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1950-02-18 第7回国会 衆議院 予算委員会第二分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十八日(土曜日)     午前十一時二十三分開議  出席分科員    主査 松浦 東介君       淺香 忠雄君    天野 公義君       永井 英修君    砂間 一良君       松本六太郎君    兼務 小淵 光平君  出席政府委員         建設政務次官  鈴木 仙八君         (大臣官房会計         課長)         建設事務官   植田 俊雄君         (管理局長)         建設事務官   中田 政美君         (道路局長)         建 設 技 官 菊池  明君         (都市局長)         建設事務官   八嶋 三郎君         経済安定政務次         官       西村 久之君         経済安定本部副         長官      山本 米治君         (総裁官房次         長)         経済安定事務官 河野 通一君         (動力局長)         経済安定事務官 増岡 尚士君         (総裁官房会計         課長)         経済安定事務官 鎌田庄太郎君         (財政金融局次         長)         経済安定事務官 西原 直廉君         経済安定本部貿         易局長     谷林 正敏君         (貿易局次長)         経済安定事務官 湯川 盛夫君         経済安定事務官         (建設交通局次         長)      今泉 兼寛君         (建設交通局次         長)         経済安定事務官 山崎小五郎君         中央経済調査庁         次長      奧村 重正君         (中央経済調査庁         長官官房企画課         長)         経済調査官   山口鉄四郎君         (中央経済調査         庁監査部長)         経済調査官   木村  武君         (中央経済調査         庁査察部長)         経済調査官   吉田 龍雄君  分科員外出席者         農林事務官   金城 順隆君         経済安定事務官         (主要食品課         長)      明石 長助君         專  門  員 小竹 豊治君 二月十八日  第四分科所属員小淵光平君が本分科兼務なつ  た。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計予算中内閣、総理府、  建設省及び経済安定本部所管  昭和二十五年度特別会計予算総理府所管  昭和二十五年度政府関係機関予算総理府、建  設省及び経済安定本部所管     —————————————
  2. 松浦東介

    松浦主査 これより会議を開きます。  本日は建設省及び経済安定本部所管予算案につき、審査を行います。まず経済安定本部所管について、政府説明を求めます。西村政務次官
  3. 西村久之

    西村(久)政府委員 経済安定本部関係予算につきまして、御説明申し上げたいと存じまするが、こまかなことにつきましては、あと事務当局より御説明申し上げることにいたしたいと存じます。  安定本部所管予算のうちで大きい問題は、何と申しましても価格調整費の九百億と、建設事業すなわち公共事業に対しまする九百七十億の予算が、最も大きい予算になるのではなかろうかと思われるのであります。価格調整費の九百億のわくは、予算明細書で御了承のことと存じまするが、大体輸入物資国内物資との価格調整をはかりまする比率が、四〇%対六〇%程度の額に相なるのであります。六〇%程度輸入物資のおもなるものは、輸入食糧が四百五、六十億程度に相なるのでありまして、その骨子をなしておるのであります。もつともこの数字小麦協定参加をいたさない場合を予想いたしまして、予算を計上いたしてあるのでありますから、小麦協定参加が許される場合には、数十億の減額を来すものと御了承置きを願いたいのであります。  公共事業費の九百七十億というのは、御承知の通り一般公共事業費として五百億を組み、災害公共事業費として四百七十億を予算化いたしてあるのであります。その内容につきましても、予算総会等質疑応答がかわされたのでありますから、御了承のことと存ずるのでございます。なお細部に関係いたしまする御質疑の点は、あとで御質疑に応じまして、お答え申し上げたいと存じまするが、一応事務当局より予算内容説明いたさせまして、御了承を仰ぎたいと存じます。
  4. 鎌田庄太郎

    鎌田政府委員 経済安定本部所管昭和三十五年度予算につきまして御説明申し上げます。  二十五年度の歳出について申し上げますと、要求総額は千八百八十三億三千八百三十四万一千円でありまして、前年度における二千四百二十四億七千五百二十五万一千円に比較しますと、五百四十二億三千六百九十一万円の減額なつております。この減額になりましたおもなる科目を申し上げますと、物価庁関係価格調整費の九百億円、これが前年度に比べまして八百九十二億の減であります。それから物価調整事務取扱費一億八千百二十五万五千円、これは前年度に比べますと十二億四千百三十四万四千円の減となります。それから行政部費六億四千三百六十八万五千円、この行政部費と申しますのは、経済安定本部中央経済調査庁物価庁及び旧地方経済局関係の分を合算したものでありますが、それが前年度に比べまして二億三千七百七十三万五千円減少しております。今まで申し上げたのは本年度特に減額の分であります。増額なつておるもので建公共事業費の九百七十億円は、前年度に比べますと三百六十三億四千万円の増になつております。  大体これが二十五年度の増減の概況でありまするが、大体安定本部において要求しております重要予算事項であり、かつ金額的に見て大きなものは、安定本部の方に積算されています公共事業費九百七十億と、物価庁に積算されています価格調整費九百億をあげることができます。この二項目の経費については、昭和二十五年度予算説明財政法第二十八條による予算参考書添付)中の九ページ及び十七ページを御参照を願う次第であります。  なお、当部所管下庁別について御説明申し上げますれば、経済安定本部要求額四億五千十七万八千円であつて、前年度における五億八千五百十三万七千円に比し、一億三千四百九十五万九千円の減額なつています。さらにこの経費内訳を申し上げますれば、人件費及びそれに伴う事務費と、その外に経済復興計画審議会に必要な経費四百十七万八千円、経済九原則の周知徹底及び鉱山保安啓発宣伝に必要な経費六百五十万三千円、国民食糧及び栄養対策審議会に必要な経費十七万千円、通貨発行審議会に必要な経費十五万九千円、企業会計制度対策調査会に必要な経費七十二万六千円、国民所得調査連絡協議会に必要な経費十一万九千円、河川総合開発調査に必要な経費百六十万五千円が包含せられております。右はいずれも経済安定施策推進上の必要経費なつています。  次に、物価庁関係経費について申し上げますれば、要求総額七千八百三十八万六千円でありまして、前年度に比して五千三百二十万四千円の減額なつています。この経費内訳を申し上げますれば、人件費及びそれに伴う事務費でありますが、そのほか価格差益納付金收納に必要な経費八百八十七万九千円、米価審議会等に必要な経費百六十四万八千円、物価安定の宣伝啓発に必要な経費五百九十三万円の諸経費を積算いたしまして、物価行政運営のため遺憾ないよう努める次第であります。  次に、経済調査庁関係でありますが、要求総額八千二百七十五万七千円、前年度に比して二千六百七十四万七千円の減額なつています。この経費は前二者と同様、人件費及びこれに伴う経費でありまするが、そのほかに、物資生産配給及び消費並びに物価等に関する経済統制励行をはかる等のため、各種の啓発宣伝を行う経費四百七十二万八千円、国民を対象として経済統制励行せしめる等のために必要な事項調査し、行政的措置により経済統制励行の障害となる原因を除去する等の必要経費として千七十万三千円、経済行政査察を行う経費として六百八十九万円、在庫物資等調査に必要な経費として四百九十七万五千円が包含されております。  さらに、当部支分部局として、札幌及び七地方に設置せられる管区経済局について申し上げれば、本機構は昭和二十四年度まで設置されておつた地方経済安定局地方物価事務局管区経済調査庁の三者を一本にして、行政合理化をはかるための統合機関であります。またこの改正を機に、管区経済調査庁下地方経済局地方経済部に改め、それぞれ本年四月より出発する予定になつています。今その予算を見ますれば、すなわち元来の地方経済安定局の方は三千二百三十六万四千円であります。旧地方物価事務関係のものは四千四百七十七万九十円であり、旧管区経済調査庁及び旧地方調査庁関係は、七億三千六百四十七万六千円でありまして、これが地方局分の統計八億一千三百六十一万九千円となりますが、前年度に比し三億六千八百二十一万二千円の減となつております。  最後に、本部経費中に、北海道の広大なる未開地と、豊富なる資源活用をはかるための開発調査に必要なる経費として七百四十五万八千円を積算しました。これは前年度に比して五十九万七千円の増額なつています。  以上の経費内容を見ますれば、一貫して人件費並びにこれに伴うところの事務費でありますが、これら経費が前年度に比して減額なつているのは、主として経済統制の緩和に伴う事業的経費減額、及び人員の減による人件費減額と、それに伴う事務費減額であります。  以上概略御説明申し上げます。
  5. 松浦東介

    松浦主査 これにて説明は終りました。これより建設省及び経済安定本部所管を一括して議題とし、質疑に入ります。質疑の通告がございますから、順次これを許します。天野公義君。
  6. 天野公義

    天野(公)委員 まず物価庁にお伺いしたいのですが、米価というものが、パリティーで、計算されるということはわかるのですが、消費者価格はどういう算定基礎で計算されているか、まずそれからお伺いしておきますの
  7. 明石長助

    明石説明員 本年の一月一日に改訂されました消費者価格は、どういうふうにして計算されたかと申しますと、本年の一月以降十五箇月間を想定いたしまして、その値上率は本年の四月から明年三月に至ります昭和二十五会計年度食管特別会計收支均衡を保持できるように、算定されておるものであります。従いまして、右の算定にあたりまして織り込むべき二十五年産米生産者価格基礎となります農業パリティー指数につきましても、昨二十四年度産米の価格に適用されましたパリティー指数一五六に比べまして、一応約一割程度上昇を見込んで織り込んでおるのであります。なおいわゆる中間経費につきましては、右の生産者価格上昇に伴いまして、保管料金利等は当然若干増加いたすわけでございまして、なおそのほかに本年の一月から鉄道運賃が値上りいたしましたので、それをも織り込んでおるのでございますが、人件費でありますとか、事務費でありますとか、そういう間接経費につきましては、できる限りの節減をいたしまして、計算しておるわけでございます。
  8. 天野公義

    天野(公)委員 今食管会計收支バランスをもととしているというお答えですが、もちろん食糧配給公団收支バランスというものも、その中に入つておると思うのでありますが、その点をお伺いしたいと思います。
  9. 明石長助

    明石説明員 申し落しましたのでございますが、もちろん食糧配給公団の二十五会計年度経費均衡を、はかれるようにやつておるのでございます。
  10. 天野公義

    天野(公)委員 それで消費者価格基礎というものはわかつたのでありますが、今度は食糧管理特別会計の方にお伺いしたいのでございますが、ちよつと数字の点で資料及び予算書で納得の行かない点があるので、二、三お伺いしておきたいと思います。  それで食管会計で見ますると、米の買入れ数量が三千五十万石であるのに、集荷手数量が三千二百万石となつておりまして、ここに差額が百五十万石ありますが、これはどういうわけでこうなつているか、御説明願いたいと思います。
  11. 松浦東介

    松浦主査 天野君に申し上げますが、これは農林省か大蔵省の関係の者がいませんと詳細がわかりかねるのじやないかと思いますが、午後にでもまわしましようか。
  12. 天野公義

    天野(公)委員 それではこれからの問題を午後にまわしていただきたいと思います。
  13. 松浦東介

    松浦主査 それではそういうふうに扱います。砂間一良君。
  14. 砂間一良

    砂間委員 見返り資金のことにつきまして、少しお伺いしたいと思います。予算説明書によりますと、見返り資金公企業投資の四百億の内訳が出ておりますが、そのうちで通信事業特別会計へ百二十億、日本国有鉄道へ四十億、国有林野事業特別会計へ三十億というふうなのが載つております。その説明に二十五年度における電気通信事業特別会計日本国有鉄道国有林野事業特別会計への繰入れは、出資となる見込みである、こういうふうな説明書がついております。見返り資金の方からの融資につきましては、昨年度におきましては国鉄へ百五十億とか、電気通信事業へ百二十億とかいうような融資があつたと思うのでありますが、これはこれらの特別会計への借入金、公債というふうな形でなされたと思うのでございます。これが本年度におきまして、出資というふうにかわつたということにつきましては、この出資ということの性質、その出資にかわつたとふうその間の事情につきまして、もう少し詳細に御説明を願いたいと思います。
  15. 西村久之

    西村(久)政府委員 ただいまお話通りに二十四年度の、見返り資金からの鉄道及び電気通信関係への資金の流し方と申しますか、これにつきましてはお話のように、貸付けないし国債の引受けという形で行われておりましたが、二十五年度資金におきましては、それが出資と申しますか、結局見返り資金から申しますれば、それを使い切るという形に変更をされておるのでございます。これはいろいろ鉄道その他の会計状況等を考えまして、たとえば二十五年度予算におきましても、鉄道からは幾らかの資金の返済を受けるということに、相なるわけでありますけれども、そういうような関係をいろいろ考えまして、むしろこの際見返り資金方面資金については、そういう貸付金で結局金利が返つて来るという形よりも、実際上出資金として使い切るという方が、適当ではないかということで、二十五年度におきましては、出資ということになつたわけでございます。
  16. 砂間一良

    砂間委員 借入金ということでありますれば、利息拂つて金を借りておるのでありますから、それを返しさえすれば問題はあとに残らないのであります。しかしながら出資ということになりますと、資本はその企業支配するということになりまして、性質が違つて来ると思うのであります。国鉄資産は今日では一兆数千億の莫大な資産があると思うのでありますが、その資本金はたしか四十九億円くらいであつたと思います。この四十九億円の資本金の中へ新たに四十億の資本が加わるということになりますと、この新たに加わつた四十億の資本国鉄の全資産支配する力というものは、相当な強い発言権を持つて来るのではないかというふうに考えるのであります。そういたしますと、昨年度における單なる借入金と、今年の出資ということは、経営支配という点からいたしますれば、非常に大きく性質がかわつて来ておる。借入金ならば利息がつきますが、出資金になると、利息を拂わなくて使い切りに使えるというような面だけ見ますと、何かただで資本が出て、たいへんぐあいのいいように一見聞えますけれども、しかし経営支配権というふうな観点からいたしますれば、これは実に重大な問題だと思うのであります。これはあと見返り資金性質という点につきまして、もう少し詳しくお伺いいたしたいと思うのでありますが、それはまた後に護るといたしまして、それならこの四十億の出資は、何にお使いになるのか、その使途内訳を御説明願いたいと思います。
  17. 西原直廉

    西原政府委員 ただいまの四十億の出資使い道と申しますか、引当ての面といたしまして、東海道電化事業に大体使うことになつております。
  18. 砂間一良

    砂間委員 東海道電化事業にお使いになるといたしましても、これは国鉄公社に繰入れまして、公社の経理、公社の方針、計画のもとに自由に使うことができる資金でありますか、それとも大蔵大臣運輸大臣等が、その資金使い方につきましてさしずをするとか、あるいは監督をするとか、そういうようなことになるのでありますか、どちらでありますか。簡單に言いますと、大蔵大臣運輸大臣がこの四十億の使い方についてさしず等の権限を持つておるのか、あるいは公社が自由に自分の使いたいところに使えるのか。先ほど東海道電化ということもありましたけれども電化でなくても、たとえば三等の客車を新たにつくるとか、あるいはその他の改善に使えるというように、国鉄自体におきましても、当面最も必要とするところに自由に使うことができるのか、あるいは使い方については運輸大臣なり、大蔵大臣なりの了解を得るとか、あるいはそのさしずを仰がなければならぬということになつておるのか、その間の事情をもう少し具体的に説明していただきたいと思います。
  19. 西原直廉

    西原政府委員 ただいまのお話でありますが、現在二十四年度国債鉄道の場合には貸付金でございますが、この場合も同じことだと思いますけれども鉄道の方から借入れの申込みが参りまして、これに対して貸し付ける。従いまして、二十五年度におきましても、出資申込みがありまして、これに対して出資をする。この申込みが行われます場合には、これは何に使うか、また金の出方というものもはつきり明示して、申込みをされることになつておりますので、さつきのお話のような御質問の点でありますが、公社として何に使つてもいいというよりは、今度の場合におきましては、東海道電化というようなものに、大体使途を限定されておりますので、その方面資金がいる場合に、出資を仰いで、順次その金を使つて行く、こういうことに相なると思います。
  20. 砂間一良

    砂間委員 そこで見返り資金性質につきまして、少しお伺いしたいのでありますが、この見返り資金日本政府の完全な自主権のもとに、自由に使えるお金でありますか、それとも何かはかの方面と相談するとか、あるいはその指示監督を仰ぐというような恒質のものでありますか、どちらでありますか。
  21. 西村久之

    西村(久)政府委員 砂間委員にお答えいたします。本件につきましては、予算総会等でも大蔵大臣がしばしば言明した通りでありまして、使うのは日本政府が使うのでありますけれども使います上におきまして、一応関係当局打合せをして、大蔵大臣が介在して使わせる、こういうことになるものと、御了承願いたいと思います。
  22. 砂間一良

    砂間委員 この見返り資金のことにつきましては、ただいま西村政務次官がおつしやいましたように、予算総会等におきまして、しばしば問題になりまして、共産党の議員からもいろいろ質問したのでありますが、どうもはつきりしなかつたのであります。大体これはもらつた金か、借りた金か、あるいは返す金かという点につきましてもはつきりしておらない。その使途につきましても、連合軍司令官の方と相談する、その指示を仰ぐというふうなことに、事実上なつているようであります。昨年の第五国会におきまして、この対日援助見返り資金特別会計法案が、国会で審議されましたときに、政府提出の原案には、法文の中に一々連合国最高司令官管理監査のもとに置かれるとか、その指示を仰ぐというようなことがあつたのでありますが、それは事実上削除されたのであります。しかしその後国会で同趣旨の決議案が通つているというので、実際上は大蔵大臣もそういうふうな運営の仕方をやつて来ているというふうに、予算総会でも説明されているのであります。そういう性質の金であるといたしますと、かりにこれが将来アメリカに返還しなければならぬ有効なる債務であるということになつておりまして、その使い方につきましても、連合軍最高司令官のさしずを受けなければならぬ、あるいはそれに相談しなければならぬという性質のもので、そういういわば外国のひもつきの金が、わが日本の最大の基幹産業であるこの国鉄出資の形で四十億も入つて来る。国鉄資本は現在四十九億でありますが、ほぼそれに匹敵するくらいのお金が、資本の形で入つて来るということにつきましては、これが單なる借入金であれば、それは返せばいいのでありますけれども、これが資本の形で入つて来るということにつきましては、ここに重大な問題がひそんでいるというふうに、私どもは考えるのであります。これは單に国鉄ばかりでなくて、電気通信事業に対する百二十億、あるいは国有林野事業に対する三十億、これもすべて同性質だと思うのでありますが、この見返り資金から、出資の形で入つて来る金が、はたして日本のこういう基幹産業に対する支配権を将来持つて行くような、危險性がありはしないかという点につきまして、この際政府当局見解を、明らかにしておいていただきたいと思います。国民のある部分はこういう点につきまして、多分の疑惑の念を持つている。また日本経済自主性ということにつきまして、大きな憂慮を持つているということを表明いたしまして、この際政府当局見解を、はつきりしていただきたいと思います。
  23. 西村久之

    西村(久)政府委員 お答え申し上げます。砂間委員の御解釈が、どうも一方に偏するような御解釈での質問のように伺うのでありますが、御心配のようなことは断じてないのであります。ただ見返り資金使います際に、関係方面との了解を得ると申しますか、その関係がありますことは、御意見の通りでありますけれども、これは国の財政を立てて参りますデイス・インフレの線を堅持するという建前を、土台といたします関係上、まとまつた金を出します関係を、その方面が一応検討をする。そうしてデイス・インフレの線をオーバーして、またインフレーシヨンにならないようにというようなことを考えられての、一応の打合せになるのでありまして、砂間委員のお考えになるようなことは断じてない。見返り資金は国の復興あるいは再建に役立つような方面に、われわれは使つて行きたい。これを出資いたしましても日本政府出資するのでございますから、いささかも御心配になるようなことはないと、御了承おき願いとうございます。
  24. 砂間一良

    砂間委員 政府出資するといたしましても、これは日本政府の税金でとるなり、あるいは独自の財源を持つておる、そういうお金出資するというのであれば、私は何も問題はないと思うのであります。しかしどだい見返り資金というものがはつきりしていない、もやもやした性質資金であります。借りた金やら返す金やら、もらつた金やらわからぬ、そこに問題があるわけであります。また一方から考えますと、借りた金であるならば、借り主が自由にそれを使つたらいい、またもらつた金であるならば、もらつた日本が日頃に使うことができる。でありますが、その辺も明確になつていない。そうして総司令部の方にやはり相談しなければならぬというところに、この資金性質の非常にはつきりしていない点があるのであります。今、西村政務次官はそういう点については、少しも心配はないというふうに言い切られたのでありますけれども、しかしただ口先でそういうふうにおつしやるだけでは、私どもは合点が参らないのであります。やはり見返り資金の性格についての根本の点を、もつとはつきりしていただかなければ、この疑問は解けないのであります。でき得べくんば、この機会に見返り資金日本が借りておる金か、あるいはもらつた金か、そのどちらであるかということを、はつきり言い切つていただきたいと思うのであります。その点がはつきりすれば、あとの点もおのずから解明すると思うわけであります。
  25. 西村久之

    西村(久)政府委員 日本政府の責任においてやるのでありまして、日本政府のものでなければ、日本政府出資はできないわけでございますから、日本政府のものだと御了承置きを願つて、そうして御安心を願いたいと存じております。
  26. 砂間一良

    砂間委員 責任においてやるとおつしやることは、吉田総理でも池田蔵相でもたびたびおつしやるのですけれども、しかし現存の日本の政治、経済運営の実際を見ますと、どうも日本政府の責任においてやつておるようには、事実が見えないのであります。予算一つ組むにいたしましても、ドツジ公使がやつて来て、そうして大体おぜん立てしてその通りにやつて行く。税制改革一つやるにいたしましても、シヤウプ博士がやつて参りまして、ピンからキリまでおぜん立てする。そうしてそれをそのまま大体日本政府はやつて行く。国会で私ども決議案一つ出すにしましても、修正案一つ出すにしましても、一々OKをもらつて来なければやれないというふうな、いわば国会それ自体が東條時代の翼賛議会みたいなかつこうになつておるのでありまして、そういうふうな現実の政治経済運営を見ますと、日本政府の責任においてやるという、ただそれは言路だけでありまして、何らその間に自主性がないというふうに、私どもには考えられるのであります。そういう実際からいたしますと、今言葉の上で、見返り資金日本政府自主性においてやるというふうにおつしやいましても、事実上はやはり外国の方とも相談し、そのさしずを受けなければならぬというふうに実質上なつている。そういう資金鉄道電気通信事業というような、日本の一番重要な基幹産業資本として導入するということは、結局これらの基幹産業が将来外国資本支配下に置かれる危険性が多分にあるということを、私どもは憂えるのであります。去年のように單に借入金として利息を拂つてやるのだつたら、まだいいのですが、こういう出資の形で入つて来るということにつきましては、私どもはどうしても割切れないものを持っておるということをつけ加えまして、一応私の質問をこれで終ります。
  27. 松本六太郎

    ○松本(六)委員 電力再編成の問題について、政務次官にお伺いをいたしたい。言うまでもなく電力の仕事そのものは、通産省の所管であろうと存じますけれども経済安定本部として、わが国の産業並びに民生の大きな基本的な役割をいたしております電力再編成の問題は、相当重要な問題としてお扱いになつておると思うのでありますが、最近日本の電力の機構を根本的に改正する、あるいは九分割、あるいは十分割というような問題が起つておるのでありまして、聞くところによれば、大体九分割というような方向ですでに決定的な線が出ておるというようなことを、承知いたしておるわけでありますが、この内容一あるいは現存のそれらの問題に対する進行の程度政府の構想等について、一応政務次官から御所見を伺つておきたい、あるいは経過についてもお伺いしたいのでありまする
  28. 西村久之

    西村(久)政府委員 特に政務次官という名ざしでありますが、本件につきましては御意見の通り非常に複雑な関係がありますので、事務当局から御納得の行くように御説明を申し上げて、御了解を願いたいと思います。
  29. 増岡尚士

    ○増岡政府委員 それでは電気事業再編成の問題の最近の状況を御説明申し上げます。  御承知のように電気事業につきましては、集排法の関係で再編成をしなければならないことになつておりまして、その後いろいろ経過がありましたが、最近の経過といたしましては、通産省に電気事業関係の審議会が設けられまして、ここに五人の委員が出て、電気事業の再編成の根本方針、あるいは電気事業関係行政組織に関する問題を審議されたのでありますが、その結果審議会が通産大臣に答申いたしましたのは、御承知と存じますが、九ブロックに電力会社をわけまして、各電力会社は、現在のごとく発送電と配電を別にしないで、発送配電の一貫会社とするということで、九分割する。ただしその配電地区と発電所との関係は、必ずしも供給区域に限らない。たとえば関西の電力会社は、北陸に発電所を持つというような関係も、ある程度認めるというような関係の、九分割案がありますが、そういう関係ではなくして、大体給電地域と発電所が一緒になるということでありますけれども、ただ現在の電力の需給状況、あるいは料金の問題から考えまして、ここに一つの融通会社というものをつくりまして、これが電力の需給、あるいは料金の関係の特別な不均衡を調整するというような案をつくつて、これを第一案とし、そのほかに先ほど申しましたような九分割で、発電所を配電地域外に多少持つというような案、これを附帯的な案といたしまして、答申をされたわけであります。これを関係方面との打合せに、どういうふうに政府案としてきめるかという問題に、現在はなつておるのでありまするが、一応通峰省あたりの試案といたしましては、去る十五日ごろに総司令部の方に、九分割で融通会社をつくらない、ただ配電地域以外に水力発電所を、多少持つというような意味の、九分割案を出したのでありますが、この案につきましては、先方としては必ずしも満足しておらないというような話でありました。従いまして現在の状況といたしましては、答申案を参考といたしまして、またそれのほかにあらゆる資料を集めて、政府の案をつくつて、まだ政府案ができないというような状況になつております。安定本部といたしましては、終始この問題について——直接の所管は通産省でありまするが、関係るところきわめて広範な問題でありますから、常に緊密な連絡をとつて、産業の面あるいは国民生活の面から、こういう案の場合には、どういう結果が起きるであろうかというようなことも検討して、直接担当しております通産省の方に連絡をい大しております。現在の状況といたしましては、大きなまとまつた案といたしましては、先ほど申しましたように、融通会社をつけた九分割案と、つけない九分割案と、あるいは司令部側の十分割案というものがありますが、これらのものを十分に、さらに検討した上で、政府案をつくらなければならないという、段階であるということであります。
  30. 松本六太郎

    ○松本(六)委員 大体今の御説明で経過についてはわかりましたが、さらにお尋ねいたしたいことは、いわゆる九分割にたりまして、その上に何らの措置を講じたいでやりますと、たとえば北海道、九州というような地帶は、非常に電力料金が高くなりまして、大体今の計算によりますれば、七割いわゆる七〇%程度の電力料金の値上りになります。しかも北海道のように、先ほども政府委員からも御説明がありましたように、これから新たなる資源の開発を積極的にやらなければならぬ。そのためには特に開発庁というような役所まで、つくつてやろうというようなことに相なつているわけでありますが、新たなる北海道の資源を開発すると申しましても、その原動力はやはりこの電気に負うところが非常に多い。いわゆる電力の事情がこれを左右すると申しても過言ではないと思う。さような重要な関係にあります電力問題が、もしも不合理な再編成が行われるといたしますれば、これは国土の開発の上にも、あるいは資源開発の上にも、ないし国民生活の上から申しましても、非常に大きな問題が起るということがありますので、われわれといたしましても、さように電力料金が大巾な相違が生じないような方法で、この問題はぜひ決定をしていただきたいということを希望するものであります。そこでお伺いいたしますが、今御説明になりました融通会社をつくるという案、この問題が私どもの見るところによれば、非常に困難なように聞いているのでありますけれども、何らかさような具体的な措置を講じてやるのでなければ、今申し上げたように日本産業の進展の上にも、その他の上におきましても、非常に大きな障害を起す、かように考えますが、その融通会社の問題についてどういうお考えでおられますか。また経過はどうなつておりますか、お伺いいたします。
  31. 増岡尚士

    ○増岡政府委員 融通会社を考え出した答申案の趣旨は、結局各地区が非常に需給の関係が不均衡といいますか、差ができる、あるいは料金において差ができるという関係をある程度調整しようということから出たのでありまして、日発の持つておる発電所の幾分かを、その会社が持つ。そこで不均衡を調整しようというような考え方であります。分割をした場合に、現在の電力の需給の状況、あるいは各分割された会社の経理状況から見て、料金の関係がある程度現在と違つて来るということは、もちろんでありますが、その違い方が非常に不適当であるという場合には、何らかの調整をすることが、もとより必要であると考えられるのであります。融通会社を設けるか、あるいは別の方法でやるかというところに、議論があるわけであります。融通会社でやるのが一つの案で、これにかわつた別の案といたしましては、今度電力の調整機関として考えられておる、いわゆるレギュラトリーボデイーというものが、この電力の需給調整、あるいは料金の地域差の問題を取扱つて、あまり不適当な場合には、その会社から、その他の地区へ電力の融通をする、あるいは料金のプールの方法を設けるというようなことを、レギュラル・ボデイーがやればいいのではないかというような考え方があるわけであります。そこで結局、どういう方法でやることが最も適切であるか、電力の事業の面あるいは電力関係の面だけでなく、産業あるいは民生というような広い面から見て、いかにあるべきかということ検討をする必要があるのだというふうに考えます。従いましてまだどの分が一番いいかということを、ほんとうにきめられないでいるような現状でありまして、先ほど来、お話がありましたように、きわめて不適当な分割方法を講ずることは、望ましくないことはもちろんでありますから、われわれ事務当局といたしましても、あらゆる資料を提供いたしまして、政府において十分御検討願つて、最も適切なものをきめていただくということにいたしたいと存じますし、政府としても、そういう意味で現在十分検討中であるというふうに、御了承を願いたいと思います。
  32. 松本六太郎

    ○松本(六)委員 まだ決定に至つておらない問題でありますから、今、御答弁になりましたような趣旨で、最善を盡していただきたいということを要望しておきます。なおこれに関連いたしまして、日本の電力資源の開発問題でありますが、いろいろな計画がなされておるということは大体、聞いておるのでありまするけれども、今後のわが国の電力開発の計画、それからそれの地域的な分布の関係、こういうものがどうなつておりますか、それをお伺いいたしたい。それから今度再編成が行われました場合に、かつて安本等でやつておりました電源開発の計画が、そのまま遂行されるかどうかというような点について、お伺いいたしたい。
  33. 増岡尚士

    ○増岡政府委員 従来の電力開発計画は、とりあえずの計画といたしましては、現在の需給状況をできるだけ早く緩和するという意味におきまして、その重点を、需給が非常に逼迫しておる地区、たとえば北海道であるとか、九州であるとかいうものに、集中的に、あるいは優先的にやつて行くという方針をとつて来ております。ただそういう間に合せといいますか、とりあえずやりたいということのために、地区によつては火力のものを早くやる場合もありますし、あるいは水力式でやる場合もある。あるいは将来のことを考えて、貯水地をやるということも考えて、いろいろな組合せで、とりあえず、あるいは将来の問題も考えつつ、できるだけその地区ことに、電力の需給を改善して行くという考え方でやつておるのであります。従いまして、北海道地区、あるいは九州地区のようなものについては、あまり大きな貯水地的な計画のものはありませんが、火力、あるいは水力式でもつて、できるだけ早くその地区の需給をバランスさせるというものを優先的に取扱つて、これの開発をして行く。見返り資金等の融通に際しましても、そういう趣旨で順位をつけてやつておるのであります。将来分断された場合に、従来の計画がそのままうまく行つて、非常に逼迫した地区が優先的に開発されるであろうかどうかということでありますが、分断された場合でも、たとえば見返り資金というものがある程度続きまして、これが国家的に運用されるという場合においては、今とかわらずに、やはり非常に需給が早く改善されなければならない地域に、優先的に行くということは当然でありましようし、またいろいろ自由的な経済になりますと、金を出す、あるいはものを供給するという面でも、統制的に、どこそこに持つて行くということは、やや従来よりも困難になるかもしれませんが、おのずからあらゆる面が、需給の非常に逼迫した地区を早く改善するという方向に持つて行かなければならないことは当然でありますから、諸般の計画を立てます上からいつても、そういうような心づかいをもつてやれということはしかるべきだ。われわれといたしましても、そういう考えで仕事を進めて行きたいというように考えております。
  34. 松本六太郎

    ○松本(六)委員 時間がおそいようでありますから、爾余の問題はあとに譲ることにいたしまして、午前中は大体これで打切りたいと存じますが、ただ一点小麦協定の問題、先ほど政務次官の御説明の中にも、ちよつと触れられたようでありますが、この小麦協定参加の問題は、灰関するところによると、すでに決定したかのようにも聞いておるわけでありますが、その事情が現在どうなつておりますかということ、それから小麦協定参加いたしますれば、大体価格調整補給金の上で、どのくらいの減額になりますか、その点をお聞きいたしておきたいと思います。
  35. 西村久之

    西村(久)政府委員 協定参加につきましては、当時百二十万トンの予定でありましたが、現在は九十万トン程度に修正して参加を要請いたしております。それで換算いたしますと二十億余りとなるのでないかと思います。それだけは価格調整費減額されて、九百億が、八百八十億か、八百七十億に減額されるものと御了承願います。それから小麦協定関係は、まだ決定いたしておらないのでありますから、さよう御了承願います。
  36. 松本六太郎

    ○松本(六)委員 私は午前中はこれで打切ります。
  37. 松浦東介

    松浦主査 午前の会議はこの程度にいたしまして、午後は一時半より再開いたします。これにて休憩いたします。     午後零時二十八分休憩      ————◇—————     午後二時開議
  38. 松浦東介

    松浦主査 午前に引続き会議を開きます。  建設省及び経済安定本部所管について、質疑を継続いたします。天野公義君。
  39. 天野公義

    天野(公)委員 午前中の続きを、食管会計のところでございますが、米の総買入れ数量が三千五十万石となつているのに、集荷手数料が三千二百万石、ここに百五十万石の差があるのでありますが、どういうわけか、その点御説明を願いたいと思います。
  40. 金城順隆

    ○金城説明員 米の集荷手数料の計算は、米とそれから代替雑穀が入つて声りまして、それが予算の上の計算で三千百八十八万石になつております。それを三千三百万石で計算いたしたのであります。
  41. 天野公義

    天野(公)委員 雑穀が入つているというお話でございますが、集荷手数料のところに雑穀の分もちやんと計上されているのでございます。今の御答弁に食い違いがあるようですが、その点もう一ぺんお伺いしたいと思います。
  42. 金城順隆

    ○金城説明員 米の買入れ数量が、普通供出と超過供出を合せて、雑穀も含めて三千二百万石であります。今天野委員のおつしやるように三千二百万石という数字は、雑穀も一緒に入つております。先ほど申し上げた雑穀も入つて計算しているのは、今天野委員のおつしやる通りダブつております。
  43. 天野公義

    天野(公)委員 三千二百万石でなく三千五十万石であります。米穀のところをごらんになれば、二十五年度の普通供出の分と、それから超過供出の分、二十五年度産米全部を合計したものが三千五十万石、それから資料の一番おしまいの毎月買い上げる米穀の数量を全部集計しても、三千五十万石、そして雑穀は別なところにその数量と金額が計上してあります。それから主要食糧集荷手数料として、ここに計上されているものが、米穀の方に三千二百万石計上してあつて、麦類、雑穀はまた別に計上してあるのであります。そうしますと、今政府委員の御答弁ですと、この食い違いがまだはつきりしないのでございますが、この点をもう一度明確に御説明願いたいと思います。
  44. 金城順隆

    ○金城説明員 予算を積算いたしました場合に、今申し上げたように、普通割当をいたしますときには、米と雑穀と一緒に割当いたします関係上、手数料を計算いたしますときも、両方合せたもので一応計算いたしたわけであります。個々のものをやりますときに、雑穀をもう一度計算して、結局雑穀の分だけ、ダブつて計上してあるということになるわけであります。しかし一方、たとえば今年の一月一日から消費価格を決定いたします場合に、消費価格の中へ織り込んであります手数料につきましては、この予算の買入れ数量、それから予算に計上いたしております超過供出手数料というものと別個に、つまりそれだけずつとあとなつておりますので、新しい情勢に基いて別個の方で計算いたしておりますので、実際の消費価格算出のものについては、ダブつた計算をいたしておりません。この経費が支出されます場合には、今の価格を計算したときの新しい情勢に基いて計算されたもので、支出されることになるのであります。
  45. 天野公義

    天野(公)委員 今の御説明ではどうも納得が行かないのですが、予算にはダブつたものを計上してあつたり、予定の価格と違つたようなものを計上しておいて、そうしてわれわれに審議しろと言つても、筋が通らないと思うのです。  もう一つ先へ進めまして、政府の精米の、項のところをお聞きしたいのです。それは、政府で精米したものは、これは当然精米として売却するものである、このように思うのでありますが、政府精米の精米加工賃として五百万名が出ております。ところが精米を売つたものが三百二十五万九千石になつております。そこに百七十四万一千名の差が出ているのでありますが、この点御説明を願いたいと思います。
  46. 金城順隆

    ○金城説明員 政府が買うものは玄米で買つているわけでありますが、この統制で全国のものを一本で、政府が買い上げるようになりましても、やはり農村からぬかがほしいという要望がありまして、農村で加工して出していたので、従来の実績によりまして五百万石というものを、今後においても委託加工することにいたしているわけであります。その委託加工いたしましたものは、一応政府がこれを精米で売るということになります。しかし政府が買いましたものは、玄米でも精米でもその通りでありますが、必ずその年に売るということにはなつておりませんので、この売却計画から抜けておるものは、要するに年度末の手持として残つておる、こういうことになるのであります。
  47. 天野公義

    天野(公)委員 百七十四万一千石という厖大な精米せられたものを、政府で次年度にまわすように保有しておくということは、保存の面から言つても、どうしても実情に合わない場面がたくさん出て来ると思うのであります。この問題はあとの問題にもひつかかるのでありますが、これは後刻の問題といたしておきます。  次に、先ほどの集荷手数料の問題とひつかかるのでございますがへ保管料のところに米の総買入れ手数料がやはり三千三百万石と出ております。これは集荷手数料と相見合つて米の保管料として出ておるのでありますが、先ほどの問題とからみ合わしして、差額——もちろん前の年度からの持越しの分も保管しなければならないと思うのでありますが、どうもこれも納得が行かないのでございますが、御説明願いたいと思います。
  48. 金城順隆

    ○金城説明員 米の保管料のところに三千二百万石あげてありまして、手数料のところにも三千二百万石となつて、おりますが、保管料のところには雑穀の保管料というものを計上しておりません。両方合わしたもので一応考えております。なお今おつしやいましたよりに、前年度からの持ち越したものの保管料もあるわけでありますが、大体別年度から持ち越したものの数量がそり大した数量でなしに、それから月々出て行くものだということで、その年度に買つたものの保管料を一応計算して、あと経費を節約して、そういうことで前年度から持つて来たものについては、何とかしてやつて行くという考え方のもとに、一応予算を組んでおるわけであります。
  49. 天野公義

    天野(公)委員 食管会計の中の運営の問題についてお伺いしたいと思います。特に運送の問題でございますが、運賃の中に相当の小運送料が含まれているわけであります。大体政府の買上げたものを集荷して、そして今度は管内輸送で消費地へ持つて行き、県外輸送で消費地へ持つて行くという場合に、到着地の倉庫に一応政府の米を入れておいて、そしてそこから公団に売渡して、各消費地の手に渡るというくあいになつておると思うのでありますが、はたしてそうなつておるかどうか、一応確めておきたいと思いますので、その点御答弁願いたいと思います。
  50. 金城順隆

    ○金城説明員 政府が産地で買いました米を消費地に持つて参りまして、公団に売却いたしました場合に、昭和二十一、二年のように需給状況が非常に逼迫いたしておりましたときには、需給操作上レール渡しで公団に渡して、すぐ配給にまわさなければ間に合わないという状態が相当ありましたので、てのときにはレール渡しということをいたしたわけであります。その際に数量その他で非常に間違いが起きやすい。従いましてそういうことをいたしますと、食管会計の経理上にも、いろいろ欠陷が出るというおそれがありますたので、需給状態が今日のように非常によくなりましたので、できるだけ倉庫に入れて、倉庫で数量あるいは目減りとかいうものもよく調べた上で、公団に渡す方がいいということになりましたので、ただいまにおきましては、できるだけレール渡しは避けるという方針のもとに、一ぺん倉庫に入れてから渡すということにいたしております。
  51. 天野公義

    天野(公)委員 それで食管の方針がわかるのでありますが、ここに私はまだ相当大きな問題があると思うのであります。たとえば政府で駅に米を持つて来る。駅に着いた米は、全部ある特定の倉庫に持つて行く。ところが出荷命令が出ていて、その倉庫から同じ数量のものを出して、公団に売渡しているという現状が非常工多いようであります。これは安本の経済調査庁の方ではよく御存じであると思うのでありますが、この全部倉入れを建前とするということは、非常に問題がありまして、たとえば今申し上げたように、玄米を倉庫に入れて、同じ玄米をそこから出して来るという建前をとると、非常に運賃も損をいたしますし、また倉庫料も損するわけであります。たとえば十四日に倉庫に入れて、十五日に出すというふうにすれば、倉庫料は二期分だけとられるわけであります。この方式を改めて、貨車乗りを建前として、あまつた分は倉庫に入れる。そうして足りない分は倉庫から出す。また端境期を越すための保有米というものは、そのものとしてずつと倉庫に入れておくというぐあいの方式をとれば、相当の節約がはかれるのじやないか、このように私は考えているのであります。また倉庫で数量を当るというような御説明もありますけれども、一番数量の確かなのは、精米をしたその直後の状態が一番確かであります。また玄米ならば、買上げたそのときが一番数量は確かなはずであります。下ろしたり、積んだり、またしまつておくというようなことになりますと、大きなねずみも食べることもあるような状態でありまして、ここに食糧の絶対量の確保ということは、数量は少いとしてもなかなか骨ではないかと思います。でありますからできる限り貨車乗りを建前として、倉入れは二次的に考えて、事務の能率をはかつてつたならば、この実際計上されている予算から、相当の節約ができると私は思うのであります。その点に関してどうお考えか、これをお聞きしたい。
  52. 金城順隆

    ○金城説明員 現在におきましても、たとえば十四日到着いたしまして、十四日に渡す、あるいは十五日に渡すというようなものにつきましては、レール渡しをやつておりまして、予算にもわずかでありますが、レール渡しの計算による運賃を計上いたしているわけであります。原則的に倉渡しにするといたしましたことは、先ほど申し上げましたように、二十一年、二十二年の需給状況の逼迫いたしておりましたときの経験に徴しまして、倉渡しの方がいい、そうして今レール渡しで経費を省くよりは、その方が食管の経理上も確実でよろしいという考えで、現在において全国で原則的に倉渡しをする建前をとつておるわけでありますが、なお私の方でもその点については十分研究いたしたいと思います。
  53. 天野公義

    天野(公)委員 それから食管会計の方は、今御説明をいただいた点では、予算基礎なつておるものがはつきりしていない。まだ相当節約できる部面もある。このように余分に計上されたり、余分に費用を使つておるものによつて消費者価格が決定されるということは、どうも納得が行かないと思うのであります。さらに公団の方を見ますと、包装資材であるとか、麻の袋の代金であるとか、いろいろなものが計上されております。たとえば、補修縫糸代が一億九千百円計上されておる。包装資材が百六十三億も計上されております。いろいろ納得の行かないような予算が計上されております。これは聞けば一応御答弁があることと思うのでありますが、答弁だけではなかなか結論は出て来ないのでありまして、実際の運営において、監督官庁においてこれらの冗費を徹底的に節約して、少しでもここに剰余金を出して米価を上げ、消費者価格を下げる基礎にしていただきたい。食糧配給公団及び食管会計をほんとうに真劍に国民全般の立場になつて経理を見、また運営合理化をはかつてつたならば、必ずこのようなことが行われると思うのでありますが、この点に関して、今後ともこの予算運営する上において、格段の御努力をお願いしたいのであります。また物価庁方面におきましても、先ほどお伺いいたしますると、米の算定価格が、その中間経費食管会計また食糧配給公団のいろいろな予算の上に立つて消費者価格を決定せられておるということでございましたけれども、その上に立つておるならば、これらの会計を十分に監督して、疑点をどんどんただして、合理化をその点からはかり、そして適正な消費者価格を今後出して行かれるように、特段の御努切をお願いしたいと思うのであります。  次に建設省関係の方でお伺いしたいのでありますが、都市計画事業費というのが二十二億計上されております。昨年度二十億都市計画事業費として計上されておるのでありますが、去年の都市計画でどの程度のものを実際にやつたかということを、簡單に御説明願い、また本年度はどういうことをやるかということを、ごく簡略にお話願いたいと思います。
  54. 八嶋三郎

    ○八嶋政府委員 本年度の都市局の予算は、お話のごとく二十二億二千万円という形に相なつております。その中で一般の戰災復興その他の都市復旧分が大体十八億、そのほかに幹線改良に三億計上になつております。戰災復興の問題につきましては、実に昨年御承知の通り再検討をいたしたのであります。当時一億坪を戰災復興区画整理の面積の対象にしておつたのでありますが、今回それを八千五百万坪ということにいたしまして、それを五箇年間で完成するにつきましては、大体三百三十二億を要するというふうな一応の計算をやつてつたのであります。そういう意味において、昭和二十四年の八千五百万坪というものを大体対象にいたしますると、竣工率が大体二八・四%というような数字なつております。これを来年度予算を計上することによりまして、四一%程度にまで平均して上げて行きたいと考えておる次第でございます。これは大体戰災復興の問題でございまするが、その他非戰災都市につきましては、現在のところ重要幹線街路、その都市における幹線の街路を整備して参るということでございます。中には疎開跡地を整理して参るというようなものもありますし、どうしても交通その他の状況から考えまして、復旧をはかつて行かなければならないもの、その他の補修的なものというのが、大体この線に載つているのでありますが、これもマッカーサーの五箇年計画というものがございまするので、その線に沿いますると、ほんの微々たる金でありますので、とうてい当初の予定通りには参らないような情勢でございます。しかし都市の要請というものは非常に切実でありますので、その方に大体向けたいと思います。そのほか都市水利といつたような方面のこともいたしておるのでありますがこれは主として排水の問題であります。大体大きくわけますれば、そういうようなことでございます。
  55. 天野公義

    天野(公)委員 私は東京に住んでいるものでございますが、昨年度都市計画事業に二十億計上してある、これが着々と進んでおると思うのでありますが、実際には大きな駅の前のマーケットがなくなつたという程度しか私どもの目に映らないのであります。ほとんど同じ金額の予算が二十五年度に計上されておるのでありますが、二十四年度と同じような状態が、二十五年度において行われるとしたら、てんで問題にならないと思うのでありまするその点が一つ。  もう一つは都市計画を実施する場合において、もうすでに今まで道路の予定線となつているところにどんどん家が建つている、またいろいろな施設もできているのであります。これは建築を許可しなかつたならば、そういうばかなことはないはずでありますが、建築を許可した結果、また無許可でどんどん建つている。それで都市計画事業を強力に実行しようとすれば、結局道路の中を広げるとか、また区画整理をやらなくてはならないようなはめになつて、現在建つておる人の住んでいる家というものを移転させるとか、とりこわすというようなことを、どんどんやらなければできないのでありますが、はたしてそういうような都市計画の事業をおやりになる腹でおられるか。それとも今までのようにふにやふにややつて、それでなしくずしにどうにかしてしまおうという考えか、また予算上とても金がなくてそういうことができないのであるか、その点伺いたいと思います。
  56. 八嶋三郎

    ○八嶋政府委員 御指摘の通りまことにごもつともな点が多いと思います。まず第一番に東京のお話がございましたので、これから申し上げたいと思います。東京はお話のように一向に目立たないということは、私どもも痛感しておる次第であります。この点は実は東京が当初十二地区、これは新宿とか、澁谷とか、大井、大森どか、五反田とかいうような繁華街の問題の多いような所ですが、そこから実は始めた関係がありましたので、お話通り一向に目立たないという不評をこうむつておる次第であります。地方に参りますと相当に都市計画の線も、はつきりわかつておるという所が多いのでありますが、遺憾ながら東京につきましては、私は御批判はごもつともだと感じておる次第であります。今後私どもといたしましては、大いに馬力をかけまして、首都の建設という面につきましても、大いに拍車をかけて行きたいというぐあいに考えております。  それから予算におきまして、実は昨年度と今年度と同じ金額くらいになつておるのではないかという御指摘でありますが、確かに二十四年度の当初予算に補正予算を加えますれば、大体本年度請求したものと、そう大きなかわりはありません。この点におきまして、私どもといたしましては、今回再検討いたしました範囲におきましては、あくまでもこれを五箇年に完成して参ろうという固い決意を持つておる次第でございます。今回は当初予算といたしましては、わずかな金額でございますが、幸いに一方におきまして失業救済費用というものが相当多額に計上せられておることでありますので、この面の費用を相当都市復興の面に継ぎ足していただくということの了解を、私どもといたしましては得ておるような次第であります。前年度の都市復興予算と都市面に使われております失業救済費用を見ますると、当初と補正とを合せて十六億程度でございますが、その中で都市復興関係につきましては、大体九億円程度というものが使われておるような実情でありますが、今回は四十億という相当多額な費用が計上されておりますので、その方面に対しまして、今後大いに働きかけまして、都市復興の完成をはかつて行きたいという、ふうに考えております。
  57. 天野公義

    天野(公)委員 道路の問題についてお伺いしたいのでありますが、都市計画の線でどしどしやつていただきたいと思います。道路の方はきのうも少し御質問申し上げたのでございますが、実際の道路工事をやつておるのを見ますと、これがほんとうに仕事をやつておるのかと思うようなマンマンデーの調子でやつておるのが実情だと思います。仕事それ自体がのんびりしているばかりではなく、たとえば道路の改修にいたしましても、穴を掘りつぱなしで幾日も幾日もほつておいて、今度はそれから柵を打ち、セメントを打つというような状況を、方々に見受けるのでありますが、道路というものはどうしても必要欠くベからざるものであり、片面交通というようなものを交通頻繁な所にやつておるのでは相当危険も伴いますし、交通上非常に不便を感ずるわけであります。道路改修を実際にやる上において、もつと仕事を能率的にやり、また道路を使用している者に対して、不便をかけないという観点から言つても、さように願いたいと思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。
  58. 菊池明

    ○菊池政府委員 道路工事施工の問題につきまして申し上げまするわれわれとしては痛い御質問でありますが、戰争中それから戰後にわたりまして、残念でありますが、やや道路工事の施工技術が低下しておる向きもありますので、極力元に返すようにただいま努力しております。先年先々年に比べますれば、いくらか二十四年度の工事の施工状況はよくなつておると、われわれは思つておるのですが、なかなか思うように段取りがつかず、掘りつぱなしで材料が来るのに五日も一週間もかかるとうような所がありまして、そういう所をわれわれも見受けますので、施工いたしております係の方にも鞭撻をしておりまして、もう少し一般の利用者にさしつかえのないように、今後ともやつて行くつもりであります。ただいま都内の主要な国道幹線につきましては、特にこの補修、修理の関係は国直轄でやつておりますが、その部分につきましては、ごらんくださればわかると思いますが、ごまかいものに比べまして、非常に早くよく行つておるとわれわれは思つております。だんだんそれにならつて他の機関がやつておりますものもよくなつておると、われわれは思つております。今後ももう少しくやりまして、ただいまのような御批判の出ないように注意いたします。
  59. 天野公義

    天野(公)委員 都市計画がどんどん進行しますと、どうしても今度は道路という問題がひつかかつて来ると思います。この際都市計画の進捗とともに、その間に時期的なずれがなく、都市計画が実施されてどんどん道の中が広くなるとか、それから新しい道ができるとかいうような場合には、それと見合つてどんどんよい道を、ぜひつくつていただきたいと思うのであります。この点特に要望を申し上げる次第であります。また昨日要望申し上げた予算の時期的な使用の方法、また地域的な使用の方法も、これらの問題と非常に関連のある問題でありますから、この点もよく見合つて予算をむだに使わないように、適切有効にお使いくださるように、特に要望を申し上げまして、私の質問を終ります。
  60. 砂間一良

    砂間委員 建設省政府委員の方に道路のことにつきまして、少しお伺いしたいと思います。二十五年度予算書を見ますと、道路事業費として五十一億五千万円計上されておりますが、これはマッカーサー覚書による道路整備計画によつて、その改修なり、維持なりをやられるように、予算を立てられておるのでありますか、まずその点から承つて行きたいと思います。
  61. 菊池明

    ○菊池政府委員 一昨年のメモランダムは、道路の改築という面よりも、維持、修繕を早くやれというようなメモランダムでありまして、道路の中を広げるというようなものにつきましては、附随的な問題になつております。それで維持、修繕、補修と申しますかそういうものでも戰前程度に復旧いたしますには、とうていこの五十億、六十億では間に合いません。少くとも三年、五年でやりますには、年間百五十億から二百億くらいを維持、修繕に向けなければ足りないのでありますが、財政の都合上五十億程度なつておりますので、メモランダムの線に沿つておると申せば申せるのですが、そのほんの一部が行われておるというのであります。
  62. 砂間一良

    砂間委員 金額の多寡はあとでお伺いするとしまして、道路事業計画そのものは、大体マッカーサー覚書の道路整備計画を基本として立てられておるのでありますか。
  63. 菊池明

    ○菊池政府委員 さようでございます。
  64. 砂間一良

    砂間委員 このマッカーサーの覚書による道路整備計画によりますと、大体一九五〇年度におきましても、国費、地方費を合算いたしまして、事業費は五百三十七億、そのうち国費が二百七十九億というふうに予定されておりますが、それから比較いたしますと、今度の五十一億という予算は、はなはだ僅少のようでありますが、これで十分道路の整備計画ができるとお考えでありますか。
  65. 菊池明

    ○菊池政府委員 道路局といたしましては、決して十分なものではないと思つております。
  66. 砂間一良

    砂間委員 金額の点から申しまして、はなはだ不十分であるという御答弁でありましたが、それはそれといたしまして、このマッカーサーの覚書による道路整備計画によりますと、新設、改修、修復、維持というふうにA、B、C、Dの項目にわかれておりますが、この新設というのは新しくつくることでありまして、大体これは了解いたします。維持と申しますのも、大体既設の道路を維持して行くのだろうと思うのでありますが、改築と修復の区別はどこにあるのでありましようか。その区別をひとつ御説明願いたいと思います。
  67. 菊池明

    ○菊池政府委員 改築とわれわれが申しておりますのは、大体わが国の道路網は、現在整備しなければならぬ程度のものがありますので、その線に沿つて巾を広げたり、勾配をゆるやかにしたり、カーブを大きくしたりするようなものであります。その線に沿うと申しましても、場所によりましては四、五十メートル離れることもありますが、大体現在の線でやつて行こうというのが改築であります。それから修復と申しますのは、巾を広げたり、カーブを直して行くというよりも、路面を修復する。それから橋梁が腐つて一部悪いようなものを部分的に修繕して行くというものであります。
  68. 砂間一良

    砂間委員 大体修復ということは、元の路線に沿つてその路面を鋪装したり、いろいろ直して行くということで、ほぼ了解いたしました。ところで改築でありますが、カーブを直したりあるいは場合によつては路線を変更するというような点についてでありますが、この改築はどういうふうな場合に、それを特に必要とされるのでありましようか。大体以前の路線を少し巾を広げて交通量を十分まかない得るというような場合には、なるべくだつたら並行道路をつくらなくて、以前の道巾を広げるとか何とか、やつてつた方がいいと思うのですが、特に改築を必要とする場合の基準と申しますか、そういうふうなことをもう少し具体的に御説明が願いたいと思います。
  69. 菊池明

    ○菊池政府委員 ただいまありまする道路で改築を要すると申しますものは、何しろ参勤交代時代以来の道路が、また依然として幹線に残つておりまして、トラックで軒をひつかけるとか、電柱を折るとかいうようなことが相当ございます。そういう場合に現在の道路そのものを広げるか、あるいはその、裏にまわすかということは、これは経費関係もありまして、家がそうなければ、その線に滑つて広げるというようなことも考えられますが、ただいまは住宅等の移転はおもしろくないので、またその部落としましても将来の発展を考えますと、その道一本でなく、うしろに新しくつくつた方が、その土地の発展策としてもいいというような場合がございます。それから用地の問題にしましても裏の方が安い、移転が少いというようなことで、現在線をはずした方が有利であるというような場合には、現在線をはずしてやつております。
  70. 砂間一良

    砂間委員 そういう場合の政策はやはりマッカーサーの覚書によつて、この点とこの点は改築して直線道路にしろとか、ここのカーブはまつすぐに直せというように、一々マツカーサー元帥の指令によつて直しておられるのか。あるいは建設省あたりの自主的な判断によつて計画を立ててやつておられるのか。その点をひとつお伺いしたいと思います。
  71. 菊池明

    ○菊池政府委員 そういう点までにはマッカーサーの方から指示はございません。大体建設省の方で考えた通りつております。
  72. 砂間一良

    砂間委員 そういたしますと、ひとつ具体的な実例を上げて、お伺いしたいと思うのでありますが、たとえば東京から新潟に向ける中仙道についてでありますが、埼玉県の深谷町から岡部村、本庄町等を通つて行く、あの道路の実際の状況を見ますと、その道で大体今の交通量は十分まかなつて行つておるのであります。ところがそれとほとんどすれすれに並行道路をつくりまして深谷町のごときは巾の広いところでわずか二百メートル、接近しておるところではもつとずつと狭いのであります。そういうところであるにかかわらず、市街のまん中を貫きまして、十五メートル巾の広い道路をつくつておる。そのだめに百五十戸以上の民家が立ちのきをしなければならぬというふうな状態になつておるのでありますが、何のためにこういう新しい道路をつくるのか、私どもには合点が参らないのであります。以前の道路でも現在の交通量は十分まかない得る。それが狭いならばもう少し巾を広げたらよろしい。それを一方に道がちやんとできておるのに、ほとんど並行に、このカーブをまつすぐにするというような点で、直線道路をずつと市街のまん中を貫いて、そうしてたくさんの民家や敷地を犠牲にして行つている。あるいは付近の農地にしても同様であります。何の目的をもつてこういう多大の犠牲を拂つて直線にしなければならないのか。もしこれが日本政府の、あるいは具体的にいえば建設省の方針で、こういう改修をなされておるとするなら、そういう改修をなされる根拠を、ひとつ御説明願いたいと思います。これは一例にすぎませんけれども、こういう事例はたくさんあるのでございます。私どもは先だつて建設委員会から東京、神奈川の方面に現地視察に参つたのでありますが、横浜から八王子へ拔けるあの道路を見ましても、大体以前の道路で十分交通量はまかなつて行けるのでありますのに、それとほとんど並行に非常に巾の広い直線道路をずつとつくつてつている。そのために莫大な面積の耕地をつぶし、そうしてまつたく不必要、不経済と思われるような道路をつくつておるのであります。こういう改修計画日本建設省が何の必要あつてつておられるのか。それだけの費用をかけるのであるならば、もつとほかにこの附近の水利をよくしてもらいたいとか、あるいは村道をつくつてもらいたいとか、あるいは林道をつくつてもらいたいとか、そういう要求がたくさんあるのであります。そういう要求は全然無視いたしまして、現在は役にも立たないようなそういう道路に莫大な金をかけてやつておる。こういうことにつきましては私どもどうしても合点が行かないものがあるのであります。この点をひとつ納得の行くように御説明願いたいと思います。
  73. 菊池明

    ○菊池政府委員 ただいまの九号国道の問題、これは前々からそういう御意見を伺つておりますが、われわれとしましては、あの線はとにかくあの方面に向う幹線でありまして、戰争よりもずつと前からだんだんやつておりました。ただいまも現在の線で十分に現在の交通量をのむに足るという御意見でございますが、われわれの見るところ、また地方の御希望等を伺いますと、決して今の中では現在の交通に堪えられない。また輸送面から考えましても、輸送経済の点から考えましても、もう少しくりつぱな道が必要であるという観点から、ああいうふうに改修いたした次第でありまして、私どもといたしましては、あの国道を改修いたします場合には、あの程度のことはやはり何としてもやるべきだ、こういうふうに思つております。他の地方でも大体そうむだであるというようなものは、われわれとしては取上げてないつもりであります。
  74. 砂間一良

    砂間委員 技術者の立場からすれば、やはりまつすぐな完全な道路をつくつて、非常に理想的なものをつくりたいというふうなお考えでおられるということは了解できます。しかしただ道ばかりをつくりましても、やはりその地方の農民だとか、一般の国民の犠牲ということを他方から考えれば、そういう点も考慮に入れた上で設計なり、工事なりをしなければ、やはりこれは国の済全体の上から申しまして、うまく行かないと思います。ことに敗戰後の日本であつてみますれば、いろいろな点において思うように行かない点がたくさんあります。そうすれば事の順序といたしましても、そういう計画を完成するにしても、今敗戰でいたんで何もかも不十分なときに、今日特にそれを早急にやらなければならないという必要が、どこにあるかというふうに私どもは考えざるを得ないのであります。今の中仙道にいたしましても、それは確かに以前から計画はあつた道路であります。しかしこれは東條時代の軍閥はなやかなりしころ、やはり軍事的な意味を持つて計画された道路であるということを私どもは聞いております。今度の道路計画なんかにいたしましても、マッカーサーの覚書による道路整備計画なんかにいたしましても、大体従来の路線を整備補修するということが、眼目になつてはおるようでありますけれども、しかし従来の道路と申しますのは、大体東京を起点といたしまして、師団司令部と師団司令部を結ぶ路線を国道とするというふうな、ほとんど軍事的な目的のために敷かれた道路でありまして、それを整備拡充するということは、とりもなおさず以前の軍用道路をさらに復活して、それを強化するということにもなるわけであります。  もう一つこの具体的な例をあげて申し上げますならば、立川方面から埼玉県の豊岡町、高萩村、坂戸町、松山町、三尻村等を経由いたしまして、群馬県の太田方面に抜ける道路でございますが、これはこれまでは県道でありまして、これで交通量は十分まかなえておつた。これを今度十五メートルの道路にするというので、着工しておられるようであります。
  75. 松浦東介

    松浦主査 ちよつと砂間君にお願いしますが、あなたの御質問政府側の答弁を聞きますと、何か非常に意見の相違があるようでございますから、どうでしよう。これはなるべく御短縮を願つて、他の機会なりまた建設委員会なりで、十分御討議を願うことにしては……。
  76. 砂間一良

    砂間委員 いや、今度の公共事業費の中でも、この道路事業その他は相当重要な部分を占めておるのであります。この道路計画そのものについての根本的な政策の問題でありますから、その一例として申し上げておるのであります。あまり時間はとらないで申し上げるつもりでありますから、もう少し述べさしていただきたいと思います。
  77. 松浦東介

    松浦主査 では簡潔に願います。
  78. 砂間一良

    砂間委員 この道路に関しましても、大体これまでは県道でありまして、相当交通量もまかなつておる。それを十五メートル巾の道路にするという計画をもつて着工されておるようであります。ところがこの道路は、大体立川にも飛行場がございます。豊岡にも飛行場がございます。高萩にも坂戸にも、松山町にも、太田にもみな飛行場があるのでありまして、この飛行場と飛行場を結ぶ道路のために、こういうふうに特に道の中を大きくして改修するという工事が進められて来ておる。あの方面の人たちはもう全部だれもがこれは軍用道路であるということを申しておるのであります。御承知のように日本は終戰以来憲法の中にも戰争を放棄するということを言つておりまして、いまさら軍事基地とかあるいは軍用道路というふうなことは、日本の国家の建前といたしまして、問題にならないのであります。それを何の必要があつてこういう一見軍事軍用道路と思われるようなものを、今この敗戰後の日本で、緊急に要する幾多の道路や、災害復旧やいろいろな事業があるにもかかわらず、それを放擲して、これをまつ先にやる必要があるか。こういうことを建設省の道路局が立案し、着工し、施工しておられるということにつきましては、私どもどうしても合点が参らないのであります。しかもこれに相当多額の経費を割いておる。これは日本の道路計画、そういう方針に対する根本の政策の問題でありますから、この点につきましてひとつわれわれ国民が納得の行くような御説明をお願いしたいと思います。
  79. 菊池明

    ○菊池政府委員 たまたまそういう地点に、飛行場の関係の基地等があるというふうに、われわれは見るのでありますが、やはりそういうものは交通の便利な要所をねらつてつくられるものだと思うのでありますが、ただ交通量が多くなつて参りますと、この沿道のものにおきましても、非常に不便でありまして、決してこれはこの地方の方々の意思に反して、こういう道路を広げるようなことを建設省の方で計画はいたしておりませんので、全面的に皆さんの御希望なり、地方的な御意見なりを伺つた上でやつております。またこういうところにはやはり住民もその線に沿つていることと思います。決して現在やつておりますのは軍事関係というようなこととは縁なく、われわれの方としてやつている。特にこういう面に関しまして、関係方面の指導等はございません。
  80. 砂間一良

    砂間委員 今菊池政府委員の申されるところに上りますと、たまたまその沿道に飛行場があつたというふうに申されまして、そうして沿道の住民も必ずしも反対しておられないという御説明でありましたけれども、私どもはたまたま偶然にそこに飛行場があつたというふうには考えられないのであります。むしろ意識的、計画的に、そういう道路の改築をやつておられるというふうにしか考えられない。これは客観的に見てそうであります。これは何もこの道路一本じやありません。たとえば横浜から八王子の方に行つている道路にいたしましても、あそこの付近には厚木飛行場がある。こつちの方には機械化部隊がある。こつちの方には何とかの部隊が駐屯しているというふうな連繋がありまして、そうしてあの道路はほとんど進駐軍の專用の道路であります。日本の馬車や自動車はあまり通つていない。私どもは先だつて視察に行つて参りましたがあまり通つておらないのであります。そうしてぽつりぽつりと切れたところはありますが、いざ緊急となると、ずつと機械をもつて、ただちに直線道路として連結して遠くの方まで、富士のすそ野の戰車の練習場の方まで結びつき得るような構想が、地図の上で客観的に見ますと、一見してわかるのであります。そういうふうな何か目に見えないような、隠されたことが、公共事業という計画のもとになされているということにつきましては、私どもどうしても合点の行かない多大の疑念を、持たざるを得ないのであります。特に今日国際情勢がいろいろ逼迫しておりまして、日本を反共の前進基地にするとか、あるいは極東におけるアメリカの前進基地にするとか、軍事基地にするというふうなことが叫ばれているときにおきまして、私ども日本をそういう一つの国に偏した戰争の基地に巻き込まれるようなことは、極力避けたいという希望を持つているのであります。これは平和を愛好する国民の切なる熱望であると思うのでありますが、そういう時期に際しては、いやしくも国民の誤解を生むような、そういう道路計画は、ひとつ愼重にお考え願いたい。マッカーサー元帥の道路整備計画の覚書に、どういうふうに言うて来ているか知りませんけれども、少くとも日本建設省日本の国の利益ということを考えまして、そうして緩急よろしきを得て、今農民や一般の人民が必要とする方面に、尊い国の予算を先にまわしまして、そうしてそういう観光道路や、あるいはりつぱな道路を鋪装するというようなことは、これはまたもつと先へ行つて、国がゆたかになつて、十分予算にも余力ができて来たときに、なされてけつこうじやないか。それを今急にそつちの方を先にやるということは、多大の疑惑を国民に抱かせるという点を御忠告いたしまして、あわせて私のそういう希望を述べまして、この道路についての質問を打切ります。
  81. 永井英修

    ○永井(英)委員 あとで懇談会があるそうでありますから、簡單に御質問申し上げます。災害復旧費の問題でありますが、二十三年度までの災害が七百億、二十四年度の九百億、約千六百億の災害があるようでありますが、この千六百億というのは建設省なり、あるいは安本において査定された数字であるかどうか。各県の報告によつてその数字が出ているのであるか。それから今までの経験に徴せられまして報告と査定とがどれくらいの食い違いがあるか。パーセンテージでもよろしゆうございますから、それをお聞かせ願いたい。  それから今年度の災害復旧費が三百七十億でありますが、この三百七十億と二十三年度までの災害の復旧費との割合は、どういうようになつているかそれをひとつお知らせ願いたい。
  82. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 今御指摘の災害復旧費の査定の点ですが、大体昭和二十三年度までははつきり調査いたしまして、査定も済ましておりますが、昭和二十四年度発生災害につきましては、まだ未完了の部分が残されておりますので、まだ未査定の分もつけ加えた予測になつていることを、御承知願いたいと思います。  それから府県の報告と査定との間に、どのくらいの食い違いがあるかという御質問に対しましては、これは県により、あるいは災害府県によりまして一様ではございませんが、大体県の報告に対して最終査定は、七掛けないし八掛けくらいという、従来の実績になつております。  それから昭和二十五年度年度災害分として三百七十億を計上してあるけれども、それはどれに引当てるかという御質問だろうと思いますが一大体今の考え方では、昭和二十二年度災害以前のもので残つているものがございますので、これは全額復旧したい。それから昭和三十三年度災害でまだ残つているものについては、大体その二分の一を復旧したい。それから二十四年度災害として残るものについては、その約三割を復旧する。そういつた目途で三百七十億という予算が、組まれているわけであります。
  83. 永井英修

    ○永井(英)委員 これはあとでよろしゆうございますから、各費目別の災害費をお知らせ願いたいのであります。  あとは懇談会に譲りまして、もう一点質問申上げたいのは、各省に食糧費というのが出て為りますが、この食糧費というのは一体どういう内容のものでありますか。
  84. 植田俊雄

    ○植田政府委員 各省を通じまして、どの省においても本年度できた科目ではございません。従来ともあつた費用でございますが、各省等におきまして、各種の会議を開くとか、あるいはまた委員会等を開くその際における通常の茶菓料に相当するものが計上してあるわけであります。
  85. 永井英修

    ○永井(英)委員 その中に厚生費というのがございますね。
  86. 植田俊雄

    ○植田政府委員 厚生費は各省によつて、若干の積算の基礎については違いがあるのではないかと思いますが、たとえば建設省で申しますと、従来は認められておらなかつたのでありますが、運動会をいたしますとか、こういつた若干体育的な費用もございます。なお厚生費の中で、本年度私の方で認められたもののうちには、職員に対して予防接種をいたしますとか、そういつた予防医学的な方面のものも計上いたしてあります。
  87. 永井英修

    ○永井(英)委員 それから通産省から出ます鉱業法の改正に伴つて、土地整理委員会というのができるそうでありますが、衡平裁定委員会というのが、やはり鉱業を始める場合の適不適を裁定する、こういうことになつておりますが、土地整理委員会というようなものは、むしろ衡平裁定委員会に持つてつた方がいいのじやないか、こういうように考えられますが、この点いかがですか。
  88. 中田政美

    ○中田政府委員 鉱業法に関連しまして、通産省で御起案なさつて今期国会に御提案になるやに伺つております土地調整委員会というものと、それからただいま御質問の土地整理委員会というのは、おそらく土地收用委員会ではないかと解釈いたしますが、もしそうであるとしますれば、私の承知いたしております限りにおきましては、土地調整委員会というものは、鉱業権に関係しまして、農業地帯その他各種の産業地帶でございますが、鉱業と農業との利益が非常に反する場合に、これを調整して行きたいというような、いわば一種の裁定機関みたような性格のものに聞いております。従つて土地收用委員会というものが中央に設けられることになりました場合において、これはその方に吸收したらどうかという問題につきましては、たしかに関連を持つ問題とは存じますが、土地收用につきましては、具体的にどの土地をある事業に收用使用するという意味についての決定をするところでありまして、正面からは重複するとは思いません。しかしながら関連する事柄なのでありまして、将来土地收用法を改正する場合においては、これとの関係はできるだけうまい方法で調整するようにして行きたいと、現在においてはそう考えております。
  89. 永井英修

    ○永井(英)委員 先ほど整理委員会と申しましたのは調整委員会のことです。衡平裁定委員会というものが、せつかく総理府の中にありますので、そういう同じようなものを、各個ばらばらに置くよりも、むしろこの衡平裁定委員会の中に包含された方が、むしろしやすいのじやないか、こういう感じがいたすわけであります。  それからもう一点お伺いしたいのは、今通産委員会で審議中でありますが、特別鉱害復旧臨時措置法が、この前の国会に提案されてそのままになつて、この国会にまた提案されておるわけでありまして、約一億円ばかりの予算がこの前組まれておりますが、その予算は二十五年度分に繰越されるかどうか、この点ひとつ……。
  90. 植田俊雄

    ○植田政府委員 ただいまの見込みにおきましては、繰越さずに何とかやれると存じております。
  91. 永井英修

    ○永井(英)委員 今年度、つまり二十五年度分には、一億八千万円組んであるようでありますが、実際に福岡県の状況などを見ますと、非常に急いでやらなければならないような状態でありますので、実際は一億円を繰越してもらつて、一億八千万円にして、事業をやつていたたく方かいいのじやないかと思うのです。
  92. 植田俊雄

    ○植田政府委員 本年度の工事の予算額を来年度にかりに繰越したといたしましても、その分だけ本年度の方で工事を減少するわけでありますから、そういつた緊急の仕事であればありますだけに、でさるだけ早く本年度内に完成をしまして、そして来年度の分につきましては、またできるだけ早く予算の執行方面の措置を講じたいと思いますので、そういう面で実効が上るのじやないかと考えております。
  93. 小淵光平

    小淵委員 安本にお伺いしたいのですが、本年度の石油輸入の量並びに国内生産量はどのくらいの数量になるか、その見通しをお伺いしたいのですが。
  94. 増岡尚士

    ○増岡政府委員 二十五年度の石油の需給見込みと言いますか、供給の見込を簡單に申し上げますが、本年度末の——すなわち昭和二十四年度末の在庫の見込みが、三十一万七千二百キロリツター、それから国産原油で二十万六千キロリツター、輸入原油からの生座の見込みが、百四十六万九千キロリツターでありまして、総供給量といたしまして、百九十九万二千キロリツターになります。これは大体御承知のように国産原油としては、きわめて少いものでありまして、大部分のものは本年度においては原油を輸入いたしましてこれによつて先ほど申しました百四十六万九千キロリツターのものを、供給する建前であります。原油の輸入の予想量といたしましては、大体百四十八万キロリツターということを予定しております。なおこの原油から揮発油、燈油、軽油等、その他グリス、パラフィン、アスフアルトは全部これからできますが、重油については、なお製品の輸入を幾分考えなければならないというような状況であります。概括して申しますると、来年度の石油の需給状況は、今年度に比べれば、やや緩和するというふうに見て、よろしいのではないかというふうに考えます。
  95. 小淵光平

    小淵委員 そのうちの揮発油はどんなことになつておりますか、ちよつと揮発油の数量がわかりましたら聞かしていただきたいと思います。
  96. 増岡尚士

    ○増岡政府委員 揮発油の供給見込みは五十万九千キロリツターであります。
  97. 小淵光平

    小淵委員 それから原油で入つて来て、国内で精製するようになるのですか、それはどんな状態ですか、それをちよつとお聞かせ願いたいと思います。
  98. 増岡尚士

    ○増岡政府委員 最近は大体計画通り輸入がされておりまして、一——三月の期といたしましては、原油が民間の資金で三十六万バレル、ガリオアで百万バレルが入つて来る予定であります。そのほか四——六月の期について見ますと、これは大体ガリオアで全部入ることになりますが、二百万バレルというものが入る予定になつております。大体こういう順序で入つて来るものを国内精製をいたしまして、先ほど申しましたような揮発油、その他の油を取るというようなことになつております。
  99. 松浦東介

    松浦主査 審査の都合上、これよりいろいろ忌憚のない意見の交換をいたしたいと存じますので、懇談会に移りたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 松浦東介

    松浦主査 御異議ないようでありますから、懇談会に入ります。      ————◇—————     〔午後三時二十四分懇談会に入る〕     〔午後四時二十七分懇談会を終る〕      ————◇—————
  101. 松浦東介

    松浦主査 懇談会はこれにて終了いたしました。  公共事業費に関する懇談会におきましては、委員は一致して次の三点に関する要望を政府にいたすことになつたわけであります。  その第一は、現在公共事業費の認証制度を含めた煩瑣な事務手続等の制度は、非常に不合理な点が多いので、これを是正することであります。  第二は、公共事業国民生活上あるいは産業振興上至大の関係があり、急速に工事を施行する必要があります。従つて公共事業費その他の資金も早急に必要とする関係上、これに対する国庫負担金の交付も、急速に地方公共団体において現金化する必要がある。しかるに国庫負担金の交付は、清算拂いの手続が行われているため、地方の国庫負担金受入れが遅延し、かつ手続等煩瑣をきわめている状態にあります。右については、会計法上も概算拂いの制度があり、本年度第一・四半期及び第二・四半期のみは、八割の概算拂いを認めているが、災害復旧工事の性質上、これは決して十分とはしない。そこで昭和二十五年度の国庫負担金については、認証手続終了後は、ただちにその金額の概算拂いを認めることを至当と考える。なお概算拂い後の資金の経理状態については、不当不法なことがないように十分監査をされたい。  第三点は、災害復旧工事は、ことに出水期以前にでき得る限り工事を完遂するのでなければ、その効果が少いから、災害復旧費に関する国庫負担金は第丁四半期に、その大半を支出する必要がある。昭和二十四年度においても第一・四半期約四一%出しておるのであるが、この程度では実際にかんがみて不十分であることは明瞭であるから、昭和二十五年度においては、第十四年期において六〇%程度を支出することを妥当と考える。右三点は一致した意見でございました。  他に御質疑はありませんか。——ないようでありますから、第二分科会における質疑はこれにて終了いたしました。この際お諮りいたしておきますが、本分科会所管の予算案に対する討論及び採決は、予算総会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 松浦東介

    松浦主査 御異議なければ、さよう決定いたします。なお予算総会におきます第二分科会に関する主査報告につきましては主査に御一任を願います。  第二分科会はこれにて散会いたします。     午後四時三十一分散会