共
委員
会が仕事をや
つて
行きます基本的な考え方といたしましては、これは当初から持
つて
おります考え方でございますが、成るべく仕事を能率的に少数の人数で片付けたい、こういう考え方で進めているわけであります。從いまして集中排除の仕事が最も忙しかつた頃、これは同時に只今申上げました財閥解体の方の仕事も忙しかつた頃でございますが、人員約五百名くらいで運営しておつた次第でございます。只今御質問の趣旨のような
経費
の節減ということを、常にこれは私共考えて仕事を取運んでいるわけでございますが、從いまして集排の仕事等が、先程申上げましたように段々目鼻がついて來るに
從つて
、職員等も常に必要最少限度の人間で運用するという考え方から、一月末現在で三百三十七名くらい減らしております。現在の仕事を運営するには三百三十七名ではちよつと手不足の感がいたすのでございますが、只今御質問の趣旨のような考え方から、常に最少限度の人間で仕事を早急に片付けようという考え方で進んでいるわけでございます。尚市場の
関係
で只今保有しております株を
処分
して行く、先行きということはなかなか困難なことではございますが、これ又
委員
会で、その他の法令で與えられております
委員
会の使命から考えますと、これを中途半端に終らせるということもでき兼ねますので、今後その両方の要請から、どういうふうに処置すべきかということにつきましては、
関係
当局
とも緊密な連絡を取りつつ愼重に研究しているところでございます。そういう
状況
でございます。御了承願いたいと思います。
奧主一郎
14
○
委員長
(
奧主一郎
君) 外に御質疑ありませんか。
中平常太郎
15
○
中平常太郎
君 この承認
要求
書の百十五ページ、一番終いの一枚でありますが、逓信省所管の分で「
事業
量の増加に伴い必要な
経費
」というので、ここに出ておりますが、これは当然
事業
量の増加に伴う必要な
経費
でありますから、国会の承認が必要でありまするが、次の百十六ページの「借入金償還に必要な
経費
」は借入金をお返しになるのは国会の承認は、別にこの
範囲
内において出されるのは要らんように思われるのですが、その点の御説明をちよつと……。
東條猛猪
16
○政府
委員
(東條猛猪君) お答え申上げます。誠に適切な御質問をして頂きまして恐れ入りました。ここに引用いたしておりまする
昭和
二十三年度の
特別会計
予算総則第四條、これは十分御存じと思いますが、ちつと要旨を申上げて見ますと、
事業
收入
が予算額に比しまして増加いたした場合には、なるべく借入金の減少乃至
返還
に当てろということを本文に掲げまして、ただその
收入
の増加に伴いましてどうしても要る
経費
があるならば、而もその
経費
が予備費によ
つて
支弁することができないならば使
つて
よろしい、それは
予備費使用
の例に準じて使
つて
よろしいという実は予算総則の
規定
に相成
つて
おります。それでこの予算総則を文理的に解釈いたしますと、只今御指摘の通りでございまして、この
事業
量の増加に伴い必要な
経費
十一億につきましては、
予備費使用
の手続に準じまして逓信大臣の決定に基きまして、改めて国会の御承認を得なければなりませんが、借入金償還の方は第四條の本文で、
事業
收入
が殖えたならば成るべく借金を還せ、借入金を還せ、ということを申しておるのでありまして、文理的には別に逓信大臣の決定したことにつきまして、事後国会の御承認を得る必要はないことに相成
つて
おります。ただ実は大蔵省といたしまして、本件が如何に国会の御承認を得ることに取扱うかいろいろ苦慮いたしたのでございますが、予定以上の
收入
が出ました
收入
の増加額は、この十一億三千九百万円と、次に出て参ります七千七百二十万円、この両方を合せたものが
事業
收入
の増加に相成
つて
おるわけであります。それから国会の議決を願いました歳出予算額に較べますると、片方は借入金でもあり、片方は
事業
量の増加に伴います必要なな
経費
でございますが、いずれも国会の議決を経ました歳出予算額を超過するという意味におきましては、両方同じような筋合いである。そこで文理的に申しますと、只今の御指摘のように実は予算総則の第四條の
規定
のしかたが文理的に不備でございまして、おかしくはあるが、歳出予算額に縛られるという、国会の議決を尊重するという建前から、両方を合せて御承認を得るという議案の形にして、何とか御了承が願えるのではなかろうか、ということで、從いまして借入金償還に必要な
経費
と申しますのは、文理的に申しますと、正式に御承認をお願い申すというか、御参考にと申すか、そういう意味で御決定を願うという筋のものでございます。今申上げましたように歳出予算に対する国会の議決の額を越すという意味でお願いいたします
関係
が一つと、実は只今御指摘の通り文理上の不備がございましたが、目下国会で御審議を願
つて
おります二十五年度の予算におきましては、本文の借入金の場合でも、それから
事業
量の増加に伴い必要な
経費
でも、両方とも
予備費使用
のような手続に準じまして国会の議決を経るようにというような予算総則の差換えをいたしております。御質問誠に適切でございまして、私共御尤もだと思います。そういう経緯にな
つて
おりますので御了承願います。
奧主一郎
17
○
委員長
(
奧主一郎
君) 別に御質問ありませんか……。 それでは本日の議題になりました初めの方の持株会社
整理
委員
会云々の方につきまして、別にもう御質疑ございませんか。御質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奧主一郎
18
○
委員長
(
奧主一郎
君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御
意見
のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
中平常太郎
19
○
中平常太郎
君 この持株会社
整理
委員
会は漸次に仕事が縮小されますので、
経費
も
從つて
減少するのは当然でもございまするが、私共の考えておりまするよりはまだ
多額
に人を使
つて
おられる。も
つて
ずつと減少して私はいいものと思うのであります。例えて見れば、過度
集中排除法
に対する人員をまだ百三十人使
つて
おられる。これはもう
集中排除法
は制定されてからもう何年にもなりますので、どんどん
整理
して行きつつあるのでありまして、今日まで百三十人もそのために人を使う必要はないと思われる。もう一つは、全体の持株会社
整理
委員
会といたしましては、二十四年度はまだ三百九十人使
つて
おられ、二十五年度は三百六人使
つて
おられる。次第に減るとはいいながら、減り方が大変緩慢であると思われるのであります。仕事の分量は非常に板に着いてよく御
整理
なさ
つて
おられますので、もはや不馴れということはない筈で、馴れ切
つて
おられる。して見れば、スムースに仕事は進行される筈であります。だから我々の考えからいつたならば、持株
整理
委員
会などというものに三百六人もおられるということは、これは大切な
国民
の膏血を絞
つて
出て來るところの歳入面に、それだけ余分な歳出をしておるものと認めざ るを得んのであります。すでに先日も
委員長
は減少する方針であると言われておるが、尚それに一つ拍車をかけて貰い、ずつと減少して貰
つて
、仕事の分量をなるべく集約して、三人にな
つて
おるものならこれを一人にして行くくらいな画期的な減少の政策を採
つて
頂きたい。そういう要望を私は入れて、そうしてこの経理につきましては、会計検査院も異議がないと申しておりまする
関係
もありますし、我々
調査
いたしましてもこれに異議がございません。
経費
につきましては国費に
関係
することでありますから、只今の
要求
を
條件
といたしまして、この承認を與えたいと思うのであります。
奧主一郎
20
○
委員長
(
奧主一郎
君) 外に別に御発言はございませんか。 別に御
意見
がないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奧主一郎
21
○
委員長
(
奧主一郎
君) 御異議はないと認めます。 それではこれより採決に入りたいと思います。 持株会社
整理
委員
会第二十三條第六項の
規定
に基く、
昭和
二十三
事業
年度持株会社整理委員会経費收支計
算書
並びに
譲受財産
及び
過度経済力
集中排除法
第七條第二項第五号の
規定
に基きその譲受けたる
財産
に関する
財産目録
及び
收支計算書
を経て、異議がないと議決することに賛成の方は挙手を願います。 〔総員挙手〕
奧主一郎
22
○
委員長
(
奧主一郎
君) 全会一致でございます。よ
つて
本件は原案通り、総て異議がないと議決することに決定いたしました。 尚本会議における
委員長
の口頭
報告
の内容は、本院規則第百四條によりまして、予め多数
意見
者の承認を得なければならないことにな
つて
おりますが、これは
委員長
において本案の内容、本
委員
会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を
報告
することとして御承認願うことに、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奧主一郎
23
○
委員長
(
奧主一郎
君) 御異議はないと認めます。 それから本院規則の第七十二條によりますと、
委員長
が議院に提出する
報告書
には多数
意見
者の署名を附することにな
つて
おりまするから、本案を可とされた方はどうか順次御署名をお願いいたします。 多数
意見
者署名
中平常太郎
柴田 政次 來馬 琢道 米倉 龍也 カニエ邦彦 姫井 伊介
加藤常太郎
中川 幸平 西山 龜七 平沼彌太郎
廣瀬與兵衞
横尾 龍 石川 準吉 阿竹齋次郎
奧主一郎
24
○
委員長
(
奧主一郎
君) 御署名漏れはございませんか。なしと認めます。
—————————————
奧主一郎
25
○
委員長
(
奧主一郎
君) それでは次の議題の
昭和
二十三年度
一般会計
予備費使用
総
調書
以下二十四年度
特別会計
予備費使用
総
調書
、これを一括して採決したいと思います。別に御異議はございませんな……。別に御発言ございませんな——。発言はないようですから、質疑は盡きたものと認めて、御異議はございませんな。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奧主一郎
26
○
委員長
(
奧主一郎
君) それでは御異議はないものと認めまして、これより討論に入りたいと思います。御
意見
のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。別に他に御発言はございませんか——別に御
意見
もないようでございますが、討論は終結したものと認めて、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奧主一郎
27
○
委員長
(
奧主一郎
君) 御異議はないと認めます。 これより採決に入ります。
昭和
二十三年度
一般会計
予備費使用
総
調書
、
昭和
二十三年度
特別会計
予備費使用
総
調書
、
昭和
二十三年度
特別会計
予備費総則第四
條但書
に基く
使用
調書
、
昭和
二十四年度
特別会計
予備費使用
総
調書
を総て、異議はないと議決することに御賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔総員挙手〕
奧主一郎
28
○
委員長
(
奧主一郎
君) 全会一致でございます。よ
つて
本件は原案通り、総て異議がないと議決することに決定いたしました。 尚本会議における
委員長
の口頭
報告
の内容は、本院規則第百四條によ
つて
予め多数
意見
者の承認を得なければならないことにな
つて
おりますが、これは
委員長
において本案の内容、本
委員
会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を
報告
することとし、御承認願うことに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奧主一郎
29
○
委員長
(
奧主一郎
君) 御異議ないと認めます。 それから本院規則の第七十二條によりますと、
委員長
が議院に提出する
報告書
には多数
意見
者の署名を附することにな
つて
おりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。 多数
意見
者署名
中平常太郎
柴田 政次 來馬 琢道 米倉 龍也 カニエ邦彦 姫井 伊介
加藤常太郎
中川 幸平 西山 龜七 平沼彌太郎
廣瀬與兵衞
横尾 龍 石井 準吉 阿竹齋次郎
奧主一郎
30
○
委員長
(
奧主一郎
君) 御署名漏れはございませんか……。御署名漏れはないと認めます。
阿竹齋次郎
31
○阿竹齋次郎君 今日まで御審議願つた中で、会計検査院
報告
の第二百四十号「物品の
売拂
に当り
措置
当を得ないもの」これに対して証人を呼びたいと思います。 それから三百八十三から三百八十六に至る復興金融金庫の融資について、これに対しての証人を呼びたいと思います。その責任者を証人として呼ぶことの動議を提出します。
奧主一郎
32
○
委員長
(
奧主一郎
君) 速記を止めて……。 〔速記中止〕
奧主一郎
33
○
委員長
(
奧主一郎
君) 速記を始めて……。 それでは
委員長
より申上げます。只今の阿竹
委員
の御希望に対してはよくこちらで考慮いたします。 それでは本日の
委員
会はこれを以て散会いたします。 午前十一時五十五分散会 出席者は左の通り。
委員長
奧 主一郎君 理事
中平常太郎
君 柴田 政次君 來馬 琢道君 米倉 龍也君
委員
カニエ邦彦君 姫井 伊介君
加藤常太郎
君 中川 幸平君 西山 龜七君 平沼彌太郎君
廣瀬與兵衞
君 横尾 龍君 石川 準吉君 阿竹齋次郎君 政府
委員
大蔵事務官 東條 猛猪君 (主計局次長) 説明員 持株会社
整理
委 藤本 司君 員会総務課長