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1950-03-20 第7回国会 参議院 議院運営委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十日(月曜日)    午後一時二十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件在外同胞引揚問題に関する特別委員  会における傍聽中衆議院議員の言  動に関する報告書の件 ○法務委員会における傍聽中衆議院  議員発言に関する報告書の件 ○議長共産党議員の面接の際におけ  る問題に関する議長報告委員辞任及び補欠選任の件 ○簡易生命保險及び郵便年金積立金運  用再開に関する緊急質問の件 ○議院運営に関する件   —————————————
  2. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今から議院運営委員会を開会いたします。  先ず、常任委員及び特別委員辞任及び補欠指名に関する件につきましてお諮りいたします……今の委員の変更の件は、暫く都合で後廻しにいたしまして、外の問題に移りたいと思います。   —————————————
  3. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 在外同胞引揚問題に関する特別委員会における問題につきまして、議長から……。
  4. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この前の運営委員会で、私から衆議院議長に対する申入の問題についてお諮りをして、そのときには在外同胞引揚問題に関する特別委員会委員長報告を待つて運営委員会協議をし、且つ議を練つて、その上で衆議院に対してどういう手段をとるかということを決めよう、こういうお話合いでありまして、私もそれを了承したわけであります。それが土曜日の夕刻に至つて岡元委員長から報告書が出て参りました。簡單でありまするから読みましよう。
  5. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 朗読いたします。     報告書   三月十六日徳田要請調査のため、日本共産党書記長徳田球一氏を証人として出頭を求め、調査審議に入るや冒頭より傍聽席にあつた衆議院議員の一部は、発言中の委員に対し罵詈雑言を以て嘲笑し、議場秩序を乱し、議事進行妨害し、委員会運営を困難ならしめたること屡屡あり、退場命令を発するも敢て之に従わず、遂に衞視をして二名を退場せしむるの止むなきに至りたり。剩え木村榮衆議院議員衞視龜谷龜藏を毆打するの事件を惹起なるなど、誠に遺憾の点多く、衆議院議員参議院委員会運営に対し妨害を加えられたることに対しては、参議院を無視したる暴挙であつて将来の運営上の重大問題たることは明らかである。故に此の際斯る事件が再び惹起されざるよう議長において緊急適切なる措置を講ぜられんことを要請する。   右報告する。    昭和二十五年三月十八日     在外同胞引揚問題に関する特別委員長            岡元 義人     参議院議長佐藤尚武殿  以上であります。
  6. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 今朗読したような報告書が出て参りました。つきましては、皆さん方この取扱いについてどうされたがいいとお思いになりますか、御協議を願います。もう一件ありますが、これもついでに出しますか。
  7. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) これは、先日大野委員からここで御発言になりましたのですが、法務委員長から報告されております。   検察及び裁判の運営等に関する調査のため本日午前中、参議院第二号委員室において法務委員会開議中、小林英三委員発言につき、大野幸一委員より発言を求めた際、同室内傍聽人席中にあつた参議院議員木村公平氏が突然「大野默れ」と声高に叫び出した事実あり、伊藤委員長より靜粛にと制せられて默したるも、右のごとき言動他院議員参議院委員会傍聽中なすがごときは、委員会の正当なる議事運営妨害するのみならず、委員発言を抑制し、又は自由なる発言妨害するものと認められ、且つ参議院権威保持の上からしても、好ましからざる言動と思考せらるるにつき、議長より衆議院議長に対し、今後かかる行動のなきよう、適当なる処置をとられたい。右委員会の決定に基ずき申出でする。   昭和二十五年三月十八日       参議院法務委員長 伊藤  修    参議院議長佐藤尚武殿
  8. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) こうやつて二つ事件が起きて来たわけであります。先ず、第一の事件を片付けることにお願いしたいと思います。そうすると、第二の事件はそれに準じて取扱うことになるであろうと思われるからであります。第一の問題、即ち在外同胞引揚問題に関する特別委員会でのでき事につきましては、私の考えでは、今朗読されました委員長報告衆議院議長に転送するということでいいかと思います。それには、去る十七日に近藤事務総長から、あちらの大池事務総長に対して、すでに書類が廻つていると思いますが、その書類も引用しまして、この問題に関して、この書類にあつたような遺憾なでき事が起きまして、その問題について今十八日付で以て、岡元委員長から報告書が出ましたから、それを御送付いたしますと、こういうことでよかろうかと思いまするので、併し委員諸君、どういうふうにお考えになるか、御協議を願いたいと思います。
  9. 山下義信

    山下義信君 一応一つこれはまあ形式的な面から、本質的には問題を持つておりません。一応こういう事犯が起きましたときの議事規則上、これは他院の議員であつても、一応本院においては普通の傍聽者という建前から、委員会秩序保持の上においての議事規則上の取扱いですか……それから一院議員が他院において、いわゆるその院における懲罰事犯に該当するような行為があつたときにおいての取扱い方等が、本院においては議事規則の上でどういうふうな点があるかということを、事務当局から一応聞きたいと思います。(「つまり逆の場合だね」と呼ぶ者あり)
  10. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 規則の面から申しますと、衆議院議員であられましても、傍聽人ということだろうと存じます。それで傍聽人がそういう行為をした場合に委員長としては退場を命ずる、或いは委員会から出て貰つて委員会秩序を保持するということが第一段措置だろうと思います。そこまでは規則従つておやりになつてよい。それから先の問題は今の規則でどういう手続をとれというところまでは定まつていない、こういうことだろうと思いますが。
  11. 山下義信

    山下義信君 いわゆる第二段のことでありますが、つまり一院議員が他院に行つて懲罰事犯のような行為をした場合において、その院が処罰ができるか。例えば参議院議員衆議院行つて衆議院院内でいろいろ懲罰事犯行為をしたときに、戻つて来て参議院自体懲罰ができるかどうか。つまり院内においての懲罰事犯という院内という解釈が、参議院まで拡大して解釈できるかどうかという点はどうですか、どうなつておりますか。
  12. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) その問題につきましては、当院の懲罰委員会等におきましても、かねて御研究中の問題と心得ます。そうして院内秩序保持のために議員のとられた行動、それはその院の中で行われた行動がその対象になることは、これは明白な事実であります。それが同じ建物である他の院の中で行われた場合は、この対象になるや否や。或いはこの建物の外で行われた行為、全然この建物関係のない構外において行われた行為が、これ又議院秩序権に影響する問題であれば、処罰対象になるや否やという問題は、懲罰委員会でも長期に亘つて研究中の問題でありまして、かようであるとかという正確な結論は決定的にはなつていない。かように思つております。而もその先例としてはつきりした先例が確立していませんために、これは慣習法によつて確立されるべき問題でないかと、こういうふうに考えます。
  13. 山下義信

    山下義信君 土曜日に私甚だ相済まぬことで出席してなかつたのでありますが、同僚議員からは運営委員会状況は承知したのでありますが、議長がすでに申入れられました衆議院議長に対する申入要点は、何を要求なさつたのでありますか。もう一度ちよつと簡單要点だけ聽取したい。
  14. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつと関連して……守衞報告は何を基礎にして議長はそれを発言しておられるか。先程これの報告書の外に調査云々言つておられますが……。
  15. 山下義信

    山下義信君 それを聞いておる……。
  16. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 関連した質問だと言われるので……。
  17. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私も土曜日に出ておらないのです。一緒にどういう報告基礎にして議長があれしたか……。
  18. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それだけですか。関連したことはないのですか。それじや関連したことでなかつたら、山下君の質問に対して先に御答弁願いまして、又あとで兼岩君に対しては改めて御答弁を願います。
  19. 山下義信

    山下義信君 私の質疑をもう一度申上げますが、当院から衆議院への通牒と言いますか、というようなことが行われましたことは、ただこういう事件があつたということを衆議院議長事務当局が御通知されただけで、まだ議長からの何らの具体的の申入はしてなくて、これからということになるわけですね。
  20. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 正にその通りであります。私は土曜日に私限りにおいて、衆議院議長に対して問題の重要性に鑑みて、直ぐさま衆議院議長の注意を喚起するということが必要であると考えまして、併し問題が如何にも両院の関係に亘る重要な問題でありまするから、議院運営委員会にかけて諸君の御了承を得てから諮りたいと思つて、土曜日の議院運営委員会にそれを諮つたのであります。然るにこの運営委員会では、簡單な言葉で言えば愼重論であつて、即ち特別委員会報告が出て来てから処置をしよう。こういうことになりましたので、私としましては何らの処置をとつておりません。本日のこの議院運営委員会の御協議の結果によつて、取運びたいと考えておる次第であります。
  21. 山下義信

    山下義信君 事務当局から衆議院に通知せられました内容は、只今特別委員長から報告がありましたと全く同じでございますか。
  22. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) その点は多少違います。それは事務当局から衆議院事務総長に伝えましたのは、これは先日の委員会で申上げましたが、報告書警務部長から出まして、その警務部長を通じて出た報告書衆議院事務総長に伝達した、こういうわけであります。内容を申しますと、暴行を受けた龜谷龜藏君並びにこれを現場で目撃した衞士数人からの現認書、これを添えて警務部長から私に報告書が参つております。その報告書を添えまして、右のような報告が出たからお伝えするというので、それだけ送つております。その龜谷龜藏君の報告は、委員会秩序が紊れたとか何とかいう点については触れておりません。これは本人が木村議員から暴行を受けたという事実の報告でございまして、その点だけが衆議院に伝達されてあります。委員会秩序とか云々という点については、かような報告でございますから、触れておらない、かように考えております。
  23. 山下義信

    山下義信君 本件は二つとも、先ず事実の確認ということが前提としていると思われますが、つまりこれは事実委員長報告に相違ないと思うのでありますが、尚、先程私の質疑いたしましたことに関連して、当院の議事規則の上におきまして、或いま院内秩序取締等規則の上から、傍聽人の院の衞士暴行を受けたというような場合の処置の方法、これは一体どういうふうになつておりますか。直ちに現行犯として何らかの処置ができますか。或いはやはり普通の刑事事犯のように告訴するというような措置をいたしますのか。最悪の場合の処置とり方、これは傍聽人であろうと、如何なる身分の者であろうと、院の議員にあらざる限りは傍聽人でありますから、その傍聽人が当院の職員暴行を加えた場合の処置とり方、これを規則上どういうふうにすることができるのでございましようか。
  24. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 傍聽人院内において暴行を働いたというような場合には、衞視といたしましては、これを、司法警察権はございませんから、司法警察官として、通常の場合他に犯罪があるときの逮捕尋問ということはできないのですが、傍聽人なり何なりで入つている者は、現行犯の場合は衞視として現行犯限つて逮捕することができます。当日暴行を受けた際になぜ逮捕しなかつたかという問題でありますが、これは一応とにかく国会議員である。それで敢て逮捕の必要がない。逮捕することができるという建前からして、衆議院議員であるから先ずおとなしく出て貰うという措置を当時衞視はとつて逮捕措置はとつておりません。これが他から来た一般の傍聽人であるならば、どこに逃げてしまうか、何をするか分らないというようなことから、逮捕して司法警察官に引渡すというのが、通常ならば第一段措置であるかと思います。更に被害を受けた被害者としては、更に行われる問題としては、告訴等の問題は別個の問題だと、かように考えます。
  25. 山下義信

    山下義信君 時間的の関係逮捕できませんでも、例えば公務執行妨害等によりまして、いつでも司法的手続をとることができますね。
  26. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) その手続はとれます。
  27. 山下義信

    山下義信君 私の質疑はこの程度で止めまして、意見あとで……。
  28. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 参議院事務総長から衆議院事務総長の方に出したもの、その基礎になつておるものですね。それは皆さんに見て貰つておるのですか。
  29. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ここの運営委員会で朗読いたしまして、ここに置きまして、皆さんに、御覧になりたい方に御覧願うようにいたしました。
  30. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それについて一つ聞きたいのですが、私はあの委員会にいたのですが、ただその報告に基いて全部作つた、こういうことですか。
  31. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 第一段を申し上げます。私は当時委員会には出席いたしておりません。
  32. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 議長にお尋ねしますが、議長は今提案しておられる、又土曜日には我々に議事を諮られることなしに、あなたの見解で、ここに議事速記録に載つておるのですが、非常な発言をしておられるのですが、意識的に議事妨害をしたとか、又暴行を加えたとか、いろいろなことが出ておるのですが、議長はあの委員会のときに参加しておられたのですか。
  33. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 私もあの委員会は出席していなかつたのです。但しそういうことを敢て私が言つたということは、その委員会委員長その他一、二の委員から、若しくはそのときに同席しておつた議員職員等から状況報告を得て、それによつてこの議院運営委員会報告したわけであります。
  34. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私はあの引揚委員会引揚問題が国際的な非常に重要な問題でありますし、若しかするとという……いろいろな問題が問題だけに、何か多少の混乱が起きるかも知れんということを考えておりましたし、それからだ違つた意味で何らかの心配な点もありましたので、事前から、前日から警務部長とも連繋をとり、その当日は前から途中から後まで、終始僕は委員会にいてよくすべてを通察しておつたのですが、ずつと今議長から出されたものだけについて言つてもですね、これを見ましても、私は明らかに見ていたところ、木村君にしろ、もう一人の代議士にしろ、衞視人達徳田書記長を防護しようという非常な好意的と言いますか、そういう職務的な態度でいられたために、後ろにいた代議士が、見えないので、ちよつと見えるように動いて呉れと言つたところ、守衞が、何を言うか、見えなければあなたが退場したらいいじやないかというふうなことから来たのであつて、決してこれにあるように委員長退場しろ、あれを退場させろと申して起きたのでなく、見えるか見えぬか。お前は邪魔じやないか、いや邪魔になるなら、あなた出なさいということで外に送り出してという一点。それからもう一つ、外に出てなぜ問題が起きたかというと、外に出せばいいものを、どんどん又守衞木村君の共産党控室までずつと送り出して来た。木村君は何で俺を議場から出してから、廊下まで俺の自由を妨害する必要はないじやないか、單なる傍聽者でなく公務国会議員として問題の重要性のために来ておるのを、不十分な理由で摘まみ出して廊下をずつと押出して、こんな控室の方まで送り込んで来る必要はないじやないかということで、そこに非常に感情の問題が起きたというのが、私が掴んだ、自分が大半、自分の目で見ていた事実なのです。大分そういう点が違うようですが、そういう点は一方的に聞いて言われないで、我々の外に又他の、当日は非常に問題が重要だから、沢山の外の各会派の方もおられたから、現にその近所には衆議院公正倶楽部浦口鉄男議員もいて、丁度その問題の起きた傍らにいて、その問題を見ておられたし、そういういろいろの事実がある。公正に冷静に問題を考えなければいかんのに、そういうふうな守衞側からの証人、それから全然見ていない事務総長議長というふうな人が問題をあれしている。委員長と言われますけれども、あのときは委員長も大分問題が問題だけに興奮しておる。冷靜的な観察という意味において、他会派の方が問題を冷靜に見ておるのだと思うのですが、なぜそういう点は調査しないで問題を出されたか。
  35. 門屋盛一

    門屋盛一君 議長からお答えするまでもなく、大体一昨日の委員会にあなたが出ておらぬことが一番間違いの元だ。議長職権でおやりになるということは一応尤もだと思います。(兼岩傳一君「僕は議長から聞いております。」と述ぶ。)発言中……。尤もだとは思つたけれども、併し私はその委員会理事なんだ。在外理事なんだ。そこで今議長からも言われたように、事件の起きた当日、在外委員長から口頭を以て議長報告はしてある。始末書を以て衞視の方から出ておる。これは事務総長が出されたことは当り前です。極めて機宜の処置である。ただ議長職権を以て向うにお話しするということは、もうちよつと愼重に決められたらどうかというのは、議運として参議院運営に重大なる支障があるのです。事実支障があるのです。兼岩委員は前日からいろいろと御画策になつて冷静に御覧になつてつたら、よくお分りでしようが、殆んど前列は共産党衆議院議員によつて占領されておる。我々の発言つてしばしば妨害されておる。計画的妨害である。尚この報告書には書かれていないけれども、休憩中にも衆議院共産党議員は、岡元委員長を取捲いて、こんな運営振りはあるか、衆議院議員を馬鹿にするな、衆議院議員退場を命ずるとは何ごとだと岡元委員長とつちめる。それで私は見かねたから、参議院運営参議院でやつているんだ。文句があつた衆議院から言つて来い、休憩中に騒ぐ必要はないじやないか、というようなことを言わざるを得ないような事情であつた。こじつけた理屈を言わずに、あの日の状態をあなたが冷静に御覽になつてつたら、委員長が興奮しておつたか、衆議院の一部の人々が計画的妨害をやつたかはつきりする。そこで私は在外理事として事実はよく知つているけれども、今度は議運委員の一人として、議長からこういうことが出ておる。こういう報告を受けたとたんに、これを衆議院に通告するには二つの途があるのである。その日直ちに議運はその報告議長から聞く、と同時に、在外同胞委員長もここに出席を求め、委員長からそこで事情を逐一聞いて議運の判断をするのが一つの途である。ところがその日は在外同胞へ五人の証人を喚問しておるのであるから、証人を喚問しておる関係上、殊に在外委員長を呼ぶことは困難であるから、そうすると書類を以て報告を受けて、その書類報告に基いて衆議院との交渉を起された方が愼重ではないかというので今日に至つておる。それなのにあなたは今土曜日に来られておつたら、議長のおとりになつた行動なんか、又議運が土曜日に決めたことにどこに欠点があるか。大体委員会というものは継続しておるのだから、土曜日にあなたが来られなかつたのなら、土曜日のことはすつかり他の委員、出席されておつた方から聞き取り願つて置かなかつた議事進行上困るじやないか。私は議長が先程御発言通り岡元委員長報告は我々も参画しておる報告であります。而も附加えて説明しておりますが、この報告は何故文書の報告が遅れたかというと、在外委員会が十六日の証人喚問あと、十八日に委員会を開いて、それでこの報告を如何なる形で報告するか、或いは決議にするか、或いは要請にするかということは在外同胞委員会で諮らなければならない。このために十八日まで遅れておる。十八日の在外同胞委員会では、これらの報告書を出すということに決定した。決議案を出すということは否決されて、議長報告するということに決定した。その報告委員長及び理事に一任して、案文は我我理事として起案している。併し事実を調べると言われるときに、不肖なりと雖も参議院議員として、在外同胞委員の一人として、事実を曲げたり嘘を言う報告書は絶対作つておらない。これ以上御調査なさるということは、何を調査なさろうというのですか、敢て意見を承わりたい。
  36. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 先程の兼岩委員から私に対して御質問がありましたことにお答えいたします。私が土曜日にこうこういう処置をとりたいということを議院運営委員会にお諮りしたことにつきまして、どういう事実についてそれをやつたかという御質問でありました。それは先程申しました通りに、衞視から出て始末書並びに在外同胞引揚問題に関する特別委員会委員長口頭報告、その他そこに列席しておつた二、三人の委員並びに事務当局等からの報告を得て、それで私は運営委員会に、この問題を自分の職責として、つまり参議院院内秩序保持の見地から、どうしても議院運営委員会に御報告をしなければならん問題だと心得て、そうしてこの委員会にお諮りをしたわけであります。何故外にその当時居合せた他の会派議員諸君、その他第三者の立場にある人達意見を求めなかつたか、こういうお話であつたと思いますが、私は少なくとも、その一つ委員会責任者である委員長が私に対して報告したということであれば、私はそれを委員長報告として受入れなければならない。又その委員長一個の報告ばかりでなく、その席に列席しておつたところの他の委員諸君報告も同一であつた事情は、その当時の委員会内における形勢として、それは事実であつたということを私としては認めざるを得なかつたので、かるが故に私は議院運営委員会に、土曜日にその問題をかけたのでありますが、併し議院運営委員会では、口頭報告だけでは運営委員会としては十分でないからして、委員長からの報告の提出を待つて、改めて協議をしようではないかということでありましたので、今日まで待つたのであります。然るに一昨日の夕方提出され、且つ今日諸君にお目にかけたところの岡元委員長報告書は、私がその当時聞いておりました口頭の陳述と全く同じであります。而もその報告委員会報告として正式に提出されたものでありますから、私はこれ以上その報告に対して審査するというようなことは、一切不用のことと信じておつたのであります。
  37. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ちよつと先程兼岩君のお話の中に重大な問題があると思うのでありますが、あの席上私も出ておつたのですが、共産党衆議院人達公務であるというお話がある。我々も傍聽しておつたのですが、別に公務であると思つておらなかつたのです。どういう意味公務であるとお話になるのか。もう一つは、公務であるならば、どんなことをあの際してもよかつたのかというこの二点、ちよつと兼岩君、あとで重大な問題になると思いますので、お聞きしたいと思います。
  38. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 衆議院議員は何か俗に言う興味的な意味で来ているのではなくて、つまり公人として重大な、国際的にも重大な問題を含んでいるところのこれを傍聽に来ておつた。ところがたまたま衞視の身体に隱れて議場が十分見られないから、どいて見えるようにして呉れと言つたことに端を発していると言つているのです。
  39. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 公務というのは……。
  40. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 公務とは……。
  41. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 いやあなたが……。
  42. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 じやよく調べましよう。僕は国会議員として、つまり私的に何かちよいと聞こうというような興味的な意味ではなくて、国会議員として自己の職権上それを傍聽していたのです。
  43. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それをあなたが公務と言われたように……、これは皆さん伺つても……。
  44. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 あとで調べて見ましよう。速記録を……。
  45. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 あなたは別に公務とはお認めになつているわけじやないのですかね、ただ重大だつたという……。
  46. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 つまりもの好きにいい加減に普通の意味傍聽に来ているのではなくて、この委員会を、国会議員としてこれを十分に観察するために来ておるので、従つて守衞の存在のために見えなくなつたものだから、見えなくなつちやつて困るから、一つどいて見せて呉れという要求が木村代議士その他から出て、ところがそうしたら直ぐ、あなたが見えなくなつて文句があるなら外へ出ろと、こういうふうな問題に発展したと言つているのです。
  47. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この席に出ていたのは、御承知のように傍聽券を発行して相当資格の制限もしておつたが、国会議員だから衞視は断われなかつたかと私はあの際思うのですが、そうすれば、その傍聽席にいた者は、もう物見遊山なんかでもするような者が外にはおるということをあなたはお考えになつているのですか。私はそういう者は一人もいなかつたと思うのです。
  48. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は物見遊山なんて言いません。興味本位。そういうふうに言葉を変えて貰つては困るのです。国会議員として我々が衆議院を聞くときだつて、單なる興味本位で見てないと思うのです。だからその他の人よりも一段と重い意味国会議員としての傍聽者は持つていると思います。(「進行進行」と呼ぶ者あり)
  49. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) どうでしよう。
  50. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は質問ありますよ、続いて……。
  51. 水橋藤作

    委員議員(水橋藤作君) 只今兼岩さんの言われる通り、僕は兼岩さんの直ぐ側におつたのですが、この問題が起つた動機は今兼岩さんが言われる通りなんです。守衞の方が沢山もう来られたので、聞かれていて、ここらになつたものだから、おいちよいとどいて呉れぬかと言われたことも聞いておつた。そうしたところが、あとの言葉はよく分りませんでしたが、それから問題が起つたことは事実です。それは私が見たのです。ですけれども、その議事運営中にいろいろな声が出たのは、それには関連いたしませんが、あのごたごたした動機はそれだつたと、こう言えると思います。ですから計画的に議事妨害しようとしてやられた動機でないと、私はこういうふうに考えます。
  52. 門屋盛一

    門屋盛一君 在外同胞特別委員会のことをここでどうであつた、こうであつたと議論する必要はない。私は委員として出ておる。私の発言中にも罵詈哄笑を浴びて、このまあ参議院における心臓の強いと言われる私でも、発言ができずにですね、私は笑いを止めて貰うまで立往生する状態であつたことは速記録でもはつきり分ると思う。計画的な妨害だと我々ははつきり認める。それから今問題になつていることは、議員にまで退場を命ずるか命じないかということで争いが起きたのです。それが議員と雖も議事妨害となれば退場を命じ得るというのが委員長の見解であると思います。だから我々在外同胞特別委員会としての処置に関して寸毫の過ちはないと思います。これだけははつきりと附加えて置きます。
  53. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は議長にもう一つ二つ質問があるのです。
  54. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 速記を止めて……。    〔速記中止〕
  55. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 速記を始めて下さい。
  56. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 もう一つお尋ねいたします。もう一つ二つあるのです。もう一つは、引揚委員会委員会そのものが非常に国際的な重大な問題を含んでおつて、我々は全く反ソ宣伝、反共反ソの機関にこの公目な機関が利用されるということに断然反対して、その前日に、(門屋盛一君「ノーノー」と述ぶ)発言中。議長に対して、ああいう召喚を……、徳田書記長を召喚されるということは非常に遺憾なことであるが、議長としてどうしてそれに署名してああいう証人喚問をされたかということを聞いたところが、それは私は内容はよく、大してどうとも思わぬから、自分委員会から要請があつたから、機械的にやつているのだという返事で、非常に遺憾に感じて我々は引下つたのでありますが、その引下つたときと同じような気持で、今度も議長はやつておられるのですか。それとも議長衆議院議員云々という、それとも違つて、その召喚は極く受身的に、機械的にやつたのですか。今度も機械的、受身的にやつておられるのですか。もう少し深い意識を以て、これは参議院運営上放置し難い問題だということでやつておられるのでしようか。
  57. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今の兼岩君の御質問につきましては、第一の問題は、即ち徳田球一君の証人としての喚問問題を私が取次いだことにつきまして、私は今言われた通りに、規則で決まつた手続きを機械的に履行したのである。というのは、特別委員会から証人喚問の要求があつたので、それは議長として阻止するわけには行かない。委員会決議を尊重し、決まつた手続をそのまま踏んで、そうして証人喚問の書面に判こを捺したのであるということをお答えしました。それはその通りであります。私は今日においても依然議長としては当然やらなければならん職責であると考えております。第二の点、即ち今度の特別委員長報告に関する取扱振りにつきましては、やはり手続上これをどうするというようなことは決まつていないと存じておりまするからして、だからこれは、本日ここで御協議になつた結果によつて私は処置をするのである。ただこの問題が非常に重要な問題であるということは、私は深くそう考えておるのであつて、且つ参議院院内における秩序保持、若しくは各常任委員会なり、特別委員会なりの議事が靜隱裡に進行するということについては、全般的にいつて、勿論直接にはその各委員会委員長がその責に任ずるわけでございますけれども、全般的において、議長もその点において重要な責務を引受けておると考えておりますので、私はこの本日の問題、即ちあの特別委員会でのでき事につきましては、最も重要視するものであります。かるが故に私は先程申しました通りに、この特別委員長報告、即ち特別委員会報告書衆議院議長の方に一応したいと心得ておる次第であります。
  58. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕らは、引揚委員会徳田書記長を喚問するというような、ああいうやり方が、国民の意思を反映した公正なやり方でなくて、反ソ、反共の機関になつたという見解から、議長に対してその前日反省を促して、できれば委員長議長から反省を促されたらどうかということの申入れをして、それを拒絶された。それに対して私は、今回の衆議院参議院という形にこれを持つて行く問題の重要な本質から、議事運営の一局面として、事実に対しても僕は実際にいて、反対の点もありますが、それはあとで取上げることにして、そのような重要なものは機械的にやるが、このような議院運営問題を参議院の権威というふうに、どちらが参議院の権威にとつて重要だと考えておられるかということを尋ねて見ると、どうやら前の問題は機械的だが、今度は機械的以上にこれに対して関心を持つておられるというふうに理解しているんですね。
  59. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) それは兼岩君誤解であろうと思います。前の問題、即ちに証人喚問の問題が機械的に取扱われた。今回の問題はそうでなくて、愼重審議をする。そういう点に差違があるというふうに言われておりますが、前の問題、即ち証人の喚問の問題は手続の問題である。この手続はすでにいろいろな規則によつて決まつておる問題であつて、私はその手続通りのことを履行したというに過ぎません。この特別委員会なるものが、反ソ宣伝の機関であるかどうかということについては、これは参議院としては勿論そうは考えていないのであります。各人各様の見解はありましようが、参議院としてあの特別委員会を設けたのは、正に読んで字の通り、引揚同胞の引揚問題をできるだけ速かに解決すべくあの委員会を拵えたのである。一つの一定国に対して、反対の宣伝をするとかいうようなことが、その設置の目的では断じてあり得ないということだけは明らかなことであろうと思います。而して今回の問題、この特別委員会報告書の取扱振りに対しましては、決まつた手続はありません。手続上の規定はされておりません。かるが故に私はこの問題を運営委員会に諮つておるわけであります。
  60. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 もう一つお尋ねします。そのときに、この前この会でもちよつと申しましたが、我々衆参の議院が、重要な問題について議長に懇談しておる席上に、警視庁の巡査が、我々の知らない間にずつとそれを終始傍聽しており、事務局もそれを知つていて、それを黙認していたという、そういうことこそ僕は参議院国会の権威を甚だしく落すもので、つまり当然国会内は、議長の持つている守衞の権限で秩序その他の保持をするというのを、国会外の取締に当るべき警察官を議長室にまで導き入れて、そうして我我の話をひそかに聞いておるというようなことは、甚だ国会運営上非常に遺憾であるということを、この前申上げたんですが、これはその後どういうふうに議長はこの点の調査を進めるのか。
  61. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この前の運営委員会で、兼岩委員からその問題が提起されたということを、私は丁度その委員会に出席しておりませんでしたが、あとで承わりました。そうして本日それに対して私はお答えをしようと思つてつたのであります。ただこの問題になつている特別委員会報告書を如何にすべきかということについての御協議が済んだあとで、別個の問題としてそれを提起したいということを考えておりました。併し今兼岩君からその問題が再び提起されましたので、若し委員長においてお差支えなければお答えしたいと思います。
  62. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 兼岩君如何ですか。この問題は切離して、重ねて御質問なりお答えを求められることにしたらどうでしようか。
  63. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 問題は一連の関係がある。扱うのは一緒に扱えぬでしようが、問題は関連している。参議院の権威という点についてですね。引揚委員会のああいう問題をああいうふうに取扱つたということ、そのことの議長との交渉のときに、警察官がそれをひそかに傍聽していたという事実、それからその委員会で、そういうような多少の摩擦を発生したというような問題、これは関連があると思う。その関連を切離すことは反対です。併し一遍に取上げることはできませんから、それは順次でも結構です。
  64. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それじやこの問題は後廻しにしまして……。
  65. 門屋盛一

    門屋盛一君 議事進行について……兼岩委員自分の都合のよいことばかりおつしやるが、この問題は十六日の在外同胞証人喚問の前にこれは取上げられた。十六日の議運で問題にしようとしたときに、共産党の御希望であとにして呉れというのであとにしたので、当然これは別個の問題である。十六日の在外同胞委員会の始まる前の問題である。関連性も何もないということをはつきりして置いて……そうしてとにかく議事進行要点は、先ずこの在外同胞委員長報告に関する件を先に決めて、それから法務委員会を決めて、一つ一つお諮り願いたいと思います。
  66. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは先程議長から御発言がありましたことについて如何取計らいますか。
  67. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕はその内容について、意識的に妨害を契機として、そういうふうに発展するという、ああいうふうのことは自分の目で見ていたし、それから僕一人でなくて現に外にも見ておられたのですが、全く今言つたように非常に重要性を感じて傍聽に来ている。ところが守衞の姿で見えなくなつたから、ちよつと寄つて呉れと言つたことに契機を発したので、それが第一の事実である。第二の事実は、どうしてそういう摩擦が起きたかというと、そういう形で、ちよつと動いて呉れと言つたのに、そんなことを言うなら、あなた出なさいというので出たのであつて議場を騒がせて、委員長からこれを出せという形で、ちやんと我我が尤もだと思うような形で出たのじやなくて、見える見えないという、委員会の席が邪魔だ、邪魔でないということから発しておるという点が一点、もう一点は、摩擦が起きたのは室外に連れて行けばいいのに、委員会の場外へ連れて行けばいいのに、ずつとそれから暴力を以つて、腕力を以つてぐんぐんと本人を引張つて行つて、部屋からずつと通路のところから連れて控室の方向まで押して来ようとしたので、何でいつまでもそう腕力を用いるかということで摩擦が起きたのであつて、これには私が見ていたのは無論のことであつて衆議院でも外にも見ておられた方があるんだし、その表現から読み取るような内容とは事実が相違していると思います。従つて僕はあの報告書は間違つておると思います。
  68. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は今兼松君が言われたことについては、こういう意見を持つておるのです。参議院規則の第二百十九條を見ますと、現行犯人が院の内部においてあるときは、「衞視又は警察官吏は、これを拘束し、」とあるのです。拘束することができるわけなんです。そうするというと、そのまま拘束して議長報告するということはできるにも拘わらず、国会議員だから、衞視はその国会議員の体面を重んじて、外へ出て放したということは、私はこれは非常に礼儀を尊重して特別の処置をとつたことと思うのです。ですから、この問題は兼岩君が言うような……。衞視としては当然の処置をとつてので、その匡正された方が、それを確認された方が私はいいと思います。
  69. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 国会法五十二條に委員会の……今言われたことは参議院規則の議院内部における問題ですが、委員会自体の問題として五十二條に「委員長は、秩序保持のため、傍聽人退場を命ずることができる。」、これに委員長は根拠を置いておられるように、そこには書いてあるのですが、明らかに僕が見ていたときに、そのような問題ではなくて、今言つたように見える、見えぬということで端を発しただけの問題で、明らかに委員長が、速記録を調べて貰つても分るが、ここに五十二條にあるように、傍聽人退場を命じてはつきり行われていないと思うのです。事実が相違します。
  70. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 多少……多少じやない、誤解のないように、誤解を避けるために私から一言附加えて御説明して置きたいことがあります。それは今兼岩君が言われた見えるとか、見えないとかいう問題から端を発したということでありまするが、正にその当時徳田証人の後方に衞視が数名付いておつたというのであります。これは警務部長からの報告によつて私は承知しておるのでありまするが、何故証人にそういう衞視を付けたかということになりまするというと、これはその当日委員会において何か騒ぎが起きてはいけない、証人を保護しなければいけないという考えから、警務部長は十六日の特別委員会の前の日に電話を以て兼岩議員に対して御相談をしたそうであります。それは要らないものを付けられては困るというような誤解があつてはいけないからして、自分の方では証人保護のために衞視を付けたいと思うが、若し兼岩委員共産党の方でそれは却つて迷惑であるというようなことであるならば、自分はそれを止めてもいいというような意味からして、御相談申上げたのであるそうであります。ところが、兼岩委員の方でも、それはむしろ護衞を付けて貰いたいと、こういうことからして話が決まりまして、警務部長から自分の配下の衞視に対して徳田証人の護衞をするように命じたのであります。従つて衞視証人の後方に数名控えておつたということは、自分の上司からの命令によつてその場所に立つていたものであります。かるが故に傍聽人の方からそこをどけと、見えないからどけと言われても自分はどけないと、こういうふうに答えたということも、これは当然の処置でなければならんと思います。それらの事情、誤解を避けるために、私から事実を御報告申上げて置きます。(「了承」と呼ぶ者あり)。
  71. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) ちよつと議長に私からお伺いいたしますが、先程議長のお言葉の中で、岡元特別委員長からの報告衆議院議長に取次いで送付するという考えだというお話でしたけれども、それには議長意見を附して送られますのか、意見を附されないでそのまま送り込まれるというお考えですか。その点がはつきりしなかつたように思いますが……。
  72. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 私は自分意見を附さないで、そのまま送付したいと思います。但しそれを移牒するにつきましては、多少事の関連性をその文書に持たせなければならんと思うのでありますけれども、例えば去る十七日、こちらの事務総長からあちらの事務総長に、これこれの文書を移牒して置きました。それにもある通りに、十六日の特別委員会においては誠に遺憾なでき事が起つた。そのでき事に関して岡元特別委員長から、これこれの書類が提出されましたから、これを御送付いたしますと、こういつたようなふうに起草いたしたいと思いますが、その文書は私に御一任をお願いしたいと思います。
  73. 大野幸一

    ○大野幸一君 これは速記を調べれば分ることでありまするが、昨日は議長は確かに議長職権で以てでもやりたいというような、議長から積極的に参議院運営委員会に諮られたのであります。当時特別委員会からの報告を待つてつたらどうかというような意見は、運営委員側から出た言葉だろうと思うのであります。私も中座いたしましたから、その間はよく分りませんが、昨日の議長の意気込みと、今日の特別委員長報告を伝達するという程度のお話しで大分変つて来たようですが、これはどういうわけなんですか。
  74. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 正に大野委員が指摘されました通りに、私は一昨日の議院運営委員会においては、私大野委員が今おつしやつたような意味で、幣原議長の注意を引くというように考えておりました。然るに大野委員もそこに御列席になつた通りに、この議運ではもつと愼重な態度をとるという多くの委員方の御意見でありましたので、私はそれを承服したのであります。本日只今私が申上げました移牒の形式は、成る程形式においては私が取扱う考えを持つたところとは大分緩和されておりますが、それは更に運営委員方の意見を参酌して、私はそういうふうにしたいと本日は考えておる次第であります。附加えて申上げますが、而して万事はこの委員長報告にはつきりと出ておりますので、私はその委員長報告に讓つて差支えないと、こういうふうに考えておる次第であります。
  75. 大野幸一

    ○大野幸一君 議長とは国会を代表する機関であつて、伝達機関ではないと思うのです。従つて参議院を代表するものはやはり議長である。議長の意思表示というものが衆議院議長になされなければならないと思う。私はやはり昨日の議長のお考えと熱意が必要だろうと思う。まあこういう憶測をしてはいけませんが、後に問題になる民自党の問題があるために聊か緩和されたというようなことは、私は考えられないのですが、やはり私は参議院を代表する意味において、議長から特別委員会意見を体して私は伝達して貰いたい。参議院議長衆議院議長に伝達しなければ何の効果もない、私はそう考える。
  76. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 今の大野委員の御意見でありまするが、私は先程申しました通りに、十六日、これこれの遺憾なでき事委員会において起りましたということを文書の中にはつきり附加えて置きたいと思うのでありますが、つまり委員長報告が今ここに二通り出ております。一つ岡元委員長報告であり、他は伊藤法務委員長報告でありまするが、この二つ報告の書き方も違つております。片一方の岡元委員長の方は非常に嚴しく、「参議院を無視したる暴挙であつて将来の運営上の重大問題たることは明らかである。故に此の際斯る事件が再び惹起されざるよう議長において緊急適切なる措置を講ぜられんことを要請する。」とありまするし、片一方の伊藤委員長の方では、「議長より衆議院議長に対し、今後かかる行動のなきよう、適当なる処置をとられたい。」云々というように書いてありまして、その語句においても可なり……目的は同じでありまするが、将来の保障を得るための目的は同じでありまするが、語句は大分違つているようであります。でありまするからして、私はこの二つ報告を各別に、そのまま衆議院議長の方へお伝えして、それでよかろうかと思うのでありまするが、併しそうでなく、私の意見を附してやれということであるならば、私は何らそれに対して異議はないのみならず、むしろ私としてはそれを望むわけであります。皆さんの御意見に従いたいと思います。
  77. 門屋盛一

    門屋盛一君 持つて行き方について、ちよつと議長に伺うのですが、一昨日ここに問題を提供されて、そのときにこの議運は一応報告書を見て検討しようといつて、今日報告書を渡された。その報告書が披露されただけで、一体その報告書に基いて議運としては何らの結論を得ていない先に、議長議長意見として、この報告書衆議院に送付すればいいという断定的のお話が出ております。そうすると、我々議運はどうしたらいいのですか。(笑声)ただ報告を聞くだけなら耳だけここに出席しておればいいのでしよう。頭は出席しておらなくてもいいわけです。(笑声)私は両方の立場を持つている。在外の方の批判をし得るだけであつて、私は法務委員長報告の批判を云々するものではありませんが、在外同胞委員会としては、衆議院に強い行動をとつて貰いたいという意見があつたのです。あつたけれども、これは在外同胞として決めるべき問題でなく、在外同胞委員会としては、一応このときのでき事議長報告すれば、議長議運に諮つて議運で検討の結果、これは非常に悪幣を残すことであるから、或いは議院決議を以て衆議院に送付する場合もあり得る。又本会議の決議案にならなくても、議運決議を以て向うに申入れる方法もある。爾後の方法については議長及び議運関係事項であつて在外同胞がどういう方法をとれということは、在外同胞の行き過ぎであるということになつて、最後にはそういう結論になつた。それで法務委員長としては、衆議院に対してこうせいというのは、法務委員長がうちの議長を小使のように考えておると思える点がある。議長は法務の方は弱く、在外の方は強いと言われたけれども、事実は在外の方は強いでしようけれども、言葉の上から言うならば、在外の方は挙げてすべてを議長議運にお任せしてある。その議運にお諮りになつて、その決を採らん先にどうしよう、こうしようというのは、議長の御意見ですから、これは皆さんよくお考えつて私は当日出席して、一委員として実感しましたところは、この際何らかの断乎たる措置をとらなければ、今後事あるごとに衆議院からああいうように押しかけて来てやられたのでは、衆議院はおとなしいですから、議事運営が困難ななると思います。もう少しただあれを報告を送付するだけでなく、何らか参議院意見を附けて送らなければならん問題だと考えております。
  78. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 私が先程申した、私の取扱い方を皆さん方の参考に供しましたのは、私の意見ではこうでありますということを御参考に供したのでありまして、一方的に私が運営委員会に対して私の意思を押付けるとか何とかという、そういう考えは毛頭持つていなかつたのであります。この点はどうぞ誤解のないようにして頂きたい。私の意見のような取扱い方では不十分であるというようにお考えがありますならば、十分議を盡して頂きたいと思います。
  79. 山下義信

    山下義信君 今の法務委員会の問題から一応切離して、特別委員会のことがここへ出ておるのでありますから、これから片付けて行きたいと思うのですが、先ず特別委員長報告を我々確認をしたいと思います。これはこの委員の人もたまたま運営委員の中にありまして、出席しておらります。且つ又先刻議長の言われましたように、苟くも委員長の公式の報告書であります。且つ又事務局からの報告書もある。我々はその報告を信頼してここで確認をしたいと思う。その上でその方法の意見を述べたいと思います。先ず委員長報告の確認の動議を提出いたします。お諮り願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  80. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今山下君の動議の通り確認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕    〔兼岩傳一君発言の許可を求む〕
  81. 山下義信

    山下義信君 異議ありましたならば採決願います。
  82. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 だから理由を述べてから採決して下さい。再三前から述べておる理由、即ちあの報告書にあります「退場命令を発するも敢て之に従わず、逐に衞視をして二名を退場せしむるの止むなきに至りたり。」云々というような状態で、この問題が発生したのではなくて、見えるか見えないかというところで発生したという。その点において真実と相違する、この事実を調査するのに、委員長理事諸君がやられたと言いますが、あのときの議場の人間配置関係から言つて理事の方や委員長の所では分らない。それが丁度証人とそれを取巻いておる衛視との蔭で発した事柄で、僕とか、水橋君とか、或いは衆議院の方では浦口君とかいうような側にいた人にはよく見える、見えたので、外の委員の方や、委員長の方には分らなかつた。だからそういう方について真実を調査しないで、ただ委員長議長の権威ある調査だ、決定だなぞと言つても、真実に基礎を置かないような決定は私は権威がないと思うのです。そういう点において僕は現に確認しておる。僕は確かに確認しておる。二、三の証言も先程あつた通り、真実に相違するという点において、これは承認できぬと思います。
  83. 山下義信

    山下義信君 採決願います。
  84. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) それでは採決いたします。山下君の動議に賛成の諸君の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  85. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 多数であります。それでは確認いたします。
  86. 山下義信

    山下義信君 この持つて行き方ですがね。私はこう思うのですが、各党でとういうような態度をお決めになるか分りませんが、一院議員が他院に参りまして行動し得ることは、いわば特権は傍聽以外には、つまり議員としての権限の行使は許されている範囲である。併しながらこれは適法な手続きをとつて委員会に臨むことが規則の上に定めらりてある。この場合に、そういうような手続をして委員会衆議院議員の権限を行使するために当院へ参つて行動ではなかつたと思う。従つて傍聽人としての私は飽くまでも行動であると思います。それが衞視衆議院議員であるからといつて遠慮したことは、これは本来は、礼儀上は結構ですが、本来言えば無用の遠慮であつたわけです。そこでこの扱い方でありますが、当院の秩序の保持は当院の議長職権である議長の責務である。従いまして当院の秩序を他院の議長に頼むがごとき持つて行き方はいけません。又当院の秩序を犯したような行動した議員懲罰、これは当院の議員についてはできますが、他院の議長に他院の議員懲罰事犯のごときことを、それとなく何らかの処置に出て貰いたいというような申入は私はできないと思います。それは他院の議長が良識に訴えて、自分の院の議員議員たる品位を落した場合には、それが如何なる場所でありましようとも、他院であろうとも、院外でありましようとも、それは懲罰事犯でありまするから、その院の規則によりまして適宜議長が取計らえばいいのでありまするから、この問題を私は参議院衆議院というような、そういう院と院との問題のような持つて行き方をいたしまするということには、これは余程愼重にいたさなければ相成らむと私は思います。将来他院の議員が参りまして、かくのごとき妨害行為をし、好ましからぬ行動に出ることが非常に憂慮せられることは門屋議員のおつしやる通りであります。その点私達も非常に本質的にはこれは重大問題だと思う。それはただ單に参議院の重大問題でなく、国会としての私は重大問題に思うのであります。併しながら持つて行き方ということになりますと、参議院衆議院の摩擦的な持つて行き方をいたすことは、その議員懲罰を要求するということもできませんし、全当院の秩序につきまして、他院の議長に協力を求めるといつたごとき権威のない行動もできませんので、私はこの問題の取扱いにおきましては、先ずみずからが規則の上で、権限の上で許されている限り先ず処置をとりまして、いわゆる公務執行妨害なら公務執行妨害の告訴手続も十分いたしまして、衞視のともかく処置を肯定し、衞視の身分も保護し、その職務の執行の上にも十分力強い処置をさせまして。たださような暴行に出遭いましても、衞視は默つて手を突つ込んでおるという悪例を残してはいけませんから、相手は何人でありましようとも、法によりまして断乎たる手続きに出まして、そうしてみずからとるべき処置をとりまして、事態の発生の状況、とりました処置を併せて他院の議長に念のためにこれを通達と言いますか、知らせてやりまして、甚だ遺憾の意を表するという程度の持つて行き方で私はいいんではないか、かように考えるのであります。これは私の意見であります。一応皆さんの御意見を拜聽したいと思います。但し第二の法務委員会の件は、その件は問題になりましたときに申上げたいと思います。これはおのずから違います。これは特別委員会におきまする事件は、処置し得る証拠があるんです。又法に触れるところの事実がそこにはありますので、これは十分に当院として処置ができるのでありますから、処置し得られるものは処置をいたしまして、そうした只今申述べましたような持つて行き方を考えたい。法務委員会のことは又あとで申します。これは処置のしようがない。怒鳴つたとか、野次つたとか、こういうようなことは何ともはや、これはどういうふうにも処罰のしようがないのでありますから、これは持つて行き方が又違うと思いますが、これはあとで又議題になりましたときに申上げます。今の私の意見はさようであります。他の同僚諸君の御意見を拜聽したいと思います。
  87. 門屋盛一

    門屋盛一君 大体問題は、その日に騷いだ共産党衆議院議員の方があつたように思いますが、衆議院議員をも退場を命ずることができるか、できないかということを岡元委員長に伺いたいと思いますが、私はこの問題のあと取扱いについては、山下議員の言われた通り同感でありますが、ただこれだけの問題が起りました以上、分り切つたことのようでありますけれども、この議運におきまして、参議院規則の上から考えまして、衆議院議員であつて退場を命じ得るということを再確認して置かなければいけないと思います。他院の議員が他院の傍聽に当りまするには、今までの慣例に従いまして、たとえ祕密会に入りました場合でも、同種の委員会委員であるということが何らかの手続によつて証明された場合には差支えないと思います。でありますから、他院の議員議員としての資格において傍聽して貰うときには、予めそのことを当該委員長の承認を得て、議員としての傍聽席から傍聽されて行くようにしたい。ただやかましく言うだけでなしに、今後衆議院の方から来られても、又我々の方から向うへ行つて議員の資格において傍聽する折には、ちやんとそれだけのはつきりした特別の席を設けて、それだけの待遇をしてやる、前以てその手続をしていない議員は、これは議員と雖も一般傍聽人と同様の取扱いをするというようなこと、まだお心付きの点がありましたら、あとでどなたからでも附け加えて頂けばいいんですが、そういうふうにこの際はつきりした行き方を再確認して置かないと、各委員会運営がごてるんじやないかと思います。私が先程決議案と言いましたのは、重要に考えれば決議案になりませんが、今の参議院規則でも、別な決議案を出さなくても、議運だけでもそれだけのことを確認すればそれで行けるんじやないか、この問題は元に戻りまして、衆議院議員を外の傍聽人と同一に取扱つたということは、相当食つてかかつてつたと思います。併しそれは私は食つてかかる方が間違いであるということをはつきりこの議運で御確認願つて置けば、各委員長はやりいいんじやないかと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  88. 山下義信

    山下義信君 これは蛇足でございますが、一応先程申上げました衞視妨害を加えた問題に対する法的措置でございましたら、これは先のことまで申して済みませんが、恐らく例えば告訴なら告訴の事件に対しまして、衆議院側の方から何とか又意思表示があるんじやないかと思います。そういう機会に議長は改めて衆議院議長と御懇談の機会もありましようし、又当運営委員会にお諮りのこともありましようし、将来の善処方につきまして、我々として意思表示の機会は今後にまだあると思います。一応第一段として、規則従つて断乎たる手続に出まして、そうして一応事件並びにその顛末を含のために衆議院議長に御通達置き言成るという程度でいいんじやないかと思います。私はさように考えます。蛇足ながら申上げます。
  89. 門屋盛一

    門屋盛一君 私も山下委員と同じですが、在外同胞委員長の報告書を付けて、この問題について参議院が検討した結果、衆議院議員であつても、予め当該委員会と打合せをして、特別の待遇上の取扱を認めた議員の外は、当院の規則従つて一般傍聽人としての取扱をするということを決定いたしました。そうして今後の議事運営をやつて行きたいと思いますからと、これはまああの報告書議運の決定事項として付けて、衆議院議長の方に御送付願つて置けばいいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  90. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今の門屋君の御発言、お聞きの通りでありますが、その通り取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議なしと認めます。
  92. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そうすると、引揚委員会におけるところの惹起された問題については、只今山下委員発言されたように、これは暴行事件が中心だと思いますが、それにつきましては刑事事件としてやるかどうか、これはやる方がよろしいだろうという議運の意向である。その他衆議院議員傍聽については、こうこうというような取扱を参議院としてはとるようにするということを通知して行く、こういうことに試案ができたように思いますが、そうなりまするというと、一昨日議長から諮られた、参議院議長から衆議院議長に抗議を申込むと言いますか、そういうふうな形のものはやらない。こういうふうなことで議長の方は如何でありますか、私も今の意見の方がいいような気がするのですが。
  93. 山下義信

    山下義信君 議長のお答えの前に、皆さんに私の趣旨をちよつと補足したいのです。これはまあ参議院議長から衆議院議長への抗議の申立という行き方をしたくないと思いますのは、それらの衆議院議員衆議院を代表して参つている場合ではないのでありますから、飽くまでも一傍聽人として参つておる。こういう観点から申しましたので、私の趣旨を補足いたして置きます。
  94. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 鈴木君、今議長打合せをしておりましたので、もう一度お願いしたいのでございますが。
  95. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 一昨日私も出席しておりましたのですが、参議院議長から衆議院議長に対して抗議的な文書、その内容は知りませんが、そういうふうな意味の文書を本日中に発送したいというお話があつたわけです。その際に私も議長職権によつてやられることはいいと思うが、少くとも参議院議長から衆議院議長に対する文書であるから、而もこの議運に諮られたのであるから、私はその資料は全然一つも持つておらない、現在持つていない。その委員会委員長報告書も実は出ていないようであるからして、議長からそういうふうに諮られても、それに対して判断するところの資料を持つていない。だからしてもう少し議運に諮る以上は、判断し得る資料を整えて、そうして我々が資料を以て議長に対してお答えできるような方法を講じて貰いたいという意見を私も申上げた一員であります。従つて本日はそれに基いて議運が開かれたわけでありまするが、先程のこの決定によりますると、山下委員の主張によつて刑事事件は刑事事件として、参議院独自の解決方法をとるべきであるし、又傍聽人につきましては、衆議院議員傍聽についても一定の取扱い方をこの際はつきりして置く、そうしてその点については衆議院議長参議院議長から、こういうように決定しておるということを通知したらばよろしい。従つてそれ以外に一昨日議長から諮られたような抗議的な文書はやらない方がよかろうというふうに今決まつたように思うのです。従つて一昨日議長から諮られたところのいわゆる抗議的な文書は、議長においてその職権によつてもおやりになるのかどうかということをお聞きしておるのであります。
  96. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) それと同じような問題が、先程大野君からも提起されました。というのは、一昨日の議長意見と、今日はそうでなくて大分緩和された意見が吐かれた。つまり一昨日の意見と違つた意見が今日の議長の口から出ておるが、それは一体どういうことか、こういうようなことでありました。私は正にその通りであつて、一昨日は何らかの形において衆議院議長に対して抗議を申立てたいと思つたのであります。然るに一昨日の運営委員会の空気を見まするというと、委員長報告を待つて、そうして愼重に審議をしてからのことにしたいと、こういうような話でありましたので、つまり私は運営委員会の大部分の委員諸君は、むしろ愼重におやりになることを希望しておられることと考えまして、それらを参酌して、そうして本日は單に私の考えとしては、委員長報告衆議院議長に通達するというだけに止めてよいのではなかろうかという意見を先程申上げたような次第であります。但し大野委員からは、そうでなくて、自分としてはむしろもつと嚴重な態度を以て臨んで貰いたいものだという御意見がありましたから、私は本日の運営委員会の審議の経過によりまして、そうして議長として何らかの処置をしたいつもりでおりますということを先程申上げたのであります。若しこの運営委員会で以て抗議も含めてやつた方がよいというのであれば、私はその通りにいたしますし、そうでなくて、今山下さんの言われたように、抗議めいたことは避けたがよかろうという、こういう御意見であれば、それはそれで結構だと思うのであります。いずれにしても運営委員会の御決定の通り私は行動したい、こう考えております。但し山下委員から、先程参議院として秩序保持の観点から、規則に命じておるところのことだけは、参議院が自発的に先ずそういう適当な処置をとるべきであるというような御注意もありました。正にその通りでありますけれども、私の了解しておりますところによりますれば、例えば委員会なり、本会議なりの傍聽席において、議事妨害というようなことがありましたならば、勿論これを取締ることができまするが、そうして又そこで暴行事件でも起きましたならば、現行の暴行事件として直ぐさま処置ができるのであります。先程もどなたかお読みになつた通りに、拘束をすることもそのときならば、現行の暴行ならばできたのでありまするが、それはやらなかつたのであります。従つて後日、今日に至りましてどれだけの秩序保持のためにこの問題に関係して、この特定の問題に関係して、後日どれだけの処置がとれるかということは、これは私といたしましては、事務当局から規則を調べられた結果の意見を徴さなければ分らないのでありまするけれども、現行犯でない以上は、後日の処置をとるということは困難であると、一応考えられるのであります。山下委員におかれて、まだ処置としては残つておる、例えばこういう処置があるというふうなことをお考の中におありになるならば、参考のために聞かして頂ければ非常に有難いと思います。
  97. 大野幸一

    ○大野幸一君 同僚山下委員からの御発言もありましたので、私は元来委員としては、他人に抗議をすることも好まない者でありますので、その点については、同僚山下委員の御意見に賛成し、鈴木委員の御意見にも賛成いたします。もう一つは、山下委員から、院内における告訴云々の問題がありましたが、そういうこともあり得るから、議院自体において究明する途もあり得るのであるから、敢て衆議院参議院の対立問題にしなくてもよいのではないかと、山下委員発言をこういう意味に解しまして、社会党としては、これを告訴問題にするとか、或いは訴追を求めるというような意見ではないのでありまして、この点も、山下議員はそういう意味において申上げられたと私は思うのであります。この点を念のため申上げて置きます。
  98. 山下義信

    山下義信君 補足いたして置きます。議長さんのお尋ねもありましたから……、当院の規則の上でいろいろ研究いたしまして、とるべき手段がありましたならば極力一つ研究して頂きたいと、こういう趣旨でございます。取敢えずは、一例としては、公務執行妨害で告訴することもできるのではないか。必ずそうしなくちやならんという意味で言つたのでないことは、大野委員只今おつしやつた通りであります。而して、いわゆる事後であつて、極めて証拠曖昧で、できなければいたし方ないのでありますが、一応は研究して見なくちやならん、それだけの手は盡して見なければならないということを申上げたのでありまして、この点も併せて申して置きたいと思います。それらの点は、事務当局で十分至急に御研究を願いたいと思うのであります。
  99. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は特別委員長報告そのものが事実に相違するので反対しておる。それを報告するとか、その他の方針も全部反対なのでありますが、併しそれを多数決でやられるとして、何のためにやられるかというと、要するに参議院の権威を守ると言われますが、僕は参議院の権威というものを守るためにならば、むしろ国会運営上から見て、引揚委員会が当初の目的から全く反して、連合国の一国と他の国との摩擦を生ずるような反ソ反共の機関として動いておる。その最も特徴的なものは徳田書記長の召喚だと思うのです。何故ならば、もう公式にソ同盟がそういうことはないということを言つておる。こういうことが僕は参議院の権威を最も落すものだと思うのです。従つて、今決定されたことを実行されることは、僕は反対なのでありますが、多数決でやられるとしても、僕は引揚委員会が当初の目的と全く反して、連合国の二国間に摩擦を生ずるような、平和の方向でなくて戰争の方向、独立の方向でなくて従属の方向に進んで行くような、こういう引揚委員会そのものを至急解散されるということが、参議院の権威を保持する最も重要な問題だと思うから、そういう動議を提出いたします。
  100. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 特別委員会のそういう問題になりますと、更に又いろいろな意見もありましようから、後日の問題にして頂くことにいたしまして、議事を進めることにいたしましよう。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  101. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 先程暴行事件に対する告発云々の御意見もありましたが、刑事事件は、これは被害者が自由にやるべきものであつて議運においてどうこう言うべきものではないのでありますからして、これは一つ議運の問題外にして、被害者の自由意思に任せるということが妥当だと思いますので、一言発言して置きます。
  102. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) ちよつと私から申しますが、この問題の外にある問題としては、議長の立場において、公務執行の妨害をされたか否かという問題があるわけです。議長の問題で取上げようとすれば、そういう問題があります。個人の問題と公の問題と二つあります。併しこの問題につきましては、山下君も特に是非それをやつて貰いたいという御意思でないということを、さつき申しておられましたから……。
  103. 山下義信

    山下義信君 できるかできないか、調査して貰いたいということです。
  104. 門屋盛一

    門屋盛一君 参議院だけで取上げ得る問題については、山下委員の言われる通り、事務局等で調査研究して貰う。今日の議運といたしましては、そういうことの起らないようにするために、先程私から発言しましたことを御確認になつて、その御確認になつたことを適当な文書にして、その文書をも添えて、在外同胞引揚委員長報告書と共に衆議院の方に送付して貰いたい。そういうふうに御決定願いたいと思います。
  105. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今の門屋委員の御発言、お聞きの通りでありますが、その通り取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 異議なしと認めます。  次に、法務委員会における問題につきましてお諮りいたします。
  107. 大野幸一

    ○大野幸一君 これは、私が丁度たまたま法務委員であつて、若干私が関係があるので、私からまあ証人的立場から皆様に御説明申上げたいと思います。十八日午前中、証人を二人呼んでおりました参議院法務委員会は、証人の尋問に先立つて、民自党委員二名からいろいろ質疑がありまして、午前中は終つたのであります。そのときに民自党の衆議院議員が、民自党委員の後方に傍聽せられておりました。そこで余り大きい声では初めなかつたのでありまするが、いろいろ野次的の言動がありました。そのうちに、小林委員発言中であつちと思いますが、その発言に関連して、私が挙手をして委員長発言許可を求めようとしたその瞬間でありますが、私と丁度斜めにありました、私のかねて顔見知りの木村公平議員が、ちよつと背伸びをしながら何とか言いました。その後、大野默れという声がありました。私は非常に不愉快でありましたが、その小林委員発言が終ると同時に、そのことについて発言を求めましたが、次いで民自党議員の遠山丙市委員発言を許可されましたので、その発言が終るまで私は待ちました。そうして委員長に対して、先程の傍聽人中から、特定委員の名を指して野次るということは重大であるから善処されたい、こう申しました。そうして私の気付きましたことは、丁度その日共産党木村議員が野次つたことから始まつたのであります。木村議員木村公平議員との間における程度の差は勿論あります。軽重の差は勿論ありまするが、併し共に衆議院議員が野次るということは、ややもすると、これが発展して次の騒擾の大きなものを生むようになる。こういう意味で、私は委員長に善処を求めまして、そうして午前中は証人を尋問することなく休憩となりまして、午後証人が喚問されて、その終つたときに、各委員がそのことについて協議された結果、民自党議員を除く以外の各党議員は、それぞれ一々発言せられまして、法務委員長から議長報告をする、そうして善処して頂く、こういうことに相成つたのであります。私は甚だ苦しい立場にありまして、木村委員とは同郷の関係でありまして、顔見知りの間柄であります。従つて木村委員とその日に別れるときも、どうもあなた共産党と天秤にかけられるようなことは成るべくしない方がいいと言いましたところが、君達は喧嘩が下手だから、上手に喧嘩をやつて見ろというようなことを言つて喧嘩別れになりました。民自党委員から、いろいろそのときに非常に陳謝しているという話がありましたが、私共の関係はこういうことでありまして、併し私は個人として委員会に諮りまして、個人として決しては、甚だ心苦しいから、委員会において決定して頂きたい、こういう意味委員会の決定と相成つたわけであります。この点を参考までに申上げて置きますが、ただあのときは私も幾らか興奮しておりました点もありますので、この点も私から申上げて置きます。
  108. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 先ず法務委員長報告書とかいうのは、私遅れて聞きませんが、先程から読まれたのか、読んでなければ読んで頂きたい。(「読んだよ」と呼ぶ者あり)読んだのなら廻して下さい。
  109. 山下義信

    山下義信君 これは事実が極めて簡單ですから、前の件とは違つて、これはもう事実は事実として御確認願いたいと思うのですが、併しながら重大性は、私は共産党議員特別委員会でいたしたと同じ程度の重要性があると思う。これは衆議院で絶対多数を持つておる民自党の議員が、衆議院で葬られた重大な問題が当院で取上げられて、いわゆる五井産業事件が今の内閣の致命傷になつたと言われる程の事件として調査されておる。その法務委員会に飛び込んで来て、而もその議員たるや、自由党の副幹事長という立場にある議員、そういう重要な立場にある者が、参議院のいわゆる議事妨害と言うか、そういう出過ぎた態度を以て、そうしてそこで特定の議員に対して名前を挙げて默れとか、いろいろな野次を飛ばすということは言語同断である。共産党の場合は、ああいうことをするのが、あいつらの当り前の態度であるといつたような見方もありますが、(笑声)いわゆる多数党の幹部議員である衆議院議員が来て、そうして今のような行為に出るということ、これは実に私は許されぬことだと思う。衆議院の方では多数で横暴して置いて、今度は参議院の方に来ては暴力で横暴を振廻すというやり方をすることは、以ての外である。私はただ單に罵声を浴せて、そういうふうに野次つたという軽い程度で見過すことはできないのでありまして、できるだけ、これは我我としては嚴重な抗議を申込まなければならんと思う。それはこちらの方で処置とり方がないのであります。今の前の場合は、衞視暴行を加えたとか、いろいろなことがありまして、規則上いろいろな処置とり方があるが、委員会の方で野次つて罵声を浴びせ、罵詈雑言を放つてつたということについては、衞視も捕えようがない、どうすることもできない。規則上どうすることもできないという事柄は、政治道徳上責めて行かなければならんと思う。そこで私は木村公平議員でありますか、その者を当運営委員会証人として喚問をいたして、そうしてどういう意思を以て当院の法務委員会傍聽にやつて来て、そういう罵声を浴びせたか、何のためにさような行動に出たのか、当人の心境を聞いて見たいと思う。併しつい思わず、ふらふらとしてやつたというのであれば、恕すべき点もございますが、何らか非常に自由党のためには困る、政府のためには非常に痛手になる議事であるから、何とかしてこれを食止めなければならんというような考え方を以て来たというならば、ますます以てこれは許されぬのでありますから、証人として喚問いたしまして、彼の心境を質し、その当時の成り行きを聽取したいと思います。私はそういうふうにこれを取運んで行きたい、かように考えますので、皆さんの御意見一つ承わりまして、御賛成を得れば、異議がなければ、改めて動議として出します。又証人として出て参りました当人が、全く悪かつた言つて陳謝いたしますれば、又取扱い方もあろうかと思います。一応皆さんの御意見を伺いたいと思います。
  110. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 私は前の引揚特別委員会事件は、これが集団的、計画的なように見られるというところに非常に重大性があつたのだと思うのでありまして、法務委員会の方は、報告書を見ましても、いろいろな経過を見ても極めて偶発的な事件のように見られますし、委員長が制止したら直ちに默つた、こういう状況でありまして、こういうことはいろいろの事件の経過において、ままあることではないかとも思えるのであります。私は従来の事例は知りませんが、それを一々取上げまして、而もそれを証人として喚問して、そのときの事情を聞くということはどうかと思いますので、私はそういうことには賛成いたしかねます。
  111. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は山下君の意見に賛成いたします。(笑声)理由は引揚特別委員会が間違つた方向に向つて行つて、間違つた方向に運営されておる。それを契機として、摩擦を起すような、ああいう事件になつたということと正反対で、法務委員会は、衆議院の考査特別委員会が一党の機関になり下つて、妙な運営をされておつて、天下国民の疑惑の中心にありながら、その職責を盡さない。然るに参議院法務委員会はよく敢然として取上げておるということに対しては、僕ら非常に敬意を表する。国民は非常にこれに注目しておる。たまたまそこへ出て来て、そういうことを言われたということは私は非常に遺憾だと思うが、併し私はやはり前に言つた同じ論旨で、事実に基いてすべて処理しなければいけないのだから、我々まだその点十分確認……、聞いてはおるけれども、分らぬ点もあるし、やはり愼重意味で本人を呼ばれて、どういう心境でどういうふうに言われたかということを、やはり私は確認して後、方針を決められてもいい。強くこの問題は取上げるという意味で、僕は只今の動議に賛成いたします。(「動議じやない」と呼ぶ者あり)
  112. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私はこの議運の議題として問題になるのは、この法務委員長からの書類をどういうふうに取扱うかということにあると思うのですが、それにつきましては、先程引揚特別委員会委員長書類に対しましては、全面的にその委員長報告を信頼して、一人の反対はありましたが、あとは多数を以て確認いたして……(「二人だ」と呼ぶ者あり)二人ですか……、そうしてその次に、その確認した書類に基いて、衆議院との関係において、どういうふうにしようかというような手続きについて主として検討を加えたのでありますが、この問題につきましても、法務常任委員会の委員長報告というものは、只今大野委員から、当事者としての御報告もありましたように、これははつきりいたしておるのであつて、この書類もやはりそのまま確認することが正しいと思うのであります。従つてこの書類をどういうふうに取扱うか、委員長書類によりますというと、衆議院の方に適当に、何と言いますか、処置するように議長において善処して貰いたいというようなことであつたようでありまして、それより以上に木村公平代議士が如何なる意思を以てやつたのかというようなところまで調べて貰いたいという要求もあるわけでありまするし、その必要を……議院としてはその書類取扱いについては必要ないと思う。それでこれは本当にこの書類の要求そのままにとりまして、そうして先程門屋委員から、こういうことが再三ありましたことを動機として、参議院におけるところの衆議院議員傍聽に関する取扱方針を決めるわけであります。そうしてそれを通知する際に、先のものと同じようにこれも添えて、そうしてやつて行くということが至当であると、こういうふうに私は考えるのであります。
  113. 門屋盛一

    門屋盛一君 私は山下委員の動議に反対をいたします。(「まだ動議を出しておらん」と呼ぶ者あり)それじや動議としては出されぬ方がいいと思うのです。それは山下君の言われる通り、一方に非常な共産党が手段を以て議院を脅かし、一方絶対多数党の自由党が思う通りにならなければ、ぶつ潰そうというのだ。これでは参議院の狙いは全くできないと思います。正にその通りのことが十六日と十八日の間に展開された。これは議院として見逃すことはできないのであるが、すでに在外同胞の問題のときに申上げましたように、こういうことがあるといたしましても、特別待遇を承認して、委員以外は衆議院議員として扱いをしなかつたら、そう議事運営取扱いに困難はない。いつでも入場を是認することもできましよう。いつでも退場を命ずることもできるのですから、そういうふうに自主的に参議院の品位を維持しながらやつて行けるという見込みに対して、木村委員をここへ証人として呼ぶということは、大人気ないという気もしますので、まあどつち道、中道政治と悪口を言われましたが、我々は右と左の間に挾まつて苦労せんならんように生れて来ておる。この際今鈴木委員の言われますように、委員会における委員長報告というものは権威のあるものとして議運でも認めなければならん。この委員長報告の末端に、先程も申しましたように、法務委員長はすでに一つの注文を付けて、議長から衆議院議長に対して、今後かかる行動のないよう適当なる処置をとられたいというので、今後こういうことのないように適当なる処置をとられたいというのが、まあ関係議員を呼んでということまで強い意思もないのでありますし、これは御本人の方の大野議員もここに来られて説明があつたのでありますし、これは弁護になるかも知れませんが、木村公平君という人はこういう人なんだ。こういう人なんですから、これを又……、この木村という人は最高責任者であるから、私はもう少し国の規則は守る人だと思うが、やつぱり徳球さんもああいう人だし、ああいう人とこういう人とがかかわつていることだから、その程度で適当にこれを議長の方から廻して頂いたらいいじやないか。この意味において一つ山下委員の動議を出すという意見は、動議を出さぬということに願いたい。
  114. 山下義信

    山下義信君 大体御意見私も結構と思う。そのお計らいでよろしうございますが、ただ門屋委員が指摘されましたが、これは本日は我々は一つは純理論の立場に立ち、一つは又寛容な態度で一応は処理をいたしますが、併しながら衆議院議員が我が参議院に参つて、この間いろいろ行動がありますという事態等というものは、私は本質的に非常に憂慮すべき現象であると思うのであります。でありまするから、一応今回は、何と申しますか、愼重な態度でこれを取計らいますけれども、今後かくのごときことが再び発生いたしましたときにおきましては、我々は重大な決意をしなければならんと思う。それでなくとも現在の政府当局者、或いは衆議院の多数党等々が、参議院に対しまする考え方というものが、いろいろな点におきまして、かような参議院を侮蔑いたしまするような行動に出ますることは、その淵源は実に深いものがある、根強いものがあるのでありまする。それらがこういう現象になつて現われて来るのでありまして、我々はこの点について非常に注意されなければなりません。今後衆議院のいろいろな横暴や行き過ぎに対しまして、参議ンの任務を多々ますます、この我々の権威を発揮して行かなければならん場合に、或いは将来こういう事態が再々繰返される危險性があるということも憂慮されるのでありまして、我々は本日はこういう扱い方にいたして置きますが、将来は十分なる、若しそういうことが起きましたときには重大な決意を以て当りたいということを、私はここで申上げて置きたいのでございます。
  115. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 一言だけ……。今の御意見は御尤もですが、僕は先程からの全体の意見を通じまして、問題は衆議院参議院というふうな恰好に強く取上げられるという傾向があると思うのですが、これは一面の事実ですが、問題はそれよりも引揚特別委員会なり、法務委員会なりの運営が、国民の利益、人民大衆の利益と一致しておるか、或いは一部の人がよこしまなる腹で運営しておるかということに問題があり、それこそ参議院に真の問題があるということを指摘して、そういう問題につきましても、そういう観点から取上げられることを希望します。
  116. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 法務委員長報告書を確認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 異議なしと認めます。それではこの法務委員長報告書も、在外同胞引揚問題に関する特別委員会委員長報告書と一緒に、議長意見書に加えて送付するということに取扱をお願いすることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  119. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) それでは先程兼岩君からもう一つ問題を提出されて、私が御答弁しなければならんことになつておりますから、それにお答えしてよろしうございますか。
  120. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) どうぞ。
  121. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 十六日が特別委員会証人問題でありますから、その前日の夕方、兼岩議員が私のところに他の参議院の同僚並びに衆議院共産党の同僚諸君とおいでになつたのであります。それが先程兼岩議員が言われた通りに、徳田証人喚問手続の問題に関して、私に抗議を申しに来られた、抗議の申出をなすべく来られたのであります。そのときに兼岩君が指摘されるごとく、私の護衞に当つておる警官が私の部屋に入つたということが会見後問題になつたのであります。それについて私は御説明を申上げたいのであります。当時の模様を少しく御説明しなければ分らないのでありますが、当日私に会見を申出て来られたのは兼岩議員と細川議員の両名でありました。この両君が私に対して会見を申込まれて来たのであります。併し私の隣りの祕書室においては御両君が来られると考えて、そうして時間の割当をしたのであります。然るに実際に来られたところを見ますると、細川君は来られなかつた。後刻参会されましたが、参議院議員としては兼岩君一人で、そうしてそれに衆議院議員が確か五名一緒に附いて来られた。私は実は衆議院議員の訪問を受けようとは思わなかつたので、事の意外に少しく驚いたのであります。のみならず、その六、七名の方が室に入るのについて、若い人達が又五、六名一緒に入つて来たのであります。これも又私は非常に以外に感じたのであります。ありのまま申上げますならば、この十人若しくは十人以上の人達が室にどやどやどやとなだれ込んだという形になりまして、そこで私は兼岩君初めその衆議院議員の方々を招じて席にお着きを願つて、そうして話を始めたのでありまするが、事件内容は私に対する今の手続の問題の抗議でありました。私はその際に兼岩議員に、一体この後についている人達は何ですか、誰ですかと言つて聞いた。それに対して兼岩君は、これは祕書達だ。こういうお答えであつたのであります。私は私に面会を申込んで、そうして或る交渉をすべく来る人達が、自分の祕書を連れて来るということは、これはむしろ非礼だと心得ました。併しそれはそのときには問題にしなかつたのであります。何となれば、重要問題が現に論議されているときに、祕書の問題など私は出す余裕はなかつたからでありますが、併しながら事実はそうでありまして、どやどやどやと入つて来たからして、私の護衞、これは警視庁から附けられている護衞でありますけれども、こういう護衞を私に附ける必要があるかないかということは私自身感じておりません。それは又別問題として、私には常に附いております。その護衞がこれも慣習上私の祕書室に待機しておるわけでありまするが、これが何事が起きたかというような気持ちで、そうして護衞の任務からして、どやどやどやと入つて来た人達の後から入つた、こう思うのであります。私は現にその護衞が室の中に入つたのは私としては認めなかつたのでありますけれども、外の人が認めたから、それは事実であります。従つてこの護衞の入つて来たという気持が、何ごとであろうというような気持から入つて来たというのでありまして、それがたまたま警視庁から附けられておつた、確か巡査部長でありましよう。その私は資格は知りませんが、その巡査部長なる人が私の室に、重要問題を討議する場所に入つて来たということは事実であります。この点に対しましては、私から将来そういうことはないように、私の室には入らない建前になつておるのでありまするからして、その点は嚴重に守つて貰いたいということを重ねて注意をして置きました。但し彼は全く善意を以て、何事か知らんというので入つて来たことだけは御承認を願いたいのであります。それがこの重要問題に対して、スパイの行動をとらんがために入つて来たというようなことは、これは全く兼岩君の憶測によるのであります。ついでに私は申上げたいのでありますが、私は今の証人喚問問題に限らず、すべての他の問題に関しましても、私に対して衆議院議員が説明を求めに来るということは、これは私としては欣然お受けしたいと思います。併し私に対して抗議を申込んで来るということであるならば、私はそういう会見をお断わりしたいと思う。何となれば、私は衆議院議員から参議院議長として抗議を受ける筈はないと心得るからであります。でありまするから、その席上において、私は衆議院議員の方々が、こういう問題について私のところに抗議に来られるというのは筋道が違いはしないか、若し抗議をする必要があるならば、あなたの議長、即ち衆議院議長に対して抗議をされるべきであつて参議院議長に対する抗議は筋道が違つていはしないか。こういうことを話したところが、この共産党議員達は、いや自分達は党員として来たのである。こういうことをはつきりと言われたのであります。それで私は実はそのときは問題にしなかつたのであります。併しながらよく考えて見まするというと、共産党である衆議院議員は、その議員たる資格はどうしてもこれを剥ぐわけには行かない。共産党員ではあるけれども、衆議院議員たることは依然衆議院議員であります。かるが故に、そういう人達がたとえ党員という資格を以て私のところに来たのであるとしても、やはり議員の看板を着ている以上は、私に対して抗議をするということはこれは筋道が違つておるというふうにはつきりと今は自分で認識しております。かるが故に一昨日、再び特別委員会でき事の問題についても、共産党である衆議院議員人達が四人私の室に再び参りまして、このたびは兼岩君とその他の参議院議員は一人も来られなかつたのであります。やはり同じように特別委員会でき事並びにそれに対する取扱いについて私に抗議を申立てるような口吩でありました。でありまするから、私はそのときはつきり申しました。衆議院議員であるあなた方が、よしんば党員の資格であろうと、衆議院議員であることは間違いないからして、こういう問題について私に抗議するということならば、私は御面会をしない、謝絶いたします。私はそういう抗議は直接には受けられません。若し抗議があるならば、参議院議員たる共産党出の方を通じて来て貰いたいということを申したのであります。その人達は敢て抗議じやないということを頻りに弁解しておられましたが、少しでも抗議に亘るような場面に達しますというと、私はそれ以上は私はお話に乗れないということを一昨日ははつきり申上げました。そうしてそれらの議員達も、その点は強く主張はされなかつたのであります。今後も私としてはそういう態度を続けて行きたいと思いまするからして、それを御了承願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  もう一つは、今附加えて申上げまするが、私の室にそういう場合に祕書を連れて来られるということは、これは取締上から言いましても誠に不穏当なことでありまするし、いろいろな誤解を招くことでもありまするし、混雑を来すことでもあります。かるが故に今後はそういうことはないようにして頂きたい。先程も申上げました通りに、責任者が他の責任者に対して交渉をするということは勿論あり得る、勿論のことでありまするが、その際に大勢の祕書を連れて来るということは、礼儀上から言つても私は欠けておるということをはつきり申上げなければならないのでありまして、今後は、これは共産党に限らず、他の党派におかれましても同じように、その点は御遠慮下さるようにお願いしたいのであります。
  122. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は今の議長は問題の本質を脇の方の問題に持つて行つて、本質に一つも触れないで、衆議院代議士が来た、或いは祕書が来たという事実に問題を転嫁してしまつておられて、非常に遺憾に思うのです。我々は、あなたは緑風会におられるから、政党という問題について比較的認識が浅いかも知れんと思う。我々は共産党国会議員団として行動したのであつて、今後とも政党としての抗議を出すときに、ひとり参議院だけに限定して呉れというふうに言われるということは、政党の性質からいつて国会議員団を代表すれば、むしろ衆議院参議院と相携えて行動するということは、他の政党においてもあることで、敢て我々の政党だけではないと思う。それから又祕書についても、祕書は何かその場限りのものではなくて、正規のマークを佩用して、祕書として信用のある者を我々は帶同したので、我々は何もあなたのところに祕密の話に来たのでなくて、堂々たる事実について反省を促すために来たので、特にあなたから要求してあれば、無論祕書を外へ出してもよいと思う。問題は代議士がいたか、祕書はいたかということではなくて、我々の知らない間に、院内秩序は当然あなたの責任において衞視警務部長以下の関係で取締ればいいのに、院内に警視庁の巡査部長が我々の会議のうしろの方に来ていて聞いているということは、私はスパイという意味は付けたことはないのです。院内議長室の秩序を保持するために、どうして警察権を利用されたか。これこそ国会の運用を誤まつているのではないか。この点について反省をすることなく、ただ代議士がいた。祕書がいたということで、他に転嫁することは非常に遺憾だと思います。私は議長室に自分の主宰する衞視警務部長以下の警察機関を利用しないで、警視庁の巡査部長を隣室に置き、且つそれを必要に応じて使うというあなたの行動に対して反対し、反省を促すのです。
  123. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 今の兼岩君の私に対する非難に対しては、附加えて御説明申上げます。私は院内において警視庁の警察官を使うということは、一切そういうことを考えたこともなかつた、又実際やつておりません。
  124. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 現にやつているではないか。
  125. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 單にそういうでき事ができたのは私の命令で以てやつたのではありません。はつきりこれは申上げます。そういう事件が起きたのは、今も申上げ、先程からも申上げました通り、大勢の人がどやどやと私の部屋に入つて来た。それは前以ての通知と違つて大勢の人が入つて来た。最初は二名か、三名そこそこしか面会を申込んで来なかつた。それに大勢がやがやと入つて来たから、私の護衞の任に当つている者が何事が起つて来たのかといつて来たに過ぎないので、私の命令下にやつた行動では断じてありません。(「異議なし」と呼ぶ者あり)又今後私の部屋には入るなということははつきり申しております。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  126. 山下義信

    山下義信君 議長がおとりになつた過去の措置のことは了承しはすが、今の話の中に、今後自分の部屋へは議員だけが入つて、祕書を連れて来るなということをおつしやつたように私は聞いたのですが、これは何かの間違いではないかと思います。これは、祕書は国会法によつて議員に與えられたる。これは附属の祕書でありますので、議員行動するところ常に祕書がこれは相伴うて決して差支えない。議長室であろうと、何であろうと、これは国会議員に與えられたところの祕書でありますので、それを帶同することを今後お断わりになるということは、私の聞き間違いであればいいが、そういう意味で御要求がありましたならば、私は承認できませんので、この点を伺つて置きたいと思います。
  127. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 私の申上げましたのはお聞きになつた通りであります。
  128. 門屋盛一

    門屋盛一君 二つの問題をお伺いいたしますが、これはどういうことが議運にかけられているのですが。(笑声)どういうことが提起されているのですが。兼岩君の言われているのは、国会職員にあらざる者が、国会の中に入つて秩序維持に当つてつたのはいかぬ。併し議長の説明を聞いて見ても、何も秩序維持に当つていたのではない。それから国会と言われますけれども、国会も広いので、本会議場に入つたというのなら問題ですが、特定のところではない。部長室とか、議長の祕書室なんかには、これは市中の人間でも一定の手続をとれば入つて来られる。これは入つたことには問題はない。兼岩議員が言われるような問題点になつたのは、国会衞視以外のものを議長が使つて、何かでき事が起きた場合に警察権を行使させて靜めさせたというような問題なんで、そうでなければ何も問題はない。時間を潰すのは兼岩議員の頭をこれは疑う問題だと思う。(笑声)もう一つ問題は、今山下議員の言われているのは、これは礼儀上のお話ですから、これは私の祕書でございますといつて断わつて入れば入れていいと思うのです。ただ兼岩君の場合はいけないのですが、どかどか入つて来て、これは私の祕書だ、兼岩君の祕書は十人もいないと思います。
  129. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 誰が十人といつた
  130. 門屋盛一

    門屋盛一君 今十人程といつた。十人の祕書がいる筈はない。だからそういう場合に兼岩君が連れて入つた場合は困るが、私なら私が所用を持つて他に行く場合もある。そういつた場合に、これは是非祕書に聞かして置かなければならない用件がある。その場合に祕書を連れて入ることは何ら差支えない。山下君の言つた通りこれはどうも議長の方が分らぬようですね。(散会散会」と呼ぶ者あり)
  131. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 祕書の帶同の件は、今の山下君の御説並びに門屋君の御説に私も承服いたします、その通りに……(「散会々々」と呼ぶ者あり)   —————————————
  132. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) ちよつと待つて下さい。最初に常任委員及び特別委員辞任及び補欠指名に関する件を議題に供したのを途中で止めたのでありますが、前に帰りまして、お諮りいたします。
  133. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 自由党の在外同胞引揚問題に関する特別委員の小林英三君が辞任されて、水久保甚作君を委員に任命されたいという申出が出ております。民主党から予算委員の鈴木順一君、懲罰委員の栗栖赳夫君が辞任されて、予算委員の後任に櫻内辰郎君、懲罰委員には鈴木順一君を指名されたいという申出がございます。
  134. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 只今議事部長の御報告通り認めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  136. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) もう一つお諮りいたします。緊急質問の通告がございます。
  137. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 簡易生命保險、郵便年金積立金運用再開に関する緊急質問質問者は千葉信君であります。所要時間は二十分、出席要求大臣は首相、郵政相、蔵相、かようなお申出でございます。ちよつと申上げますが、時間は小委員会の方でお決め願いまして、ここでは御承認になるか否やを御決定願いたいと思います。(「保留」と呼ぶ者あり)
  138. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 保留することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ついでに申上げますが、御承認になつている田中利勝君の緊急質問でございますが、これは明後日でなくてもよろしいというお申出がございました、つきましては明後日まで特別な議題はございませんが、定例日でございますので、一応念のために御協議申上げるのでございますが……。
  140. 山下義信

    山下義信君 何も議題がないことですから、開くこともないのですから……いいではありませんか。(「散会散会」呼ぶ者あり)
  141. 竹下豐次

    委員長竹下豐次君) 本日はこれで散会いたします。    午後三時四十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     竹下 豐次君    理事            中川 以良君            大隈 信幸君            鈴木 直人君    委員            大野 幸一君            山下 義信君            石原幹市郎君            佐々木鹿藏君            門屋 盛一君            油井賢太郎君            野田 俊作君            藤井 丙午君            兼岩 傳一君   委員議員            藤田 芳雄君            水橋 藤作君   —————————————    議長      佐藤 尚武君    副議長     松嶋 喜作君   —————————————   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務次長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君