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1950-04-28 第7回国会 参議院 経済安定・大蔵連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十八日(金曜日)    午後二時六分開会   —————————————  委員氏名   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事      帆足  計君            椎井 康雄君            和田 博雄君           池田七郎兵衞君            左藤 義詮君           大野木秀次郎君            島津 忠彦君            田口政五郎君            稻垣平太郎君            奥 むめお君   大蔵委員    委員長     木内 四郎君    理事      波多野 鼎君    理事      黒田 英雄君    理事      伊藤 保平君    理事      九鬼紋十郎君            天田 勝正君            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            櫻内 辰郎君            油井賢太郎君            小宮山常吉君            高瀬荘太郎君            高橋龍太郎君            藤井 丙午君            板野 勝次君            川上  嘉君            木村禧八郎君            太田 敏兄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○外資に関する法律案   —————————————    〔佐々木良作委員長席に著 く〕
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは経済安定と大蔵委員会連合委員会を開催いたします。昨日外資に関する法律案と、それから外資委員会設置法案経済安定委員会に付託されたわけでありまして、両法案提出説明を簡單に聽取したところで、経済安定委員会は打切りました。質疑には全然入つておりません。質疑中心として連合で御審査を願いたいというわけであります。外資に関する法律案を議題といたしますから。御質問がありましたら、一般質疑に入りたいと思いますから、質疑をお願いいたします。
  3. 木内四郎

    木内四郎君 政府提案理由でも説明されているように、外資導入は、今日までのところでは非常に少いと。自由党の内閣においては外資導入ということを頻りに唱えて、今日まで来ておつた。然るにも道わらず、今回提案理由を見ますると、今日まで、誠に満足すべきものがないということを言つておられる、結局あれだけ外資導入を従来叫んでおられたけれども、結果は殆んどなかつたと了解するのであります。併し、極めて少額ではあるけれども、あつたというようなことを提案理由でも述べておられますが、どのくらいありましたか、又、それに併う対外支払いを要する額はどのくらいになる予定ですか。
  4. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) 只今の御質問ように、昨年三月から外資委員会なるものが出発をいたしておりますけれども、余りめぼしい、取立てて申上げるようなものがございません。これまでございましたものの主なるものは、石油関係と、それからもう一つ株式投資、それから不動産投資、そういうものが若干ございました。それは額で申しますと、株式投資が四十六万九百七十四ドル、それから不動産投資が十三万百九ドル程度で、これを一応換算いたしますと、前者の株式投資は一億六千五百九十五万六百四十円、それから不動産投資の方が四千六百八十三万九千二百四十円、合せまして、二億一千二百七十八万九千八百八十円、日本の円に直しましてその程度でございます。それから本年三月末日までの状況でございますが、申請されました総件数は二百八十九件、うち認可いたしましたものが二百六件、それから不認可のものが二十八件、審議中のものが五十五件というよう数字が出ております。認可案件の内訳は株式取得であるとか、不動産取得であるとか、それから收入高一定割合取得といつたようなもの、その他というようなことになつております。そこで細かいことは又政府委員からお答えいたしますが、石油関係ではカルテツクスと、日本石油、その他二件、それから造船機械工業関係でズルツアーブラザースと、三菱重工業、その他七件、それから電気工業関係I・S・Eと住友電工、その他一件、化学工業関係JRガイギー保土ヶ谷化学と他三件、それから観光事業関係日活国際会館というようなもので十八件程になつております。  御承知通り戰前を見ましても、昭和十六年あたりの統計が出ておりますが、外国日本に入れられておつた数字は一億円余という程度のものでありましたように、余りめぼしいものはございません。貿易以外の外貨、勿論貿易貿易以外のものになりますが、これは大体只今のところでは別段特に不均衡ということはございませんが、スターリング地域との間のボンドの関係というものは、大体今の数字では一杯になつておるというような形だと自分は記憶をいたしております。
  5. 木内四郎

    木内四郎君 不動産投資株式投資と併せて二億一千二百万円ぐらいあつたと言われるわけですが、これはもうすでに我が国に入つて来たものという意味でしようか。
  6. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) さように考えております。
  7. 木内四郎

    木内四郎君 それから後でお話しになつた二百八十九件というのは、三月末までに申請されたというのは、まだ入つて来たものはないのですか。あるのでしようか。
  8. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) 全部含めてございます。
  9. 木内四郎

    木内四郎君 昨年三月外資委員会を設けて以来、この三月末までに申請をして、そうしたものが二百八十九件で、そうしてその認可したものが二百六件、そのうちすでに入つて来たのは二億一千二百万円邦貨にして……そういうことですか。
  10. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) そうでございます。
  11. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると数が非常に多いけれども、全額にすると極めて小さいものだけですね。
  12. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) その通りでございます。
  13. 木内四郎

    木内四郎君 これに伴つてこの法律によつて予想しておられるところの対外支払というものは一年にどのくらいになるのですか。これも極めて少額なものだと思いますが……
  14. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) 今のところおつしやるよう数字ははつきりいたしませんけれども、一々認可をして海外取引に関する外貨関係等バランスをとつて見て、外貨の輸出を許可すべきものと許可せざるものというようなものが大体認許可によつて行なわれておりますが、そのバランスは大体とれておるものと思われます。
  15. 木内四郎

    木内四郎君 私が伺つておるのはそれではないのですが、あなたの方で今度出しておられる法律の第四條というものがあり、又第六條というものがありますが、対外の貸輪及び收支に関する勘定を決めなければならん、或いは外国為替予算の中にこれを計上しなければならんということになると、二億一千二百万円であるというから、それに伴う対外支払というものは、この法案の第四條、第六條の予想しておるところの対外支払というものは、極めて軽微な計数しか計上されないということになりますね。それは一応計数は持つておられるのですか。
  16. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) 第四・四半期だけの支払は二十万ドルなつておりますが、これは第四・四半期だけであります。四半期毎に御承知通り外貨予算を組んで出しておりますので、大体三ヶ月で二十万ドルくらいな平均になつております。
  17. 木内四郎

    木内四郎君 そうするとこの外資導入は、今度租税の特別措置法によつて税金を引下げる、或いはこの法律によつて特別な便宜を図るとかいうことの起る前に入つたもので、こういうことを前提としておらなかつたものと了解してよろしゆうございますね。
  18. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) その通りだと思います。
  19. 木内四郎

    木内四郎君 それからこの法律外資に関する法律案ですが、全体を見れば外貨は優遇して成るべく入つて来るようにしよう。今まで入つて来ておつた外資、即ち対外債務、これは一体どうなさるおつもりであるか。今まで入つて来たものは踏み倒して支払わないでおいて、新らしく入つて来たものだけ優遇するということでは、新らしく入つて来る方も十分こちらに信頼を置けない。今までの対外債務はどのくらいになつておるか。それを第四條或いは第六條によつて対外貸借及び收支に関する勘定に上げられるか、或いは第六條によつて外国為替予算に計上されるのであるか。されるとすればどのくらいあるか。又されないにしてもどれくらいあるか。
  20. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) これは御承知通り日本の信用を高めるという意味が多分にこの法律の制定につきましても含まれておりますので、いろいろと新聞などにも出ておつたこともございますが、大体旧債は四億ドルぐらいなものと思いますが、正確な数字は記憶いたしておりません。成るべく早く旧債をも償還をして行きたいという考えでございます。
  21. 木内四郎

    木内四郎君 国務大臣からでなくてもよろしいのですが、事務当局では、対外債務は一体どのくらいあるか。国債及び地方債、又社債においてどのくらいあるかという正確な計数は分つておられると思いますが……
  22. 河野通一

    政府委員河野通一君) 現在まで外貨関係債務なつておりますものを申上げますと、米貨英貨に合けまして申上げます。米貨におきましては国債地方債社債を併せまして六千七百五十九万ドル、このうち国債社債が大部分でございす。それから英貨におきましては国債地方債社債併せまして六千一百万ポンド、これが現在の未償還元本額でございます。それに未払いの利子を加えますと、未払利子だけが、米貨で三千四百七十万ドル英貨で二千六百七十万ポンドということになります。それを合計いたしますと、米貨元利合計で一億二百三十万ドルポンド貨で八千七百八十万ポンド、こういう数字に相成つております。これが、今大臣から申上げました元本について申上げますと、これをドルに直して約四億数千万ドルと、こういうことに相成る次第でございます。正確にドルに直しましたものは、ちよつと今手元にございませんが、そういうことになつております。
  23. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、あなたの方の規定による、第四條の「対外貨借及び收支に関する勘定」というものには、それは載せるのですか。又同時に、第六條の外国為替予算元利償還というものを載せるのですか。
  24. 河野通一

    政府委員河野通一君) 貸借バらンスには、今大臣から申上げましたように、成るべく早く払いたいとは思いますけれども、具体的に処理方法につきまして、まだ決定しておりませんので、外貨予算等には、具体的にその償還の方針が決まりましたときに組み入れることになりますので、この中には、外貨予算には、取り敢えずのところとしては、旧債については計上がせられないと、こう御了解願いたいと思います。尚貸借バランス方法につきましては、これは別勘定として処理されることになると思います。
  25. 木内四郎

    木内四郎君 外貨予算についてはその程度にいたしまして、第四條の「対外貸借及び收支に関する勘定」という意味は、これはどういう意味に解釈してよいのか、ちよつと説明して頂きたいと思うのです。
  26. 河野通一

    政府委員河野通一君) 貸借及び收支勘定の、どういうことを計上するかに、つきましても、目下いろいろ検討いたしておるところでありますが、大体主な点につきましては、次に申上げますような構想によりまして、政令を今起草いたしつつある次第であります。目的は、本法国際收支及び国際金融の調整に資すると共に、外国為替及び外国貿易管理法中の対外支払いに関する規定の履行を確認いたしまして、為替管理を効果的に実現して参るということを目的といたしておるのでございます。勘定の構成は、先ず第一といたしまして、国際の経常的な勘定と、国際資本的な勘定とに分けて考えて参りたいと思つております。その国際経常的勘定と申しますものは、対外取引に伴う商品とかサーヴイスの移動を網羅して参りたい。それから資本勘定におきましては、本法対外資産及び負債の発生、変更、消滅等を全部これに計上いたしまして、資本移動を記憶し、元本償還でありますとか、利子支払いでありますとか、或いは利潤收支、これらの状況を明らかにして参りたいと、かように考えておるのであります。この勘定は、毎年十二月末現在で決算を行いまして、一ヶ月以内に内閣に報告すると、こういうふうな建前で参りたいと考えております。ただこの点は、もう少し検討を要する点でございますので、確定的には今のところ決つたとは申上げかねる段階であります。
  27. 木内四郎

    木内四郎君 この第五條規定によると、対外負債対外資産を著しく超過して、そのために後の方にあるように、「必要な外国へ向けた支払が困難となるおそれがある」云々とありますので、この第四條の勘定は、資本的勘定というよりも、その年々の外国から入つて来る金額予想と払い出しの金額予想とを掲げるように思いますが、そうではないのですか。資本的勘定バランスがとれなくなつたときというのですか。
  28. 河野通一

    政府委員河野通一君) 資本的勘定ではございません。ここで言つておりますのは、そのときどきの経常的な為替ポジツシヨンから見まして、外貨支払いが窮屈になつて参ると、外貨ポジツシヨンが、非常に支払いを十分にやつて行けるだけの残高がないというような場合におきまして、今お話の第五條規定が発動されるわけであります。資本勘定だけの收支ということではありません。
  29. 木内四郎

    木内四郎君 そうするとそのことは、この第六條に出て来る外国為替予算に当然に出て来ることになるのではないでしようか。
  30. 河野通一

    政府委員河野通一君) 今申上げましたのは、主として対外收支むしろ実績を保護して参る勘定になります。外貨予算は、御承知ように、今後の予算でありまして、今後の四・四半期なら四半期というものについて立てて参るのでありまして、その間は実績予算との相違と、こう御了解頂きたいと思います。
  31. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、この第五條の二項で、若し困難な事態が生じた場合には、「外国投資に対して新たな負債を負い又は当該負債に基いて外国へ向けて新たね支払をする行為に対して」云々というふうに書いてあるのですが、そのポジツシヨンが非常に困難になつて来るということになると、ここには「外国投資家に対して」云々と書いてありまするが、商品輸入というようなことに対しても、何か処分が必要になつて來るのですか。
  32. 河野通一

    政府委員河野通一君) ここをで言ておりますのは、商品輸出入に関してではございませんが、商品輸出入につきましても、日本外貨事情そのものによりまして、或いはその計画通りの実施を若干延ばすとかいうことは起つて来るかと思います。併し、ここで言つておりますのは、外貨導入に伴う対外支払いを、新たに対外支払い債務が起つて来るようなものにつきまして、それを入れるか入れないかということについて、更に考慮をする余地を残したいと、こういうことであります。
  33. 木内四郎

    木内四郎君 外資導入といつても、別にドルの札ばかり持つて来るわけではないが、原料とか材料をこちらへ寄越すというようなこともここへ入るのではないかと思うのですが、そうすると、ここでは特別な導入のものだけを言おうというわけですか、どんなものを言おうというわけですか。
  34. 河野通一

    政府委員河野通一君) ここで外資導入といつておりますのは、今お話ように、大きく言いますと、物の輸入外資導入になるわけでありますが、ここで考えておりますのは、この中に書いてありますように、先ず技術援助バテント等国内に入れて参りますものと、それから株式等投資によつてこちらへ外資が入つて参りますものと、それから社債とか、借入金等の形でこちらへ外資が入つて参りますものと、大きく分けましてこの三つのカテゴリーが中心なつておるわけでありまして、一般の物の輸出入等につきましても、勿論外資導入という問題に関連いたしますけれども、ここでいつておりますのは、今申上げましたよう意味の、定期的な支払が今後起つて来るようなものでございまして、商売として、物の売買で一偏に勝負のつくるようなものは、いわゆる普通私共の申しております、外資導入という観念から外して考えております。
  35. 木内四郎

    木内四郎君 次に第九條について伺いたいのですが、第九條では、「外国へ向けた支払によつて受領しようとするときは貸付けに関する契約の中において、その旨が明らかんされなければならない。」ということになつたおるのですが、外国資本を入れて来れば、それに対して元利向うへ持つて行こうというのは当然なのですけれども、一々これをやはり明らかにしなければならないのですか。
  36. 河野通一

    政府委員河野通一君) まあそういう人も余りないかと思いますが、特に向うへ送らないでも、その対価日本国内に円として留めて置いてもよいという人があれば、これは別の取扱をして行く、そういう場合にはここで考えておりますあとに引出したいという送金確保の問題でありますが、そういう問題が、当分の間国内に円として留めて置いていいという場合には起つて参りません。円というものはそれが何年か先に円を海外に送りたいという場合に、個々の場合として対外支払いの問題が起つて来るのであります。そういうものにつきましては、例外ではありましようけれじも、特に区別して取扱う、従つて何年か先の問題は今この場合には対象としておらんのでありまして、一年なり半年なり先から剩余金支払いが起つて参るというような場合には、一つはつきりしておきたいという意味であります。
  37. 木内四郎

    木内四郎君 そうするとそれは一々はつきりしておかないというと、対外送金の権利を失つてしまうということになるわけですね。
  38. 河野通一

    政府委員河野通一君) はつきりしておきませんと、現実に対外支払いが必要となつて参りましたとき、ここに為替管理法によつて申請をし、為替管理法によつて許可される、こういうふうにしておけば入つて来たときに大体一年に何パーセント、何パーセントの送金を認めてやろうということが決まるわけであります。
  39. 木内四郎

    木内四郎君 その第十條についてもちよつと伺いたいのですが、技術援助契約を締結する場合は、外資委員会認可を受けなければならんということは、当然予想されるのでありますが、更新の場合においてもやはり認可が要るのですか。
  40. 河野通一

    政府委員河野通一君) 更新の場合にもそれが一年以上に亘つて延びる場合におきましてはやはり認可を受けさせる、こういうことになつております。これは今後ずつと続けて参ります場合に、外国に対して支払が、やはり当初予想いたしましたよりも予算上こちらも確保してやらなければなりませんので、更新をいたされた場合にも続けて認可はやはり受ける必要があるのです。
  41. 木内四郎

    木内四郎君 更に十五條の二項ですね。二項とそれから十六條の一項あたり意味ちよつとはつきりしない点があるのですが、ちよつと御説明願いたいと思うんですが……
  42. 河野通一

    政府委員河野通一君) 第十五條の第二項につきましては第一項を受けておるわけでありますが、技術援助対価配当金等につきまして認可をいたしますと、それにその認可の内容となつておりまする対外支払いが当然施行されて、特別に為替管理法上の許可を必要としないということに相成るかと思います。ただこの場合におきまして、対外支払い確保をいたしますには、その対外支払い手段……その外資導入が、対外支払い手段の交換によつて得た通貨でありますとか、或いはそれと同じよう意味を持つ、つまりドルならばドルに同じよう価値を持つておりまする現物で以て入つて来たもの、それ以外のものにつきましては、例えば国内の円で調達されたものでありますとか、そういうものにつきましては、対外支払い確保しない。併しそれは個々に、それを送ります場合は個々為替管理法上の許可を受けておく。一般的な包括的な確保をしてやらないこういうことであります。
  43. 木内四郎

    木内四郎君 その点は分りましたが、第十六條の方をちよつと御説明願いたいと思うんですが。
  44. 河野通一

    政府委員河野通一君) この規定はそう特に深い意味もございませんので、大蔵大臣がいろいろ許可をいたします場合には外資委員会に予め相談をして、そうして個々為替管理法上の許可をいたします場合に、その許可がちぐはぐにならないようにして参りたいということでありまして、外資委員会がその場合に相談を受けました場合には、この法律に書いてありまする趣旨に従いまして必要な勧告をする。例えば利潤外国に対する送金大蔵大臣として一割だけ許すという場合におきましても、それがそのときの情勢によつて、或いは七分程度の方がいいという場合には七分程度にしたらどうか、こういうことになるのであります。つまり許可の場合も、やはり又七分ということを大蔵省が考えております場合にも一割程度のことはした方がいいのじやないかというようなことをいつてやる必要がある。これは許可認可をいたします場合と、この法律によりまして送金確保される、包括的の送金確保される場合との繋がりが区々にならないようにして行くために、その間を繋げるための規定であります。
  45. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると十六條というのは、その前の方にずつと規定してあつたように、包括的許可を受けて、本邦における事業活動に伴う利潤送金に対して、為替管理法によつてここに認可をする場合と規定しておるものと解釈していいですか。
  46. 河野通一

    政府委員河野通一君) そようでございます。
  47. 木内四郎

    木内四郎君 それとこれと、あなたがお話なつた二項についても同じ趣旨によつて行くものと解釈していいですか。
  48. 河野通一

    政府委員河野通一君) 今の十五條の二項も、十六條と同じようにここに見て行く場合のものでございます。従つてこれの趣旨によつてやられると思います。
  49. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) ちよつと補足して御説明申上げますが、第十九條に「国の行政機関外国投資家投資又は事業活動に関し許可認可承認その他の行政処分をしようとするときは、あらかじめ外資委員会に付議して、その勧告を求めなければならない。」という規定がございます。一般的には先程河野政府委員からお話いたしましたように、外国投資家事業活動に関連した認許可行政処分は、成るべく外資委員会で統一的の観点からやつて行きたい。従つてこの重要なものにつきましては、必ずしも送金以外の事項でも、十九條外資委員会勧告を求める、ただ送金規定はそこにこれを十六條に取離して送金條項へ持つて参りましたのでありまして、趣旨は大体この十九條と同じでございます。
  50. 木内四郎

    木内四郎君 御趣旨はよく分りましたが、十六條の規定によると、本邦における対外支払の公平な取扱いがなされるということを確保する、そういうことを確保しなければならん。それは同時に十五條の二項の規定もその考え方が適用されるのかどうか。十五條の方は別に公平な取扱いをしないでもいいのか。それはただ外国為替管理法によつて決定すればいいものであるかどうか。言葉を換えれば、十五條の二項というのは少し特殊なものであるから、それは特別な取扱いをしていいというふうに考えられるのですが、併し十六條の事業活動に基く利潤に基く送金等は、必ずしも対外支払手段の交換によつて得た本邦通貨、又は対外支払手段と、同等の価値のある物のいずれかによる以外のものであるかも知れないのですね。
  51. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 十五條の二項はこういうものでございますが、十五條の一項は技術援助対価外国へ向けて支払い、例えばパテントの代金を毎年百ドルづつ送るというふうな外貨契約が初めから入ついおる場合でございまして、入口で外資委員会承認がございました場合には、もう出るときには外国外貨送金のときにき、もう為替管理法規定は要らない。第二項は十五條の方……
  52. 木内四郎

    木内四郎君 二項ですね。
  53. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 十五條の二項の場合は、これは対外支払手段の交換によつて得た本邦通貨でない、例えば日本の中で事業活動をいたしまして円が取得された、その円の取得で株を買つたというふうな場合におきましては、その株から生じました配当金送金というものは、別に初めから確保されたものとして認めるわけには行かない、こういう意味でございます。お尋ねの趣旨と違うかも知れませんが、要するに第一項は、入つて来ましたときに技術援助対価なり何なりで株を持ちましたり、社債を持ちましたり、株を持ちました場合でありますが、そういうような場合は初めから毎年百ドルづつ送りたいというふうに外資契約が入つております。それが認可されましたら百ドルづつ送ることは為替管理許可なしに送れる。併し第二項は国内で例えば雑誌社なら雑誌社が事業活動をいたしまして円が入ります。そういうふうな国内の活動によつた円によりまして株を買つたというふうな場合におきましては、その配当金が当然に外国送金できるということでは望ましくございませんので、そういうふうな場合は一々為替管理法の観点から考える、こういうことでございます。
  54. 木内四郎

    木内四郎君 その点はさつきも大体御説明を伺つたのですが、この十五條の二項というのは今あなたが御説明になつように、対外支払手段の交換によつて得たものでない配当金利子元本償還金の外国に向けた支払に対するものですね。それから十六條の場合も同じことです。十六條の場合も予め許可を得ていないもの、本邦における事業活動に伴う利潤送金に関するものだから、同じものだから十六條の一項の方には、併し本邦規定によるところの認可を要する事業に伴う外国に向けた支払い等公平な取扱をしなければならんということが十六條にある。それは事業活動に伴う利潤送金については公平に取扱をしなくてはならんということは……十六條の二項も今あなたが言われたように予め承認を得たものでない対外支払手段の交換によつたものでない配当金利子又は元本金の償還金、利子外国に向けた支払だから、性質は同じことじやないか。だけれども本邦内における事業活動に伴う利潤送金については、本邦によるものと公平な取扱をしなければならん。十五條の二項の場合においても公平な取扱をしないでいいのか、こういうことですね。
  55. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 十六條は、或いはお答えにならんかも知れませんが、十九條と同じよう趣旨送金の分だけ取出しておるのでありますが、十五條の二項の場合も勿論含まれております。十五條の二項によつて送金がしたいというような場合には、十六條によりまして大蔵大臣が、例えば送金許可をいたします場合には、十六條の規定によりまして委員会に諮つて、そうして公平な取扱をするということであります。
  56. 木内四郎

    木内四郎君 それから法律質問は私はそれだけですけれども、今度この法律によつて外貨の入つて来ることを促進されようとするのですけれども、法律だけでは入つて来ないだろうと思うのですが、政府は近く相当外資が入つて来るというようなお見込があるのですか。何か相当話が進んでいるようなことがありますか。
  57. 青木孝義

    国務大臣青木孝義君) 只今のところ特別に外資が入つて来るというような見通しというような、そういうものは只今ございません。併しこういうふうなこの規定がはつきり決まつて参りますれば、外国投資家も、このはつきりした、まあいわば基準に基づきまして、投資も段々出て来るのではないかというふうな期待を持つている次第であります。
  58. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) よろしうございますか。外に御質問ありませんか。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  59. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。それでは今日はこの辺で閉会したいと思いますが、尚今大蔵委員長と打合せました結果、この連合委員会は今日の一回だけで、あとの審議の日にちの関係もありますので打切りたいと思います。ただつきましては今日は出席の少ない点もありますし、従いましてこの法案経済安定委員会で審議されておる期間中、大蔵委員の方も御遠慮なしに経済安定委員会に出て頂きまして、御発言を、或いは御質問をやつて頂きたい、こういうふうに思います。そういうことで連合委員会を打切ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは連合委員会を打切ります。今日はこれで閉会いたします。    午後二時四十八分散会  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事      帆足  計君    委員            椎井 康雄君            左藤 義詮君            田口政五郎君            奥 むめお君   大蔵委員    委員長     木内 四郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君    委員            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            櫻内 辰郎君            油井賢太郎君            高橋龍太郎君            藤井 丙午君   国務大臣    国 務 大 臣 青木 孝義君   政府委員    経済安定事務官    (総裁官房次    長)      河野 通一君    大蔵事務官    (理財局長)  伊原  隆君    大蔵事務官    (外資委員会事    務局長)    賀屋 正雄君