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1950-03-23 第7回国会 参議院 議院運営委員会 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十三日(木曜日)    午前十時四十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○議案付託に関する件 ○今国会提出予定法律案に関する件 ○公共企業体労働関係法第十六條第二  項の規定に基き、国会の議決を求め  るの件に関する件 ○警察法第五條第二項の規定による国  家公安委員任命につき同意を求める  件 ○地方自治庁設置法第四條第三項の規  定による地方自治委員任命につき同  意を求める件 ○国家公務員法第二十八條の規定によ  る勧告に関する件   —————————————
  2. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは只今から議院運営委員会を開会いたします。  先ず議案付託に関する件についてお諮りいたします。
  3. 河野義克

    参事河野義克君) 昨日留保になりました旧軍港転換法案について、委員長の御意向等伺つてという本委員会お話もございましたので、関係委員長の御意見伺つたのでありますが、大蔵委員長は、大蔵委員会としては税法等を控えておつて相当審議すべき案件は多いのであるけれども、付託を受けたならば成るべく急いで審議する用意はあるというお話でございました。それから地方行政委員長はこの案件については当然連合審査をしなければならんと思うけれども、議案付託を受ける委員会としては自分の方の委員会が適当とは必ずしも思わないという御意見でありました。それから建設委員長は、この議案自分の方へ来るものと思つてつたけれども、議院運営委員会の御意向で然るべく決めて貰えば結構だと、こういう御意見であつたのであります。以上御報告申上げます。
  4. 門屋盛一

    門屋盛一君 どちらでもいいのですが、これは非常に関係市及び県民の熱望によりまして、我々議員提案でやつたのでありますが、成るだけ早く審議をして頂いて、本国会で成立さして頂きたいと思います。今の議事部長の御報告にありましたように、合同審査の必要のあるときは合同審議でやつて頂くことにして、そうしていろいろこれは議論が昨日あつたと思うのですけれども、まあ法律案のできますまでは、或いは地方行政主体としてやるとかいうこともあるでしようが、この法律主体になつておりますところのものが、やはり国有財産処分を相当重く考えまして、それに対する大蔵大臣諮問機関として国会が承認する委員を入れた審議会等も、大蔵大臣の下に置くというようなことにもなつておりますので、大蔵委員会の方は非常にお忙しいようですけれども、何か政府関係で、一時審議が進まないようなことがあれば、その関にやろうというような御意見のようですから、いろいろ御議論もありましようが、一つ大蔵委員会付託になつて、そうしてあと関係委員会との合同審議をやるようにして頂きまして、今日御付託決定して頂きたいと思うのでございます。
  5. 左藤義詮

    左藤義詮君 門屋君の御意見に賛成いたします。
  6. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは大蔵委員会付託して、関係のある……。
  7. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 私共がこういうことを申上げては恐縮なんですが、建設でも大蔵でも、かかるところはどつちでもよいというような衆議院意向もあるのですが、ただ大蔵委員会の方は余りにも法案が山積し過ぎてはいないか、遠慮すべきではないかというような考え方もあるので、今朝黒田理事に問うてみると、今月中はできんのではないかというような意見がありました。それで櫻内委員長が帰られたので、櫻内委員長がどうお考えになるか分りませんが、今まで委員長の代理をしておられた黒田さんの、余り山積しておるというような御意見もあつたので、若しそういうようなことがあれば、実は建設の方が暇で困つておるというては何ですけれども、非常に暇で法案がなくて、ただ請願くらいなものばかりやつておるので、中川委員長から、私の方にかかるべきだと思つているというくらいに暇なんです。これは、これでなくちやならんというのではないのですが、そういうような法案が山積しておるところに廻つて、長くなりますと、四つの市の市民が首を長くして待つておるので、甚だ勝手なんですけれども、大蔵でも早速やつて頂ければ結構なんですが、そんなこんを申上げて恐縮かどうか知りませんが、その辺の事情一つ建設では請願など取り上げて何をしておるというような事情もございますので、一応御考慮願いたいと思います。二人の間で意見が違うのではありませんが、早くやりたいという意見であります。
  8. 門屋盛一

    門屋盛一君 大体これは大蔵主体で進んでよいのですが、これはどうしても建設にかけても、地方にかけても、合同審査は必要になると思うのです。合同審査の場合に、大蔵委員の方が今日はいけないということになれば、合同審査もやはり遅くなるので、一番遅くなりそうなところにかけたら却つて早いのではないかと思うのです。
  9. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 どこでもよいのですが、今まで委員長をやつてつた黒田氏の考えでは、今月中は駄目だろうというような意見を聞いておるのです。そうすれば、その四つ市民がその首を長くして待つておるのでから……。
  10. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は大蔵委員ですが、実は大蔵委員会には相当成程税法や何かが山積しておるのですが、これはやはり地方税というものの法案政府が出さないために延び延びになつておるという点もあるのです。そういう点から見ましても、この法案一体根本原則はどこへかけるかという、この議運のやり方ですが、やはり先程門屋委員からお話しのように、大蔵大臣が主管する問題であり、而も国有財産というものの処理は、今全部大蔵委員会にかかつておりますから、却つて審議都合大蔵委員会の方がよいのではないかと思うので、門屋委員お話のように、大蔵委員の方が、運営都合によつては別に遅くならなくても済むのではないかと思います。
  11. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 それなら私は、大蔵委員である油井君の意見で、大蔵委員会がやるという御意見でありますから、賛成いたします。
  12. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは、大蔵委員会にかけてやるということに皆さん御賛成のようでありますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) そういうことに決定いたします。   —————————————
  14. 河野義克

    参事河野義克君) 議案付託、もう一件お諮り願いたいのでありますが、別府国際観光温泉文化都市建設法案というものが衆議院において発議されまして、本院に予備審査のため送付せられました。それをどの委員会にかけるかについて御審議願いたいのでありますが、この法案はやはり国有財産処分等も含んでおり、大蔵委員会関係があり、又もとより地方都市のことであり、地方行政委員会にも関係があり、都市建設というような面から建設委員会にも関係があるというようなことでありますが、只今決定のありました旧軍港転換法案に比べれば、大蔵省にタッチしておる割合は比較的軽いという面と、その割合が丁度前の広島平和記念都市建設法案長崎国際文化都市建設法案と趣を同じくしておる関係もあり、それらの法案建設委員会にかかつたというような事情もありますが、そういう点をお考えの上で御決定を願いたいと思います。
  15. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは、ちよつと議事部長にお尋ねするのだが、審査省略要求が出ておらんですか。
  16. 河野義克

    参事河野義克君) 本件につきましては、予備審査のため送付されましたので、衆議院自体まだ通つておりませんので、通つて来るときに、委員会審査省略を付けるかも知れませんが、現在のところ予備審査のため送付されたのであります。
  17. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 今の法案は何というのですか。
  18. 河野義克

  19. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 一言にして言うとどんな内容ですか。
  20. 河野義克

    参事河野義克君) 目的としますところは、国際文化の向上を図り、世界恒久平和の理想を達成すると共に、観光温泉資源の開発によつて経済復興に寄與するために、別府市を国際観光都市として建設することを目的とするものでありまして、まあ主眼といたしましては、国有財産法規定に拘わらず、その事業執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産を讓與することができるというようなことがあるわけでありますが、何と申しますか、旧軍港転換法案に比べますれば、実体的な法律というよりも、或る目的を闡明した象徴的な法律のような気がいたすわけでございます。その点が、丁度広島平和記念都市建設法案と趣が大分似ておるように思われるのであります。
  21. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 建設委員会に……。
  22. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 建設委員会付託することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) ではそういうことに決定いたします。   —————————————
  24. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 法案提出予定に関しまして、一応の御計画を一度承つたのでありますけれども、その後提案が相当に遅れておりますようであります。改めて又政府の御計画を承わりたいと思つて官房長官の御出席を願つたのであります。
  25. 門屋盛一

    門屋盛一君 官房長官の方から発言を求められたのでありますか、委員長の方から要求したのですか。
  26. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 失礼いたしました。実は官房長官の方からこれを求められておいでになつたわけであります。
  27. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先ず以て御挨拶申上げます。  それはかねがねこの議運において、非常に御高配を煩わしておりました專売公社裁定が全部その後の経理の状況の推移に鑑みまして、受諾し得るということになりました。日ならずしてこれを履行いたすことに閣議決定を見ました。これを愼んで御報告申上げます。尤もその実現につきましては、当議運におきまして、今日只今の段階におきましては裁定を履行すべく検討中でございます、ということを不肖私最初に発言申上げる次第であります。皆様の御意思が受諾という結果を招来したということに相成る次第でありまして、この点御了承願いたいと、こう思う次第でございます。  それからその次、法案提出見込その他概況について御報告申上げ、併せて御了承御得たいと思います。先ず第一に国会提出済みの件数が百十八件ございます。それから両院を通過して成立したものが三十五件ございます。それから最近提出見込のものが二十一件でございます。それから今後提出見込というのが段々殖えて参りまして五十件あるのであります。もう一度申上げますと、国会提出済みが百十八件、両院を通過して法律になつたものが三十五件、最近提出見込のものが二十一件、今後提出見込まれるものが約五十件、これは最近提出のものも実は入れてあるわけでありますから、その点御了承願います。先ず第一に、最近提出見込のうち、本日提出いたしますものは地方税法案でございます。それから今週若しくはこれに接着して提出いたしますものは、ここで読み上げますと、災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案、これは二十五年度限りのものでございます。二十五年度は全額国庫負担ということになりましたからこういう法律になるわけであります。それからその次は北海道開発法案、これは昨日あたり提出したんではないかと思いますが……本日は提出されると思います。それから地方財政平衡交付金法案、これは今週中に提出します。地方税法案を本日提出申上げることは今御説明した通りであります。恩給法一部改正地方財政委員会設置法案、それから第七番目は政府に対する不正手段による支拂請求防止等に関する法律を廃止する法律案、それから国税徴收法の一部改正、それから義務教育標準教育費に関する法律案標準教育費法案と言われるものであります。それから自作農創設特別措置法の一部改正住宅金融公庫法案賠償庁臨時設置法の一部改正兒童福祉法の一部改正水産協同組合法の一部改正火薬類取締法案、その次は予防接種法、疱瘡の予防接種といつたような予防接種法等による国庫負担特例に関する法律案農業協同組合法一部改正、それから松くい虫等その他の森林病害虫駆除予防法案、その次は造船法案運輸省設置法一部改正、それから古物商質屋営業法案、これが極く最近提出し得る二十一件でございます。今後提出の五十件のうちの二十一件であります。あと今後提出すべき主なるものといたしましては、定員法とか、電気事業分割編成法案等であります。  それで実はこの前に今国会参議院選挙を控えておりますから、若し三月三十一日までに会議が終るというような国会の方の御要望等もありますれば、ということに備える意味で、二月中に提出することを原則として政府は進んで参りました。然るところこの原則例外が段々多くなりまして非常に恐縮に存じておる次第でありますが、尚議会の会期等皆さんがもとより自主的に御決定遊ばすことでありますが、御要望等もありますれば、更に政府はもとより各方面を一生懸命督励いたしておりまするが、いよいよ督励その他促進には懸命の努力を傾倒するつもりでございますから、悪しからず御了承をお願いいたします。
  28. 門屋盛一

    門屋盛一君 先日の本会議で再質問の時間がないのでいたしませんでしたが、私は例外というものは本当に文字通り例外であつて例外の方が本物より多いというのは官房長官常識上どういうふうにお考えになるか、私の本会議質問に対してそういうことを言うたが、例外は止むを得ないと突つぱねられたのですが、一体政府を代表して来られて発言されて、これがその通りに行かなかつたならば、こちらから問題にならなかつた先に、この法案提出の遅れるということをしばしば、国会審議関係するのであるから連絡を取るのが当り前である。自分ですべきことをしないで、本会議質問されたならば、その場合に例外があるということは十分御承知だということでありますが、これはどういうつもりで言われたか、これは大体例外の方が多過ぎるですよ。あなたの気持では国会審議権というものをどういうふうに考えておるのか、それと併せて例外というのはどういうふうになるか、根本の問題と合わせてお尋ねする。
  29. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 門屋君にお答えいたします。  本会議例外があるということを御承知だということを申上げた記憶はございませんが、若し申上げたとすれば特にこの際訂正いたして置きます。そして大体百五十件ありまして、そのうち百二十件ばかりは提出されておりまするが、まあ残余のものは未提出だということをこの際恐縮しておるということを御了承願いたい。
  30. 門屋盛一

    門屋盛一君 私が本会議で聞いたのは、それはまあ関係方面との折衝とか、いろいろな関係があるから、出すつもりでいたが、若干遅れるということは仕方がないと思います。併し石炭よりも、更に国民の生活に非常な影響を與えるところの電気事業の再編成に関する法律案が、あと審議期間一ケ月そこそこになつて国会に持込もうとなさる政府のお考えは、一体国会審議権というものをどういうふうにお考えになつておるか、国会審議期間を何とお考えになつておるか、それをはつきり伺いたい。又、これは恐らく三月末になつて電気事業法とか、定員法というものが出ると思いますが、電気事業編成という問題一つにしても、恐らく国会良心的審議はできないと思うのであります。それはもうここで突張るわけじやありませんけれども、政府自体資料がないから、何ともわけの分らない松永案の神がかりのようなものを持つて来て、尤もその資料を出すと言つて松永自体資料なしでやつた。これは国会でそれ以上の資料がない。今度政府の決めた案は資料なしで決めた案でありますから、これは国会としては相当愼重な審議期間を要する、それくらいのことをお考えなくて、石炭国管のあの揉めに揉めたものが六月八日に提案されて、十一月二十六日に成立しておる、六ケ月もかかつておる。電気事業編成の方は石炭より重要なんでありますが、それを一ケ月ぐらいの国会審議し得ると思つて出しておるのか、審議権というものをどういうふうに考えておるか。又この問お答えにならなかつたのでありますが、国会調査権をどういうふうに考えておられるか。今問題になつておる電気料金や、電気割当については、法律国会の関與するところではない、国会の承諾がなくても電気割当が決め得るという、その決め得るという蔭に隠れて、国会で、我々の調査の前に何月何日までに資料を出せと言つても、資料を出さん先に審議せよということになると、調査権をどう考えるか。それを聞いたのですが、私は再質問ができなかつた。こういうような法案提出がまだ二十何件、又五十件もここへ持つて来るということは、これは例外として、單に簡單に扱われるべきものではないと思うのであります。
  31. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先ず第一に、あとの方からお答えいたします。  調査権というのは、これはもとより新国会においては持つておられるのでありまして、調査権国政全般立法司法行政という、あらゆるものについて持つております。これに関して政府より、及び政府に申入れがございましたときは、でき得る限り資料、その他を両院提出する、こう考えております。  それから、特に電力については、電力関係特別委員会があるのでございますからして、この委員会調査の結果、或いは御意見というものがありますれば、我々は十二分にこれを尊重すべきである。こういう意味のことを実は御答弁申上げたのであります。つまり国会審議というものは、行政執行の上に立つことは言うまでもありませんが、行政執行する上に、最も国会審議を重要視すべきものであると、こう考えておりますし、電力料金につきましても、委員会の御意見等は十分に拜承して、これを常に遵奉して料金その他の設定なんかについてもやるつもりでありますが、これに関しまして、必ずしも連続的に委員会の方に御連絡ができなかつたということについては、その点は門屋委員も各般の事情を御考慮下すつて了承下さることをお願い申上げる次第であります。  それから、その前の問題に移りますが、電力事業編成は、政府も従来非常に頭を悩ましておりました。今回漸く政府の方では再検討した結果、いわゆる稲垣試案の線に沿つて分割案が、多少形は変りましたが、関係方面の了解を得られて、我垣試案を作成するまでは稲垣さんが通産大臣として非常な御勉強であり、又その部下である事務当局勉強の結果、いろいろな意見があつたけれども、この試案が一番よろしいというわけで試案提出されたわけであります。それを今度そのまま閣議決定をいたしまして、関係方面に提示いたしまして、多少の折衝はございましたが、原則関係方面においても了解されまして、これを只今のところ法文化いたしております。それがどうしても今月末までかかるのではないかと思いますが、これを法文化いたしまして、更に形式的のオーケーを取らなければなりませんから、我々の考え方としては今月末までには提案できると考えております。然るところ、石炭国管よりもこれは大きな法案であることはお説の通りでありまして、十分なる審議期間は必要でございます。これは出してから直ぐに通すということの無理なことは政府承知いたしておりますから、十分に愼重審議あそばされて、最もいい結論を国会においても生み出して頂くことを切望いたして置く次第であります。
  32. 門屋盛一

    門屋盛一君 まあその御答弁では不十分ですけれども、大体それでいいとして置きます。  もう二点だけ聞きますが、現在の給與法は三月三十一日で切れます。今人事委員会にかかつておる一部改正案、それでこれなんかは分り切つておるのに、法律案の出し方が遅い、給與法は三月三十一日で切れるということは分つておるのに、ちよつとも本審査にかかつていない、予備審査にかかつておる。それなんかも二月に出さなければならないのに、今日まで予備審査になつておるのはどういうわけか。三月三十一日から政府公務員給與拂わんつもりでおるのか。これは仕方がなかつた議員提出でやらなければならんと思つて、この間人事委員長を呼んだのでありますが、人事委員長の来ない間に出たらしいですが、これなんかも分り切つた法律であるし、それからもう一つ、大きな問題になりますが、劈頭に御挨拶がありました専売裁定に対して、征府は呑むことに決まつたと言いますが、我々議運として伺つて置きたいことは、今衆議院で本審査にかかつておる、労働委員会にかかつておる政府案撤回なさるか。
  33. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先ず第一の御質問にお答え申上げます。  人事委員会予備審査として、本日の公報にもございますように、これはこの月の確か初めに政府提案いたしました。それでしばしば人事委員会においても予備審査をなすつていられますので、私は本院の人事委員会ではすでに五、六回御説明申上げている次第でございます。それからもう一つ專売公社裁定の問題は、皆さん承知通り衆議院只今かかつております、継続中でございます。そこで我々は撤回を求めるか否かについて只今研究中でございます。只今までのところ決まつたことは、裁定を受諾する旨を閣議決定いたしましたこと、受諾した以上は速かに履行する。一億二千八百万円の全額を履行するということも決めた次第でありまして、これは不日、而も極めて早い期間において完全に履行いたします。そうして支拂を完了いたしたいと思つております。そこで議案といたしましては十六條第二項によつて付議しておりますから、議案撤回を求めた方がいいのじやないかという意見もございまして、そういうふうに政府もいたそうかと考えましたが、御存じと思いますが、衆議院においては一度野党側から撤回要求がありまして、これを本会議にかけて、撤回を必要とせずという決議をされたのであります。そこで一月七日の情勢から見て不可能ということと、昨日の三月二十二日の可能な状態とは時間的な間隔があるのでありまして、客観情勢が変化したのでございますから、この議案扱い方国会において自主的に御決定遊ばした方がよろしい、こういうふうに考えまして、国会の自主的な御決定に俟つということにいたしております。
  34. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうすると、むずかしいことになりはしませんか。衆議院で一度撤回が……一事不再理の関係撤回要求ができないということは、研究して見なければ分らんと思いますが、併しもう実質の問題として支拂い得る、裁定に従い得るという状態になつたならば、国会審議の必要はなくなるわけです。十六條の規定によつて予算上、資金上の措置がとれないから国会に持込まれた。それがとれるようになつたのだから、一事不再理か何か知らんが、たとえ一時間でも国会にそういうものを置かれるという政府考えは、一体どこにあるのですか。私の方は予備審査ですからいいが、うちの方の委員会に回つて来たらえらい厄介な扱いになると思う。
  35. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) そういう議事運営関係はよく存じませんけれども、法律論だけで論じますと門屋さんの言うことは一理あると思います。併し議案としては生命を失つている。十六條第一項に該当するから第二項によつて手続を取つたのでありまして、十六條第一項に該当しなくなつたということは、すでに議案としての生命を失つてしまつた。だからして撤回手続を取らなくても議案自身が消滅してしまつたのではないかという解釈も実はある次第であります。
  36. 門屋盛一

    門屋盛一君 私は新聞で見て、新聞の間違いだろうと思うが、政府衆議院においてこの予算上、資金支拂い可能という意味の承認を求めることによつて一致したことになるから、それでいいようなことを言つているが、そうなるとますます弄ぶことになる。そういうことを聞いたから今質問したのですが、政府情勢変つた、これは私個人としては想像しておつたことですが、とにかく変つた。これに対して理屈を言えば、池田大蔵大臣参議院会議でも絶対に拂えないということを何回も言つてつたが、もうそんな喧嘩は必要ない。とにかく拂えるようになつたのだから、政府は何かの公文書を以て衆議院議長に何月何日提案そのものに対しては、何月何日の閣議決定支拂うことに決定したという通知が行けば、その法案そのもの法律国会審議権はないと思う。この点は私の考えだけではいけないので、もう少し法律を基本とした考え方で行つて貰わなければ困る。これは政府は結論が同じようになればいいから、多数を持つているから衆議院の方でこれを承認するということにしたらいいという御解釈は閣内にもあると思うのですが、それくらいに法律を無視した話はない。法律上もその予算上、資金上の措置がとれるようになるならば、その後も国会にあることは不思議なのです。堂々と撤回なさつて、これに異議を言うような人には異議を言わして置けばいい。多数を以て撤回を承認すればいい。撤回の承認を求めるとしては、私は国会に対してこういうわけで議決を求める必要がなくなつたという通知を出せばそれで片付くように思うのです。この際この点を先ず手続上はつきりして貰わんと、こちらも予備審査要求をされておるのですから。公労法に対する議案提出方法としては当委員会は結論を出しておりませんから、これは二、三日うちに、專売公社の問題は片付いたのだから公労法の扱いも片付いたということはない。裁定問題の扱い委員会としてはこの委員会の結論を出して貰うことになると思います。政府としては支拂ができるようになつたものを、一時間も国会に留めるということは間違いじやないか。殊に昨日閣議決定されたものを今日国会に手続を取らぬということはそれは国会軽視ですよ。国会を弄ぶものですよ。
  37. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 法律論としては門屋君の御意見に全然賛成です。若し十六條第二項によつて承認があるとすれば、第一項によつて不可能であつたから承認によつて効力を発生するというのは変なことになるので、つまり十六條第一項に該当しないで、不可能でない、可能であつたのですから、不可能を前提としての承認だと思いますから、可能になつた場合には承認はあり得ない。ここで問題は撤回要求するか、自然消滅を国会で宣言されるかという問題になりまして、今日はともかくもこういうことを考えております。衆議院労働委員会政府が積極的に出席しまして、発言を求めまして、昨日ま閣議決定によつて議案の内容である公社の裁定は全部これを受諾し履行する運びとなりました、こういう発言をいたしたいと思つております。後の扱い国会で自主的に決定遊ばす。今門屋さんの言われた議長に対する公式通知も一つの方法ですが、公式発言も門屋さんのおつしやつたような公式通知に代るものではないかと考えております。
  38. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは衆議院の方ですから私深くは言いませんが、私が衆議院にあつたならば委員会での発言は許しません。積極的説明と言つたところで、そのもの国会の承認を得る必要のないものは、委員会でなくして議長に当然通知を出さなければならん問題です。それを委員会の発言で以てやつて行こうというところに、増田式のごまかしがあるんですよ、それはいかんですよ。そんなことをやつたのでは。衆議院がやるのだけれども……。
  39. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 今の官房長官の説明に対しましては別に御質問ございませんか。
  40. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 電気事業の再編成法案の問題ですが、これは国民も重大な関心を持つて心配しておるわけですが、先程お話のような審議期間も非常に短くなると思うし、これで審議が十分盡せなかつたような場合に、前の食管法のような例によつて、何か食糧措置令などでこれを強行するとか、そういつたようなことが一体あり得るかどうか。こういうことについて国民も非常に心配しておるようでありますから、一応官房長官伺つて置きたいと思います。
  41. 門屋盛一

    門屋盛一君 石原君が今そういうことを聞かれることがおかしいと思う。それは政府でもそのことは知る方法はない。ポツダム勅命でやるかどうか、向うで決めなければ分らない。我々国会としては審議期間がなかつたにしてもどんどん愼重な審議をやつて審議未了になつて、それでポツダム勅令を出そうが出すまいが、これは国会の責任ではない。それであなたの質問に対して官房長官がどうお答えになるか。そういうことで時間をとる必要はないと思う。僕はそう思う。
  42. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 答弁がなければいいです。そういう心配をしておるものが一部にはあるようですから……。(「そういう心配は絶対ない」と呼ぶ者あり)絶対なしにして貰いたいと思います。
  43. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 何しろ重要法案でございますから、愼重御審議下さいまして速かに可決あらんことを期待いたしておりますが、時間の関係上、審議が完了いたさんという場合に、何か外の臨時措置が取られるかどうか。恐らくこういうような重大法案は民意をあまねく尊重しなければできかねる次第でありますから、関係方面のことは今門屋君が言われた通りに、ポツダム勅令ということはどうかと思いますが、恐らくそういうことはないのじやないかと思います。というのは国家管理についても御承知のごとく三年もやつたのですから、今度これをどうするか。コントロールするのには、やはり相当な愼重審議は是非とも願わなければならんと思う。
  44. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは次の議題に移りたいと思います。  国家公安委員の任命につき同意を求めるの件につきましてお諮りいたします。
  45. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 国家公安委員が、時間的に清瀬君が右任期満了いたしましたので、このたび青木均一君を任命いたしたいと思いまして、本院の同意を求めて置く次第であります。警察法の第五條第二項によつて両院の同意を求める次第であります。警察法第五條によりますと、国家公安委員は「警察職員又は官公庁における職業的公務員の前歴のない者の中から」任命しなければならんことになつております。但し「昭和二十年九月二日以後において公選され又は公選若しくは国会、その両院若しくはその一院又は地方議会の選挙若しくは議決によつて選任された者を除く。」であります。青木均一君は履歴書に明記してあります通り、商科大学卒業後、ずつと一貫して民間会社におりまして、その間いろいろの委員に就任いたしておりますが、いずれも本職の会社役員の傍ら就任したのでございまして、職業的公務員に該当いたさないのであります。その他第五條の第四項の規定は欠格條項でありますが、そのいずれの項にも勿論該当いたしておりません。同氏はその経歴、手腕、識見よりいたしまして、国家公安委員として最も適当の人物と存じますので、何とぞ愼重御審議の上、御同意を賜わらんことをお願いいたす次第でございます。
  46. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは衆議院の同意をいつ求められましたか。
  47. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 同日でございます。両院とも一緒でございます。
  48. 門屋盛一

    門屋盛一君 衆議院はもう同意になりましたか。
  49. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) まだです。
  50. 左藤義詮

    左藤義詮君 去る六日に満了になつたのを、十八日に同意を求め、それを今日までかけなかつたのはどういう事情ですか。
  51. 河野義克

    参事河野義克君) 政府から同意を求められておりましたので、官房長官に御出席を願つて御説明を願いたいと思いまして今日まで御説明を待つた次第であります。
  52. 左藤義詮

    左藤義詮君 今日初めてこのリストを拜見いたしましたが、各派で愼重考慮の上同意をいたしたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  53. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは後日御同意を申上げることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  55. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それから次に、地方自治委員任命につき同意要求の件につきお諮りいたします。
  56. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) それでは地方自治委員の任命に関して本院に同意を求める件について御説明申上げます。  地方自治庁設置法第四條によりまして、地方自治委員に金刺不二太郎君及び小澤二郎君、この二名を任命することにつき両院の御同意をお願いするために本件を提出いたした次第であります。地方自治庁設置法第四條の第二項の第四号、即ち「全国の市長の連合組織がその代表者として推薦した者」に該当する者として神戸正雄君が従来就任しておりましたが、同君は先般行政調査委員会委員となりましたので、代表者の資格を失い、その後任として金刺不二太郎君を、同君は現在は川崎市長をやつておりますが、全国の市長の連合組織から代表者として推薦されて参りました。又同設置法第四條第二項第七号「全国の市議会の議長の連合組織がその代表者として推薦した者」に該当する者として、従来は高松市の市会議長の藤本慶一君が就任しておりましたが、今回同君が委員を辞職されまして、その後任として代表者に同じく市議会の議長の連合組織から推薦されて参りましたのが、横浜市議会議長小澤二郎君であります。故に政府は推薦されました右二名を地方自治委員に任命せんとするに当り、両院の御同意をお願いした次第であります。何とぞ御審議の上御同意を賜わらんことをお願いいたします。
  57. 左藤義詮

    左藤義詮君 今初めてリストを拜見しましたので、同様に持ち帰りまして、次の機会に審議いたしたいと思います。
  58. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今左藤君の御発言の通りで御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  60. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 人事院の勧告の取扱に関する件につきましては、人事委員会委員長の御説明を承わりたいと思いまして、おいでを願つたわけであります。何か御意見はありませんか。
  61. 門屋盛一

    門屋盛一君 この前人事委員長に御出席を願つたのでありますが、一応委員会都合でお帰り願つたのです。その後大分時間が、日にちが経つておるのでありますけれども、大体まあ私達考えますのに、この給與ベースのことに対しまして人事委員会、当院の人事委員会でなくいわゆる人事院が政府国会に勧告案を送付しておる。これに対して政府の方は白書のようなものを出しまして、人事院勧告は呑むことはできない。言い換えますと、今給與ベースを変更する意思はないということを、勧告を受けた政府ははつきり言つております。これに対して国会の方は勧告を受けて今日まで何らの結論が出ないのですが、そこでこの人事院の勧告というものは初めてなされたことでありますので、まあ今後しばしば今の法律が現存する限りは、勧告をされると思うのでありますが、こういう勧告に対して国会はどういうふうに取扱えばいいかということを検討しておく必要があるんじやないかということが一つ、それから現実の問題としましては公務員が相当生活に困つておるということは、これは政府の白書の如何に拘わらず困つておることは事実であります。大衆の見るところであります。それに対して政府の方では人事院勧告はもう呑まないという態度ははつきりしたんですが、言つたことのいい悪いは別問題として、政府としてはその態度をはつきりしておる。そうすると国会は、政府の知らない公務員は困つておる。これに対して国会は何らかの方法をとらなければならんじやないか、こういうように今実際問題として考えるのであります。それから法律的に考えましても、政府予算編成する責任があるので、予算編成はできないということを政府言つておりますけれども、これは今の現行法から行けば予算編成しなくても政府は何ら差支ないと、現在の給與法から見ればやはり人事院の勧告なるものが全部妥当であるか、或いは一部妥当であるか知らないけれども、そう一応の勧告を受けましたならば、私の考えでは国会はこの勧告に基いて愼重なる審議をして、そうして国会としての答えを出して、若しその答えが今の現行ベースでやつて人事院の勧告案は呑まないでいいのであるという答えが出れば別問題ですが、当院の人事委員会主体として、愼重審議の結果、給與べースを変更せんならんという意味の結論が出ましたならば、立法府でありますから、直ちにこれは立法化して給與法改正で以て政府の方に押しつける。そうしないと立法府は政府予算を組むのを待つて予算審議をする、政府からの給與法改正案の出るのを待つて審議するというのでは、私は立法府としての責任が欠けるんじやないか、こういつた点から元に戻りまして、この勧告案の取扱というものは初めてであるだけに、参議院としては予算のことは一応衆議院にお讓りしておいてもいい建前の議院ですけれども、こと立法に関する限りは衆議院でやらなくても参議院がやつてもいいと考えておりますので、初めての勧告案に対する取扱に非常な先例になることでありますから、当該委員長であるところの中井人事委員長は本委員が申上げましたこと、これ以上のお考えがあると思いますが、勧告案の取扱等に対してどういうお考えを持つておられるか、又当該委員会として、これまでこの勧告に対してどの程度の努力がなされておるかということの御説明を承わりたいと思います。
  62. 中井光次

    委員外議員(中井光次君) 只今門屋さんからお話がございました勧告案の取扱方につきましては、誠に初めてのことであります。参議院としてとるべき態度乃至運営委員会で御決定願うべき問題だと思いますが、従来は、今までは勧告につきましては、院全体として来ておるという建前と、我々の委員会としては、人事委員会に御付託になるべきものではないかと思つてつたのでありますけれども、そのことがない状態で今日まで来ました。併しながら勧告の内容そのもの人事委員会で取扱うべき内容を持つておりまするので、その間の調節といたしまして、国家公務員給與問題に関する一般調査をするということの御承認を受けて今日まで来たのであります。そうしてその内容の問題につきましては、お話がありましたように、政府は人事院の勧告を容れないという態度で出ております。併し片一方には嚴として国会に対する勧告があるのでありますから、国会国会として独自の立場でこれに対する可否を決し、何らかの措置をする必要があるのではないかと思つております。段々と迫つて参りまするので、我々の方におきましては、政府というとおかしいが、政府のうちの、勧告をした側としない側と両方の意見を聞いて、目下調査続行中であります。併しその結論にはまだ到達いたしておりません。併し段々迫つて参りまするので、院全体に対する勧告であると放つておきますと、結論が出ないで時を過ごす傾向に現在なりつつあると思われるので、且つは又人事委員会の責任としても当初考えましたように、これは人事委員会に一応御付託を願つて調査結論を出さして頂くことがいいのではないかという委員会の希望はございます。でありまするから、そういうように御決定を願えれば至極我々望むところであります。併しながら又同時に一面最近政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案というものが政府から予備審査として参議院に送付されました。これはどういう内容を持つているかというと、即ち六千三百七円ベースの給與法律が本年三月三十一日で期限が満了するので、これをもう一年間延ばそうという法律案であります。これにつきましては、法律案でありまするが故に、私共の委員会予備審査として最近に御付託になりました。これにつきましては、もとより内容そのものは、勧告と、その勧告を拒否する主張のものと、同じような問題が内部に包蔵されておりますので、委員会といたしましては、この法案を頼りとして、根幹として、基準として、同時に勧告をこなして行くということができる状態にはなつておるのであります。期限の延長だけの内容を持つておりますが、同時にその内部には現行の給與の表が附いておるわけであります。それをそのままやつて行くということになる、又政府はこれを提出するについて、人事院がその権限を持つておるにも拘わらず、人事院をしてこれを提出せしめず、官房審議室、官房長官の手許において調節をして、これを提出をしておるというような事柄もありますので、その時のみならず、これの内容的な考慮を拂いますと同時に、勧告の問題に触れざるを得ないという状態にありますので、若し運営委委会において勧告を御付託にならないと仮にいたしましても、今申し上げたような法律案と兼ねて研究して行くことによつて、或る結論は出し得るかとは思つておりますけれども、併しながら今後もあることでありますし、ただ一般的に院全体が勧告を受けて、そのままにおるという状態は如何かと思われますので、私は人事委員会に勧告も御付託になるような方法を講じて頂く方が適当ではないかと考え、又そういう希望を持つております。
  63. 門屋盛一

    門屋盛一君 事務当局ちよつとお尋ねいたしますが、この勧告というのは、国会に対してはどういう形式で来たのですか。
  64. 河野義克

    参事河野義克君) 国家公務委法の今回の勧告は、二十八條に基いて勧告されております。  それを読んで見ますと  昭和二十四年十二月四日      人事院総裁 淺井  清   参議院議長佐藤尚武殿  国家公務員法第二十八條及び政府職員の新給與実施に関する法律第二條第三号及び第五号の規定に基き、国家公務員給與額及び勤務地手当に関し、別紙の通り報告し、あわせてその改訂に関し報告する。  それであと内容がずつと出ております。
  65. 門屋盛一

    門屋盛一君 そこでそれをどういうわけで人事委員会に議長は付託しなかつたか。
  66. 河野義克

    参事河野義克君) 御承知のように常任委員会国会法の四十二條によりまして「各議院の常任委員会は、左の通りとし、その部門に属する議案請願、陳情書等を審査する。」となつておりますし、それから参議院規則の二十九條には「議長は、議案及び予備審査のため送付された議案を適当の常任委員会付託し」云々となつておりますが、従来国会に対する勧告というものは、人事委員会から出たものは今度で二回目であります。それから両院法規委員会からはしばしば勧告が出ております。その他報吉とかいろいろなものが出ておりますが、こういつたものは現在の国会法及び参議院規則の建前から参りますれば、議案ではないと一応考えて、従つて議長といたしましては、直ちに委員会付託するという処置はとらずに、国会に対する勧吉、換言すれば各国会議員皆様に対する勧告ということで、印刷配付して皆様方の御覽に供しておるわれであります。それから付託する趣旨は、勿論この重要性に鑑みて、当該委員会に十分議を練つて頂くわけでありますが、私共の考え方といたしましては、これにつきましては人事委員会で、現在国家公務員給與問題に関する調査ということをなさつておられますが、これは勧告が十二月四日になされ、この調査の承認の要求が十二月十五日になされ、議長としては十二月十六日にこの調査を承認されております。人事委員会としては、この国家事務員の給與問題に関する調査をなさつているその中核が、人事院から来た勧告を中核としておられると思いますので、その調査が進行して一定の結論が出れば、それから法案を発議するなり、然るべき方法がなされ、院全体として勧告が実地に動かされて行くというふうに考えますので、法規的に言つて議案でないということ、付託をしなくても実質上委員会として扱い得るということ、そういう観点から、又先例等もそうなつておりますから、付託ということはいたしておらないのであります。
  67. 門屋盛一

    門屋盛一君 議案としての取り上げ方は、若し事務当局の方でこういうことが決まつておるなら、事務的にすつとやつていいのですが、若しそこに問題のあることを、何故今まで議長は運営委員会にお諮りなかつたか。  もう一つ不思議なことは、両院法規委員会からの勧告も、やはり同様にそのままだということは、尚更以ての外ではないかと思う。勧告があれば、その勧告は、この議運で以て、どこの委委会に付託して調査させるかどうかということを決めないと、両院法規委員会の方から出る勧告は、主としてこの議運審議しなければならないことが沢山ある、それがこういう勧告があつたという報告もなし、何もない。折角両院法規委員会審議したことは何にもならんことになる。それから又同様に、行政府の一部であるところの人事院が勧告したことも、今の議事部長の解釈から行くならば、飽くまで議運で行くべきものである。私は結論の形は議事部長と同じだけれども、併し院全体になされた勧告であるが故に、議長宛に一つ来た。こういう場合は、過去のことを責めるわけではないけれども、やはり正式に議運に議長から諮つてつて、それから議運決定して、正式にやはり人事委員会で取上げて貰う。それで人事委員会の結論を得て、これは無論立法府ですから、議院提出法律にしていいと思うのです。そうしないと、今の国会法にしても何にしても、未だ日本の国会に行き方というものが、政府から送り付けられたものを審議する機関のようなことが先入主になつてできておる法律なので、ただこれを民主的に是正して行き得るものは、この議院運営委員会以外にない。議院運営委員会にお諮りになれば、ここの決定によつて、これに関係ないとは言えないが、この法規の利用をうまくやつてつて行ける。私は今までお諮りにならなかつたことは少し怠慢だと思うのですけれども、もうこれは議事部長を責めるわけでない。事務総長もいなかつたのだから、留守中手が廻らなかつたと思うが、今後そういうことのあつた場合は、一応どういう取扱をするとかいうことを議題に諮つてつたらいい。で本件は、私は議長宛に人事院総裁から公文書が来ておるか、おらんものか問題であつたのですが、来ておるとすれば、正式に人事委員会で取上げて貰うことに、私は何ら躊躇することはもうない問題だと思います。
  68. 河野義克

    参事河野義克君) 今の点について申上げますが、人事院からは第四回国会において、昭和二十三年十二月十日、政府職員の給與改訂に関する勧告というのが来ております。それで今回のこれは、国家公務員法の二十三條に基いて出された勧告でございます。それで当時この勧告を如何にすべきかということが議院運営委員会審議されまして、結局議案でないので、委員会には付託しないでよかろうということに、議院運営委員会でなつたわけです。そういう恰好でございますが、今度の勧告は、御承知のように非常に重要な問題でありますし、これをもう少し何と申しますか、実際的に考えて、議案でないとしても、何らか人事委員会として取上げ易いような恰好にすることが実際的であろうかということについては、十分考えられたのでございまして、そういう点については、或いは議院運営委員会等にもよくお諮りを申上げた方がよかつたかも知れないと存じております。
  69. 門屋盛一

    門屋盛一君 二十三年末の人事院勧告の折には、たまたま今一部改正人事委員会廻つておるところの、政府職員の新給與実施に関する法律案というのが提案されておつたのです。その審議と併行しておつたので、この人事院勧告案なるものは、本当に審議の参考として殆んど全面的参考のものとして……、それとは今度は趣が違うのであります。議運としてはおのずから取扱い方が違つて来る。私はとにかく過去の取扱上のことは別問題としても、今回の人事院の勧告が、その文書の送付その他が一つの立法命令として参議院になされておる以上、やはり参議院としてはこれに対する立法措置を如何にするかという措置をとり、全体の審議として当該委員会、これはどこでやつてもいいというかも知れませんけれども、当該委員会があるのですから当該委員会で熱心に、この人事委員会の勧告を御審査願うことがいい方法じやないかと思います。
  70. 中井光次

    委員外議員(中井光次君) 今門屋さんから段々お話がございましたが、私の委員会といたしましては先程申上げましたようにどこかへ付託しないとだらだらと流れる虞れがありますので、やはりその所管の、人事関係のことは人事委員会で大体受けてやるという体制になつてつたのであります。明確にして下すつた方がいいと思つております。即ち正確に御付託を願つた方がやり易い。尤も先程お話がありましたように、委員会みずからも一般調査で以てそれは自発的にやつております。併しながら何となく物事が締め括りがつかない感じであります。できれば門屋委員のおつしやるようなお取扱が願わしく存じます。
  71. 近藤英明

    ○事務総長(近藤英明君) 今の人事院の勧告、又法規委員会の勧告、こういうものの取扱についての法的の措置が定まつていないという点にもありましたのです。併し私の方は法規委員会関係についても正式の書類を刷つてお配りすることが、考え方によつては確かに実質的な面から欠けているということは反省すべき点だろうと思います。法的にはそれぞれ役人としての義務は果しているという、こういう気持でありますが、事実を申しますとお説の通りでありますが、それを付託という形式をとることが法的に申して適当かどうかということはありますが、実質的に御審査を願うような御処置をおとり願うという方へ推進すべきではないか、かように考えます。これは人事委員会において御検討願うというように御決定つたらと思うのであります。一応参考までに……。
  72. 島村軍次

    ○島村軍次君 只今事務総長の二十九條に準じて勧告を人事委員会が取扱うということを、議運決定する動議を提出いたします。
  73. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 島村君の御動議に御異議ございませんか。
  74. 左藤義詮

    左藤義詮君 実質上はすでに調査ということをやつておられますが、それ以上今度は付託するということになりますと、どういうことになりますか。
  75. 島村軍次

    ○島村軍次君 調査調査です。調査には勿論勧告も含まれるのでありましようが、勧告の調査というのは只今事務当局お話によると、十二月から継続しておりまするから、これに限つたことではない。それだからそれに並行するというか、裏付けというか、勧告というものをはつきり加えてやつて頂くというのが筋のように見ております。
  76. 左藤義詮

    左藤義詮君 そうすると人事院の勧告がなされまして、審議の後にこの調査要求があれば人事委員会付託してやつて頂くということでありますか、実質上は勧告と関連がありますことなんでありますが、それを改めてここで而も数ケ月の後に運営委員会として人事委員会に申入れるということは、何か調査を早く終つて貰いたいとこういう意味でありますか、そこのところが非常に不備であります。そうでなければ話合いならいいのでありますが、将来先例になることでありますし、どういうふうにしたらいいか。
  77. 中井光次

    委員外議員(中井光次君) 先程申上げようと思つておりましたが、差控えておりました。議事部長からの報告の中、調査申請の時期について、勧告を受けた時と人事委員会調査申請をした時と、時期の関連をお述べになつて、恰かもそれを以て足りるがごとく人事委員会がしておるように聞き取れたのであります。当時の実情といたしましては、実は私は今運営委員会で決めたのじやないというので意外に思つたのであります。人事委員会付託を希望したのであります。併しながら運営委員会の方で法的に解釈して困難であるという回答を得たために、我々はそうしたのであります。只今運営委員会決定したのじやないということを承わりまして意外に感じたのであります。私はそういうような、これは運営委員会で決めたか、事務当局でせられたか、私の方では直接ではありませんが、係りの者にやらしめたときに、付託するということは困難であるということでありまするから、然らば放つて置けないから一般調査でやろう、こういうことでやつた実情を申上げて置きます。
  78. 左藤義詮

    左藤義詮君 前の運営委員会、これは速記録を調べなくちやいかんと思うのでありますが、困難であるということでありますれば、事実を調べて見まして困難である、すらすら行かんというふうに、そこのところに食違いがあると思いますから、調査の上慎重にこの問題をお考え願いたい。
  79. 門屋盛一

    門屋盛一君 調査の必要はないと思うのであります。先程事務当局に聞きましたら、この問題は運営委員会に諮られたことはない、諮つておらんということを議事部長言つておるのであります。運営委員会にこういう重大なものを諮らずして規則だけによつてつて行くことが……、この付託ができるとか、できないとか問題がありましたが、突き詰めて議案でない以上は正式の付託はできない。院全体になされたものは特に委員会で愼重に検討して決める……付託という文句は当らんか知らんが、これだけの調査要求するということは何ら行き過ぎではない。そういうふうにこの法律というものが、今まで日本の国会では政府提案者であつて国会提案するということは新憲法になるまで余りなかつた。その時代の慣例を引継いだ法律ですから、これにはあらゆるところにこういう弊害がある。それを調節をとつて行くのが議運ですから、議運に最初諮られたら無論今動議を出されたようなことになつてつたと思うのですが、今日まで諮られないから……これは諮つてつた議運はどういうお考えになるか知らないけれども、政府では給與ベース改訂に要する予算は組まないのだ、組まない予算衆議院を通つて参議院ではこういうものは放つて置くということは国政の調査審議に当つては、立法府として取るべき処置ではない。ここに改めて上下を着せて議運から当該委員会の方に御審査願いたいということを、私は決定することは一歩前進しており、立法府としての一歩の前進であると思うのであります。それを長く考える必要はないと思うのであります。動議に賛成。
  80. 左藤義詮

    左藤義詮君 只今国会が自主権を持つて事をするのだという仰せについては、門屋委員と全く同感でありますが、この問題を付議しなくても……何らかの形で人事委員会に改めてするということは、法規委員会の権限、その他いろいろ関連して来ますので……。
  81. 門屋盛一

    門屋盛一君 関連しないよ。
  82. 左藤義詮

    左藤義詮君 門屋委員はそれを焦眉の急のようにおつしやられましたが、とにかく昨年以来ここまで来ておるのですから、そう半日も……勿論急は急でありまするが、今議運からもう少し各党派にお持ち帰りになつて、検討いたしまして次の機会にどうでしようか。
  83. 門屋盛一

    門屋盛一君 それは人事委員会にそういうふうなことを依頼して置いて、立法化するときに各派の態度というものは決まるべきものであつて調査は一日も速かに政式調査にかかつてつた方がいい。各党の態度を決めるとか、何とかいう問題じやないと思う。
  84. 左藤義詮

    左藤義詮君 調査はすでにやつていらつしやるのでありますから、人事委員会がそれをもう少し……、とにかく今日まで二ケ月間そのままで置いて、今日直ちにここで……、他のいろいろ先例等もありますことで、事務総長もアメリカに行つて非常に進歩的な頭を持つておられるのですから……、それを直ぐに今日ここで決めるということは……、もう暫く検討の余地があると思います。動議は保留して頂きたいと思います。
  85. 門屋盛一

    門屋盛一君 動議保留ならよかろう。
  86. 島村軍次

    ○島村軍次君 左藤さんが言われることは今日初めてと言われたのですが、この前数回私の会派では一応研究した問題ですからその理由だけでは私は承服できん。けれどもまあそれは後程でも差支ない……。
  87. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 動議保留ということにして……。  こちらから御相談申上げることは終りましたが、何か外にございましたら……。それじや今日はもうこれで散会いたしますか……。それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     竹下 豐次君    理事            左藤 義詮君            大隈 信幸君            島村 軍次君    委員            山下 義信君            石原幹市郎君            佐々木鹿藏君            門屋 盛一君           深川榮左エ門君            油井賢太郎君            岡本 愛祐君            兼岩 傳一君            佐々木良作君            鈴木 清一君   委員外議員    人事委員長   中井 光次君            梅津 錦一君   —————————————    議長      佐藤 尚武君    副議長     松嶋 喜作君   —————————————   国務大臣    国 務 大 臣 増田甲子七君   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務次長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君    参     事    (第三部長)  中野 哲夫君