○尾崎(末)
委員 第五
分科会の
審議の
経過及び結果について御
報告いたします。
本
分科会において
審議いたましたものは、運輸省、郵政省及び電気通信省
所管の
予算でありまして、去る十七日、十八日の二日間にわたり、それぞれ
政府側より提案理由の
説明を聴取の上、慎重に
審議いたした次第であります。この間
委員諸君は
政府委員と終始熱心かつ活溌なる
質疑応答をかわされたのであります。
今幾多の問題となりましたもののうち、主要なものについて述べてみますと、まず運輸省
所管の
予算につきましては、船舶運営会改組の意味、新設
予定の商船管理
委員会による
統制継続の時期、新方針による節約額いかんとの
質問がありました。これに対して
政府側からは、
昭和二十五
年度から内航と五千トン以上の外航とを自由体制に移し、帰還輸送と五千トン以上の船舶の外航のみを
統制することに
なつた、このために船舶運営会を改組して商船管理
委員会を新設するが、この管理
委員会による外航の
統制は諸種の制約があるので、講和締結以前には、その撤廃は困難である、五千トン以下の外航の
統制廃止による節約額は、三十八億円である、との
答弁がありました。
次に外航用船舶の新造
計画及び雇用船問題につきましては、目下A型戦標船等の改造と約一万重量トンのもの二十九隻の新造を
計画中であ
つて、これらが完成すれば、明二十六年三月には外航適格船は八十五、六万トンになる、造船
金融としてはA型船の改造費の七割、新造船の経費の五割は、
見返り資金から融通され、残額は市中銀行の
融資によらねばならない、
見返り資金による金利は七分五厘であるが、それでも造船費中に占める金利の
比率は、外国の三、五%に対して、日本ほ二〇ないし二五%の高率である、この金利高が、鋼材の値段が高いのとあわせて国際競争上における日本の弱点と
なつている、雇用船については、いろいろ話があるが、現在では時期尚早と考えている、しかし日本人が乗
つて運航すれ、ば船賃が安くなるので、今後は新造船と裸用船の二本建の方針で進みたいと思うとの
答弁でありました。
この他に船賃
引上げの問題、港湾予燃の削減問題、機帆船用の算料の割当配給減少問題、及び帰還輸送その他の諸問題につき盛んな
質疑が行われました。次に国鉄の
予算につきまして、
見返り資金による四十億円の使途いかん、定期券の
割引余地なきや。
給与ベースの
引上げは可能か等の問題について
質疑がありました。これに対して
政府側の
答弁といたしまして、
見返り資金により建設
資金は、信濃川の山辺発電所に二十三億円を充当する
予算が決定ししいるだけで、残余は未定である。定期券の
割引は全面的に
改正することは困難であ
つて、三箇月と六箇月定期券についてのみ、前者は一割、後者は一割五分方の引下げを
実行したい。その
実施時期は、通行税の
廃止時期と勘案して、やりたい。
給与ベースについては、能率が上り、収益が上れば待遇をよくするのは一理あることであるが、国鉄と
政府の他の行政基幹との均衡も考えねばならない等のことでありました。さらに債券を発行して、これを関係
地方住民に消化させその
資金で電化工事を行う意思があるか、また独立採算制を堅持しつつ、関係
地方住民消化の
債券発行によ
つて、戦時中線路をはずしたもの、索道が完成したもの、または未完成のもの、すでに路盤ができ上が
つているもの等について、これを建設する方針がないか等の
質問に対しては、債券を発行したいが、それには
予算措置を必至とするから、これを国会できめていただきたい。また均衡
予算の
建前をと
つているので、新線
計画は中止に
なつている。しかし債券の発行等によ
つて、これを徐々に実現する機運に持
つて行きたいと思うとの
答弁がありました。
以上の
質疑のほかに、国鉄の
機構改革、電化
計画、輸送
計画、バス及びトラックの路線問題その他について
質疑応答がありました。
郵政省
所管の
予算につきましては、増収
対策いかんとの
質疑に対して、郵便収入は赤字の傾向にあるので、節約と増収に努めている。本
年度は
予算額よりも十数億円の赤字になるが、実際上は、それだけ
支出を削減するから赤字にはならない。二十五
年度は本
年度の
実績にかんがみて
予算を編成しているから、赤字にはならない
予定である。なお年末のお年玉はがきによる増収は三億円であ
つて、はがきに広告をすること等にまる増収策も検討中であるとの
答弁がありました。
このほかに、郵政、電気通信両省の分離による経費の
増加、郵便
事業復興計画、待遇
改善問題その他について熱心な
質疑がなされました。
電気通信省
予算につきましては、市丙電話の
復旧策いかんとの
質疑に対して、漸次回復に
努力しているので、既に設電話線の
状態も来
年度には戦前のようになるものと思う。さらに電話料の滞納はどんな
実情にあるかとの
質問に対して、滞納額は七、八千万円になるが、これは主として
官庁方面の滞納であ
つて、至急納入方を嚴重に督促中であるとの
答弁でありました。
次に電話公債の処置をどうするかとの
質疑については、
政府側より本
年度において毎年五億円くらいをそれぞれ抽籤によ
つて返還し、残額の三十七億円も償還
計画を立てて、逐次返済したいとの
答弁がありました。
以上のほか各般の問題について、活発に
質疑応答がかわされましたが、第五
分科会に付議された
予算案の
審議は、その
討論採決を
予算委員会に讓ることとし、一昨十八日夕刻これを
終了した次第であります。
以上をもちまして簡単ながら第五
分科会の
審議の
経過並びに結果についての
報告といたします。