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1950-02-17 第7回国会 衆議院 予算委員会第二分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科員昭和二十五年二月十五日(水曜日)委 員長指名で次の通り選任された。    主査 松浦 東介君       淺香 忠雄君    天野 公義君       上林榮吉君    永井 英修君       武藤運十郎君    北村徳太郎君       米原  昶君    松本六太郎君 —————————————————————   会議 昭和二十五年二月十七日(金曜日)     午前十一時十分開議  出席分科員    主査 松浦 東介君       淺香 忠雄君    天野 公義君       上林榮吉君    永井 英修君       北村徳太郎君    砂間 一良君  出席国務大臣         国 務 大 臣 樋貝 詮三君  出席政府委員         (大臣官房会計         課長)         総理府事務官  齋藤 常勝君         (給與局長)         人事院事務官  瀧本 忠男君         (管理局長)         人事院事務官  大野 藪雄君         国家地方警察本         部長官     斎藤  昇君         国家地方警察本         部次長     溝淵 増巳君         (総務部長)         国家地方警察本         部部長     柏村 信雄君         (総務部会計課         長)         国家地方警察警         視       三輪 良雄君         (特別調達庁経         理部長)         総理府事務官  川田 三郎君         賠償政務次官  橘  直治君         賠償庁次長   石黒 四郎君         地方自治庁次長 荻田  保君         (地方自治庁財         政部長)         総理府事務官  鈴木 俊一君         (大臣官房会計         課長)         建設事務官   植田 俊雄君         (管理局長)         建設事務官   中田 政美君         (都市局長)         建設事務官   八嶋 三郎君         (住宅局長)         建設事務官   伊東 五郎君         (河川局長)         建設技官    目黒 清雄君         (道路局長         建設技官)   菊池  明君         経済安定政務         次官      西村 久之君         (建設交通局次         長)         経済安定事務官 山崎小五郎君 二月十七日  分科員米原昶君辞任につき、その補欠として砂  間一良君が委員長指名分科員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計予算内閣総理府及  び建設省所管  昭和二十五年度特別会計予算総理府所管  昭和二十五年度政府関係機関予算総理府及び  建設省所管     —————————————
  2. 松浦東介

    松浦主査 これより予算第二分科会を開会いたします。  本分科会内閣総理府建設省及び経済安定本部所管予算案審議するのでございますが、審議関係上まず内閣及び総理府所管審査をいたし、次に建設省及び経済安定本部所管を一括して審議を進めたいと思います。  まず内閣及び総理府所管予算一括議題として、政府より提案理由説明を求めます。
  3. 齋藤常勝

    齋藤(常)政府委員 私から昭和二十五年度内閣及び総理府所管歳出予算について、その概要を御説明いたします。  まず第一に内閣所管歳出予算につきまして、昭和二十五年度の歳出予算額は、三億五千五百四万一千円でありまして、これを前年度の予算額に比較いたしますと、五千八百四十九万六千円を増加いたしておるわけであります。本歳出予算に計上いたしました金額は、すべて行政部費でございまして、そのおもなものについて事項別に申し上げますと、第一は内閣官房に必要な経費四千六百万円、第二は人事院に必要な経費三億七百五十万円であります。そのほかにはさして特に申し上げるものはございません。  次に総理府所管歳出予算について御説明を申し上げますと、昭和二十五年度歳出予算額は、二千二百八十八億六十万五千円でありまして、これを前年度の歳出予算額二千九十八億七千八百六十六万九千円と比較いたしますと、百八十九億二千百九十三万六千円を増加しております。  以下各部にわけて御説明いたします。本歳出予算に計上いたしました金額は、行政部費におきまして、三十一億六千百五十五万八千円、物資及び物価調整事務取扱費におきまして百四十八万七千円、司法及び警察費百七億千七百七十一万六千円、地方財政費千五十億三千八百六十二万六千円、終戦処理費千八十七億五百六十九万円、解除物件処理費一億七千五百万円、特殊財産処理費二億五千四百八十五万五千円、賠償施設処理費七億四千五百六十七万三千円、以上合計いたしまして二千二百八十八億六十万五千円であります。  そのおもなものにつきまして、事項別に御説明申し上げますと、第一に国勢調査に必要な経費八億六千九百六十一万九千円であります。これは統計法第四條に基きまして、本年十月に施行される予定に相なつております国勢調査に、必要な経費であります。このうち約五億六千万円は、地方公共団体への委託費であります。  第二は参議院議員通常選挙に必要な経費、九億八千九百五十四万九千円であります。これは申し上げるまでもなく、本年六月に施行されることに相なつております参議院議員通常選挙に必要な経費であります。  第三に国家地方警察に必要な経費百六億八千五百四十七万六千円、これは国家地方警察本部管区本部都道府県警察隊警察学校等に要しまする経費であります。そのおもなるものは通信施設維持運営通信施設の新設及び増設、装備の充実整備犯罪捜査及び鑑識施設整備等に要するものであります。  次に第四には、地方財政平衡交付金に必要な経費千五十億円であります。これは地方公共団体財政需要課税力とを勘案いたしまして、必要な財源を付與いたしますとともに、住民の地方税負担と、地方行政内容との平衡をはかるために必要な経費でございます。  第五は、終戰処理に必要な経費一千八十七億五百六十九万円であります。これは申すまでもなく連合軍の使用する建造物設備の営繕、物資及び役務の調達損失補償兵器類処理等終戦処理に必要な経費であります。なお昭和二十五年度からは終戦処理事業費終戦処理業務及び附帯事務費が一括して、大蔵省所管から総理府所管に計上されております。  次に総理府所管特別会計といたしまして、外国為替特別会計がございますが、これは歳入三千三百二億四千百九十八万五千円、歳出三千三百二億四千百九十八万五千円でありまして、これを前年度に比較いたしますと、歳入において二千六百三十億七千三百五十一万一千円、歳出において二千六百三十億七千三百五十一方一千円をそれぞれ増加しておる次第であります。増加いたしました理由は、輸出為替及び貿易外為替等増加に伴うものであります。  以上をもちましてはなはだ簡單でございますが、昭和二十五年度の内閣所管及び総理府所管歳出予算について、御説明申し上げました。なお詳細の点につきましては関係政府委員から、御説明申し上げるごとといたします。
  4. 松浦東介

    松浦主査 それでは説明は一応この程度にいたしまして、質疑に入りたいと思います。  御質疑はございませんか別に御質疑がなければ、午前中はこの程度で休憩いたしまして、午後は一時より再開いたします。暫時休憩いたします。     午前十一時二十一分休憩     午後一時五十二分開議
  5. 松浦東介

    松浦主査 午前に引続き会議を開きます。  内閣及び総理府所管について質疑に入ります。上林榮吉君。
  6. 上林山榮吉

    上林委員 きわめて常識的なことについて、簡單にお伺いしてみたいのであります。まず人事院関係についてお尋ねいたしますが、現在人事院機構について、改めるとか、拡大するとか、あるいは縮小するとか、こういうようなことが考えられておるかどうか、その点について伺つてみたいと思います。
  7. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 昭和二十五年度におきまして機構の拡大、改組、縮小等につきましては、まだそういう変化をいたす予定は持つておりません。ただ一点、多少の人員増加予算面で見ております。人員は目下九十名の増加予算面上に計上いたしております。
  8. 上林山榮吉

    上林委員 九十名の増加ということについて、どういう意味で特に人事院増加をしなければならなかつたか。われわれから見ると、人事院が拡大しつつあるような気持がするわけです。これは言うまでもなく、人事院一般公務員待遇改善、あるいは福利の増進という立場から、独自の見解をもつてそれらの改革に当らなければならぬのでありますから、そういう意味合いにおいては、われわれはこれを了とするものでありますけれども一般行政官庁は、機構改革あるいは行政整理、こういうような点から縮小方向にある場合なんですが、そういう場合に、人事院が今でも相当大きな権限がある特殊な立場を理解する人、あるいは理解せざる人の両方面から、いろいろな批評があるわけでありますが、これをさらにどうも拡大するような印象を與えるという点について、われわれは特に遺憾に思つておるのでありますが、九十名がふえた理由、どういう方向にこれをふやしたか、その詳細を承つておきたいのであります。
  9. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 御承知のごとく、人事院は一昨年の十二月、国家公務員法に基きまして発足いたしましたが、発足以来約一箇年余になります。機構につきましては現在九局一室を持つておりますが、その内容におきましては、いまだ実施の段階に至らないたくさんの仕事実務的に持つております。二十五年度におきまして万やむを得ず増加いたします九十名の内訳は、目下のところ次のようなものに引当てたいと考えております。まず第一に人事記録制度でありますが、約三十名の職員増加いたしたいと思います。次は職階制確立に伴いまして約十五名、その次は新給與実施本部人事院に移管いたしました。なお災害補償関係で十五名、職員不利益処分等を行いました場合に、人事院に訴願する制度が開かれておりますが、この審査当りますものを五名、地方事務所に現在約百二十名おりますが、新たに東京事務所を開設するに伴いまして増員を五名、その他人事院全般管理部門で約二十名の増員考えております。その中で人事記録と申しますのは、現在約九十万の公務員がおりますが、この公務員人事異動並びに俸給、その他従来の履歴書相当する記録人事院に保管し、これを異動基準等の基礎にいたしまして、二十四年九月から一部実施しておりますが、二十五年度におきましてはこれを公務員全般に及ぼしたと考えておりますが、これらの記録カード等整理するために、必要な人員であります。職階制確立に伴いまして十五名増加いたしますものは、現在職階法案を国会に提出中でありますが、この法案が通過いたしますれば、現在職階事務に従事しでおりますもののほか、なお十五名追加いたしまして、これらをそれぞれ格づけをする事務に当らせたいと思つております。新給與実施本部の移管に伴いましての人員は、これは従来従事しておりました人員は片一方で従来通りとし、人事院の方でなおこれに災害補償等の三名を加えまして十五名で、実施するようにいたしたいと思います。その他不利益処分の取扱いを受けた人々の訴願が輻輳して、たくさんだまつておりますので、これの急速な実施をはかつて行きたい。それから地方事務所については、現在二十箇所開設しておりますが、新たに東京の方においてその実務をやるために五人ふやしたい。最後の二十名については、現在私どものおります人事院ビルは、人事院ビルディングと称しておりますが、このヒルは私ども人事院で一応管理しておりますので、全般にわたる事務の中で、電話の交換その他共通的な事務を私どもの方で引受けるために、二十名の増員を見込んであります。以上が九十名増員内訳でございます。全体といたしまして、一昨年発足以来、比較的窓口の方を広げて、内容実務の方に手遅れがありましたので、これらの増員によつて目的を達成したい、かように考えている次第であります。
  10. 上林山榮吉

    上林委員 経費増加、ことに九十名の人員に対する増加理由を承つたのでありますが、一応説明を承りますとやむを得ない点もあるように考えるのであります。しかし一般行政官庁能率増進機構改革によつて行政整理をやつているときに、その幅利を増長するための官庁が、優先してそういう増員をやつて行くというような考え方は、嚴にべきごとである愼むと考えるのであります。  そこで第二にお尋ねしたいのは、あそこの建物人事院ビルデイングというようになつておりますが、あそこはその他の官庁も同居している状態でありまして、私ども常にあのビルデイングに出入りしている者が第三者的に見ても、人事院がどうやら優位な地位にあるのだというような印象が與えられる。というのは非常に修理をし、美装をし、比較的融通のつく部屋を持つている。ところが建設省その他の官庁部屋に行つて見ますと、まことにきたないばかりでなく、非常に満員であつて仕事能率も上らないように見える。こういうように私ども第三者として見るのでありますが、あそこの建物所有権は言うまでもなく国家にあるが、主としてあれは人事院所管しているものか、その他の官庁所管しているものか、その所管は一体どこになつているのでありましようか。
  11. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 人事院が今管轄しております。  今の御説のごとく、人事院の占めている面積並びにその管理状態と、他省建設省その他と比較した場合に、ただいまのような感じ持たれるのは私ども同感いたしますが、この点については、当初人事院が一昨年あのビル管理を引継いだときには、一人当り面積においては、人事院は他の官庁よりは多くを占めておつたようであります。この点については平等の原則に立つて改めるべきことであると私ども考えて、あのビル内に官庁が九つありますが、それぞれの管理委員をあげて昨年七月から約二箇月も折衝を重ねました。当時の経過を申し上げますと、職員一人当り面積、それから大臣次官その他上級者方々面積、これは全部新しく定員によつて平等に計算いたしました。ただ不利益処分審査、審判をするというような一種の、法廷に近いような会議室等におきましては、多少人事院に有利なところもあつたようでありますが、その他につきましては平等の原則にいたしております。ただ私ども人事院におきましては少しこまかくなりますが、机の大きいとか、あるいは書類箱とか、新しく物置場設計等によつて、スペースを占めないようにしております。また発足以来日がないために、いろいろの備品その他書類等整理したものが少いために、外部から見たときの実際の一人当り面積は、人事院の方があるいは少し多くなつたようになつているかと思います。  その次に清潔あるいは整理の問題でありますが、従来の官庁はあまりにも不清潔の面がありましたので、労務費等は多少かかるかもしれませんが、事務の円滑な進行ができるように、その点については従来の日本の官庁よりは、少しよけいに手を入れておるのであります。ひとつこれらの点を総合的にお考え願いたいと思います。
  12. 上林山榮吉

    上林委員 行政整理人員増加関係、また人事院とあそこに雑居している官庁との比較、こういう点から、人事院が独立の官庁ではあるが、決してほかの行政官庁に優位するものではないという思想の上に立つていただかなければならぬと、私は思うのであります。ただ今の説明の中で、ほかの官庁が清潔、整頓が非常に悪い、しかし人事院はそういう点に注意して、相当労務費をこの方に増加して、模範的な傾向に進んでおるのだという点は、私どもも了とするのでありますが、ほかの官庁もこれに見習つた意味で、そういう方向に進んでもらわなければならぬと考えるのであります。そこでこれは考え方によつて皮肉にも聞えますが、そういうような大局的な観点から見て、あそこに人事院ビルデイングと書いてある看板をおはずしになる方が、気持がよいのではないかと考えるのです。別にむずかしいりくつもなかろうと思いますから、そういうふうにあつさりされたらどうかと思うが、どうでしようか。これは外から見た場合の第三者気持を申し上げているわけで、人事院は決して各官庁に優位するものではない、平等の原則によつてすべてをやつているのだということを、形式的にも現わしてもらいたいという意味で、私はこの問題を取上げるのでありますが、ひとつあつさりとそういうふうにした方がいいのではないかと思うが、これはどうですか。
  13. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 お説のごとく人事院が力においても他の官庁に優位にあるものではないという考え方を持ちまして、すべてにおいて平等にいたしたいと思つております。  なお人事院ビルという看板につきましては、何らかのあのビルについての名前はいるだろうと思いますので、一応ああいうようについていますが、この点はよく内部において研究いたしたいと思います。今すぐかえるということはいろいろ関係もありましようが、私ども御説によりまして、よく研究したいと思います。
  14. 上林山榮吉

    上林委員 私もこだわつているわけではないが、あつさりとそういうことにされるのが、人事院のためにもいいのではないか、第三者立場から見た場合もいいのではないかというふうに、あつさりと考えているのですから、一存ではいけないと思いますが、関係者と御相談の上、善処されんことを希望しておきます。  次に申し上げたいことは、新しくとられた官吏試験制度であります。これは言うまでもなく、上級官吏試験下級官吏試験とあるわけでありますが、これに要する費用は、一体上級官吏試験費用がどれくらいかかつたか、それから下級官吏試験費用が今まで一体どのくらいかかつたか、まずその費用の点を承つておきたいのであります。
  15. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 今年の試験に関する経費のうちで、ただいまお説の区分をした決算はまだ出ておりませんが、あとで御報告することにしたいと思います。
  16. 上林山榮吉

    上林委員 大体その費用を承つてから、次に質疑を進めたいと思つていたのですが、資料がなければあとでけつこうだと思います。  そこで私は人材登用能率増進のために、あらゆる機会において試験制度を有効に使うことは、これはいいことだと思うのでありますが、その原則は別として、そのやり方については、相当の考慮を拂わなければ、適正な試験の結果が得られない。こういうふうに考えるのであります。今度行われた上級官吏というか、高級官吏試験というか、この試験問題の出し方は、どういう人たちによつて出されたか、あるいはどういうような組織を通じて出されたか、試験問題提出に至るまでの経過を承つて参考にしたいと思います。
  17. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 今回の試験問題の提出までの経過についてでありますが、これは当該の係の局長人事官のみにおいていたしましたので、他の局長は全然タツチしませんので、私はなはだ恐縮ですが、その点につきましてはお答えいたしかねます。と申しますのは、私自身も試験を受けまして、人事院としましては特定な二名だけで、その特定の人が今日参つておりませんので、今私からお答えする材料は何もございません。
  18. 上林山榮吉

    上林委員 自分試験を受けたのだから、問題の出し方についてはタツチしていないので、よくわからない、これは了承いたしますが、ただいまのお話の中に、一、二の局長人事官のみによつてこの問題が研究されたということは、事実であるかどうか、その点御承知ならば聞いておきたいと思います。
  19. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 私の知る限りでは、ごく部分的のものにつきましては、関係職員も關與していると思いますが、最後的のとりまとめの協議がされたものにつきましては、特定の者だけが関與したと聞いております。それ以上は関與はしないと思つております。
  20. 上林山榮吉

    上林委員 あなたは人事院におられるし、自分試験を受けたのだから、これは微妙なことであつて、なかなか言いにくいだろうとは思いますが、自分受験生の一人として、率直にお考えなつた場合、今の制度はうまく行つている、うまく行つていないでも、大体うまく行つている、あるいはもし自分人事官であつたら、こういうふうにしたいのだという、何か経験を通じ、そういう所管官庁に奉職する者として、きわめて純真な立場から、何かお考えになつているかどうか。私どももこの試験制度の特徴も聞かしてもらつているつもりであるし、また欠点も聞かしてもらつているつもりだが、そういう自分の意見を述べることは差控えて、体験者からひとつお答えを願いたい。お答えでなくてもよろしい、感想を聞いてみたい。公開の席上で承るのはこれが初めてでありますので、念のため記録しておきたいと思います。どうぞ御遠慮なく御発言願います。
  21. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 今日御出席の他の省の試験を受けられた方にお尋ねを願いたいのですが、せつかくお尋ねですから、私が人事院職員を代表して云々という御返事はちよつと申し上げかねますが、私も試験を受けた受験生の一人として、どういう気持ということも多少あります。私の個人的な見解でありますが、私長い間人事院に来るまでは、農事試験等をやつておりまして、あの試験方法を逆に考えてみますと、作物あるいは動物等のいい品種を見わける方法、世界的にいえば、百年以上の間にいろいろの方法がありますが、そういう方法があの方法の中にも思想的にずつと入つていることを感じまして、そういう科学的な物のわけ方の、人間への適用の一つの試験というふうに、試験試験という大きい目で見ますと、発達の過程はまだ初歩でありまして、今後大いに伸びる余地はあるだろう、従つて余地のあるだけの欠点ももちろんあろうと思います。しかし今まで私どもが受けました多数の試験が従来のままであつたとし、その試験と比較すればマイナスもあるでしようし、プラスもあり、私どもとしてはプラスの方が少しは多くはあるまいかという感じを持つております。その他の点につきましては、他の省庁の方にお聞き願いたいと思います。
  22. 上林山榮吉

    上林委員 きわめて控え目な、しかも微妙な御所見を承つたのでありますが、どうですか、そういう試験を受けたくないと言つて受けなかつた者が、資格者の何パーセントを占めておつたかという点、それから受けた者の伺パーセントくらいは落第するであろうか、こういう問題はまだはつきりしない点もあろうかと思いますが、どういうふうに見ておられるか、またいつそういう結果を発表するか、この点をひとつ承つておきたいと思います。
  23. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 資格者の中には現在当該官職についておられる方々約二千六百、その以外にこまかく資格はきめられておりますが、大まかに申しまして、十級職以上の官職にある者並びにそれと同等以上の民間の方々が、有資格者になるわけであります。ごく狭い意味で現在の二千六百の資格者方々で、試験を受けなかつたという意味でありますならば、私の知る限りでは、十名内外かと思つておりますが、あるいは十四、五名になるかもしれませんが、ごくわずかなパーセンテージになつております。  それから及落のことにつきまして、私も個人的によく他の方からもいろいろ御質問を受けておるのでありますが、今度の場合にどういう及落方法をとるか、それは私は存じませんが、今までの試験をやりましたときの他の場合には、よくわれわれは五十点未満落第とか、四十点未満落第とかいうように、従来の学校ではきめておりましたが、人事院でやります試験は、一応問題が百出た場合に、五十点、六十点、七十点というぐあいに点をつけますが、これを平均点をとりまして、その平均から何点上下をしておるかということを、それぞれの人につきまして直しまして、統計学で言いまする標準点という点に換算をいたします。だから同じ問題で甲の場所で試験をし、乙の場所で日にちを違えて試験をした場合におきましても、いずれの点数も一つの標準に直すという換算方法をとつております。その次に統計的に申しますとモードといつて、一番山の高いところに相当する人を中心にした四分位法と申すのがあつて、四つにわけるとか、いろいろな統計技術を用いまして、順位を区分いたしまして、それから何位以下を及落にきめるかということを逆にきめておるようです。従つて今度の試験におきましても、何点以下を落第、何点以上を及第というふうに、あらかじめ基準をきめて、そのわくに押し込めるということはないのじやないか、あとで計算した後において、それがきまるのじやないか、かように考えております。
  24. 上林山榮吉

    上林委員 いつごろ発表されるか、まだ予想がつかないのかという点を伺つて、さらに次の質問を進めたいのでありますが、下級官吏試験は言うまでもなく、登用試験ではなくして、あれは資格試験だ、こういうふうに考えておるが、その通りであるか。その通りであるとするならば、現在合格して一年間の間に就職できないものが何パーセントくらいあるか。この点はことに知識階級の失業者がふえつつある現段階においては、相当にこれは考慮しなければならぬ問題だと考えるのであります。そういう意味合いにおいて、これが資格試験であつて、その資格者の中から一年以内にどれくらい採用されるか、その採用された率と、採用されない率とを承つて、これは知識階級失業者の対策として、さらに再検討してみなければならぬ点があると考えられますので、参考のために承つておきたいと思います。
  25. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 最初の今回の高級官吏試験成績の発表の時期でございますが、第二試験が多分今年の四、五月ごろになるかと思いますが、アメリカ等に行つておる、海外に留学された方々が帰つて来られて、その他特別の事情で九月の試験を受けられなかつた人を合せて、やはり四、五月ごろと思つておりますが、この試験が終りましたら、多分計数整理等を終つて、遅くとも六月ごろまでには、確定するのではないかというふうに考えております。  次に下級官吏試験に合格した人が、何パーセント就職したかというお問いでありますが、その数字をちよつと持つておりませんので、大体の数として私ども、係から今まで聞いておりますのは、昨年の九月試験をしました者で十二月末までに就職のきまつた率は、およそ六割近くじやないかというふうに聞いております。はつきりした数字は後刻書面で御報告いたしたいと思います。
  26. 上林山榮吉

    上林委員 資格試験であるから就職のいかんは問わない、こういう考え方もこれは当然成立つのでありますけれども、一旦資格試験に合格すると、大体において一年以内くらいには就職ができるだろうというような非常な希望を持つのであります。あえて他に就職を探すという熱意もない。こういう結果、私は知識階級の失業者がさらに急増する傾向に、この試験制度のために追い込まれるようであつてはならない。だから資格試験としてやるにしても、標準点というか、そういうものを多少引上げてでも実際登用し得るものに近いものに接近せしめるという考え方も、一つの考え方だと思われるのでありますが、これに対する見解をさらにお伺いしたい。  ついでにもう一点申し上げますが、現在統制経済が自由経済に移行しつつありまして、相当人員が要らなくなつて来る。そこで試験を受けるときにおいては、たとえば統制事務関係のある職種の試験を受けたが、それが統制が大巾に撤廃された場合、あるいはほとんど撤廃された場合に、その当時受けた資格は失わずに、これは登用されるかどうか、こういう点であります。制度改革やあるいは法律の改正によつて受けたときの職種がなくなつたり、あるいはないものに近いことになつた場合、それはやはり有資格者として認められるのかどうか、こういう点でありますが、これに対してどういうお考えを持つておられるか、承つておきたいと思います。
  27. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 第一点の合格者の数の問題でございますが、現在人事院では合格者の数は比較的多くとつております。順位をつけてこれを帳簿に載せておりまして、候補者名簿と称しております。そうして各省からそれぞれの職種につきましての御要求があつた場合に、人事院から提示をしておりますので、その各省からの要求数字は、各省の定員の中から減耗する率並びに新規の増員を見越しての数字でございます。従つてどもの方から供給力はこれだけあるということは、常に連絡いたしておりますけれども、各省の要求を私の方で決定することはできませんので、勢い各省の要求される数字の合計が、試験合格者とマツチするかどうかということに問題がかかつて来るかと思います。私どもの方では数を多く合格者をとりましても、採用される量につきましては、任免権者の方において決定することになつております。  第二番目の職種につきましては、制度の改変によりまして、たとえば専門職として経済学を受けた人が、新たに一般の方に加わりたいというような問題は、ままあると思いまするが、その職種はその当時の制度の合わすよりは、むしろ学問的に定めておりますから、急にかわるということもないとは思いませんが、比較的少いのじやないか。ことに一般職を大体の方はほとんど受けておりますので、一般職と専門職——それぞれの専門職は経済、水産その他ありまして、これは制度改革によりまして量の増減はあるだろうと思いますが、その受けた方の能力は制度がかわつたからかわるということはあまりないであろう。融通性のあるものは一般職でありまして、それは大部分の本方が受けております。今のところ制度改革によつて受けだ職種の融通性の問題は、あまり具体的に多く聞きませんので、これが出た場合に転換方法について検討いたしたいと思つております。
  28. 上林山榮吉

    上林委員 最後の一点ですが、そういう具体的な問題が起つていないから、それが起つた場合に転換の方法考えるというのは行政処置ですが、行政処置ではなしに、私の言うのは法律的にはそれが資格があると認められるのかということなんですが、それに対しては何ら研究されていないという段階であるのかどうか。あるいは法律的にはそれは無効であるか。行政処置その他においてそれが調節をはかるという意味であるかどうか。その点をひとつ伺つて人事関係の質問を打切りたいと思います。
  29. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 最後の法律的にこれを認めるかどうかということの研究の段階につきましては、当該局長とあまりよく打合せておりませんから、まだ存じておりませんので、あるいはそこまで行つておるかとも存じますが、御趣意のところをよく伝達いたします。多分私は法律的にそこまで行つておらぬと思うのでありますが、研究させることにいたしたいと思います。
  30. 松浦東介

    松浦主査 人事院関係でほかにございますか。
  31. 淺香忠雄

    淺香委員 まずお伺いいたしたいと思います点は、各地方に最近分室ができるということを聞いておるのですが、実施期間の大体の見通し、またこれに対する経費、あるいはまた分室ができました場合に、本省の方から一定の人を派遣するのか、それともまたそれぞれの地方において採用になるのか、こういつた点についてお伺いしたいのです。
  32. 大野藪雄

    大野(藪)政府委員 人事院地方事務所というのは、七箇所昨年から設けておりますが、その人員は約百二、三十名になります。その人たちは北海道、札幌、仙台、その他それぞれの地方に置いておりますが、人事院の本院から派遣をした者と当該の所在地の府県の人事関係職員を引上げた者と、両方によつて編成いたしております。経費地方事務所としての合計が、別に掲げてございますので、別途算出して経費について申し上げたいと思います。
  33. 上林山榮吉

    上林委員 地方財政の関係について少しばかりお尋ねしてみたいのであります。新しい自治体が財政の裏づけがなければ、これが健全に発展しないことは、政府も御承知の通りでありますが、先般電気ガス税について、私予算総会において政府当局の意見をただし、しかもこういう種類の税金は全国的に比較的均霑しておる税金であるから、電気ガス税として市町村にこれを配分すべきである、こういう主張に対して政府相当共鳴され、その後善処されて来たのでありますが、これは先般発表されたことく、何ら政治的に動かされることなく、そういうふうに最後まできまるものであるかどうか、この点をまず一点ただしておきたいのであります。
  34. 荻田保

    ○荻田政府委員 ただいまでは政府といたしましては、電気ガス税は、市町村税として地方税法を立案いたしたいと考えております。
  35. 上林山榮吉

    上林委員 そういうふうに善処されつつあることに対しまして、私ども了とするし、最後の段階に至りましても、そういう結果が得られますように、重ねて要望いたしておきたいと思います。  第二にお伺いいたしたいのは、これも予算総会において私は政府に強く要望したのでありますが、附加価値税あるいは住民税あるいは固定資産税等について、その税率をシヤウプ勧告案よりも安くしてもらわなければならない。そうしないと国税においては実質的に九百億も減税したのであるが、そのしわ寄せが地方税として四百億円も増税になる。もちろん差引減税ではありますけれども、その結果は人により、ところによつて非常な重税となるので、その部分的な重税が、全国民に大きな重税を課しておるという錯覚を起さしめる。これは相当愼重に考えなければならない問題だ、こういう観点から私強く要望して来たのであります。政府もこのわれわれの要望とマツチいたしまして、この点について最高司令部等と連絡を密接にしておられるようでありますが、漏れ聞くところによると、この問題は相当難関に逢着しつつあるそうであります。折衝の過程において私が今言つた通りであるのか、それともその段階を一時は通つて来たけれども、第二の段階において曙光を見出しつつあるのかどうか、これによつてわれわれ国会としても、ことにわれわれ與党としては、この問題について別途にまた考えて善処しなければならないと考えますので、私特にこの問題について政府の所見、ことに現段階における情勢を、参考にいたしておきたいのであります。
  36. 荻田保

    ○荻田政府委員 地方税の改正にあたりまして、いろいろこまかい点もございまするが、政府といたしましては、ただいまおつしやいましたように、普遍的な大きな税につきまして、これを実施して行くにつきまして、今おつしやいましたような結果が起りませんように、シヤウプ勧告の線とは多少違いますけれども、簡単に申し上げますれば、税率を下げるというような方法におきまして、司令部と折衝しておるのでありますが、シヤウプ勧告の線をある程度はずれますので、向うの承認を得ることが非常にむずかしいのであります。問題は、附加価値税の税率がシヤウプ勧告では四ないし六%になつておりまして、一応その最低の四%までしか承認を得られないのでありますが、なお努力いたしましてこれを三・五%、従いまして第二種事業、第三種事業につきましては二・五%、こう下げたいというのが第一点。  第二点といたしまして、固定資産税のうち土地家屋について二十五年度に用います倍率を、一千倍は少し高いので、これを八百倍程度に下げる。従いまして農地の倍数等も二十五倍を二十倍に下げる。これが第二点。  第三点といたしましては、市町村民税のうち所得の課率はシヤウプ勧告では二〇%という最高が設けられておるだけでありまして、標準率をどうきめるかは別に書いてございませんけれども、大体平年度におきましては一八%をとりませんと、予定の六百億の収入を得られませんので、一八%と考えております。ただ二十五年度におきましては、二十四年度の所得税、すなわち減税いたしません所得税を基礎にいたします関係上、特に一五%に下げたいというのが第三点。  この三つの点につきまして司令部と折衝しておりまするが、ただいま申し上げましたように、シヤウプ勧告の線をある程度はずれますので、承認を得るここが非常に困難であります。ただ今の段階では固定資産税の一千倍を八百倍に下げることは、まだ承認を得られませんけれども、九百倍程度に下げることにつきましては、ある程度承認を得ております。さらに今申し上げましたような点につきまして、もう一度努力をいたしまして、その上で法案を固めて、国会に提出いたしたいと考えておるような状況でございます。
  37. 上林山榮吉

    上林委員 これは先ほど申し上げたような意味において、非常に重大な問題だと思います。最後にもう一回積極的に交渉するという政府の態度は了といたしますが、その程度ではなしに、この結論がわれわれ予想しておる通りになることが、私は財政全般から考え、特に地方の実情から考えて適切であるのだという強い信念のもとに、政府が極力努力をされるように要望したいのであります。そこで私が先ほど申し上げました三つの地方税法案は、これは折衝の経過いかんによつては多少のずれのあることは、私どもも予想できますが、政府としては、国会にいつごろまでに提案できる見込みであるか、その点を承つておきたいのであります。
  38. 荻田保

    ○荻田政府委員 予算並びに毎年度の地方財政一般関係しまする重要法案でございますので、十分の御審議を受けるために、なるべく早く提案いたしたいと考えておるのでありまするが、今申しましたように、容易に了解のつけがたいところがございますので、これを最後に本日あるいは明日くらいに折衝いたしまして、その上でできませんものはできないとして、御提案するよりしかたがないと思います。大体現在、事務的に法案を閣議決定いたして、司令部に提出いたしまして、それから承認を受けて国会に提出することになるわけでございまして、その期間はおそらく一週間ないし十日を要すると思いますから、来週の末はちよつとむりかと思いますが、さ来週の初めくらいに提出託きると考えております。
  39. 松浦東介

    松浦主査 それでは通告順に従いまして、砂間一良君。
  40. 砂間一良

    ○砂間委員 今の地方行政の点につきまして簡單に二、三お尋ねしたいと思います。  第一は災害復旧予備費でありますが、これが二十五年度には百億ばかり公共事業費の方から計上されております。しかも近年災害は累年激増しておりまして、二十四年度だけでも八、九百億に上る災害が起つておるのであります。なおまた過年度における災害復旧の状況、あるいは現在の河川や山林の維持補修の状況を見ますると、それは予算関係等におきまして、非常に不十分でありまして、こういう状態のもとでは二十五年度にまた非常に大きな災害が起るのではないかというふうな不幸な予想を、私どもつておるわけであります。地方行政の方を預つておられる当局といたしまして、この百億の災害予備費で、はたして十分な自信があるかどうか。もし不幸にして莫大な災害が起つた場合には、どういうふうな処置をなさる御所存であるか、それらの点についてお伺いしたいと思います。
  41. 荻田保

    ○荻田政府委員 大体百億ございますれば、普通の年における災害には対処できると思いますが、普通の年以上に大きな災害がありましたら、それはそのときに追加予算なり何なりで、出して参りたいと考えております。
  42. 砂間一良

    ○砂間委員 たいへん頼りないお答えでありまして、起つたときにはそのときに何とかすると言いましても、二十四年度などにおきましては、ああいう災害が起りましても、まつたく予備金もないというので、第三・四半期や第四・四半期の費用を繰上げてやる。しかもその手続などが非常に遅れて、地方民は非常に困つたような実情があるのであります。起つたときには何とかするというふうなやり方では、はなはだおぼつかないのでありまして、たいへん頼りないわけであります。無責任というふうな感じを強く持つわけであります。しかしそれだけの御答弁しかできないということであるならば、ここではこれ以上追究いたしません。  その次に地方起債の点についてでありますが、地方起債に大体三百億くらいのわくがあるようでありますが、この三百億の地方起債は、大体どういう方面に予定されておりますか、その内訳をひとつ御説明願いたいと思います。
  43. 荻田保

    ○荻田政府委員 大体現在のところでは、二十五年度の地方起債のわくを二百五十億と考えておりますが、その約半額程度は、政府で支出いたします公共事業費の一部負担分に対します起債に当てまして、あと半分を単独事業に当てておつたのでありますが、さらにその半分程度は、電気、水道、交通というような公益企業方面にまわしたいと考えております。
  44. 砂間一良

    ○砂間委員 せんだつて建設委員会におきまして、西村経済安定本部政務次官のお話によりますと、三百億というふうなことを一応言われておつたのですが、ただいま荻田政府委員のおつしやるところによりますと、二百五十億というふうになつておりまして、多少数字の食い違いがあるようでありますが、この点もはつきりしていただきたい。それからかりにその二百五十億の半額でもけつこうでありますが、その半額の公共事業費の内訳を、なお河川とか道路とかいろいろありましようが、おわかりになりましたら御説明願いたいと思います。
  45. 荻田保

    ○荻田政府委員 来年度地方債のわくは三百億であります。二百五十億とは申し上げません。三百億のうち半分程度が公共事業費の対象になつております。なおその内訳につきましては、目下研究中でございます。
  46. 砂間一良

    ○砂間委員 住宅が全国でたいへん拂底しておるようでありますが、住宅方面に、起債の方面で使用されるような御予定はありませんか。もしありましたらどれくらいを当てられるおつもりでありますか。
  47. 荻田保

    ○荻田政府委員 安本から補助金の出る庶民住宅の建設、これに対しましても地方債を認めたいと思います。なおそのほかに新しくできます住宅金庫の金を地方団体をして一部使わせるという場合には、やはりかつこうといたしましては、地方債という形になると思いますので、この場合は三百億の外になると思います。
  48. 砂間一良

    ○砂間委員 そのただいまの最後の点でありますが、実は住宅金融公庫の点につきまして、まだ公庫法案提出になつておりませんので、その性格の全貌は私どもわかつておりませんけれども、聞くところによりますと、地方公共団体に対しましては、住宅金融公庫の金は融通しないというふうに最近かわつて来たということを聞いておるのであります。公共事業費の方で庶民住宅をつくる。そういう方面にはやるけれども、公庫の金は貸さないことにするというのは、貸してもいいのだけれども、地方で起債のわくが制限されておるために、その事業ができないというので、地方公共団体は除くというふうなお話を一部漏れ聞いておるのであります。しかしただいまの荻田政府委員の御説明によりますと、三百億とは別のわくから、住宅金融公庫で地方公共団体が住宅を建てる場合にも、地方起債を認めるというふうな口ぶりでありましたが、どのくらいの金額予定されておるのでありますか。
  49. 荻田保

    ○荻田政府委員 金額的にどれだけを地方団体に出すということもきまつておりません。かりにそういう方法を認めるといたしますれば、それは三百億の現在の地方債のわくの外に認めるようにいたしたいと、目下努力中でございます。
  50. 砂間一良

    ○砂間委員 それでは地方行政関係の方は、それくらいにいたしておきまして、次に終戦処理費関係についてお伺いしたいと思いますが、実は私こういう方面のことは暗いのでありまして、どこが所管官庁になつておるか知りません。出品国務大臣の方の所管になつておるらしいのでありますが、きようは残念ながら山口国務大臣もお見えになつておりませんので、特別調達庁の方でもけつこうでありますが、お伺いしたいと思います。たいへんしろうと臭いお話ですが、終戰処理費は予算金額の上から申しましても、相当な部分を占めております。この費用の性格と言いますか、その使途、目的は元来どういうものに使われるべきでありますか、そこから御説明願いたいと思います。
  51. 川田三郎

    ○川田政府委員 終戦処理費は主として終戦処理事業費終戦処理業務費、終戦処理附帶事務費、終戦処理事務費、この四つの款にわかれております。そのうち終戦処理事業費と申しますのが、連合軍の日本における駐屯に必要な建設、調度、労務へそろした方面の費用を、日本政府一般会計予算において負担をする、こういう性質を持つております。なお業務費と申しますのは、いわゆるPDと申しておりますが、日本式に申しますと、調達要求書という文書が出るのでありまして、その調達要求書に基かない連合軍の覚書によりまして要望される各種の業務、例をあげますならば、戦犯裁判の費用とか、連合軍の直接の行為によつて発生いたしました損害、具体的には自動車に一般の民衆が衝突をされたという場合の見舞金、こういう性質のものが業務費で拂われておりまして、これはPDに基かないものであります。次の終戦処理附帯事務費と申しますのは、おもに地方公共団体によつて国家事務を代行してもらつておりまする委託費でありまして、具体的の性質は労務者の住宅の借上費、またその労務を管理いたしまする事務費というものに当るわけであります。四の終戦処理事務費と申しますのは、一般官庁におきます。行政費に相当いたします。終戦処理事務関係を所掌いたしまする各職員官庁等の普通の庁費、官庁用の経費という性質を持つております。以上一応の御説明をいたしました。
  52. 砂間一良

    ○砂間委員 終戦処理費の事業費とか、労務費とか、事務費という内訳もけつこうでありますが、私のお聞きしたいのは、そういう内訳でなくて、処理費全体の性質なのです。ただいまお伺いしたところによりますと、駐屯に必要な建設、調度ということになつておりますが、駐屯に必要な建設ということになりますと、具体的に申しますと非常に範囲が広くなりまして、そのけじめがなかなかむずかしいと思うのであります。日本は経験以来軍隊は持つておらないのであります。それでそれまであつたところのいろいろな要塞だとか、軍事施設も全部とりこわしてしまいまして、平和国家としてまる裸になつておるわけであります。そこへ連合軍がやつて参りまして、そうして日本を占領管理しておる場合におきまして、駐屯に必要な施設、調度と申しましても具体的に言うとどういうことになりますか。たとえば飛行場を新たに設定するとか、あるいは軍港をつくるとか、あるいは高射砲陣地をつくるとか、そういつた軍事基地化を促進して行くというふうなことも、やはり駐屯に必要な建設、調度というようなとになるのでありますか。それらの点についてひとつ御説明を伺いたいと思います。
  53. 川田三郎

    ○川田政府委員 調達要求というものが、いかなる目的で発せられるかという点につきましては、特別調達庁の委員といたしましては、何とも申し上げかねるのであります。ただわれわれが事務を処理して行く根拠といたしましては、一九四五年九月三日の日本政府に対する連合軍最高司令官の指令第二号に基きまして、第八軍司令官は、最高司令官の委任によつて、日本政府に対し、連合軍の維持のため、必要なる調達を要求することができるというのがありますが、この根拠に基いて発せられておるのでありまして、これに対する予算措置等については、また覚書が発せられております。またその調達要求書以外のものについては、事務関係は支拂つてはならぬという軍自体の自制的制限もできておりまして、その制限の範囲内において発せられる命令に基いて調達を行つて参る、こういうごどになつておりますので、軍自体も無制限にこの調達要求は、日本政府側にいたし得ない関係になつております。従つていかなる目的であるかという点についてのお答えとしては、御満足は得られないかもしれませんが、これ以上のお答えは、私どもといたしましてはできかねる次第であります。
  54. 砂間一良

    ○砂間委員 それでは具体的にお尋ねしたいと思います。連合軍が日本に来ておりますが、その使用しているところの武器、たとえば飛行機であるとか、戰車であるとか、鉄砲であるとかいうようなものは、日本の終戦処理費から出ておるのでありますか。あるいはアメリカの陸軍省の予算の中から出ておるのでありますか。
  55. 川田三郎

    ○川田政府委員 御質問の趣旨を、もう一度お伺いしたいのであります。連合軍の使用している各種の武器のいかなる費用ですか。修繕費などに調達する費用ですか。
  56. 砂間一良

    ○砂間委員 大体飛行機とか、いろいろな軍固有の武器については、陸軍省の予算で出ておるのではないかと思いますが、油とか、ほかの消耗品のようなものの維持費は、終戦処理費から出ておるのか。あるいは町をたくさんの自動車が通つておりますが、あのハイヤーまでも日本が終戦処理費で、全部買つてつておるのか。それとも自動車は向うから持つて来て、その燃料や運転手の費用というようなものだけを経験処理費でもつておるのか。それらの点が私にはちよつともわからない。ただ終戦処理費終戰処理費と言われておりますけれども、日本は戰争に負けたのだから仕方がないという感情は、一般に持つていると思いますが、国民の重い税金の中から、莫大な金額を出している以上、会計検査院がこれを検査して国会に報告している以上は、どの辺のところまでを日本の国が負担しておるかということを、国民の前に明らかにすることが、私は民主政治のあり方ではないかと思います。そういうような点からして、もう少し具体的な例をあげてわかりやすいように、御説明願いたいと思います。
  57. 川田三郎

    ○川田政府委員 ただいま終戰処理費の使途につきまして、具体的な例示をしてでも、わかりやすいように話をせよということでありますが、それは事業費関係から出ております連合軍関係のものは、全般的に武器でありますとか、市中を走つておる自動車の費用、そういう方面の費用は出ておらないのであります。ただ日本に参りまして破損いたしました自動車、そういうものの修理は、役務費と申しますかそれで出ておりまして、終戦処理費で負担をしております。  それから第二点として、占領下であるから、いかなる費用調達要求がありさえすれば、日本国民は負担をしなければならないのではないかという御心配に対しましては、現在の日本政府立場と占領軍の地位との関係から申しますと、この調達要求に対して、日本政府側が何らかの制限を希望するというわけには参らないのではないかと存じます。これは調達経理官庁としての特別調達庁が答弁をすべき性質のものではなく、財政主管庁たる大蔵省ないしは国際外交関係における方面のお答えになるべきものかと思いますが、現在の事務的の行き方から申しますと、このチエツクはやられておるのであります。これは日本政府によつてやられておるのではなく、第八軍が一つの調達要求の計画を立てましたときには、GHQにおきましては、日本国内経済の安定方策と見合いまして、この調達要求を方針的にコントロールする、こういう組織になつておるのであります。従つて第八軍自体としても、思うままに調達要求をすることができない。あたかも日本の国内官庁における財政監督官庁と、その経費を使用する官庁とのバランスのごとき状態になつておりまして、われわれはただ調達要求を受けて、誠実にこれを実行すればよいのでありますが、大きな面から言いますと、そういう組織になつておるのであります。それ以上の点につきましては、調達官庁としては申し上ぐべき立場でないと、御了承を願います。
  58. 砂間一良

    ○砂間委員 先日の予算委員会におきまして、吉田総理は、日本は占領下に置かれておるのだから、占領軍が占領目的のためにするところの日本の軍事基地化ということは、やむを得ないのだというふうな意味のことを、御答弁されたと思うのですが、しかし私どもとしては、この総理の答弁自体にも多大の疑問を持つておりますが、それはそれといたしまして、たとえば兵器その他の向うから持つて来たものの部分的な修理ということは、ある程度まで、これはやむを得ないかもしれませんが、しかし修理工場をつくるというような名目で、実際上は新たに戰車をつくるにひとしいような工場を、どんどん建設して行くとか、あるいは占領軍が必要だからという点で、日本全国至るところに軍事基地を建設して行く、飛行場をつくる、軍用道路をつくる、軍港をつくるというようなことが進められて行つたのでは、日本の国はたまつたものじやない。これはポツダム宣言の趣旨からも明らかに違反すると思うのです。私どもの心配しております点は、終戦処理費という名目で、どの程度までのことが現になされ、あるいはまた許されて来ておるのかという、そのけじめをはつきり承つておきたい。これは最近新聞等を見ましてもわかりますように、極東の情勢ということがいろいろ論議されておりまして、アメリカからもいろいろえらい、参謀本部や何かの方がくびすを接して日本へやつて来ておりまして、中ソ同盟條約の問題だとか、あるいはバンコツク会議の問題だとか、いろいろ問題となつておる最中でありまして、こういう国際情勢のもとにおきまして、私どもは、日本の憲法にいわれておるような、ほんとうに平和国家として建設して行きたいという強い熱望を持つておるわけでありますが、それが国際情勢に左右されまして、もし不幸にして日本が将来戦火の渦中に陷るような事態が、現にこの日本の国土の上に進行しておるとするならば、それはゆゆしき問題でありましで、そういう点を強く憂えざるを得ないわけなんです。そういう点からしまして、終戦処理費ということで、これは国民の重い税金から出ておるのでありますから、これが使われておるその使途につきまして、できる限り明確にしていただきたいということを切望しておるわけであります。しかし先ほどの御答弁以上にできないということであれば、これやむを得ません。  それで、その次にお聞きしたいと思うことは、この終戰処理費で施設いたしましたいろいろな建造物、住宅だとか、その他いろいろあると思いますが、そういうものの所有権は、一体どこにありますか。これは日本政府のものでありますか、それとも連合軍のものでありますか、どういうことになつておるのでありますか。
  59. 川田三郎

    ○川田政府委員 連合軍の命によりまして建設いたしました建設物は、一応日本政府の国有財産として取扱うという扱いで進んでおります。
  60. 砂間一良

    ○砂間委員 そういたしますと、住宅にしろ、飛行場にしろ、その他附属施設というふうなものは、これは当然日本政府の国有財産の目録のうちに載つておるはずでありますな。その点はどうでありますか。もし載つておるならば、その財産目録をひとつ明示していただきたい。
  61. 川田三郎

    ○川田政府委員 その建設物の目録は、現に作成中でありまして、非常に厖大な地域にわたつておりますので、まだここに提示してごらんに入れるというまでの段階にはなつておりません。目下国有財産関係の機関において、鋭意調査中でございます。
  62. 砂間一良

    ○砂間委員 ひとつできるだけ早く、具体的に詳細に御明示願いたいと思います。  それから、先ほどのお話のうちで、業務費ですか、あるいは附帯事務費か何か知りませんが、そういう費目の中に、民間住宅を接収した場合とか、あるいは道路その他を建設するために土地をつぶした場合とか、家をつぶしたとかいうふうな場合の補償というようなことも、この終戦処理費から出ておるように御説明がありましたが、これは最近こういう土地や何かの立ちのきや、とりつぶしということが、方々に起つておるようであります。たとえば太平洋沿岸及び日本海沿岸等におきまして、対空実弾射撃の演習なども方々で行われておるようでありまして、これに関連して附近の住宅を取拂うとか、あるいは新たに道路をつくるとかいうようなことが方々であるようでありますが、これに対する補償はどういう標準でなされておるか、またその補償は十分敏速に支拂われておるかどうか、日本の国民はこれに対して正当な補償要求のできるような道が、開かれておるかどうかということを、お尋ねしたいと思います。
  63. 川田三郎

    ○川田政府委員 連合軍の命令によりまして接收をいたしました土地、また損壊すなわちこわしました建造物等に対しましては、当然補償が行われるような関係になつております。また現在その補償が円満に進行しておるかという点につきましては、微力ながら鋭意この補償額の決定につきまして調査をし、またその被害者にあたる方々に折衝をいたしまして、これに補償するように努力をいたしております。なにせその数も相当にございますので、今ここですぐに逐一申し上げるわけには行きませんが、補償関係につきましては、突然の事故というものには、ただちにその事情を調べまして補償いたしますし、また一般の接収につきましては、従来日本軍においてやつていました徴発というような形式でやるのではなく、日本政府が軍の意図を受けて、普通の民法上の契約をいたします。貸借契約になります。従つてその契約に基く債務については、あくまでも一般の民間の取引と同じように補償し、また補償しなければ損害賠償の民事要求も、受ける立場に置かれております。
  64. 砂間一良

    ○砂間委員 戦時中におきましては、日本の軍がたいへん巾をきかせまして、ずいぶん横暴な土地の收用なんかをやつた例がたくさんあります。憲兵がピストルを突きつけて、そうして少学校の講堂に日の丸の国旗を掲げておいて、それを拝ませ、三分か五分の間に承諾を強要するというような形で、ほとんどただ同然に取上げたという例もたくさんあつたのでありますが、ただいまのお話によりますと、終戦処理関係連合軍の方から收用する土地や建物については、そういうむちやなことはしなくて、十分民法上の措置を講じて、むりのないようにやつておられるというお話でありました。ところが一例をあげますならば、横田飛行場を建設するにつきまして、坪十六銭くらいで買い上げたという極端な例もあるわけであります。こういうような点につきましては、あそこの住民がたいへん不満を持つておられるわけでありますが、これを正当なる価格で補償してもらいたいという場合に対しては、その訴えと申しますか、その請願と申しますか、これは一体どこへ向つてなしたらいいのか。それからもう一つは、直接土地をつぶされるとか、うちを立ちのかされるということではなくても、生活上非常な影響を受けることがあるわけであります。たとえば冨士山麓の御殿場の玉穂村その他の十一箇町村におきましては、あそこで戦車や何かのいろいろな訓練をやつておるようでありますが、赤いくいと黄いろいくいを立てまして、禁止区域をつくつて、そのために草刈り場や何かへ入つて行くことができない。ところがそこのまきや草を採取しなければ農業がやつて行けない。あそこでは豚や牛を飼つてつたが、それらも飼えないというような状態になりまして、農業経営の上からも非常に重大な打撃を受けておる。しかもこれをどこへ持つてつたらいいのか、政府に行つたらいいのか、連合軍——連合軍といつても農民のことですから、何か向うさんだということで非常におびえておりまして、まつたく訴えの場所もないような状態で、泣き寝入りしておるような事実もございますけれども、こういうふうな場合におきましても、やはりある程度の補償というものが得られるのかどうかまたそういう場合訴えというか、願いをどこへ持つてつたらいいかという、その方法をもしあればこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
  65. 川田三郎

    ○川田政府委員 その補償をする方法はございます。その補償を受ける窓口といたしましては、特別調達庁がやつております。地方には特別調達局というものがございます。また府県には直接その所掌する関係上、一つの取次機関として特別調達庁の出張所ができております。そこにお申込みになれば受付いたします。また先ほどのくいが立つた云々の点は、離作補償と申して、やはり作物を耕作することができなくなつた損害に対しても補償する道が開けております。
  66. 砂間一良

    ○砂間委員 もつとゆつくりいろいろお聞きしたいことがありますが、あとの時間の関係もあるようでありますから、簡単にはしよつてつて参ります。その方はそのくらいにしておきます。  あと三点ばかりお聞きしたい点があるのでありますが、一旦進駐軍の調度というような形で、特別調達庁で購入いたしまして調達いたしまして納めて、それがもういらなくなつた、不適格であるというようなことになりまして、拂い下げるという解除物件が相当あるようでありますが、この解除物件は総額どのくらいあつて、どういう品目があるか、その内容の点につきましてお聞かせ願いたい。もしできれば詳細な資料をひとつこれはプリントでもいいですが、あとから御配付願いたいと思います。
  67. 川田三郎

    ○川田政府委員 解除物件の内容につきましては、私の方の調査はできております。ただ本日の委員会におけるお時間の関係考えますと、ここでその概略についても申し上げることは、相当な時間をとりますので、あとで資料をさしあげることにいたします。
  68. 砂間一良

    ○砂間委員 それではその問題はそのくらいにしておきます。  その次にお尋ねしておきたい点は、十三日のワシントン発のUP電報によりますと、ブラツドレー統合参謀本部議長が、先般日本を視察いたしまして、その談話を向うの記者団会見で発表しておるのでありますが、これによりますと、日本における米軍の住宅事情については、二箇年間に四千戸建設する計画がすでにでき上つている、住宅事情はだいぶ緩和されて来ておるというふうな談話が載つております。この点につきましては建設委員会の方でも、いろいろお尋ねいたしまして、大体今年は二千戸の住宅を見返り資金の方から出してつくるんだ、その期間は四月一日から八月一日ころまでの間に、完成する予定だというふうなお話でありました。そうしてその金額は五十億というお話を承つたのでありますが、これは見返り資金の方から、やはりお出しになる予定でございますか。
  69. 川田三郎

    ○川田政府委員 ただいまお尋ねのありましたような内容のスキヤツプインすなわち総司令部の覚書が出ておるという点までを、既定の事実として、この前建設委員会でお答えしておつたはずであります。それで今の見返り資金から五十億程度の融資を受けるというのは、仮の名称は連合軍住宅公社ですが、その公社の借入金として処置するのでありますが、これは当然スキヤツプインに従うとすれば、起らなければならないのでありますけれども、今答弁といたしましては、その所管でございませんので、そうするともしないとも申し上げられない次第でございます。
  70. 砂間一良

    ○砂間委員 大蔵省関係の方は参つておりませんか。
  71. 松浦東介

    松浦主査 参つておりません。
  72. 砂間一良

    ○砂間委員 特別調達庁の方では、はつきりしないようでありますが、私ども考えますのに、見返り資金というものの性質は、これは日本の平和産業を復興するに役立つようにという目的のもとにつくられた会計だ、こういうふうに承知しております。ところが占領軍関係の住宅を建てるのに、何で日本の見返り資金を持つて行かれるのか。連合軍関係の住宅をお建てになるのであるならば、これまで通り終戰処理費でお建てになつてしかるべきではないか、こう考えておるわけであります。ことにその建造の調達の任に当られるのは特別調達庁であつて、今度の二千戸にしましても、もしこれが大蔵省の方できまれば、実際の仕事は特別調達庁でおやりになつて行かれると思うのでありますが、これは当然終戦処理費から支弁さるべきものではないか。それを日本の平和産業の復興という目的のもとに使うことになつている見返り資金の方から持つて来られるということにつきましては、どうも理解いたしかねるのであります。きようはここに大蔵省関係の方がおいでになりませんので、あるいははつきりした御答弁はできないかと思いますけれども、もしその点について何か御意見がありましたならば、さしつかえない限りお聞かせ願いたいと思います。
  73. 川田三郎

    ○川田政府委員 その覚書によつて判断をいたしますれば、見返り資金から借入れたものは、単なる公社の借入金になるのでありまして、これによつてつくつた連合軍の住宅は有料で貸付ける。従つてそれはあたかも一つの貿易の事業のような形になりますので、別に日本の産業を圧迫することにはならない、こう推察しております。まだそれも日本政府側としてどうするという案が、決定されておりませんので、スキヤツプインの線から判断すれば、一つの経済的な運用になり、技術と労務の提供によつてそれだけ日本側にアメリカからの国際収入がある、経済的には有利であると考えられるのであります。それ以上のことは推察するわけには参りません。
  74. 砂間一良

    ○砂間委員 ただいま日本に有利な国際收入になるというお話でありましたが、そういたしますと住宅をつくつて、その家賃はドルで受取ることになるのでありますか。
  75. 川田三郎

    ○川田政府委員 ドルで受取ることになります。
  76. 砂間一良

    ○砂間委員 見返り資金で住宅を建てて、その家賃をドルでもらつて、これを見返峰資金の会計に繰入れる。それまではけつこうだと思いますが、しかしこのトルの收入を——日本の貿易でたとえば食糧品なり綿花なり、そういう日本に必要な輸入の資金に充てるならば、これは日本の復興にたいへん役立つと思います。しかしながらそれがもし伝えられるように外債の償還に充てられるならば、これは初めの日本の復興という意図とは大分かけ離れたものになる。この点のからくりを時間がありませんので、詳しく申し上げることは省略いたしますけれども……。
  77. 松浦東介

    松浦主査 ちよつと砂間君に御注意申し上げますが、ひとつ質疑所管事項について簡潔にお願いいたします。
  78. 砂間一良

    ○砂間委員 簡單にいたします。そういう問題が一つ残つておるわけであります。單にこの見返り資金から住宅を建てて、そうしてこの資金の運営を有利にやるというだけのことであれば、見返り資金の使途については、私どもはほかにまだいくらもあると思う。たとえば住宅の問題にしても、現在日本の百十幾つの戦災都市で、三百五十万戸の住宅が不足しておる。従つてこれをもつと庶民住宅なり、労務者住宅なり、そういう方面にどんどん使つてつた方がいいのではないか。そういうものをさしおいて、そうして連合軍の住宅を建てる方に使う。連合軍の住宅を建てるに必要であるならば——これはもしスキヤツプインが来るならば、よろしく終戦処理費から支弁したらいいじやないか。それを当然支弁すべき終戦処理費の方から出さなくて、見返り資金の方から出すというところに、何かカモフラージした意味で、不当に日本の軍事基地化を促進して行く意図が祕められておるような感じを持つのであります。もしほんとうに講和が成立するといたしますならば、われわれは連合軍は即時全部撤退するだろうということを期待いたしておる。講和ということが昨年来いろいろ問題になりまして、講和も近いというようなことが、新聞なんかに言われておつたのでありますが、もしそうであるならば、今どきそんな住宅なんかをつくる必要はない。これまですでに接收して来た民家なり何なりで、間に合うはずだ。住宅を建てるということは——特に軍事基地の周辺に多く建てられるらしいのでありますが、そういうところに住宅をつくることは、結局連合軍がいつまでも日本にいすわることを前提にしておるのではないか。ことにけさの新聞なんかによりますと、四個師団を日本に常駐させるというふうな記事も出ておるのであります。私はここで外交上のいろいろな議論をしようとは思いません。こういう点はよろしくほかの委員会でされるべきことだと思うのでありますが、とにかくこの住宅建設の問題を一つとりましても、見返り資金の方から持つて来られるという点については、多大の疑義を持たざるを得ない。もしスキヤツプインが来たならば、これはよろしく終戦処理費調達すべきものではないかという考えを持つておることを、この機会に表明しておきます。あとまだ二、三点ありますけれども、時間もないようでありますし、他の議員諸君の御質問もあるようでありますから、一応これで私の質問は打切ります。
  79. 松浦東介

    松浦主査 それでは永井英修君。
  80. 永井英修

    永井(英)委員 私は時間もございませんので、簡単に自治警察の問題についてお尋ねしたいと思います。自治警察の問題は、しばしば論議されるのでありますが、今地方財政は非常に困窮いたしておりまして、ことに自治警察を持つておる町村は、このために非常な圧迫を受けておる状態であります。聞くところによりますと、財政上の都合で三箇村合併したものが五千人以上になつたために、自治警察を置かなければならぬ。自治警察を置いたら、その財政負担が非常に重くなつたので、合併したその三つの村は、また別々に分離したというような話も聞いておりますが、この自治警察の町村における財政上の圧迫ということは、ここで私が申し上げないでも、十分おわかりのことと思うのであります。それで今回平衡交付金によつて多少財政的に緩和されると思いますけれども、五千人以上で区切られておりますと、平衡交付金が下付されても、なかなかこの財政的な圧迫は免れないと思うのであります。それともう一つは、実際に自治警察ができて、警察官の配置という面から考えてみますと、私の最もよく存じておる自分の町に一例をとつてみても、従来五名の警察官で済んだものが、自治警察になつたために二十三名おるのであります。それで仕事が非常に楽なために、やらないでもいい交通整理どもやるといつたよう状態になつております。それでこの五千人以上どいう制限と言いますか、それを引上げられる御意思があるかどうか。それからまたこの自治警察の警察官を、いま少し事情に適するような人数にせられてはどうか。この二点であります。これについて御意見をお伺いしたいと思います。
  81. 樋貝詮三

    樋貝国務大臣 ただいま御質問のありました自治警察を持つておるところの自治体が、財政の方面に非常に苦しんでおる。ことに小さい自治体が財政に苦しんでおることは、今のお尋ねの通りであると思いますし、よく知つております。日本各地から参りますところの陳情等においても、昨年以来その点は十分に現われておりまして、たびたびその点につきましてはそういう意見があるということを、関係方面にも申し述べておるような事情であります。ただいま警察については非常にいろいろの方面についての改正を考えておりますために、一部分切り離してどうするということを申し上げられないのを、はなはだ遺憾に存じておるわけでありますけれども、しかし財政の方面では何とかこれを救いたいということを考えておりますことは、今日においてもかわらないところであります。ただいまもお話がありましたところの、現在の法律によりますところの五千人以上の連櫓戸数を持つておるような場所は、すべて自治警察を持たねばならぬということでありますけれども、それを引上げるかどうかということに関しまして、ただいまごうであるということは具体的に申し上げられないと思いますが、引上げるのも一つの方法でありますし、また自治体において幾人以上ということを制限しないのも、一つの方法だろうと思います。ということは、自治体の財政と、それから自治体におけるところの警察吏の必要ということとも、にらみ合して考えることもよかろうかと考えておりますので、そのいろいろな方面から考究をしておるような状態であります。昨年におきましても、すでにそのことも考慮の一つに入れて考えたのは事実でありますし、また先ほど申しました通り、現在におきましてもその点について深く思いをいたして、研究しておるような次第であります。その研究のでき次第、連絡をとりながら進んで行こうという現在の状態でありまして、まだ提案してそのいずれなりと御協賛を願うというような段取りまで、達しておらないのでありますから、従つて具体的なことを申し上げられないという状態であります。
  82. 永井英修

    永井(英)委員 今研究中であるという御答弁でありますが、自治体自体の財政から申しますと、現状のままで行きますと、非常に圧迫を受けて、実際に先ほども申し上げましたように、せつかく合併した町村がまた分離するというような状態になりますので、いつまでも研究中でこれを延ばすということは、はなはだおもしろくないことになりはしないかというように考える次第であります。いつまでということは、私どもが要求申し上げてもお答えできないと思いますが、なるべくひとつ至急に研究の上、御提案になるように切望いたします。
  83. 松浦東介

    松浦主査 他に御質疑がなければ、内閣及び総理府所管に関する質疑は、これで終了いたしました。
  84. 松浦東介

    松浦主査 次に建設省及び経済安定本部所管について、政府より説明を求めます。
  85. 植田俊雄

    ○植田政府委員 建設省の二十五年度予算の概略を御説明申し上げます。  建設省所管経費といたしまして、予算書に計上になつておりますのは、十六億九千五百万円余でございます。これを二十四年度に比較いたしますと、二十四年度の十九億八千九百万円余に比較して約三億の減に相なつております。この減少いたしました理由は、二十四年度におきましては、行政整理関係費用が計上になつておりましたのが、これが不必要になりましたのと、もう一つ減少になりました大きな理由は、二十四年度に至りますまでは、府県で経営いたしております賃貸住宅の建設資材を、一括国において購入いたしまして、これを府県に販売いたしておつたのでございますが、物資の状況が緩和されましたので、二十五年度においてはこういつた制度をとらないことにいたしましたので、その分の経費が減少いたしたのでございます。ただいま申しました十六億九千万円の予算は、本省付属機関及び地方支分局関係の主として事務費であります。人件費を含みました事務費でございまして、この中において、特に取立てて御説明いたすようなところもございませんので、事務費系統としては、その程度でとどめたいと思います。  次に事業費につきましては、御承知の通り建設省は公共事業費のうちの相当多くの部門を実施いたしておるのでございますが、これにつきましては経済安定本部の方から、御説明もあろうかと思いますが、簡單に御説明申し上げますと、予算書の九百六十四ページに載つておるのでありますが、建設省におきましては一般公共事業費という款におきましては、項において河川事業費、砂防事業費、道路事業費、都市計画事業費、住宅施設費、官庁営繕費、これらの項が、この予算が成立しまして所定の手続を経まするとともに、建設省に移しかえになりまして、建設省においてこれを使用するということになるのでございます。その金額一般公共事業費におきまして二百四十六億七千万円余、災害復旧公共事業費におきまして、二百六十五億七千万円余に相なつております。  簡単でございますが、これをもつて概略の説明を終ることにいたします。  なお昨日御要求がございまして、ただいまお配りいたします資料につきまして、簡単に御説明申し上げます。公共事業費予算が成立いたしましてから、これが地方の工事実施機関において使うことができる状態になるまでの間の、所要日数について御要求がございましたので、お手元に配つた資料について簡単に御説明申し上げます。  前文は省略いたします。公共事業費は一応経済安定本部予算に計上になりまして、予算総則にうたわれました原則に従つて、これが所管の省に移しかえになるわけであります。これは経済安定本部の認証を要するわけで、この認証は御承知の通り年四回、四半期ごとに分割して行われるわけであります。その手続につきましては数字をもつて一から八まで掲示いたしておりますから、この順序で簡単に御説明申し上げます。  まず一番初めの経済安定本部の事業認証でございますが、これは予算書に載つております項目に従つて建設省において各事業ごとに主事費が幾ら、付帯経費が幾ら、こういうような経費をつくつて、これの認証を経済安定本部に求めるわけでございます。こういう手続がただいままでの実績によると約七日かかつております。その次にこの認証ができると、建設省から大蔵省にあてて、二番目に書いてあります予算の移しかえを要求するわけでございます。これは建設省の各部局ごとにつくつております。河川事業でありますと河川局の予算に移しかえてもらいたいということを、大蔵省に要求するわけであります。御承知の通り建設省には河川、道路、都市、住宅、営繕それから管理局の機械、こういうように事業の大別がございますから、その大別ごとに要求いたすわけであります。この手続を建設省がいたしまして、大蔵省からこれこれの予算建設省予算に移しかえたという通知がありますまでに、約五日を要するわけであります。これまでのところが公共事業費の他の予算と異つた点であります。これで初めて公共事業費の予算は、建設省所管になるわけであります。その後の手続においてはこれは一般予算とかわりがないようであります。ただ公共事業費については項目が非常に複雑でありますし、また事業箇所が非常に複雑でありますので、いろいろの書類をつくるにいたしましても、手数がよけいかかるということは申せるのでございますが、手続としては会計法の手続通りでございます。  まず支出負担行為概計表及び総括表というものをつくろうということでございますが、これは省一本でつくるのであります。当初つくりますときは、年間予算のほかに第一・四半期の分を、それから抜き出してつくるわけでありますから、比較的簡単ですが、第二・四半期以後になると、前期の残りでありますとか、あるいは数字のかわつたところがあるとか、また途中で他の方面に金を先に使つてつたようなことがありますと、それをつけ加えてたしますから、これもなかなか手数のかかることでありまして、これがやはり大蔵省の承認を得るまでに、五日かかるわけであります。  その次に支出負担行為計画表と支拂計画表であります。支出負担行為計画表は、支出負担行為担当官ごとにきめるわけであります。支拂計画表は支出官ごとにきめるわけであります。建設本省で申しますと、支出負担行為担当官は、各局長になつております。支出官は会計課長になつております。この支出負担行為計画表は、各支出負担行為担当官ごとにつくるわけであります。建設省所管の担当官としては、北海道が十三、地方建設局が六、本省が七、これで二十六ございますが、そのほかに各府県が支出負担行為担当官になつておりますから、これは四十四、そのほか若干のものがありまして、七十四の支出負担行為担当官ごとに、その担当官が四半期の間に、どれだけの支出負担行為をしていいかということの金額を定めるわけであります。従つて河川、道路、都市計画、住宅、営繕、機械等おのおのわかれて砦ものを今度は箇所別に、これは何府県、これは何府県というふうに、一々河川ごとに拾い上げないと、この表ができないわけであります。これがなかなか手数のかかるもので、これをいたす際においては、会計課におきましては、係員がほとんど徹夜でやつても約十二日かかるのであります。この書類を送りまして、第四の負担行為計画表と支出計画表を送りまして、大蔵省の審査を経ますのに約九百かかるわけであります。これができると初めて国は支出してもいい、支出負担行為をやつてもいいということの承認が得られるわけであります。  これから以後その金を日本銀行を通じて、どうして出して行くかということでございます。大蔵省から予算の通りに従つて日本銀行に行くはずの金は、何々地建局で支拂つていいというふうに、通知が参るわけであります。これを日本銀行の本店から支店、代理店に通知して、初めて出先機関において契約ができ、また支拂いすることができるようになります。これが地方建設局までの経費でございまして、地方建設局に参りますと、今度は工事現場ごとに金を送らなければならぬ場合があります。これは前渡官吏を置きましたものについては、前渡官吏の請求に基きまして、この金を地建の所在地の日本銀行支店より前渡官吏のおります所の日本銀行の支店あるいは代理店に送金するという手続をするのであります。現場に到達いたしますまでには、これよりも若干の日数がよけいかかるというふうに、御了承願いたいと思います。
  86. 松浦東介

    松浦主査 経済安定本部関係説明は次の機会に譲りまして、質疑に入ります。天野公義君。
  87. 天野公義

    天野(公)委員 建設省関係のことについて、特に公共事業費の問題について、一点お伺いいたしたい。公共事業費を実際に使用する場合においては、相当自主的な考慮が必要だと思います。災害復旧の場合に、台風時期の前に相当事業をやらなければならない。台風が済んだあとで事業をするというのでは、てんで問題になりません。その時期的調整、また夏と冬は事業をやる場合において、相当の差額が出て来るわけで、同じ仕事をするにしても費用相当かかる。日数もうんとかかるというような状況にあるのであります。この点に関して当局はどういうお考えで進まれるかお伺いいたしたい。
  88. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 予算は御承知の通りに四半期ごとに配分して、安本の認証を受けておるのでございますが、われわれとしては、ことに災害復旧などは出水前にある程度仕事をやらぬと、せつかくつた工事が、むだになるような例がありますので、昨年も安本と折衝して、ある程度第一・四半期に配当を増額してもらつたわけであります。ほかの事業は大体均等に四分の一ずつの配当でありまするが、災害に関する限り全額の約四〇%を、第一四半期に出してもらうというのが、昨年の例で、本年も災害費に対しては、予算が十分とは申されないので、できるだけ一・四半期に出してもらいたいということを、目下交渉しておりますが、まだその額は決定をみないのであります。われわれとしては極力その点にはできるだけ多く出したいという考えを持つております。
  89. 天野公義

    天野(公)委員 今の問題でありますが、災害復旧の場合に相当重点を入れられるということは、非常にいいことだと思いますが、一般の事業に臨いてもたとえば道路を修理する場合においても、冬道路を鋪装する場合と、夏鋪装する場合と、非常にそこに差が出て来ると思うのであります。この点に対して四分の一均等というようなしやくし定規でなくして、相当柔軟性を持つた処置をとつていただきたいと思うのであります。  次に道路の問題でありますが、道路事業としての一般予算総額が、こちらに五十一億と出ておりますが、その中において北海道の道路修理は、どれくらい計画されておるか、お聞きしたいと思います。
  90. 菊池明

    ○菊池政府委員 ただいまその内容を北海道はどれくらい、他の府県はどれくらいということを、今検討いたしているところでありまして、まだ確定いたしておりません。
  91. 天野公義

    天野(公)委員 大体聞くところによりますと、北海道が十一億ばかりになるということを聞いておるのでございますが、北海道の道路開発ということは、非常に重要ではございましようけれども、北海道は非常に冬の長い地域であります。そういうところにこの四分の一均等というようなぐあいで金をまわしましても、冬の場面においてはほとんど仕事もできず、雪にうまつてしまうというぐあいでありまして、もちろん東北の方面でもそうではございましようけれども、全然意味のない予算が出て来る。そうして雪の中を創つて道路をつくるというようなことになりますと、何倍と費用も日数もかかるというような実情にならざるを得ないと思うのであります。この点事業計画と、実際の費用とをよく検討されなければならないと思うのでございますが、この点に関して御見解を伺いたいと思います。
  92. 菊池明

    ○菊池政府委員 これはただいまの年間の十一億というような数字だろうと思いますが、四半期ごとの予算の配分は、必ずしも全国四分の一均一にやつているわけではありませんので、特に北海道とか東北とか寒冷地で仕事のできないような県には、暖かいときによけいつけるように、毎年やつております。
  93. 天野公義

    天野(公)委員 北海道あたりで聞きますと、実際の場面においては、中央ではそういう御計画でやつておられるようでありますけれども、実際向うの方に金がまわつて行くのには、非常に時期的なずれがありまして、冬でなければ仕事ができないという場面に、実際向うでは逢着して非常に困難を感じているようであります。その点に関して特に御留意されたいと思うのであります。また年間十一億という金額も、北海道開発の意味においては、非常にいいと思うのでありますが、総額のうちの五分の一というような費用を、北海道に全部ぶち込んで、はたしてよいものかどうかということも、なお検討しなければならないと思うのでございますが、後ほどでけつこうでございますから、全国の道路の費用に対する配分の資料をいただきたいと思うのであります。以上積雪時期とそうでない時期との予算の適正な使用ということに、特に御注意していただきたいという要望を申し上げまして、質問を終ります。
  94. 松浦東介

    松浦主査 本日は時間も大分経過いたしましたので、この程度にとどめまして、明日午前十時半から開会いたしたいと思います。なお明日は建設省及び経済安定本部関係について、質疑いたしたいと思います。なおこの際委員各位にお願いいたします。分科会予定日は御承知のように明日一日の予定となつております。そこで時間の厳守の必要もありますから、特に御精励あらんことを切望いたします。  本日はこれにて散会いたします。    牛後四時五分散会