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国務大臣(
増田甲子七君) 細かな点は
専売公社なり
大蔵大臣から
答弁いたさせます。私の聞いておるところによりますと、一月七日現在においては
見当がつかなか
つた。相当
愼重検討をいたしましても
見通しというものが
見当がつかなか
つた。そういうわけでござしまいて、その後鋭意
検討は継続して参りまして、それでほぼ或る
程度できはせんかというような
見通しができかか
つたのが三月八日、九日頃でありまして、極めて明確にな
つたのは中旬下旬頃であります。そこでまだ閣内においても実は議論がありますけれども、我々は
専売公社裁定を皆様の御意思
通り尊重した方が
公労法の
精神に合致する、即ち
労働條件が或る
程度制約を受けておるので、社会的、常識的という
意味においてはこれが代替とい
つたような
意味で、
給與條件なりその他の
労働條件の改善をできるだけ図るべきものである、その
精神が
公労法に現われておると我々は見ておりまするから、法文以上のものを汲み取りまして、今回こういう処置をとりました。というのは
中村さんにあとで
專売公社からも御
説明申上げますが、一月七日の
專売益金は五億円ばかり
赤字になるであろう、御
承知の
通り千百九十億円の
一般会計繰入の
歳入超過になる、
專売益金収入は千百九十億円、ところが当時は
物件費は或る程度余るかも知れないけれども、
人件費は余らないというのが
一つの
見当。もう
一つの
見当は
專売益金の
赤字が五億出るであろうというのが当時の見積りであ
つた、ところが実際は余りうまく行きませんで、
経理状況その他の推移によ
つて漸く分
つたところでございまするが、今日では
赤字は五億でなしに、その九倍である四十五億の
赤字が出るであろう、そこで
一般会計への繰入が千百九十億というのが、千百八十五億になるというように一月七日頃は
見通しておりまいたが、三月二十二日頃の現在は千百八十五億にあらずして、千百四十五億になるであろう、歳入見積の欠陷が四十五億であろう、こういうふうに……。ところが
物件費から
説明をせずに、
人件費で賄えるようにな
つて一億三千七百万円の黒字が出る。こういうふうでありまして、でございまするから
見通しというものはなかなかまだ会計年度末にならなければつくものではないことですから、これに対しても、
是非共
中村委員御了承願いたい、こう思う次第であります。
そこでこういうことを私企業ならば、益金が
赤字になり、経営が黒字にな
つたら、少くとも経営費の方から
赤字を埋めて行くべきものである。併しながら
予算といては
予算全体という立場で本当は見るべきものである、閣内においても非常に議論は沸騰しました。
予算とは
予算全体をいうのだから、
專売益金のこういうような
経理状況の下においては、
予算上不可能であるとするのがむしろ国民のためであるというような議論さえ出ました。併しながら
予算形式は多少違いますから、私企業の
予算なり、経営費であるならば恐らく経営費が余
つても、一方の益金が
赤字で株主に配当ができないのみならず、借金もできるということになれば、これは到底経営費が余
つたからとい
つて給與状況の改善に充てられぬわけであるというような議論も起きました。そういう工合でありまして
見通しはなかなか二ケ月以前には卜し難か
つた。極めて正確な
見通しをつけることが本当でありますが、我々が一生縣命や
つたけれども
見通しができなか
つたという点の不明はもとより詫びますが、経理の
関係はそういうふうでありましたから、そういう点だけは御了承願いたい、こう思う次第であります。