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政府委員(間嶋大治郎君) 国際観光ホテル整備法の
実施につきましては、国会通過後、早速
運輸省といたしましては、これち基く
政令の
制定準備に着手いたしました。
政令の内容といたしましては、先ずこの
法律には法務大臣と書いてございましたので、国会の御
審議の経過或いは又法務庁の法制
意見局の
意見、又この
法律案の内容等によりまして、この主務大臣を
運輸大臣といたしました。又税金の法人税及
地方税の追徴に関しまする事柄につきましては
政令で
規定しなければなりませんので、その点を入れました。それから
地方の都道府県知事に委託しなければならん事項がございますので、それを入れました。この三つの事柄につきまする
政令案を作つたのであります。そういたしまして、法務庁の
意見によりまして、
関係官庁と協議いたしたのであります。
関係官庁と申しますと、
内閣の
地方自治庁、それから大蔵省、通商
産業省、厚生省でございますが、一応協議いたしたのでありますが、大蔵省及
地方自治庁とは一応話合いが付きまして、その結果税金の追徴
関係のことにつきましては、
地方税については、
地方税の中で
法律の第十四條の主務大臣につきましては、
内閣総理大臣と
運輸大臣を主務大臣とする、それから法人税につきましては、大蔵大臣と
運輸大臣を主務大臣とするということで一応協議が成立いたしたのであります。ところが通商
産業省と厚生省の方とは話合いが付かなかつたのであります。その結果、こういつた各省の権限問題等を取扱
つております
行政管理庁に持ち込まれまして裁定を仰いだのであります。
行政管理庁といたしましては、一応各省の
意見を徴するという態度をとられまして、各省から一応
意見を出せということでありました。ところが厚生省におきましては、国立公園の区域内にあるホテル、又温泉
施設を持
つておるホテルについては、厚生大臣を主務大臣とするというような態度でございましたし、又通商
産業省におきましては、六大都市のホテルは通商
産業省が專管する。それ以外の場所にあるホテルにつきましては、通商
産業大臣と
運輸大臣が共管だとこういうふうな
意見を
行政管理庁に提出したのであります。こういうふうにいろいろ
意見がまちまちに
なつたのであります。私共の立場から見ますと、各省
設置法その他から見ましても、厚生省或いは通商
産業省の
意見は当を得ないものと考えるのでありますが、この結果
行政管理庁として、独自の立場から裁定して貰うより外に方法がないということを申上げまして、いろいろ研究して頂きました結果、今月の二月の一日に至りまして、
行政管理庁の裁定案というものを、一応
運輸省と厚生省、通商
産業省の
関係者を呼び出しまして、裁定案を
行政管理庁から示されたのであります。その裁定案によりますと、この
法律の主務大臣は
運輸大臣とする。併し先程申上げました
通り、
地方税と法人税につきましては、それぞれ
内閣総理大臣及び
運輸大臣、大蔵大臣及び
運輸大臣とする。それからこの
法律の中で第十條に、主務大臣が、
施設又は経営の改善に関し勧告するということがございますが、この勧告が公衆衛生の向上及び増進を図る事項を含む場合、又は国立公園内のホテル及び旅館に対して行われる場合は厚生大臣に協議をする。こういうことに
なつております。それから更に施行令を
制定するに当りまして、
関係各省の間において次の事項を協定する。その
一つは、この施行令の
制定は、現在の
関係各省の
設置法に定める各省の権限には何らの変更を加えるものではないということと、それからこの
法律に、ホテル
審議会というものを作ることに
なつておりますが、ホテル
審議会の
委員を任命するときは、厚生大臣及び通商
産業大臣に協議するということ、もう
一つ、ホテル
審議会に諮るべき事項が、通商
産業省の管理するホテルに対してなされる場合には、ホテル
審議会に諮る前に通商
産業大臣に協議をする。現在通商
産業省が管理しておりまする民間のホテルと申しますのは二つしかございませんが、それにつきましてホテル
審議会に付議しまする場合には、予め通商
産業大臣に協議をする。こういうふうな裁定案でございまするが、これに対しましては、
運輸省といたしましては原則的には大体賛成でございます。ただ若干二、三の点につきまして更に希望
意見を出して置きましたが、厚生省及び通商
産業省は、先程申上げましたような
意見を繰返すのみでありまして、結局纏まらなかつたのであります。その結果
行政管理庁といたしましては、二月の十三日に次官
会議にこの原案をそのまま提出をいたしました。併し次官
会議におきましても、やはり通商
産業省と厚生省は、元の
通りの
意見を繰返すのみであつたのであります。併しそれではこれを今後どういうふうに扱うかというふうなことが議論されまして、荏苒と日を送るわけにも参りませんので、もう一度今度は
内閣官房におきまして、
関係各省の代表者を集めて協議をしたい。現在のところ、明後日土曜日の午前中に一応集まりまして、協議をすることに
なつておりますが、果してそれで纏まりますかどうか、私共といたしましても、折角国会で御熱心に御討議を願いました観光事業にとりましては、全く画期的な
法律と存じておりますので、未だに以て
政令が出ませんので、
実施が遅れておりますのは甚だ申訳のないことだと考えておる次第でございます。経過はさようなことであります。