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1949-12-20 第7回国会 衆議院 予算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十日(火曜日)     午前十一時四十五分開議  出席委員    委員長 植原悦二郎君    理事 小峯 柳多君 理事 庄司 一郎君    理事 苫米地英俊君 理事 川上 貫一君    理事 圖司 安正君       江花  靜君    小金 義照君       小平 久雄君    坂田 道太君       周東 英雄君    田中 啓一君       西村 英一君    船越  弘君       松野 頼三君    松本 一郎君       南  好雄君    稻村 順三君       西村 榮一君    水谷長三郎君       北村徳太郎君    中曽根康弘君       村瀬 宣親君    林  百郎君       深澤 義守君    米原  昶君       奧村又十郎君    小坂善太郎君       山本 利壽君    松本六太郎君       黒田 寿男君  出席政府委員         (主計局長)         大蔵事務官   河野 一之君         (鉄道監督局国         有鉄道部長)         運輸事務官   石井 昭正君  委員外出席者         日本国有鉄道経         理局長     三木  正君         専  門  員 小竹 豊治君 十二月一日  委員深澤義守辞任につき、その補欠として山  口武秀君が議長指名委員に選任された。 同月二日  委員風早八十二君辞任につき、その補欠として  神山茂夫君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員野坂參三君神山茂夫君及び山口武秀君辞  任につき、その補欠として川上貫一君、深澤義  守君及び林百郎君が議長指名委員に選任さ  れた。 同月十四日  委員丹羽彪吉辞任につき、その補欠として永  井英修君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  委員福田昌子辞任につき、その補欠として武  藤運十郎君が議長指名委員に選任された。 同日  理事風早八十二君の補欠として川上貫一君が理  事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  政府職員に対する年末臨時手当支給に関する説  明聽取  日本国有鉄道公社職員に対する年末給與に関す  る説明聽取     —————————————
  2. 植原悦二郎

    植原委員長 これより委員会を開会いたします。  第七回国会最初委員会開会にあたりまして、委員長として一言ごあいさつを申し上げます。  今国会昭和二十五年度予算審議も間近に迫り、委員会としても相当多忙のことと存じます。委員各位におかれては特に御精励をしていただきたいのであります。委員会運営については、前国会同様各位の格段の御協力を願いたいと思います。この機会委員長といたしまして切にその希望を申し上げて御了解を得ておきたいと思います。  この際お諮りいたしたいことがあります。去る二日理事風早八十二君が委員辞任いたされましたので、理事補欠を選任いたしたいと存じます。これは先例により委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 植原悦二郎

    植原委員長 御異議なければ川上貫一君を理事にお指名いたします。     —————————————
  4. 植原悦二郎

    植原委員長 これより政府職員に対する年末臨時手当支給に関し、説明聽取することにいたします。河野主計局長
  5. 川上貫一

    川上委員 議事進行に関して発言を求めます。この説明を承ります委員会は、職員の年末給與に関する問題でありますが、これはただ幾らの金を幾らくれてやるというようなことだけの問題ではなくて、非常に大きな政治的な意味を含んだ問題だと思う。すなわちこの問題は、労働者が食べられるか食べられぬかというだけの問題ではなく、その及ぶところは日本の経済、産業の再建に関する問題である。きわめて私は重大な問題だと思う。もちろん本日は議案があるわけではありませんから、説明を聞くのでありますけれども、この説明はわれわれは政治的な意味において承りませんと、事務的な御説明ならば新聞で承知しておる。またほかのところでも発表されておる。ぜひとも大蔵大臣おいでになつて大蔵大臣からこの御説明を承らぬと、この会を開いた意味はないと思う。こういう意味におきまして、私はぜひ大蔵大臣の御出席を願い、大蔵大臣から御説明を承るように、委員長においておとりはからいくださるようにぜひお願いいたしたい。
  6. 植原悦二郎

    植原委員長 今川上君の議事進行に対しての御意見がありましたが、予算委員としては審議いたすべき案を持つておらないのであります。いずれも二十四年度予算の運用にも関係いたすことでありますが、その予算はすでにこの予算委員会においては通過いたしております。それだから参考のために、この委員会においては政府の処置を聞くという程度であります。大蔵大臣出席があればなおけつこうでありますけれども、大蔵大臣は直接この問題に関係のあります委員会出席されておるのでありますから、もし機会がありましたならば御出席を願うことにいたしますが、本委員会におきましては、一応政府当局説明聽取することがしかるべきだと思います。
  7. 川上貫一

    川上委員 委員長のお言葉ではありますが、われわれが承りたいのは、ただ事務的なことを承りたいのではありません。なるほど議案としては提出されてありませんけれども、この問題が、さきにも申しますように、ただ事務上の問題ではなくて、政治的な問題であるということは、委員長も十分御承知通りであろうと思います。それでありますがゆえに、この説明というものは、ただ数字がこうなつておるとか、こういうぐあいにやりくりをやつて出すなどという説明はわれわれは聞きたくない。どういうお考えで、どういう政治的な見解で、また将来いかなる見解政府は持たれて、こういうことをやられたかということの説明を承りませんと、予算委員会としては問題にならぬと私は思います。そこでぜひとも大蔵大臣の御説明をお願いいたしたい。なおかつ大蔵大臣がただいいまよそで非常にさしつかえがあつて、どうしても来られないというならば、時間があつたらという問題ではない。この問題についてはわれわれもご質問申し上げたい点もある。それにつきましても主計局長、こういうところではさつぱりつまらぬ。よく大蔵大臣にお聞きしなければならないのでありますから、ぜひおいでを願いたい。このとりはからいをしてもらいたい。それから説明も、この時間にどうしても聞かなければならぬというりくつはない。この問題は、説明を聞くのならば、数日前からも開けておるはずであります。時間が遅れてもかまいません。大蔵大臣が今おさしつかえであるならば、大蔵大臣の時間がおつきになりました時分に開いてもけつこうなんです。ぜひ私大蔵大臣から御説明をお願いいたしたい。これを委員長に特にそうおとりはからいになるようにお願いいたしたい。
  8. 植原悦二郎

    植原委員長 委員長としてお答えいたします。御趣意はよく了承いたしました。了承いたしましたが、この予算委員会には案がありません。今のあなたの御趣意は、本会においても、またこの問題が直接案を持つて審議されておるところにおいても、全部その目的は達し得られると思います。案のある委員会においてさようなことは政府にただすのが当然であります。しかも本会においていかようにもあなた方おただしになる機会があるのであります。この予算委員会といたしましては、参考のために聴取するというだけで、この予算委員会には案がないのであります。しかし御趣意ごもつともでありますから、大蔵大臣が都合がつきますれば、さようなことのできますようにとりはからいます。しかしただいまの場合は、政府主計局長から一応参考のためにこの委員会としては説明聽取することが当然だと思います。
  9. 中曽根康弘

    中曽根委員 私は別のことで委員長の御所見を承りたいのであります。ここの参考資料の中にもありますように、日本国有鉄道に対して十五億円という金を出すことが記載されてあります。この公共企業体に関する給與裁定の問題で、過般来運営委員会あるいは労働委員会において一番問題になつた点は、公労法十六條と三十五條の解釈の問題であります。昨月の末弘仲裁委員長の証言によつてもわかるように、あの裁定というものは、当事者に対して債権債務を生ずるものだ、しかも公共企業体労働関係法を作成した理由は、公務員罷業権を剥奪する、そのかわりに公務員に対する保護的な法律を作成するという意味であれをつくつた、従つ政府としては罷業権を剥奪した反面に、最後まで公務員のめんどうを見るという趣旨を貫かなければならない。そこで三十五条ないし十六條の解釈の点において、政府予算を添付して国会に提出しなければならぬということが含まれておる。これは仲裁委員長をやつておる末弘博士の御見解であり、われわれの見解でもあります。従つて公共企業体労働関係法に関する裁定審議というものは、これは労働委員会所掌事項ではなくして、予算委員会所掌になるべき事項である。それを労働委員会にかけたということは、裁定前文に関する定義とか、あるいはそういう問題を審議すべきであつて、この裁定内容自体については、むしろ予算委員会審議すべきである。その際には当然政府から予算案というものが添付されておらなければならぬ。そういうことが事実行われておらない。これは予算委員会の権限を無視し、予算委員会というものをまつたく無視した行為であろうと思います。われわれはこの信念を持つて讓らない。予算委員長としても、この予算委員会の権威のために、一応御所信の開陳があつてしかるべきであろうと思います。このことは将来公共企業体労働関係法を適用される一般公務員の生活にも影響するところであり、法規の解釈にも影響するところであつて、一応予算委員長としての正式の御所見を承りたいと思います。
  10. 植原悦二郎

    植原委員長 予算委員長としては、末弘博士中曽根君と意見を異にするものであります。
  11. 中曽根康弘

    中曽根委員 御意見を異にするという結論だけを承りましたが、どういう理由で異にするかという理由を明確にして、われわれを納得さしていただきたいと思います。
  12. 植原悦二郎

    植原委員長 政府としては労働委員会その他に付するのは当然で、政府ははつきりと同委員会において政府所見を述べておるわけであります。予算委員長としてはそれと同一意見であることを御承知願いたいのであります。
  13. 中曽根康弘

    中曽根委員 政府政府であつて国会国会であります。予算委員長政府に隷属する地位を持つておるのではありません。従つて政府考え方を無條件にのむことは、予算委員長としてそういう見解をおとりにならぬことを希望する。予算委員会あるいは国会というものは、自分の独自の見解でこれをさばかなければならぬ。予算委員長はどういう自分主体的意見をもつて政府に同調するのか、その意見を私は承りたい。
  14. 植原悦二郎

    植原委員長 予算委員長は何事についても政府に従属はいたしません。常に予算委員長として独自の見解を持つて進んでおります。この場合に末弘博士の申しておることとは、予算委員長意見が違う。予算委員長の独自の意見は、この場合においては政府同一であるから、特に説明する必要なしと御了解願いたいのであります。
  15. 中曽根康弘

    中曽根委員 その理由を御説明願いたい。理由は言わないで……
  16. 植原悦二郎

    植原委員長 政府でしばしば説明しておる通りであります。ここでそのために時間を費すことは、かえつて大勢の方に御迷惑と存じます。河野主計局長
  17. 米原昶

    米原委員 議事進行について……。先ほど川上委員の要求いたしました件でありますが、一応主計局長から説明を聞くとしましても、問題は先ほどの話の通りに……
  18. 植原悦二郎

  19. 米原昶

    米原委員 違います。附加しておきたいことがあります。政治的の問題でありますから、当然この質疑の過程では、大蔵大臣説明を要求しなければならぬと思います。でありますから、ただちに大蔵大臣の御出席を要求するようにとりはからつてもらいたいということと、さらに運輸大臣と、地方公務員の問題も重要な関係がありますから、地方自治担当木村国務大臣の御出席も特に要求いたします。
  20. 植原悦二郎

    植原委員長 ただいまお答えいたしましたことで盡きておると思います。政治的の問題であることは了承いたします。この問題については政治的意味も相当含まれておることを承知いたします。但しさような問題は、本会において諸君が十分論議さるべき機会があると思います。また直接これに関係しておる案がその委員会にかかつて、今そこで審議されておりますから、そこであなた方を代表するところの政治的議論は、いかようにも御議論なさる道があるのであります。この予算委員会においては案を持たないのであります。ただ一応念のために——そういうことは面接案のある委員会、あるいは本会において進行さるべきことでありますけれども、ここでも一応政府説明を聞いておくことが、皆様方に御便宜だとしてこれをとりはからつたのであります。案がないのでこの委員会は開いても開かないでもさしつかえないのであります。ただ大勢の方に幾分の便宜をおはからいいたした方がよろしいと委員長が考えまして、案もないのに特にこの委員会を開いたことを御了承くださるならば、今の議事進行に関しての皆様方の御意見は、すべてお答えできると思います。
  21. 川上貫一

    川上委員 議事進行と、それから了承できない点があるので、一言だけ……
  22. 植原悦二郎

    植原委員長 同じ質問でありますならばやめてください。ここでは議事進行に関する論議をいたしておるのではありません。
  23. 川上貫一

    川上委員 論議をするのではありません。委員長の言われた言葉について二言し、なお議事進行について一言だけ言いたい。
  24. 植原悦二郎

    植原委員長 どういうことですか。
  25. 川上貫一

    川上委員 委員長がここには大蔵大臣は来ないでもよろしいと言われたことがわからぬ。この問題の説明になぜ大蔵大臣が来ないでもよろしいのであるか。一体何を聞くのです。この点は委員長にはおわかりだと私は思うのです。何か他に事情があるか知りませんが、これがおわかりにならぬような委員長ではないと私は敬意を表しておるのであります。大蔵大臣がどうして来て説明をしてはいけないのかということなんです。
  26. 植原悦二郎

    植原委員長 お答えいたします。大蔵大臣おいでになつて説明すればけつこうでありますけれども、この問題が当面しておる委員会その他でお忙しい場合においては、特に大蔵大臣を煩わさないでも、政府の今日まで取扱つたところの事実を説明していただけばよろしいのであります。政治的の問題はあなた方本会においても、この問題を直接審議に当つております委員会においても、十分に御論議できるはずだと思います。もちろんそれだから大蔵大臣がここへ出ないでもよろしいとは私は申しません。来て説明してもらえばなおけつこうでありますけれども、ただ事実だけの聽取でありますならば、政府を代表する当事者ならばよろしいとして、委員長はこの会をはからつたわけであります。どうか御了承願います。河野主計局長
  27. 河野一之

    河野政府委員 今回御審議をお願い申し上げております政府職員等に対する臨時年末手当につきまして、その支給の大綱を御説明申し上げ、さらにこれに関連しての予算上の措置を申し上げてみたいと存じます。  政府職員に対する臨時年末手当支給に関する法律案が別途今国会に提出されておるのでありますが、この臨時年末手当支給につきましては、この法律のみでなしに、一般公務員と、国家公務員法にいう公務員でないものと二つございまして、現在出ております法律は、国家公務員に対する分なのでございます。国家公務員以外の分につきましては、予算上の措置として支給ができるというような、現在法制上の建前になつております。まず法律に出ております国家公務員についてでありますが、これは一般職特別職とあるのでありますが、一般職と大体同様な事情にある特別職については、これを支給する、かつ一般職のうちでもいわゆる名誉職というふうに、——名誉職と申しますと語弊がありますが、家族手当支給を受けておられない一般職に属する高級の職員につきましては、これを支給することを考えておりません。たとえて申しますと、一般職にあります検事総長、次長、検事検事長といつたようなところについては、これを除外いたしております。特別職につきましては、大体支給するのでありますが、今申し上げた一般職の除外される者と同様な者につきましては、これを除外いたしておりまして、かつ一般職特別職を通じまして、常時勤務に服する者についてはやるというような法律建前にいたしてございます。  臨時年末手当の額でございますが、これは給与月額——この給與月額には俸給、扶養手当勤務地手当というようなものが入るのでございますが、この三分の一の額それから、さらにこれに七百円を加えた額ということに原則として相なつております。しかし最高を五千円で切るということにいたしております。最低は千五百円ということに相なりまして、千五百円から五千円までの間で支給せられることに相なるわけでございます。但しこの額につきましては、勤務期間によつてかえる予定でありまして、六箇月以上の者につきましては、これを全額支給いたしますが、勤務期間が三箇月ないし六箇月の者については、その六割、それから勤務期間が三箇月未満の者については、三割というふうに考えております。勤務期間計算でありますとかその他技術的な問題につきましては、総理府令をもつてきめられる予定でございます。  これは法律によつて支給せられる者の問題でありますが、そのほかに、この法律によらずして予算上の措置でできる建前の者に、各種の政府機関があるのでありまして、復興金融金庫でありますとか、あるいは閉鎖機関整理委員会であるとか、証券処理調整協議会職員とか、船舶運営会職員国鉄裁定につきましては、裁定の一部を履行するというようなことで、現実の支給につきましては、裁定趣旨従つて団体交渉等によつて決定せられるのではないかと思いますが、大体この趣旨支給せられることを期待しているような次第でございます。公団職員につきましては、一般公団はすべて一般職でありますが、食糧配給公団のみが現在特別職となつておりますが、これは法律で、食糧配給公団職員についても支給するような建山をきめてございます。  次にこれに要する経費の問題でありますが、半分の方の紙に一応手当支給所要額とその財源を出してお示し申し上げておるのでありますが、まず一般会計におきまして人員が約四十万人、單価二千九百二十円、所要額が十一億七千万円ということに相なつております。特別会計が四十九万一千人、單価が二千七百三十二円、所要額十三億四千万円、国鉄が五十万一千五百人で単価が三千一円、所要額が十五億五百万円、公団その他でありますが、三十八万九千人、單価三千四百九十九円、所要額十三億六千二百万円となつておりますが、この数字は、実は一応の予算的な措置を講ずる上のものでありまして、頭打ち、すなわち五千円というところがなかなか計算上出て参りませんので、一応平均單価をとりまして、それに対して三分の一と七百円をかけた計算でありまして、公団については三千四百九十九円という数字が出ておりますが、公団給與は比較的高いのでありまして、五千円の頭打ちになる者が非常に多いと思われますので、この数字相当下つで参るというふうに考えるのであります。一般会計特別会計につきましては、これは級別定員というようなものがございまして、その中数をとりまして、五千円頭打ちのわかるところは落して計算したのでありますが、公団につきましては、そういう級別定員がございませんので、予算單価一本でありますので、実情がなかなかつかみにくい点がございまして、一応予算的な措置としましては、この程度の金額を予定しているので、従つてこの單価は、正確に支給せられる單価というふうには参らぬことを御了承願いたいと存ずるのであります。  次にこれに対する財源措置でありますが、これに関連しましてはも補正予算を提出いたしませんで、既定の本年度予算範囲内をもつて支弁する、これには財政法上及び予算の操作において許されております範囲内において移用、流用等措置を講じまして、支給をいたすというふうな考え方にいたしております。もう一枚の紙に各会計別人件費物件費その他の内訳を大体あげておるのでありますが、人件費節約のできましたのは、主として今後年度内職員の補充を原則的にやめるとか、あるいは現在の欠員をそのままにするということを考えておるからであります。また行政整理関係で、予算で組みましたより定員法定員が少かつたというようなことにより、経費の余剰が出ておるわけでございます。それから退官退職手当につきましても、当初予算におきましては、平均單価計算いたしたのでありますが、一般会計におきましては、割合に若い人がやめたというようなことがございまして、精算いたしますと多少余りが出たというような関係になつております。旅費、事務費その他ここに詳細に掲げてありますが、共済組合交付金に多少余裕が出ましたのは、非現業組合に対しまして、四月から長期の給付をやるよう予定いたしておりましたところ、法律が遅れまして十月から施行というようなことになりましたので、この点で多少経費の不用になるのが出たのでございます。この計箕は予算上の一応の計算でございますが、この範囲内において全体の支給額はとどまるというふうに考えておる次第でございます。
  28. 植原悦二郎

    植原委員長 次に、日本国有鉄道公社職員に対する年末給與に関して説明聽取することにいたします。石井国有鉄道部長
  29. 石井昭正

    石井政府委員 国有鉄道職員に対します年末手当でございますが、これは御承知のように、ただいま国会で御審議願つております国有鉄道職員に対します仲裁裁定の一部として履行さるべき性質のものでありまして、一般公務員の年末給與の補給とはその性質を異にしておるのではないかと思うのであります。この裁定の結果といたしまして、ご承知のように本年末までに三十億、来年一月から三月まで毎月五億円、合計十五億、会せまして四十五億円の支出をすべきことが裁定により指示されているのでございます。これについては、予算上支出可能は部分は、ただちに裁定の効力を生じます。さらに支出不可能なものについて、国会の御審議を願うことになつております。しかしながら国有鉄道の本年度予算内におきましては、この点に対する財源について三通りの段階が考えられるのでございます。第一は国有鉄道自体におきまして、何らの拘束もなしに自由にこの裁定に従うために支出し得る予算でございますが、これは残念ながら今日の国有鉄道経理上では一文もないわけでございます。次に、既定予算範囲内におきまして、項目等流用をいたしましてこれに充てるべきものでございます。それは予算上可能な額ではございますが、この額を可能とするためには、大蔵大臣の承認を要するわけでございます。この件について、いろいろ国鉄経理内容等を検討いたしました結果、御承知のように先国会において貨物運賃八割値上げを行い、かつ一般会計よりも三十億程度の借入金を受けまして、収支の均衡をとりました。国鉄予算におきましては、節約流用等をすべき経費はきわめて僅少なのでございますが、裁定最終的決定である趣旨にかんがみまして、経営全般を再検討いたしまして、予算を検討いたしました結果、ようやく十五億五百万円の流用可能分の確定を得たわけでございます。そのうち石炭の節約によりますものが五億六千三百万円、工事勘定の総掛費節約によりますものが七千八百万円、修繕費節約あるいは繰延べ等によりまして生み出した分が八億六千三百万円でございます。修繕費をいたずらに繰延べますことは、国鉄運営に多大の支障を来し、ひいては列車の安全運転等にも影響を及ぼしますので、運営支障を来すようなものは繰延べない。なお修繕費を一時繰延べることによつて八億六千万円余を捻出いたしまして、これを流用して今回支出することにいたしたわけでございます。その残りの二十七億余でございますが、これは予算上不可能な支出となりますので、目下国会の御審議を願つておるという次第でございます。  はなはだ簡單でございますが、十五億五百万円の財源は大体以上のような状況になつております。
  30. 植原悦二郎

    植原委員長 これに対して何か……
  31. 庄司一郎

    ○庄司委員 主計局長にお伺いいたしたい。地方公共団体の職員並びに義務教育関係の教育職員等に対する年末手当は、新聞で拝見すると、一時都道府県等が適当に立てかえ拂いでもしておつて、そのうちに政府が適当なる予算措置を講ずるというように読んだのでありますが、政府はその予算措置について、どういう構想を持たれておるか。都道府県の地方公務員及び教職員等に対して、政府は半額だけの責任を持つというが、その額はどのくらいになる見込みであるか、こういう点を伺つておきたいと思います。
  32. 河野一之

    河野政府委員 今回の臨時年末手当支給につきましては、国の方において予算節約いたしまして、その範囲内で支給することにいたしております。地方団体におきましても、同様な方針でその経費を捻出していただくことを期待しておるわけであります。地方団体としてはどの程度の金がいるか、概算約百二十万人程度でありますので、三千円といたしますれば三十六億ということになりますが、地方職員給與の点から考えまして、むしろそれより下まわるではないか、三十四、五億程度ではないかというふうに考えております。まだ確定的な数字を得ておりませんが、その金額は原則的に、地方予算の中から節約して出していただきたいというふうに考えております。ただ義務教育関係のものにつきましては、こういう年末手当について二分の一を負担するというようなことは、法律上定められておるのではございませんけれども、従来人件費につきまして、半額程度を負担したというような、慣例と申しますか、そういうことからいたしますと、何らかめんどうを見るべき筋合いであるとも考えられるのであります。しかし本年度予算といたしまして、財源と見るべきものが現在のところありませんので、年度末までの間におきまして、いろいろ検討いたしまして善処いたしたいというふうに考えておる次第であります。
  33. 庄司一郎

    ○庄司委員 御趣旨はわかるのですが、政府が都道府県の長あるいは教育委員長であるとか、そういう方面に何らか公式に告示をされなければ、地方においても善処することがあたわないと考えておるのですが、ただいまのような御答弁では、地方の公共団体の職員あるいは小学校、中学校、高等学校のような義務教育関係の教職員等は、たいへん不安な心理状態に陷るのじやないかと考えておりますので、もつと責任のある、地方関係者に安堵を與えるようなもまた都道府県の知事等が確信をもつて財源を捻出しあとうような、あるいは地方の銀行に一時借入れを頼むとか、そういう方面においても、地方金融機関が安心して金を出し得るような措置を、講じられるような段取りには行かないものでしようか。今伺えば何か非常に心細いのです。そういうことでは地方の知事等が金のくめんもできないじやないかというふうに考えておりますが、いかがでしようか。
  34. 河野一之

    河野政府委員 地方団体の職員の分につきましては、閣議決定にもあります通り一般国家公務員に準じて支給せられることを期待するということになつております。国と地方団体との関係は、いろいろ密接な関係がございますが、これをぜひ支給せいというふうに申すわけにも参りませんので、この辺は非常に漠然とした申し上げようをいたしたのでありますが、私どもといたしましては、地方の公務員につきまして、やはり同じような方針で支給していただきたいと思つております。この財源が問題になるわけでありますが、これは先ほど申し上げましたように、できるだけ経費節約をしていただく、また今回配付税も相当増額せられたというような点もありますので、そういう点も考慮されまして、できるだけ現在の経費を捻出し、あるいは歳入の調達等の方法を講じて、支給していただきたい。国の方でもできるだけそういう方面についての御便宜と申しますか、そういうふうな努力をいたすべきであると考えております。
  35. 庄司一郎

    ○庄司委員 どうも安心ができません。閣議決定において、都道府県の予算などを善処する、あるいは経済化をはかつて出せるようにということを、ただ精神的に御期待なさるだけでは、はなはだ心もとないのでありますが、そういう点におい、何とか断固たる処置をとられて、せめて当該予算の半額は政府が確信をもつてやるのだ、遅れても年末までにやるとか、あるいは一月の末までにやるから一時繰り合してやれというような、も強いお声がかりができるような措置をとつていただきたいという気持でございますが、これはそういう見通しがはつきりしておらないのでしようか。期待するだけという精神的の御希望だけでは、どうも納得が行かないのでありまして、もとより本委員会は直接議題を持つておりません。にもかかわらず、委員長は、予算委員会としてはこれを他山の石として傍観しあたわないという深い関心を持たれて、この常任委員会を御招集なされたのでございます。そういう趣旨を尊重して、政府の断固たる措置と、地方に対して半額の交付金を間違いなく與えるというような、明るい見通しを本委員会を通してはつきりしてほしいと思うのであります。今朝登院してみますと、私のケースの中にこういうはがきが入つておりました。これは私の郷里の宮城県刈田郡小原村立小学校佐藤千代子という、私の未知の小学校の女教員の方のはがきでありますが、「こよいも風が出て来ました。もう職員室の時計は六時を打ちました。これから一里の道を歩いて七時、家の人たちは貧しい食卓を囲んで私の帰りを待つているでしよう。正月が来るのに、もちの一かけらさえ私たちには望めないのでしようか。働けば働くだけ人生が楽しめる、これが地上の天国ではないでしようか、教員のため。惠まれない一般公務員のため、また私ども地方において働いている者のために」——特に予算という言葉が入つております。「予算上の適当の措置を講じていただきたいということを、はるかにお願い申し上げるものでございます。」こういうはがきがけさ入つておりましたので、非常に胸を痛めておるのでありますが、今政府委員のお言葉だけでは、まことに心もとなく、不安にたえないのであります。まだこの委員会は継続すると思いますが、よく御相談の上において、地方職員や小学校教員等に、一般国家公務員と同様な待遇を與え得るような、適当な措置を講じていただきたいという希望を述べておきたいと思います。
  36. 小峯柳多

    ○小峯委員 ただいま庄司委員から御質問になつた点でありますが、予算上の措置がきまりませんでも、何か金融的な手を打つてやりませんと、年末に間に合わないだろうと思うのですが、措置措置として、金融的な手を打つてやるお考えはあるのか、その準備はどうであるか、その点をお伺いいたします。
  37. 河野一之

    河野政府委員 今度の補正予算で九十億という配付税の配付金が計上されたのでありますが、当初予算予定された配付税の予算のうち、一月に配付する予定の七十億円を繰上げて十二月に配付することとし、残り九十億円をでき得れば一月ごろ配付したいというふうに考えております。それから小峯委員のおつしやいました金融的な問題についても、そういう処置ができないものか、目下いろいろ考えております。ただ庄司委員の言われたことでありますが、一般地方公務員については、これは従来の建前から行きまして、国がこれに対して財政負担をするわけにはちよつと参りかねると思うのであります。義務教育費の関係につきましては、従来の慣例その他を考えますと、政府としてなおざりにするわけには参りませんので、これは今回の措置に伴つて、国が従来の慣例から負担すべき分につきましては、適当な機会において財源を調達いたしまして善処いたしたいというふうに、現在の気持としては考えている次第であります。
  38. 植原悦二郎

    植原委員長 補正予算で九十億交付金をまわしたのは、この二十四年度内のことでしよう。
  39. 河野一之

    河野政府委員 そうでございます。
  40. 植原悦二郎

    植原委員長 そこで今お話の七十億は至急地方へ交付してやる、新たにまわした九十億は、すぐ金融上の措置はつかないが、それが得られるということになれば、地方でも義務教育費の問題ばかりでなく、ある程度九十億幾らか増額できると思つておつたんでしようけれども、九十億というはつきりした交付金が具体的にまわされると思つておらないのだから、それらのやりくりで地方の当事者が考慮すれば、どうせ入つて来る金だから、幾らか地方の公務員に対してもゆとりができて来るのじやないですか。
  41. 河野一之

    河野政府委員 おつしやる通りでありまして、先ほど申し上げました七十億というのは、当初予算に載つておりました五百七十七億のうち、七十億が一月に配付される予定になつております。九十億の分は、当時補正予算のときにも御説明申し上げましたように、地方の財政の実情を見て配付するというふうに申し上げましたので、そのつもりでおるのでありますが、少くとも二割程度のものがふえることに相なるのでありますから、そういう点も考慮して、その当てがついておるわけでありますから、委員長の言われますような措置が十分できるのじやないかというふうに考えております。
  42. 植原悦二郎

    植原委員長 ほかに御質疑もないようですから、当委員会はこれにて散会いたします。     午後零時三十一分散会