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1950-04-05 第7回国会 参議院 議院運営委員会 第54号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月五日(水曜日)    午前十時一分開会   —————————————   委員の異動 本日委員宿谷榮一辞任につき、その 補欠として島村軍次君を議長において 指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○委員辞任及び補欠選任の件 ○自由討議に関する件 ○理事補欠選任の件 ○議院運営小委員補欠選任の件 ○議院運営小委員予備員補欠選任の  件 ○庶務関係小委員補欠選任の件 ○廣川自由党幹事長談話に対する内  閣の所見に関する件 ○証劵取引法第百六十六條第二項の規  定による証劵取引委員会委員長及び  委員任命につき同意を求める件 ○日本の安全、中国の飢餓及び朝鮮人  の処遇に関する緊急質問の件 ○小川友三君提出の告発状等に関する  議長報告   —————————————
  2. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今から議院運営委員会開会いたします。  常任委員変更についてお諮りいたします。
  3. 河野義克

    参事河野義克君) 社会党から懲罰委員齋武雄君が辞任されて、その後任として青清君を指名されたいとの申出がございます。又自由党から懲罰委員團伊能君が辞任されて、その後任として岩本月洲君を指名されたいとの申出がございます。
  4. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今議事部長から報告通り異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  6. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 次に自由討議に関する件についてお諮りいたします。
  7. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 自由討議につきましては、前回は渡米議員報告をされたわけでありますが、国会法に規定されております三週間の期限が、本日を以て日切れになりますので、これを如何なさいますか、お諮りを願いたいと存じます。
  8. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今事務総長から説明のありました件について、御意見のある方はお述べを願います。
  9. 中村正雄

    中村正雄君 暫く延期することにしては如何ですか。
  10. 河野義克

    参事河野義克君) 只今中村さんの御発言は、これを法規的に申上げますと、国会法第七十八條第一項但書の規定によつて自由討議は四月五日以降に行うことになります。
  11. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) じや自由討議は四月五日以降にするということに御異議ありませんか。    〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  12. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  13. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 速記を始めて下さい。それでは休憩いたします。    午前十時五分休憩    ——————————    午前十一時十二分開会
  14. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) では再開いたします。  常任委員変更の件についてお諮りいたします。
  15. 芥川治

    参事芥川治君) 緑風会から懲罰委員渡邊甚吉君辞任されまして、補欠として小杉イ子君、同じく懲罰委員岡部常君が辞任されまして、山崎恒君を指名せられたいと申出がありました。それから民主党からの申出でありますが、建設委員田方進君が辞任されまして、その補欠として安達良助君、経済安定委員安達良助君が辞任されましてその補欠として田方進君を指名せられたいとの申出があります。
  16. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 事務次長報告通り承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  18. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 次に理事補欠互選の件についてお諮りいたします。
  19. 芥川治

    参事芥川治君) 中川以良君議院運営委員辞任に伴いまして、その補欠として石坂豊一君、左藤義詮君の議院運営委員辞任に伴いまして、補欠として大島定吉君を推薦されております。
  20. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 事務次長報告通り承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  22. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 次に議院運営小委員及び同じく予備員補欠選任についてお諮りいたします。
  23. 芥川治

    参事芥川治君) 議院運営小委員及び予備員補欠選任につきまして、小委員石原幹市郎君の議院運営委員辞任に伴いまして、補欠として大島定吉君、同じく小委員左藤義詮君の議院運営委員辞任に伴いまして、補欠として石坂豊一君、予備員岡田喜久治君の議院運営委員辞任に伴いまして、補欠として、城義臣君、同じく予備員中川以良君議院運営委員辞任に伴いまして補欠として小林英三君、同じく予備員栗山良夫君の議院運営委員辞任に伴いまして、補欠として吉川末次郎君、同じく予備員深川榮左エ門君の議院運営委員辞任に伴いまして、安達良助君を推薦されております。
  24. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 事務次長報告通り承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  26. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 次に庶務関係小委員補欠選任の件についてお諮りいたします。
  27. 芥川治

    参事芥川治君) 岡田喜久治君の議院運営委員辞任に伴いまして、補欠として大島定吉君が推薦されております。
  28. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 事務次長報告通り承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  30. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 又新たに常任委員変更の届出が出て参りましたのでお諮りいたします。
  31. 芥川治

    参事芥川治君) 民主党からのお申出でありますが、大蔵委員林屋亀次郎君が辞任されまして、その補欠として淺井一郎君、外務委員淺井一郎君が辞任されまして、補欠として林屋亀次郎郡を指名せられたいとの申出であります。予算委員門田定藏君が辞任されたいとの申出があります。懲罰委員松下松治郎君が辞任されまして、その後任として門田定藏君を指名せられたいとの申出があります。
  32. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 事務次長報告通り認めることに御異議ございませんか。    〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  33. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。速記を止めて下さい。    〔速記中止〕   —————————————
  34. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) じや速記を始めて下さい。官房長官が出席されました。
  35. 中村正雄

    中村正雄君 官房長官にお尋ねしたいわけでありますが、本日の各新聞に出ておるわけで、自由党幹事長談として、参議院予算審議その他につきましての見解が発表になつておるのでありますが、自由党幹事長談自体は、参議院としても取上げるということにつきましてはいろいろ問題もあると思いますけれども、これは政府与党との連絡会において決まつたことを幹事長談として発表したと各新聞に報道いたしておりますので、政府といたしましてもこの談話につきましての責任があると思いますので、一応この談話内容につきましてお尋ねしたいと思います。各新聞に、表現方法はいろいろ異つておりますけれども、一言で申上げますれば、参議院、特に参議院野党派共産党に躍らされて予算成立を徒らに遅延して云々ということがありますが、この談話内容につきましてどういうお考えがあるかということを、第一にお尋ねしたいと思います。
  36. 小林英三

    小林英三君 その前にちよつと……
  37. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 関連しておりますか。
  38. 小林英三

    小林英三君 関連しております。今中村君のおつしやつたことの前段の政府と……廣川幹事長声明は、政府連絡の上でやつたかどうかということについて、先ず官房長官説明を伺います。
  39. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 関連してもう一つ。そうしたらこういうことをちよつとお尋ねしたいんです。これは四日の朝に増田官房長官がG・H・Qに行つてリゾー次長に会われて、院内与党との連絡会で、政府与党との会議でそういうふうに決められたんですが、そこでお尋ねしたいのは、これは独自の意見で出されたのか、それともこれに関して総司令部の何らかの意向でも伝えられたのかということを伺いたいのであります。
  40. 門屋盛一

    門屋盛一君 関連を許されるなら、私も伺いたい。関連してそれでは私の方でもお尋ねして置きたいのですが、大体これはどういうふうにお答えなさるか知らんけれども、この吉田内閣ができてから、与党である自由党と、閣僚主要メンバーであるところの官房長官等を加えた閣僚の主なる人と自由党幹事長以下の党のいわゆる役員とが、閣僚と党の幹部との懇談会というものをやられて、そこでいろいろと対策を練られて、官房長官談発表した方が都合がいいことは官房長官談発表する、官房長官談では少し堅苦しくて、政府がじかに直撃を受けそうなものは幹事長談で出すというのは、これは慣例になつておる。これは今回が初めてではない。この前の食確法の折にも幹事長談で出しておるが、事実は閣僚承知の上で総裁談で出しておる。それで総裁談幹事長談発表したということに過ぎないのです。これは小林委員の言われるような愚な関連質問は必要ないと思う。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  41. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 今中村君から御質問がありまして、いろいろ関連の方の御質問がありましたが、一応官房長官お答え願つて、それから一人一人又新たに質問して頂きたいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  42. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 中村さんの御質問並びに関連質問にお答え申上げます。政府においては連絡会においてこういうような意見があつたということは全然知つておりません。このことを明瞭に申上げて置きます。それから兼岩君が尚リゾー次長会つて、それからこつちに来て連絡会で決まつたという断定的なことをおつしやいますが、そういうことは事実ございません。
  43. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと今官房長官の話でありますと、何ら関知しないという答弁でありますが、それは新聞がどういうふうに報道したか分りませんが、毎日にしましても、朝日にしましても、読売にしましても、すべてが政府自由党役員とが協議して一定の方針を決定し、それに基いて幹事長談発表しておるということをすべてのいわゆる大新聞が報道しておるわけですが、これが違ういうことになりますれば、我々といたしましても今後の新聞に対する考え方を変えなければいけないので、こういう間違つた報道新聞がしておると官房長官がおつしやるならば、これに対しましてどういう態度をおとりになるか、対策をどういうふうにお考えになるか、それをお聞きしたいと思います。
  44. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 政府与党との連絡会云々ということを新聞で今拜見いたしましたが、私の記憶のあるところでは、ないのであります。
  45. 中村正雄

    中村正雄君 では一応読上げますが、最初は読売新聞ですが、「二日間の予算空白という空前の醜態をさらけ出しながらも幸うじて本年度予算案成立をみた政府では四日朝増田官房長官が総司令部リゾー民政局次長を訪問、予算成立報告行つたうえ今後も地方税法改正案、電力再編成法案など重要法案が残つておるので終盤の国会対策について種々懇談を重ねた、ついで同長官院内における政府与党連絡会に出席してその懇談内容報告したが、その結果、一、今後の国会対策地方税法成立に全力をあげること、一、予算成立に際して野党各派妨害的行為をしたことを明かにする声明を出すことを決定した廣川幹事長はこの決定に基いて正午」云々といつて談話発表しておるのが読売であります。又朝日新聞も「廣川自由党幹事長は四日朝十時すぎ外相官邸吉田首相と協議したのち、自由党幹事長談発表、」云々と大体同じことを書いております。又毎日新聞におきましても、「政府及び自由党では野党側予算審議に対する態度は占領下遺憾なる点ありとして、四日次のような予算審議を顧みての廣川幹事長談発表、」云々と書いておるわけであります。いずれの新聞を見ましても、政府自由党との協議の上出したということは一応明らかにされておるわけでありますが、これを全然官房長官は関知しないということになりますれば、今後の新聞ニュースその他につきまして、一応我々も迷惑を蒙つておりますが、新聞が事実無根のことを出しておるとすれば、一応政府としても何らかの対策が必要と思います。これに対する政府の代表としての官房長官所見をお伺いしたいと思います。
  46. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 今私は読売新聞記事を見ました。中村さんが朗読された通りでありまして、与党との連絡会増田官房長官が出席して懇談内容報告した、その結果云々と、こういうことはございません。私は昨日リゾー氏のところへ行つたのはお礼に行つたのであります。答礼に行つただけであります。あとのことについては打合せ等はございませんので、「を決定した」ということは事実と違います。
  47. 門屋盛一

    門屋盛一君 どうも中村君の質問の根本を離れた答弁のようです。中村君の御質問は、増田官房長官の言われたように、関知しないということであるが、三大新聞がこれだけ出しておる、これに対して政府として、又政府を代表する官房長官として、この新聞記事に対してどういうお考えをお持ちになるかということを聞いておるわけなんです。内容じやない、そういう、あなたが言う通りならば間違つた記事ということになるわけですね。こういう間違つた記事で国民に非常に重大な影響を与えるわけです。それに対して政府としては何ら関知しないだけで済むんですか。いい加減なことはよして、はつきりした答えを言つて下さい。
  48. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申上げます。私が事実として申上げることは、廣川君が出したことは事実でしよう。それから廣川君が幹事長として、公人たる幹事長として所見新聞発表したということも事実だと思います。そのよつて来るところはこれらの新聞を、今読売が出ましたから読売について申上げますが、「この決定に基いて」ということはなりません。「を決定した」ということもありません。又「懇談内容報告した」という事実もありません。「その結果云々ということもありません。そこでこれらの事実に、対して、事実と違う点に対してどういうふうに考えるかという門屋さんの御質問と思います。又中村さんの御質問もそこであつたかと思いますが、その点足りなかつたことは申訳ありません。こういう事実はないということをこの際明暸に申上げる次第であります。
  49. 門屋盛一

    門屋盛一君 おかしい答弁ですね。今新聞を読んで知つたというのだけれども、政府はこれは関知しない、やつておらんというだけのことじやいけない。こういう嘘の記事が出ておるが、中村君の言われるのは、国会としてこういうことに対とては何とか措置をとらなければならんと思つておる。政府としても何とか、どういうふうに考えるかというのですよ。ついでだから申しますけれども、我々は在外同胞引揚委員会において、アカハタの記事に対してさえ、これは明らかにプレスコード違反であるということをも委員会で断定しているんです、それはどこにあつたか、あなたは官房長官として政務をおとりになつておるんです。今初めて新聞を見たということが事実とすれば怠慢も甚だしい。夕刊記事にも出ておるんです。あなたの部下は何百人もおつて情報係は何十人もおる筈です。あなたの部下でこういう記事が出ておるということをあなたに報告した人が一人もないとしたならば、全く何をやつておるか分らない。これくらい重大な、事占領政策に違反する、野党のやつておることは占領政策に違反するというような重大な記事なんです。これがあなたの部下であるところの内閣の各係が今まで長官報告もしない、又あなたも政治家として、官房長官として今までこの新聞を見ないと、新聞を見ないような官房長官が世間のことは分りつこないじやありませんか。本当ですか、嘘ですか、言うことが。その場逃れ答弁をしたのでは今度だけは許さんですよ。(「不穏当だ」と呼ぶ者あり)不穏当じやないですよ。
  50. 中村正雄

    中村正雄君 今いろいろ読売新聞のことが言われておりますが、一応私の質問終つてから各委員は御質問願いたいと思います。朝日新聞にも吉田首相と相談した云々となつております。毎日もその意味を書いております。又ここに持つておりませんが、時事新聞にはこれとちよつと違つたことなんですが経過については読売と同じことを書いておりますが、声明内容は、参議院全体を非難したようなことを書いております。従つてどの新聞でも政府自由党との連絡の上、その意思に基いて談を発表したことは、これはどういうふうに解釈しましても、私はそういうふうに肯ける記事だと思うわけです。今官房長官読売だけをとつて言われましたが、朝日、毎日、時事も殆んど内容は同じ経過を報道しているわけですから、私は一読売だけでなく、全新聞ニュースに対してこういう間違つた報道をやつておるとすれば、これに対しては政府はどういう処置を講ずるかという政府所見を聞いているわけで、私の質問に対しては未だ官房長官から御答弁がないように思います。その答弁を得ましてから私は次の質問をしたいと思います。
  51. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私がはつきり申上げておることは、政府与党との連絡会でこういうことが決まつて、それから幹事長の名前で出したということはないということは、再三再四明暸にはつきりとお断りしておるわけです。それでいいと思います。そこであなたがどういう処置をとるかという御質問があればお答えする。
  52. 中村正雄

    中村正雄君 私がお聞きしているのは、官房長官がこういうことは間違いだと断定なさつておるから、それであれば、政府としてこういう間違つたニユースに対してはどういう処置をとるかということをお聞きしているわけです。
  53. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申上げます。先ずはつきりいたしておることにつきましては、幹事長が、私が聞いてこれは知つておる、幹事長公人として談話発表した、それは事実であります。併しながらその発表に至るゆえんについての記事政府の関知するところではありません。又事実ではありません。そこでどういう処置をとるかということについてお答えする。そういう連絡会で決まつたことではないということを私は明暸新聞に申します。
  54. 中村正雄

    中村正雄君 外の議員からもその点についてはいろいろ御質問があると思いますので、私は次の質問に移りますが、政府与党との連絡会決定によつて幹事長談発表したものではないということを一応是認するといたしまして、次の質問は、自由党幹事長談でありましても、今の政府自由党内閣であることは御承知通り従つて幹事長談内容につきまして、政府としても法律上の責任は別としまして、政治上の責任は持てないとは恐らく言い切れないと思う。従つてその談話内容につきまして自由党内閣官房長官にお伺いしたい点は、第一の、参議院野党各派共産党策謀に躍らされて予算成立を遅延せしめた、こういうことは増田官房長官はどうお考えになつておるか。こういうことを政府としても考えておるか。或いは官房長官自身としてもこのように観測しておるかどうか。これを第一にお尋ねしたい。(「答弁の限りでない」、「答弁答弁」と呼ぶ者あり)
  55. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 幹事長幹事長所見を言われたのでありまして、これにつきまして政府註釈をいたしかねるわけです。
  56. 中村正雄

    中村正雄君 私は今の国会なり内閣というものが、議院内閣制憲法で認めておつて、そうして今の内閣自由党内閣であることは、官房長官も恐らく御承知通りだろうと思う。従つて政府と党が違うからといつて形式論でこれは党がやつたことで政府が関知しないということは、果して今の内閣制の本質と相容れるものかどうかということを十分御承知だと思います。従つて自由党総裁談でありましようとも、幹事長談でありましようとも、自由党の公式な談話であります限りは、その内容につきまして自由党政府が全然責任がないということは言い切れないと思う。若しそういうことをおつしやるならば、今の憲法の下における議院内閣制というものを否定なさる議論だと思う。従つて増田官房長官自由党一員ならば、今の自由党政府であるならば、自由党の公式の談話について答弁の限りでないということはあり得ないと思う。私は答弁を要求する当然の権利があると同時に、官房長官答弁義務があると思う。従つて第一の質問に対して答弁を要求いたします。(発言の許可を求むる者あり)
  57. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) まだ中村委員質問が済んでおりませんから、後で御発言を願います。
  58. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 中村さんにお答えいたします。政府といたしましては、党の幹事長声明に対する註釈はいたしかねますから、どうぞ御容赦を願います。
  59. 中村正雄

    中村正雄君 私の要求しておるのは、註釈を要求しておるのではない。この談話の第一項の、参議院野党各派共産党策謀に躍らされて予算成立を遅延せしめたという自由党発表に対しまして、増田長官はどういうふうなお考えを持つておるか、これを聞いておるわけで、政府はこれと同じ考えを持つておるか、違う考えを持つておるか。註釈を求めるわけではありません。
  60. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 政府参議院の御行動に対する観察ということは、こういう機会において申上げる義務があるというふうには感じておりません。申上げることは御容赦願いたい。
  61. 中村正雄

    中村正雄君 今官房長官答弁を容赦願いたいとおつしやいますが、これは私は理窟を申上げるわけではなく、今の政府自由党政府であるということは明らかである。従つて自由党の公式な声明に対しまして、自由党政府がこれに対して意見を聞かれた場合に、私は政府一員であるから自由党とは関係ありませんと、自由党自由党で行動され、政府政府で行動されるとは、今の内閣の立場から言つて、或いは政府的分野から言つて、これは僕は官房長官の容赦を願いたいということは、我々納得できません。従つてどこまでも私は声明の第一項についての答弁を要求いたします。
  62. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 政府幹事長談に対する註釈をというのはどうも私は申上げかねます。(「註釈じやない。」と呼ぶ者あり)どういうふうに考えるかということも私はこの際申上げかねます。私は申上げる義務も、そういうところまではないと思います。
  63. 中村正雄

    中村正雄君 私の言う義務というのは、法律的の義務を申上げておるのではなく、今の内閣制から申しまして、自由党と現在の内閣は一体と見ていいわけです。議員としては自由党であり、行政面においては内閣ですから、自由党内閣を組織して、自由党行政を担当しておるわけなんですから、従つて政治的には私は官房長官としまして、この自由党の公式の声明に対しましては、当然答弁の教務があると思う。若しも義務がないとおつしやるならば、なぜこの前の吉田総裁談に対しまして政府が来て答弁をしたか、これをお聞きしたい。(「なぜ答弁した、頭を下げて断りに来てるじやないか。」と呼ぶ者あり)
  64. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 靜かにお願いいたします。
  65. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) この前の吉田総裁に対する云々ということは、ここに出席したという覚えはありますが、内容についての註釈を申上げたことはありません。解説をいたしたことは確かないと思います。
  66. 中村正雄

    中村正雄君 この前の吉田総裁談話というものが、参議院審議につきまして非常に障害を与えたと議運で問題になりまして、吉田総裁の出席を要求した、ところが言を左右して来られなかつた。そうして官房長官がお見えになり、吉田総裁談話について答弁されたことは速記録にも載つております。皆さん御承知通りなんです。従つて幹事長談自由党のことであるから政府は関知しない、総裁談は関係するとは我々には思えない。従つて総裁自由党役員であり、幹事長役員である。幹事長政府とは別個なものであるといたしますれば、総裁談話ではいろいろ頭を下げて言い訳をして、幹事長談のときは答弁の限りではないということは納得できない。その間の違いがあるか。総裁談のときは答弁したが幹事長談のときは答弁しないという理由をお伺いしたい。
  67. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私が中村君の現に御認識されておる通り、本日ここに呼ばれて各種の御質問に対して答弁しております。これは幹事長談内容でありますから、それと同様な意味において私は吉田総裁談話に対して答弁をいたしたと思います。併しながら内容の解説、観察、批評、分析等はいたしておりません。
  68. 中村正雄

    中村正雄君 官房長官に最後に、その態度についてお尋ねしたいわけでありますが、自由党幹事長或いは自由党としての公式な声明は、政府とは全然関係ないことであるので、その内容について政府答弁の限りでないというふうにお考えになつておるものと思いますが、そういたしますれば、私が最初言いましたように、今の内閣議院内閣制を採つており、政党政治であるということは御承知通りであるといたしますれば、何故自由党内閣である今の内閣が、自由党の公式の声明に対しまして、答弁の限りでないという根拠をどこにお求めになつておるか。この答弁の限りでないという根拠をお知らせ願いたい。
  69. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 中村君にお答え申上げます。御指摘のごとく政党内閣である。新憲法下においてはすべて政党内閣でありますから、政党内閣であるということは認めます。併しながら政党即内閣ではございません。政党の行動を一々答弁せんならん義務は私はないと思います。
  70. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますれば、内閣責任政治的には自由党責任になり、自由党責任はイクオール内閣責任になるというのは、憲法が予定しておるところではないでしようか。そのために自由党の数が少くなれば内閣を投げる場合もあるし、或いは自由党の政策が破綻を示した場合は、内閣が辞職するということは一応予定されておるところです。従つて官房長官は、法律論で政府と政党は別個のものである。別個の人格であるというところに根拠を求められまして、答弁を回避されておりますけれども、政治的には政府と今の自由党と一体と見ておることが、これが間違つておるかどうか。恐らく官房長官と雖も、政治的には自由党政府は一体になつておるものとお考えになつておる。そうすれば自由党のこれが一党員の行動、或いは一党員の言動であれば別でありますけれども、自由党としての公式の声明に対しまして、自由党の党員を以て組織しておる内閣が、これに対しまして答弁の要なしとは政治的には言い切れないと思います。これに対しまして最後の御答弁を要求したい。
  71. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 繰返して申上げます通り政党内閣であります。もとより政党の基礎を置いた内閣でありますが、政党の行動をすべて内閣責任を負うというふうには考うべきものではないと思つております。政党即内閣ではない。政党を基礎にした内閣であるけれども、政党即内閣ではないと思つております。
  72. 中村正雄

    中村正雄君 だから私もいわゆる自由党の行動全部が内閣の行動とは申上げておらない。自由党の一党員の言動や、或いは動作について言うわけではありません。少くとも自由党全体として、幹事長自由党の代表者ですよ、従つて自由党全体としての公式な声明に対しまして、内閣が関知しないということは、僕は言えないという点を申上げておるわけです。それに対しましても今後は自由党内閣は全然別個なものである関係上、自由党がどういう行動をしても内閣は何ら関知しない、又政治上の責任を負う必要がないかどうか、こういうお考えであるかどうか。お聞きしたい。
  73. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 幹事長談に対して、どういう観察を政府は下しておるかという御質問でありますから、そこで官房長官もとより議運に出席してあらゆる問題について御答弁を申上げる責任があり、又そういう役を持つておるのが官房長官であります。併しながら幹事長が或る談話を出して、これについて政府はどういう所見を持つておるか、又官房長官はどういう所見を持つておるか言われましても、これは政府の代表としての責任をとり、又責任を負わなければならんことになりますから、俄かにこの場合に申上げる次第であります。
  74. 中村正雄

    中村正雄君 そうしますと、今の官房長官答弁は、大分変つて来たと思いますが、ではどのくらい余裕があれば答弁できるかお聞きしたいと思います。
  75. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) その前提として、先程来しばしば同じことを申上げたのです。即ち政党内閣であるからして、吉田内閣は政党を基礎にした内閣である。併しながら政党即内閣ではないのであるからして、一々政党の幹事長の各種の言明に対してコンメントしなければならんというふうには考えていないのであります。
  76. 中村正雄

    中村正雄君 私の申上げておるのは、すべての自由党の行動について申上げておるわけではないので、これは参議院全体に影響のある問題なんです。従つて参議院としては、是非ともお聞きしなければならないという意味からお尋ねしておるわけで、自由党幹事長談話を一々参議院の議運で取上げてお聞きしたことはありません。参議院に重大な関係があるところから聞くわけでありまして、これに対しましては、本当に参議院審議、或いは参議院の存在を重視なさつておるのであれば、私は官房長官は謙虚な気持を以てこれは答弁すべき義務があると思う。それが政府の代表としての官房長官態度である。従つて今お尋ねするように、官房長官自身がおつしやつた、現在の内閣として連帯責任である関係上、若し間違つたことを言つては困るという御懸念があれば、一定の時間の余裕は考えておりますから、どのくらい待てば正式の答弁ができる。答弁があればお待ちしてもいいと思つてお答えを要求したわけです。従つて官房長官に対しましても、これは参議院の非常に重大な関心事である関係上、これは答弁すべきことは、僕は官房長官としては、その立場として当然ではないかと思うのです。従つてどのくらい時間を待てば答弁できるか、それをお聞きしたいと思います。
  77. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 最初から三四回申上げましたように、我々は答弁するその内容についての観察を、政府側の観察を申上げるだけの義務はないと思います。若し機会が与えられれば……それは御承知願いたいと思います。
  78. 中村正雄

    中村正雄君 外の人の質問もありますから、一応私はこれで打切ります。
  79. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 小林君にお許しいたします。先程から大分待つておいでになるようですから。
  80. 小林英三

    小林英三君 先程からこの問題に対して中村君からくどくどと御質問があつたようでありますが、私は廣川自由党幹事長談というものは、飽くまでも自由党としての幹事長の談でありまして、自由党考えておることを率直に発表しただけのものである。従いまして今日の新聞にも載つておりますし、民主党民主党としての幹事長の談がある。又三宅社会党国会対策委員長談としての談話もあります。各派の代表が、共産党共産党としてのこの発表に対する談話が出ておるのであります。これに対する善惡、或いは判断というものは、これは国会の判断に任せるべきである。こういうことを党の代表者が、幹事長の言つたことを一々ここに取上げる必要がない。殊に諸君が今朝の議院運営委員会において、廣川幹事長談政府との間に連絡があつたかどうかという問題について、官房長官を呼ばれたと思います。この点に対して官房長官ははつきりと連絡はないと言つておる。従つて私は連絡があるなしは別問題としましても、とにかく連絡はないと言つておるのであります。この問題につきまして、これ以上増田官房長官を追及する必要は毫も認めないと私は考えます。
  81. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 議事進行、小林君は質問がなさそうなんで、我々は官房長官質問がありますから、質問を続行さして貰いたい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)先程中村君に対する答弁の中で、連絡会議では扱いません。こう言わけました。併しその他の何らかの方法で、この幹事長談発表に対して、政府自由党の間に話合がありましたかどうか
  82. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) そういうことは聞いておりません。
  83. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると政府は、この発表が出るについて何も知らなかつた。こういうふうに了解してよろしうございますか。
  84. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 噂に聞くことは聞きました。(笑声)
  85. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 官房長官がどうであろうと、新聞にも大概総理と相談したと書いてある。総理の人格は、外に発表する時は総理大臣になつたり総裁になつたりするかも知れないけれども、頭の中は一つですから、一旦相談を受けておる内容知つたり知らなんだりできんと思う。総理が知つておつたならば、内閣は当然知つておつたことになる。噂だけでは知つておつた、そういうことになり得るかどうか。
  86. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 幹事長が何か文書を書いたという話を聞きました。
  87. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ともかくも総理大臣に相談されたことはどうも事実らしいのですが、それでも政府はこの談の発表について何ら関知しなかつた。知らなかつたと言われるかどうか、官房長官として……
  88. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 関知していないのであります。
  89. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これははつきりとここで証言して置いて貰いたい。総理大臣が知つておつたことを、内閣は全然知らなかつたと言つていいかどうか。官房長官として、内閣の代表として、総理大臣が知つておつたものを内閣は全然知らなかつたと言い切れるかどうか。
  90. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 総理大臣が知つていらしたかどうかということも、私は分つておりません。
  91. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 総理大臣に相談したと書いてある。総理大臣は自由党総裁です。而も幹事長がこれだけ大きな発表をするのに、総裁その他自由党のえらい人達に全然知らせずにやつたとは常識的に思えない。そういう逃げ口上は大体いい加減にやめて貰いたいと思うのです。総理大臣は自由党総裁である。そうしてそれに相談した、それに相談したとどの新聞にも書いてある。そして常識的に見ても相談したのだろうということは分る。それにも拘わらず内閣は全然関知していないということは言い切れるかどうか。これは僞証罪だ、若しそれを否定するならば。(「本当だよ」と呼ぶ者あり)
  92. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 内閣は全然知しておりません。
  93. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうするとこれが新聞に出るまでは内閣は全然知らなかつたと確認してよろしうございますか。
  94. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 印刷物としての新聞になる前に、何か幹事長談があるらしいということは、噂は聞いておりました。
  95. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これは曖昧でないようにして貰いたい。これは新聞に出るまでに内閣はこの幹事長談について、何にも関知しなかつたというふうに了解していいかどうか。
  96. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 内閣としては全然関知していないということを明言し得ます。
  97. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 内閣としてはということは、飽くまでも内閣を構成する分子として誰も知らなかつた、こう了解していいですか。
  98. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私が先程から明瞭に申上げております通り連絡会議等で決まつたものではありません。或いは噂を聞いたという人は、外の閣僚にもたまにあるかも知れませんが、とにかく国務大臣を以て構成している内閣は、全然関知いたしておりませんことを再三再四明言いたして置きます。
  99. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 どうもその点僕は割切れない。噂を聞いておつた人があるかも知れんけれども、国務大臣の構成する内閣はという註釈はどういうふうに了解したらいいのですか。
  100. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) その意味は、佐々木君も新聞に出る前にたまには噂をお聞きだつたと思うのです。何やら廊下で噂を言つておりましたから、その範囲で……
  101. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私の知つている範囲に知つておつたというなら、私は相当内容を知つておつた。(笑声)それから、ともかくですね、この掲げ足はどうこうとして、ともかく内閣が、幹事長談発表されるまで、内閣は全然知らなかつたとこういうことですね。
  102. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 内閣と言われると語弊があるのですが、その註釈をして頂きたい。
  103. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 いや、内閣を代表しているのでしよう。内閣を代表して内閣の立場から答弁されるのですから、内閣と言わざるを得ない。
  104. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 十五人を以て構成している内閣というものは知りません。
  105. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それなら一体官房長官の知つておられる内閣というのは何すでか。(笑声)大体これはよく分つておる。最初門屋君が言うたように、この間の新聞の面が出て来たときに、一つ一つの問題を参議院で何かけりが付き、そうして与党で工合が惡いと必ず惡宣伝をやる。国鉄裁定の出たとき然り、それからこの間の給与法案がごたごたになつたとき然り、今度の予算の通つたとき然り、参議院でけりが付いた、ともかくも無理押しでも何でも通つたときには必ずやる。或る場合は内閣の名前でやつたり、或る場合は幹理長の名前でやつたり、それを法規的にごまかそうという肚は分つておるのです。それを承知の上でこつちも扱つておりますよ。而も私はこれを聞かなければならない。内閣はどこまでもこれを知らなかつたかどうか。而も総理大臣は知つておつたと書いてある。
  106. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 内閣は知らなかつたのであります。
  107. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 註釈なしに内閣は全然知らないということに了解してよろしうございますね。先程いろんな註釈が付いておりましたが、いろんな註釈全部を抜いて、新聞に出るまでに内閣は何もこれに対して知らなかつた、そう了解してよろしいわけですな。
  108. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) そうであります。
  109. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 よし、それならいい。
  110. 門屋盛一

    門屋盛一君 この問題はですね、自由党幹事長廣川君がどういう放送をしようがそれは自由であります。併し今日後ろの方に新聞記者諸君もおられるようですが、新聞は正しい報道をやらなければならんということは官房長官も御承知だと思う、その正して報道をやらなければならん新聞であり、而も毎日、朝日読売等の新聞が同じような記事で出ておる。私は廣川正事長談以下のことはここで官房長官に聞くことは保留して置ききす。併しこの前段のですね、「四日朝増田官房長官は総司令部リゾー民政局次長を訪問、予算正立の報告行つたうえ」今後の国会対策について懇談した。「ついで同長官院内における政府与党連絡会に出席してその懇談内容報告したが、その結果」と文は続いて来るのですが、一、今後の国会対策地方税法成立に全力をあげること、一、予算成立の遅延に関係して野党各派の妨害行為を明らかにするため同幹事長談発表することに決定した、こうなつておるのです。そうしますとですね、単なる廣川幹事長談ではなくて、あなたが総司令部を訪問して、予算成立の結果を報告してお礼を言う、そうしてどういう御懇談を司令部となさつたか知らんけれども、それでお帰りになつて、それを院内におけるところの政府与党連絡会に出席して、その結果を報告し、協議の結果とこう出ているのです。みんな今あなたも御覧になつた通り新聞に出ている。そこでですね、重大問題は、あなたも政府一員です。新聞は正しい報道をやらなければならない、正しい報道をしていなかつたならば、政府みずから政府の機関においてこれを追及しなければならん責任をお持ちになつておるお方として、而もあなたの関係されている政府ですよ。内閣政府という定義はどちらでも私は……政府です、十五人揃わなければ内閣でないとか何とかいうむずかしいことは私は考える必要はない。閣僚懇談会とか与党政府との連絡会というものは、何人出られるか知らんけれども、あつたことは事実なんです。で今日こういう連絡会をやらないのに、各新聞がこれだけ書立てておるということに対して、どういうお考えをお持ちになるかということを先ずお伺いしたい。
  111. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先ず「四日朝増田官房長官が総司命部にリゾー民政局次長を訪問した」、これは事実であります。それから今後の国会対策について協議をした、こういうことは事実はございません。私はお礼を言つただけであります。ついで「院内政府与党連絡会に出席して」その結果を報告し、この結果を報告しというのは、これはお礼を言つて来たということだけであります。あとの内容報告しておりません。又今日まこれを一つ一つ申上げます。そこでリゾーさんというものがここに引用されておつて、その結果ですね、この決定を基礎として何か廣川幹事長談話を出したというようなごとがどこかにありますが、これよりももつと詳細に書いてあります。「廣川自由党幹事長はこの決定に基いて」、こう言われたのでは、これはまるでリゾーさんの方がむしろアビユーズされて、濫用されておるように思わけて非常にこれはまずいと思うのであります。これは新聞記者会見において私は明暸に訂正を要求しております。要するとお礼を言つて来たということが報告でしたら、それは報告もよろしいでしようが、その結果を報告した、ところがこの新聞は、読売さんを拜見すると、懇談内容発表しておる、何も懇談ということは別にないのです。そのお礼を言つて来たということであつて、結果報告ということの方がいい。それから「その結果」「地方税法成立に全力をあげる」、これは今後の対策等につきましては、それは話がありましようが、私は地方税法ということは余り記憶はありませんが、地方税法、これはむしろ本日特に論議いたします、併し昨日も特にしないということは記憶が明暸でありませんから、これは断ることはありませんが、その他いろいろ明らかに声明を出す、こういう決定はありません。それで廣川幹事長はこの決定に基いて云々というのはありませんから、これは明暸新聞に対して私はこの事実なきことを指摘いたします。
  112. 門屋盛一

    門屋盛一君 私のお尋ねしておるのは、この事実がどこが本当か、どこが嘘かということを聞いているのじやない、いつまでも私のお尋ねしているのは、この事実がどこが本当で、どこが嘘であるかということを、一々聞いているのじやない。先程の中村君の質問に対して、廣川幹事長談に対する政府与党連絡の結果やつたことでないということを、官房長官ははつきり言われておる。それであつたならば、本当の真実を報道しなければならん新聞が、これだけの大きな間違いを報道しておる。今の官房長官の言葉でも間違いのように聞えるのですが、これはもう間違いであるとか、間違いでないとかは調べて見なければ分らないのですが、官房長官の言う通りであつたならば、これだけの大新聞記事が間違つておる、こういう間違つた記事を出すことが、いわゆるプレスコード違反ということになつて来るが、これは官房長官として、政府官房長官として、これは知らんとは言えない、これに対して、ただ取消を要求するとかいうだけのことで済ませるつもりか、これだけの大きな問題に対して、どういうふうなお考えを持つておるとかいうこと。それから今のあなたの御答弁関連しまして、あなたが報告したときに、誰と誰がおられたのですか。仮に廣川幹事長がいなくても、誰か党務を見る人とか、閣僚が二、三人おつて報告されたとすればこれは新聞記者の方から見れば、明らかにこれは政府与党との連絡会と見る虞れがある。誰々に報告したのか。ただあなたが一口にないと言われるならば、私は追求しません。ないならないでいいが、ないとすればこれは間違つた記事であつた。これはここでやはりお聞きの議員諸君でも、傍聴の諸君でも、官房長官答弁を聞けば、記事が間違つておるというような感じを受ける。これだけの重大問題、而もこれに原因を発したところの廣川幹事長談の中には、占領下の国政運行を妨害し、これはもつと露骨な記事になつておる新聞もある。でありますから、私が最初に言うように、これは官房長官として新聞を見ない筈はない。昨日の夕刊に出ている。今日までこの新聞が出てもう二十四時間経つておる。これは発表してから何らの措置もおとりになつておらない。今ここに呼ばれなかつたら、十二時の定例の記者団会見でも訂正の用意がない。これでどういうふうになさるお考えであつたのですか。我々から指摘されなかつたら、これだけの日本の予算の通過ということは、これは国会機能の上において一番重大なことですよ。その予算通過のことに対するあなたの関係しておるところの自由党幹事長談というものが、大きな影響を及ぼしておる。幹事長談が出るということは、あなたは事前に知つておつた。だからその結果がどういう記事になつて出たか、この記事がどういう反響を呼ぶか、記事の国政に及ぼす、影響するところは、常に用意周到に御覧になる責任がある。これは国務大臣として責任がある。それが今日まで新聞を見ていなかつた。我々から追及されなかつたら、これだけの重大な間違いの記事の取消要求の用意もなかつたのでしよう。又告発の用意もない。こういうように解釈していいですか。その御返答を聞いて、又後に聞きたい。
  113. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 新聞のことを中心とした御質問にお答え申上げます。御承知通り新聞紙法も現在ございませんし、取消を要求しても出すかどうかということは、新聞社の裁量にかかることであります。但し私は十二時の会見においては、こういう事実がないということを極めて明暸に申上げます。時間的に多少遅れた点は恐縮に存じます。
  114. 門屋盛一

    門屋盛一君 そこで新聞紙法がないと言われますけれども、ボッ勅によるプレスコード違反の規定が範つておる、これだけ大きな間違いだつたら、不正の報道をしておるのじやありませんか。それをもう一つ元に戻せば、新聞報道の廣川幹事長談以下の記事は関知していないと言つても、前段の政府の関係するところは全然嘘であるということを言い得るか。一つ一つの内容を聞いておるのではない。連絡会を開かなかつたとか何とかいうことがはつきり言えるのですか。もう一つあなたに時間を与えますが、あなたの関知しておる限りにおいては、これはないと思うけれども、他の閣僚なり何かでこの連絡をしたこともないとここで断言できますか。それがした疑いがあれば、時間を貸しますから、政府として取調べてここに明らかにして貰う教務がある。他の閣僚もないと言われるが、私は官房長官としてはないが、他の閣僚連絡しておつたという疑いがあれば、時間を置きますから、お取調の上、その有無を知らして貰いたい。これは重大な点ですよ。地方の小さい新聞でも新聞新聞だ、而もこれだけの大新聞が挙つて同じ記事が出ておる、私は常識から判断してなかつたとは思えない。あなたの知つておる範囲内ではなかつたかも知れないけれども、他の閣僚なり政府の中から連絡がなかつたら、廣川幹事長と雖も分らんところがある、それを確かめる。
  115. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 他の閣僚の出席する連絡会等においてどうかという御質問でございますが、連絡会のときには閣僚は私が出るだけで、とにかく私の関知する連絡会にはかかる決定はございません。
  116. 門屋盛一

    門屋盛一君 私の聞いておるのは、この連絡会官房長官の出席した連絡会ではないということは何回も言つておる。その連絡会という名前が付いておるか付いていないか知らないけれども、他の閣僚幹事長との間にでもこういう連絡があつたのじやないか、これが新聞社の方に対しては、嘘の記事だということを言われるが、これだけのことを書く以上、何らか掴めなければ書くものじやない。僕も新聞社長をやつているのだから……だからそれをお調べになつて、これを国会内に明らかにされるか、それともこれは一つの法によつて争うか、どつちかにしなければならん。これだけのことを言われたのじや、日本の新聞の権威にかかわる。官房長官が知らんと言つているからと言つて新聞記事が嘘とは言えない。どこかに類似の種がある。それでなければ記事に出ない。
  117. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 新聞記事だけを議題にして御質問があり、お答えしなければならんという前提の下にお答えいたします。院内における政府与党連絡会において決定云々、こう書いてあります。そこで記事としては、外のことはあつても、新聞社としては自分の書かれた記事について責任を負うとか、或いは取消すという問題があり得るわけで、院内における政府与党連絡会においてかかる決定はございません。
  118. 門屋盛一

    門屋盛一君 それは分つたが、これに類似のことが、他の閣僚からでもこういう連絡をしたようなことがあるかないか、あとでいいのですが、お調べになつてこちらに御報告する意思があるかどうか。
  119. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 門屋さんの御質問のうち、新聞記事に現われないことで閣僚連絡があつたかどうかということは、後刻調べて御報告いたします。
  120. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は、この新聞が非難されていると同時に、これは共産党を問題にしているから、多少余計時間を頂戴してはつきりさせて頂く権利というか義務があると思います。吉田内閣政治の特徴は、何か目の届かないところでいろいろな工作をやられて、それを巧妙に発表して行く一つのやり方が、占領政策違反という問題を恣に解釈を拡張して、これを巧妙に利用する点……
  121. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) ちよつと止むを得ない用事があるそうで、直ぐ来られますから……暫く速記を止めて下さい。    〔速記中止
  122. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 速記を始めて下さい。
  123. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 続けます。大にしては占領政策違反というような解釈を拡張してそれをいろんな面に、(「議事進行」と呼ぶ者あり)それから小にしては小川事件のような問題も発生して来る原因があります。そこでお尋ねしたいのは、(「一つ一つやれ」「昼からやれ」と呼ぶ者あり)こういうような参議院の誹謗、共産党の誹謗ということになつて来る。私はこういうような問題について、あなたが先程言われました政党に基礎を置く政府であるけれども、政党保護の内閣でないという理由の下にこれから一、二のことをお尋ねしたい。そういう重要か点を、それに対して答弁を拒否される考えがあるならば、これから質問を続けて行つても無意味なことだから、参議院、政党に関する幹事長談関連して僕は共産党の立場から默過し難いのですから、一、二のことをお尋ねしたいのです。そういう意味……
  124. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) ちよつとお半ばですが、長官が午後おいで願うことになるのじやないかと思いますが、午後に廻して頂けませんか。午前中でなければ……(「賛成」と呼ぶ者あり)
  125. 門屋盛一

    門屋盛一君 それならば中村君の動議を先に……
  126. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 その前提としてそれだけ答弁して貰いたい。
  127. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私が答弁し得る限りのことは答弁いたします。
  128. 中村正雄

    中村正雄君 時間も十二時半になりますのでここで休憩しまして、再開後もう一度官房長官に来て貰つて、質疑を続行すると同時に、只今までま官房長官の話でありますると、私は知らぬ存ぜぬという点が相当ありますので、やはり新聞の報道によれば、それには吉田総理と連絡云々という記事もありますので、やはり政府の代表であり、自由党の総裁である吉田総理にも午後は運営委員会に出席を求めて質問したいと思いますので、各位の了承を求めたいと思います。(「異議なし」「必要なし」「必要あり」と呼ぶ者あり)
  129. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 中村君の動議がありましたが、このように取計らいますか。
  130. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 中村君の動議の賛成します。
  131. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 中村君の動議に賛成。(「反対」「賛成」「必要なし」「行過ぎだよ」「幹事長の談の総理を一々引張るということは」と呼ぶ者あり)
  132. 門屋盛一

    門屋盛一君 官房長官は知らんけれども、他の閣僚が知つている人があるかも知れないから、調べてここへ出すだけの誠意があるかどうか……
  133. 中村正雄

    中村正雄君 私、小林さんの行過ぎというお話もありますが、幹事長談話なされた今までの分に対しまして取上げているわけでないのでありまして、今度は参議院全体に影響があるから私は吉田総理に出席を求めるわけで、今まで廣川放言と言つてあれだけ発表しておることについて、一々取上げたことはないが、今度は参議院の今後の運営にも関係あるし、現在参議院の権威にも関係あることだから呼ぶわけなんだから、これは御了承願いたい。
  134. 小林英三

    小林英三君 これは自由党幹事長として……私はその幹事長談は飽くまで幹事長談として問題にすべきで、先程から政府関連がないということをはつきり官房長官言つておられるのだから、それ以上何も私は追及する必要がないと思う。
  135. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 小林さんこの前いなかつたからそういうお言葉が出るのじやないかと思うのですが、私は今中村君の言つたように、参議院の問題であるし、重大問題であるし、そうして今後もこういうことを続けたくないというのが中村君の趣旨である。それでこの間予算審議については参議院では決して手違いがなかつたということを、そうして参議院では少くとも予算は慎重審議して責任を十分果したということを議運で全会一致で確認しておる。而もそのときに自由党の方も全部おられた、そういう点がはつきり確認されておるのです。それにも拘わらずこういう談が出たということは、自由党議員の方々が我々が言うよりももつと先に、もつとその責任を明らかに言うべきなんだ。それを言わずに我々から言わせることになつてしまつておる。従つて総理を呼ぶというようなことにつきましても、私らがむしろ辞退しても、小林さんからこれは総理を呼んで何するというような運営の方法に持つて行くことの方が、むしろ私は今度の問題については平らに行くのじやないか、このよう心配から総理を呼ぶという中村君の動議には賛成です。
  136. 門屋盛一

    門屋盛一君 私は自由党側の意見はこれではつきりしたというけれども、はつきりしてない。というのは、増田官房長官でも、増田官房長官の関係しているかいないかの点ははつきりしておるが、新聞政府与党連絡と書いてある、増田官房長官廣川との連絡じやない、政府与党連絡ということになつておる。でありますから、先程私が増田官房長官に対する質問に、あなたの関係する限りはそうであつても他の閣僚等がどういう連絡をしておるか分らないから、それを調べて御報告なさる義務があると思うが、これをどうするかと言いますと、それは後刻調べて御報告しますということを官房長官が言うておる事実から聞いても、この問題がはつきりしておるという解釈は自由党で撤回して貰いたい。(「はつきりしておる」と呼ぶ者あり)官房長官自身も調べて報告するというのだから、その報告がなければはつきりしない。(「はつきりしておる」と呼ぶ者あり)そうじやないか、それによつて総理なり誰なり、総理がいかんというならば全閣僚誰でも一々来て貰つて、これをこの議運が国政調査権を発動しなければならんことになる。何故ならば廣川幹事長談話の中には、この国政の妨害を、国政の審議を妨害したとしてある、だから今日まで予算審議に対して参議院のとつた態度が妨害行為であるかないかということは、国政調査権を発動して……来て貰わんでもよろしい、来て貰わんでもよろしいから、立派に国会としてここで証人として喚問して調べるかどつちがいいか。それはどちらでもいいよ。(「違つている」と呼ぶ者あり)それはこつちの解釈だから、(「俺はそうぢやない、君の解釈だ」と呼ぶ者あり)だから廣川でも誰でも呼べる。併しこういうことは好ましくないから、与党であつて官房長官である、自由党の大幹部である増田君が、ここの空気を見て取つたならば、何とか多少の頭を働かしたら、何とかそこに解決する点があろうかと私は言つておる。それなのに君らがぶつかつて来るのだ、(「委員長懇談会ですか」と呼ぶ者あり)そうじやない、発言を求めておる。僕の発言中に横槍を入れておるわけだ、立派に許可を得て言つておる。
  137. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) その通りです。
  138. 門屋盛一

    門屋盛一君 発言終つておらない、そういうわけですよ。であるから私はどうしても総理が出席されるのが本当と思うが、併し突然の要求で今午後総理の出席があるかないか分らないのに、私は無制限に議運を開くということは我々も困る。それだから、それは官房長官どういうお答えをするか、官房長官のお答えを聞きたい。政府というのは増田君一人じやない、政府は、政府の親方は吉田君なんだよ。
  139. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 門屋君に先程お答えいたしましたことを繰返します。他の閣僚においてこういう事実を関知しておるかどうか、新聞記事に現れない面においても、又現れた点から何らかの示唆を受けておる点から見ても、調査して返答せよというようなことでありましたから、その御質問に応じまして私はお答えいたしました。即ち調査いたしまして後刻御返答いたしますからして、吉田総理招致云々は、それから後にして頂きたいと思います。
  140. 中村正雄

    中村正雄君 私はそういうことは別にしまして、今までの経過を聞いても、増田さんは、私は知らないとか、内閣は十五人だとかいろいろ言つて、都合がいいときには自分は内閣の代表であると言い、都合の惡いときには私は内閣一員だというような表現をとられる。従つてこれは読売紙でありますが、それ以外の新聞は、中には吉田総理と廣川幹事長と協議の上と書いているのが一、二ある。そういう関係で、増田さんよりやはり吉田さんの方が、これは院内外に対しまして代表権を持つておることは憲法の明言しておる通りなんです。従つて私は増田さんよりも吉田さんの方が、すべての解決がし易いと思うのです。再開後の議運では吉田総理の出席を私は正規に要求しているわけです。(「異議なし」、「反対」と呼ぶ者あり)
  141. 門屋盛一

    門屋盛一君 私の前の質問の場合に、吉田総理の名前も出ておるし、我我も想像しますのに何ら他の閣僚がああいう記事に出ていない。その点と、官房長官はよく閣内のことを調査して、後刻ここで、後刻というのは今日とか明日とか、その日にちは切つてありませんが、後刻ここで報告する意思があるかないかということに対して、その意思があるといたしますれば、只今中村君の言われますような、総理がどうであつたかをも含めまして、一応官房長官を本日呼んで来て、その結果、官房長官はそれをお調べになつて報告して、その報告の結果が今言つたようなことならば、改めて総理でも誰でも呼んだ方がいいと思います。
  142. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 門屋委員から御意見が出ましたが、如何でございますか。
  143. 中村正雄

    中村正雄君 幾ら言いましても、官房長官のお話で解決付くとは思えない。午前中の官房長官答弁を見ますと、できるだけ回避しようというような態度をとられておるわけで、午後の官房長官の恐らく事情調査の報告も、我々の満足すべきものになるとは今迄の経過から見て考えられない。而も吉田総理は、今要求しましても、果して出られるか出られないか分らない。従つて官房長官の話を聞いて、それから要求したのでは、私は時期を失すると思う。従つて午後の議運に出て貰いたいということを要求するわけです。(「賛成」、「反対」と呼ぶ者あり)
  144. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 討議の内容が段々ズレて来たのですが、先程ちよつと休憩しようというのには、総理だけじやなかつたのです。官房長官に対する質問も残つておるのです。それの継続ということが前提になつておる。今の話では、段々おかしくなるように思う。総理を呼べと言つても、なかなか呼びたくないもんだから、今の調べができた上ということになる。調べができた上ということは、昼からの委員会はやるか、恐らくやらんくらいのところで、調べができるまで委員会を休憩して、従つて調べができた上の委員会においては、調べができて、それを前提として話を進めることになる。ですから昼の休憩は休憩していいが、午後から委員会を続けて、従つて官房長官に対する質疑を又続行する。それに附加して、その際に総理大臣にも来て貰うか来て貰わないかということにして頂きたい。私共はそれに附加して、総理大臣に来て貰うべきであると思つております。(「賛成と呼ぶ者あり)
  145. 城義臣

    城義臣君 私は門屋君の提案に賛成。
  146. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  147. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 速記を始めて下さい。それではこれにて休憩いたします。    零時四十一分休憩    ——————————    午後二時十五分開会
  148. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは再会いたします。  先ず常任委員変更の件についてお諮りいたします。
  149. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ちよつと申上げます。常任委員変更の件が出ております。緑風会から議院運営委員の宿谷榮一君が辞任されて島村軍次君を補欠に、それから自由党からは大蔵委員の玉屋喜章君、平沼彌太郎君の辞任、その補欠として、大蔵委員に大隅憲二君、小串清一君、同じく自由党から建設委員の大隅憲二君、人事委員の小串清一君の辞任、それから補欠といたしまて建設委員に玉屋喜章君、人事委員に平沼彌太郎君を御推薦になつております。以上でございます。
  150. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 事務総長の御報告通り承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  152. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) では官房長官から……
  153. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 午前中門屋さんが、閣僚等において、若し幹事長談について参画しておつたり、或いは事情を知つておるというような事実があるかどうかということについて調べて来いという御註文でございました。それについて即刻取調べてお答え申上げますということを答弁いたした次第でありますが、帰りまして各閣僚に聞き、又総理にも電話をいたしまして、調査と言いますか、取調をいたしました。ところが閣僚はもとより総理も知らないということでございまして、この文章等も甚だ迂濶といつてはお叱りを受けるかも知れませんが、新聞によつて初めて全文を知つたという状況でございます。
  154. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 増田官房長官は、先程お話になつた新聞記者との会見はどんなことになりましたか。
  155. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 十二時三十五分頃こちらを罷り出ましてから、新聞記者との定例会見をいたしまして、先程ここで申したようなことを明瞭に新聞記者諸君にはお話いたした次第であります。即ち連絡会におきましては、幹事長談を出すというような決定もなければ、相談もないということを極めて明瞭に私はお話をいたしました。
  156. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 連絡会ではお話があつたかどうか確認したいと思いますが、各新聞に出ておりますところの、いわゆる予算成立が遅延したということは、これは野党各派の妨害行為によつてなされたという、このことだけはあなた方閣僚間においてお話合の点なんですか。これはどういう話合をなさつたわけですか。
  157. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 油井さんにお答え申上げます。幹事長談内容のごとき会話をいたしたことは會つてございません。
  158. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それはちよつて違うのです。私の言つておりのは、リゾー民政局次長を訪問した後に、院内与党政府との連絡会議をやられて報告した、そのとき先程のお話ではただリゾーさんに報告したことだけを、リゾーさんとの会見だけを報告したようなお話ですが、併し予算成立が遅れたということは、野党各派の妨害行為で以て遅れたのだという、話合はあつたんですか、なかつたんですか。
  159. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先ずこれはリゾーさんさんとたびたびお話しますから、リゾーさんに対しても何ですから明瞭に申上げます。リゾー民政局次長をアビユーズしたくないのでございますが、リゾー民政局次長に対しては、私は政府の代表としてホイツトニー局長によろしくお伝え下さい。というのは予算成立その他について関係方面に対してお礼に行つた、これだけでございます。そういうことを帰つて報告しただけなんです。懇談も何もありやしません。それから第二に、あなたの御質問の、予算成立に際しての野党各派の妨害行為を明らかにする声明を出すという話合はまるつきりしません。
  160. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 そうすると、現内閣においては予算成立が遅れたというのは、決して野党の妨害ではなかつということを更に確認されたと了承していいんですか。
  161. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) そのことについては、私はこの際廣川幹事長談が出たあとでありますので、コンメントしたくないんです。註釈は加えたくないんでございます。
  162. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それははつきりして貰わないとこの問題が解決付かないと思うんです。政府においては今回の予算成立というものが適当であつたとお認めになつておられるのか、その点をはつきりしないとあとの廣川談の関連が付かないのです。あなた方の方では、この予算成立については、何も参議院において行なつたことは違方ではなかつた、又妨害でなかつたということを確認されてなくちやならん筈なんです。それは参議院において自由党の方方もおられますけれども、予算というものが三日に上るということは、前からも予想もされ、その通りに運行されて、二日の休みの際にも出て慎重審議したということになつているのです。それはもう参議院全般が一致した意見になつているんです。それに対して政府側が、今長官がおつしやつたように、まだ何かもやもやした空気があるということになると、我々はどうも参議院全体が信任を受けなかつたように考えられるわけなんですが、その点もう一回はつきり確認して頂きたい。
  163. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は廣川幹事長談も出たあとでありますし、油井君の御質問内容についてはお答えいたしかねるわけです。
  164. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それはどういうわけではつきりと御返答できないのです。
  165. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 政府の見るところは申上げない方がいいと思うからです。
  166. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の油井君の続きを私は言いたいのですが、先程はこの発表に関して政府が関知しなかつたということだけなんです。併し現実にこれが発表されて、そうして参議院野党が妨害行為を行なつたと、こう書いてあるのです。逆に例を取つて、例えば外の新聞、アカハタならアカハタが政府攻撃なり、それから議員攻撃なりいろいろな問題を起した場合に、当然に政府としても或いは与党政府との連絡会においても、これはどうにかしなければならん、何とかしなければならんという相談も当然あり得るわけですが、今発表になつた後においてもそういう相談をしようということもないんですか。
  167. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 別にございません。
  168. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、この発表政府の意図とそれ程反したものではないから問題にせんでもいいということですか。
  169. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) そうではありません。廣川声明をどう見るかということは言いたくないんです。
  170. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 廣川声明をどう見るかということではない。新聞記者に…そんなら徳出声明が出た場合であつても、或いはその他の声明でないものが出た場合でも、当然に政府の意図と違つた場合が出たら、これは取消させるとか何とかしなければならんという相談をされるのが当然なんです。若ししないとすれば、今の政府の政策と一致しているなり、或いは間違つたものではない、政策に一致しなくてもこれは事実だから止むを得んと、どつちかの判断をしなければ、こういうことを問題にしないということはおかしいでしよう。
  171. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) こういう声明とか、政府に支障を与える意思表示はいたしかねます。
  172. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 問題にしないというのはどういうわけですか。官房長官自身がこれは問題にする必要はないということですか。
  173. 門屋盛一

    門屋盛一君 その答弁の前にちよつと……おかしいですね、油井君の質問廣川幹事長談に対して質問をしておるのではない。廣川幹事長談がどうあろうとも、政府としては、参議院予算審議は当り前にやられたのであつて、何も妨害したのではないと考えられたのかどうかということです。(「その通り」と呼ぶ者あり)廣川幹事長談を聞いておるのではない。政府の今の考えを聞いておるのです。それがお答えできないということはないでしよう。
  174. 小林英三

    小林英三君 今油井君の質問ちよつとおかしい。廣川幹事長談参議院の行動について言及しておるのではない、野党の問題を言及しておる。これけ運営員委会で問題にする必要がないじやないか。
  175. 門屋盛一

    門屋盛一君 私は昨日ここで自由党の議院運営委員の交代について一応異議なしとして承認はしました。承認はしましたけれども、運営委員というものはたびたび交代して貰つては困るということを申しました、ここのことなんです。小林委員は前の議運で、この三日に予算を上げるということは、予算審議についてはまあ合法的に順序よく行つたので、何ら遅らしておるということはないということを確認しておる。それが参議院の問題ではなくて何ですか。この確認しておることに対して問題が起つておる。委員が代つて来るから分らんのです。
  176. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 佐々木君の質問が継続中であつたと思いますが、先ず佐々木君の……
  177. 門屋盛一

    門屋盛一君 議事進行。佐々木君の質問終つて増田官房長官答弁なさろうとする時、関連して油井君の質問はそういう趣旨ではないと官房長官に促したのです。
  178. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それは分つております。
  179. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 今油井さんが幹事長談と離れて政府所見を問うというお話でありましたが、この際政府所見を申上げたくないのであります。(「なぜ申上げられない。」と呼ぶ者あり)
  180. 中村正雄

    中村正雄君 今の油井君の質問関連しておるわけですが、さつき官房長官は、政府自由党は全然別な人格である、従つて自由党幹事長談でどういうことを発表なさろうとその内容について政府は了解しておらない、答弁の要がない、こうおつしやつたわけです。従つてそれは午前中の議運では、幹事長談発表に至つた経緯は、政府与党との連絡会決定の上、自由党幹事長談の形式で発表したということが問題になつたわけですが、段々話が進んで最後の油井君の御質問というものは、政府自由党とは別だけれども、現在の新聞で、自由党であれ誰であろうと参議院自体としましては、この前の議運でこの審議が遅れておるということは、こういう事情で遅れたのであつて、決して参議院のうちの各派が妨害しておるために遅れたものではないということを、議院運営委員会与党野党を問わず参議院の意思表示をいたしましてはつきりと確認しておるわけです。従いましてこの新聞紙の記事が、一政党の談話であろうと何でありましようとも、新聞にこういう記事が出ております以上は、参議院としては默つておられない。従つて政府にお聞きしたいのは、自由党談話とかその他とも関係がなくて、問題を新たにしてお聞きしたいのは、こういうふうに参議院予算審議には全力を尽しておるということは、参議院自体は認めておるんだけれども、政府はどういうふうにお考えになつておるかということを質問いたしております限りにおいては、政府答弁義務があると思う。午前中は政府自由党は別であると言つて置きながら、今の答弁自由党幹事長談話が発表になつた時であるから政府答弁できないということは以ての外で、参議院の在り方について政府はどうお考えになつておるかということをお聞きしておるのであるから、これに対しては答弁義務があると思う。(「答弁しなければ参議院の侮辱だ」と呼ぶ者あり)
  181. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申上げます。中村君が、問題が段々変化して来た、そこで連絡会において話がなかつたことも分つたし、その点、幹事長談が党の幹部としての談話であり、政府と関係ないことも分つた。問題が三転してこの幹事長の談に対する政府所見はこれも問題にしないということを申上げておることも分つた。然らば今度の参議院の議事の内容、その他進行状況についてどう思うか、政府として言えと、こういうお話であります。そういう御質問と解してお答え申上げます。(「違います」と呼ぶ者あり)
  182. 中村正雄

    中村正雄君 最後にこういう前提の下にという話でありますが、前提は何も申上げたわけではありません。政府との関連があつたかないかという点は未だ明らかになつておりません。従つてそういう問題は別にして、新たになつて、今日の新聞記事を見れば、参議院決定と違うような一政党の談話発表になつておる、政府はこれをどうお考えになるか、こう聞いているわけです。
  183. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は参議院の御決議がどういうふうになつておるか、今中村君が何か決定になつたというお話でありますが、私はまだ承つておりません。それについての観察は申上げません。それから参議院全体の行動についてどういうふうに観察しておるかということにつきましては、私は只今のところ幹事長談が出たばかりでもありまするし、所見を申上げることを差控えたいのであります。
  184. 中村正雄

    中村正雄君 そうなると午前中の官房長官答弁とは食違つていると思います。午前中には、一政党と政府とは別個な存在であるというお話であつたわけなんです。従つて我々は一政党の談話ということは別にしまして、参議院決定と違う一政党の話が出ておるので、問題は参議院として、今後の参議院の運営上必要があるので、今までの参議院予算審議に関する運営について政府はどういうふうにお考えになつておるか、参議院として改むべきものは改めなければいかんという考えからお聞きしておるのに対して、一政党の談話発表になつたから政府所見答弁するのは控えたいというのは、余りにも参議院の運営委員会を無視したお言葉じやないでしようか、政府は当然議員質問に対しましては答弁すべき義務があるわけですから、それに対して一自由党幹事長談話発表されておるから政府としての所見は言えない、以ての外であると思います。
  185. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 廣川幹事長談というものは、一政党でありましても与党政党から出ておることは中村君の御指摘の通りであります。まだ出たばかりで、要するに私は政党と政府とは違うという考えを持つております。政党内閣であるから、政党を基礎とした内閣である。併しながら政党即内閣ではないといつただけであります。もとよりその答弁の中に言つております。政党の幹部が談話発表されましても、私共はこれに対して註釈をする限りではない。それと離れて政府所見を問うと言われましても、只今のところまだこの内閣の基礎をなしておる政党の幹事長談が出たばかりでもありまするし、政府全体の所見をこの際まとめてどうこう申上げるということはできかねる次第であります。
  186. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは重大な問題だ。今の官房長官の筆法からすれば、本会議質問しても、一応政府自由党と相談しなければ答弁できないということもあり得るようになる。出たばかりでと言われておるが、事実は昨日出ているのですが、午前中もこれが問題になつて、そのために時間を与えていろいろ調査をなさつて来い、そして調査をして来ておる。これは内部の問題でしよう。今ここで官房長官が変なことを言うと、又帰つておこられたりすると困る。そういうことだから、それがために時間を与えてあるのだから、これは政府としてこれに答弁できない、しないということはいけない、それではまるきり議事というものは運営できない。(「意味が違う」と呼ぶ者あり)私はそう思う。(「それは君の意見だ」と呼ぶ者あり)意見じやない、委員長どうするんですか、これで答弁するのかしないのかはつきりして貰いたい。答弁できないという馬鹿なことがあるか。(「答弁の必要なし」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  187. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申上げます。それはこういうお答えです。それはつまり私が先程門屋君から調べて来いと言われた問題から離れて、今後は政府全体が参議院の御行動に対してどういう所見を持つているか言えという問題を、中村さんや油井さんが新らしい問題を提起されて来ておられる、それについては予め調べて来ている筈だと言われても御無理だと思います。
  188. 門屋盛一

    門屋盛一君 そこまではいい。それに対して答弁できないということはいけない。一応帰つて相談するとか何とか、議員答弁の要求をしておるのに対して答弁できないと言つておつ放されたら、議員の権限はどこにあるか、官房長官議員じやないか、よく考え言つて貰いたい。僕の言つておることはこの問題である、油井議員から質問されて、それに対して答弁の限りでないということは言えない、(「言えないという答弁をしておる」と呼ぶ者あり)あなた方に言つておるんじない。
  189. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は今幹事長談の出たばかりでもありまするし、もとより政党内閣としては、政党内閣即政党でない、政党即内閣でないということだけは私は申上げて置きます。併しながらその政党内閣の政党の幹事長談話を出した直後でもありますし、只今のところこういう問題を離れて、参議院の御行動に対する見解を述べろと言われても、只今のところ御答弁を申上げかねますと御答弁を申上げておる次第であります。(「それでは答弁にならん」と呼ぶ者あり)
  190. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それでは私から先程から官房長官にお伺いしたことをもう一度申上げますが、今度の問題は参議院予算審議の結果から見て、各政党がいろいろな意見を出しておるのが問題になつておるわけです。而も参議院におきましては、参議院のとつた行動は、野党与党とも決して間違つていないということを我々は確認もし、そのうちにはあなたの所属されておる自由党の方々も入つて確認しておる。それについて政府がどういうふうな見解を持つておるかということは、もう三日の日に予算は上つておるし、今日は五日です。二日間の間に政府参議院のとつた行動に対して何らの見解も持つていないということは、実にこれは不思議である。是であつたか、非であつたか、何らの見解も持つていなかつたか、この三つになりますが、政府といたしまして何らの見解も持つていないということは、国民から見て信頼のできない政府と言われてもこれはいたし方がないと思います。こういう点を明らかにされることが現内閣の当然のことじやないかと思います。それについて今即時に御発表できなければ、時間を限つても結構ですから、閣僚の皆さんと、総理大臣もお集まりになつて、十分検討されて、改めて参議院に御発表願います。(「要なし」と呼ぶ者あり)何時間ぐらいでおやりになれるか、はつきりして置かんといかんと思います。これは参議院全体の大問題です。
  191. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 政府政府として、もとより見解を、段々調べれば一定の見解ができると思います。(「見解を調べる」と呼ぶ者あり)これはあり得ると思います。但し時間がかかります。それらを時間がかかつても申上げろと言われれば、それは申上げますが、我々は管見になることを虞れておるのでありまして、やはり政党の方からいろいろ調べたものもございましようし、参議院議員さんとしてのお調べもございましようし、政府側の見解もございましよう。併しながら我々も直ぐここで申上げては、それが管見になつて、葭の管から青空を仰ぐようなことがあつては、客観的な真実を探求できない発言は困りますから、時間をかけて調べろとおつしやれば、私は後刻調べてからお答え申上げてもよろしいと思います。
  192. 中村正雄

    中村正雄君 官房長官のお話はおかしいと思いますが、我々としては、本国会で一番重要な山でありまする予算審議を終えたわけであります。従つて我々は予算審議経過においてはいろいろ難点はありましたけれども、総合的に考えて、これは参議院としては全力を尽したということを確認したわけであります。これはお互いにとつた行動をお互いに確認したわけで、誤まりがあるかどうかということは当然批判を仰がなければならん。そういう一つの批判が、今度自由党幹事長談話が一つの形式であろうと思います。従つて我々は直すべきものは直さなくてはいけないが、今度相当重要法案を控えておるわけであります。従つて我々の今後の運営のために政府はどういうふうに考てえおるか、参議院に対しましてこの審議の状態を政府はどう考えておるかということにつきまして、これから研究しなければいかんという態度は了解できませんのは、例に捉えております自由党談話が昨日発表になつておる、今朝お知りになつたということは言い逃れである。又輿論というものはどういうふうに行つておるか、又参議院予算審議につきましては、具さに政府はその情勢を知つておる筈ですから、これに対して所見が今政府は決まらないとは考えられない。従つて今直ちにということになれば、官房長官一人で、今一応内閣を代表してここに御出席になつておるので、これは無理かも知れません。従つてどのくらい時間があれば内閣全体の意見をまとめて政府所見発表できるということであれば、それまでお待ちいたしますし、官房長官できなければ、午前中要求しましたように吉田総理に来て貰つて……(「来て貰おう」「そんな官房長官じや話は分らない」「吉田総理を呼んで頂くより仕方ない」「答弁々々」と呼ぶ者あり)
  193. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) それはこうであります。即ち政府の見解を申上げてよろしいかどうか私は迷つております。というのは、政党の幹事長談話発表した直後でもあり、直ぐこれに対して註釈を付けるということは避くべきではないかと思つております。結局政府自身の、幹事長談と離れて、見解をどうしても申し述べろと……各閣僚が集まつたものが即ち政府でありますが、その各閣僚の集まつた政府が一定の見解を樹立して答弁せよと御要求でございましようか。(「そうそう」「要なし」「我々は政府に要求している」と呼ぶ者あり)
  194. 小林英三

    小林英三君 我々運営委員会は、政府の判断によつて政府意見によつて云々するのではない。我々は我々として運営して行けばよい。(「質問者の意思をどうすることもできいのだ」と呼ぶ者あり)
  195. 中村正雄

    中村正雄君 私は何も議院運営委員会の決議によつて政府答弁を要求しているわけではありません。一運営委員中村から要求する、当然私はその権利があると思う。これに対して答弁なさる義務政府はあるのです。「(質問委員会の決議が要るか」と呼ぶ者あり)
  196. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) それではこういうふうにだけ申上げます。政府の見解をこれから速かに作れということですから、一生懸命勉強して作りますが、時間のことはお請合いできません、何時間掛るかお請合いできません。それから政府の一定の見解がその際作成できたといたしましても、見解をどうしても申上げなければならんかどうかについては保留さして頂きます。(「飽くまでも要求する」と呼ぶ者あり)
  197. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 これはどうも、今後の問題はひとり国会だけでなく、国民全体の関心の的になつておるばかりでなしに、もう一つは国際的にも大きな問題になつておる。そういう点から見て、日本の苟くも一番大政党の自由党内閣の……その代表者が構成している内閣で、政府の出した予算に対する参議院の行動についてどういうお考えを持つたかと言われて、それは即答ができない、調査しなくては分らない、それでは世界各国から見て、現在あなた方が組織しておる内閣に対する信頼というものはゼロになる。(「そんなことはないよ」と呼ぶ者あり)そういう点から見ましても、この際はつきりと速かに回答せられることを私は改めて更に要求いたします。
  198. 中村正雄

    中村正雄君 今官房長官が、一応まとめて答弁する、答弁するかどうかは留保するという話でありますが、その即答ということになれば、私は一応官房長官の立場は分りますので、官房長官が恐らくこう話したいという意見はあつても、やはりあとには総理大臣もおれば、外の閣僚もおれば、いろいろあるから、直ちにとは言いませんが、明日の議運もあるわけでありますので、一応明日までに決定を願つて政府としての正式な見解を御発表願いたい。ただ最後の発表するかどうかは留保願いたいということは、これは政府の勝手でありまして、我々としてはどこまでも要求する次第でありますから、これに対する答弁義務はあると思います。(「緊急質問をやるわ」と呼ぶ者あり)
  199. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 中村君の御質問は、各議員質問を繰返されたふうに私は拜聴しております。即ち政府の一定の見解を樹立するために努力する、これは時間が掛りますけれども、努力いたしますから、それで一定の見解が樹立されたといたしまして、答弁するかどうかは保留さして頂きます。
  200. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 保留するということはどういうことなんですか。(「何のために保留するのか」「国会始まつて初めてだなこんなことは」と呼ぶ者あり)今の答弁のままなら、内閣を代表する総理大臣に是非来て貰いましよう。その方が早い。(「賛成」「要求」「こんな馬鹿な話があるか」「保留する権利がどこにある」と呼ぶ者あり)ともかく黙して語らずということなら、その上の責任者を呼んで来て聞くより仕方がない。だから、総理大臣を即刻呼んで下さい。
  201. 中村正雄

    中村正雄君 私は官房長官の立場を了解して非常に譲歩した條件を付けた筈です。ですから今日時間を限つても恐らく至難であろうと思うから、明日午前中に開かれる義運までに態度決定して正式に答弁を願う。こういうふうにしたことに対して、答弁を留保するとか何とかいうことであるならば、やはり必要であるところの首相の答弁を求めるより外に途がない。
  202. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) それでは明日までに努力して、何らかの御回答をいたします。
  203. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 明日に何らかの回答をするのでは駄目ですよ。この議運で中村君から要求されておるお話は、明日の議院運営委員会において、この予算審議において、参議院がとつた態度について、政府は如何に考えるか。この答弁を明日の午前中の委員会でやつて呉れという要求なんです。それをそのままうんというなら仕方がない。條件を付けるなら付けるで、官房長官答弁願います。(「要求に條件があるものか」「そのままだろう」と呼ぶ者あり)
  204. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 努力して御回答申上げます。(「それでいいよ」と呼ぶ者あり)
  205. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 努力して御回答するというのは、どういうことなんですか。明日の午前中の委員会で、今言われたことを答弁するということですか。
  206. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) つまり一定の見解を樹立していないのです、政府としては……そうして一定の見解を樹立すべく努力せよというから努力すると、私は御回答したわけです。
  207. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 努力する、せんに拘わらず、一定の見解がないというわけはない。相談して、話合いさえすればよいのですよ。こういうことは言われませんか。明日になつて、明日の議院運営委員会のときに、今日と同じように努力して見たけれども、到頭できませんでした、そういうことはありませんか。何故念を押すかというと、官房長官、常にいろいろな理窟を付けて逃げることばかり考えておる。だから僕は逃がさんのですよ。はつきりと今日やらんならば、明日の約束をして置かないと、そんな譲歩はできません。明日になつて、今日と同じ答弁をするのだつたら、何のためにやるのか分らない。
  208. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 佐々木君の御質問は、無理な御質問だろうと思います。政府は十五人で構成されておるということは、先程中村君も証明された通りです。これが一定の見解が、現在ある筈だということは、やはりおのがじし考えを持つているのですから……そうして努力したときに、一定の見解というものが初めて樹立され、作成されるのですから……そのときに御回答申上げる……
  209. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、明日の午前中の委員会で、政府の見解をとにかく出して貰える。こう了解していいのですね。
  210. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 お話の中の、一定の見解がまだ分つていない……いろいろの見解があるようですが、じやどんな見解があるのですか。御発表願いたい。(「それはいいよ」と呼ぶ者あり)(笑声)
  211. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それははつきり約束して呉れんことには反対ですよ。僕はそうでなければ、今総理大臣がおるから呼ぶのだから……明日同じ恰好で逃げられたら困るから逃げんということを約束して置いて下さい。
  212. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) もう一遍申上げます。政府の一定の見解を樹立すべく努力いたしまして、この結果を明日御報告申上げます。御回答申上げます、こういつておるんです。
  213. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 一定の見解を拵える努力をして一定の見解が出なかつた場合には見解が出なかつたからということは内容にはなりませんよ。その場合に一定の見解を(「結果というんだからいいじやないか」と呼ぶ者あり)結果ということはこういうことなんですよ。一定の見解を樹立しようと思つたのだけれども、やつて見たところが結果は出なかつた。一定の見解が出なかつたということを答弁されたら困るのですよ。それならばその場合にこういう意見とこういう意見とこういう意見があつて、結局政府としての一定の見解が出なかつた、それを言うて貰わんと、いつも同じ恰好で逃げられますから言葉の上ですからね、その場合困るんですよ。
  214. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 佐々木さんが各種の回答を予想されてこの回答はいけない、この回答もいけないからと今から予見されて判断されたのじや私は誠に以て迷惑を感じます。
  215. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 迷惑に感じようが、感じまいが知つたことじやない。私の言つておるのは、この問題に関して結果が出なかつたとか、出たという、そういう答弁を要求しているのじやなくて、飽くまで参議院予算審議についてとつた態度の批判を願わなければいかんのですよ。それを批判せん態度を結果として出されたのじや困るということです。要求している内容は、相談したが一定の見解が出なかつた、出たということじやないんで、飽くまで参議院予算審議に対してやつた行動の批判を、それに対する批判を政府としてやつて呉れ。それをやるなら明日まで待つということなんですよ。それをやられるのですか。
  216. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 繰返して御答弁申上げます。私が帰りまして政府十五人の閣員を以て、閣員の意見を一定の見解ということろまで漕ぎつけまして、そうしてその結果を御報告申上げます。(「確認」、「初と同じじやないか」、「いや違う、今度は拵えるというのだから」と呼ぶ者あり)   —————————————
  217. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) ちよつとお諮りいたします。証券取引法第百六十六條第二項の規定による証券取引委員会委員長及び委員任命に関する件というのがあります。この際これを議題にして官房長官から説明をお聞きすることにしたらどうかと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  218. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは官房長官説明を伺います。
  219. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 本国会に提出いたしまして通過いたしました証券取引法の一部を改正する法律案が三月二十九日法律第三十九号として公布せられました。これに基いて証券取引委員会委員長及び委員を任命するに際し、両院の同意を求むる本件を本院に提出いたした次第でございます。  従来証券取引委員会委員長及び委員は、証券取引法第百六十六條により学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が命じていたのでありますが、今回同法の一部改正によりまして、その委員長及び委員は、「両議院の同意を得て」というのがつきまして、こういう條件の下に任命することに相成りましたので、従来委員を命ぜられておりました現在委員である三名につきまして、改めて両院の同意を経た上それぞれ委員長及び委員に任命せんとするものでございます。委員長に任命せんとする徳田昂平氏は従来証券取引委員会委員に互選されて今日に及んでおる者でございます。又委員に任命せんとする島居庄藏及び藤田國之助の両氏はいずれも従来証券取引委員会委員を命ぜられて今日に及んでおる者であります。以上三名は履歴書にも明瞭でありますごとく、経験より見まして証券取引委員会委員長及び委員として最も適切なるものと存じますので、何とぞ御審議の上速かに御同意賜わらんことをお願いいたす次第であります。
  220. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 如何取計らいますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  221. 大隈信幸

    ○大隈信幸君 今初めて拜見したのですから、一切会派に持ち帰りまして、この次の議運で御相談申上げたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  222. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今大隅君から御発言がございましたが。本日はこれで留保して後日に讓ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  223. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは御異議ないものと認めます。   —————————————
  224. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それから松井道夫君から緊急質問の通告がございます。これをお諮りいたします。
  225. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 松井道夫君の緊急質問は、日本の安全、中国の飢饉及び朝鮮人の処遇に関する緊急質問、所要時間は二十分、要求大臣は総理大臣と、法務総裁、かような御質問でございます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  226. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは認めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  227. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  228. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 次に請願の受理に関する件について、今日取扱いますか。どういたしますか。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  229. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 速記を始めて。これは留保することにいたします。   —————————————
  230. 佐藤尚武

    議長(佐藤尚武君) 私から一件御報告申上げることがございます。それは小川友三君から参議院内暴力行為傷害告発状を議長に宛て提出されております。事務総長に読んで頂きます。
  231. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 診断書として用紙は東京大学医学部附属病院と印刷した用紙でございます。それから署名者は東京大学医学士医師菊地武彌というので判がございます。四月四日附で番号は二号とございます。それで    診断書     患者 小川友三      明治三七年四月二十九日生  病名 左肩部打撲症  治療 昭和二五年四月四日入院  附記 頭書の病名に依り此后約一週間の安靜を要するものと認めます というので、これに対しましてこの下についていますのは小川友三の署名のある文章でございます。これは   参議院内暴力行為、傷害告発状   参議院議員 被害者小川友三   参議院議員 加害者(社会党)椎井康雄君  一、被害日時 昭和二十五年四月三日夜予算の本会議通過十分後頃  二、被害場所 参議院二階より一階玄関までの中間  三、目撃者 参議院警務官数名及小川友三方運転手出口、小島の二人  別紙医師の診断書相添へ議長に上申致します  (理由) この時、椎井康雄議員小川友三が投票を終り議場開鎖、の議長報告により外出せんとドアーより出でたるに、小川友三まてまてと怒号し生かしておかぬと、度々怒号追撃するので、私は後をふりかえり椎井康雄議員なるを知る、同君は二階の段々を飛鳥の如く飛び来るので、私は命が大事と又飛びおり段々を二段飛びて一階に死ぬ寸前の思いで逃げる場面となつた、処が加害者椎井康雄君は小川友三をつかまえ数回殴打し正面玄関の手前エレベーター前に打倒した、小川友三は横転した、時に私の急を知り警務課員佐藤(副長か班長か)氏外に数名の警務官は玄関におつた人々で直に椎井康雄君をエレベーターのドアーの出入口にふさいだ、国会は立法府で暴力の府でない、この暴力と生かしておかないと言ふ、殺人未遂の行為に対し小川友三は事情を述べ、正式に上申致します  自由党参議院議員遠山丙市先生に直に事情報告し今日の告発致します  昭和二十五年四月四日    小川友三  参議院議長 佐藤尚武先生 とございます。
  232. 佐藤尚武

    議長(佐藤尚武君) それで本日本会議終了直後でありましたが、私は念のために問題の椎井康雄君においでを願いまして、今日告発状と称するものが私の手許に届いておるが、これに対して当時の事情はどういうふうであつたかということについてお尋ねいたしました。ところが椎井君の言うには、あの予算の投票のために本会議場に入る直前に小川友三君が社会党の控室にやつて来た。丁度他の人が居合せなくて自分だけかどうか知りませんが自分がおつた。それで自分に対して小川君が今日社会党の連中は何人おるのだ、四十何人と答えましたところが、その四十何人は確かに本会議場に入るのだろうねということを再三念を押したそうであります。それで椎井君はそれに対して、勿論そうだというように答えられた。然るにいよいよ投票となつてみるというと、反対討論に拘わらず白票を投じたというので、これは一体何事だ、自分は社会党の人達に対して何か責任を負つたような気持がしておつたので、つまり四十人もそこにおるというそれを全部議場に入れて貰いたいということを強要されて、再三念を押されて、それに拘わらず小川友三君自身が白票を投じたということは、何か知らん自分にはそこに割切れないものがある。且つ又自分が社会党の同僚諸君に対して念を押したことに対する責任を負うというような気持がした。そこで小川君にその事情を質そうと思つて行つたところが、ドアーが開くと同時に小川君は急いで外へ出た。そこで自分は「小川君小川君」と言つてそれを確かむべくあとから追駈けて行つたとこらが、段々を走るがごとく降りて行つたので、自分も勢いあとを追駈けて何度も小川君と言つて呼び続けた。然るにエレベーターの前に行つて小川君は急に止つた。ために、自分もあとから追駈けて行つてので突当つたことは事実だ。それで小川君はそこに尻餅をついた。問題はそれでけであつて、殴打をするとか何とかということは一切ないということでございました。それから事務総長の方では、又当時のこの告発状に書いてあるように警務員が見ておつた、立会つておつたということがありましたので、事務総長は又自発的に逸早くその当時の模様を警務職員に尋ねたそうでありまして、それから上申書のようなものが出ておりますが、それを御披露申上げます。
  233. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 只今議長からお話がありました通り、警務係に対しかようなことが小川君から申出があるが、警務課員の者が何かさようなことを目撃した事実があるならば報告願いたい、こういうことを申しましたに対しまして衞視二名から報告が出ておりますが、いずれも暴行されているということを見たという報告はございません。ただ念のためにありのままを見せた方がいいかも知りませんので一応朗読させて頂きます。    現認書  四月三日午後七時五十分頃突然議員昇降口広間階段より数人の騒然たる足音するので、本会議散会になつたと思つた。(註 玄関勤務衞視としての私共は本会議散会後よくある事で男主事補及補助員等階段を馳け下りるのでよく注意する事ある、で時間的にも散会になつたのかと思ふ)見るとエレベーター前ジユウタンに三四人の男が居り内一人が尻餅を附き居り互いに大声にて怒鳴り合ふ声に喧嘩と思ひ議員昇降口(玄関と呼び居る)八段の階段を私は駈け上る尻餅を附き居る男は小川友三議員にて他の一人は社会党の椎井康雄議員であつて私が八段の階段を馳け上り仲裁に行く時人相氏名不詳なれど国防色外被様な服裝の男がその階段ですれ違ひ両議員の所に行くその時椎井議員には黒色風に見ゆる服裝の男が抱附き小川議員は手にせる茶中型紙袋を振り上げ椎井議員を攻撃せん身構えなれば私は小川議員の前面に立ちふさがり、これ以上の喧嘩にならざる様防ぐ但し小川議員の身体には手を触れず又小川議員の顔面手等には負傷の様子もなく小川議員酒気匂へば酒気の上でのいさかいかと思つた勿論これは瞬間的の出来事であるその時前記一群の人々の後を追つてか、騷きに気附きたる人々か馳集るその中に警備課長初め二三人の衞視の顔も見え課長は椎井議員と靜かに平常と少しも変らぬ音調にての話声を私は背後に聞く小川議員は大声にて余り上品でない言葉のように思ふ言葉にて暴行されたと怒鳴り私の左側を玄関口八段の階段を馳け下りて院内を出る      以上      玄関勤務衞視 松本宗次もう一つのはもつと簡単でございますが、    現認証  昭和二十五年四月三日午後七時四十五分頃小川議員と椎井議員が二階よりかけ降り来り玄関上広間エレベーター寄りに小川議員のたをれ立ち上り両氏立ち向ひ殴り合ひにならんとするを見附近に居合せた二、三名?と仲裁に立ち両氏を引き放す瞬間小川議員は玄関より自家用車にて逃げ去り帰る其二間の、三分にして暴行を加へられし模様なしと認められる。   四月三日     議員昇降口勤務者 糸久誠 以上のような報告が出ております。
  234. 佐藤尚武

    議長(佐藤尚武君) 一つ先程の説明で申し落しましたことを附加えます、椎井君のお話で、小川議員が当時非常に酩酊の模様であつて、大変酒臭かつたということを附加えて話しておられました。以上でございます。
  235. 岩間正男

    委員議員(岩間正男君) 小川君の書面は、自分の自筆のものですか。
  236. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 小川友三君の書かれたこの字は、常に読みます私共非常に読みにくい文字のように実は見えるのですが、これが……一応お目にかけて見ましようか、この通りでございます。
  237. 岩間正男

    委員議員(岩間正男君) それは大分乱れておりますか。手紙はどうです。
  238. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 手紙は極めて読みにくい文字でございます。
  239. 岩間正男

    委員議員(岩間正男君) 一週間入院の跡が見られますか。
  240. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ちよつと申しますが、この間の反対討論の通告が出ておりますが、この文字も私ここにとつてございますが、実は小川議員の文字は非常に読みにくいのでございまして、これも大分読みにくいのですが……御覧の通りな……
  241. 岩間正男

    委員議員(岩間正男君) 病床下に書けるような手紙ですか、どうですか。つまり入院中の者が書けるような手紙ですか、どうですか。
  242. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) さような点には私判断材料を持ちませんので、そういう場合と比較しては言えませんが、小川さんの文字であるということは確かであるということは申上げられます。そうしてふだんいつもお書きして頂いておる届とか手紙が出ておりますが、あの文字と別に変つていると私には見えませんが……
  243. 中村正雄

    中村正雄君 只今議長報告は一応了知しまして、内容を聞いてみますと、どうかと思う点もありますので、これはこのまま不問に付することにして処理願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  244. 小林英三

    小林英三君 今の小川君の問題は大体承わりましたけれども、これは何ですか、議長は小川君からそういうものが出た問題について、例えば懲罰委員長だとか、或いはそういう関係者に対してこういうものが出たということをはつきりさせてあるのですか。それを一つ……    〔「そんな議員はないぞ」と呼ぶ者あり〕
  245. 佐藤尚武

    議長(佐藤尚武君) 私は告発状というものの性質を実はよく理解しかねるので、こういうものを議長に宛て告発するということは、これは国会に関する規則にも何にもそういうものはないようでありまするし、従つて專務当局とも取扱振りに関して相談をいたしましたが、どうもまだはつきり結論を得ておりません。それで取敢ずこの議院運営委員会に御報告申上げることだけはやらなければならんと考えましたし、又それが一番この問題の取扱の上から言つて議院運営委員会報告することが最も適当であると考えましたので、それは一応の御報告を申上げただけでございます。
  246. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 中村君にちよつとお伺いしますが、この問題は不問に付するようにという御意見が出たようですが、それはもう不問にして議院としては取上げないことに決定したいという御希望でありますか。
  247. 中村正雄

    中村正雄君 ええ、そうです。
  248. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 又今日承つて
  249. 中村正雄

    中村正雄君 そうじやありません。今議長からお話のありました衞視その他の書面についても聞きまして、取るに足らないことと思いますので、一応議長としては、出ましたことを一応議運で報告なさるわけでありますけれども、議運としては聞きましたけれども、それはそのまま不問に付して置いた方がいいじやないか、こういう動議です。
  250. 小林英三

    小林英三君 今の私の最初の質問に対する議長のお話でありまして、これらの取扱に対して確たるまだ考えのないということで、取敢ず議長が運営委員会に御報告になつたということでありますが、私共はただこれを聞き置くという程度に一つやつて置いて貰いたい。不問に対するとか、しないということはない。議長が御報告なさつたから我々は聞き置くということです。
  251. 中村正雄

    中村正雄君 議長報告なさつて、議運で何とかその方途を講じて貰いたいという意味の私は報告だろうと思います。無論その間にいろいろ問題はありましようけれども、従つて一応聞いたから、議長報告は聞きました、これはもうこのままで処理したらどうですか、こういう私の意見です。但しまだ調べる必要があるからまだ留保しよう、こういう自由党のお話であつたらそれでも結構です。
  252. 小林英三

    小林英三君 事務総長に伺いますが、今の議長の御報告は単なる御報告であつて議院運営委員会としてこの問題について如何にこれを処理すべきかということをお聞きになつたのじやないかと思いますが、如何ですが、事務総長
  253. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 私はかように考えます。例えば議長として許すべからざる行為がここにあると発見された場合は、議長議長としての独自の行動で処理される権限がおありだと思います。これはここにお諮りになる、ならんに拘わらず、そういうような権限はあろうと思います。併し議長只今やられた資料をここにお諮りになられたことは、さような判断をなさつたというように判断いたします。議長がお出しになつたというようなことは、一応さようなことがありますと申上げ、一応皆様方の御判断は自由にお付けして頂きたい、議長は敢て自分のことを判断するために、議長議長の御自身のことをここで今伺わなければ決められない程だと議長はお考えになつていないのじやないかと、かように私共は思つたのであります。議長は独自の行動をとることについての意見を求められた意味ではない、かように実は解したのであります。
  254. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 今の事務総長の御説明によりますというと、一応承つて置くということでいいかのように聞えますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  255. 岩間正男

    委員議員(岩間正男君) あれはもう、はつきり確認されるのは怪我の事実というのはないのですな。今までの調査された……そういうことはないのでしよう。
  256. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 只今の点は私の申上げたところとややちつとズレると思うのです。と申しますのは、小川君は診断書を添えて負傷しているということを言つておられるわけです。ところがこちらの方で見た者では別に暴行された事実を……小川君は別に見ておつた者があると言うけれども、見ておつた者はない、さような事実を目撃してはいません。した者を私共は探し出し、その目撃した者は、警備課員し見てなかつたというのです。そういうことを見た警備課員を深し出すことができなかつた。見ておつた者は、自分から暴行したという事実を見ていなかつた、さようなことは確かと見ておりませんということです。それから椎井康雄さんに伺つたところでは只今議長のおつしやつた通りなんですが、かようなことで、例えば別な傷があるかないか。それが傷であるかどうかということは、私共は何も証明する材料を持つていないと、かようなことであります。(「それでいい」と呼ぶ者あり)
  257. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 別に問題もありませんでしたら、今日はこれで散会いたしたいと思いますが、よろしうございまか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  258. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) では散会いたします。    午後三時二十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     竹下 豐次君    理事            大島 定吉君            大隈 信幸君            鈴木 直人君    委員            大野 幸一君            中村 正雄君            小林 英三君            城  義臣君            門屋 盛一君            油井賢太郎君            宇都宮 登君            小宮山常吉君            藤井 丙午君            兼岩 傳一君            佐々木良作君            鈴木 清一君            小川 久義君   委員議員            岩間 正男君   国務大臣    国 務 大 臣 増田甲子七君   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務事長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君