○小金
委員 なおこの地下資源の開発あるいは
増産につきましては、同僚
議員からの
質問もありますし、また
予算の分科会でお尋ねすることにいたしまして、次に私は工業技術の振興に関して通産大臣あるいは関連して文部大臣にお尋ねいたします。
昭和三十五年度の工業技術振興に必要な経費として合計十億九千百七十万円、この
程度が計上されております。工業技術庁及び通商産業省で使う金が二億二千五百十八万四千円、各試験
研究機関において八億六千六百五十一万六千円もこういうふうに計上されまして、二十四年度
予算額の七億四百四十五万八千円に比較しますと、三億八千余万円の増額ということに相な
つております。ことに工業化試験費補助が一億円、鉱工業技術
研究費補助が三千万円、こういう新規の助成が行われるように
承知いたしておりますが、
日本は御案内の
通り領土が非常に小さくなり、
従つて資源も減少しております。私が冒頭に申し上げましたように、世界は一時インフレーシヨンである。通貨と物資の均衡が破れて、私は精神文化と物質文化の均衡も破れていると思う。
日本は特に
人口と資源との均衡が著しく破れまして、
人口と資源との
関係から見ますと、これは大きなインフレーシヨンであります。そこで
日本の
経済の復興とかあるいは国力の回復というようなことは、ことごとく科学あるいは工業の技術の向上にまつ以外にない。すでに御
承知だと思いますが総司令部の技術顧向のアッカーマン博士は、技術の力によ
つて資源を増加することは、世界の何人も誤解を指摘しようとしない領土の拡張であると言
つている。われわれはこの
人口と資源とのアンバランスを直すには領土の拡張ではいけない、しかしながら領土的なものを広げない限りは
人口を養うことかできない。その領土的なものは何かというと技術である。この技術の拡大強化については、世界の何人も疑問あるいは誤解をしないのだということになると、
日本人がすべての精根を打ち込む余地のある問題は、この技術の向上進歩以外にはない。これは非常な精密な技術から、ごく原始産業的な技術にまたが
つて非常に広汎なものでありますが、どうしてもこれを振興する以外に
方法はない。これはひとり技術白がいうまでもなく当然
考えられる問題でありまして、この点についてこそ私は非常に大きな国費を投じても当然やるべきことだと
考えております。しかし全般の国の財政の限度がありますので、その範囲内において三億八千万かを二十五年度はふやしたということで、その点は大いに了といたしますが、工業技術の振興に関する外国の例を見ましても、昨年度アメリカでは国家の総支出に対して一・五〇%、すなわち一分五厘を出しておるようでありますが、
日本では一%はおろか〇・二八%しか支出していない。これは
国民に復を減らしてはいかぬ、家がなくては困る、暴風が来てはたいへんな災害が起るから、その暴風雨の防備をしなければいかぬ、あるいは災害の復旧をしなければいかぬというときでありますから、やむを得なか
つたとは言いながら、アメリカのような資源のゆたかな、領土も非常に広い国におきましてさえ一・五〇%出している、
日本はわずかに〇・二八%しか出していない。これは非常に大切な問題でありまして、第二次世界大戰が勃発する前に、各国の軍備の比率を見ますと、ドイツでは総
予算の何パーセント、イギリスでは何パーセント、アメリカでは何パーセントであるのに
日本ではその率が少いというので、国防
関係の
方面からずいぶんつつ込まれて、だんだんふえて行
つてああいうことにな
つたのでありますが、アッカーマン博士は工業技術費の
関係においては、何ぼふやしても大して危険はないと言うのであります。しかしながら言う人に言わせれば、その工業技術があまり発達すると原子爆弾から水素爆弾にな
つて、遂にはとんでもないものが発明されてしまう心配があると言うのでありますが、そこは先ほど私が文部大臣にお尋ねし、かつ要求申し上げましたように、精神文化——つまり人の気持の方の対策をして行けば、ワッカーマン博士が言われるように国際的な疑惑もないし、また
国内の動揺も、あるいは暴力化する心配もないような技術の向上ができると思う。そこで
ただいま申し上げましたように、
日本の
予算の中で工業技術
関係の経費は重要性を持
つているのですから、これは何とか増額して、能率をさらに上げてい
ただくようにしなければならぬのでありますが、今通商産業省の所管で、各種の工業試験
研究機関がございまして、この技術
研究費補助として三千万円ほどあげてあります。これは民間のインスティチュートに出されるものでありましようか。もしそうであるならばどういう予定がありますか、聞かしてい
ただきたいと思います。