○青野
委員 私は本
会議の
関係かありましたので、実は
厚生省関係の人と、労働省
関係の方と、
予算関係から見て、大蔵省
関係の相当強い責任を持
つておられる上層の方に来てもらいたいという希望を持
つてお
つたのでありますが、
日雇い労務者諸君の
東京における
説明を大体承
つたのであります。私は二、三日前に
日雇い労務者の代表の方にお目にかか
つて、働いております人々のいろいろな御
意見を直接聞いたのでありますが、今
説明のうちにも、第五臨時
国会では
緊急失業対策法で八億八百八十万円の
予算、第六臨時
国会で御
承知の八億五千万円の補正
予算か決定せられ、今開かれております
国会では、予定から参りますと、
失業救済事業には四十億円
予算が細まれておるということであります。しかし問題は、この
予算がたくさん組まれておるから失脚本
救済事業は大丈夫できるという御
説明を、しばいば
当局者から承るのでありますが、実際はわれわれから見ますと、そうではないのであります。先ほど御
説明にもありましたが、
東京は全国でも
日雇い労務者の
給料は一番高い。
春日委員も指摘しでおりましたか、差引十円の所得税を引かれて、三円の保険料を引かれて、二百四十五円の最高額をもらいましても、手取り二百三十二円では、おそらく三人
家族では食べて行かれない。こういうことを
考えてみますと、この点についても将来食
つて行けるだけ、やはり
東京都における
日雇い労務者に対しては、
賃金を相当増額して差上げなければならぬ、こういう点につきまして、昨日でありましたか、
東京一般労働組合の代表者と、
東京沿岸労働組合の代表者にお目にかか
つたのでありますが、そのときに、名前はこういう公開の席上でありますから、省きますが、大蔵大臣に非常に近い地位にある人が、それらの諸君と面会をしたときに、これはドツジ勧告案によつたり、
政府の方針によつたり、大蔵省の固定した方針によ
つて、
日雇い労務者に対する人件費をきちんきちんと一箇月に
平均してや
つて行
つておるが、どうしても十分な成果はあげ得ないから、
ほんとうにあたたかい血の流れておる日本人だという立場に立
つて、十二月一ぱいに
日雇い労務者関係の
予算を使
つてしまう、一月、二月、三月はどうなろうとも、そんなゆうちようなことをしておられないのだ。私も日本人であるから、あなた
たちの窮状かわかる、正月が越せないということも十分わかる、そういう
お話を
日雇い労務者の組合の代表者にしたということを、昨日承
つたのでありますか、
予算を幾らたくさんとられても、相当数
救済ができましても、それが老幼男女に適当な
仕事を與え、女には女のやさしい
仕事を與え、若い者には若い者、年寄りには年寄りに向くような
仕事を與える
——そうして聞いておりますと、
東京では御
説明とは反しまして、事実は二十二日以上働く自由
労働者というものは、そんなによけいおらない。しかも毎日毎日保険金はとられ、所得税は頭から天引せられる、そうして運の悪い者は一箇月に一週間か五日、都合のいい者でも十日か、十二、三日という人がざらにある。そういう者はまだいいが、実際職業
安定所を訪れて行
つて、あぶれて帰る入の多い今日では、
完全就労でありますと言
つておりますけれ
ども、私
どもまわ
つて見ますと、そういうわけに行かない。実際は血の出るような思いでどうしても一箇月二十日、二十五日働きたいと思
つても、働けない。そうして働いたその日には、頭からふんだく
つて、いろいろな
経費を引き去られておるというのが現状であります。こういう点について、私
たちは労働省
関係のこういう係の人にお願いしたいのは、今大蔵省
関係の人が
言つたように、
ほんとうにあたたかい気持で、どうすればたくさんの日数働けるか、どうすれば食
つて行けるか、これはつまらない例をとるようでありますが、大正十二年の震災のときには、犬養さんは内務大臣かあるいは当時の逓信大臣であつたかと思いますが、この人は
——書物で見たのでありますが、
東京の震災の直後に、あの人が内閣に諮
つて、英断的に郵便局に推定五千円あるいは三千円、五百円を預けたと思う者は、何にもいうないから、そのまま郵便局の窓口へ行
つて金をもら
つてくれ、これは非常時に際会して犬養さんの英断として歴史に残
つております。戰争は負けた。どうにもこうにもならぬ。民主的な日本を再建するために、気の毒な
日雇い労務者の群に落ちた人が、食うや食わずのときには、
法律とか、條文とか、慣例とか
予算とか、いろいろのわくとかを言わすに、どうしてこういう気の毒な人を
救済することができるか。いろいろなことを言
つておりますると、目の前に正月は追
つておる。どういう形でこの人、
たちを、あたたかい気持で保護して
救済して行くかという点については、民自党、民主党、その他の政党も、それぞれ立場々々によ
つて考えておりまするが、特に労働省の
失業対策課長として、大蔵省と折衝するにいたしましても、あなた
たちはこれらの諸君に対して、現実的に具体的に、どうすれば正月が越せるか、まずこれが第一。そしてそれと同時に、どうすれば一箇月のうちに二十日以上、二十五日くらい働き得るようにするか。それについては
関係方面と、どんな困難があ
つても交渉して、できるだけの
予算をとにかく交渉して、それをもら
つて来る。そういう点について、大体お
考えにな
つていることを一番先にお伺いしたいと思います。