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鈴木国務大臣 御
質問の点は二点あると思います。
一つはさつきから繰返して御
質問されておる食えるのか、食えないのか。これはある場合には
一般の
労働者をも含めての、全般的の御質河のようにもとれますが、この問題が
一つと、それから公労法の意味はどこにあるのだという第二番目の御
質問と、三つ御
質問があ
つたように思います。短かい時間でありますので、詳細は申し上げられませんけれ
ども、私
たちは
労働者諸君の生活の問題の
解決は、すでに今まで繰返し繰返し申し上げておりますように、今の段階では実質貝金を充実する、積極的に高めて行くという方式の中にこそあるのだという
見解を、今日まで堅持しております。その実質
賃金をどう思うかというような詳細の点につきましては、今申し上げる時間がありませんから、必要な際に私
どもの考え方と、
資料とを見ていただきたいと思います。
それから
公社の問題でありますが、これはさつきから諸般の情勢と言
つたところで――公労法の
建前から行きますと、明らかに法律に書いておりますように、
公共企業体の、国鉄の場合には国鉄
公社の、
専売の場合には
専売公社自体の資金上、予算上不可能なるものが拘束力を持たないのでありまして、可能か不可能かという問題は、この二点についてだけ検討すべきものであ
つて、そうしてそのほかのいろいろな要素を入れて来るという場合は、労使双方に――ときによ
つては使用者側に都合のいい場合があり、ときによ
つては
労働者諸君の方に都合のいい場合があるかもしれませんが、公労法自体の精神としては、かわりはないのでありまして、あくまでもその
公共企業体自体の資金上、予算上、可能か不可能かという一点によ
つて、決すべきものと思
つております。従
つて、それらの問題について、
政府が不可能という認定を下した――あえて
大蔵大臣のみにて認定をしたわけではないのでありまして、もちろん
大蔵大臣の流用、移用の点、それからその予算、資金の内容というものを
大蔵大臣を通じて十分
説明を聞きまして、それで不可能と認めざるを得ないという結論にな
つたのであります。こういう場合におきまして、その最後的の決定は
国会がこれを行う、承認不承認、いずれかを
国会が行うことも、明らかに法に書いてある
通りであります。従
つてその場合におきましてもし
国会が承認すべしという
議決をした場合にはどうなるか。おそらく私
どもの考えでは、まだその
ケースに至
つたことがありませんけれ
ども、その場合には、
政府はあらためてそれに対応すべき政治的
責任を持
つて来ると考えております。そういうふうに考えますときに今申しましたような判断を
政府が下し、そうして
大蔵大臣自身が、この際においては流用、移用等によ
つてやることは不可能である。しかもその
説明は、皆様もお聞きに
なつたでありましようが、私
どもも事前に十分聞いたのでありまして、そういう情勢のもと二おいては、これを不可能と認めるという判断を下したのでありまして、そこに決して最初から、公労法を蹂躙しようというような意図があ
つたわけではないのでありますし、公労法自体の
建前では、明らかにそうい
つたケースを
予定し、そうして最後的には、そこに
一つの
国会が最終的な判断を下すという方式が、最初からの基本方式であ
つたわけであります。三十五条と並んで十六条の存在するゆえんも、そこにあるのでありまして、私
どもはそういう考えをも
つて、
国会の公平周密な検討をいただいて、ある場合には、
国会が、
政府と違
つて承認をするという場合もありましようし、そうでなぐ、国鉄の
裁定の一部が途中でも可能これは
国会がそう言
つたんでなくて、折衝の途中で、
政府の方で十五億可能にな
つて来ましたから、これだけは可能ですということで、残りの部分の承認を願いたいということにな
つて来たわけですが、こういう方式をと
つて行く限り、当然公労法に
規定された方式をと
つてや
つているのでありまして、
仲裁を
政府が承知しないから、初めからこれは蹂躙だという考えは、公労法の
建前からい
つてそういう
見解は成立たないと思います。