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池田国務大臣 ごもつともな
お話でございまして、昨年暮に出しました預金部資金の百億に対しましては、すぐに浸透しないきらいがあ
つたのであります。これまた銀行の
立場にな
つてみましても、
政府が急に金があるからとい
つても、すぐ翌日から預けたものをみな貸し出すというわけにも行きません。従いまして一時
日本銀行に市中銀行が預けた額が六、七十億と言われておる。しかしそれはまた将来の貸出しのフアンドにな
つて出て行
つておると
考えておるのでありますが、こういうようなことではまわりかおそいというので、当初は無盡は二億円くらいしか出していなか
つたのでありますが、この百億の中から一般の銀行の分を引揚げまして無盡とか信用組合に十六億五千万円ぐらい出して、下の方をふやすようにしておるのであります。それが早くまわ
つて参ります。今回
司令部からオーケーが来まして、
政府資金を出しますのに、できるだけ無盡とか信用組合とか、商工中金、あるいは農林中金とか、勧業銀行方面、特殊の銀行にたくさんまわし、一般の銀行でも、従来は預金の割合でや
つてお
つたが、
地方銀行におおむね力を入れる。こういうようなまわし方をいたしておるのであります。
政府並びに預金部資金の金をまわします場合に、回転率を十分
考えなければならぬと思
つて、今までのやり方よりもかえて行きつつあるのであります。そうしてまた
お話の信用協同組合とか、あるいは東京並びに大阪その他の四、五十箇所でや
つております信用保証協会、こういうふうなものはどしく育成して行きたいと
考えております。通産省におきましても、中小企業庁を大いに拡充いたしまして、従来九十人で三千六、七百万円の
予算を二億近くもふやして、事業協同組合あるいは信用協同組合の方の育成助長をや
つて行きたい。それからまた資金を要する中小企業者につきましては、できるだけの指導をいたし、あるいは金融のあつせんもする、こういうような方法でや
つて行きたいと
考えておるのであります。大蔵省におきましても、先般一県一行の銀行制度を改めまして、中小銀行の設立を声明いたしましたが、まだなかなかはかど
つておりません。口頭で申し入れられたのも数行ございます。書類の出ておるのも数行——五つ、六つあると聞いておるのでありますが、やはりこれは銀行だとか信用協同組合というものは、
国民の金を預か
つておるのでありますから、相当の計画性と堅実性を持たさなければいけないのであります。大蔵省では今
調査をいたしておりまして、私としては、早くこういうものを生み出すように督励をいたしておるのであります。信用協同組合は大体新制度によるものが二、三建
つておるかと思うのであります。移りかわりの分が十七、八あ
つたと思います。しかし今後中小企業の金融といたしましては、こういう信用協同組合、事業協同組合というものの育成をはかると同時に、これの連合会というものを発達させ、また今度近く増資をいたしまして長期債券を発行する商工
中央金庫とのつなぎ合せを円滑にするようにして行
つて、今までの金融制度の欠陥、ことに中小企業者に対しまする制度上の
欠陷を直して行きたいという計画で進めておるのであります。