○河野正夫君 前年の十二月二十四日に、当
運営委員会で
議決をした結果が、
佐藤議長を通じて
政府並びに
総理の方に
申入れがあ
つたことに対する
只今の
総理の御挨拶だ
つたと了承いたすのでありまするが、この二十四日の速記録を
総理が御研究下さればよくお分りでありますが、折角
総理が御
出席なのでこの際我々の考えている点を申上げ、更に我々に
只今の御挨拶では了承いたしかねる点を御
説明を願いたい、こう思うのであります。公企労法の
解釈については、制定以来尚日浅く研究が不足であ
つた、それ故に法務総裁の
解釈が最後には従
つたのであるという
お話でありまするが、我々といたしましては、
相当長い日数をかけて常任
委員会におきましても、又この
運営委員会におきましても、
政府の
議決の求め方についても、更に公企労法十六條第二項の
解釈につきましても、我々の反対的な
解釈を持
つていることを含みとして種々質問をしたのであります。数えて見ると、ある
委員は前後十三回と申しまするが、何遍であ
つたか増田
官房長官、そこにお見えのようでありまするが、はつきりした一定の
解釈をと
つておる。然るに
参議院の
決議の表明があ
つた直後にその
解釈を全く覆すような
解釈を新聞発表なさ
つた、そのことの責任を我々は追及しておるのであります。研究が不足で
解釈が決まらまか
つたので、法務総裁の智慧を拜借して
政府が決めましたというのであるならば、それはもはやずつと以前に行わるべきであ
つて、両院の
議決が行われた後で急に今まで一貫した
解釈を覆すような
解釈をするという
態度そのものが
国会を軽視しているのではないか、
参議院を無視しているのではないかというような我々は
意見を持
つたのであります。その点について御反省を求めたのであ
つて、その点について行き届かなか
つたという御挨拶であるならば格別でありまするが、その点がそういう
意味に了承してよろしいかどうか、
総理の
お答えを願いたい第一点であります。
その次には、
総理は
委員会等に
出席を今後はするつもりでありますというのでありますが、実は
総理自身の御
意思ではなくして、側近者に甚だ人を得ないというお気の毒な状況かも知れませんけれども、とにかく我々の本会議なり常任
委員会に対して
出席を求める我々の
意思が
総理の手許に届いていないのではないかと思う。すでにこの二十四日の
運営委員会において、
委員外
議員として原虎一君から発言があり、その原虎一君の運輸労働連合
委員会における
総理出席の
要求に対して
総理がお見えにな
つたときに、さような話は先程伺
つたばかりであ
つたという御答弁があ
つたそうであります。併しそれはもう四日も前から
出席を猛烈に求めておられたのを
総理が御承知なか
つたとしか我々には了解できない。そういう
意味でこの
総理の
出席ということが、
民主自由党の多数を擁しておられる衆
議院では或いは問題にならんかも知れませんが、
参議院においては、しばしば問題にな
つたのであります。二十四日の
運営委員会の冒頭におきまして、原虎一君の質問に対して増田
官房長官から、本日
総理はここに、この
運営委員会に
出席される約束を忘れているのじやないかという
要求があ
つたのに対して、速記録を読み上げて見ますと、「一言申上げます。原さんの御指摘でございましたが、
総理は本朝は
出席いたしまして、
議院において発言するということを昨日申上げましたが、本日は不快でございまして、ずつと欠席いたしておるような次第でございまして、何とぞよろしく御了承の程お願いいたします。」こういうのであります。その後に私自身も発言して
増田長官の言は信用できない。それ故に
参議院の
院議を以て
総理の
出席を
要求したら
如何であろうか、更に又若しも本当に御
病気であるならば
一つ運営委員会から
総理の許に見舞に行
つたらどうかというようなことまで話が出て来てお
つたのであります。ここにお見えになる左藤
議員が、いや生理的な御
都合であるのにそれは余りであるから、勘弁して貰いたいというような話で、この二十四日の会議は午後十時三十六分を以て閉会しております。然るに十二月二十五日の朝日新聞を見ますると、その午後八時不快で我々の
要求に応じなか
つた総理は、衆
議院の
民主自由党の部屋において保守合同について
演説しておるのであります。このことは
総理は御承知であるかどうかということを先ず伺いたい。つまり我々がかくも熱心に
要求をし、而も
総理の手許に届くところの
佐藤議長を通ずる我々の
決議がなされておる、その会議が持たれている最中に不快であると側近者が言うにも拘わらず実は登院し、
民主自由党において保守合同の問題について
議員総会で
演説をしておられる、こういうことはつまり我々の
要求を知
つてそういうことをなさ
つておられたか、この点を第二に明瞭に
お答え願いたい。
第三に、これはすでに二十四日の
官房長官の
出席を求めたときにも我々が
説明を
要求したのでありましたが、十二月二十二日丁度原虎一君が運輸労働連合
委員会において
総理の
出席を猛烈に
要求してお
つたときに、
総理は
病気で寢ておられる、強いて出られませんという
お話があ
つた。而もその
委員会の
開会しておる丁度同じ時刻に銀座で某外人に対してクリスマス・プレゼントを買
つておられる新聞の写真が堂堂と撮られておるのであります。こういう点が
国会を侮辱するも甚だしいと我々が憤慨しておる点でありますが、この点について、二十二日の行動についての御
説明を伺いたい。
最後に思うにこういうふうに我々の
意思というものが
総理の許に通じない、通じておるとすれば
総理と共謀であるか、或いは單独であるかは存じませんけれども要するに嘘を
言つておる。こういう嘘を言うような者を側近者乃至は
国務大臣待遇として、(笑声)
国務大臣として
政府に列ねて置くという
政府の責任について承わりたい。