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1949-12-24 第7回国会 参議院 議院運営委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十四日(土曜 日)    午前十時三十九分開会   —————————————   委員の異動 本日委員島村軍次君、小林英三君、小 串清一君及び左藤義詮君辞任につき、 その補欠として宿谷榮一君、中川幸平 君、中川以良君及び堀末治君を議長に おいて指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般労働問題に関する実地調査のた  めの議員派遣要求の件 ○鉱害状況実地調査のための議員派  遣要求の件 ○公労法第十六條の解釈について総理  大臣増田鈴木国務大臣責任  に関する緊急質問の件 ○国会法第三十九条但書規定による  国会議決を求める件(広島地方專  売公社調停委員会委員) ○吉田内閣総理大臣に対する出席要求  に関する件 ○金融政策並びに制度に関する調査承  認要求の件 ○地方自治庁設置法第四條第三項の規  定による地方自治委員任命につき同  意を求めるの件 ○地方行政調査委員会議設置法第五條  の規定による地方行政調査委員会議  委員任命につき同意を求めるの件 ○秘書の年末手当に関する件 ○常任委員会職員旅費制限外支出の  件 ○公労法解釈に対しての政府声明  に関する件 ○第七国会における予算案法律案等  の提出計画等に関する件 ○公共企業体労働関係法第十六條第二  項の規定に基き、国会議決を求め  るの件に関する件 ○休会の件 ○政府参議院軽視に対して反省を求  める決議に関する件 ○庶務関係小委員補欠選任の件 ○庶務関係小委員長報告議院運営に関する件   —————————————
  2. 高田寛

    委員長高田寛君) それではこれより議院運営委員会を開きます。最初に議員派遣要求の件をお諮りいたします。
  3. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 労働委員長からの御要求がございまして、一般労働問題に関する調査として、派遣議員平野善治郎君、派遣期間は来月の六日から二十日までの内十日間、派遣地は北海道、費用概算は一万二千円。  それから次は通商産業委員長からの御要求がございまして、鉱害状況調査議員は重宗雄三君、駒井蔵平君、派遣期間は一月四日から同末日まで六日間、概算費用は一万四千四百円です。
  4. 小林勝馬

    小林勝馬君 従前の例に倣つて承認いたします。
  5. 高田寛

    委員長高田寛君) 派遣要求承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 高田寛

    委員長高田寛君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  7. 高田寛

    委員長高田寛君) 次は緊急質問の件をお諮りいたします。
  8. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 緊急質問が現在二件出ております。一件は社会党の原虎一君から、公労法第十六條の解釈について総理大臣増田鈴木国務大臣責任に関する緊急質問、時間は二十分、要求大臣総理大臣官房長官、それから労働大臣、それからもう一つ緊急質問は、共産党の板野勝次君から、統制撤廃に関して十五分間、要求大臣総理安本長官大蔵大臣通産大臣、以上二件の緊急質問が出ておりますから、報告いたします。
  9. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕の方はちよつと都合が惡いから取消します。原委員の方を十分な時間を與えられんことをお願いたします。
  10. 高田寛

    委員長高田寛君) 御了承を願えますか。
  11. 小林勝馬

    小林勝馬君 承認いたしましよう。
  12. 高田寛

    委員長高田寛君) 原君の緊急質問承認することに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  14. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を始めて。それでは国会法第三十九條但書規定による議決要求に関する件をお諮りいたします。それでは先ず官房長官から一つ説明を願います。
  15. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 広島地方專売公社調停委員会委員中原健次君を委嘱することにつきまして、国会議決をお願いする次第であります。これは御承知公共企業体労働関係法の第二十一條によりまして、三名の委員を委嘱するわけでございますが、その一人であるところの中原健次君が国会議員でございますから、国会法第三十九條によつて同意承認を得るために提案いたした次第であります。御参考までに申上げますと、公社側代表として、三菱造船株式会社広島造船所の副所長平岡正哉君であります。中立といたしましては、三菱造船株式会社広島造船所の副会長三宅清君であります。組合側代表として衆議院議員中原健次君が選ばれた次第であります。御承知通りこの中原君を選ぶにつきましては、労資が五名の候補者を相手方に出しまして、そうして労働組合側の五名の中から公社側の方で一名を選んだ、こういう形でございます。それから公社側の方の候補者労働組合側に提示いたしまして、労働組合側が、今申上げました造船所の副所長を選ぶ。こういう関係になつておる次第でございます。
  16. 高田寛

    委員長高田寛君) 何か別段御質問ございませんか……、それではこれの承認を與えることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは御異議ないものと認めます。  それでは何か官房長官に対して御質問が別段ございませんか。
  18. 原虎一

    委員外議員原虎一君) 委員外質問をお許し願いたいと思います。官房長官つて貰いたいですね。
  19. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは今原君から委員外質問要求されましたが、承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは原君。
  21. 原虎一

    委員外議員原虎一君) 官房長官参議院議決要求して置いて、直ぐお帰りになろうとしておられましたが、忘れものをしてはおりませんか。
  22. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 一言申上げます。原さんの御指摘でございましたが、総理は本朝は出席いたしまして、議院において発言するということを昨日申上げましたが、本日は不快でございまして、ずつと欠席いたしておるような次第でございまして、何とぞよろしく御了承の程をお願いいたします。
  23. 原虎一

    委員外議員原虎一君) 厚顔無恥と言いますか、かくまで議員を愚弄するに至つては言う言葉がありません。今日私がこれを申上げますことについては、ほぼお分り下さつておることと思いますが、高田委員長から経過の御説明がありませんので、私から運営委員の各位に簡單に申上げまして、私がなぜこういうことを申しておるかということをお分り願いたいと思います。御承知のように本国会におきましては、国鉄裁定の問題に絡んで、非常に紛糾いたし、これは国会の紛糾のみでなくして、国家社会に非常な影響を及ぼし、又新世界労連がロンドンで結成せられますに際して、日本労働側代表五名が行つております関係もありまして、この国鉄仲裁裁定の履行を、日本政府がどうするか、労働組合合法範囲内において如何なる行動を採るかということは、世界の注視の的でありまして、これが非常に国会審議に重要な問題であることは御承知通りであります。ところが法律解釈、殊に公企労法を作るときの労働大臣は、増田官房長官労働大臣をしておつた。その解釈に、政府の現在の労政局長解釈政府解釈が全く違つている。こういう問題が起きて来ました。これを明かにし、その責任を明かにするには、総理出席しなければできんのであります。で私は労働委員会決議を経まして、二十二日に総理出席運輸労働連合委員会にするように要求したのであります。そして二十三日に運輸労働連合委員会が午前十一時十五分と記憶しますが、開かれた時に、中山委員長から次のごとき報告がされた。それは速記によつて申上げますが、「今日の議題は、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き国会議決を求めるの件で、昨日吉田総理出席要求になつておりましたが、只今聞いて見ますと、今朝来感冐気味で、官邸に休まれておりますから、その代りに増田官房長官出席になつておりますので、これもちよつと御承解を願つておきたいと思います。そういう連合委員会である」云々となつております。これは私が責任がありますから、では総理はいつ出席できますかということを重ねて質問しましたら、委員長から本日は御出席ができないそうでありまするが、明日のことは明朝の御容態によつて決まるらしいのですが、今日からちよつと予測できないという官房長官お話であります。こうなつております。そして昨朝、それで審議は重要でありますから私は出席を強く要求いたしまして、審議に入りましたのですが、昨日の朝になつて来ますというと、皆さん承知のように、丁度私共が一生懸命に審議をいたしております午後三時頃、総理大臣は銀座の某店で、麻生太賀吉夫人和子さんと御一緒に、銀の小船を御所望になつて銀ぶらをされておつた。これを私は、責任官房長官に追及したくなかつたのでありますけれども、官房長官は昨日一時に開かれる委員会に、二時十五分まで一時間十五分待たせておいて、出席しておいて釈明をしないから、私が追及しましたところが、写真の出ていることは事実でありまするが、あれは風邪を引いて咳に耐えないので、医者行つた帰りに、お孃さんとちよつと銀の小船を買いに行つた、この写真はちやんと総理に示して、私はどうして出席してくれなかつたということを言つたのです。誠に相済みませんということは言われました。併しですね、この官房長官答弁によりますと、非常に渉外関係官房長官も忙がしくて、委員会は一時から開かれるにも拘らず、出席しないために二時十五分まで我々待つた。ところが、今日の新聞を見ますというと、犬養総裁入党問題でえらい御協議をなさつて時間を潰しておつたようです。それから総理渉外関係で来られないと言いますけれども、渉外関係は私はGHQと交渉するということと思つておりますけれども、日本語が変つたのか、犬養総裁と懇談されることを渉外関係、成程渉外かも知れませんけれども、(笑声)こういうことになつている。これは昨日の委員会総理出席連合委員会決議要求するより外にないという、こういう状態になつたのでありますが、官房長官はもう一回責任を持つて総理出席を交渉してみるから待つてくれというので、三時から四時まで待ちました。一時間。やつて来て、出席されてどうしても今日は出られないから明日なら出る、こう言う。そこで今朝まで総理出席を待つて委員会総理出席を待つことになりますれば審議は非常に遅れますので、特に緑風会の御所望がありまして、この問題は議事運営に関する重大な問題である、勿論公企労法審議に大なる関係がありますけれども、議院運営上の大問題であるから、高田運営委員長了解を得て、中山委員長と御協議の上、又全委申了解の上に本問題は運営委員会において審議するということになりまして、今日の審議になり、その際官房長官は、必ず明日は総理出席いたしますということを言明いたしたのであります。高田委員長は、運営委員として連合委員のこの状態は十分に御存じの筈であります。私の言うことに間違いがあつたら、官房長官指摘願いたい。私はたびたび委員会で言いましたけれども、浅学にして菲才であります。併しながら政治は法の解釈をごまかしてできるんじやあありませんぞ。何事です。労働者への欺瞞じやないですか。国民を瞞したじやないか。一片の良心を持つならば、議員は憤慨せずにおられるか。馬鹿者、退席しろ。
  24. 高田寛

    委員長高田寛君) 原君ちよつとお言葉をお愼しみ願いたいと思います。
  25. 左藤義詮

    左藤義詮君 只今の御発言中、馬鹿者という言葉……。
  26. 原虎一

    委員外議員原虎一君) 詭激の点がありましたら、私は取消します。
  27. 大野幸一

    大野幸一君 原君は委員外発言を求められましたが、私は運営委員として官房長官にお尋ねします。  先ず日本民主化のために、国会というものは尊重して貰わなければ困るのです。或る意味においては参議院議長権限を無視されております。一体参議院というものに対して、どういうふうな観念を持つておいでになるのか疑わざるを得ないのであります。この点は参議院民自党に人であると雖も、私は内心考えて憂慮されていると思うのであります。こういう意味において、今、原議員言葉はやや不穏当があつたというかも知れんが、併しその不穏当思つて取消しを求めるだけではいけません。やはり民自党のお方のこれは責任であるということを一つ考えて貰いたい。形式上は不穏当であつたかも知らんが、国民を思えばもつとそれ以上の忿懣があるのが原君の私は情熱であろうと思う。この情熱があつて始めて国民のためになる政治ができるのであろうと思う。原君の取消しは、決して取消しをしたからといつて、それが総理大臣反省の不必要ということには全然ならないということを、増田官房長官、あなたは昔は官僚であつたかも知れない。併し今は国会議員として、吉田さんもあなたも共に国民代表としに選ばれておる。何が吉田さんがこわい。国民に対して済まないと思えば、吉田さんに国民代表の我々の意見を述べることは、私は差支ないと思う。聞くところによると、ずつと前のことだつたと思いますが、どうも総理は四五日前から出席要求しておるが、どうして出て来ないかと言うと、いや私は今朝聞いたので、今まで知らなかつた、側近の人が伝言しないのじやないか、こういうことまで我々は考えざるを得ないのであります。  そこで私は今質問をしたいことは、今朝私に対して、昨日一日の吉田首相行動日記が配付されました。何日新聞によりますると、午前、正午、夜の日記が明らかになつております。これを私が読み上げますから、この日記に間違いがあるかどうかを一つ答弁願つて、そして吉田首相の昨日の不出席理由があるかないかということを、議院運営委員会参考にしたいと思いますから、事実についてお答え願いたい。  午前の日記といたしまして、毎日新聞はこういうことを報道しております。「二十三日朝の外相官邸連絡会には特に林副総理益谷建設相及び星島総務会長らが出席、これに増田官房長官廣川幹事長佐藤政調会長が加わり、吉田首相から犬養派入党の止むを得ない事情を述べ、党内の緩和に全力を盡くして欲しいとの発言があつた。その際林副総理益谷建設相から民主党一本化工作新政協新党問題等を含む大局からの政界情勢について見解が述べられた。」  次いで正午の日記があります。「次いで同日正午には首相官邸長老懇談会を開き、更に院内では役員会を招集して犬養派入党問題を中心に論議した。役員会では廣川幹事長大野氏等の反対派の矢面にたたされ一せい攻撃をあび混乱した。」  「更に二十三日夜外相官邸吉田首相は林副総理益谷建設相大野顧問と七時三十分から九時まで晩餐を共にしながら会談したが、席上吉田首相犬養総裁等入党決意について三氏の意見を聽取、入党実現について三氏の協力を懇請した。大野氏又は同日午後幣原議長院内に会談し意見の交換を行つた。」  これで明らかに吉田首相は一日を何に費していたかということを、私達はこの新聞を通じ承知したのですが、この記事に間違いがあるかないか。こういうことであります。
  28. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 本日総理出席いたしまして、一昨日、原さんは昨日のようにおつしやいましたが、一昨日出席できなかつた理由等について釈明申上げますということは、昨日私が運輸労働合同審査会において申上げた次第でございまするが、本日は不快でございまして、重ねて皆様出席できかねる点を御了承を願う次第であります。それから一昨日総理出席できなかつた理由等を、私運輸労働委員会において詳細に事実ありのままを申上げて御了解を得たような次第でございまするが、御納得が行きません節々がありましたならば、更に御指摘に応じまして申訳をいたしたい、こう考えております。それから今大野さんから、毎日新聞日記的な記事があつた、これに対して所見を問うというお話がありましたが、今お聽きしておりますと、昨日の午後のことは一つも書いてないようであります。昨日の晝餐後、午後七時半頃までの記事はないようであります。晝餐後院内役員会へ出た事実はございません。むしろ私は原君によくお話しております通り、昨日の合同審査会におきまして、即ち内閣の閣議には十一時から出席いたしておるのであります。それから晝餐会へ出まして、それから外相官邸へお帰りになつて渉外関係のことについて忙殺されておつた次第であります。その関係のことはむしろ他の新聞に、最後の関係でございまするが、出ております。これは渉外関係のことであります。そういうふうに、昨日は極めて多忙でございまして、いわば忙殺されておつたよう状況にございます。  それから参議院の、或いは国会の尊重問題でございまするが、私は努めて出席さして貰つておるつもりでございます。殊にこの前の国会におきましては、又今度の四日から始まりました第七国会においても同様であります。大体において総理は健康でありまして、軽い喘息気味はございまするが、努めて出席いたしております。例えば、例を申上げますというと、この議運におきましても出席要求があつたときはそれぞれ応じまして、衆議院議運の方においてむしろ出席要求があつたときに、渉外関係で出られなかつたことはございますが、こちらで出られなかつた場合、やむを得ない場合もあつたかと思いますが、大体において議運皆様の御要望に応じまして出席いたしております。二回出席いたしたと私は記憶いたしておりますが、その関係で、衆議院議運から実は私叱られた。向うへ一回も出られなかつたために叱られたというようなこともあるのでございまして、総理国会を最も国権の最高機関として尊重申上げておること、我々と同断であります。
  29. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は、総理の非民主的な傲慢な、国会審議に対する不誠意な態度については、いずれ又本会議その他において、同僚議員がおられるから、そのことそれ自身は根本的な問題で、僕はこの席では保留いたしますが、これに関連して、私は増田官房長官態度に根本的に間違つた点があると思う。それは、食確法のときに一番それがよく現れて来て、今度のときにも又現れておるし、この問題は、私はそのときに述べようといたしましたが、議場の進行があのような状態であつたので述べられなかつたので、簡單に、遡るようでありますが、今私が申上げるのに非常な必要なことであるから申上げたいと思いますが、今月の三日に食確法審議が未了に陷つた、あの日に、驚くべき乱暴な非民主的な吉田総裁の談話が発表されたことは申上げるまでもありません。このことと関連して、増田官房長官がこういうことを言つておる。参議院委員会審議もせず、所管大臣提案理由も聽いていない。この状態では、審議権放棄であるとしか見られない。総理の驚くべき乱暴な声明の日、尻馬に乘つて又驚くべきこういう、我々が審議権放棄をしておる、参議院審議権放棄をしておるかのごとき言辞を弄しておられる。ところが実際はどうかといいますと、先ず第一に、出て来られる二人の大臣意見がまるで食い違うということ、それから大臣出席が非常に遅くて、さて質問しようとするときには席を外ずしてしまうということ、さて折角来ておつて、いよいよ一人々々の大臣に突つ込んで見ると、食糧政策に対する根本的な数字も、根本的な政策も、根本的な見通しもないということ、従つて明快に答弁ができないということ、與党出席が非常に悪かつたということ。これは食確法関係です。かような事実を無視しておいて、恰も参議院審議権放棄しておるというような言い方を、堂々と官房長官談としておられる。このような性格を持つた総理に配するに、このような性格を持つた良き官房長官、それでこの銀の小船の問題になるのですが、(笑声)あなたは二十二日に、病気である、喘息である、不快である、いろいろであるというふうに言つておられたのですが、御当人は、ところがオーバーの背中を丸くして、W店の二階に上つて行つたということ。これについて、あなたは連合委員会で縷々説明したと言われるれけども、これは單に二つの連合委員会公労法の問題、これは公労法問題自身重大性の外に、議院運営において重大な問題だと思うから、僕はこの点は明瞭にして貰わなければいけないと思う。つまりあなたは病気だと言われるのに、その言葉と全く反対のことが行われておる。つまり一方においては、五十万労働者の当然の権限が、非民主見な吉田総理の言によつて蹂躙されておる。そのことは、我々参議院が愼重審議するために総理出席要求しておる。ところが総理病気だとあなたは庇つて、そういう言を、他の言葉に託してこれを保護しておる。誤つた保護だと思うが、保護しておる。実際にそれを新聞において堂々と全国民の前に暴露されておる。こういう責任は前の食確法において、我々参議院議員審議権放棄しておるというがごとき、驚くべき乱暴な反対の誹謗を敢てする官房長官が、その民主勢力に対する驚くべき傲岸さと、保守勢力に対する驚くべき屈従を敢てするこの古い性格総理間違つた行動を、かくのごとく間違つた弁護の仕方において、そうして参議院審議を——我々同僚議員審議を十分行使して、国民代表たる実を挙げようとしておるのに、このようなことをされたというこの三日間を、食確法とずつと関連して考えて貰いたい。この責任、この政治的責任総理でなくて、官房長官はどういうふうに取つて、我々参議院に答えられようとするか。それを一つ答弁願いたい。
  30. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 兼岩さんにお答え申します。このことは、昨日運輸労働合同審査会において、詳細に御説明申上げました次第でございまするが、いずれにおいても明瞭にする必要があることは兼岩さんの御意見と全然同感でございまするから申上げます。  二十二日でございまするが、この日の朝は、私はいつも大体行政事務、或いは政務関係報告に参るわけでございまするが、話をしている際も終始咳込んでおりました。この状況は、前の参議院の本会議にいつか出席されまして、どうしても総理が終始いなくてはならんような、確か私は……議案を私忘れましたが、そのときでございます。終始それを手に取つて、殆んど一時間半咳ずめであつたことを参議院皆様は御認識遊ばしたことと私は存じておるのであります。約二月ばかり前でありましたが、ちよつと忘れましたけれど……。  一昨日の朝は丁度そういう状況でありまして、もう話もできない。見ていても気の毒でありまして、半分言つては咳をし、三分の一言つては咳をしてしまうという状況でございまして、今日はどうだというから、もうこれは無理でしようと申上げた。話をすることも発作的でできない。そこで私はこの写真記事を見たのは昨日の朝、それで先程原君にお答えしたように、私は「こういうような新聞記事が出ておりますが、如何なさつたのですか」と聞いたのですが、総理大臣が答えておつしやるには、どうしても咳が止まらんし、医者処置を聞きに行つた。ところが処置を受けると発作的なことが止まるということは皆さん御存じのことと思います。その際に、クリスマスも迫つておる。渉外関係から物を沢山貰つておる。お返しもしなければならんこともある。この記事とは違うけれども、そういうような物を買うということのために寄つたことは事実である。買物その他の関係はこの新聞記事とまあ同じではないけれども、何とかいう店に寄つたことも事実であります。五分間寄つたことも同じである。その点は或いは誤解を起こすかも知れんから、悪しからず御了解を請うてくれというので、昨日私は皆さんに御了承を請うた次第でございます。
  31. 原虎一

    委員外議員原虎一君) 増田官房長官答弁を私はこれ以上聞く必要はないと思います。私は参議院の今後の運営のため、又過去における、私が第五国会におきまするところの運営委員経験によりまして、高田委員長運営委員として一緒に第五国会運営に当られました。梅原眞隆委員長は、病気で出られないようになつたところのあの参議院経験、それから亡くなられましたけれども、松平議長不信任案を出さなければならんように我々がなりました。甚だ残念でありますが、松平議長の間に我々の同僚の懲罰問題を議せなければならん、これを決定しなければならんことは、恐らく地下に在る松平議長は残念に思つておられると私は思うのです。而も吉田総理の先輩であります。私は佐藤議長を又再びそういう参議院に汚名を残すような立場に置きたくないから、高田委員長に特に昨日お願いし、運輸委員長に対してもお願いし、同時に先輩各位の御賛成を得て、運営委員会に移した次第であります。と申しますのは、増田官房長官は、即ち第六国会の終りに、吉田総理が、国会を顧みてという野党攻撃の声明を出されたと同じような、類する声明を本年五月二十二日にやつたのであります。私がそれを質問したときの速記録であります。簡單に要点だけ申しますが、これは野党が審議を妨害しておるという、而もそれは参議院らしいという判断ができる新聞記事を発表したのであります。その中のことについてま……中の一部分を申しますと、重要法案の審議を妨害する動きが野党の一部に見られるのは誠に遺憾だ。法案が審議未了となつたり、公布が遅れるようなことになることは国務に支障を来たし、国府を澁滯させる原因である。審議の澁滯が全部野党にあり、その責任高田運営委員長運営委員としてこの質問のときはおられた筈で、出席表に出ております。そうして今度は例の五月二十八日でありますが、誠に私共遺憾千万な出来事ができ、我々同僚を懲罰しなければならん、或いは松平議長を不信任しなければならんというようなことが起きました。このときにすべて野党に責任があるが如く政府言つておる。併しながらその当時嚴正中立を守り来つたところの、守つて来られたと自負されておるところの緑風会の奥むめお運営委員は、我々退席した運営委員会の後でこういうことを言つておる。こういう重要法案が沢山控えて、段々日時がなくなります。こういう際に吉田総理大臣が一度もこちらにお見えにならない。そうしていろいろな難関を控えておる場合に、政府態度が非常に冷淡である。参議院を無視しておると。私も全くそういう気持を持つて今日まで参りました、と御婦人の奥むめお君がかくのごとく断言をいたしておることは、同会派におられる高田委員長御存じの筈であります。而して今日ここで又運営委員会かくのごときことを論ぜねばならん。再びこういう問題をして佐藤議長責任を負わすようなことはしてはならんのであります。従つて私は官房長官の昨日から今日にかけての態度と御答弁、御説明、もややこれ以上我々は愚弄されたくない。どこまで我々議員を侮辱されているか分らない。このことは佐藤議長初め松嶋副議長も銘記されたい。参議院の権威のために、法を守る番人の勤めをする参議院のための、どうか運営委員長として適当な処置を採られんことを切望いたします。私はこれ以上総理のいない所でものを言う必要もありませんし、これ以上私は申上げません。
  32. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今の増田官房長官答弁があつて、甚だ不十分な答弁で僕は満足できないのでありますが、食確法のことに僕は触れたんですが、もう一つ前の定員法の時にもこの問題のためにあのような混乱が起きたんです。続いて食確法、次いで今度の公労法と一貫して総理態度、この国会に対する、特に参議院審議権に対する総理態度の怪しからんことは、もうここで繰返す必要はないと思うのです。ただ私ははつきりして置きたいことは、そのような総理の誤つた傲慢な不逞な態度増田官房長官が補助するように見えて、実はそれを助長しておるのではないかという一点であります。つまり先程私が縷々申上げたのもその点に対する官房長官の明快な答弁が聽きたいために僕は質問したのでありますが、それに対して答弁がなく、この銀の小舟の問題にしても官房長官は老齡な、時代認識を誤つた過去の政治家である吉田総理を助けて、そうして組閣をしておられる以上、八十万国民の要望に副うために、参議院審議権を十分行使させる方向に内助の功を盡すのではなくして、総理をして銀座に行かしめたり、或いは少し体が惡いと大磯へ送るような、そういうような方向に助けることを以て官房長官の任務としておられるとしか考えられないのです。その意味で私はこの新聞で明らかにされたあなたの間違つた説明、間違つた弁護等々に対して、官房官長という政府上重要な責任にあるあなたが、どういう責任を取るか。ただ済みませんでしたと、子供のような、小学生に似た言葉であなたの政治上の責任は盡きていないと思うんです。それも定員法、食確法公労法と三回続いて同じようなことが、段々惡い形において、一層怪しからん形において、一層国民並びにこの参議院審議権を侮辱する形において出て来ておる。それから、それに対してどういう官房長官として政治的な責任を取られるかをこの議院運営委員会において表明して欲しいということが一点。それからもう一点、これから後刻同僚の原委員総理自身に対して、総理自身責任を明らかにするような緊急質問をする予定であることを先程この委員会で決定したのでありますが、その場合に相変らず風邪であるとか、或いは軽い喘息気味で等々と言つて出ないことになると実に重大な問題だと思うのです。その点が第二点。そういうような形で総理が出られないで、又それをどういうふうな形であなたが内助の功を盡して、そうして審議権を軽んじられるかどうか。この二点を明らかに答えられんことを望む。
  33. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私といたしましては一生懸命良心の命ずるところに従つて補助しておるつもりであります。兼岩さんの言われる大磯行なども、激務に携わつておる人はむしろ国家のために、普通の労働者でも労働力の再生産のためにそれぞれの休養を受けておるのですから、私はレクリエーシヨンは許さるべきだと、こう考えます。
  34. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今日の第二点……。
  35. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 本日は先程からたびたび申上げております通り総理は昨日は出るとおつしやいましたけれども、今朝不快でありまして休んでおるのが実情であります。
  36. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 質問を打切ろうと思つたのですけれども、レクリエーシヨンの問題が出たので一言。これは簡單な問題じやない。僕はレクリエーシヨンに行かれることをそのことを何ら非難したのじやない。銀座に行かれることそのことを非難した覚えはない。一方において我々が幾十万の勤労者、幾百万、幾千万の国民の重大問題を審議するために、夜を徹し議場において審議のために総理要求しておるときに、風邪と称して大磯に行き、或いは銀座に行つておるということは、特にその中でも重要なものである幾百万の労働者、勤労者の首切に関係する定員法の問題、それから幾千万の全日本農民の運命に関係する食確法、それから組織労働者の最も中心的立場を占めて我が国産業の基幹的立場にある国鉄労働者公労法に関する問題、そのような問題のときにレクリエーシヨンと称して大磯に行き、風邪と称して銀座に行くという、そのことを攻撃したのです。あなたの、レクリエーシヨン一般を非難したという詭弁を弄して私の正論に答えられることは甚だ怪しからんと思います。
  37. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 総理出席要求がある場合は何々と称して行くということは、これはよくないと思います。これはそういうことはないのであります。併し将来は我々十分注意して補助をいたしたいと思います。
  38. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 称すると言つて……、あなたはそれじや二十二日に風邪であつて、甚だそれが違つていかんということは、事前の打合せはなかつたのですか。
  39. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先程申上げました通り総理はこの事実を否定しておることはございません。はつきりと認識して、併しながらこれこれの理由であると、もう繰返して申上げませんけれども、五分間ばかり立ち寄つた事実は総理は完全に認めております。家に帰つて臥せつたが、途中でどうしても自分で選択しなければならん、ということは渉外関係や、プレゼントなどのこともあるわけで、止むを得ず立ち寄つたということはあるが、但し写真に出てみれば世の中の人は誤解しますし、国会皆さんも誤解する。この誤解を犯した点は悪しからず御容恕を請うてくれということですから、私も皆さんに御容恕を請う次第であります。
  40. 河野正夫

    ○河野正夫君 後で提案をしたいのですが、最初の増田長官の言葉で一点だけ伺いたいと思います。大磯行などのことについて、首相の行動について、増田長官は今御自分の感想を述べられましたが故に、二十二日の首相の行動の弁護は今聞きましたが、長官自身がこの点についてどう思われるかということについて伺いたい。と申しますのは、成るほど病気で行かれたのかも知れんとしましても、更に渉外関係のクリスマス・プレゼントを買う必要があつたかも知れんけれども、一国の総理として、特に国会開会中重要な案件を上程しておる際、而も出席を求められることは明々白々なる場合に、医者に行くというのは止むを得ないかも知らんが、その帰りであろうとも、五分であろうとも、そういうものを買いに立ち寄つて歩くということの不謹愼であるということを私は思つております。その点について長官はこれもレクリエーシヨン的に止むを得ないことであると思われるかどうか、(「答弁の要なし」と呼ぶ者あり)それを伺います。さつきレクリエーシヨンという総理行動についての批判をあなたはなされたのでありますから、同様にこの点についてもあなたの所見を伺いたいと思います。(「答弁の要なし」と呼ぶ者あり)
  41. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は先程兼岩君の一般論として週末に大磯に行くとおつしやいましたから、私は一国の総理であり、或いは国会議員すべてそうでありますが、それぞれ精神労働に従事しておる者は、やはり二十日鼠のように毎日働いておるのは必ずしも能率を挙げる所以ではありませんので、或る程度のレクリエーシヨンというものは私は労働力再生産のためにも必要であると、こういうふうに思つております。  それから一昨日の買物は不謹愼であるというようなことについては私は同感いたしがたいのであります。これは総理が呉々も私に申した通り、私が初めて一見したところそういうふうに言いましたから、総理説明を煩わしたのです。ところが、これはこういう事情で実は自分も嫌だつたけれども、相当の方なんでしよう、そういう方に対するプレゼントなので自分が選択しなければならんから実に辛かつたという話をしておりまして、特に一見卒然として考えると誤解を起し易い、こういう点が誤解を起したら御諒恕を請うてくれということですから、私も御諒恕を請う点については全然同感でございますから、皆様に愼んで御諒恕を請う次第であります。
  42. 河野正夫

    ○河野正夫君 不謹愼だという考えに同感いたしがたい。それならば医者帰りに五分間買物をする代りに、医者帰りに五分間でもよいから参議院委員会に出るということを果さなかつたのであるか。或る外人にプレゼントの買物をすることの方が参議院委員会に五分間でも出られることよりもなお価値があると判定されたのですか。長官のお考を承りたい。そうでなければ今の私の言うように、病院に行つたということは止むを得ないと思うが、その帰りに寄らないことが、今大事な国会開会中不謹愼でないと考えられるのか。つまりあなたの考え方によれば、一外人の、どんな高官であろうとも、クリスマスの贈物を探すことが、国会出席することよりも重要と考えて……。
  43. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 止むを得が買物に立寄つて苦しかつたが、という話で、その点でどうぞ御了解を願いたいと思います。
  44. 河野正夫

    ○河野正夫君 原君の意見もあり、事は極めて重要なことでありますので、この際運営委員会において原君の緊急質問に対して院議を以て吉田首相出席要求するということをお諮り願いたいと存じます。
  45. 左藤義詮

    左藤義詮君 今朝は、只今官房長官からお話のように不快で出られないというのですから、その点は本日は総理の生理的の理由でございますから、院議を以て要求することは苛酷だと思います。本日は一つその点は、体の状況をもう少し御覽願いたいと思います。
  46. 河野正夫

    ○河野正夫君 左藤議員の御説も或いは尤ものように聞えないわけでもないところもありますけれども、(笑声)本日も昨日もいろいろの点で首相の出席を求めておる。首相の行動し得る範囲は渉外関係と保守合同関係らしい。それ以外のことについては殆んど我々の最近の要求に応ずることがない。併しながらその点について現場に臨んで臨床訊問をするというわけではありませんけれども、総理がいかほど加減が惡いか院議を以て見舞に行くということをやつて貰いたい。(「反対」と呼ぶ者あり)
  47. 左藤義詮

    左藤義詮君 それは甚だ前例のないことでありまして、院議を以て見舞に行くことは行過ぎかと思いますので、只今のところ官房長官のお言葉を信頼下さいまして、健康の状態出席できないのですから……今非常に出席惡いとおつしやいますが、私も運営委員会に、二回と記憶しておりますが、出ておりますが、むしろ衆議院運営委員会の方から叱られておるぐらいにこちらにはあの老首相は努めて出ておるのでございまして、そういうことで本日のところは一つ御諒察頂きたいと思います。
  48. 原虎一

    委員外議員原虎一君) 私はもう言わんつもりでおりましたが、もう一回言わせて貰います。
  49. 高田寛

    委員長高田寛君) 官房長官に対する御質問ですか。
  50. 原虎一

    委員外議員原虎一君) 官房長官というわけではありません。  昨日私は運輸、労働の連合委員会で申しましたので委員長はお分りと思いますが、今河野君が院議を以て総理の見舞に行つて貰いたいということで、皆さんに御了解願いたい、それはなにも悪意や皮肉で言つておるのではないと思う。と申しますのは、私は第四国会と思いますが、労働委員会に成規の手続で総理出席をお願いしまして、三、四日経つて漸く出席されたのであります。そして私が質問し、共産党の中野君と記憶しますが、ちよつと質問した。すると総理質問中に帰られた。これでは審議はできないから休憩いたしまして、山田委員長は再び総理出席を求め、一時間ほどしまして総理が又おいでになつた。そこで私は総理にどうして四日も前から御出席を願つておるにも拘らず、今日出席されたと思うと又簡單に帰られるかと聞いたところ、総理は「原君は四日前に私の出席要求しておつたそうだけれども、私が聞いたのは、今日、今ちよつと来てくれというからちよつと来たのだ。」(笑声)こういう総理の御答弁でこれは速記に残つておるわけであります。左藤君や小林君はそういうことは御存じないから、院議を外て見舞に行くということは前例がないから怪しからんと思われるか知らんが、国会始まつて以来、国会議員総理出席を願つてかくのごとき扱いが民自党にされておるということになりますと、否民自党の総裁である総理出席に対する手続がかくのごとくなされておるということになりますと、我々もお見舞に行つて見たくなるのであります。これが下らないことであるとか、前例がないということは、前例がないことをおやりになつているのだ、民自党内閣が。そのことを忘れて……左藤さんも精神教育をなさつておる立派な人でありますから、お判りだろうと思います。それを同じ我々の佐藤議長はこのことを十分お考えになつて、今後の運営……運営委員長が運営責任ではないのでありますから、どうぞ間違いのない運営を、議長としてお図り願いたい。運営して頂きたいと思うのであります。もうこれで結構であります。
  51. 高田寛

    委員長高田寛君) それじや外に別段御発言もなければこれで休憩いたします。今日は又午後に運営委員会を開く問題が起ると思いますから……。    午前十一時五十一分休憩    —————・—————    午後一時五十三分開会
  52. 高田寛

    委員長高田寛君) それではこれより議院運営委員会を再開いたします。  調査承認要求に関する件をお諮りいたします。
  53. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 大蔵委員会から提出されたものであります。    金融政策並びに制度に関する調査承認要求書  一、事件の名称 金融政策並びに制度に関する調査  一、調査の目的 現下の内外諸情勢に鑑み、我が国金融政策の実態を把握すると共に金融制度の在り方につき検討し、適切なる方策を講ぜんとする。  一、利益 我が国金融体制の整備を促進し、併せて綜合均衡財政下における資金の効率化を図り、産業経済の健全なる発展に資し得る。  一、方法 各方面の関係者、学識経験者より意見及び説明を聽取し、資料の蒐集に当るの外、必要に応じて実地調査を行う。  一、期間 今期国会開会中。  一、費用 なし。   右本委員会決議を経て、参議院規則第三十四條第二項により要求する。   昭和二十四年十二月二十四日      大蔵委員長 櫻内 辰郎    参議院議長佐藤尚武殿
  54. 高田寛

    委員長高田寛君) 大蔵委員長申出の調査承認要求は、承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 高田寛

    委員長高田寛君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  56. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは次に地方自治委員の認命の承認の件をお諮りいたします。先ず政府の方から御説明を願います。
  57. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 只今議題となりました地方自治委員の認命につき両議院同意を求める件につきまして、その提案の理由簡單に御説明申上げます。  地方自治委員の任命につきましては、地方自治庁設置法第四條第三項の規定によりまして、両議院同意を経ることとなつているのでありますが、本件は欠員中の二名の地方自治委員の補充として、全国の町村議会の議長の連合組織の代表者として推薦されました齋藤邦雄君、及び学識経験者として遠山信一郎君を任命することについて、国会同意を求めんとするものであります。即ち地方自治庁発足当時におきましては、全国の町村議会の議長の連合組織ができていなかつたため、この連合組織の代表者としての委員を任命することができず、学識経験者につきましても適任者を得ることができなかつたのでありますが、去る十一月、漸く町村議会の議長の連合組織もでき上り、今回又学識経験者として適任者を得ることもできましたので、地方自治委員会の重要性に鑑み、町村議会議長の連合組織の代表者として齊藤邦雄君を、学識経験者として遠山信一郎君を任命して、地方自治委員会の地方自治委員の欠員を補充し、地方自治委員会議の活動を十全ならしめんとするものであります。何とぞ愼重御審議の上に速かに可決せられんことを希望いたします。
  58. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 お尋ねいたしますが、学識経験者として出されました遠山信一郎、この履歴書を見ますと、地方自治庁次長に任命されておりまして、まだ免ぜられてないのですが、この現官の儘委員になるのか、辞めるのか。その点を伺つておきたいと思います。
  59. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 辞めることに相成つております。
  60. 高田寛

    委員長高田寛君) 外に御質問ございませんか。……それではこの齋藤邦雄君並びに遠山信一郎君を地方自治委員に任命することについて御意見ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは齋藤君並びに遠山君を地方自治委員に任命することについて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは御異議ないものと認めます。   —————————————
  63. 高田寛

    委員長高田寛君) それから次に地方行政調査委員会委員任命に関して承認を求める件をお諮りいたします。
  64. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 地方行政調査委員会設置法は、前国会において御審議を頂き、成立を見たのでございますが、政府は地方行政調査委員会の任務の重大なことに鑑みまして、広く各界に亘つて最良の適任者を得べく物色して参つたのでございます。地方行政調査委員会議設置法によりますと、委員五人のうち三人は全国の都道府県知事の連合組織の代表者、全国の市長の連合組織の代表者、全国の町村長の連合組織の代表者がそれぞれ推薦した者から任命することとなつておりますが、会議の使命を考え、且つ会議として立体的に活動できる人を選任するよう努力いたしまして、右の各連合組織の代表者と愼重に協議し、且つ関係方面とも密接な連絡を取つて詮衡いたしました結果、政府といたしましては都道府県知事の連合組織から推薦された渡邊銕藏君、市長の連合組織から推薦された神戸正雄君及び町村長の連合組織から推薦された鵜澤總明君と共に高橋誠一郎君及び杉村章三郎君を最も適任と考えますので、右の五君を任命することといたしたく、ここに地方行政調査委員会議設置法第五條第一項の規定により提案いたした次第でございます。何とぞ愼重御審議の上速かに御同意あらんことをお願いする次第でございます。
  65. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 この地方行政調査委員会議委員につきまして、私は地方行政委員長をいたしております関係上、一言、地方行政委員会におきまして今日会議を開きまして、この委員会審議状況並びにこの結果について御報告申上げたいと思います。  簡單に申上げますが、この地方行政調査委員会議と申しまするものは、過般第六臨時国会におきまして委員長報告をいたしました通り、極めて重大な会議でございます。この地方行政の在り方を根本的に調査立案いたしまして、その結果を内閣及び内閣を経由して国会に勧告する重大な使命を持つております。この性質も日本学術会議と並んだ大会議でございます。そういう関係でこの委員になります五人の人々につきましては十分力量のあり、識見の卓越した人を選任しなければならないのでございまして、その点は、その法案を審議いたしますときに地方行政委員会におきまして篤と政府に注意をいたしたのであります。で実はいろいろ審議経過におきまして質して見ますと、政府の方でこの委員会議というものをそれ程重大視していなかつたのであります。それが実はこの設置法にも現れておるのであります。そこで初め人選して来た者がどうもうまくオーケーが取れなかつたというような事情で、又練り直して今日出して来たような人を候補者に決めたというような経緯になつております。それで質疑応答の中で分りましたことは、政府がこの出して来ました人は、我が国における各界の最高水準の、大臣級の人を選んだと申しております。又民主自由党に偏していやしないかという質問に対しまして、決して一政党に偏していないと申しております。又成るべく同じような種類の人、傾向の同じような人を選ばなかつたと、而もなるべく一体的に活動ができるということを考慮した。それから又、外に適任者も考えられたのではあるけれども、本人の承諾が得られなかつたような事情もあつたということが分りました。それでよく二時間近くに亘りまして審議いたしまして、結論といたしまして参議院においてはこの五人を承認することにいたされてよくはないかというふうに地方行政委員会においては決定をいたした次第でございます。  なおそのときに最も問題になりましたのは、今申上げましたような大臣級の人を遇するに当りまして、非常に待遇がこの設置法では低いのであります。設置法自身ではありませんけれども、設置法と一緒に出ました特別職の職員の給與に関する法律におきましては非常に低くしてあるのであります。即ちこの委員はこういう重大な会議委員であり、大臣級の人を並べましたに拘らず全国選挙管理委員会委員級にしてあります。又仕事も常勤的な仕事であるのでありますから、尚更全国選挙管理委員などと並べたことは不当でありまして、すべからく大臣級の俸給、即ち国家公安委員と同等の俸給を與えなければいかんと、これを強く政府に要望した次第でございます。これは特別職の職員の給與に関する法律を速かに改正するということになりますのでございまして、そういう強い希望を以ちまして、この地方行政調査委員の任命につきましては異議ないことに決定いたしました次第であります。それだけ御報告申上げて置きます。
  66. 高田寛

    委員長高田寛君) 外に御質問ございませんか。それでは地方行政調査委員会議委員の任命について同意を求められた件につきましては、これに同意を與えることに異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 高田寛

    委員長高田寛君) では御異議ないものと認めます。   —————————————
  68. 高田寛

    委員長高田寛君) それで外に御発言もなければ暫時休憩いたします。    午後二時六分休憩    —————・—————    午後五時二十三分開会
  69. 高田寛

    委員長高田寛君) それではこれより議院運営委員会を再開いたします。
  70. 大隈信幸

    ○大隈信幸君 河野主計局長が御出席になつておりますので、この際秘書の年末手当の件について御質問いたしたいと思います。国家公務員に対する臨時年末手当の支給に関する法律案は修正案は否決されたわけでありまして、この問題については大蔵委員会で種々御検討、御討議を重ねられたところでありますが、私は大蔵委員でないのでよく知りませんが、この際に先程可決になりました法律によつて、秘書に年末の手当を出し得るということを政府側で盛んに言つておられるということを伺つておるのでありますが、これにつきまして明確な御見解を承りたいのであります。
  71. 河野一之

    政府委員(河野一之君) この法律で常時勤務の解釈を変えて秘書に出すということは困難であろうかと思われるのであります。と申しますのは、常時勤務でなく、人事院規則では非常勤務になつておりますので困難かと思われます。これと同様の措置を予算上、例えば謝金というような措置でやつて行つたらいいと私は考えております。謝金は今までの解釈では給與ではないということになつておりまして、例えば、学校の先生が講師に行かれるといつたところで謝金というものを貰われるのは一向差支ないという解釈になつております。そういう措置で現在の事務局の予算の中からお出しになることはできるんじやないかというふうに考えております。
  72. 木内四郎

    ○木内四郎君 只今大隈委員からこの問題についてお話がありましたが、秘書の年末手当について御質問がありまして、主計局長から御答弁があつたのでありますが、ちよつと大蔵委員会で承つた話と違うように思うのですが、人事院規則では常勤、非常勤というものを決めておりますね。主計局長の初めの御答弁だと、あれは常勤、非常勤というものは人事院で決めたんだが、この法律で常時勤務する者というものを決めるには必ずしもあれに捉われないというお話があつたように思いますが、その解釈から言つて大蔵大臣が常時勤務しておる者と認めれば、必ずしもあの人事院規則には縛られないで決め得るという御答弁があつたように思うのです。この点はどうですか。
  73. 河野一之

    政府委員(河野一之君) そういうふうな解釈もできないことはないというふうに申上げたのでありまして、現在人事院規則で、一週三十六時間以内、日額の手当一千円以内ということで一応縛つておりますので、この法律に限つて解釈を変えることは可能ではありますけれども、やらない方が適当であろうという意味お話申上げたような次第でございます。
  74. 木内四郎

    ○木内四郎君 今の御答弁だと今後変えるということは可能とおつしやるのですけれども、すでに常勤或いは非常勤ということを大蔵大臣は決めておる際に、人事院規則に拘束されることなしに決めている事実があるというお話があつたように思うのですが、その点はどうですか。
  75. 河野一之

    政府委員(河野一之君) これは石炭手当、寒冷地手当のときにもそういうふうな解釈で一応進んでおるものでありますから、年末手当の方に関してのみそういうふうな違う解釈を採るということは適当ではあるまいという考がございますので、実質上そういうふうな措置が採られればいいのではないかという考え方で申上げたのであります。
  76. 木内四郎

    ○木内四郎君 今主計局長の御説明の、実質上そういう解釈を採り得るというならば、これ以上質問はいたしません。
  77. 河野正夫

    ○河野正夫君 ちよつと私知らんので一つ伺いたいのですが、主計局長に伺いたいのですが、謝金は免税となりはしませんか。その点はどうですか。
  78. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 免税となりません。
  79. 鈴木直人

    鈴木直人君 今の御見解に対しまして事務局の方はどうお考えになりますか。
  80. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 事務局といたしましては、あの法律に非常勤では拂わないと書いてある以上拂うことはできないと思います。あの法律の下では拂えないと思います。これが一番明瞭な点であります。次に今謝金というお話でございましたが、謝金ということはどうも私共聊か理解いたし兼ねるというような気がいたしますのは、予て謝金というものは余所の人にお厄介になつたときにお礼の意味で差上げるのが謝金である。こちらの職員にそういう形でお金が幾らでも出せるなら職員が忙しくて骨折つたからと謝金々々といつて出していい筈であります。給與制度があつて、それによつて給與が拂われている以上、謝金で拂うという建前は一応謝金の制度とは違うのではないか。もう一つは大蔵省でも従来さように答弁になつていたのではないかと思うのでありますが、もう一つは、仮に大蔵省では謝金でよいとおつしやつても、私は、会計検査院というものがありますので、会計検査院が一体そういう今度の年末手当をこの法律を、或る意味で……言葉が過ぎるかも知れませんが、潜つて謝金を以て支拂うことを妥当なりと認めるかどうか、これ亦別の問題ではないかと、こういうことも考えられます。それから御参考のために申上げますが、現在恐らく第一こういうことを予想して謝金は組んでおりませんので、さような厖大な謝金はむろんございませんし、多分、現在謝金は十二三万円しかないそうでございますので、今度の手当を謝金の中から全部賄うことは到底金の面からもできないのではないかと一応こういうことは考えられます。
  81. 高田寛

    委員長高田寛君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  82. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは速記を始めて下さい。今議員祕書の年末手当を出す問題は、ここで結論を出すのは無理だと思いますので、一応保留してなお研究は庶務小委員会にお任せするということで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 高田寛

    委員長高田寛君) ではさように取扱います。   —————————————
  84. 高田寛

    委員長高田寛君) 次に專門員の出張旅費の件をお諮りいたします。
  85. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) これは昨日この議院運営委員会で專門員の出張旅費の件につきまして一応お諮りした件でございますが、その外に外務、文部、水産、電気通信、労働、建設、決算の七委員会からの出張の要求が出ておりますので、これをいろいろ検討いたしますと、昨日ここで御承認になつた分も合せまして六十万五千百九十五円必要とする次第であります。そのうちすでに割当の経費の残額は二十七万九千五百九十一円ありまして、不足額は三十三万百六十七日と相成ります。昨日この留保の中からの九万円から廻そうというお話がありました。この九万六千六十六円を差引きますと、結局今回の出張要求を満すために不足となる金額は二十三万四千百一円と相成ります。それでここでもう二十三万四千あればこれらの諸君の出張の要望は全面的に満たすことができる、こういうわけなんであります。  ところで常任委員会の專門員の旅費としては、すでにその金はないわけであります。而もこれをどうしても認めるといたしますと、他の経費からこれを流用しなければならん、こういうわけでございます。それでその流用をこの際お認めになるか。最早金がないからやれんと言いますか。或いはまあ何とかして二十三万円はやり繰るということの御協議を願わなければならんと思います。
  86. 小林勝馬

    小林勝馬君 昨日は大体皆さん承認して頂いたようなあれでしたが、流用するという元、どういうところから流用できて、どの程度なら流用できるかということを御説明願いたい。
  87. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) なお何でしたら更にこれは会計課長からも詳しく申上げた方がいいと思いますが、一応何いたしますと、これに流用いたします財源といたしましては、第一次には事務局の職員の旅費を流用するということが一番近い方法になるわけであります。それからその次に考えられることは、議員関係の旅費ということで考えておりますが、先ず事務局の旅費をこれに充当するということが一番近い方法であるわけですが、その点は一応事務当局の旅費をそれだけ喰い込むということになるわけであります。
  88. 小林勝馬

    小林勝馬君 そうしますと、この間議員の旅費が非常に少いというあれですけれども、あれの方からこれを一時というわけではないが、流用して行くわけには行かないのですか。
  89. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ちよつと或いは今御質問を聞き間違つたかも知れませんが、議員の旅費の不足はどうするかということですか。
  90. 小林勝馬

    小林勝馬君 そうではない。議員の旅費の方が先般の御説明でまだ可なりありまして、五十万円の公聽会その他の費用を引いても残高が残つてつた筈ですが、あの方から一時流用して頂いてやつたら如何ですか。
  91. 高田寛

    委員長高田寛君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  92. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは速記を始めて下さい。  今の專門員のこの出張旅費の件は如何いたしましようか。
  93. 小林勝馬

    小林勝馬君 大体專門員の費用の中から一応立替えて頂いて、そうして足らない分は多少出た場合はそういう便法を講じて貰うことで御承認願いたいと思います。
  94. 高田寛

    委員長高田寛君) 今の小林君の御意見のように決めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 高田寛

    委員長高田寛君) それではさように決定いたします。  ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  96. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を始めて。  只今官房長官が見えましたが、官房長官に対する御質問がありましたら、一つどなたかお願いいたします。  なお中村君が先程委員外発言を求められましたが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 高田寛

    委員長高田寛君) 御異議ないものと認めます。それでは中村さん。
  98. 中村正雄

    委員外議員(中村正雄君) 実は本日運輸委員会が開かれますれば、その席上で質問したそうと思つたわけでありまするが、あいにく開かれていませんので、運営委員会官房長官出席を求めまして、質しておきたい点があるわけなのであります。と申しますのは本日の官房長官声明といたしまして、国鉄の裁定問題に関する国会審議の結果に対する法的解釈声明があつたということを聞いております。いろいろ内容がありますが、この内に衆議院参議院議決の内容を異にいたしている。従つて国会の意思としては決定しておらない。従つて国会の意思は決定しておらないので、残余の裁定については両当事者共拘束しないものであるという意味声明を出されているというふうに聞いているわけですが、間違いないでしようか。
  99. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 大体において中村さんの御発言通りであります。これは政府といたしましては、法務府が法律解釈を有機的にいたすことになりましたので、法務府の見解を政府が採入れまして、政府が大体今中村さんの御指摘のような解釈をいたしているということを話した次第でございます。
  100. 中村正雄

    委員外議員(中村正雄君) そういたしますと、同じ官房長官の談として、法律解釈をされておりますけれども、余りにもその時々の情勢に応じて解釈を変えられているとしか思えない点は、昨日の運輸労働委員会におきまして私も質問いたしましたし、各委員からの質問に対しまして、官房長官は十数回に亘りまして同じ答弁をいたしております。それは現在鉄道公社は裁定に示された債務を負うているかどうかという質問に対しまして、裁定の効力に関しては、現在鉄道公社は裁定に関して債務を負うている、この債務は解除條件附の債務であるということを十数回に亘つてはつきりと言明されております。即ち国会の不承認という意思表示があつた場合はこの解除條件が成就するので、裁定日に遡つて債務は消減するが、承認という條件を成就して解除條件は成就しないことになるので、このまま債務は存続するというふうに度々説明になつております。言い換えれば官房長官の本日の声明にもありますように、国会の意思表示というものは今の場合全然ないわけであります。従いまして解除條件は成就いたしておらない場合であります。而して両院協議会その他で決定があれば別であるますけれでも、一事不再理の原則で五月二日までは、この件に関しましては国会は何ら意思表示ができない。言い換えれば解除條件は成就する機会は全然なくなつておるわけであります。従つて国鉄公社の債務はそのまま存続するということが官房長官の言明ではつきりいたすわけであります。この解除條件附の債務という点につきましては、これはこの法律案が承認にならないものであれば、私の言いました点において間違いないと思います。而もこの言明を昨日は十数回なされております。にも拘わらず本日は国会の意思表示がなかつたら、鉄道公社は債務を免かれるというふうな、間違つた法律解釈をしようとして堂々と発表なさつておる。この点につきましてどういうお考えか、はつきり御言明願いたいと思います。
  101. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 昨日或いはこの議運等で答弁しておるか、私記憶はございませんが、(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)申上げたことがあるように記憶しております。御説の通りであります。そこで実は今朝も政府部内においては法律論を相当展開した次第でございまするが、結局法務府の解釈政府としては有限的であるというのは、法律に関する総理大臣の最高顧問は法務総裁でございまして、我々が又これを検討いたしまして、そこでこの点を先ず最初にお断り申上げて置きまするが、私が従来申上げておつた点は誤りであつたという点については、非常に恐縮に存ずる次第でございます。そこでこういうふうに解釈しなくちやならんということになつたのでございます。(「何を言つてるんだ」「出たらめを言うな」と呼ぶ者あり、その他発言するもの多し)私が申上げることを一応お聽き願いたいと思います。この三十五條の結局「仲裁委員会の裁定に対しては、当事者双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならない。」これが公社並びに労働組合を拘束するものである。「但し、第十六條に規定する事項について裁定の行われたときは、同條の定めるところによる。」とありまして、ここには「政府」としか、実は第十六條第一項には書いてございませんが、当然にこれは不可能なる内容のものであるならば、公社を含むというふうに解釈するんだ、こういうことに相成つた次第でございます。私もそういう所見を持つてつたことは明瞭に認めるのでございまして、この点は御説の通りでございまして、恐縮に存じておりますが、但し外の国務大臣は私と違つた答弁をしておつた点もあるのじやないかと思いますが、その点外の国務大臣と打合せておりませんが、要するに政府を拘束して、公社を拘束しないという矛盾した法律解釈は考えられないというのが法務府の解釈でございます。結局政府を拘束しない、公社も拘束しないのであります。結局若し遡及して拘束するかどうか、例えばこういうことになつております。私はこの点誤つておりましたが、十六條の第二項におきまして、若し当初から拘束しておるならば遡つて効力を発生するという文句を書く筈じやないかというお話でありましたから、この点は謹んで訂正いたして置きます。当初から効力があるならば、遡つて効力を発生するということはあり得ないことであります。
  102. 中村正雄

    委員外議員(中村正雄君) その点があるから、昨日の合同委員会で、私は現在効力があるものであるならば遡つて効力があるという言葉もおかしいということを再三再四質問した。ところが昨日の審議状況の場合におきましては、官房長官のような解除條件附債務ということが、政府に非常に有利であつたわけです。従つて政府に有利であるがためにそういう説明をし、而も参議院承認議決をし、参議院と違つて国会の意思表示も何もなくなつたならば、当然この債務は存続するという次第のものだから、法務府の解釈だと称して全然変つた政府解釈論を出しておる。昨日私は官房長官政府代表として総理大臣の代りとして出席を求めて質問をしたわけであります。そのときどきに政府に有利な解釈をする、朝令暮改というか、余りにも甚だしい、これで責任ある政府国会に対しまして、委員会に対しまして、そのときどきに自分に都合のいい解釈をして、審議政府に有利のように進展せしめる、これが果して現在の政府性格かどうか、その点に対しまして官房長官は間違つてつたことを謝まりますとおつしやるけれども、この案件については昨日で全部審議が終つておるわけなんです。審議中において間違つておることが間違つておりましたで済むか済まんか、十分お考えを願いたい、こういうことに対する責任を、政府はどういうふうにお取りになるか、私は責任ある政府として御答弁を願いたい、かように考えるわけであります。
  103. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 飽くまでこれは解除條件附債務を背負つておるという解釈をしたときは政府に有利でも何でもない、債務があるということを明瞭にして、若し債務を履行しなければならんというような立場に立てば、これは有利であるから、債務を背負つておるというようなことを言つたことはございません、私の誤解でございまして、その点が一方は解除條件附の債務を背負つておる、一方解除條件に不拘束という状態がつくという解釈をしたのは私の誤まりであつたのでございまして、その点は重々恐縮に存ずる次第でございます。
  104. 中村正雄

    委員外議員(中村正雄君) 幾ら責任を追及しましても、これは間違いであつた、謝まるという言葉でありますれば止むを得ませんので、私の質問はこれで打切ります。
  105. 木内四郎

    ○木内四郎君 これにちよつと関連して伺いたいんですが、官房長官はその声明されたときに、国会の意思は終極的に決まつたと見られたんですか。
  106. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) これは只今のところという意味であります。
  107. 木内四郎

    ○木内四郎君 只今のところといいますと、国会の意思が……、その声明文をちよつと見せて貰いたいんですが、只今のところというのは……。
  108. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) これは全部お読み下さると分りますが、法務府の解釈でありまして、両院協議会等を開いて、更に不承認なら不承認、或いは承認なら承認という意思が明瞭になれば別でございます。そのことも謳つてある次第でございます。
  109. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それ程重大な問題である解釈論があんなに長い間問題になつていたのに拘わらず、政府の最高法律顧問である法務府の解釈を一遍も求められずに官房長官として、今のような解釈を押し通しておられたわけですか。
  110. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 佐々木さんにお答え申上げますが、政府が拘束されないという状態で、大体その点だけは少しも疑義がなくて、あと公社がどうであるとか、こうであるとかいう、実益がないというなら法律上問題にならなかつたのでございます。その点各国務大臣法律論争をいたしたことはございません。昨日中村議員からの御質問がありまして、私の解釈を申したのでありますが、結局政府は拘束されない、つまり支出しなくてもよろしいという状態が、国会の意思表示までかかつておるならば、国会は何らかの意思表示をされるまでは、積極的な意思表示をされようと、不承諾という意思表示をされようと、政府は支出をしないでいいという拘束は免れておると思いまするから、実益がないために、議論には余り従来は国務大臣間になつていなかつたのでございます。
  111. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 国務大臣の間に議論になつてつたかないか知りませんが、現にこの委員会でその問題を聞いたことがあります。その場合にもはつきり政府の見解はこうだとお答えになつてつたんです。それ程の大きな問題を、ともかく国会の意思というものが明らかに決まつてしまうまでは、法務府の意見を一遍も質されずに、政府の見解を押し通されて、一応決まつた途端に今のような法務府の見解を以てされたというふうに取らざるを得ないんですが、そういうことになりますか。
  112. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 余りその点は実は法律論争の対象になつていなかつたために、私も聞落した点がございまするが、法務府としては当初からこういう意見を持つてつたんじやないかと思います。
  113. 河野正夫

    ○河野正夫君 佐々木君がこの運営委員会で明瞭に質問をしたのを御記憶だろうと思うのであります。又答えられたことを長官も記憶しておるだろうと思うのであります。そこで私は政府の閣僚間で論議されたかされなかつたかということでなくして、政府代表して答弁する責任がある立場に立ちながら、今日掌を飜えして法務府の解釈はこうでございます。間違つておりました。陳謝しますでは相済まんだろう。その前に何遍もむし返されたところの質問論戰において、何故総理大臣の顧問である法務総裁の意見を尋ねて適確な答弁をなされなかつたか、その点をお伺いしたい。
  114. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) この点繰返して申上げますが、余り実は法律上の実益がない、政府が結局拘束しないという状態が続いたのですが、将来に亘りまして国会の意思表示がない限りは続きますから、結局国鉄関係を監督し、又支出関係の許可認可を與えるという関係政府にございましたし、当局実益がないのである。論争の対象にならなかつた。私が自分の信ずるところで政府の名において申上げたのは非常に恐縮に存じますが、将来の問題といたしましては、この際明確にして置く必要がございますから、明確にいたした次第であります。
  115. 河野正夫

    ○河野正夫君 実益云々ではなくして、政府が実益があろうと、なかろうと我々が国会における審議の必要上から、政府がどう考えておるかを問うたのである。そのときに裁定の効力は両当事者を拘束して国会承認されれば、政府は予算措置を講ずる政治的義務を生ずる、不承認の場合には遡つてその効力を失う、はつきり言明されたわけです。その態度については我々としても非常に法律上疑義があつたけれども、政府はそれを以て一貫しておる。何遍聞かれてもそれで一貫しておる。その態度を今日に至つて変えたのである。一貫しておる間に何遍も我々が審議の立場上質問をする場合に、何故実益云々じやなくして、何故愼重に法務府総裁の意見を尋ねなかつたか。我々に今日でも陳謝しなくても済むような答弁をしなかつたか。その責任をどうするか、このことを私は伺つておる。
  116. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) その点は恐縮に存じます。
  117. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 最後に一つ今の河野君の言つたことを平たくいいますと、結果的に見てはつきりと政府解釈ということで、私は衆議院のことはいいませんが、参議院のあの問題を審議する、そのともかく客観的に、こういう解釈だというふうに、結果として押しつけられることになり、それがあるから参議院のあのような意思表示があつたのです。そうでしよう。若し今のような解釈がはつきりしておつて、そうしても国会もなる程そういう解釈だと思つておるならば、あの参議院でなされた意思表示は、これは無効の意思表示です。そうでしよう。今言つたようにこれは債権債務が残るからということがはつきりしておるならば、債権債務が実質的に残るということは、参議院として無効の形になる、これは参議院の権威にとつて重大な問題である。従つてともかく陳謝如何に拘わらず、政府解釈答弁が結果として参議院の意思表示を、あのように導いた責任は恐らく感ぜられると思う。これに対して現在或いは将来に対して、政府特に増田官房長官はでのような措置をとろうと考えられておるか、今なんにも措置する必要がないと考えておるかどうか、その点を最後に一つつて置きたいと思います。
  118. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) この法律論につきまして、政府部内においては全然相談しなかつたというわけではございません。法務府においてもまた実は相談をしたり、いわば議論というようなものもございましたが、結着がここに到達したわけでございまして、あの答弁について私共が無責任法律論をしておるというふうには考えとおりませんが、これは法律論争で、こういう論義もないことはございませんが、ただ政府解釈をどうするかということは、結局法務総裁でありますから、法務総裁の解釈に帰一したというわけでございまして、今まで本意にあらざる点を悪意をもつて申上げておるわけではございません、この点どうか御理解を願います。
  119. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 その点だけは分つておりますが、結果として今のような参議院の権威に関する状態を発生せしめた、これに対して発生されないと考えられておるか、私には責任がないという考えでおられるのか、或いは何らかの措置をされるというのかその点は如何ですか。
  120. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) この参議院解釈は、直ぐ私は参議院決議に影響があるというふうには考えない次第でございまして、これは国会が両院で構成されておる両院が同じ意思表示をすれば、結局この公社を拘束せざる裁定と雖も、亦遡つて効力を発生するということは幾らもあり得ることであります。結局衆議院参議院と同じような決議をはるということになれば、これは生きて来るのであります。丸つきり法律論争の間違つた決議参議院はしておるわけではございません。
  121. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私がさつきも言つたけれども、責任を取られるつもりが、参議院決議は……。衆議院決議はどうあろうとも、参議院決議はともかくも、公社が拂えるようになつたら拂えということを決議してあります。それは債権債務が残るということを前提にしてない、そういう結果に導いたのですか、あなたの解釈がそれに対してどういうふうな責任を取られるのか取られないのか、今のところ全然問題がないということを考えられて、衆議院の関連における国会の意思が定まるか定まらんかということは別問題です。参議院を蹂躙したことになつておるのではないか。
  122. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は法律論としては、あれは全然義務があるから、その義務を履行する方法としては国会承認、若しくは不承認で、又承認の内容についても各種の條件をつけることもできます。又司法上の権利義務の得喪なり、範囲とを決定することに影響を與えるところの権能が国会に與えられておるから、こういう意味で、我々は決議をこういうふうに解釈しておる。
  123. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今のそれでは解釈問題は非常におかしいことを言われるが、時間が長引くからやめるが解釈問題は止めて一体責任を感じておるのか、おられないのか、責任を感じておられるとすれば、どういう方法を現在考えられておるか、それをお伺いいたします。
  124. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 非常に恐縮に存じておりますが、責任の内容等については申上げかねる次第であります。
  125. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 大体問題は平誤りということでこれ以上進みませんが、これは手続上で一つ聞いて置きます。大体今次の国会の今日までの運営は、殆んど国鉄の裁定に終始して来たのは御承知のことであります。そして政府意見参議院意見とが対立して、政府は一応屈した形で参議院は満場一致であの決議をしたことは御承知通りであります。而もその間に政府が発表した意思と、今突然声明書に盛られた意思とまるで正反対の発表をやつておられる、ここにああいう声明を出して、恰も波紋を投げかけるような形においてやつたことは、参議院議員の侮辱であると共に、参議院全体の侮辱であると思う、何故官房長官は正式に参議院労働委員会及びこの議院運営委員会に、辞を低うして今の見解の誤つた点を述べなかつたか、今のああいう一片の声明書を出して参議院を侮辱したか、どういう意図であの声明を出したか、何故その前に委員会に出て釈明したかつたか。
  126. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) その点は栗山さんのおつしやる通りに積極的に御理解を求めるべきであつたと思いますが、甚だ恐縮に存じます。
  127. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 法律解釈論と責任論とを別にしまして、政府としましてあなたは参議院決議のように、政治の方向として財政上の可能な場合には、支給するように行う意思があるかどうかということをもう一度念のために聞いて置きます。
  128. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 裁定には第三項がございまして、将来黒字を出した場合は賞與等について考慮する。この裁定は政府を拘束しておるものと考えております。又公社をも拘束いたしております。これにつきましては、将来結局決議と同じ事項になると思いまするが、将来公社経営者並びに労働組合が一生懸命協力一致して黒字を出して貰つた場合は、三項というものが我々を縛つておりまするから、三項の関係において我々は拘束を受けておる、これは実施しなくてはならんことであると、こう考えております。
  129. 木内四郎

    ○木内四郎君 ちよつと伺つて置きますが、今日発表されたのは、このまま発表したのですか、今日あなたがなさつた声明というのは……。
  130. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 出した声明というのは誰に向つて出したのか。国民に出したのか、議員に出したのか。
  131. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) これは声明というわけではございませんが、政府法律解釈は、こういうふうになりつつあるということを、新聞記者に対して会見の際に口頭で申した次第であります。
  132. 木内四郎

    ○木内四郎君 何かこれを見ると少し発表されたのが早過ぎるのじやないかという気がするのですが、今回の裁定には衆議院はこうだ、参議院はこうだから、国会の意思は決定しないから、債務は残存しておらないと書いてあるんですな。残存しておらないというけれども、まだ国会の意思が、最終的に決つておらないのじやないか。と思うのです。とにかくどう決まるかは別として、残存しないということは、もう残らなくなつてしまつたというような……。(「国会なんか考えていないよ」)と呼ぶ者あり。)ちよつと発表が早過ぎたのじやないか。
  133. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 両院協議会云々ということも書いたし……。
  134. 木内四郎

    ○木内四郎君 ちよつと早過ぎた。(「三百代言的な言訳はするな。」と呼ぶ者あり)
  135. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 官房長官ははつきり意思表示をしないけれども、この重要な意思変更をだね、国民新聞を通じて発表して、参議院の決定的な誤まりであつたということを国民に前から訴えようと、こういう意図であつたということを断定せざるを得ない。その通りであつたかどうか、答えて貰いたい。
  136. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 参議院で誤つた行動をされておると思つておりません。決議の事項と同様な事項が裁定三項にもあるわけでございますから。
  137. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そんなら決議せんでもいいことじやないか。
  138. 木内四郎

    ○木内四郎君 官房長官は十分責任を感じておられるようですから、この問題はこの程度にして……。(「いやあまり感じておらんよ」と呼ぶ者あり)
  139. 河野正夫

    ○河野正夫君 官房長官の先程からの態度それ自身についても、それからこの新聞の発表の件についても、これはもつと究明しなければならない幾多の事柄があるんでありまするが、これは私は後刻に保留いたします。ただ今日の午前の運営委員会において、原君が委員外質問をされたのでありまするが、あの際に問題になつたように、吉田総理並びに増田長官自身参議院を無視し、国会を軽蔑するところの態度というものについては、再び今回のような、只今問題になつたような事件を顧るときに、我々が何遍戒告を與え、注文をしても、その態度を改めようとしない、この点について後刻私は官房長官の退去の後に、委員長に対して一つの動議を提出いたしたいと思いまするが、その点を申上げて、長官に対する質疑の保留を宣言いたします。
  140. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 最後にもう一つだけ言つて置きたいと思うんです、そういう問題が出るとすれば……。今河野君が言つておるように、この問題が議会で問題になつて以来、或はそれ以前から、大体どこを叩いても、政府解釈は、今朝原君が言つたよう解釈で、公にされておるものは殆んどある解釈だけをとつてつた、それが一旦問題として議場に上るや、政府は一遍に態度を変えて、先程いわれたような解釈で押し通した。そうしてこれが一旦今度は上つて国会の意思表示が衆議院参議院と違つておるということから、途端に又解釈を三転された、この三転する解釈問題に対して、この議案が上つて以来の政治的責任政府は感じておられるや、おられていないや一言だけ返事を貰いたい、法律解釈じやない、政治的の責任を感じておられるかおられないかという点。
  141. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 法律解釈が三転したというふうに私は考えておりません。今までこの問題につきまして、政府を拘束する、一方は……。
  142. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私の要求した答弁はそうじやありません。
  143. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) ちよつとまあ……。結局今日終局的の解釈が法務府から下されたのでございまして、これに政府が従つたと、こういう状態でございまして、一遍変つたという事実は、明瞭に認めまして恐縮に存ずる次第であります。(「政治的責任だよ」とと呼ぶ者あり)
  144. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私の追及した答弁を貰えばいいんです。屁理屈は抜きにして、政治的責任を感じておられるのかおられないのかということをはつきり御答弁を願いたい。
  145. 河野正夫

    ○河野正夫君 第二点の解釈はどうした。三つを二つに負けておく、答弁々々。
  146. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 先程からこれだけ問題が出ておるのは、これをめぐつて政治的責任の問題が、いろいろな意味国会外、国会内、政府の方と、いろいろなところで論ぜられておるのですが、それに対して責任を感じておられるのかおられないのか、それがはつきりしなければ、あとの問題を考えるわけに行かないんです。とにかく政治的責任を感じておられるのかおられないのかということだけお答え願いたい。
  147. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 解釈が昨日と本日と違つた点については、とにかく責任を感じております。
  148. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 政治的責任をはつきりとこの問題に対して感じておられるということですか。
  149. 大野幸一

    大野幸一君 然り。それでいいでしよう。
  150. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これほど舐めておいて、返事がないということはないでしよう。とにかく政治的責任を感じておられるのかおられないのか、おらないならおらないと言えばいい、おるならおると言えばいい、どつちかはつきりすればいいのだ。
  151. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 政治的責任を感じております。
  152. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 感じておる、それでよろしい。
  153. 高田寛

    委員長高田寛君) それではこの問題の関連の御質問がなければ、官房長官に対してのこの第七国会における審議計画の参考にするために、予算案法律案等提出計画等説明を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 高田寛

    委員長高田寛君) ではどうぞ。
  155. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 明年度予算は今折角政府は検討中でございまして、大体今のところの都合では、この十二月までに提出いたしたい、こう考えておりましたが、提出するまでの運びに、終局的にまだ決定できていないのでございます。恐らく休会明けの一月二十日頃提出することになるんじやないかと、こう思つております。それから法案、議案等は大体において一月三十日頃までには大部分提出いたしたい、こう考えておりまするが、或いは二月に亘るものもあるかも知れません。十二月中にはまだ数件しか提出し得ない、これは関係方面との折衝その他もございまして、法案のまだできていないのもございまして、非常に遅れておるのでございますが、大部分は明春の二月十日頃までには提出いたしたい、こう考えております。
  156. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の問題についてお伺いいたしますが、予算は大体来年の二十日頃出す予定だといわれておりますけれども、御存じのように新聞には発表されておる。これはどういう経緯によつて発表されたのか、そうして新聞のあれによつても、一両日中に提出というふうになつておりましたが、それはどういう経緯になつて発表されたかということと、国会に対しては二十日頃じやないと出されないと言つて置きながら、ああいう恰好になつた新聞に対して何らかの措置をとられたかどうか、その二点をお伺いいたします。
  157. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) いつ出すかも知らんということは、最初私は月末には出したいと思つておりましたが、新聞記事に対しては責任を負えない次第でございます。但しあの内容について相当出ておりまするが、これにつきまして漏れました点は重々恐縮に存じておる次第であります。
  158. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 第二の点の質問のお答えがなかつたのであります。(「漏れたんじやない漏らしたんだ」と呼ぶ者あり)
  159. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 新聞に対して取消しその他の措置は今のところ考えていない次第であります。
  160. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、ああいる大体内容で以て出るというので、あの予算に関する記事の内容は大体あれで間違いなかろうというところからの今の措置でありますか。
  161. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) まだ閣僚全部が予算の検討をしておりません。それで大体間違いがないかあるかという点については、私責任を持つては言えませんが、大蔵省の査定した原案であるというようなことは、名目はです、その意味においては、数に間違いはないのであります。
  162. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 政府で以て責任を持てないような予算原案が新聞に発表されて、その間議会は、今からならばざつと一月間放つて置かれる、それで以て政府ははつきりと責任を持つた行政をやつておられるのか、国会を尊重して議案を提出される意思があるのかどうか、非常に疑問に思わざるを得ない。その辺の考え方を政府としてどういうふうに考えておられますか。政府として責任のない予算案の内容が新聞紙上に発表されて、そうしてその間議会はざつと一月間ぼやつとしてその内容を見ずにおらなければいかん。而も政府は、その発表しておる内容について何らかの措置をとられないのか、予算の内容をどういうふうにして行こうとなさるのか、一つ一つこうなると疑わざるを得ない。どういうふうに考えておられるか。
  163. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) まだこれは検討中でありまして、或いは結果においてあの数に帰着するかも知れませんが、我々は納得が行かない間は、まだ政府として意思決定ができておりませんし、閣議決定もできておりません。それから政党内閣でありますから、政党の方においても了解を得るというような手続きに参りますから、まだ決定はしておらん次第であります。ただ結果的にああいう数字になるかも知れませんが、もう少し例えば勧告なら勧告についての検討も継続したい、こう考えておる次第であります。
  164. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 まあ政府としてはそう考えておられるかも知れないけれども、一旦ああいう内容で以つてはつきりと明確に新聞記事になつた以上、これは国民としても、我々これから審議しようとしておる者としても、非常に大きな影響を受けておるわけなんです。而もそれが或いは変わるかも知れんということであるならば、政府としては明暸に取消されるなり、この一月間の措置を適当にとらるべきだと思いますけれども、とる必要がないというようにお考えになられるかどうか。
  165. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) この点が予算案という形で洩れたことは非常に恐縮に存じておりまするが、大蔵省等から数字が洩れることはよくあるのであります。但し、そういうことは非常によろしくないということで、現に私共は取調べをしておると、こういう状態でございます。
  166. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 質問に対する答弁と違う。ともかく予算案として新聞に公表されておる。それがどう洩れたかどうかということは、これは経過の問題で、結果として、ともかく国民はこの予算が出るというふうに考えておることは間違いないでしよう。而も、それが今言つたように一月間据え置かれて、そうして変わるかも知れない。これは非常に国民の迷惑する措置です。ですから、そういうあやふやなものであるならば、今直ぐ取消されれば、国民に対する誤解は何とかなると思う。とにかくそういう責任ある措置をとられる必要があるのではないかと思うのだが、どうかというのです。
  167. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 大綱につきましては、御承知通り、大体あれであります。というのは、この前補正予算を出したときに、皆様国会議員の函の中に、政府としては明年度の予算の大綱を提出しております。これとの数字を比較なさつてもお分りの通り、変つていないのでございます。大体においてあれであるけれども、各国務大臣責任を持つて国会では御説明しなくてはなりません。それだけのまだ納得の行くところまでは行つておりませんから、我々は公式の提出をいたしませんし、公式の閣議決定もいたしておらないのであります。ただ全然洩れることは怪しからんというふうなお話でありますが、これは函の中にそれぞれ入れてある次第でありまして、あれは予算大綱として出した程度のものが新聞に出ておるような状況でございます。
  168. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 質問が違う。洩れたことが怪しからんと言つておるのではない。これが二十五年度予算だと、普通に考えても、予算の出そうなときにあれが内容がはつきり出された、そうして一月間据え置かれる、国民はこれが予算だと考える、然るに内容は変わるかも知れないと、この問題に対して、変わるかも知れないならば、必要な措置として、或いは取消されるなり何なりしなければ、国民として迷惑を感じなければならん。そういう措置を取られるのか取られないのかということなんですよ。
  169. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 検討を加えて納得の行くまでは、我々は公式の政府予算案としては提出はしないわけでありまするが、およそ大体あれであるということは、この前皆様に提出した予算大綱と殆んど同じでありまするから、これを取消すということになると、これはどうかと思う次第であります。但しあれが新聞に洩れたという点については、期日の上から非常にまずいことでございますから、我々としては取調べをいたしておる次第であります。
  170. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 内容を取消す取消さないじやない。未決定のものがこういうふうに新聞に発表されて、而も二、三日ですでに本予算を出されて審議する状態になつておるのならよいが、未決定の予算が出されて、一月間ぼやつとしておる、その間に変わるかも知れないことを前提とされておる。この内容全部がいけないというのではないが、これは未決定のものであつて、実際のものは二十日に出されるとか、そういう措置をとらなければ、国民としては納得が行かない。非常に間違いを起こすことになる。そういう措置をとられてはどうか。
  171. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 佐々木さんのお説は御尤もでありまして、すでにそういう措置を私はとつた次第であります。大体において閣議決定は今年はできないということも話しております。それから今日の新聞でもお分りの通り、見出しと中身とは多少違つておりまして、閣議決定はまだないと、それからいつ出すか分らんというような記事もございますし、二三日中に出すだろうといつたよう記事もあります。二三日中に出すであろうという記事に対しては、今度は明確にいたさなければならん。その措置は佐々木さんの御指摘通り、とるつもりでおります。
  172. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 後からこの措置をとると言われたのですか。とられるということならよろしいのですが、その前段は非常におかしい。新聞に今のようなことが出たのは、新聞社の記事として出ておる、これは政府の意思として出ておるのではないので、その点を一つはつきりして措置をとらんことを希望いたして置きます。
  173. 高田寛

    委員長高田寛君) 外に官房長官に対する御質問はございませんか……。  それでは次に今後の議事進行計画、それから休会などをどういうふうにするか、その点をお諮りいたしたいと思います。
  174. 河野正夫

    ○河野正夫君 私さつきの動議を提出したいのですが、後でもよろしいのですが、委員長のお考えでは、後でもよろしうございます。
  175. 鈴木直人

    鈴木直人君 後のやつは、これはいろいろ考えておるところもあるので、今のやつを先にして頂きたいと思います。
  176. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の問題に関連して、今のやつを問題にして計画を定められることを相談されることだと思いますが、それと関連して私非常に気になつておるのは、まだこつちから議決のしつ放しになつておる、この間の公労法問題です。それが衆議院に送付されたことになつておるのか、或いはただ通知になつておるのか、その辺の措置が明瞭にならないと、先をちよつと決定しかねると思うのです。その辺をどうするか、一つ御相談を願いたいと思います。
  177. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ちよつと昨日のこの議決後の措置について御報告申上げます。昨日当院で議決になりました後、当院といたしましては、衆議院の方へ回付の手続をとりました。昨日当方から正式に回付いたしました。それに対しまして、本日午後の会議中でございますが、丁度採決の記名投票をやつております頃と思います。私の方に衆議院事務総長から御連絡がございましたが、丁度私が議場におりまして、私に直接連絡がとれなかつたので、向うの事務総長がこちらに見えまして、私に会うことができないために、議院運営委員長にお会いになつて、直ちに私に伝えて呉れと、かようなお申出があつたのでございます。それは衆議院の方として回付でなしに通知にして貰えんかと、かようなお申出があつたということを伺いました。そこで私共といたしましては、これは衆議院から送付があり、当院において更に議決をして衆議院に送るのだから、回付が適当であろうというので、昨日回付いたした次第でございます。それでこの回付の手続というものは正当であると考えておりますから、これは変えない方がよろしうございましよう、こういう返事を衆議院の方にいたして置いた次第でございます。
  178. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私余りはつきりしないです。今の措置は事務当局だけでやられた措置ですか。
  179. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) さようでございます。この議決になつた結果を送付する、或いは回付する、こういうことは事務手続と心得まして事務局においていたしました次第でございます。
  180. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 法規通りつておるわけですね。
  181. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ちよつと申し落しましたが、尚あとの返事のことは事務当局だけで更にやつたか、こういう点もお含みでございましようか。
  182. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうです。
  183. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) あとの返事の点につきましては、丁度議院運営委員長、それから議長、副議長等と御協議申上げ、尚議事部長からできるだけ、ここに丁度議院運営の方もおいでになつているようだから、御意向を一応伺つて頂いて、そうしてそれをお伝えした、そういう措置をとつた次第でございます。
  184. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 実は私はまだそれに対するところの法律的措置が自信を持てないので、質問のような形で聞いてみたいのですが、要するに衆議院から今度の議案が衆議院で可決決定、そうして衆議院議長から参議院議長に予備審査として廻されて、そうしているうちに、衆議院において一定の決議がなされた。その決議されたものが又参議院に廻されて、そうして参議院衆議院決議したのと別に、いわゆるその衆議院決議した案文を修正して決議したというような形になつているために、それを回付したのか、或いは独立の決議参議院において、衆議院衆議院でやり、参議院参議院決議をした。それがたまたま違つたという形で行つているのか。要するに衆議院決議したものを、参議院で修正したという形式のものであるかということを一つお聞きしてみたいと思います。
  185. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 只今の点について御返事を申上げます。並びにさつきの佐々木さんの御質問に対する補足にもなるかと思いますが、今度の公労法十六條に基いて国会議決を求める件というふうにして出して来られたものは、政府から国会に出す出し方、それから衆議院から参議院に送付する仕方、これにつきましても法上若干の疑義があると私共は思つておりますが、すでにして当初の出され方が、衆議院に提出し、参議院国会法五十八條によりまして予備審査のために送付されたということ、並びに衆議院が先議の院として不承認という決議をされて、これをこちらに送付されたという点、そういうことから考えますると、衆議院と異る議決参議院がした場合においては、国会法八十三條の精神に準拠して、これを回付することが然るべきことと考えまして回付をいたした次第であります。その回付の回付文といたしましては、貴院においては……。貴院というのは衆議院のこと、貴院においてはこれこれこれこれと議決した、向うの議決を全文書きまして、それから本院においてはこれこれこれこれと議決した、これもずつと内容が書いてあります。つまり衆議院議決はこうであつた参議院議決はこうであつた、よつてこれを回付する、こうしてあるのでございます。その際に普通のように修正という用語を用いませんでしたのは、ああいう承認を求める件、なかんずく裁定に関して承認を求める件に関して、修正権がありや否やということについて疑義があるとも思われますので、そういうことを回避いたしまして、貴院においてはこういうふうに議決した、本院においてはこういうふうに議決した、よつて回付するということで送つたわけであります。  それから先程総長のお話にありました通り衆議院事務総長が、こちらの議院運営委員長にそういうお話があつたということが、議院運営委員長から報告がありまして、そこに集まられた議長、副議長議院運営委員長その他若干の関係委員長、それから事務総長等が相談され、又議院運営委員会の開会を待つておられた各派の議員、若干の方に私共の方もお答え申上げ、いずれも御意見が一致しておりますし、又衆議院事務総長から、衆議院議院運営委員会において、そういう議は経ておつたけれども、正式の使いとして来たのではない、非公式に来ておるということである、これを正式の議院運営委員会にかけて、正式に返事をするということもどうかと思われましたので、一応非公式の答えとして、私から衆議院の事務次長に電話いたしましたところ、そこに衆議院事務総長が電話に出られましたので、私の方からは各派の方とも非公式に御相談をいたしたけれども、これは政府からの議案の出し方、あなたの方から送付され方についても若干は疑義があるけれども、すでにこういう恰好で送付を受けて、それと異なる議決をしておられるからには、国会法の八十三條の精神によつて、八十三條の三項には送付案を修正したということがあるのであります。送付案を修正したということを広く解釈して、異なる議決をしたときには、当然衆議院に回付をすべきものであつて、單に通知をすべき筋合のものではないと思いますから、こういうふうにお答え申上げますといつて衆議院事務総長はよく分りました、こういうことであります。
  186. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私今事務的に少し聞いて置きたいのですが、通知という場合と回付という場合と、結果的にどういうふうな相違が出て来ますか。事務的に解釈して……。
  187. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 回付をいたしました場合には、両院協議会の問題が生じますが、それより先にこれが回付であるならば、衆議院は本院の議決に対して何らかの意思を表明する義務があると考えられます。つまり本院の議決同意するとか同意しないとか、同意しないならば両院協議会を求めるとか、或いはこれは求めなくてもいいのですが、そういう一定の意思を衆議院がとることが必要であると存じますが、本院が衆議院に対して通知をするならば、衆議院はこれに対して特段の措置をとる必要もなくなる、こういうことになろうかと思います。
  188. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 大体事務的にとられた措置は分つたのでありますが、その措置の裏付となるために聞きたいのですが、あの場合に審議の対象となつたのは、予備審査にかけられておつた案件ですか。それとも衆議院議決して送つて来たその内容ですか。どつちが対象になつて、あの議決がされたと考えられたわけですか。
  189. 河野義克

    ○参事(河野義克君) その点はいささか疑義があると存じます。併しながら委員会の審査報告書も、本院の議決報告、本院の回付文も、その点は議員諸公がどういうふうに理解してその点を議決されたにしても構わない、差支えが生じないというふうな吟味をして、委員会の審査報告書が出されており、それからこちらの回付文もできておる、そういうふうに信じております。
  190. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 結果はそうなつたとしてもですね、立法府がそういう曖昧な解釈のままで押し通すということはできないと思う。とにかく審議の対象になつてつたのがどれだか分らないで修正をするというような馬鹿なことはない、どつちかでないと困る。だから事務局として、咎めるわけじやないけれども、どれをとるのが一番いいと解釈されてこういうような御措置になつたかお伺いしたい。(「そんな馬鹿なことはない」「主観が違つているから」と呼ぶ者あり)
  191. 河野義克

    ○参事(河野義克君) この案件につきましては、先程申上げましたように、政府の出し方、それから衆議院がこちらへ送付して来た来方、そういうことにすべて吟味を遂げれば、尚吟味を遂げなければならん点があるのであります。従つて本院の議決の本審査になつてからの対象が何であるかという問題、いろいろ吟味をしなければならん問題であると思いますが、すでに本院におきまして、委員会委員諸公が本会議においては議員諸公が御決定になつたのでありますから、それについて事務局がどういう格好で扱つたかということは、今ここで申上げることは控えさして頂いた方がよいと思います。
  192. 鈴木直人

    鈴木直人君 これについては二つの考え方があると思いますが、併しながら事務局としては回付することがよいと思つて送付しなかつたということですね。その結果衆議院においては回付されてあるのであるからして、何らかの意思表示をしなければならんということになると思う。そこで衆議院においては、回付というのを通知というふうに変えてくれという要求があつたのですか。事務的にあつたのですか。
  193. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) それは先刻申上げました通り非公式のお話があつて、それはそうしない方がよろしいと思つておりますということを返事した、こういうわけなんです。
  194. 木内四郎

    ○木内四郎君 私はこの案件の取扱いについて、事務局の取つた措置は正しいと思います。運営委員会に諮らなくても、これは事務的に取扱つても結構だと私は思うのです。念のためにあのことは参考に伺つて置きたいのですが、参議院はあのときに承諾をした場合は、こちらに送付しないで通知するという途はあつたのでしようか、どうでしようか。
  195. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 衆議院から参議院に対して送付して来る来方にも疑義があると申上げたのは、そういう見解が成立つからであります。併しすでに本院としては、その送付を受けております。法律的な解釈としては、あのときに通知をするということも一つ態度であつたし、送付をするというのも一つ態度であつたと思います。
  196. 木内四郎

    ○木内四郎君 それでは初めから事務当局のいわれるように、この議案の出し方について非常に疑義があつたと思います。のみならず衆議院の扱い方にも非常な疑義があると思います。併し議事部長或いは事務総長からいわれたように、すでに向うがこれを議決してこちらに送付した以上は、こちらに送付次第回付するというのは当然だと私は思う。事務局の取扱いで誠に結構だと思います。
  197. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今結果に対してよい惡いということは私は別にいたしますけれども、今木内委員意見ですが、事務的に取扱われたことはよいとはいうものの、初めからこれ程法律的に疑義があつた問題であるから、普通の問題と同じように、事務的な手続きをとられたことについては、私は手がぬかつたと思う。今その非を咎めようというのじやなくて、今後こういう問題の解釈は、事務的のことになつておるから、私はやはり十分に相談をして頂かなければ困ると思う。私は今のような結果に対して、通知と回付では非常に大きな相違のあるような場合においては、当然私はそうだと思います。仮にその措置が間違つていなかつた、結果的に間違つていなかつたとしても、今のような重大問題が発生する可能性がある場合は、やはり議運に十分相談して頂かなければならん、今後の問題として一言して置きます。
  198. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) ここで御報告申上げることがあります。只今衆議院の方から明二十五日から一月の二十一日まで国会の休会をいたしたいということで協議が参つております。
  199. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の問題……。
  200. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) これは違います。今入つたことです。(「自然休会ですか」と呼ぶ者あり)国会の休会でございますから、両院の議決を要すると存じます。
  201. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の問題と関連するので、先程の問題が起つたわけですが、衆議院の方から正式にはまだ今の措置を求めて来てはいない。非公式に求めて来ておるというわけですか。
  202. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 只今正式に衆議院事務次長西澤君がここに来られまして、これは……。
  203. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 その前の問題ですよ。
  204. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 通知か回付かだ。
  205. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 意思表示があつたかどうかということです。これはまだ決定されていない。
  206. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 通知の問題につきましては正式な申出ではございません。
  207. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それならば私は今の国会の休会の問題を取扱われる前に、やはり今の措置で押出して行くのかどうかということを一応決めてこの問題に移られた方がいいと思います。
  208. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは裁定の問題の取扱い方は、先程から事務当局から説明のありました通り、今まで非公式の話になつております。併しこれが正式の話になつた場合には、事務当局がとつて来たこの態度でこちらが行つてよいかどうかということを……。
  209. 河野正夫

    ○河野正夫君 公式な話になるという前にちよつと伺いたいのですが、今衆議院から、明日からの国会休会の申出があつたわけですね。
  210. 高田寛

    委員長高田寛君) ちよつとそれに……。
  211. 河野正夫

    ○河野正夫君 ……ですから、私の発言を聞いて下さい。そうするとそれはやはり今の回付や通知という問題と関連を持つのです。実はそれで衆議院態度それ自身によつては、我々の考え方は、非公式のお話でなくて正式にどう言つて来たかによつて、おのずから政治的な見解を異にする場合があり得ると思います。
  212. 高田寛

    委員長高田寛君) それは正式にはまだ言つて来ておりません。
  213. 河野正夫

    ○河野正夫君 ですから正式な場合のときは、今私は保留して置きたいと思います。非公式の場合についての見解は以上であります。
  214. 高田寛

    委員長高田寛君) 佐々木さんは将来そういう正式な話があつた場合には態度を決めて置こう、こういう意味であろうと思います。
  215. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 その意味は、次の議題に入つて月曜日なら月曜日から休会ということを言つて来た。その土壇場になつて今の問題を正式に求められるということになると非常に困つて来ることになりはしないかと思います。
  216. 木内四郎

    ○木内四郎君 私は今後正式にあろうとも何であろうとも、今まで事務的に取扱つた態度でそのまま行かれて差支えないと思います。
  217. 河野正夫

    ○河野正夫君 ところが衆議院の方で、これは法律的に疑義があるとか何とか言つて、こちらに返上するというような場合があり得る、そういう意見も出ておると聞いております。そういうような場合になると、我々のいろいろな態度をそのときにもう一遍相談をし直す方がいいと思う。今から予め態度を決定して置く必要はない。非公式には先程の事務局の扱い方は了承しますけれども、正式にはこちらが合議を開いて決定して差支えないのじやないか、こう思います。
  218. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 只今先方の模様を聞かせましたところ、先方の議院運営委員会においては、この承認を求める件を正式に本会議の議題にして、同意をしないことに決め、両院協議会も求めないことに議院運営委員会としては決めた、こういうことであります。
  219. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今のは三分の二以上で可決したということですか。
  220. 河野義克

    ○参事(河野義克君) これは法律案ではございませんから、参議院議決に憲法五十九條二項の規定の適用はございません。    〔兼岩傳一君「もう一遍ちよつと初めの部分、今の報告を……。」と述ぶ〕
  221. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 今先方の議院運営委員会の模様を袋かせましたところが、議院運営委員会としては、この承認を求める件を議事日程に載せておるように本日の本会議に上程して、それで参議院議決に対して同意をしないということを決めて、然る後に両院協議会を求めるかどうかということについては、両院協議会を求めないということに、議院運営委員会としては決めた、こういう報告がありました。
  222. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると私は基本的に疑問が出て訳が分らなくなつてしまう。特別議決でやらないで、普通議決で通るようなことならば、初めからそうするとこつちからむしろ修正議決を回付するのがおかしいと思う。ナンセンスですよ。それならば初めから成り立つていると同じであつて、そんなことなら、我々として議決するということも初めからないと思う。その辺どうですか、もうちよつと分らないのですが。参議院は何のためにあるのだ。
  223. 鈴木直人

    鈴木直人君 いわゆる衆議院において議決したものを参議院が受けとつて修正して、回付したような形になつた、従つて衆議院がそれに対して反対議決をしたという場合においては、それは衆議院議決を以て国会議決になると思います。
  224. 高田寛

    委員長高田寛君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  225. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を始めて下さい。それでは先程からの問題は、まあこの問題は、休会の件をお諮りいたしておつた途中に、向うの正式に協議が来たという御報告が今あつたわけですが、こちらの態度を一応決定することについて御協議願いたいと思います。
  226. 河野正夫

    ○河野正夫君 国会議決による休会ということでなく、自然の休会にした方がいいと思います。その理由はいろいろな重要な情勢にあると思います。従いていろいろな意味で重要な情勢にあると思いますので、突発事項も起るかも知れませんし、更に又各常任委員会でも一月の二十日まで、或いは二十一日まで休むということになりますと、常任委員会の活動もおのずから制限されることになります。それ故、これは自然休会にして差支えないと思うのであります。といいますのは、今日の新聞あたりに妙なことも出ておりましたけれども、いろいろなそういう会計上の疑問という意味からいえば、これは議決休会でも、自然休会でも同じなんでありますから、そういうような世論に何も恐れることなく、むしろ必要があるという意味において自然休会にする方がいいだろうと思います。
  227. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私は自然休会にも議決休会にも反対であります。とにかくこの会議が始まつてから実質的な問題になつたのは、この臨時年末手当の問題が中心でありますから、今のような解釈なら或いは措置なんかぼやぼやと残つておるままで、議会が実質的に休むということは絶体反対です。とにかくどちらかに国会の意図を正式に決定するなり、或いは先の見通しがつかなければ私は休むことに反対であります。
  228. 木内四郎

    ○木内四郎君 自然休会と議決休会との違いをちよつと聞きたいのだが、議決休会になつたときでも突発事件があつた場合には開くことができるのかどうか。
  229. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 国会法第十五條の第三項を見ますと、「各議院は、議長において緊急の必要があると認めたとき、又は総議員の四分の一以上の議員から要求があつたときは、国会の休会中又はその院の休会中でも会議を開くことができる。」とかように明示されております。
  230. 木内四郎

    ○木内四郎君 それは委員会も本会議も、両方含むのですかどうですか。
  231. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  232. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を始めて下さい。  それでは今衆議院の方から協議して参りました国会の休会の件、明二十五日から一月二十一日まで国会の休会を議決したいということを協議して参つた、これに対してはこちらは議決休会をいたさない、必要に応じて自然休会をする、こういうことを向うに申入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  233. 高田寛

    委員長高田寛君) それではさように決定いたします。(「必要に応じて」と呼ぶ者あり)  それから次にこちらは自然休会となるから、いつからいつまで自然休会にするかという問題に移ります。
  234. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私は今のように注意したのだから、そして理由が今のところにあつたと思いますから、今日の議運はこれで止めて今の問題を引つくるめて、今日の声明に対する意思表示をするかしないか、それからその前の問題についても何らか処置をするかしないか、一つ皆各会派で相談して適当に決めて、必要があれば本会議を開いてやる、必要がなければ、適当なところから自然休会に入るということで切つていいのじやないか。
  235. 高田寛

    委員長高田寛君) 一応休憩にして置いてよろしうございますか。(「何がないとも限らんから休憩にして……」と呼ぶ者あり)それでは約一時間休憩いたします。    午後七時十三分休憩    —————・—————    午後八時三十四分開会
  236. 高田寛

    委員長高田寛君) 休憩前に引続き再開いたします。  それでは休会の件について事務総長から……。
  237. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 衆議院の方は、先刻のこつちの議院運営委員会の申合せの筋を、直ちに衆議院にお伝えいたしました。当院としては、議決休会はいたさない趣旨だということを申上げました。衆議院は先刻散会いたしたようですが、散会まで、休会議決はなされなかつたことは事実でございます。
  238. 高田寛

    委員長高田寛君) こちらの方はどういうことにいたしますか……。
  239. 鈴木直人

    鈴木直人君 実は衆議院でただ自然休会するというだけでなくて、何かそこに二十一日まで、明日から二十一日まで休む。そういうような何か申合せでもしておつたのかどうか、それを伺いたい。
  240. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) その点は、こういうふうに聞いております。衆議院では、議院運営委員会では、明二十五日より一月二十一日まで国会の休会をしたい。こういうことを決定して置いて、それで今度本会議になつては、もうその問題は何も議せずに、本会議は散会になつてしまつた。こういう状況です。その後議院運営委員会では、その問題が重ねて御論議になつてはいないようです。
  241. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 関連して聽きたいのですが、先程こつちから送付した議案を、今日上げるようなことの話があつたのですが、その措置はどうですか。
  242. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 正式の通知は来ておりません。
  243. 高田寛

    委員長高田寛君) ちよつと速記止めて下さい。    〔速記中止
  244. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を始めて。
  245. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 衆議院の本会議におきましては、参議院の回付案に対しまして同意いたさないという議决があり、尚これに関しては両院協議会は求めないという議決がありました。
  246. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 関連質問ですが、それはどういう形式でやられたんですか、その議題になつたのは、こちらからの案が修正案として取上げられて、修正案でそれが否決されたという恰好なのか、別な決定か決議がなされたというのか、その辺の形式を承わりたい。
  247. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 只今衆議院の公報に議題として載つているのは「公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件(参議院回付)」こういうのが日程に載つておるわけで、それに従つて国会法の第八十三條の三項、四項に準拠して「甲議院において乙議院の回付案に同意し、又は同意しなかつたときは、その旨を乙議院に通知する。」その條項によつて同意するか同意しないかを決めた、こういうことであるわけであります。
  248. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それはあれですか、さつき言つたのは僕は法律手続と共に聞いたんですが、修正案が回付されて、その案が否決或いは可決という措置を取るんじやなくて、別にこちらから廻されたものに同意するかしないかという決を採るわけですか、或いは採られたのですか。
  249. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 公共企業体これこれの議決を求めるの件、参議院回付に同意するかしないか、その議決をしたわけであります。
  250. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 回付されたものに同意しない、否決ということですか。
  251. 河野義克

    ○参事(河野義克君) つまり否決と申しますか、要するに法律的に言えば同意しなかつたというわけです。回付案というのは衆議院意見とこつちと、先議院議決と後議の院の議決と異なつたときに、後議の院から先議の院に送るということを言うのでありまして、先議の院は自分の議決と違いますから、後議の議院である参議院意見同意しなかつたという議決をしたわけであります。
  252. 高田寛

    委員長高田寛君) そういたしますと、今の参議院の方としては自然休会で行くということは、先程の御決定でこれはいつからいつまでということにいたしますか。
  253. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ですからいつからいつまでということを決める前に、善後措置をとる必要があるかないか、あるとすればどういう方法があるかというふうの相談をするのがよいかと思います。
  254. 河野正夫

    ○河野正夫君 先程休憩前の運営委員会におきまして、佐々木君から只今のような発言もございましたし、私は午前中の委員会におきまして一種の動議を提出する用意を持ち、更にそのことに関連する発言もいたしたいのでありますけれども、その後の運営委員会の経過に徴して、暫くその動議提出を俟つてつたのであります。この際私は総理大臣並びに政府国会を軽視し、参議院を無視するところの態度に関しまして運営委員会決議を以て、参議院議長を通じて、首相並びに政府反省を求めることの動議を提出いたしたいと思うのであります。必要があれば只今説明いたしますけれども、先ず動議だけを提出いたします。
  255. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ここに一つ動議が出たわけですが、その動議をそのままにして懇談会にするの動議を出します。
  256. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは速記を止めて下さい。    午後八時四十八分速記中止    —————・—————    午後九時二十五分速記開始
  257. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を起して……。それじや十分間休憩いたします。    午後九時二十六分休憩    —————・—————    午後十時十九分開会
  258. 高田寛

    委員長高田寛君) それではこれより委員会を再会いたします。
  259. 小林勝馬

    小林勝馬君 先程の皆さんお話によりまして、緑風会、民主党、無所属、社会党各会派から代表一名づつ寄りましてこの案文を作成いたしました。それをここに御披露いたします。公労法第十六條第二項の議決を求むる議案の審議に際し、政府は同法第三十五條及び第十六條の解釈に関し、増田国務大臣をして終始一貫一定の解釈を取らしめたにも拘わらず、参議院のこれに関する意思の決定を見るに及び、忽ち全くこれに相反する解釈に変更し、本院において釈明を行わずしてこれを公表した。しかのみならず吉田総理大臣は、同議案の審議に際し、運輸労働連合委員会及び議院運営委員会並びに本会議におけるたびたびの要求にも拘わらず、言を左右に託して出席を怠るがごときは、政府参議院を軽視し、延いては国会を無視したるものである。よつて参議院議院運営委員会はその議決を以て、議長を通じて、総理大臣及び政府の猛省を促し、将来の善処を要望する。  以上であります。
  260. 河野正夫

    ○河野正夫君 只今の小林君の報告に満幅の賛成を表するものであります。
  261. 高田寛

    委員長高田寛君) 他に御意見ございませんか。
  262. 中川幸平

    中川幸平君 私只今の申合せといいますか、決議といいますか、それに反対の意を表明いたしたいと思います。  政府参議院を軽視するというようなことがありまするが、我々與党として政府部内を考えてみまするに、衆議院以上に参議院に非常に気を使つてつておられることを認めます。(「ノーノー」と呼び者あり)ただ総理が割合に出席要求に応じられない。これは御承知のごとく老体でもあり、健康を害しておられる関係上、(「じや辞めたらいいじやないか」と呼ぶ者あり)ときどきさようなことがあるのは、與党としても誠に遺憾に存じておる次第であります。ただ前の国会の際におきましても、あの談話の発表、あれによつて野党各派を非常に刺戟した。同時に與党内にも非常に紛擾があつたことは、非常に遺憾であります。併しながら、その形、又その事態は非常に遺憾でありますが、最初のかの失言問題、これは言葉の上では失言らしくあつたために取消しはされました。併しながら、後より総理の今以て失言とは思わないというような心を考え、(「尚惡い」と呼ぶ者あり)談話のお心を考えてみまするときに、この際国会もいま一段と政府に協力をして貰いたいというに過ぎんのであるということを考えるのであります。どうでもしてこの敗戰国家を少しでもよりよく建て直したい、又講和会議もなるべく促進したい、又よりよく有利に締結をいたしたいという端的の発露であるというふうに考えるのであります。かような際に、総理のかの談話といい、誠に遺憾でありまするが、国会自体も反省をせんければならん点が多々あると思うのであります。他の委員会におきましても、中には定足数を揃えるのに非常に骨を折つた。而も、二回も三回も委員会に欠席をしながら、たまたま出席をいたして、先にあつた質疑を又繰り返す、或いは議案に直接関係のない事柄をいたずらに質疑を繰り返しておる状態を見ることがたまたまあるのであります。かようなことをいたして、折角衆議院から送付された議案を審議未了に終らすというがごときは、参議院性格として、果して当を得ておるかどうかということも考えねばならんと思うのであります。(「小会派は寛容な態度でやれ」と呼ぶ者あり)さような点をいろいろ考えるときにおきまして、本運営委員会として、さような決議をすることが果して当を得ておるかどうか、というようなことを考えまして、或いは小数かも知れませんが、私は反対の意を表明いたす次第であります。(「討論」「採決」と呼ぶ者あり)
  263. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この際、討論を打切つて採決せられんことの動議を提出いたします。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)
  264. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 言われることがあつたらもつと余計言つた方が僕はいいと思う。
  265. 高田寛

    委員長高田寛君) 討論を終結して採決に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  266. 高田寛

    委員長高田寛君) 御異議ないものと認めます。それでは只今小林委員の読み上げられた趣旨によつて議長から政府に申入れをするということに、御賛成の方の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  267. 高田寛

    委員長高田寛君) 多数と認めます。よつて、さように決定いたします。
  268. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の問題に附加して、この説明の中にこう書いております。一定の解釈を云々、それから次に、これと相反する解釈云々とありますが、これは自明のことと思つて、そうなつておると思いますが、念のために議長から言われる場合は、一定の解釈の内容、及び反対解釈の内容を以て、誤解のないように説明されることをお願いします。(「速記録にある」と呼ぶ者あり)
  269. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは次に栗山君からなされました次のに入りたいと思います。
  270. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私の出しましたことが非常に必要であると思いましたけれども、只今の首相当ての議長からお申入れをしておられる内容に、相当具体的に細く入りましたことと、それから恐らくこれが入りますならば、参議院運営委員会の意思というものは、新聞紙上を通じて発表されることと私は想像しますので、私の提案は撤回します。
  271. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは次に先程から問題になつております休会の件を諮りいたします。
  272. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は明日から一月二十一日まで本会議を開かないという申入れをいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  273. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私は反対であります。先程から言つたように、予算案を、新聞紙上に発表したところによると、措置を適当にとると約しておりますから、それを見届けるまで、つまり必要がなくなるまで、私は本会議を開かないというふうにしたいと思いますから、明日からのやつには反対いたします。(「申合せ申合せ」「佐々木君はしようがない」と呼ぶ者あり)
  274. 高田寛

    委員長高田寛君) それではこういうことです。特に必要の起こらない限り、(「ノーノー」)と呼ぶ者あり)特に必要の起こらない限り明日から一月二十一日まで本会議を開かない、こういうことを決定する件をお諮りいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  275. 高田寛

    委員長高田寛君) では御異議ないものと認めます。   —————————————
  276. 高田寛

    委員長高田寛君) それから次に庶務関係小委員の変更の申出があります。
  277. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 庶務関係小委員補欠の選任があります。中山壽彦君辞任の補欠といたしまして、城義臣君を推薦して来られております。
  278. 高田寛

    委員長高田寛君) それではお申出通り承認することに御異議ございませんか。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  279. 高田寛

    委員長高田寛君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  280. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を始めて。それでは外に別段御発言もなければ……。
  281. 大隈信幸

    ○大隈信幸君 先程から議題になつておりました祕書の年末手当の件でありますが、先程主計局長からあのような話がありましたが、いろいろ検討して非常に無理な点が多いと思うのでありますので、この際は祕書の諸君に対して甚だ残念ではありますが、この年末手当の件を打切りたいと思います。そのことをお諮り願います。(「了承」と呼ぶ者あり)
  282. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 もうこれで散会されることに異議ありません。本会議期散会の問題はどうしますか。
  283. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 了承ということであれば、済んだのが、それは結論をはつきりして貰わないと困るのですが……。
  284. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは今少しちよつと話を戻して……。それでは今大隅庶務関係小委員長からの御報告に基いて、祕書の年末手当の件を打切るということに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  285. 小林勝馬

    小林勝馬君 それは一切別に法律を出すというような話もあつたのですが、それも一切打切るという意味ですか。
  286. 大隈信幸

    ○大隈信幸君 そうです。それは何もかも今回は打切つて……。
  287. 河野正夫

    ○河野正夫君 社会党の態度としては別個でありますけれども、議員の祕書の大勢の人の陳情を承つておりますると、この際ただ小委員長報告了承いたしますけれども、それで全然可能性を断ち切るということではなくして、今の委員会報告了承するという意味において、私は了承するのであります。
  288. 中川以良

    中川以良君 私もこの祕書の手当の問題はここで以て打切ることなく、尚一つ検討をして、できるだけ一つ時期がずれましてもよろしいから、何とか面倒を見られるように是非して貰いたいと考えている次第であります。
  289. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕も先程主計局長が言つたような、ああいう不明朗な将来に禍いを含むような形においてやることは反対いたします。併し今この中川君の言われたような問題、更に突込んではそもそも祕書の立場が非常に不明朗な点が多く、イミテーシヨンのような恰好で実際運用されないで、又相当の年輩、相当の家庭を持つて働いておられる人には非常の冷遇に失するし、いろいろな複雑な問題を含んでいるので、この問題を早急にやはり議院運営の上からいつても解決されて、合理的な基礎の上に祕書諸君が働き得るように急速に考えるということを、この際一つ皆さん了承して貰うということを附加えて置きます。
  290. 高田寛

    委員長高田寛君) それでは今の庶務小委員長の御報告は一応了承する。併し祕書の給與並びに制度については尚一層検討を加えるということで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  291. 高田寛

    委員長高田寛君) さようにいたします。
  292. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 本日の本会議の件でございますが、現在すでに定足数は相当以上欠いている趣きでございます。よつてベルを押しますれば、議長としては、「本日はこれにて延会いたします。次会の議事日程は公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。」かような宣告より外になかろうかと一応考えております。(「それでいい」と呼ぶ者あり) すでに四時を過ぎていますから、議長の延会の宣告でよかろうと思います。
  293. 高田寛

    委員長高田寛君) 本会議は只今の事務総長説明のような方法で処理して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  294. 高田寛

    委員長高田寛君) 御異議ないと認めます。それでは外に別段御発言はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  295. 高田寛

    委員長高田寛君) 御発言もなければこれを以て散会いたします。    午後十時三十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     高田  寛君    理事            小林 英三君            左藤 義詮君            大隈 信幸君            竹下 豐次君    委員            大野 幸一君            河野 正夫君            栗山 良夫君            山下 義信君            小串 清一君            城  義臣君            中川 幸平君            中川 以良君            中山 壽彦君            堀  末治君            木内 四郎君            小林 勝馬君            高橋  啓君            宇都宮 登君            岡本 愛祐君            加賀  操君            宿谷 榮一君            鈴木 直人君            兼岩 傳一君            佐々木良作君            鈴木 清一君            小川 久義君   委員外議員            原  虎一君            中村 正雄君   —————————————    議長      佐藤 尚武君    副議長     松嶋 喜作君   —————————————   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  小澤佐重喜君    国 務 大 臣 増田甲子七君   政府委員    地方自治政務次    官       小野  哲君    大蔵事務官    (主計局長)  河野 一之君   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (総務部長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (会計課長)  清水  齊君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君