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理事(
竹下豐次君) 私から
ちよつと御
報告申上げたいのであります。昨年中懸案と
なつておりました
專門員の格付の問題も、
議長、副
議長、その他の
選考委員の御盡力によりまして、去る十二月二十六日に正式に
決定されたのであります。直に発令の運びになりましたことは、すでに皆様御承知のことと存じます。これら
選考委員であられた高田
運営委員長に
代りまして、私から右の
決定を見るまでの新
給與実施本部との折衝の経過を御
報告申上げたいと思います。
先ず新
給與実施本部から十一月十六日附の書面を以て
專門員を十五級一号乃至三号に格付する旨の通知がございました。この文書が参
つたことを
事務総長から
議院運営委員会に
報告され、
委員会の
決定に基いて、
議長、副
議長、
議院運営委員長、庶務小
委員長、
内閣及び人事
委員長並びに
事務総長の七名からなる
選考委員会が設けられたのであります。この
選考委員会は、十一月二十五日に第一回の会合を開きましたが、会合の直前に、新
給與実施本部から先の通牒の差換えが参りました。その内容は、十六日附のものに追書が付いたものでありました。追書には「追
つて現在
專門員である者を指定された級及び号に格付けするについては、当本部長の
承認を求められたい。」と書かれてありました。
選考委員会は、この追書の法的性格を檢討しました結果、政府職員の新
給與実施に関する法律第十一條及び政令第六十六号第十二條の二に基く新
給與実施本部長の当然有する権限を書き添えたに過ぎず、従
つてこの追書は、念のため的のものであるとの結論に達しました。そこで
選考委員会といたしましては、十一月二十八日に第二回の会合を開きました結果、従来からの
議院運営委員会及び常任
委員長懇談会の御意向を貫徹して、
参議院の
專門員はすべて十五級三号に格付けすべきであるとして、全部十五級三号に格付れされたい旨を参考資料を添えて
給與本部に
申入れることを
決定いたしました。但しこの際一名だけは当人の経歴、その他の点から見て、十五級に格付けするのは聊か尚早であると考えられましたので、この一名は
給與本部との
交渉から一応外して置きました。
事務当局は、前述の
選考委員会の
決定通り、直ちに
給與本部に一切の資料を添えて
申入れたのでありましたが、
給與本部側からの回答は、
事務当局度々の照会にも拘わらず、なかなか参りませんで、十二月の十四日午前になりまして漸く
事務当局に対して
給與本部の内示があ
つたのであります。そこで
選考委員会は、早速同日夕刻会合いたしまして、これを檢討いたした次第であります。この内示の内容は、当方の
申入れとは非常に違
つたものでございまして、即ち十五級の三号は四名、二号は十三名、一号は十一名、残りの十三名は十四級以下に格付けする。尚発令の日附は最初の書面の日附即ち十一月十六日とするというものでありました。
事務当局からの御説明によりますと、
給與本部は、右のような格付けの規準としましては、これまでの
專門員としての経歴は全く考慮に入れず、それまでの官民歴を一定の形式的標準に照らして分類したものでありました。同日の
選考委員会では、この
給與本部側の意向に対して、これでは各人の実力は全く考えられていない点、或いは現在までの
專門員としての経歴が無視されている点等を指摘して、この内示に対して非常に強い不満が全部の
委員から表明されたのであります。そこで直ちに
給與本部長である増田
官房長官の
出席を求めまして、約二時間に亘
つて、これまでの
参議院の
專門員制度に対する
考え方を縷々説明いたしました。その結果、
官房長官も
衆議院に対する
取扱も考慮しつつ再考することを約束されました。よ
つて選考委員会としましては、
官房長官の回答を待つかたわら、重大な段階に参りましたので、翌十五日の
議院運営委員懇談会に取敢ずこれまでの経過を
報告し、更に十六日に開かれました常任
委員長懇談会にも同様の
報告をいたしたわけでございます。同日の庶務小
委員会でも、この問題についていろいろ御論議がありましたということで、それを考慮するためもありまして、
選考委員会を十七日朝再び開きまして、いろいろ
意見を交換いたしましたが、庶務小
委員の
方々の御
意見も、結局根本においては、
選考委員会の
考え方と変らないと認め、既定の
方針に沿うて進む以外には、この際とるべき途がないことを確認いたしました。その中新
給與実施本部の廃止されるときも迫
つて参りましたが、
官房長官からは、依然回答がありませんので、二十四日に長官の
出席を求めて
選考委員会を開いたところ、長官から再検討の結果、
参議院は十三名
予定されていた十四級以下の者の中から二名を十五級の一号に格付けすること、十四級以下の者も、将来一定期間の後には十五級に昇り得るとする旨が明らかにされました。
給與本部としては、これ以上変更する意思のないことが明らかになりましたので、
選考委員会は、十四級以下に格付けされた者も、将来十五級に昇り得ることを本書にはつきり入れることを要望して別れました。越えて二十六日更に
委員会を開きまして、
給與実施本部で
準備中の本院宛の格付の公文の写し、これはお手許にお配りしてある公文と同様でありますが、予め取寄せて最後的検討を加えました末、
給與本部もすでに二十四日を以て廃止されておるこの際は、
給與本部の
決定を
承認すること。尚
給與本部が格付の際に、現在までの
專門員としての経歴を考慮しなか
つたのであるから、この点を今後
給與本部の
事務を引継いだ人事院と
交渉することに、
委員の
意見が一致を見た次第であります。かくて同日午後公文の送付を受け、直ちに発令をいたしました。
右が
專門員の格付の
決定を見るまでの
交渉経過の概要でございます。尚私は高田
議院運営委員長が海外御出張の御
予定でございましたので、特に招集を受けまして最後の
選考委員会に参加した次第でございます。
以上
選考委員会といたしましては、所期の目的を実現できなか
つたことは誠に残念に存じますが、右様の経緯を通じ、
議長初め全部が非常の努力を拂われ、
官房長官とも再三直接に折衝した末に、右のような結果に落着いた次第でございます。簡單でございますが、右御
報告いたします。
何か御
質問がございますならば
事務当局から……。