○国務
大臣(小澤佐重喜君) これは本来から申上げますれば、官房長官が参りまして皆様に御説明申上げるのが順序であろうと思います。併し
ちよつと官房長官が差支がありますので、もう
一つはこの選考に
当りましては、私もお手伝いした
関係上、便宜私から御説明申上げますことを御了承願いたいと存じます。二つの
委員会を通じまして、大体必ずしも理想的な人選だと言うことは或いはできないかも知れないのでありまして、その理由は御承知の
通り本法案が
両院を通過いたしましたのが二十四日、即ち非常に期間が短かかつたこと、而も今
国会中にこれを通さなければ、この法案の実施ができないということ、それからもう
一つの問題は、放送法の
規定によりまして全国八地区から経営
委員会の
委員は選ばなければならないこと、もう
一つは片方が兼職を禁せられておる
関係、又法案では
委員長が三万四百円ですか、それと
委員の二万五千円程では私共の考えたようにはなかなか承諾して呉れなかつた。こういうような
意味で今冒頭に申上げたように、必ずしも理想的だとは或いは言えないかも知れません。併しこの範囲内においては極力努力いたしまして、できるだけ
国会の御賛成を願えるべく全力を盡したつもりであります。
先ず
電波監理委員会から考えますと、いわゆる公正妥当な
委員会の
審議振りを期待いたしまして、各部門から專門の、或いは良識ある方をお願いしたつもりであります。即ちこの七名の
委員の選考に
当りましては、先ず文化方面から一人、一般行政面から二人、それから産業方面から一人、電波行政及び科学技術面から一人、一般科学技術面から一人、法曹界
関係から一人、こういうような線を分けまして、このうちに当嵌るような人を挙げたつもりであります。
委員長の富安さんは、いわゆる文化
関係という
意味で御
推薦を申上げたのであります。それから上村伸一君と瀬川昌邦君は一般行政面という
関係で御
推薦申上げました。それから坂本直道君は産業
関係の部門から御
推薦申上げましたのであります。網島君は現在
電波監理長官でありまして、これは電波行政及び科学技術という
関係上
推薦申上げたのであります。拔山君は御承知の
通り現在東北大学の電波物理科の教授をされておりまして、而も電気通信研究所長の経験がありまするし、電波物理学の研究の泰斗としてすでに皆さんも御承知の
通りであります。それから岡咲君は現在法務府の法制
意見第一局長をや
つておりまして、法制には極めて明るい方である。こういうふうな方面から七名の方を選び、而も非常に経験の深い富安さんに
委員長をお願いすることにしたような次第であります。
次に
日本放送協会経営委員会
委員でありますが、これは先程も一言申上げました
通り、法制上全国の八地区から適任者を一人ずつ選任いたすことにな
つております。即ち北海道、東北、関東、東海、近畿、中国、四国、九州、このブロツクから一人ずつ然るべき方を御選任申上げることに法制上な
つておりますので、この点に関しましても遠隔の地におります方は、二日間や一週間の間に御選定を申上げることは困難でありますから、必ずしも先程申上げました
通り理想的な人選とは言えないかも知れませんが、極力弊害を排除いたしまして適当な方を御
推薦申上げました。北海道は宇野親美さん、東北は古宇田清平さん、それから関東は矢野一郎さん、東海は神野金之助さん、近畿は本野亨さん、中国は大原總一郎さん、四国は則内ウラさん、九州は福田虎龜さん、以上でありまするが、而もこの地区別の方に更に職能別と言いましようか、北海道の宇野さんは北海道大学の先生でありまして、教育方面を代表して御承諾を願い、又古宇田清平さんは農業
関係、即ち篤農家として有名な方でありますから、そういう
関係で古宇田さんの出馬をお願いしたようなわけであります。尚矢野さんは金融
関係、それから神野さんは交通
関係、本野さんは科学技術、大原さんは産業
関係、則内さんは婦人及び教育
関係、福田さんは産業
関係、こういう
意味で御
推薦申上げたような次第でありますが、
只今申上げましたような事情でありますから、この同意を求める件が通過いたしませんと折角御
審議願つた法案が、実施に至りませんような次第でありますから、曲げて御
承認願いたいと思います。