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1949-12-23 第7回国会 参議院 運輸・労働連合委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十三日(金曜 日)    午後二時十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件公共企業体労働関係法第十六條第二  項の規定に基き、国会議決を求め  るの件(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今より公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件について、運輸労働連合委員会開会いたします。
  3. 原虎一

    原虎一君 どういう委員長処置をとられたか知りませんけれども、一時開会が二時十五分になつておる。本会議が開かれて今本会議出席した者がある。一時間二十分というものは何のために待たされたのか。本以議が開かれまして、本会議與党である民自党の諸君、民主党の諸君出席されております。それでも開こうという考えでありますか。
  4. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 本日の本会議は直ぐ散会をされる予定であるということを私は承つております。こちらの会議が非常に遅くなりましたので、一刻も早く開いた方がよいということで開いたのであります。
  5. 原虎一

    原虎一君 それでは時間が一時間十五分遅れた理由はどこにあるか。それから本会議出席した者について、どういう通知を発せられて出席を求めたのでありますか。
  6. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 開会が一時ということになつてつたのでありますが、政府当局がいろいろの御都合で出席ができませんので、止むを得ず只今まで延びておつたのであります。この点は一つ惡しからず御了承願いたいと思います。
  7. 原虎一

    原虎一君 次に、感情的にというわけではありませんけれども、一時間十五分待たせた政府出席して何も言わずに臨んでおるのではありませんか。而も一時間二十分待つたところの議員通知もせずに委員長は開くのでありますか。
  8. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 私は本会議は直ちに散会をされると信じておりますので、余りにこちらの会合の開会が遅れましたので開会いたしたのであります。
  9. 原虎一

    原虎一君 開会が遅れたのは誰の責任でありますか。政府責任ではありませんか。
  10. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 政府当局の方もやはり早く出席される筈でありましたが、いろいろの会議があり、或いは食事もなさなければならんというようなことで、これは惡意ではありませんが、止むを得ず遅れたわけであります。
  11. 原虎一

    原虎一君 委員長政府の職員或いは大臣食事をするのを御心配ですが、食事は当然一時までにすべきで、何も委員長政府のためにそういうことをいろいろ心配する必要はない。(「その通り」と呼ぶ者あり)委員長委員会運営のため委員の権限を尊重されて、本会議出席された委員を呼んで、そして政府が遅刻したところの陳謝をさすべきではありませんか。(「その通り」と呼ぶ者あり)私は委員長運営方法について次にお聞きしたい点は、昨日総理大臣出席を求めたにも拘わらず、病気と言つて出席しておりません。にも拘わらず今日の朝日新聞を見ると、御令嬢と一緒に銀座で午後三時頃買物をしておるではありませんか。そういうことについて委員長はどういう処置を取られたのですか。
  12. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) お答えいたします。私も今朝朝日新聞写真を見ましたので、総理余り病気が重くないのではなかろうかと思いまして、(笑声)委員部の方に正式に連絡をとりまして、総理の方に連絡、交渉を頼んで置いたのであります。その点に関しましては、ここに御出席増田官房長官からその詳細な御説明がある筈でありますから、お聞取を願います。
  13. 原虎一

    原虎一君 そういう重大な説明をするといつておるなら、欠席者出席を求めて議事を進行されるように願います。
  14. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今本会議出席委員の方に放送をいたしまして、成るべく早くここに出席されるように申しておりますから、さよう御承知願います。  それではお諮りいたしますが、増田官房長官の御説明は、本会議に御出席委員がここ復帰するまで待つことにいたしますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それではもう少しお待ち願いたいと存じます。ちよつと速記を止めて下さい。    午後二時十九分速記中止    ——————————    午後二時三十一分速記開始
  16. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 速記を始めて下さい。
  17. 原虎一

    原虎一君 先程委員長から、昨日私が総理大臣出席成規手続きを経て要求いたしておりましたのに対して、委員長から、総理風邪を引いたために出席不可能だ、その代り官房長官が代つて来た。然らばいつ総理は御出席できるかということを重ねてお伺いしたらば、今日の、即ち昨日のことで今日、今日の容態では出られない。然らば明日はということになれば、明日は、明朝の容態によつて決まる。先程そのことについて申上げた。幸か不幸か今朝の朝日新聞によりますと、堂々と写真が出て、午後三時頃銀座某点で、お嬢さんからクリスマスの銀の船を買つてつて喜ばれた。私は政府労働者の生活を少しでも向上せしめ、労働組合運動を本当に民主的に発達させようという熱意があるならば、こういう風邪総理大臣は引けた義理ではないと思うのであります。それを追及申上げることは如何かと存じ、遠慮しておりましたところが、又先程委員長からも政府からその答弁があると言われましたから、当然政府責任を感じて、私がその責任を追及いたさなくても釈明あるものと思つてつておりましたが、私の目では二分間程待つたのであります。御答弁釈明がありませんから、私がお聞きするのであります。委員長が本当に議事運営を円滑にやつて行こうという御熱意があるならば、あなたの方の総裁である総理でありますから、委員長から正式の我々に手続きをとらせなくても、総理出席をさすために努力されて、その結果をここに報告されるのが当然ではありませんか。政府も私から今のように詰問をさせる必要もないのであります。熱意があるならば、誠意がありますならば、前以て弁解があるべきではありませんか。
  18. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 原さんに御答弁申上げます。御答弁と申すより、私も皆様に申上げたくてここへ参つた次第であります。但し各方面の事柄のために忙殺されておりまして、出席の仕方が遅れたことにつきましては誠に恐縮に存じておる次第であります先ず以てこの点を深くお詫びいたします。  それから昨日の、今朝朝日新聞に出た写真のことでございまするが、これにつきましても、政府といたしましては先ず以て恐縮に存じておるということを申上げます。というのは、私或いは幹事長、その他朝いつも連絡に参るわけでございまするが、その際は非常に咳込んでおりまして、前に参議院の本会議総理が無理をして出られたときに、終始咳込まれておつたことがございましたのですが、恐らく一時間半ばかり終始咳をされておりまして、殆んど皆さん演説等もよく聞きとれなくて、私にときどき咳の合間を聞いておつたというようなことがございまして、皆さん御承知の通りでありますが、そういうような咳を実は昨日の朝いたしておりまして、無理だということで、私共は考えておりましたが、今日は休まして欲しい。どうしても無理なら出るけれどもといつたわけでございますが、まあそれは大切にされたらよろしいでしようというわけで、発作的にずつと咳を継続しておるものですから……。今日はまあ鎭まつた。そこで昨日のあの新聞記事でございますが、あれも遺憾ながら事実でございます。これはどういうわけかと申しますと、お医者に出掛けまして、そうしてそのお医者診察治療が済んだ後、帰り遂に寄つたことは、今朝も実はあの新聞記事もございまするが、これは変なものであるというようなことで、閣僚もそれぞれまあ新聞写真で出ておるじやないかというようなことで、私がお叱りを蒙むるようなわけで、私も総理に、どんな按配でしたというようなことで聞いた見た。ところが余り咳がひどく発作的に出るものだからお医者行つて処置をして貰つた、その帰りに、渉外関係その他で非常にクリスマスプレゼントなんか沢山貰つておるし、自分自分で見立てて、そういうことをしなくちやならんということを感じて、実は苦しかつてたけれども、或る店に寄つたというのが、今日の総理の私に対する返事であります。その事実は完全に認めており、又プレゼントを買うために寄つたということも、原さんが今御指摘になつたようでございますが、その通りでございます。この点皆さんの誤解を惹起したということにつきましては、政府といたしまして衷心より遺憾の念を禁じ得ません。非常に恐縮に存じておるということを、謹んで皆様に申上げる次第でございます。
  19. 原虎一

    原虎一君 医者診断書を見なければ分らんことであります。我々が国会において、総理が本当に病気であるのかないのか、どの程度病気であるのかということを、診断書を出せと言わなければならんような政治をおやりになるということについては、甚だ残念であります。そういう状態審議を続けるということは無理であります。一体総理大臣は、昨日も申しましたが、第六国会の終りに、総理ではありませんけれども、自由党総裁として、日本民主化のためにどういう声明を出されましたか、官房長官はよく御存じの筈であります。その総理が、本国会において最も重要なる議案でありますところの国鉄裁定の問題を参議院審議いたして、而も国民を代表する議員が正式の手続によつて出席を要求いたしたのに対して、かくのごとき詭弁を弄し、僞せ病を使つて、そうして出席しないような状態において、一体総理大臣は、吉田総裁国民をごまかさんとしているのであります。国民の代表を愚弄せんとしておるのであります。昨日も私は申上げましたが、浅学の私が申すことも口はばつたいようでありますけれども、政治は言逃れや、法り解釈によつて行われるものではないのであります。道義を基礎に打立てなければ日本は再建いたしませんし、民主化いたしません。何でありますか、総理大臣官房長官も、私は古い事を申上げることは避けたいけれども、昨日甚だ我々も責任を感じておりますけれども……本年であります。第五国会の最終に当つて参議院始まつて以来、同僚の懲罰問題を起すような事件が起きました。このときに官房長官は、野党は殊更に議事を引延ばしておるという新聞記事を出されたではありませんか。果して野党審議を殊更に遅らしておりましようか。総理がこういう態度であつて、我々が追及するのが無理でありましようか。今日は総理はなぜ出席されないのでありますか。真に本会議におきまして、労働組合法の改正のときに当つて吉田総理は私の質問に対し、日本労働組合民主的労働組合育成するためにこの法案を改正すると言われている。民主的労働組合育成するところの法律ができましても、労働組合法の運用を誤てば、決して民主的労働組合の発達はいたさないのであります。そのことを私は総理質問して、民主的労働組合育成をするための法を、我々にとつて改惡であるが、然らば具体的に民主自由党なり、政府は、民主的労働組合育成をする具体的方法を持つているかという質問に対して、何ら御答弁なさつていないのであります。そうして今日かくのごとき欺瞞、而も国民を代表するところの議員を愚弄いたしている。その上そういう状態において審議を続ける。何ごとでありますか。(「答弁々々、今日はどうした」「今日はなぜ出ないか、答弁だ」と呼ぶ者あり)
  20. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 本日は重ねて申上げまするが、総理喘息持病がありまして、これは発作的に咳をし出すとずつと止まらないのでございます。このことだけは私共がごまかしでも何でもないのでございまして、原さんに深く御理解を懇請する次第であります、それから、本日は閣議出席いたしました。畫過ぎには渉外関係用事があるというわけで帰つた次第であります。
  21. 原虎一

    原虎一君 私は時間の関係もあると思つて遠慮いたしておりますけれども、余りに政府答弁は無責任である。我々がこの委員会決議を以て総理出席を要型しなければ、されないのでありましようか。そういう状態であるならば、同僚皆様に御相談申上げまして、正式の手続によつて総理出席を要求いたしたいと思います。
  22. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 重ねて申上げまするが、総理は、本日はどうしても止むを得ない渉外関係のために帰つたわけでございまして、昨日と違いまして、閣議の席上においても咳はいたしておりません。昨日は発作的に引続いて殆んど物が言えないぐらい咳をいたしておりました。そのことは参議院皆様も本会議で現に一時間半ぐらい現認遊ばしたことでございまして、ああいう持病を持つております。お医者処置を受けますと、これが鎭靜する、こういうことでございまして、本日は、でございますから元気になりまして、畫前もずつと出ておつたような次第でございます。又畫餮等も、総理官邸閣議幹部懇談議もいたしまして、畫過ぎはどうしても渉外関係があるから失礼するから、皆様には惡しからずどうぞ御諒恕願いたい。こういうことでございますから、重ねて皆様の御了解を得たいと存ずる次第でございます。
  23. 原虎一

    原虎一君 初めての嘘ならば騙されるかも知れません。(「その通り」と呼ぶ者あり)併したびたびであります。先般総理が、野党が殊更に議事を妨害しておるのは痛恨に堪えないという声明を出されて、その緊急質問が本会議において、衆議院参議院において行われました。やはり風で休まれた。併しGHQの某氏が帰国されるのに横浜の埠頭に送りにおいでになつたことは事実であります。それが私は怪しからんと申すのではありません。それでありますならば、議会に一分間でも出席されるところの誠意があつて然るべきだと思う。今増田官房長官の御説明によりますれば、医者に行つたついでに銀座へ寄られた。医者に行つたついでに国会にお寄りになつたらどうでありますか。今日渉外関係出席されたということは、過去の官房長官のこういう問題に対する釈明、言明と、総理大臣行動とは全然違つておるのであります。そうたびたび我々国民を代表するところの議員吉田総裁に愚弄されることは許せません。私のこの見解が間違つておるかどうかは同僚各位の御判断を願つて、我々は法の許す途を以て総理出席を要求するより外になくなつて来るのであります。渉外関係に御出席の前に、一分間ここに出席されたらばどうなつたのでありましようか。増田官房長官、言葉は如何に巧みに言うことができましようとも、良心をごまかすことはできません。
  24. 内村清次

    内村清次君 先程の原委員の発言は、吉田総理出席に対しての増田官房長官答弁においては、又私達聞いておりましても、どうもその場逃れ答弁のように認められます。そこで各委員の方々に諮つて頂いて、そうしてその上において委員長から出席を要求するというような点を要求されておりまするからして、この点を一応各委員に諮つて頂きたい。こういう点につきまして、私は委員長の直ちにその処置をとられまするように希望する次第であります。
  25. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今内村委員よりお聞きの通りの御意見が出ておりますが、この御意見に対する皆様の御意見を承わりたいと思います。
  26. 中村正雄

    中村正雄君 昨日委員長は、今日は総理大臣病気のため出席できないという状態であると言つて報告なさつて、明日は明日の容態による、こういうことを委員長はおつしやつた筈です。従つて本日総理大臣の御出席委員長から要求なさつたかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  27. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 私が昨日夜遅く委員部を通じて、今日総理出席を要求いたして置いたのであります。その手続はつきりといたしております。
  28. 中村正雄

    中村正雄君 その回答は……。
  29. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 回答は私の手許に来ていないのであります。
  30. 中村正雄

    中村正雄君 そういうことで、委員会が始まるまでに回答が届かないようなことで委員長責任が勤まりますか。
  31. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) たびたび督促をいたしておりましたが、そのうち官房長官にお目にかかりまして、尚、総理出席のことをお話しましたところ、この件については官房長官より午後の会議に出て自分が親しく弁明する、こういう話を承わりましたので、そのままになつておるのであります。
  32. 板野勝次

    板野勝次君 私官房長官にお尋ねしたいのですが、総理喘息であるということは今日初めて聞いたわけであります。今まで私達が前々国会からいつも聞いておるのは軽い風邪引きというのですが、ずつと持病喘息があつて、そうしたその程度で三越へ行つて、この写真を見ますと、なかなかにこにこ笑つてつて喘息で咳が出てどうにもならんというような恰好じやないので、或いは頭だけすげかえられておるのかも知れませんが、その程度国会に出て来なくてもいいように内閣の方ではお思いになつておるのかどうか。そうでないと、今後でもこういうふうに軽い喘息発作的に出るのだから、急によくなつて行くというのではいつも責任が回避されると思います。どうしてもその程度のことであつて吉田内閣は職場を離脱して行つていいかどうか、この点に対して一つ官房長官見解を伺つて置きたいと思います。
  33. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 先程原さんにも御答弁申上げましたように、昨日の買物されたのは事実でありまして、決して首のすげかえでも何でもないのであります。朝日の記事は我々は……殊に総理は事実であるということを言つておる次第であります。そこで喘息症であるかどうか、医者診断は何でございますが、軽い喘息の気味はずつとあるのであります。あの咳の発作がありますと、ずつと続くわけでありまして、それでお医者処置をいたしますと、それで先ず鎭靜する次第でございますが、自分でも直ぐ帰つて寢たかつたけれども、渉外関係で多くのプレゼンとを貰つておるし、そうして自分自分で選択して、そうしてプレゼントを贈りたい。クリスマスも控えていることでありますので、それで仕方なく五分間ばかり買い物をした。こういうことを今朝閣僚室で、私新聞を持つて行つて見せて聞いたのでありますが、そういう答弁でありました。誠にこの点はどうも板野さんも御了承願います。それから重ねて申上げますが、総理買い物をしたという事実も認めて、そうして釈明をいたしておる次第でありますから、その点どうぞ惡しからず御了承願いたいと思います。本日は咳の発作一つもございません。閣僚室においても咳は一つもせいてはおらなかつた思います。ずつと閣議にもいたのでありますが、畫過ぎには渉外関係で止むを得ず欠席さして頂くから、惡からず御了承を君から請うようにというので、先程中山先生閣議室まで来られまして、そうして畫から私が出席して、皆様に御弁明申上げますからという意味合出席御要求に対する御返事をいたしておつた次第であります。
  34. 板野勝次

    板野勝次君 そのことは私も承知して聞いているわけなんでありますが、又官房長官お話によりますと、医者の手当を受ければ大体咳が止まるというのなら、本当に吉田総理が国政を重んじるのであつたらば、咳の発作が起つたときに何故その医者に駆けつけて行つて咳を止めて置いて、国会へ出て来られないかということなんです。そういうつまり誠意を認めることができない。何故そういう途をおとりにならなかつたかということと、それからその程度風邪引きぐらいで、どんどん国会をサボつて出て行つた。そういう敬理態度がいいかどうかという、一般的な今までの態度について、あなたの見解を伺つて置きたいということを言つたわけであります。
  35. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 昨日は総理は、重ねて申しまするが、お医者処置が済みまして、直ぐにも帰つて寢たかつたのだけれども、どうしても止むを得ない用事があるから帰りながら買物をした。この買物をしたことも事実である。而して買物の対象はプレゼントであるということも言つておる次第でありまして、直ぐにも帰つて休みたかつたけれども、大体五分間程止むを得ないということで、先程申上げた点については、昨日の容態については御了承願いたいと思います。  それから一般論といたしまして、咳の発作があつたときに注射をして、そうしてここへ来て国会を勤めるべきものである。こういうようなことにつきましては、私は若しできれば無理をしてでもそれは来た方がよろしいというふうに、板野さんとそれは同感でございます。
  36. 原虎一

    原虎一君 官房長官はお立場上非常に苦しいだろうと思うのであります。顔色も今日は非常によろしくない。私は先程から申しているのは、次のことを申上げることはどうかと思いまして控えておりました。従いまして委員長が更にお諮りになつて総理出席を要求される手続を取つて頂ければ、次のことは申したくないと思つておりましたけれども、情勢上申さざるを得ないと思いますから申上げて置きます。  第四回国会であつたと記憶いたしますが、労働委員会がやはり重要なる法案審議中、私が総理大臣出席を要求いたしましたところが、総理は四日経つて漸く委員会出席されたのであります。そうして委員会で私と、あれは共産党の中野君は記憶いたしまするが、中野君が質問いたしておる最中に帰られたのであります。そこで今日出席されておる山田労働委員長議事の進行不可能になつたのであります。委員長に断わりもなく帰られたのであります。そこで私共は休憩いたしまして、総理出席を再び要求いたしました。総理は二回目に一時間半程経過いたしまして、にこにこして出席されたのであります。そこで総理が勝手に帰られたことについて私共は詰問いたしました。ところが原君は四日も前に委員会を通して自分出席を要求されたそうだけれども、ちよつと出席して呉れということは実は今日聞いた。こういう御答弁をなさつたのであります。私はこのことは申したくなかつた。併しながら官房長官総理出席責任を以て明朝するという御答弁はありませんし、與党議員であります委員長も、責任を持つて総裁である総理を明朝何時には必ず三分間でも出席せしめるという答弁なくして、ただ病気容態を云々せられたところで誰が信用できるでありましよう。野党なる私が信用せんということは、野党なるが故に信用できないのであります。私は果して委員長事務局を通して総理出席を要求されておることが、総理の耳に入つておるかどうか疑問であると思います。何故ならば、先程も申しましたこの事実から判断いたすのであります。又これ以上申す必要はないと存じますけれども、私ず抗議を申すことが吉田総裁のふだんの御行動からあり得ると、どなたでも御判断なさると思います。従つて私は委員各位の、国会議員としての任務遂行のために決議をして、総理大臣出席を要求されるようにこの意見に御賛成あらんことを切望して止まないものであります。
  37. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 議事の進行上私から申上げてみたいと思います。今日は吉田首相はどうしても御出席ができないのであります。委員長といたしましては明日私よりぜひ長時間でもこの委員会に御出席を要望するし、それを実現することにおいて私が努力をいたしまするから、この点において御了承を願いたいと思いますが、如何ですが。
  38. 中村正雄

    中村正雄君 官房長官にお願いしたいのですが、我々の気持としては本日中に合同審査打切つて運輸委員会にして、何とか本日中にでもこの案件を片付けようとしておるにも拘わらず、明日出席するということになれば合同委員会は明日もやらなければならない。それで本案は予定の日数のうちに片付くとお思いになりますか。若しもこの案件予定の日時のうちに本会議で、否決、可決は別にして、通過しない責任は然らば政府はつきり負うんだということを官房長官言明願いたい。
  39. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 渋外関係のために止むを得ず出席できかねるから、惡しからず御了承を乞うようにというお話でございましたが、中村さん、原さんもおつしやいますし、今連絡をとつてみたいとこう思つております。(「詭弁だな」と呼ぶ者あり)
  40. 松井道夫

    松井道夫君 官房長官の努力によつてできるならば今日中に出席を実現しまして、そうして中村委員も言つておる通り本日中に少くとも連合委員会は打切りたいと思つております。それで原さんの御意向では、総理大臣出席できなければ進行しないというふうな御意見のようでありますから、今の官房長官の御返事のあるまで休憩願います。
  41. 内村清次

    内村清次君 委員長に私注意しますがね。先程私が原君の動議的な要求に対しまして、各委員の方々に諮つて貰いたいということを申しましたんです。それを委員長政府委員と話合つて、そうして自分独自なお考えを発表になる。こういうふうなことでは委員会というものの全体的な、民主的な会議というものはできないわけです、そこでやつぱりああいうような点をお察しになつたならば、各委員が果して総理出席を要求しておられるかどうかということを先ず諮つて貰うように、そういうような手続を経てやつて貰いたい。これを私は注意して置きます。
  42. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 松井委員からしばらく休憩するようにという御動議が出ておりますが、如何ですか。
  43. 原虎一

    原虎一君 松井さんの御発言は、やはり今日中に何とか労働と運輸のこの連合委員会を打切りたいという御意思で、私も同感でありますし賛成であります。ただ私は昨年の委員会からの続きの関係から申しますれば、私と官房長官との質問が継続されている形になつております。而ち昨日官房長官の御答弁に対して暗が速記録を見て今日又質問するという順序になつているのであります。併しながら官房長官も出られたのでありますから、若し他に質問がありますならば、他の質問を続けて頂くのが時間的にいいのではないかと、こういう考えで、折角松井さんの御意見でありますけれども、それは私の意見を尊重されてのようであります。私は進行を妨げる意思は毛頭ありません。むしろ進行を早めるために総理出席を要求いたしたのであります。併し私の質問は尚留保になつて官房長官に対する質問、労働大臣に対する質問は留保になつているということを、十分委員長においては御確認の上に、他の質問、他の方々の質問に入られることが時間的にいいのじやないかと思います。
  44. 松井道夫

    松井道夫君 原さんの御意見がさようであれば、私の只今の動議は撤回いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  45. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それでは只今運輸大臣、労働大臣、加賀山国鉄総裁がお見えになつておりますから、こういう方々に対する御質問がありましたらば、この機会に一つ御発言願いたいと存じます。
  46. 平野善治郎

    ○平野善治郎君 加賀山国鉄公社の総裁にお伺いしたいと思います。  その第一点は公社が運輸大臣に対しまして具申いたしました文書の中には、十八億の支出が可能であるということを書いておりましたが、今日においてやはり総裁はそういうお考えを持つておられるかどうか。この点が一点。  次に裁定書の説明において、理由の第三に、国鉄の労働組合諸君が一人当り毎月約千円づつの損失を受けておるということを書いております。その問題につきまして公社の総裁といたしましてどうお考えになつておるか。  もう一つの点は、理由の第六にありまするが、次年度以降において公社が容易にこれを償還するだけの能力を持つておると言つております。従つて一時借入を政府が世話を燒くならば十分に償還する能力を公社は持つておる、こういうことを言つておりまするが、これに対する公社の総裁としての御意見を承わりたいと思います。
  47. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) お答えいたします。第一点につきましては御承知のように、国有鉄道は本年度、いわゆるドツジ・ラインによる予算によりまして、非常に嚴しい均衡予算を国会において與えられたわけでありまして、私共といたしましてはいわゆる千百五十二億の支出予算、これは非常に嚴しいものでありましたが、真劍にこの予算と取組みまして、何とかこの中で経営を持つて行くという決意の下に実施いたして参りました。然るにいわゆる歳入の面におきまして八十六億という歳入欠陷が生ずることが予想された。これは第六国会において御審議を頂きましたので、御記憶も新たにおられるだろうと存ずるのでありますが、そこで初めてこの歳入欠陷を埋めて頂く、貨物運賃の八割の値上とそれから三十億の借入によりまして歳入の欠陷を埋めて頂く、そうして漸くにして千百五十二億の支出、これを賄い得るというように相成りましたのでありまして、そういう点から申しまして、国鉄の予算に余裕があるというわけはないのであります。併しながらこの夏以来特に国鉄の労働組合が示しましたところの秩序ある態度、並びに国鉄従事員として、真に国民に奉仕するという気持におきまして、非常に国鉄の再建に盡して呉れた努力、こういう点が効を生みまして、又一方において生活の困窮が非常に顯著であるという点を見まして、従事員の傍に立つております我々といたしましては、何としても苦しい予算ではあるが、何とか少しの工面はできまいかと言つて考え出しましたのが八十億でございまして、この十八億は私共といたしましてはいわゆる血の出るような金であると思うのであります。私共は今申しましたように、従事員の側に近く立つております関係で、いわゆる修繕費等の繰延べにつきましても、この際来年度に延して、努力を続けることによつて少しでもと考える気持が十八億となつたのでございまして、この点につきまして、政府が監督的立場において、これは国鉄経営は申すまでもなく、これが国民各位に及ぼす関係、或いは次年度に及ぼす関係、これを監督上の立場として考えられて、これを十五億五百万円という査定をされたのでございまして、これは先程から繰返して申しますように、従事員に近く立つ立場と、これを監督の立場として見る見方と、そこに多少の食違いがあることは止むを得ないのではないかと考えるのでございまして、国鉄総裁といたしましては、十八億出してよろしいというように定められますならば、十八億を支出して、この国鉄の経営に疵が入らないようにすることができるというふうに考えております。  それから次に裁定において一千円程度のいわゆる待遇手当ということが出ておりますが、この点に関しましては、私共といたしましてはいわゆる当事者でございまして、この裁定の趣旨に全面的に服従をいたさなければならぬ。従いまして、その内容に立入つてかくの批判を申上げることは避けさして頂きたいと存じまするが、ただその中に待遇と見ることが必ずしも適当でない要素もあるかに考えますし、又内容によりましては確かに事実としてそういう措置をとつたということもあるわけであります。全般的に数字につきまして批判をいたすことは避けさして頂きたいとかように存じます。  それから第三点といたしまして、今後において余裕、いわゆる借入等によつてつた場合に来年度以降において、その償還の自信があるかというお言葉と伺つたのでございますが、これは非常に仮定の下に立たなければなりませんので、第一、来年度の予算はまだ国会審議を受けておりません。従いましてこれを償還し得るや否や、例えば工事費、施設の取替等をいたしますために工事費といたしまして、いわゆる損益勘定の方から繰入をいたすわけでありますが、これらの費用を切つて人件費に廻すというようなことが、或いは可能であるならばこれは可能と言えますし、ただそういう仮定を除いて、来年度以降の予算の建前を仮定として、ここで私がそれは可能であると肚を叩いて見ましても、それはむしろ意味がないものになりはしないか、かように存ずる次第であります。
  48. 平野善治郎

    ○平野善治郎君 只今質問につきましてはよく分りました。  次に総裁にお尋ねしたいことは、問題は仲裁委員会の決定が最終決定でありまするから、公社の総裁といたしましては、この判定を忠実に履定するというお考えは先程承わづたのであります。併し更に御見解の一端をお聽きしたいことは、若し国会において如何なる決定があつても、私は公社としてはこの債務から逃れることはできないという解釈をとつておる一人でありますが、この点につきまして総裁の御意見はどうであろうか、その点を一つ。  次にお伺いしたいことは、公労法が制定された精神から参りましても、この仲裁が、若しも最終点に具体的な解決ができない場合においては、国鉄労組の行動が非常に私は懸念されるのであります。で、公社の総裁は最も労組と密接にふだんから関係をしておりまするから、今後この仲裁が実際具体的に履行されない場合において、労組の方にそういうような私の懸念するような事態が起らないとお考えになつているかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  49. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 第一点につきましては、私共の経営上つまり今後人件費と物件費を如何に按配して行くべきかということについて、現在の人件費が必ずしも非常に十分貰えてあるという見解は持つておりませんので、我々といたしましてはできるだけ節減をした上で、できるだけこの待遇の向上に努めたいという気持は、これは別といたしまして、仲裁の裁定の問題といたしましては、国会においてお決めになつた通りでございまして、国会においてこれだけを出してあとはどうしろ、或いは国会において、これは予算上資金上可能である、これを出してあとはこれはこの際承認するわけには行かんとか、このお決めになり方で決まると思うのでありまして、私共はただそのお決めになる通りに従うのみであります。  それから今後の労組のことについて非常に御心配を頂いて、私共といたしましても大変ありがたいのでございますが、労組と関係が深いて言われましたが、これは経営と労働というものはやはり対立した立場にあるわけでございますが、国有鉄道の従事員といたしましては、この労組、いわゆる経営と労働ということを離れて、これは昔から国鉄に従事する職員は国鉄を愛し、国民のために奉仕する気持を持つてつて、その気持におきましては今後と雖も変らないという、私は自信を従事員に対して持つております。従いまして国会が権威を以て定められたことに対しましては、国鉄労組と雖もこれにとやかく言うことはあるまいというように私は信じているのであります。
  50. 田村文吉

    ○田村文吉君 加賀山総裁にお伺いいたしたいのでありますが、裁定の内容の中に国鉄の従業員が特別に賃金を切下げられておるというようなことを思わせるような文章がはつきり出ておるのでありますが、国鉄の従業員がこの前の六月の改組の場合に、特別に他の従業員、官公吏に比べて特別に引下げられておるといつておる裁定案は御承認になりますか。
  51. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 裁定案そのものに対しましては、私共といたしましては承認するもしないもないのでございまして、その具体的に示された内容に服従する以外に途はないわけであります。で先程お答え申上げたと存じますが、その中には、いわゆる待遇を切下げたと言われておる中には待遇と言えないものも含まれておるという一点だけ申上げておく次第であります。
  52. 田村文吉

    ○田村文吉君 私の伺いたいことは、鉄道の従業員が特別の、外の公務員に比べて特にこの六月において切下げられておるとお考えになつておりますか、そうでありませんかということをお尋ねしたい。
  53. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 国鉄としていわゆるこの六千三百七円のベースそのものといたしましては、全然一般公務員と離れて切下げた事実はないのであります。ただ給與ではございませんが、国鉄にはその他いわゆる勤務も一般公務員とは違つておる面が非常に多うございますし、且つそれに伴いまして例えば職務上の乘車券といつたようないわゆる一般公務員とは全然別箇なものもございます。従いまして一般公務員とそれらを総合して比較いたしますことはなかなかむずかしいのではないかと考えますが、六千三百七円ベーススに関します限りは国鉄職員のみが特に切下げられておるという事実はございません。
  54. 田村文吉

    ○田村文吉君 もう一つお伺いいたしたいのでありますが、それは現在の国鉄の実際の平均收入が如何程に相成つておりますか。その数字と昭和九年、十年、十一年、のいわゆる物価の基準と比較する場合における指数があるのでありますが、九年、十年、十一年の当時の国鉄の收入とこれを比較した倍数表がおできになつておりましたら承知いたしたいのでありますが、若し、九、十年のものがなくて十一年のものがあるかのように聞いておるのでありますが、十一年のものでも結構でありますが、現在の六千三百円の所得から現在拂つておる税金を差引いた実收入で比較して何倍に相成つておりますか。これは一般の観察の上からいつて必要なことでありますので、若し今そこにお手許でお分りになりませんでしたら明朝までにその資料をお届け頂きたいと思うのであります。如何でございましようか。
  55. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 只今現在の水準は分つておるのでございますが、十一年当時のものはございませんので、改めて提出して御覧に入れたいと存じます。
  56. 田村文吉

    ○田村文吉君 今の資料提出の要求でありますが、もう日が迫つておるのでありますので、若しお分りにならないならならないとして私共は判断を進めて参りますし、今日のうち或いは明朝でも分るのでありましたらばおつしやつて頂きたいのでありますが、そういう意味でお願いいたします。
  57. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 暫くお待ちを願えれば、税を込めた給與につきまして申上げることができると存じます。
  58. 田村文吉

    ○田村文吉君 税引を知りたいのでございます。
  59. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 税引はちよつとむずかしいと思います。
  60. 田村文吉

    ○田村文吉君 分るでしよう。税込が分れば税引は直ぐ分るわけです。
  61. 松井道夫

    松井道夫君 加賀山総裁にお尋ねしたいのですが、我々は裁定を拜見してその理由と解説というものをこの裁定のよつて立つ根拠として承知いたしておるのであります。その外の資料としては格別なものを頂載しておらない。でありまするから急を要する関係上一応この裁定の理由は解説の内容の数字に信頼を置いて観察いたしておるのでありますが、只今加賀山総落からはこの裁定の内容について批判に亘ることは差控えたいというお話でありましたけれども、若しもこの予定の中に書いてありまする数字、或いは国鉄に関する事実の記載等が間違つておりますと、我々も甚だ困るわけですが、詳しいことについて、細かいことについてはともかくといたしましても、概ねこの事実、数字というものは間違いないものかどうか。或いは特に顯著に数字が間違つておる、或いは事実の記載が間違つておるという点があつたら御指摘願いたいのです。それでないと審議ができないのです。概ね信用してよろしいわけなんですか。
  62. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 仲裁委員会一つの根拠を持つて裁定されたのでありまするから、その点お確めになるのならば、大変恐縮でございますが、仲裁委員会へそれを検討をお願いいたしたいと私は思うのであります。
  63. 松井道夫

    松井道夫君 私は仲裁委員会の判断自体のことを言つておるのじやないので、国鉄に関する事実、数字、その点をお尋ねしておるのです。
  64. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 数字は私共の方から仲裁委員会からの要求によりまして提出いたしましたものでございまして、数字自体は間違つたものではございません。
  65. 松井道夫

    松井道夫君 それでは更に確めたいのですが、先程この国鉄将来の支拂能力について、これは予算が分らないから、決まつておらんのだから何とも言えない、言つても抽象論になるというお話でありましたが、この裁定書の解説の第五というところに、石炭の節約その他今年度で九億円の退職手当が実際は五十四億円もかかつたというような事実、それから貨物運賃の値上といつたような事実、更に人員整理によつて七十億円程度も今年と違つて余分が出て来るその他の事実が挙げてあるのでありますが、この辺の事実を考慮に入れまするならば、国鉄の営業の收支というものは相当明るい見通しに立つていると存ずるのでありますが、その点について総裁の御見解を承わります。
  66. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 今年度の予算におきまして、退職金が当初の退職手当に対して五十億余を要したということは事実でございまして、この点につきましてはあらゆる節約をいたしまして捻出をいたした次第でありまして、支出予算につきましては、国会に更に我々の支出予算の増加について枠を拡げることについてお願いをいたさないように努めたわけであります。でそういう次第でございますので、その上に貨物が八割も値上になることであるから非常に余裕が出はしないかということでございますが、本年度の予算を御覽頂いても分りますように、本年度はいわゆる減価償却といたしまして僅か十三億程度のものより見込んでいない、でこれはその途がないから見込まなかつたのでございまして、経営といたしましては約一兆に垂んとするこの国有鉄道の支拂に対しましては二百億以上のものを減価償却に充てなければ、いわゆる折角の資産を喰い潰してしまうということになるわけであります。従つてその面だけ不健全な、いわゆる均衡予算とはいいながら、そういう面において無理をして来たわけでありますが、来年度におきましてはそういつた面を、いわゆる古い車両とか線路を取替える費用は益金の中から生み出すことが経営としては是非とも必要になつて参るわけでありまして、そういう予算をこの国鉄経営の健全のために作る上から見ますると、来年度におきましてもいわゆる貨物運賃八割の値上になつて二百三十億になるのでありますが、いわゆる財政的の余裕というものはやはりない、勿論今年よりは来年度における予算は私共といたしましては明るい希望を抱いております。これも今後国会の御審議に待つわけでありまして、そういう点からいつて我々といたしましては多少明るい希望を繋いでおります。併し非常に余裕で出るといつて、今ここで何十億も借金をしても大丈夫だと言切ることはむずかしいと、これは先程申しましたように予算の建て方如何によることでございますので、私共がここで軽々に判断を申上げることは早計であろうと考える次第であります。
  67. 松井道夫

    松井道夫君 減価償却でありますが、減価償却のこともこの裁定に書いてあるのでありますが、これは今年度よりは勿論余計にしなければならんし、そういうことは結局資産の充実、或いはいろいろな補修の方に收益からいろいろ費用を出すというようなことも、これも鉄道の復興というようなことに相成るのでありますが、私のお尋ねしておることは予算の基礎を大体今年度と同じに見た場合に、将来の営業成績が非常に明るい見通しにあるということは、これは問題なくいけることなんじやないかと思うのですが、その点は如何ですか。
  68. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 非常に明るい見通しということは実は申上げなかつたつもりで、今年度に比べれば来年度はやや明るい見通しがついて、運賃も八割値上して頂いたことでありますので、来年度は更に今年度のように三十億の借入をするということは絶対しないようにしたしたい、又運賃も経済事情だに今の状態で続いて参りますれば、旅客運賃はコストを多少上廻り貨物運賃は多少コストを下廻つたベースまで認められたのでありますから、我々といたしましては、その收入の下にバランスのとれた経営をしていかなければならん。どこからも借金をしてはならん、かような意味で本年よりは明るい見通しがややできはしないか、こういう点を申上げたので、今後二年後、三年後、四年後においてその経営努力が実を結びまして、国有鉄道としては先行き明るい希望を私は持つておると思うのでありますが、ただ来年度といたしましては今申上げた程度で非常に明るい見通しがあつて、非常に余裕があるというふうに認めるわけには参りますまい。かように思つておる次第であります。
  69. 松井道夫

    松井道夫君 加賀山総裁運輸大臣に対して提出された公共企業体仲裁委員会裁定に伴う予算上の措置についてと題する書面によりますと、先程も他の委員から質問がありましたように、二十七億円については借入金で支弁することにしたいということが書いてあるのであります。私は苟くも加賀山総裁がかような書面を出され、且つ会計上はこれは政府と密接な関係のありまする国鉄におきまして二十七億円というものが仮に本年度において借入金になつた場合に、明年度以降におきまして、これを返済する上において必ずや政府も国鉄総裁もこれを十二分に返済される用意を持つて、又予算もそれを可能ならしめる予算を作成せられるのが当然だろうと思うのであります。その点は如何ですか。
  70. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 政府がどうするのが当然だろう思うがと、私にどうこう言われても私はちよつと困るのでありますが、私共といたしましてはこの裁定に忠実に従うためには先程から申しましたように、これを全部政府におんぶして全部お借りするということは到底これはできない。従いまして先程から申しましたようにこの非常の思いをして、ただこの国民がこの国鉄を利用されるのに支障のないということを、まあ第一に期さなければなりませんので、そういう見地からまあ苦慮をいたしまして、一つの数字を考えてそれを超える部分は何としても国鉄ではできないのでこれは政府において措置をとつてやる以外にはない、並びに国会においてこれを御承認願う以外はないということで運輸大臣に具申をいたしました次第であります。でこれを如何にするかということはこれは政府としてのお立場があることでございますので、この政府として如何に考えるか、どういうふうにする筈であるかというような点につきましては、政府の方からお聞きを願いたいと存ずるのであります。
  71. 松井道夫

    松井道夫君 私は加賀山総裁にお尋ねしておるので、政府にお尋ねしておるのじやないのであります。加賀山総裁として、この書面を出されて残額二十七億円は借入金を以て支給したい、かような御意思であつたことは明らかであろうと思うのであります。二十七億円を仮にこれを政府から借入れたといたします。それを借りつ放しにして返さない御意図ではまさかあるまいと存ずるのであります。国鉄の予算は勿論国会に提出されますが、この際においてこれを用意いたさなければならん筋のものであるのでありまするから、従業員と経営当局と協力一致した努力と相俟つて、又予算上もそれを可能ならしめるような予算をお組みになつて、そうしてこの借入金を返済されるお覚悟でこれを提出されたのじやないかと思うのでありますが如何でございましよう。
  72. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) 先程からたびたび申上げておりますように、裁定があれば我々といたしましてはとにかくこれに従わなけれどならんということでいたしましたので、この場合にそれを要請いたします場合に勿論これを国鉄の立場として法律的な立場からと、またそれ以上の立場からとこれは要請いたしておる次第でございますけれども、併しその場合に、さてこれで出ることになつたらどうなるかということにつきましては勿論今後の予算の問題になることでございますので、その点につきましては特に来年度の予算について考える、そう深い検討をしたわけではございませんので、とにかくこれは裁定に従う立場からいえばこれだけのものは何とか政府においてお考え願わなければならんという気持で提出をいたした次第であります。
  73. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 只今総裁の御回答によりますと二十七億借入れるということをお申入があつたのでありまして、議会が承認された場合は当然借入を返済する肚がなくては、これを申入れられないということでありますか、その点をもう一つお伺いいたします。
  74. 加賀山之雄

    説明員(加賀山之雄君) この際借入れて流用すべきだということが国会で決まりますならば、これは何をおいても返済しなければならんわけであります。
  75. 松井道夫

    松井道夫君 先程運輸大臣の御答弁を求めておつたのでありますが、まだ御出席ないようでありますか、どうなつておりますか。
  76. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 運輸大臣は外に御用があるようですが、若し御質問がなければ暫く待機願いたいと思いますが如何ですか。
  77. 原虎一

    原虎一君 先程私は他の委員の方々の御質問願つて議事を進行されるようにと思つたのでありますが、それからもう一時間以上経過いたして官房長官から総理大臣出席せられるのかせられないのかということがまだ何とも御返事がありません。委員長の方に何か中間報告がございましたらそれを願いたいと思います。
  78. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) まだ何の報告もございませんが、今の督促をいたしております。
  79. 原虎一

    原虎一君 私の方の質問総理がお見えにならんとできませんから。
  80. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それでは総理大臣の方の御返事がまだありませんから暫く休憩いたします。    午後三時四十八分休憩    ——————————    午後五時八分開会
  81. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それでに休憩前に遡りまして開会いたします。増田官房長官から総理出席の有無についての御答弁があります。
  82. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 原さんその他委員皆様の御意思を総理に伝えました。できる限り差繰つて出席相成りたいということを相当強く申出を私いたしました。なかなか連絡が、二、三度話をした関係で時間が遅れまして甚だ恐縮でございます。で総理は、本日は渉外関係でどうしても出られないけれども明朝必ず参じまして、皆様にお眼にかかつて答弁申上げたいと、こう言つておりますから、何とぞ御了承の程をひとえにお願い申上げます。
  83. 原虎一

    原虎一君 長官にお尋ねいたしますが、総理は今どこにおられるのですか。
  84. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) これはちよつと申上げにくいのでございまするが、お了承を願いたいと思う次第でございます。これは或いは新聞等で分るかも知れませんが……。    〔原虎一君「写真で……」と述ぶ、笑声〕
  85. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 写真では……ちよつとこの点だけはお許しを願いたいと思います。
  86. 原虎一

    原虎一君 一国の総理が居所を得ないということは、私は理由は如何なる理由があつても、秘密会にでもして言うべきであると思う。それを敢て拒否されるならば、私は秘密会に要求しなければならん権利を行使しなければならんことを甚だ遺憾と思います。併しながらそういう事情があるということならば、私は幸いにいたしましてこの委員会には連合で、議院運営委員長の高田さんが運輸委員として出席されており、今度のこの連合委員会の進展振によりまして、この運営委員長総理態度に対して相当お考えがあるだろうと思うのです。又政府態度に対しても相当の観察がなされていると思います。本委員会委員会の決定に基いて運営委員長に、運営委員会において総理かくのごとき態度をとることに対して十分なる追及をして頂くように、検討をして頂くようにお願いしたいと思うのです。従いまして私はこれは突然であります、高田運営委員長とも御相談いたしておりませんのでありますから、直ちに御決定を願うということはどうかと思いますので、五分間御休憩を願つて高田運営委員長にも篤とお話申上げまして、この連合委員会としての御決議を願いたいと思うのであります。
  87. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 私からちよつと申上げます。吉田総理の居所ははつきりいたしているのであります。秘密会において増田官房長官から御報告申上げる方が却つていいかと存じますが、さように取計らいたいと思います。
  88. 原虎一

    原虎一君 秘密会を開く前に私は動議を出しております。従つて私は故意にこの問題を惡意に解釈いたすわけではありません。併しながら官房長官が秘密会を開いて、そして総理の居所を申上げたいという最初からそういう御答弁でありますならば疑いが晴れたでありましようけれども、この公開の席上で言えない、議員がこれを聞くことができないようなことであつてはならんのであります。この点を私は申上げて置きます。敢て私は言われないことを惡意に解釈しておるものではありません。併しながら議院運営の上におきましては、総理出席されないというこの事実、非常に我々は総理病気を疑わなければならん事実というものは聞いておりません。そういう問題について今後の議院運営の上において非常な惡影響をもたらすものでありますから、これは運営委員会において然るべき取計いを願いたいという考えでありまするから、私の動議の五分間の休憩を願いたい。
  89. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 原君の御動議のように決定をしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) さように決定いたします。五分間休憩をいたします。    午後五時十四分休憩    ——————————    午後五時十九分開会
  91. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 休憩前に遡りまして開会いたします。
  92. 田村文吉

    ○田村文吉君 合同委員会の審査も大体これで済んだように考えますから、ここで打切る動議を提出いたします。但し原委員からの総理に対する問題は議運の方で御審議願うことにいたしまして、合同委員会はこれで打切つて運営委員会にお廻しすることにいたしたいたいう動議を提出いたします。
  93. 原虎一

    原虎一君 私は必ずしも連合委員会を打切ることに反対するのでありませんが、総理出席が理由不明といいますよりか、議員が瞞着されておるような形で委員会が進行するということは決して国民に対する忠実なものでないのであります。私が総理出席を要求いたしておりますのはもともと本案の審議に対して遅延させようとか争うとかいう意図でなく、国会運営をできるだけ円滑にするために総理誠意を要望いたしておるわけであります。従つて議院運営委員会においてこの問題を十分に質し今後の運営を円滑にして頂くように、議院運営委員会に本委員会の決定を以てお願して頂き、その上で私は昨日に続き官房長官質問いたします。打切ることには反対いたしません。
  94. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今原君の御意見は私より高田運営委員長にお願いをいたしましたところ御快諾を下さいました。明日必ず運営委員会総理出席を求めて、御質問にもお答えを願い又今日までの経緯をお話する、こういうことでありますから、さように御承知願つて置きます。
  95. 原虎一

    原虎一君 そこで前以てお願いして置きました官房長官並びに労働大臣に対する昨日の質問の継続をいたしますために、少しの時間を拜借願いたいと存じます。官房長官の私の質問に対する御答弁は、即ち同じ政府政府委員であり、労働省のうちにおける労働大臣と賀來労政局長との間に法の解釈の相違がある。而も本によつて表われておる。この問題に対して官房長官は賀來君の著書を付度されて賀來君の解釈は説明が少し不十分な程度である。こういうことをいわれて間違いでないのだということをいわれておる。そこで私は速記をよく昨晩から調べて見ましたのですが、それを見ますと賀來労政局長は公企労法十六條の解釈は、即ち予算上、資金上不可能な問題は当然政府規定に基く手続をして予算化して国会の承認を経るべきものであるという決定的な意思を表示しております。これに対して政府の解釈は全然予算的措置の必要はない、こういう解釈であります。官房長官は昨日のこの私の質問に対して答弁なさつておりますが、それは要するに時間がありませんから速記を全部読みませんが、要するに賀來君の解釈はいわゆる予算的措置が一部可能な場合、それから一部不可能な場合を想像していなかつたからああいう解釈を與えておるということであります。  それからもう一つは予算上可能な部分は国会に出す、不可能な部分は不承認として国会に出す、こういうことがあり得るのだという説明に過ぎないのであります。そこで私は官房長官は、当時の労働大臣で議案の説明をいたされております。併しそれは後にいたしまして、賀來君の書いておりますところのこの本、詳解の本の中にはそういうことは、あなたが言われるように可分、不可分の問題を、起きることを賀來君が想像しなくて書いたというようなことを言つておりますけれども、賀來君は明らかにそういうことをいたしております。それによりますと、第一に公企労法十六條の「公共企業体の予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。又国会によつて所定の行為がなされるまでは、そのような協定に基いていかなる資金といえども支出してはならない。」この「又は国会によつて所定の行為がなされるまでは」という、国会によつて所定の行為とは何ぞやという定義を與えておるのであります。「「所定の行為」とは、国会における予算の可決又は予算に定められち借入金の限度の引上げの承認である。即ち協定履行に必要な国会の行為をいう。」即ち協定履行に必要な国会の行為であります。協定の履行を不履行にする国会の行為は認めておりません。これは明らかになつております。  それから国会の承認を受けるこの理由を明確にいたしております。前を除きまして、「この際單に協定の承認を求めるのみにては、協定履行は不可能であるから当然予算の改訂案が併せて承認されることになる。即ち本項は、協定を国会の議に付するのは、協定そのものの成立を国会の承認にかからしめているのでなく、」こういうふうに言つております。そして先程私が申しました予算上可能、不可能の部分があるということを賀來君は想像しないで書いたという点におきましては、こういう点があります。「然じ既定予算又は既定資金の枠外の支出を求める協定にのみ関するのであり、枠内のものはこの限りではない。」あなたが付度されて枠内のもの、枠外のもの、こういうことを考えずに賀來君が書いたといつておりますけれども、枠内のものは即ち国鉄公社の予算内の、枠内の問題については、勿論かける必要はないのであります。枠外の不可能な部分はかけるのだということは明らかに書いております。従つてあなたは夕べこれをお読みになつた思いますけれども、賀來君の解釈を以て、私は政府を責めるのではありません。併しながらあなたが労働大臣をされて、而の公企労法はあなたが説明されております。その主要なる目的は、いわゆる罷業権を取上げる代りに仲裁というものを置いて、民主的な労働組合の発達を希うものであるという意味の説明をされています。而も罷業権を取上げてその代りに調停、調停というものは御承知のように三十五條によつて双方が続従しなければならなん最後の決定が、国会で左右されるということは、あなたがあの当時の労働大臣として考えておりましたか。この点は労働大臣をなされたあなたが賀來君の解釈が間違つておるなんて言えた義理ではなかろうと思います。  そこで私の問題といたしておるのは、その賀來君の解釈の解惡は昨日問題にいたしたわけではありません。私が昨日問題にいたしましたのは、あなたも、今日政府が解釈しておる通り、法制定当時より、十六條並びに三十五條、この関係の解釈は、政府は初めから今日の解釈であつたということを、昨日も言明されておりますし、それからあなた以外の運輸大臣も、それから鈴木労働大臣も認められておるのです。そういたしますれば労政局長であり、労働行政に直接責任を持つてつておる賀來労政局長は、政府の解釈に違う解釈を以て本を著わしておるのであります。鈴木労働大臣責任、今日官房長官をされておるあなたが、労働大臣当時に制定いたしました公企労法の運営にあなたが責任がないとは言えない。労働組合は労政局長の名において、解釈を與えておる、この本によつて、この解釈によつて、法を守つて、合法的な運動を飽くまで展開して来た筈であります。  この解釈が、仲裁、裁定があつてから変つたために、政府は予算措置をしなくつてもいいのだというこの解釈が出たために、我々の同志は法を守るためにハンストをやらざるを得なかつたのであります。その責任はどこにあるか、あなたは先日労働組合の代表と会われた。ハンストをやつているのは何か労働組合の余計な仕事のごとくお考えになつているかのごとき言を吐かれております。若しこの法の解釈が、賀來君の通りでありましたならば、最終決定であるべき仲裁の裁定を、黙つてつて政府がやつたならば、予算を出したならば、労働組合は何を好んでハンストをやりましよう。又教職員又一般公務員が、人事院の勧告を政府が忠実に、誠実に、その全部にあらずとも、守るという態度があつたならば何故ハンストが起りましよう。先日の日本経済新聞は、ハンストは精神的圧力を加えるところの一種の争議行為である、組合の心情は分るけれども、そういうことはなすべきものでないという意味の社説を書いております。こういう事態が法の不備から起きたとするならば、あなたは当時の労働大臣であり我々は当時の法を成立せしめた、審議したところの労働委員であります。政治的、道徳的責任を持たなければならんのであります。然るにあなたは、あなたの下で忠実に働く賀來君のこの解釈が、政府と相違するのであるという言明だけで済むと思つておられることは、私は甚だ遺憾に堪えないものであります。賀來君の本について労働大臣の先日私の質問に対しての答弁は、それは賀來個人の出版物であつて、労働大臣並びに政府責任を持つものじやないと言つております。私は法的に政府責任を持たなければならんものと言つておりません。併しながら政府は常に申しますように、道義の上に打建てられて行かなければならないのであります。で、私は賀來君の出しておる本が、賀來君が如何なる考で本を出しておるかということを申上げて、政府責任を明らかにされたいと思うのであります。賀來君は昨日も申しました通り、労働省労政局長賀來才二郎著として「公共企業体労働関係法の詳解」十一組出版部刋行となつて、時間もあまりないようでありますから、できるだけ要を得て簡潔いしたいと思いますが、即ち(「簡單々々」と呼ぶ者あり)賀來君のこの本の序の中に、こういうことを書いております。二十三年「十二月第四回国会で議了成立したのでこの意味でこの法律は、我が国の労働組合運動史上の一つの画期的立法であり将来の組合運動にき大きい示さを與えるものとして注目を要するものと考える。即ち、この法律に於て労働組合の民主性、自主性、責任性が強調せられ、我が……」
  96. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) ちよつと御発言中でありますが、今官房長官のところに渉外関係のことで吉田総理から至急に電話にかかつて貰いたいと来ておるんですが……。
  97. 原虎一

    原虎一君 どこまでおいでになりますか。
  98. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 五分ばかりお待ち願います。直ぐ参ります。
  99. 中村正雄

    中村正雄君 先程田村委員から動議が出ておりますが、総理に関する質問運営委員会に、又それに関係する分も運営委員会においてやり、公企労法の解釈につきましては労働委員会でやることにしまして、合同審査打切の田村君の動議に賛成いたします。
  100. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今原君の発言中でありますが、先刻田村委員から合同委員会打切の動議が出ており、中村委員から只今それの賛成がありますが、この動議を如何にいたしますか。
  101. 原虎一

    原虎一君 質問継続中には如何なる問題も取扱うことはできないと思います。
  102. 中村正雄

    中村正雄君 動議が出て賛成であれば動議は成立したのですから、成立したら採決するのが委員長の義務じやないですか。
  103. 原虎一

    原虎一君 採決をせずして発言を許した以上、私は簡單に打切るべきものでないと思います。
  104. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 今官房長官は五分くらいかかれば電話は済むと言つておられたのですが、どうでしよう、如何ですか。
  105. 田村文吉

    ○田村文吉君 五分待とうじやないですか。(「一つ簡單に」「折角質問中だから」と呼ぶ者あり)
  106. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  107. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 速記を始めて下さい。それでは質問の継続をお願いします。
  108. 原虎一

    原虎一君 先程の質問に継続して申上げます。賀來労政局長は、即ち「労働組合の民主性、自主性、責任性が、強調せられ、我が国組合運動の大きい欠陥であつた、団体交渉団体協約の正常な慣行とあり方、苦情、紛争の平和的処理方法の確立等が、明確化せられていることである。」このことを強調し、最後に、「本稿は労政局労働法規課の諸の努力に俟つところ多く、」即ち労政局労働法規課の協力を得て、労政局長として、賀來才二郎といたし、昭和二十四年六月と日附を打つてあるのであります。この問題は簡單に私は済ますことはできないと思いまするが、やはり総理出席なくして、当時の労働大臣のお方である者のみの答弁を要求するのではなくて、政治責任を要求するのでありますから、いずれ運営委員会並びに労働委員会において質問いたしますから私の質問はこれで打切といたします。
  109. 田村文吉

    ○田村文吉君 先刻私の提出した動議を再び繰返しますが、これを以て合同委員会を打切つて頂くことの動議を提出します。
  110. 内村清次

    内村清次君 只今の田村委員が出された動議に賛成いたします。
  111. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今田村委員よりこの程度において連合委員会打切の動議が出ております。この動議通りに決定いたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 御異議ないと思います。さように決定いたします。これで運輸労働委員会散会いたします。    午後五時五十三分散会  出席者は左の通り。   運輸委員    委員長     中山 壽彦君    理事            飯田精太郎君    委員            中村 正雄君            内村 清次君            植竹 春彦君            大隅 憲二君            加藤常太郎君            入交 太藏君            小野  哲君            高田  寛君            村上 義一君            早川 愼一君            鈴木 清一君            千葉  信君   労働委員    委員長     山田 節男君    理事            平野善治郎君            波田野林一君    委員            原  虎一君            村尾 重雄君            平岡 市三君            堀  末治君            田村 文吉君            松井 道夫君            板野 勝次君            水橋 藤作君   国務大臣    運 輸 大 臣 大屋 晋三君    労 働 大 臣 鈴木 正文君    国 務 大 臣 増田甲子七君   説明員    日本国有鉄道総    裁       加賀山之雄君