○証人(末弘嚴太郎君) それでは
只今の点について申上げますが、それよりも前に、どうも先日の
審議で
政府と委員との応答を伺
つてお
つて、尚誤解があるように見えるのですが、つまり
予算上、
資金上可能であるという
部分は実は客観的に決ま
つておるわけであります。それはただそれが幾らであるかについて、見方によ
つて議論はあるかも知れませんが、客観的に決ま
つておる、その
部分については。これは
政府が十五億五百万円と認めたからとい
つて、あとは消滅しないのであります。これは両方が約束してそうして法律上、可能な
部分は確定的な
義務があるので、いわば私有財産で、憲法で保障されておるところの所有権でございます。ですから憲法の
規定に基かない限り、
政府は無論のこと、
国会と雖も削ることはできない。削るならば、憲法の
規定に基いて何らか法律を制定しなければ削れないわけであります。それで私共見ておりまして、大蔵大臣が殊に、非常に
努力した
努力したと言われるのですが、その今の十五億五百万円にすることに
努力したと言
つておるので、あとの残りの
部分のことについて
努力をしたと言
つておることを終始私ちつとも伺わなか
つたのでございます。ですから仮に今ここで
議題にな
つておることで御
承認が與えられなくなりましても、可能な
部分というのがまだあればそれはちつとも消滅等はしないのだ、つまり
公社の債務は十五億五百万円で、あとはまるでなくなるんじやないということを先ず頭に置いて
考えて頂かないと、今の御
質問の問題は混同が起るわけでございます。これは私有財産だということを是非お
考えを願いたい。つまり両方の約束で決めたことなんであります。そこで残りのことなんでありますが、これはこの間
衆議院で申上げたんでありますが、今
増田官房長官の言われたような議論も成り立ちます、議論としては。併し反対の議論も上派に成り立ちます。というのは、法律が惡いのです。法律が非常に不完全である、ああいう法律が不完全でありますれば法律論が分れます。ですから私個人どう思うかと言われたのならば別でありますが、
委員会としてどう思
つたかという点については、
委員会でも、そういうことは一応どうであろうかということはいろいろ議論しましたが、これは私共はその法律論にも余り重きを置きませんのは、むしろ四十五億の中の、いわゆる残りの
部分というものを、
政府の僅かの御協力があれば
公社は拂えるのだということを私共思
つておりますので、実はそれを期待しておりますので、そういう法律論で以て債務がなくなるとか、あるんだという問題について余り深い関心を持たないので、
委員会としてこの法律論を最後まで突きつめておりません。と申しますのは、
一つの経営体でありますので、今ここで仮に十五億五百万円以上は
承認しないとい
つても、今から後、今年度、少くとも今年度内に可能な
部分が又出て来るかも知れない、可能な
部分というのは拡がるのです、生き物ですから。それからああいう企業体を
政府が決めた。三月までというのは、年度で切
つて可能かどうかとい
つたようなことを
考えるのもすでに非常に無理であります。経営体の能力というものは、今はゼロであり、マイナスであ
つても、
ちよつと注射すると非常にプラスになるようなことも幾らでもある。ですからあの法律の程度で、さつきの
増田官房長官が言われたようなことをおつしやるのは、非常に私は何でも頭から切
つてやれ切
つてやれというふうな御
精神があるようにしか思えないので、あれを伺
つていて非常に遺憾に私は思いました、ということだけ申上げます。これは企業体というものは生きているということですね。これを
考えると、私共は仮に十五億五百万円でも、あと僅かなことを、金を貸してやれば行くんだ。この点別に御
質問があれば、私共はなぜそういうことを言うかということを御
説明いたしますが、今の御
質問には直接
関係ありませんので……。