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国務大臣(
殖田俊吉君) 私で甚だ不十分かとも存じますが、私は一番その問題にタツチしておりましたので、私から御
説明申上げた方が御
了解を得るによかろうという
総理の
考えから出て参りましたような次第であります。
先ず第一に、その
総理が
参議院を軽視したということは、
総理は決してそういうことを
考えておるのではございません。
法律問題等で、
自分によくできないことであるから、成るべく
專門の者をして事に当らしめるということであろうと思います。決して
国会を軽視したとか、
参議院を軽視したとかいう
考えは毛頭ないということをお伝えして置きたいのであります。それからこの問題の要点は、御
決議の中にございます
参議院に「
増田国務大臣をして終始一貫
一定の
解釈を取らしめたにも拘わらず、
参議院のこれに関する
意思の
決定を見るに及び、忽ち全くこれに相反する
解釈に変更し、本院において
釈明を行わずしてこれを公表した。」という一点にあると思うのであります。この
政府が
国鉄仲裁裁定書に対する
公労法の
條文の
解釈を早く徹底的に決めればよか
つたのでありますけれども、これは初めてのことでありまして、実はいろいろな
解釈が出まして、そうしてどの
解釈が最も徹底的なものであるかという
意見に到達するに多少の時間がかか
つたのであります。そのときその間に
官房長官がここへ出まして
お話申上げたことと、
政府の
最終的決定との間に
食違いを生じたので誠に申訳なか
つたのであります。併しそれは
政府が
政府の
都合のいいような
解釈をとるためにいたしましたのではございませんで、いずれの点からしましても
間違いがないと思われる
決定に到達いたしますために時間を
とりましたのでありまして、殊にその
法律解釈を担当いたしますのは
法務総裁である私でありまして、これが少し努力が足りなか
つたのかと恐縮に存じております。ただ
官房長官は
法律家でありませんのでありますから、極く常識的な
お話をこちらに来て
申上げたのであると、
官房長官は恐縮をいたしておるのであります。併し
政府の
解釈そのものを、私が
申上げておりました
解釈も一遍も変更しておりません。衆
議院の本
会議、
参議院の本
会議におきまして御
質問に答えました
解釈は変更した覚えはないと思
つております。併しこの
法務総裁の
解釈を公表するまでに大分時間がかか
つております。あの
公労法裁定案を
国会に提出いたしましてから、私の
意見を公表します間に相当の時間がありました。その間に、
只今申上げましたような
行き違い、そういう
食違いを生じたのであろうと思うのであります。決して途中から、御
決議がありましたから、それに応じて、それと反対な
解釈をとるというようなことは毛頭ございません。実はそのことを今日
申上げに参りました次第であります。