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1950-02-20 第7回国会 衆議院 予算委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二十日(月曜日)     午後一時三十七分開議  出席委員    委員長 植原悦二郎君    理事 池田正之輔君 理事 尾崎 末吉君    理事 小峯 柳多君 理事 苫米地英俊君    理事 勝間田清一君 理事 川崎 秀二君    理事 川上 貫一君 理事 圖司 安正君    理事 今井  耕君       天野 公義君    井手 光治君       江花  靜君   岡村利右衞門君       小淵 光平君    北澤 直吉君       小金 義照君    小平 久雄君       坂田 道太君    中村 幸八君       永井 英修君    西村 英一君       松浦 東介君    村瀬 宣親君       山本 利壽君    林  百郎君       深澤 義守君    奧村又十郎君       小坂善太郎君    平川 篤雄君       松本六太郎君    世耕 弘一君  委員外出席者         專  門  員 小林幾次郎君         專  門  員 小竹 豐治君     ————————————— 二月十七日  委員稻村順三君、川上貫一君、及び米原昶君辞  任につき、その補欠として上林與市郎君、今野  武雄君及び砂間一良君が議長指名委員に選  任された。 同月十八日  委員今野武雄君及び深澤義守辞任につき、そ  の補欠として春日正一君及び川上貫一君が議長  の指名委員選任された。 同月二十日  委員上林與市郎君、武藤運十郎君及び春日正一  君辞任につき、その補欠として稻村順三君、猪  俣浩三君及び深澤義守君が議長指名委員に  選任された。 同日  川上貫一君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  昭和二十五年度一般会計予算  昭和二十五年度特別会計予算  昭和二十五年度政付関係機関予算     —————————————
  2. 植原悦二郎

    植原委員長 これより会議を開きます。  この際、予算案審議に対して、理事会において申合せのことを一応御了解を願つておきます。二十一日から二十五日まで休会とする二十七日に開会して、税法上程見通しを立てる。税法上程後三日間の質疑をもつて審議終了する。質疑税法中心とする。総括的最終質問を行う。農協の時間はこれを放棄したものとし、新しい時間を割当てる。討論には別の一日を当てる。かように理事会において申合せをしたことをこの場合にお知らせいたしておきます。  なおこの際お諮りいたしたいことがあります。理事川上貫一君が去る十七日委員辞任されましたので、理事補欠選任をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 植原悦二郎

    植原委員長 御異議ないと認めます。選任方法は、委員長において指名することにして御異議ありませんか。     「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 植原悦二郎

    植原委員長 御異議がなければ、川貫一君が再び委員選任されましたので、同君を理事に指省いたします。     —————————————
  5. 植原悦二郎

    植原委員長 なおこの際側了承を得ておきたいことがあります。それは予算委員会における川上貫一君の質問中、吉田内閣総理大臣及び星島二郎君の本会における発言のうちに、川上君が関連して述べられた事項があります。これは速記課において現在用いておらぬ言葉だそうでありますがゆえに、川上貫一君が御了承になりましたから、委員会の記録のうちから、特に速記課において指摘した言葉だけを削除すること御了承願いたいのであります。  これより予算分科の審査は終了しましたので、その御報告を願いたいのであります。これより各分科主査より順次報告を求めます。第一分科主査小峯柳多君。
  6. 小峯柳多

    小峯委員 第一分科会における審議経過ならびに結果について報告いたします。  本分科会に付託されました議案皇室費、国会、裁判所会計検査院、法務府及び大蔵省管予算並びに他の分科所管以外の予算であります。  まずそれぞれ関係当局からの説明を聴取いたしました後、質疑を行いましたが、その詳細は速記録でごらんを願うこととして、ここには質疑によつて明らかにされました二、三の問題についてのみ申上げたいと存じます。  まず人件費単価各省各庁によつて違つているという問題について、職員俸給単価各省とも現員現給の平均によつているのであるから、各省あるいは各局ごと予算単価が異なつている、従つて裁判所検察関係等下級減員か多い官庁においては自然低くなつているのである。また公団職員は、食料配給公団以外は一般概であるが、その給与については新給与実施法の適用を受けていない。現在は三割程度公団手当を支給しているたのに、予算単価一般よりも高くなつている。また公団以外の、たとえば、復興金融金庫閉鎖機関整理委員会等職員給与は、一般公務員とは全然無関係に定められているために著しく高いものが多い。こういうことが判明いたしました。  次に公団予算並びに経理監査についてでありますが、公団事業体であり以上、或る程度その予算の組み方に融通性があるのは必要でありますが、またこれによつてその経営が放漫に流れるおそれがあるのも事実なのであります。公団は支所が非常に多いこと、現金取引を行つていること、手形による決済いが多いこと等の原因で、全経理面にわたつて十分な監査を行うこと、ははなはだ困難である。次に公団経理監査は、主務官庁経済安定本部並びに会計検査院が行つておりまして、他に適時行政管理庁経済調査庁等も行いますが、いまだ十分な実績を上げるに至つていないことは遺憾である。ことに会計検査院の検査が公団その他の企業会計に対して機構能力等の理由から、十分な効果を及ぼしていないことは考慮に値いする。こういうふうな問題が取上げられ、かつ答弁によつて明らかになつたのであります。次に金融の問題でありますが、二十四年度均衡予算施行に伴い、通過資金面調整作用として、金融政策が従来よりも一層重要なものとなつたが、最近は急激な通過の収縮をカバーするため、政府部門余裕資金活用する等、金融政策は新しい動向をたどるようになつた。具体的には、国庫資金預金部資金市中銀行預託復金回収金閉鎖機関余裕金活用並び見返り資金早期還元等、万全の措置を講じている。さらに金融機関債券発行不動産金融としての長期低利資金の供給、預金部貸金による金融債引受等制度上においても着々整備されつつある。また勧銀その他の金融機関見返り資金による増資額は、全部で五十二億円でありまして、それにより債券発行余力は五百二十億円くらいに達する見込みであるとのことでありました。また中小企業の別わく融資は、実績従つて逐次拡大して行くはずであるという答弁を得たわけであります。最後租税の問題に関しては、国民所得に対する租税比率は、昭和二十四年度は二五、五%、二十五年度は二三・三%である。国税収入総額に対する徴税費比率は、昭和初期においては大体三%強、昭和十五、六年においては一%程度終戦後は若干ふえまして、本年並びに明年度は大体二・八%である。また資産評価を強制的でなく任意としたことは、元来再評価そのものが税収の確保という目的からではなく、企業の利益のためになされるという建前から、当然であるという答弁がありました。また附加価値税はとかくの批評もあるが、大体において、大企業には若干従来の税制に比べて不和になる傾向はありますが、小企業にはむしろ有利となり、現在の事業税よりも合理的な税であるという見解の表明当局からありました。また外資に対する課税の特別については、富裕税附加価値税は別段問題はありませんが、所得税所得半額程度基礎控除を認めたいと思うが、まだ最終決定には至らない。また今までは、ドル所得に対しては課税しなかつたが、今後はこれに対しても課程したいという意向の表明がありました。  質疑を終えた後、分科会討論採決は留保して総会に讓ることに決定いたしました。以上報告いたします。
  7. 植原悦二郎

    植原委員長 第二分科主査松浦東介君の報告を求めます。
  8. 松浦東介

    松浦委員 第二分科会における審議経過並びに結果について御報告申し上げます。  本分科会昭和二十五年度予算のうち、内閣、総理府、建設省及び経済安定本部所管に関するものでありまして三月十七、十八の両日にわたり慎重審議をいたしたのであります。  まず所管別政府側より所管予算等説明があり、これに対し委員政府間にきわめて熱心なる質疑応答がかわされました。その質疑応答大要について簡単に御報告申し上げます。  人事院においては他の諸官庁が現在機構整備簡素化をはかり、また統制経済廃止により行政整理を行つているが、人事院においてはかえつて年度定員増加し、またその他についても一般官庁より優位な立場に立つているという印象を与えているのであるが、人事院当局意見いかんという点に対して、人事院側より新機構であるため従来窓口の整備に重点を置いて来たのであるが、本年度における九十名の人員増加は、新給与実施本部設置、あるいは職階制確立等内容充実のための定員増加であり、また今回の高級官吏の試験についても、あるいは人事院ビル内の他の諸官庁の一人当り坪数においても、差別的優位を保つているという事実はないとの答弁でありました。次に地方自治体警察を人口五千人以上の市町村設置しなければならないという設置基準は、市町村財政上の圧迫あるいはそのための弊害が起きているので、この設置基準引上げるつもりはないか。という質問に対して、政府側よりそうした弊害の事実は認められるが現在制度全般に対して検討しており、特に設置基準引上げのみについて答える段階ではないが、さしあたり平衛交付金によつて地方財政圧迫を緩和いたしたいとの答弁がありました。  次に公共事業費については次のような質問がありました。第一、本年度においては八百億ないし五百億円の厖大なる災害が発生しておるにかかわらず、二十五年度公共事業費予算のうち、本年度災害に対する予備費は百億円が計上されているが不足ではないか。第二、地方起債の三百億円の内訳はどうなつているか、また公共事業費庶民住宅及び住宅公庫地方団体貸付についての起債わくはどの程度予定しているか。第三、本年度計上災害復旧費のうち過年度災害復舊についての処置はどうなつているか。第四、都市復興計画については国民の目から見てその実績は必ずしも上つているようには見えない。ことに二十五年度予算額は本年度とほぼ同額であるため、本年度実績以上に出ないということであるならば、本計画に対する政府の熱意が疑われるのであるが、政府所見いかん。第五、公共事業費支出ことに災害復舊支出に対しては、時期的及び地域的な特殊性考慮した支出が望ましい。従来とかく政府の方策は、この点に関しては円滑なる運用に欠けるうらみがあつたのである。ことに本年度においては経済安定化政策の成功とともに、復興にこたえるという建前から推して、復興の主要なる基盤となる公共事業の果す役割は重大であると思うが、本先度の政府のそれらの対策を問う。以上の質問に対しては、当局側より次のごとき答弁がありました。  第二の災害予備費問いに対しては、普通の災害には予備費百億円で対処できると思うが、異常な災実の場合には特別に措置を講ずるつもりである。第二の三百億円起債内容についての問いに対しては、その二分の一は公共事業費施行の一部負担分、四分の一は地方単独事業、他の四分の一は、電気気水道交通等公益企業予定している。なお公共事業費庶民住宅分及び住宅金融公庫の地方団体貸付分は、三百億円の起債わく外に置くように努力中である。第三の災害復旧計画については、昭和二十二年度以前のものについては残りの全額、二十三年度については災害の二分の一、二十四年度に対しては三〇%の復旧をなし得る予定である。第四の点の都市復興計画については強く施策を進めている。但し東京その他大都市においては、諸種の事情のため、実施中でも目立たないのであるが、地方都市においては相当の実績を上げている。また二十五年度予算については二十四年度へとその額においてあまり差はないが、失業対策費のうち都市失業応急事業費と関連しており、前年度においては補正予算を含めた十六億余万円に対し、都市復興に九億円が支出されており、二十五年度においてはさらに四十億円に増額計上されているので、事業費総額は相当の増加なつている。第五の公共事業費支出の適正に関する問いに対しては、災害復旧費は、本年度同様に第一四半期において四〇%程度支出する予定である。また支出の適正については十分考慮の上善処いたしたい。  この点につきましては第二分科会といたしましてなお了承できない点もあるために、特に懇談全を開いて、問題の所在を究明すると同時に、公共事業施行能率化について、意見の交換をいたしたのでありますが、全委員一致して次の三項について強く政府要望いたしたのであります。  この政府に対する要望事項を簡単に申し上げますと、第一の点は、現在の公共事業費認証制度を含めた煩瑣な事務手続等制度は、不合理な点が非常に多いので、これを是正することであります。すなわちこの点につきましては認証制度は、不安定な経済事情のもとに資金、資材、労務の統制を行い、その効果的運用対策設置されたものでありまして、現在の経済時勢からは、ほとんどその必要性は稀薄となつており、政府資料によりましても、安定本部認証より実際支払われるまでに最低四十五日を必要とし、さらにまたこれが四半期ごとに行われるために、年間の事業計画にはなはだしぐ支障を来し、これを予算実行面に見まするに、本年度一般会計歳出予算の昨年十二月末における進捗状況は七八%となつているにかかわらず、公共事業費は五八%である。以上のごとき状況に徴しましても、安定期における本来の公共事業目的に沿わないのみならず、予算実行支障を来していると言えるのであります。真の公共事業の成果を上げるためには、政府において適時に適切なる支払いが行われるように、支払い制度及び手続きを簡素化することが最も肝要であるのであります。  第二に要望いたしたことは、災等復舊費国庫負担金地方への交付は、全額概算払いとすることであります。すなわちこの点につきましては、現在八割程度概算払いが行われているのでありますが、事業終了全額支払いま、で、一箇月程度遅延している実情であります。災害復旧工事は、早急に事業を完成する必要上、かかる遅延  は事業遂行支障を来す場合がしばしばありますので、金額概算払いにいたしたいというのであります。但しこの場合の資金経理については、十分の監査をなすことはもちろん当然と存ずるのであります。  第三の要求といたしましては、来年度第一、四半期において、災害復旧費予算額の六〇%程度支出すること。すなわちこの点に関しましては、災害復旧の特性にかんがみ、出水期以前に支出することが、最も資金効率的運用を期することができるのであります。本年度においては四二%程度支出行つたのでありますが、過去の苦い経験と現在の日本の実情に徴しましても不十分でありまして、少くとも六〇%程度支出をすることが必要であると認められるのであります。  なおこの三点につきましては、予算実行面の重要なる問題であり、しかも早急に解決を必要とすると考えられますので、本委員会に特別の機関を設け、研究することを提案いたしたいのであります。なお、懇談会に関する資料は、委員長のお手元に提出いたしたいと存じます。  その他、終戦処理費食糧消費者価格の引下げに対する要望電気事業再編成の問題、また地方税制等について質疑応答がかわされたのでありますが、詳しくは速記録に讓りたいと存じます。  以上が質疑応答大要であります。  最後討論採決につきましては、予算総会に留保いたすことに決しました。  以上をもちまして第二分科会における主査報告といたします。
  9. 植原悦二郎

    植原委員長 第三分科会主査苫米地英俊君の報告を求めます。
  10. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 第三分科会における審議経過並びに結果について簡単に御報告いたします。  本分科会に付託されました議案は、ただいま上程されておりまする昭和二十五年度一般会計並びに特別会計予算のうち、外務省文部省厚生省及び労働省所管に関するものでありまして、十七、八日の二日間にわたり開会いたしましたのであります。それぞれ各省側より説明があつた後、委員との間に熱心に質疑応答がかわされました。  質疑応答の中でおもなるものを申し上げますと、まず外務省所管予算につきましては、在外事務所設置に関する問題、日本人の在外資産の問題、あるいは講和会議への準備態勢等々についてでありました。  在外事務所設置については現在決定した四事務所のほかに、近く設置を予想されるものについての見通しと、四事務所予算措置はどうかとの質疑に対し、政府側より、現在設置を認められた四事務所のほかは、具体的にいまだ考えていないようであるが、パキスン等を初め、近く設置される可能性のある国も少くないと思われる。根本的に反対の国は少なく、積極的でないが、米国案に若干の修正をして、設置を受入れたい国もあるように見受けられる。また予算措置はただいまのところないが大蔵省所管なつている大体二十七万ドルで間に合うのではないかと思うとの答弁でありました。次に在外個人資産は、国際法上、法理論上から見ても、当然個人に返さるべき性質のものと考えるのが、これに対して努力しているかとの質疑に対し、政府側より再三司令部にもお願いしているが、情報の入手が不可能な状態にあり、見通しはつかないとの答弁があす、講和問題についても種々論議されました。  次に文部省所管予算についての問題は、まず第一に文化財保護について、第二に国際文化交流について、第三に育英事業経費の大巾な増額の希望について、第四に教育委員会法改正の意思ありやについてであり、教育長権限は現在以上に拡大されては困る、第五に六・三制の完成計画が六年になつているが、三年くらいで計画できないか、第六に学術振興見返り資金流用する考えはないか、第七に実業教育を重視せよ、第八に教員に対する旅行割引制廃止について、運輸省当局折衝の上、復活意図はないか、第九に私学復興振興に対する当局援助対策いかん、第十に標準教育費をどの程度にするか等々の質疑に対し、政府側答弁を一括いたしますと、文化財保護については、目下衆参両院文化財保護法案を提案すべく、研究中であり、予算面について各方面と折衝中である。国際文化交流については、最近は交流の機会は多くなつている。中でもユネスコ運動等は非常に役に立つているが、いまだユネスコには正式に参加を許されていないが、文部省としては、ユネスコ運動に不十分ながら助力しているが、今後もさらに予算上の努力をしたい。育英事業費については、二十四年度予育より六億余円も増額できたことは喜ばしい。  教育委員会法については目下一部改正を上程しているが、教育長権限をこれ以上拡大しようとする意図のものではない。  六・三制の完成計画については、計画としては種々立案したが、予算上から見て三年ぐらいで完成することはむずかしく思う。財政上の情勢を勘案してこのような計画を立てたわけだ。〇・七坪は確保しようと努力し、借校舎は返済して新築して行く方針である。  学術振興見返り資金流用については、見返り資金は自由勝手に使用はできず、指示による一定のわくがあるため、直接流用は困難であるが、見返り資金起債を引受けられるというようにして行きたい。  実業教育を重視せねばならぬことについては、全く同感である。新制度にかわつて軽視されているのではないかと一般に言われているが、制度そのものとしては必ずしも軽視しているのではない。実業教育総合化は好ましくない、できれば専門化して行くことがよいと思う。  教員に対する旅行割引制復活については、教員の二割引廃止されたが、学生については二割引が五割引にされた。旅費の地方補助はできるだけ出すべく予算にも計上されている。  私学に対しては財政上の問題として国家予算に計上することはできないが、学校金庫といつたようなものを設けて、融資の形で私学復興経営振興に寄与すべく、目下真剣に検討努力している。  標準教育費はできるだけ高くし、確保して行けば問題はないと思うが、目下の財政状態ではただちにできないが、なるべく努力したい等の答弁でありました。  次に厚生省所管予算について問題となりましたのは、社会保障制度に対する考慮がきわめて博いとの質疑に対して、政府としては社会保障制度審議会設置して早急に結論を出すべく、目下慎重に研究を進めているとの答弁でありました。  また病院施設設備等の不完全な折から、国立病院特別会計設置は時期尚早で翻るとの問題について、施設設備等の完全な病院から見れば、必ずしも満足なものではないが、徐々に充実をはかるつもりでいるとの政府側答弁があり、オープン・ホスピタル・システムの構想については、理想ではあるが、ただちに実現はむずかしい。政府としては目下それに似た医療法人法の提案を準備中であり、山口県に一箇所そのようなものがある等の答弁でありました。  次に労働省所管予算に関して問題となつたのは、失業者雇用量についての質疑があつたのに対し、政府側答弁によりますと、見返り資金活用により、三十万人程度雇用量増加が見込まれ、また民間産業振興による増加は、全産業を含めて大体八十万人程度を見込んでいるとのことでありました。これに対してさらに二十五年度予算からの雇用対策が楽観的であるとの質疑に対し、失業対策費が多いか少いかは問題であるが、必ずしも楽観的な態度ではないと答え、次に労働基準法は各所で違反が多いが、これは労働者が法律に無知であるのと、基準局予算が非常に少いからである。労政局印刷費二千三百万円が基準局予算より多いのは、どうしたわけかとの委員意見の開陳があつて労働省所管審議終了分科会における討論採決は本委員会に讓るごとにいたした次第であります。  以上をもちまして第三分科会報告といたします。
  11. 植原悦二郎

  12. 池田正之輔

    池田(正)委員 予算第四分科会に付議されました農林省及び通商産業省及び通商産業省所管昭和二十五年度一般会計特別会計及び政府関係機関予算審議経過を御報告申し上げます。  第四分科会は二月十七日、十八日の二日間にわたり慎重審議いたしましたが、質疑は主として予算委員会において触れなかつた事項質問することにいたしました。  農林省所管質疑応答は次の通りであります。主食の二合八勺にいつごろから増配するかとの質問に対し、政府側より二合八勺増配は絶えず努力しているが、占領下においては二合七勺が限度のように思われる。それよりも根本的に食生活の改善が必要である、米のみに依存せず、他の方法でカロリーを増すことを考えるべきだと思うが、さしむき量を増すかわりに質的改善をはかりたい旨の答弁がありました。  次に明年三月に食糧配給公団廃止されるが、配給方式をどう切りかえるかとの質問に対し、政府側より食糧配給公団は来年三月末をもつて廃止するが、本年度中に公団解体作業をやる、まず小売公団機構よりはずすが、その方法としては、消費者の登録によつて小売業者を定め、次に卸業者機構整備し、一県複数制をとる、政府卸業者と取引する、具体的方法は目下研究中である旨の説明がありました。  次に肥料補給金削減による肥料値上げは、一月に二割、三月に一割五分、八月に三割五分と分割的に値上げされるが、米価の値上げとの調整をどうしてやるかとの質題に対し、政府側よりバツク・ペイで調整する旨の答弁がありました。  次に最近牛乳の値段が著しく下落し、農民は畜産に対し不安の念を抱き始めた、これは米国より多量の粉乳が輸入されるためだとのことであるが、政府はどう思うかとの質問に対し、政府側より、従来家畜の増産を奨励して来た結果、増産意欲が高まりつつある際、その熱が、さめては困るので、外国粉乳が、不当に圧迫すれば、これに対応した策を講ずる、今日までの牛乳の値段は、家庭用としては少々、高過ぎるではないかと思つている旨の説明があげました。  また鉄道運賃の値上げは木材に影響はないかとの質問に対し、政府側より、最も影響をこうむつたのは北海道材で、目下鉄道当局へ特別割引を交渉している旨の答弁がありました。  そのほか農業協同組場合、蚕糸、早期供出、供出割当、農村工業、農業手形、農業金融等に関し質問がありましたが、政府側よりそれぞれ応答がありました。詳しいことは速記録で御了承願います。  次に通商産業省所管質疑でありますが、その大要を述べますと、まず貿易関係でローガン構想に基き、日本政府に移管された外貨六千七百万ドル及び五百万ポンドのごときわずかな外貨資金では、政府予定している輸出六億ドル、輸入九億ドルのごとき巨額の取引はむずかしいと思うかどうかとの質問に対し、政府側より、日本と、ドイツとの現在置かれている事情は異なつているので、ドイツで行われたローガン構想をそのまま日本でも操作するのではなく、日本としてはローガン構想を取入れ、国際情勢、海外市況を見守りつつ、適切に操作している、外貨資金は主として、バーター方式がとられているから、大体移管された外貨資金予定通りの額は契約できる旨の答弁がありました。  次に技術科学振興研究問題でありますが、十年も遅れているといわれているわが国の技術水準を向上させることは、急務中の急務であつて、これなくしては産業復興も、輸出振興もあり得ないと思うが、政府はこの点に重点を置き、研究費並びに特許、新案に対し助成、奨励金を思い切つて出すべきであり、ことに新興化学合成樹脂糸繊維に対しては、もつと積極的に研究を進めるべきであると思うがどうかとの質問に対し、政府側より、その必要性は十分痛感しており、二十五年度には十分とは思わぬが、昨年度に比べて研究費を増額した、合成樹脂繊維に対しては、政府としては大いに期待をかけ、民間の研究と相まつて努力する旨の答弁があり、また醋酸ビニール及び塩化ビニール繊維の現状及び民間各社別の増産計画を数字をあげて説明がありました。  また電力再編成問題について質問がありましたが、政府側より懇切丁寧に今日までの経過並びに現状の説明がありました。  そのほか滞貨処理、滞貨金融中小企業金融、輸出信用保険制度、電力料金等の質問がありましたが、それぞれ政府より答弁がありました。詳しいことは速記録で御了承願います。以上をもつて質疑を終り、討論採決予算委員会に留保することとなりました。  これをもつて第四分科会審議に関する経過報告を終ります。
  13. 植原悦二郎

    植原委員長 第五分科主査尾崎末吉君の報告を求めます。尾崎末吉君。
  14. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 第五分科会審議経過及び結果について御報告いたします。  本分科会において審議いたましたものは、運輸省、郵政省及び電気通信省所管予算でありまして、去る十七日、十八日の二日間にわたり、それぞれ政府側より提案理由の説明を聴取の上、慎重に審議いたした次第であります。この間委員諸君は政府委員と終始熱心かつ活溌なる質疑応答をかわされたのであります。  今幾多の問題となりましたもののうち、主要なものについて述べてみますと、まず運輸省所管予算につきましては、船舶運営会改組の意味、新設予定の商船管理委員会による統制継続の時期、新方針による節約額いかんとの質問がありました。これに対して政府側からは、昭和二十五年度から内航と五千トン以上の外航とを自由体制に移し、帰還輸送と五千トン以上の船舶の外航のみを統制することになつた、このために船舶運営会を改組して商船管理委員会を新設するが、この管理委員会による外航の統制は諸種の制約があるので、講和締結以前には、その撤廃は困難である、五千トン以下の外航の統制廃止による節約額は、三十八億円である、との答弁がありました。  次に外航用船舶の新造計画及び雇用船問題につきましては、目下A型戦標船等の改造と約一万重量トンのもの二十九隻の新造を計画中であつて、これらが完成すれば、明二十六年三月には外航適格船は八十五、六万トンになる、造船金融としてはA型船の改造費の七割、新造船の経費の五割は、見返り資金から融通され、残額は市中銀行の融資によらねばならない、見返り資金による金利は七分五厘であるが、それでも造船費中に占める金利の比率は、外国の三、五%に対して、日本ほ二〇ないし二五%の高率である、この金利高が、鋼材の値段が高いのとあわせて国際競争上における日本の弱点となつている、雇用船については、いろいろ話があるが、現在では時期尚早と考えている、しかし日本人が乗つて運航すれ、ば船賃が安くなるので、今後は新造船と裸用船の二本建の方針で進みたいと思うとの答弁でありました。  この他に船賃引上げの問題、港湾予燃の削減問題、機帆船用の算料の割当配給減少問題、及び帰還輸送その他の諸問題につき盛んな質疑が行われました。次に国鉄の予算につきまして、見返り資金による四十億円の使途いかん、定期券の割引余地なきや。給与ベースの引上げは可能か等の問題について質疑がありました。これに対して政府側答弁といたしまして、見返り資金により建設資金は、信濃川の山辺発電所に二十三億円を充当する予算が決定ししいるだけで、残余は未定である。定期券の割引は全面的に改正することは困難であつて、三箇月と六箇月定期券についてのみ、前者は一割、後者は一割五分方の引下げを実行したい。その実施時期は、通行税の廃止時期と勘案して、やりたい。給与ベースについては、能率が上り、収益が上れば待遇をよくするのは一理あることであるが、国鉄と政府の他の行政基幹との均衡も考えねばならない等のことでありました。さらに債券を発行して、これを関係地方住民に消化させその資金で電化工事を行う意思があるか、また独立採算制を堅持しつつ、関係地方住民消化の債券発行によつて、戦時中線路をはずしたもの、索道が完成したもの、または未完成のもの、すでに路盤ができ上がつているもの等について、これを建設する方針がないか等の質問に対しては、債券を発行したいが、それには予算措置を必至とするから、これを国会できめていただきたい。また均衡予算建前をとつているので、新線計画は中止になつている。しかし債券の発行等によつて、これを徐々に実現する機運に持つて行きたいと思うとの答弁がありました。  以上の質疑のほかに、国鉄の機構改革、電化計画、輸送計画、バス及びトラックの路線問題その他について質疑応答がありました。  郵政省所管予算につきましては、増収対策いかんとの質疑に対して、郵便収入は赤字の傾向にあるので、節約と増収に努めている。本年度予算額よりも十数億円の赤字になるが、実際上は、それだけ支出を削減するから赤字にはならない。二十五年度は本年度実績にかんがみて予算を編成しているから、赤字にはならない予定である。なお年末のお年玉はがきによる増収は三億円であつて、はがきに広告をすること等にまる増収策も検討中であるとの答弁がありました。  このほかに、郵政、電気通信両省の分離による経費の増加、郵便事業復興計画、待遇改善問題その他について熱心な質疑がなされました。  電気通信省予算につきましては、市丙電話の復旧策いかんとの質疑に対して、漸次回復に努力しているので、既に設電話線の状態も来年度には戦前のようになるものと思う。さらに電話料の滞納はどんな実情にあるかとの質問に対して、滞納額は七、八千万円になるが、これは主として官庁方面の滞納であつて、至急納入方を嚴重に督促中であるとの答弁でありました。  次に電話公債の処置をどうするかとの質疑については、政府側より本年度において毎年五億円くらいをそれぞれ抽籤によつて返還し、残額の三十七億円も償還計画を立てて、逐次返済したいとの答弁がありました。  以上のほか各般の問題について、活発に質疑応答がかわされましたが、第五分科会に付議された予算案の審議は、その討論採決予算委員会に讓ることとし、一昨十八日夕刻これを終了した次第であります。  以上をもちまして簡単ながら第五分科会審議経過並びに結果についての報告といたします。
  15. 植原悦二郎

    植原委員長 これにて主査の報告終了いたしました。理事会申合せによりまして、二十七日午後一時より予算委員会を開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十五分散会