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議長(
佐藤尚武君) 昨夜の
運営委員会で私が回答を留保した問題が二つございます。第一は、昨日の本
会議における
佐々木君の二回目の
議事進行に関する
発言の問題であり、第二は
小川友三君の問題であります。
第一の問題から申上げて行きたいと思うのでありまするが、最初の
佐々木君の
議事進行に関する
発言に関しましては、昨日も御説明申上げました
通りに、あの
議場内における小
委員会の多数の意向を酌みまして私から
記名投票の結果を
発表したということにつきましては、すでに御
了承を得ておることと思うのでありまするが、その
投票の結果の
発表後に
佐々木君から
議事進行について
発言を求められたことに対しまして、私は当時
議事進行に関する
発言は、
佐々木君ばかりではなくて沢山殆んど同時に求められたのでありましたが、それを取上げる
時機でないと
考えまして、そうして前以て小
委員会で決められた
順序に
従つて議事を運んで行き、その結果本
会議が
延会となり散会したわけであります。然るに昨夜の
運営委員会におきまして、その点が問題になりまして、第一、
議長は
参議院規則の第百二十三條の
議事進行に関する
発言の
條項について、どういうふうに
解釈しておるかということが
質問の要点にな
つたのであります。その際私は
議事進行に関する
発言があ
つた場合に、これを取上げるか取上げないかということは、
議長の
裁量によるのであるというふうに御返事したのでありまするが、これに対して
大野君は、それは大変
違つている、
議事進行の
発言があ
つたならば、
議長は遅かれ早かれ取上げなければならないのである、ただその
時機についてのみ
議長の
裁量に委してあるのであるというような御
注意がございました。その点私はその後におきまして
法制当局の
意見も徴しまして、やはり
大野君の
解釈が正しいのであるということになりました。その点におきまする私の
解釈が
違つてお
つたということを
はつきりと認めなければなりません。従いまして
佐々木君の第二回目の
議事進行に関する
発言に関しましては、この
規則通りによりましても本
会議が散会される前に許可しなければならなか
つたということになります。尤もその当時の事情は今も申上げました
通りに、一時に方々から
発言があ
つたということと、それから打明けて申上げますると、
議長席からは議席が見えないのであります。僅かに
議長の
正面だけが少し見えるだけで、
議長から向
つて右側も左側も全く見えません。
普断のときはそういうようなことはありませんけれども、昨日のように
議場が
混乱して参りましたときには、何と申しますか、映画の
撮影機でありますかそのためにでありましよう、非常に強い
ライトを
議長席の
正面に向
つて両方から照されるのでありまして、丁度晩道路を歩きますときに、アメリカの車が向うから走
つて来て強い
ライトにぶつかると何にも見えないと同じような結果になります。
従つてがやがや言う声は聞えますけれども、誰が立
つておるのやら、噴がどういう挙動をしておるのやら
議長席からは一向見えません。全く目潰しをされたような工合で以て
議事を
進行して行かなければならなか
つたというような
状況でございます。これは実情でございます。そういうような
状況において私は
議事を
進行して行
つたようなわけでありまするが、併し何と申しましてもその
議場があれだけ
混乱したということは、
延会の提議に対して
異議があ
つたということになります。その
異議を取上げなか
つたということは、
議長としまして成る程軽卒であり且つ又行き過ぎであ
つたということを、
はつきりと認めなければなりません。この点は私からこの
議院運営委員会に対しましてお詑びを申上げます。私は元来、すでに御了解下さ
つておることと思いまするが、
議事の
進行ぶり、
議員の
発言に対してはできるだけ公平にや
つて行かなければならないという気持でおる者でありまして、
従つて昨日のような
議事の
進行ぶりは全く私の
本心ではないわけであります。そういうことが分
つてみますれば
本心でないということになります。今後はその点一層留意いたしまして、できるだけ
議場が
混乱に陷らない範囲内において、できるだけ公平に
議員諸君の
発言の
機会を認めて行くということにいたしたいと思いますから、その点を
了承を願います。
第二の
小川君の問題につきましては、その第一点について、何とか
議院運営委員会の方でお取決めにな
つた後で申上げた方が
区切りがついてよいかと思いますから、
差当り第一点についてのみ申上げた次第であります。