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1950-02-16 第7回国会 参議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十六日(木曜日)    午前十時四十七分開会   —————————————   委員の異動 二月三日委員大隅憲二辞任につき、 その補欠として横尾龍吉君を議長にお いて指名した。 二月十三日委員高田寛君、加藤常太郎 君及び鈴木清一辞任につき、その補 欠として中村正雄君及び安達良助君を 議長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員長報告喜久田駅舎および待合室増築に関す  る請願(第八号) ○西若松東口待合室拡張に関する請  願(第三号) ○久之濱こ線橋架設請願(第一一一  号) ○郡山駅舎改築促進に関する請願(第  一一五号) ○二俣佐久間両駅間に鉄道敷設促進  の請願(第六七号) ○荒屋新町、北福岡間に鉄道敷設の請  願(第九三号) ○国鉄本線延長工事促進に関する請  願(第三八一号) ○大糸線全通促進に関する請願(第三  八一号)(第四五八号) ○掛川御前崎間に国営貨客自動車運  輸開始の請願(第六八号) ○伊万里港の石炭積出し施設拡張に関  する請願(第八〇号) ○手打港の築港工事促進に関する請願  (第一三六号) ○亜炭鉄道運賃軽減に関する請願  (第九一号) ○亜炭鉄道運賃軽減に関する陳情  (第一六号) ○駒嶺駅新設に関する請願(第一四五  号) ○無許可トロール船取締に関する請  願(第一七三号) ○気象官署拡充に関する請願(第二〇  七号) ○郡山市に測候所設置請願(第二三  四号) ○漆器鉄道貨物運賃改正に関する請  願(第二八五号) ○釜石線上有住設置に関する請願  (第三〇七号) ○甲府長野駅間鉄道電化に関する  請願(第三八〇号)(第四五九号) ○水先法の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○船舶運営会船員退職手当に関す  る交付金船舶所有者に交付する法  律の一部を改正する法律案内閣提  出)   —————————————
  2. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それでは只今より運輸委員会を開会いたします。先ず飯田委員長より御報告を願います。
  3. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 請願及び陳情に関する小委員会における審査の結果を御報告申上げます。  請願第八号、喜久田駅舎および待合室増築に関する請願、同第三一号、西若松東口待合室拡張に関する請願、同第一一一号、久之浜こ線橋架設請願、同第一一五号、郡山駅舎改築促進に関する請願、これらはいずれも駅の施設に関するものでありまして、喜久田駅につきましては、明治三十年に建築されたままであり、老朽甚だしく利用者不便が大きいから、速かに本駅駅舎及び待合室を改築せられたいというのであります。西若松駅につきましては、乗降人員の七〇%が利用する東口待合室が狭少なため、不便と苦痛による苦情が続出しているから、速かに拡張せられたいというのであります。又久之浜につきましては、乗降人員も相当多いのに、跨線橋がないため不便と危險にさらされているから、速かに跨線橋を架設せられたいというのであります。郡山駅舎につきましては、本屋並びに待合室は爆撃により破壊された当時のままの仮建築であり、その上キテイ台風によつて、さながら野天にもひとしい有様となり、旅客が非常に難澁している。又駅舎新築未了のため、戰災復興都市計画事業の完遂にも支障があるから、早急に改築して慾しいというのであります。以上四件につきまして、政府より、予算資財その他の関係にて急速に実現は困難であるが、十分考慮する旨の回答があり、尚、郡山駅々舎に関しましては、二十五年度予算に計上してあるとのことでありましたので、来年度において早急に着手して貰うことにして、以上四件、いずれも小委員会におきましては願意を妥当と認めました。  請願第六七号、二俣佐久間両駅間に鉄道敷設促進請願、同第九三号、荒屋新町、北福岡間に鉄道敷設請願、同第二四一号、国鉄本線延長工事促進に関する請願、同第三八一号、第四五八号、大糸線全通促進に関する請願、以上五件は、いずれも鉄道敷設に関する請願であります。二俣佐久間間につきましては、本線建設未成線で、表、裏日本を結ぶ最短路線の一部をなすものであり、且つ沿線地域の豊富な林産物及び鉱産物並びに電源開発のため、最も緊要な鉄道であるから、一日も早く本工事に着手せられたいというのであります。荒屋新町、北福岡両駅間は、すでに予定線なつており、地方産業経済、文化の発展並びに観光地帶の紹介のために、速かに工事を施行されたいというのであります。又国鉄本線延長工事促進につきましては、起工半ばで一時中止になつているが、本路線開通花釜線と直結し、且つ将来三陸沿岸鉄道と結び、更に沿線資源開発に寄與するところが大きいから、速かに延長工事促進を図られたいというのであります。大糸線全通促進につきましては、僅かに中土、小滝間十七キロのみが未開通のまま放置されていて、沿線資源開発支障を来し、更に本路線日本を横断する短路線としても国策上必要であるから、速かに完成せられたいというのであります。これらの請願に対しまして、政府よりの説明は、資源開発のためにも積極的に工事を再開いたしたい希望はあるが、予算資財面にて全面的に早急に着工は困難であるとのことでありましたが、審議の結果は、いずれも資源開発のためにも必要路線であり、小委員会におきましては、いずれも願意を妥当と認めました。  請願第六八号、掛川町、御前崎間に国営貨客自動車運輸開始請願、この請願要旨は、掛川町は小笠連山により南北に両断せられて、南部海岸との交通機関がなく、不便甚だしく、物資の交流も不円滑で関係地方産業発展も阻害せられているが、近日御前崎港の改修築港工事も施行せらるることになつているから、この際掛川御前崎間に省営貨客自動車運輸を開始して欲しいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果、現地の状況をも勘案し、願意を妥当と認めました。  請願第八十号、伊万里港の石炭積出し施設拡張に関する請願、この請願要旨は、伊万里港は年間五十万トンの石炭を積出す計画を以て、三千トン一隻、千トン一隻、機帆船三隻の荷役施設を有する築港として計画され、その第一期工事として昭和二十三年度より千トン一隻分を着工されたのであるが、本港に依存する要海上輸送炭量年間五十万トンであるから、現在施行中の千トン一隻分の設備では、その三分の一を解決するに過ぎないから、昭和二十五年度予算においては、千トン一隻分を増設されたいというのであります。政府当局説明によりますと、本港は惠まれた石炭資源を持ち、当該地区積出港として重要であり、これが整備については、昭和二十四年度公共事業費が大巾に削減されましたので、緊急を要する貯炭場のみを実施いたす予定であるということであります。審議の結果、願意は妥当であると認めました。  次に、請願第一三六号、手打港の築港工事促進に関する請願。この請願要旨は、手打港は東支那海交通の要地で、南方水産圏の要衝にあるので、昭和二十四年五月運輸省より指定港に認定されたが、防波堤施設繋船設備がないため、毎年の暴風による被害が甚大であるため、築港工事促進を図られたいということであります。政府当局説明によりますと、本港地方的に重要港湾で、昨年指定港湾に編入されましたが、昭和二十五年度港湾関係公共事業費が本年度よりも減額される模様でありますので、調査検討の上、可及的速かに実施いたしたいというのであります。審議の結果、願意は妥当であると認めました。  請願第九一号、亜炭鉄道運賃軽減に関する請願陳情第一六号、亜炭鉄道運賃軽減に関する陳情請願陳情要旨は、亜炭生産コスト自由市場価格の低下のために極度に圧縮されて、昨年十月統制撤廃当時に比し、三十五パーセント以上低められた結果、生産者手取金額は一千円に達せざる状況で、運賃八割値上げによる運賃負担力は殆んどなく、結局需要者負担とならざるを得ない現状であるが、これは延いては輸出産業の繊維、化学、食品、窯業等輸出コストを高め、且つ一般家庭消費経済にも悪影響を與えるから鉄道運賃を軽減せられたいとの請願であります。小委員会におきましては、慎重に審議をいたし、政府よりの意見も参酌して願意を妥当と認めました。  請願第一四五号、駒嶺駅新設に関する請願請願要旨駒嶺は人口七千人に上り、米穀、薪炭、木材その他多くの産物があるが、駅までの距離が遠く、産物輸送に非常な不便を感じているから、中村、新地両駅間に駒嶺駅新設せられたいというのであります。本件につきましては、政府予算、資材その他の関係で早急に実現は困難であるとの意見でありましたが、小委員会におきましては、審査の結果願意を妥当と認めました。  次に、請願第一七三号、無許可トロール船取締に関する請願。この請願要旨は、最近もぐりトロール船三十七隻が紀水伊道及び由良專用漁場を荒し廻り、漁民の死活に関する問題で、今まで度々取締方を県庁、警察、海上保安庁へ要望したが、まじめにやつて呉れないので、密漁船はますます暴威をたくましくしている有様だから、由良漁民保護のため、その取締実施されたいというのであります。政府当局説明によりますと、漁業法及び瀬戸内海漁業取締規則違反として、漁業行政担当官庁である水産庁の行政方針に即応して、取締の面から積極的に協力していますが、ただ巡視船数が少数である事情及び海難密航密貿易等海上に発生する事件と競合する場合には、取締に専念できぬ場合が起り得るということであります。審議の結果、願意は妥当であると認めました。  請願第二〇七号、気象官署拡充に関する請願。この請願要旨は、我が国は世界有数気象災害国であり、気象台は全力を挙げて被害防止に努めているが、予算の縮減により、人員官署縮小廃止を余儀なくされ、農、漁、電気産業並びに民生安定に大きな影響を與え、産業復興を妨げているから、適切な処置を講ぜられたいというのであります。政府当局説明によりますと、提案趣旨については十分了承していますが、本年度においては、国家財政上の緊急な要請により止むを得ず縮小している状況で、今後でき得る限り速かに旧に復し、拡充いたしたいということであります。審議の結果、願意は妥当であると認めました。  次に請願第二三四号、郡山市に測候所設置請願、この請願要旨は、郡山市が福島県の中央に位し、附近一帶複雑な地形の関係から気象の変化が著しいため、簡易測候所なりとも設置されたいということであります。政府当局説明によりますと、予算事情が許す限りにおいて、その趣旨に副いたいということであります。審議の結果、願意は妥当なるものと認めました。  請願第二八五号、漆器鉄道貨物運賃改正に関する請願請願要旨は、現在漆器に対する貨物運賃雑工業品家具類に包含されて、小口扱の場合には取扱も便利であり、且つ生活必需品であるから、現行小口扱二倍運賃普通運賃改正せられたいというのであります。本件に関しましては、政府当局も何分の考慮をする旨の意見の開陳があり、小委員会においても願意を妥当と認めました。  請願第三〇七号、釜石線上有住設置に関する請願請願要旨は、新設予定上有住駅は盛岡、釜石、宮古方面への新ルートとして、大船渡線盛駅及び大船渡港とを結び、宮城県気仙沼方面は勿論、三陸沿岸縦貫最短距離で、且つ枢要中心地点であり、又岩手県が計画している大船渡特定地区総合開発計画遂行上にも重要性を有しているから、普通駅として設置せられたいというのであります。本件に関しましては、政府より普通駅として設置することを考慮しているとのことでありましたので、願意を妥当と認めた次第であります。  請願第三八〇号、第四五九号、甲府長野駅官鉄道電化に関する請願請願要旨は、本区間はトンネルが多く、又急勾配のため石炭使用量も莫大に上り、産業再建の障碍となつておるのみならず、沿線全国有数観光地であるから、当地方の豊富な電源木材使つて、速かに電化して欲しいというのであります。これにつきまして、政府当局よりは、電化計画には順位もあるし、早急に実現は困難であるが、実現に努力する旨の説明があり、小委員会におきましては願意を妥当と認めました。  以上請願二十一件、陳情一件は、審議の結果願意は妥当と認め、全会一致速かにこれを議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたした次第であります。以上報告いたします。
  4. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 委員長報告通り決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 異議ないものと認めまして、さように決定をいたします。   —————————————
  6. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 今大臣が見えるそうでありますから、ちよつとお待ちを願います。  それではこれより水先法の一部を改正する法律案議題に供します。先ず、提案理由政府より御説明を願います。
  7. 大屋晋三

    国務大臣大屋晋三君) 只今より水先法の一部を改正する法律案について提案理由を御説明いたします。この法律案によつて改正しようとする要点は、次の三つの点であります。一、水先人免許要件に関する規定を整備すること。二、以前に水先人であつた者に対し、水先人免許を與えようとする場合における特則を定めること。三、新たに水先区を設定すること。即ち現行法では、水先人免許要件一つとして、一定期間以上水先修業生として実務を修習したことを必要としているのでありますが、新たに定められた水先区について、初めて水先人を置く場合又は水先人の死亡その他の事由により、水先人が皆無となつ水先区に水先修業生がいない場合には、実際上この要件を充たすことは不可能でありますし、又諸種の事情により水先人を急速に補充乃至増置する必要がある場合において、この要件を具備した水先修業生がいないときには、急速に水先人を置くことができないことともなりますから、かかる場合には、一定回数以上その水先区において航海に従事した実歴を以て水先修業生要件に代えまして、水先人免許を與えることができるものとしようとするのであります。  次に、以前に水先人であつた者から水先人免許の申請があつた場合、第四條の免許要件を具備しておれば免許は與えられるのでありますが、かかる者に対して直ちに水先人免許を與えることは、第八條第二項の免許の更新の際に必要がある場合には試験を行うことができるという規定との関係におきまして不合理がありますので、かかる場合にも必要に応じて試験を行うことができるように措置しようとするものであります。  最後に、和歌山県下津は、最近主として石油積揚船舶、特に大型外国船の入出港が急増いたしまして、水先人を置く必要に迫られておりますから、下津水先区を設定しようとするものであります。  以上、簡單でありますが、提案理由の御説明を終ります。何とぞ慎重御審議の上、速かに可決あらんことをお願い申上げます。
  8. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 御質疑のあります方は御質疑を願います。
  9. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 下津水先区にしたいということは、大体今の御説明で分りますわけでありますが、これはどのくらいの船が絶えず入るようなことに現在はなつているのでしようか。
  10. 稲垣次郎

    政府委員稲垣次郎君) お答えいたします。大体トン数で言いますと、最近の一年間に百二十九万九千六百四十四トンばかりの船が入つております。隻数は五百十四隻になつております。
  11. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そういうように沢山入るんだつたら、この前水先法制定する時分に、大体そういう見当が付いておつたように考えますが、そのときに特にオミットしておつて今度入れるということはおかしいけれども、どういうわけでオミットしておつたのか、何か特別に理由があるのでしようか。
  12. 稲垣次郎

    政府委員稲垣次郎君) これは極く最近に非常に船が殖えて参りました。一月からの累計を見ましても、一月十二隻、二月は二十五隻というのに比べまして、十月は五十五隻、十一月は四十四隻と非常に急激に殖えて参つたというような事情でございまして、至急この法律を御審議願いたいと思うのであります。
  13. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この改正法がパスすれば、公布の日から実施するということになつておりますが、この公布は相当延ばすおつもりなのでしようか。これが両院を通過すれば直ぐ公布するつもりか、いつ頃公布する御予定なつておりますか。
  14. 照木敏雄

    政府委員照木敏雄君) お答えいたします。只今の御質問趣旨は、私の方では直ちに実施をしたい、施行したいと、そういうふうに準備を進めております。
  15. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすると、下津水先区が法律上決定されて、そうして直ちにこの法律両院をパスすれば公布されるということになると、下津に出入する船舶から水先人要請があつた場合に、この法律によつて水先人というものはできていないように思いますが、そういう関係はどういうふうなことになりますでしようか。
  16. 照木敏雄

    政府委員照木敏雄君) お答えいたします。その問題につきまして、今度水先法の第四條の二項を変更いたしまして、その修業生のいないところの要件を満しまして、直ちに試験を行なつてやることができるように準備を進めております。それから下津港においては、すでに船長の資格を持つている者が、今のところ実際上の水先業務に類似したことをやつておる者がありますので、それを試験をしますれば免許を與えられると、かように存じております。
  17. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 従いまして公布する前に、そういう手続をする御腹案だということに了解してよいでしようか。
  18. 照木敏雄

    政府委員照木敏雄君) その通りでございます。
  19. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ついでにお尋ねするのですが、この水先法の第十三條ですか、この十三條によると、強制水先区に関する政令というものが、もう当然出ていなければならんように思うのですが、まだそういう政令が出ていないように私は記憶しておりますが、記憶が間違つておればあれですが、これはどういうふうにして……。
  20. 稲垣次郎

    政府委員稲垣次郎君) これは目下政令の方で定めるようになつておりまして、大体各方面の了解が得られましたので、三月一日実施を期して目下手続中でございます。
  21. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすると、法律制定公布後、今日までこの法律を施行する準備が、各方面の状態で整つておらなかつたから、こういうふうに遅れているのだが、漸くできたから三月一日からやることにするのだ、そう了解していいのでございますか。
  22. 稲垣次郎

    政府委員稲垣次郎君) さようでございます。
  23. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 もう一つお伺いいたしますが、省令で、十二條によつて水先区に対する最低の員数というものが決まつているようでありますが、下津に対してはいずれこれが済めば出るのでしようが、省令に対する人間の数に対して御腹案があろうと思いますが、一応お伺いしたい。
  24. 稲垣次郎

    政府委員稲垣次郎君) 目下のところ一名を予定しております。
  25. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 本案に対する私の質問はこれで終ります。
  26. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 外に御発言ございませんか……。他に御発言もないようでありますから、討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 異議ないと認めます。それでは討論に入ります。御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  28. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 本案は強いて論議する程のこともない極めて自明のことで、いずれも必要であり、又適切な改正であると思いまするから、私は本改正案が通過することを賛成いたします。
  29. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 他に御意見はございませんか……。それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔総員挙手
  30. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決されました。  尚、本会議における委員長口頭報告委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 御異議ないと認めます。それから慣例によりまして、本案を可とされた方は順次御署名願います。    〔多数意見者署名〕    小泉 秀吉   飯田精太郎    横尾  龍   入交 太藏    小野  哲   早川 愼一   —————————————
  32. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 次に、船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律の一部を改正する法律案議題に供します。政府より提案理由の御説明を願います。
  33. 大屋晋三

    国務大臣大屋晋三君) 船舶運営会船員退職手当に関する交付金船舶所有者に交付する法律昭和二十四年法律第九十七号)の一部を改正する法律案につきまして御説明申上げます。  従来船舶運営会が管理しておりました国家使用船舶は、船舶運航管理令制定によりまして、昨年四月一日以降定期傭船制度切替えられることになり、船舶運営会に所属しておりました船員は、同会を退職して直ちに各船舶所有者に雇用替されたのでありまして、これらの船員退職手当につきましては、法律第九十七号の規定によりまして、直接船員に支給せず、退職手当に充当すべき金額当該船員の帰属する各船舶所有者にそれぞれ交付いたして置きまして、これらの船員が他日その船舶所有者との雇用関係が消滅したときに、この退職手当を支給するように措置されたのであります。  以上の定期傭船切替は、当初今年度中に全船舶切替を終了する予定で、法律第九十七号の適用期間を「昭和二十四年四月一日から昭和二十五年三月三十一日まで」の一年間に限定したのでありますが、たまたま帰還輸送業務が本年度中に終了いたしませず、その一部が来年度に持越されましたために、更に一年間適用期間を延長する必要が生じた次第であります。これが法律第九十七号の第一の改正点であります。  次に、法律案第九十七号第1條中に「昭和二十四年度予算の成立後遅滯なく当該船舶所有者に交付するものとする」という規定がありますが、今回の改正によりまして、来年度に延長いたしました帰還輸送船舶員退職手当は、二十五年度予算より支出いたすことになりますので、「昭和二十四年度」の字句を削除する必要があるわけであります。これが改正の第二点であります。  第三の改正点は、別表退職手当基準改正であります。法律第九十七号別表に「船舶運営会を退職した日において当該船員が乗船中に受けるべき一箇月当りの給與総額から雑手当を控除した額」を基準額とする旨の規定がありますが、昨年法律第九十七号制定直後公布されました「船舶運営会船員給與基準の設定及び船舶運営会役職員に対する特別手当の支給に関する法律」によりまして、同会船員給與体系が新たに設定され、従前の「雑手当」の名称が廃止されましたために、別表基準の表現を変更する必要が生じた次第であります。従いまして、「給與総額から雑手当を控除した額」に相当する金額は、俸給基準として換算いたしますと、「俸給月額の百分の百七十」に相当するわけでありまして、従来の基準額と実質的には変更はないのであります。  以上の三点が改正を必要とする理由であります。尚、本件改正予算的措置につきましては、二十四年度予算で成立いたしました四億五千万円中、本年度支出総額は、四億三千万円でありまして、残余の二千万円が来年度に延長いたしました帰還輸送船船員に充当すべき金額でありまして、この金額は、二十五年度予算案に計上されておりますので、新たに予算金額を増額する必要はないのであります。  法律第九十七号改正案要旨については、以上申述べました通りであります。何とぞ愼重御審議の上御可決あらんことを切望いたします。
  34. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 質疑に入ります。
  35. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 只今のお話によると、二十五年四月一日以降に残る者は帰還輸送業務に従事する者だけが残つて、それ以外の者は全部船主に帰るというようなふうに了解されるのでありますが、昭和二十四年度にいわゆる定傭切替なつ時分には、その当時定傭切替になつた者に対する退職手当予算の措置がされておつたのだと推察されますが、従つて今年の三月三十一日に更に定傭切替、或いはその他のことで船主に帰るべき人間が相当多数にあるのだろうと思つておりますが、そうすると前の四億五千万円というのは、私が前段申したような人に対しての予算だと思つておりますが、今伺いますというと、この四億五千万円は全部この帰還輸送に残るもの以外に対しての予算であるというふうになるわけなんですけれども、この点は私の了解が間違つてつて、今の御説明の方でよいのでございましようか。只今どういうことになつておりますか。
  36. 山口傳

    政府委員(山口傳君) お答え申上げます。四億五千万円と申しますのは、只今お話の四月一日に切替えました当時の人員と、それからその後二十四年度中に切替になる予定の帰還輸送船、これを含めたものに対応するものでございます。それですでに四月一日に一齊切替をやつて、残りの帰還輸送といたしまして九月に一部帰りまして、尚、本年度中に若干戻る。合計これが十五杯になります。その一部が四億五千万円のうち四億三千万円に当るわけであります。本来なれば、十杯は本年度中に帰る予定計画をいたしておつたのでありますが、十杯分の二千万円が四億五千万円の中に入つておるのであります。それが来年度に残るわけであります。これが船舶船員全体ではございませんで、定傭に切替えるべき船で国家使用船舶であります。運営会にはその外に米貸與船の船員がございますが、この方も貸與船はこの経費では賄えないのでございます。
  37. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうしますと、船舶運営会予算、その他今までの政府の御説明によると、船舶は今お話のあつた帰還輸送その他予算面によつて処理する船以外のものは船主に帰るようなふうに私は了承しておりますが、その者に対する退職手当というようなものはどういうようなことになりますか。
  38. 山口傳

    政府委員(山口傳君) 只今申上げるように、この四億五千万円で賄うのは定傭切替でありまして、後の米貸與船に乗つておる船員につきましての退職金は、只今のところでございますと、ポツ勅の二百六十四号でございますが、政府から給與を受ける者に対する退職金というものが出ておりますが、これは二十四年度中だけ有効で、将来は法律規定しなければならないというようなお話があるのでありますが、今のところそれに準拠して考える外ないのでありまして、その方に対しての退職金の準備はいたしてございません。ただ運営会としましては、自然退職等普通に発生して来る退職金は一部積立てておると思いますが、一括しての退職金の用意はこの分につきましては未だなされておらないのでございます。
  39. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今のは政府委員の御説明でございますが、この問題に対する大臣の御見解はどういうように……将来やはり、将来ということはございませんが、その時が来ると又その問題に対して相当やかましい論議が起り得るように私は推測されるのですがね、只今の御説明では……大臣のお考えを伺いたいと思います。
  40. 大屋晋三

    国務大臣大屋晋三君) 今の小泉さんの御意見はよく関係筋と協議いたしまして、差支えないように善処いたします。
  41. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この改正案のうち別表でございますが、この別表の中で、改正案でなしに本法律別表でございますが、これで見ると一年以下それから二年以上というようなことに規定してありまするが、こういうものを二十六年度まで延すことになると、ここに三年というのが出て来るのじやないかと思いますが、そうすると、この三年の者に対しては、このときの思想で言うと、三年以上の退職手当は百分の三百というようなことにならないと筋が通らないと思われるのですが、この点に対する政府委員の御見解はどうなんですか。
  42. 山口傳

    政府委員(山口傳君) 御尤もな御意見なんでございますが、この点につきましては、私共も関係方面と十分折衝いたしましたのでございますが、もともと最初にこの法律を作りましたときに、当時は二年以上で、三年以上になる者はありませんでよかつたのですが、その当時四億五千万円に決めるいきさつに非常に政治的な問題がございまして、他の一般の退職金の場合とは比較にならない程よく見てある。そこで原資といたしましても、その三年以上の何を作りますと、四億五千万円では賄えなくなります。金額を、四億五千万円を殖すことも、又三年以上を二年までの分に比例するように延すということも、向うとしてはどうしても了解して呉れなかつたのでございます。それで他の例と比較いたしますと、先程申上げた法律二百六十四号の、現在ポツ勅で出ておる退職金なのでございますが、この場合に普通は一年勤めて十六日ということに大体なるわけでございますが、これが一般の例で、その場合本人の希望、意思によらないで廃官、廃庁の場合には、更に十六日に九日というものを足す計算になつておりますが、それらの計算で参りますと、仮に三年以上を取りますと、特別の場合でさえ一ケ月半しか出ないのでございます。従つて運営会の場合におきまして、従来から決めて来ました二年以上の分で、三年越す人に適用しても差支えないのだというので、私共の折衝は不成功に終りました。止むを得ずこういうふうな形になつておるのであります。
  43. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうしますと、この海員組合からか、或いは海員組合の有志の方々からか、一体これは我々の退職手当というものは当然我々の直接入るべきものであるのを、こういう法律で船主の手へ持つてつて、そうして船主が組合保管して、そうして法律によつて船員の福利厚生施設に、その金の運用によつて生ずる利益というものは使うのだというように、これは法律に決めてあるので、そうして今仰せになりました、余分にやつているのだから、この法第三條にあるような規定が従つてできるのだというような意味に、この法律は読むべきなのでありましようか。そうでなければ、本人に、直接欲しいというのだから、本人に返すべきものである。又本人に返さずに、こういう船員の福利厚生施設にまで或る程度利用できるから、従つて只今お話しのように余分な計算にしたのだというようないきさつで、それが今仰せになつたようにボツ勅で行くようになつたというようなお話がありましたが、そういうことにこれは了解していいのでありましようか。要するに私はこれをすでに貰つた人、これから貰うべき人が退職手当だから当然自分の手元に入るべきものだという主張が相当強烈にあると思うのでありますが、そういうことに対する政府の御見解を一応お伺いしたい、こういうふうに考えております。
  44. 山口傳

    政府委員(山口傳君) 運営会から定傭船船主に切替えた場合の船員の考え方なんでございますが、この法律で前提といたしましたのは、成る程船員は従来運営会に国家使用で使われたおつたのでありますが、船舶運行管理令で即日船と共に船主に戻る。その間に失業はない。いわば一つの雇用の切替であるというので、将来その船主に買われた船員が、当該船主から辞めるときに運営会の分も通算してやるのが適当だという考えが、これが元になつて保險金支給を取上げて債務肩代りというような形をとつたのでございます。それから利子の点でございますが、無論これが保險金としてこの当時手に渡されるべきものであれば、それに利が付いて行くのでございますが、この点は四億五千万円の原資或いは支給基準等の考え方と総合して、政治的にああいうふうに決めまして、利子は船員の福利厚生に使うのが一つの方策だというので、その方が緩和されてああいうふうな法律の内容になつたと承知しております。従つて船員の方では自分の金のように考えられておる。即日現金で呉れというようなお話は強い要望があることは承知いたしておりますが、その辺の考え方がちよつと法律の定めと若干違つておりまして、今回も一応はその希望のあることを先方に申上げて強硬に折衝いたしましたが、依然として当初の考え方を飜えされずに、今度の改正にはこれが実現いたしておりません。
  45. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この船舶所有者の方からは、今政府委員のおつしやつたような意味の、つまり船員側の要望と言いますか、結局こんな面倒くさいものは自分達で扱うのは嫌だから、この法律はこういうふうになつておるが、船員が欲しいなら、自分でそれを直ぐやつてやろうというような申入れとか、或いはそういう意思があるのか、或いはそういうことに対して当局は船舶所有者側と御交渉なさつたことがあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  46. 山口傳

    政府委員(山口傳君) この退職金につきましては、実は組合と船主協会の協定、これは政府の立会でございますが、要請があつて、この管理につきましては、委員会ですべて運営するようにいたしておりますが、その席上でも外に無論船員からの要望のあることは提起いたしまして御相談したのでありますが、関係筋で聞いて貰えなければいたし方がない。むしろ中には即日拂つてやつた方がいいというようなお考えの方もあるかと思いますが、如何せん、了解を得られないので、それでは法律に書いてある通り実行するより外ないという状態でございます。
  47. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 現在のところ、そういういろいろな要請等を勘案して、もう少しこの法文をそういう意味で改正を、或いは修正をするというような御意思は政府におありですか、どうですか、その点一応当局としての考えを伺いたい。
  48. 山口傳

    政府委員(山口傳君) 只今のところそこまで考えておりません。
  49. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 もう一点お伺いしますが、ここに海事新聞の記事があるのですが、全日本海員組合が衆議院に対して、退職金直接支給を主張した請願をしておるということが出ておりますが、私はそのことを存じませんが、政府に対しても何か海員組合として、今度のことに関連して支給或いは率の改訂というようなことについての申出があつたかどうか、又あれば、それに対して政府はどういう御措置をおとりになつたか、同時に重複するようでありますが、船主協会の方からの御意見があつたかどうか、そのことについて伺いたいと思います。
  50. 山口傳

    政府委員(山口傳君) それと同趣旨の要望が運輸大臣宛にも出ておりますので、それを前提といたしまして、関係方面とは十分折衝はいたしましたが、成功しなかつたのであります。それから船主協会の方からは、改まつては別に参つておりません。管理委員会等では、若干向うの了解さえ付けばやつてもいいじやないかという御意見もあつたように記憶いたしますが、船主協会としてはお取上げになつておりません。
  51. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 すでに交付された金で、そうして船舶所有者を通じて船員に帰すべきもののその後の運用状態と言いますか、同時にそれに附随した利子その他のものの管理、使用というようなことが、どういうふうになつておるかということをお伺いできれば、この際お伺いしたいと思います。
  52. 山口傳

    政府委員(山口傳君) 四億五千万円のうち、先程申上げましたように、二千万円は本年度へ繰越しましたが、従つて二十四年度は四億三千万円でございますが、これはすでに船主の方へ交付金としてお渡しした金額は総額四億一千六百万円、これは船員の数にいたしまして三万七百名分でございます。その後船主の方を退職され、若しくは他の船主の方に転属されたような関係で、現金で支拂つた分は、そのうち二千四百万円、約二千人でございます。それから交付金から生じました利子の総額は、昨年十一月の末日を以て締切りますと、約一千九百万円でございます。そのうち一千五百万円が、すでにこれは別に設立されたものでありますが、船員厚生協会という方に拠出せられ、残金約四百万円は預金の形で残つております。これらの利子或いは元金等の管理、運用等につきましては、先程申上げました退職交付金管理委員会というものが別にできておりまして、これは船主、船員、それに役所も参加いたしております。さような委員会を持ちまして、的確に、堅実に、又有効に利用せられるように、すべてその委員会にかけて管理をいたしております。すでに厚生協会に出された金は、別途に船主から拠出された金と一緒になりまして、全国各地の船員寮等の助成金と申しますか、補助金のような形で以て、大体最高額三分の一くらいまで補助いたしておりますが、そういつたような使途に当て、或いは海員財団への一部融資或いは海上労働医学心理学研究所等へ、これは僅かな金でございますけれども、支出されたりいたしております。これはすべて委員会にかけまして、会議の上適正な運営を期しております。
  53. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 非常に法律の面から言うと、調子のいいように、而も順調にこの法律が運用されておるように私思いますが、先刻申しました、この法律に拘わらず、やはり船員が直接一定の期間を過ぎたら自分に返して貰いたいというような意向が、全部か一部か知りませんけれども、あることは事実のようであります。運輸大臣はそういう要請に対して如何お考えになりますか、一応伺いたいと思います。
  54. 大屋晋三

    国務大臣大屋晋三君) それは民間の会社で、親会社が関係会社を拵えた場合に、親会社から関係会社へ職員とか或いは労働者を分属させたような場合に、打切計算でやつてしまう場合よりも、むしろ私の長年の経験では、やはりその関係会社というようなところへやつたときに、やはり新会社の方へ勤続年限を受継いで、その関係会社を辞めるときに渡した方が……そのときそれを本人に渡してしまつたら使つてしまいますから、新規に辞めるときには非常に新規分の年限だけでは少いというので、楽しみが少いというので、私などは長年いろいろにそういうことをやつて参りましたが、従来は通算制をとつておりましたので、この海員の場合も、やはり考え方は二色、如何なる場合でもございますが、まあやはりこの法律の精神で、新船主に移つて、新船主を辞めたときに在来の運営会勤続のときの退職手当も纏めて貰うという方が、私はいいと確信しております。
  55. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 本案に対する質疑は今日はこの程度で打切りまして、審議を次回に譲ることといたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  57. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それではこの機会に大臣に対しまして質問の通告がありますから、これを許可いたします。小泉秀吉君。
  58. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 先般湘南電車が焼失したような事件があつたのですけれども、それ対する何か原因と申しますか、どういうふうな措置をとられたかということを……。
  59. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 只今の御質問の点でございますが、目下原因は取調中でございまして、まだはつきりいたしておりません。
  60. 早川愼一

    ○早川愼一君 それに関連して一つ。あの電車は試運転中だというお話ですが、そうしますと、車両製作会社と国有鉄道との間の関係はどういうふうな状態において、あの事故が発生したのですか。
  61. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 御返答いたします。車両メーカーからは、国鉄の方に引渡済の車両なのであります。もう製作監督官の検修を終つて、そうして国有鉄道の方に入つたものでございます。
  62. 早川愼一

    ○早川愼一君 尚この原因についてはつきり……。併しその検修が終つたと言いましても、まだ試運転中、その間はもう法律上の関係は、検修が終れば、責任はメーカーに一切ないということになるのでしようか。
  63. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 国有鉄道の方に引渡済になつたものでありますから、大体において国有鉄道のうちで処理すべき問題と、こう考えております。
  64. 早川愼一

    ○早川愼一君 尚詳細なる原因がお分りになつたら、一応この委員会に御報告願います。
  65. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 畏まりました。
  66. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 新聞等で見ますというと、国電が総計六十九とかという、数はどうか分りませんが、とにかく減車をする、電力節約のためにこれは非常に大きな問題と私共は思うのですが、こういうことが事実であるのか、又どういう理由或いは原因でそういうことにするのか、減らせば、それの対策というようなことはどういうふうになつておりますか。
  67. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 只今の御質問でございますが、最近新聞に出ました東鉄で二%の電車区間で減車をしたということに対する御質問でございますが、簡單にお答を申上げたいと思います。去年の暮から電力料金が改訂になりまして、割当の電力量以上に使つた場合には火力料金で支拂をするということになつておりまして、国鉄におきましても相当な超過料金をその火力料金で支拂うことになつておる実情になつております。そこでやはり国鉄全体の問題として極く概数を申上げますと、この第四四半期において国鉄の必要電力量は1億三千六百万キロワットアワー余でございます。それに対して割当が九千九百万キロワットアワーでありまして、約七三%弱の割当になつております。そのために料金といたしましては、約三億五千万円余の増加、総額予定よりは、前のときよりは、それだけ余計に支拂わなければならん。大体こういう数字になつておるようであります。ところがその後いろいろ交渉いたしまして、国鉄の火力発電から約二千二百万キロを日発に送り込んで、その代りに関東以東に対しては千七百万キロ増配を受ける、こういうことになりまして、支拂としてはそれに対する関係は一億五千五百万円余の節減となる、まあこういう数字に相成つております。併し火力発電のために石炭を焚かなければなりませんから、この石炭代が約一億一千万円国鉄としてかかる。そこで差引約四千五百万円、これだけの節減になる次第でございますが、国鉄としてはこの経営上石炭節約を実施中でありますので、この面から東鉄管内におきまして結局電力を節約いたしますと、水力、火力を置き換えて、そうして国鉄の方から向うに送るこの電力というものに対する石炭が少くて済むと、こういつた見地から、去る、十一日から約二%の節約をいたした、電車運行について二%の削減をいたした。毎日約三万キロの節電をいたしておる。大体極くあらましを申上げますと、そういう事情で、そういうふうになつたのでございますが、併し大体この内容につきましては、できるだけ一般公衆の迷惑になりませんように、或いは試運転の電車を削りますとか、そういつたふうな方法によりまして、できるだけ一般公衆の迷惑にならんと、こういう考え方でダイヤを改正したと、こういうふうに内容について承知をいたしております。以上が新聞に出ました内容に対する極めて概略でございますが、只今まで国鉄について調査いたしました結果は、そういうことでございます。
  68. 早川愼一

    ○早川愼一君 何か電力庁ですか、その方面との意見が食違つておるように新聞には出ておるのですが、それは食違いはないのですか。つまり電力料が上つたために節約する、減らすんだ、一方はそういうことはないのだというようなことで、非常に一般の大衆は誤解をしておるようですが。
  69. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) それは国鉄の方について説明を聞きましたことを今申上げましたのですが、結局割当量よりこの使用電力量がオーバーをするわけであります。そこでこの割当を殖して貰いたいということで、今お話ししましたように、初めの割当より一千七百万キロ増配を受けて、そうしてその代りに国鉄の方で火力を焚いて、そうして二千二百万キロ向うの方に送る。そこでそれはこの数字の差があるようでございますが、これは送電に伴うロスを見てあるのだそうでございます。従つて国鉄で火力を焚いて送る場合には、それに対する石炭代も要るわけでございますがから、これをできるだけ節約をしたい。そうしますと、この使う分の水分を少くして、つまり火力と置換えると、こういう考え方で節電を図つたと、こういう説明をいたしております。ただ併し東鉄管内だけの関係では、鉄道の電力で大体自給自足ができる恰好に一応なつておる。勿論例外がありまして、或いは上越南線とか、或いは青梅線とか、そういつたようなところで大ざつぱに申上げますと、大体自給自足ができる態勢になつております。そういう点がああいう電力局からの新聞に談として出たのだと思いますが、大体国鉄としてやりました考え方は、今御説明申上げたように国鉄では申しておる。それから尚二%と申しますものは、非常に僅かな量でありますから、社会的にまあああした問題になるという点も多少刺戟になると面白くないし、そういう点ももう少し考慮して考える余地はないかと、こういうことを国鉄に今話しておる次第であります。
  70. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうしますと、要するに算盤が合わないからいろいろな操作をして、成るべく算盤が合うように努めるけれども、尚この程度の車両の減車は今のところ仕方がない、こういうようなことに解してよろしいですか。
  71. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) そういう数字の実際に対する非常に効果の僅かな点から見まして、むしろ電力の節約を図る節約運動と申しますか、私達むしろそうした感じを持つて実は受取つたのでありまして、新聞にああいうように出たことが非常な刺戟になつておると、むしろ刺戟を起したというふうに考えておるのでございますが、従つて冬の渇水期には、従来超過料金を非常に沢山支拂わなければならないので、いつでもこのダイヤの多少の修正ということはいつもやつておつたのでありますが、今年度は、まあそうした問題とは多少取扱い方が変つておると考えておりますけれども、どうもこれは節約運動といつたふうな考え方しか余り効果はないのじやないか。勿論経費の節約という点も、具体的にこういうふうに数字を説明されますと、あることはあるのでございますが、併し全体から見れば比較的僅かな数字でありまして、むしろああした二%という数字で示されるものの、社会に対する非常に刺戟が強い点から考えて、むしろこれは考え直した方がよくはないか、こういつたふうな感じを私は持つております。又そういうふうに話をしておるわけであります。
  72. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 一つ別な問題を大臣にお伺いしたい。この間から新聞にも出ておりますが、ホノルル並びに米穀の本土に在外事務所を設置するというようなことになつておりますのに関連しまして、只今のところは日本船舶或いは海運関係業務というものは、御承知のように向うに直接ないのですけれども、どうせ自然にそういう事務はやはり在外事務所を通して連絡が取れれば、海運振興のために非常によいのだと思うのでありますが、そういう意味でこの在外事務所に海運関係者を参加せしめるというようなことに対する政府の御意向は、私は適当と思うので、やつて欲しいと思うのですけれども、どういう見解であるか、大臣の御意見を伺いたい。
  73. 大屋晋三

    国務大臣大屋晋三君) あの四ケ所に日本の官吏が駐在ができるようになりまして、あの取扱いの事務の中に、お説のように船舶乃至船員に関する事務はオミットされておるわけであります。大体あれは外務省が主管をして関係筋と交渉した仕事でありますので、実は運輸大臣として強いて船舶乃至船員の仕事をあの中に入れて呉れという動きはいたさなかつたのでありますが、これからの情勢を睨み合せまして、若しそういうことが小泉さんの御意見のように、あの事務所で船舶船員に関する仕事をやはり取扱えるようにした方がよいという認定がはつきり付きました場合には、そういうようなことができるように交渉をいたしたいと、私共としては只今さように考えておる次第であります。
  74. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 昨年の十一月三日、第六国会で可決されました国際観光ホテル整備法案というのが未だに公布実施されておらんようでありますが、何か遅れておる事情があるのでありますか、又いつ頃公布なさるのか、時期が分つておりますれば、お答え願いたいと思います。
  75. 間嶋大治郎

    政府委員(間嶋大治郎君) 国際観光ホテル整備法の実施につきましては、国会通過後、早速運輸省といたしましては、これち基く政令制定準備に着手いたしました。政令の内容といたしましては、先ずこの法律には法務大臣と書いてございましたので、国会の御審議の経過或いは又法務庁の法制意見局の意見、又この法律案の内容等によりまして、この主務大臣を運輸大臣といたしました。又税金の法人税及地方税の追徴に関しまする事柄につきましては政令規定しなければなりませんので、その点を入れました。それから地方の都道府県知事に委託しなければならん事項がございますので、それを入れました。この三つの事柄につきまする政令案を作つたのであります。そういたしまして、法務庁の意見によりまして、関係官庁と協議いたしたのであります。関係官庁と申しますと、内閣地方自治庁、それから大蔵省、通商産業省、厚生省でございますが、一応協議いたしたのでありますが、大蔵省及地方自治庁とは一応話合いが付きまして、その結果税金の追徴関係のことにつきましては、地方税については、地方税の中で法律の第十四條の主務大臣につきましては、内閣総理大臣と運輸大臣を主務大臣とする、それから法人税につきましては、大蔵大臣と運輸大臣を主務大臣とするということで一応協議が成立いたしたのであります。ところが通商産業省と厚生省の方とは話合いが付かなかつたのであります。その結果、こういつた各省の権限問題等を取扱つております行政管理庁に持ち込まれまして裁定を仰いだのであります。行政管理庁といたしましては、一応各省の意見を徴するという態度をとられまして、各省から一応意見を出せということでありました。ところが厚生省におきましては、国立公園の区域内にあるホテル、又温泉施設を持つておるホテルについては、厚生大臣を主務大臣とするというような態度でございましたし、又通商産業省におきましては、六大都市のホテルは通商産業省が專管する。それ以外の場所にあるホテルにつきましては、通商産業大臣と運輸大臣が共管だとこういうふうな意見行政管理庁に提出したのであります。こういうふうにいろいろ意見がまちまちになつたのであります。私共の立場から見ますと、各省設置法その他から見ましても、厚生省或いは通商産業省の意見は当を得ないものと考えるのでありますが、この結果行政管理庁として、独自の立場から裁定して貰うより外に方法がないということを申上げまして、いろいろ研究して頂きました結果、今月の二月の一日に至りまして、行政管理庁の裁定案というものを、一応運輸省と厚生省、通商産業省の関係者を呼び出しまして、裁定案を行政管理庁から示されたのであります。その裁定案によりますと、この法律の主務大臣は運輸大臣とする。併し先程申上げました通り地方税と法人税につきましては、それぞれ内閣総理大臣及び運輸大臣、大蔵大臣及び運輸大臣とする。それからこの法律の中で第十條に、主務大臣が、施設又は経営の改善に関し勧告するということがございますが、この勧告が公衆衛生の向上及び増進を図る事項を含む場合、又は国立公園内のホテル及び旅館に対して行われる場合は厚生大臣に協議をする。こういうことになつております。それから更に施行令を制定するに当りまして、関係各省の間において次の事項を協定する。その一つは、この施行令の制定は、現在の関係各省の設置法に定める各省の権限には何らの変更を加えるものではないということと、それからこの法律に、ホテル審議会というものを作ることになつておりますが、ホテル審議会の委員を任命するときは、厚生大臣及び通商産業大臣に協議するということ、もう一つ、ホテル審議会に諮るべき事項が、通商産業省の管理するホテルに対してなされる場合には、ホテル審議会に諮る前に通商産業大臣に協議をする。現在通商産業省が管理しておりまする民間のホテルと申しますのは二つしかございませんが、それにつきましてホテル審議会に付議しまする場合には、予め通商産業大臣に協議をする。こういうふうな裁定案でございまするが、これに対しましては、運輸省といたしましては原則的には大体賛成でございます。ただ若干二、三の点につきまして更に希望意見を出して置きましたが、厚生省及び通商産業省は、先程申上げましたような意見を繰返すのみでありまして、結局纏まらなかつたのであります。その結果行政管理庁といたしましては、二月の十三日に次官会議にこの原案をそのまま提出をいたしました。併し次官会議におきましても、やはり通商産業省と厚生省は、元の通り意見を繰返すのみであつたのであります。併しそれではこれを今後どういうふうに扱うかというふうなことが議論されまして、荏苒と日を送るわけにも参りませんので、もう一度今度は内閣官房におきまして、関係各省の代表者を集めて協議をしたい。現在のところ、明後日土曜日の午前中に一応集まりまして、協議をすることになつておりますが、果してそれで纏まりますかどうか、私共といたしましても、折角国会で御熱心に御討議を願いました観光事業にとりましては、全く画期的な法律と存じておりますので、未だに以て政令が出ませんので、実施が遅れておりますのは甚だ申訳のないことだと考えておる次第でございます。経過はさようなことであります。
  76. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 只今説明を伺いましても、各省の間の繩張争いで、かような法案が実施が非常に遅れるということに対しては、非常に遺憾に思うております。どうかもう少し円満に敏活に進むように一層御努力をお願いして置きます。  それからもう一つ伺いたい。これは国鉄関係でありますが、先般国鉄貨物運賃を値上げされまして、その後海陸の運賃の調整がどんなことになつておるのでございますか、お分りだつたら一つお答え願いたい。
  77. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 御承知の通り、一月一日から鉄道運賃の貨物八割値上を実施いたしました。これと同時に海運賃におきましても、平均いたしまして九割三分の値上を実施しておるのでございますが、この前法案の審議の際に御説明申上げた通り、その結果によりますれば、相当海陸運賃のアンバランス、不均衡が是正されるという見通しでございまして、実施以来、一月の実績を検討いたしておるのでありますが、一月は御承知のように、月の前半を何やらお正月というような関係もございますし、又十二月中に相当の運賃値上を見越しましたこともありました関係で、通常の輸送状態と見られない節が相当ございますので、もう暫く情勢を見なければ、はつきりしたお答えができないのじやないかと思うのであります。大体におきまして、海陸の運賃の構成の上におきましては、初め御説明申上げたと同じような結果になつておるのでありますが、具体的にそれによつて貨物が海陸でどれだけという点につきましては、もう暫く御猶予を願いたいと思います。
  78. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 本日はこれを以て委員会は終了いたします。    午後零時二十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     中山 壽彦君    理事            小泉 秀吉君            飯田精太郎君    委員            横尾  龍君            入交 太藏君            小野  哲君            早川 愼一君   国務大臣    運 輸 大 臣 大屋 晋三君   政府委員    運輸事務官    (大臣官房観光    部長)     間嶋大治郎君    運輸事務官    (船員局長)  山口  傳君    運輸事務官    (鉄道監督局    長)      足羽 則之君    運輸事務官    (鉄道監督局鉄    道部長)    石井 昭正君    海上保安庁長官 大久保武雄君    海上保安庁次長 稲垣 次郎君    海上保安官    (海上保安庁保    安部長)    照木 敏雄君