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1950-03-16 第7回国会 衆議院 本会議 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月十六日(木曜日)  議事日程 第二十五号     午後一時開議  第一 国が有償で讓渡した物件略奪品として沒收された場合の措置に関する法律案内閣提出参議院送付)  第二 麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第三 簡易生命保險法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第四 郵便年金法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第五 郵政省設置法の一部を改正する法立案内閣提出参議院送付)  第六 法務設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 文部省設置法の一部を改正する法立案内閣提出参議院送付)  第八 造幣庁特別会計法案内閣提出)  第九 証券取引法の一部を改正する法案内閣提出参議院送付)  第十 財政法の一部を改正する法律案内閣提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  積雪寒冷地帶に対する負担妥当公正化に関する決議案渡邊良夫君外四名提出)  日程第一 国が有償で讓渡した物件略奪品として沒收された場合の措置に関する法律案内閣提出参議院送付)  日程第二 麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第三 簡易生命保險法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第四 郵便年金法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第五 郵政省設置法の一部を改正する法案内閣提出参議院送付)  日程第六 法務設置法の一部を改正する法立案内閣提出)  日程第七 文部省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第八 造幣庁特別会計法案内閣提出)  日程第九 証券取引法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十 財政法の一部を改正する法律案内閣提出)  公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案内閣提出参議院送付)     午後一時十八分開議
  2. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) これより会議開きます。
  3. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、渡邊良夫君外四名提出積雪寒冷地帶に対する負担妥当公正化に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  4. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  積雪寒冷地帶に対する負担妥当公正化に関する決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。鍛冶良作君。     〔鍛冶良作登壇
  6. 鍛冶良作

    鍛冶良作君 ただいま議題になりました決議案につきまして、各党各派関係議員を代表いたしまして、その趣旨弁明いたします。  まず案文を朗読いたします。    積雪寒冷地帶に対する負担妥当公正化に関する決議   国土の約六〇%を占める北海道東北信越北陸地方及びその他の積雪寒冷地帶は、人口密度も低く、住民窮乏を極め、産業の開発、文化の普及がはなはだしく遅れている。その原因は自然的悪條件によることもとよりながら、政治の分野において、これら地帶住民に対する歴代政府施策がその当を得なかつたによることも大であると言わなければならない。   平和的新日本建設のためにも、人口及び失業問題解決のためにも、この地域に住む総人口の三〇%を占める住民の上に公平なる考慮を拂い、その生業に安んぜしめる必要がある。   今回税財政制度画期的改正当り、これら積雪寒冷地帶に対して、国税並びに地方税負担公正適正化平衡交付金合理的配分とを図るために次の諸事項に留意せられんことを要望する。  一 本地方二千四百万全住民積雪寒冷による不可避な生活損耗並びに中小商工業者事業経費増高等に対しては、その実態基礎として、税制並びにその運用に際して適正なも軽減施策を講ぜられたい。  二 地方財政平衡交付金測定標準及び政令によつて定められる補正係数算定に当つては、特に恒年的なるが故に等閑視された積雪寒冷による行政費用損耗及び増高等を考慮し、各地域実態の充分なる認識に基き、貧困なる自治体に対する財源付與の公正を期せられたい。    右決議する。  御承知のように、今日の日本にいて、国土の六〇%を占めている北海道東北北陸信越地方は、積雪寒冷という自然条件の占める比重がきわめて大きな地帶でありますが、この自然條件によりまして、生産は振わず、消費文化等各般にわたつて著しく不利な立場にあることは、いまさら申し上げるまでもないところであらます。しかるに、従来からの政府施策は、遺憾ながら全国画一的に行われております結果、住民所得が少いにもかかわらず租税重課となり、地方財政貧困をきわめているにもかかわらず、ますます困窮の道をたどつておりまして、住民及び公共団体が、みずからの力でこれを救済することは、ほとんど不可能の状態に追い詰められております。いわゆる自然的立地條件から参ります農業経営形態單作となり、地形及び地勢條件から、過重な労働力増役となりまして、経営面積が大きいにもかかわらず、耕地の利用が制約される結果、職業所得従つて非常に低位になつておるのであります。  このような低位農業を主体とし、特に主食の生産県といたしましては、その所得の把握が容易でありますために、租税公課比重がきわめて大きくなつております。特に單作でありますために、收入時期のずれによつて金融難がまた大きな制約を與えまして、この制約農民貧困を増さしめるだけでなく、中小商工業者事業にまで大きな支障を與えております。  次に、積雪及び寒冷に基因いたしまして、一般住民の受けます生産並びに生活損耗が非常に大きいという現実であります。この生活損耗を含めました家計費課税標準所得から控除されず、また増加する事業経費が、控除がないために課税対象となつているのであります。  日本積雪連合におきまして、この積雪寒冷によります生活損耗実態を調査いたしました結果を申し上げますれば、本年二月の現在価格で計算いたします場合、まず積雪量〇・六メートル、温度零度を基準といたしますれば、世帶主一人二千三百六十二円、実態調査によります消費單位を用いた五人家族の場合では千三百八十一円、さらに積雪量一・二メートル、温度零度を基準とした場合におきましては、世帶主一人三千百四十八円、同じく家族五人の場合九千八百九十六円となりまして、今回更改される基礎控除額二万五千円に対しまして、その相損耗額の占める割合は三〇%ないし四〇%でありまして、これが控除されないために、この損耗額が、かえつて課税対象となつているのであります。シヤウプ勧告は、重複課税の存在を排除しております。従いまして、かかる増高経営費に対しましては、損耗火態額特別控除がなければ、絶対に税負担均衝と公正とは期し得られません。  さらに中小商工業におきましても、積雪によります輸送の問題、さらに倉庫費荷積卸費工場保金等多額の出費を要しにいる実情が、ほとんど考慮されていないのであります。この実情は、法人税につきましても言い得るところでありまして、農業新得におきましても、経営損耗費額は、一方におきまして支出となる反面、他方におきましては課税対象となる、二重の窮乏となつている実情を、とくと御認識を得たいと存ずるものであります。  今回、積雪寒冷地帯官公吏に対しましては、積雪寒冷なるがゆえに生じまする生活費増高に対しましては、特に議員立案をもつて生計補助として寒冷地給給與措置が講ぜられました。しかし、これは官公吏だけが特定に増高糊する生計費を要するわけではなく、農民中小商工業者も、すべて積雪寒冷地に住む全住民同一増高する生計費で苦しんでいるのであります。このような二重負担が、このまま推移した場合を考えてみまするに、寒冷地帯に住む住民生活水準及び経済的懸隔はいよはいよ大となりまして、積雪寒冷地帯住民並びに自治体経済力をますます貧困ならしめる結果となるのであります。この実態にかんがみまして、今回の税制改革にあたり、必要経費算定基準を明確にするともに、生活損耗及び事業増高経費に対し特別控除措置法制化することを特に要望いたしたいのであります。  次に地方財政平衡交付金に関する問題でありますが、地方財政がきわめて貧困であることは全国的の事実であります。特に積雪寒冷地帯は、その窮乏がはなはだしくなつております。今、昭和十五年より昭和二十年に至ります間の、積雪寒冷地帯地方歳出経費を見まするに、人口一人当り平均は百七十四円であるのに、その他の三十四府県は平均二百五十一円となりまして、その比率は約七〇%となつておりますが、この低位であるという事実は、国の施策に対応いたしますよう運営の事務費負担しながら、そして頻発いたします風水害や、積雪寒冷による経営的損耗をも負担しておりますため、住民公共施設生活水準が、きわめて恵まれない環境あるのであります。これらの損耗負担は、温暖地方におきましては当然積極的経費に転じ得る財政支出でありますが、本地方におきましては、このような制約のために、実質的内容がきわめて貧困であります。これは、まつたく国の画一的であり、かつ不合理な施策によるものでありまして、今回若干考慮されるやに聞き及んでいる六・三制補助の場合を考えましても、年間六十日に及ぶ根雪期間を持つ積雪地帯屋内運動場が、本校舎とともに必須のものであるあるにもかかわらず、全面的に考慮されていなかつた事実を指摘いたしたいのであります。さらに積雪荷重による建築費問題等実情に合わないため、地方公共団体経費が、温暖地方に比して窮迫することは、あらためて説明をする必要もないところであります。  現在、地方自治体は、あらゆる行政面で最低の行政標準経費の実行を要請されておりますが、この要請に伴う地方財政というものは、その地方財政力とはまつたく関係なく、かつ全国画一的に、しかも固定的に負担をいたさねばならない結果、積雪寒冷に基く需要の増加とともに、まことに、少い地方歳出経費がさらに重圧を受けて、自治体貧困ならしめているのであります。率直に申し上げるならば、積雪寒冷地方のほとんどは、もはや自治体独自の経理によりましては、対処いたす方策がまつたくなくなつているという実情を、真剣に認識していただきたいのであります。今回、地方財政平所交付金法立案にあたつては、行政標準費用算定の場合、とくと、この自然條件及び貧困をきわめている地方財政実情勘案されまして、適当なる財源を付與するとともに、住民をしてその所を得しむるよう御盡力を願いたいのであります。  本決議に対しましては、さきに一道十一県の議会並びに知事より、関係の向きに対し、六項目にわたる意見書採用いたしております。本議員は、要望項目中、特に所得税研基準算定における特別控除法制化並びに地方平衡交付金気合理的配分を取上げまして、趣旨弁明を試みた次第であります。本問題に関しては、第六回国会におきましても東北振興に関する決議が上程され、岡司議員より、同問題に関し詳細な趣旨弁明がありましたが、今回の税制改革法案化に際しまして、重ねて積雪寒冷地方実情を披露いたしこれが実現を強く要望するものであります。  最後に、新しい日本は、従来の外延的発展をやめ、もつぱら内包的充実に力を注ぎ、文化的平和的日本再建しなければならない事情に当面しております。このためには、国家基盤である住民及び地方自治体の健全なる発展なくしては真の再建は期し得られません。その意味におきまして、積雪寒冷地方をしてその所を得せしむること、今日ほど急なるはないと信じます。  われわれ積雪寒冷地帶還出衆参議員は、先般、百六十余名結集して積雪寒冷地帶両院議員連盟を組織し、科学的調査基盤として、その地方住民要望にこたえんとしておるのであります。政府は責任を持つて積雪寒冷地帶住民及び地方自治体の熱烈なる、要望にこたえられるよう、万遺憾なき措置を講せられんことを強く要望いたしまして、趣旨弁明いたします。(拍手
  7. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。八百板正君。     〔八百板正登壇
  8. 八百板正

    八百板正君 私は、各党提案にかかる、積雪寒冷地帶に対する負担妥当公正化に関する決議案に対し、日本社会党立場はもちろん、超えては日本経済の、再建立場から強て賛成意見を述べるものであります。  この問題は、要約いたしますならば、寒いところは暖かいところより生活費よけいにかかる。また農民中小商工業者も、何を生産するにいたしましても、必要経費が余分に必要である。この分を税制改革の中に織り込んで不公平を直すことが必要である。ちようど官公吏に対する寒冷地手当というものがあるように、この精神寒冷地の全住民に及ぼすべきであるという趣旨であります。  まことに、この積雪寒冷地損失を数え上げて参りますならば、きりがないのでありまして、現に昨日、私の方の福島県会津から、農業食料調整問題で国会に陳情に参りました代表の話によりますと、この国会議事堂の永田町の高台は、外套もいらない、春日うららかなるひよりでありますのに、それに引きかえ、あちらでは、積雪何尺というまつ白な田畑を、雪火がぴゆうぴゆうと吹きまくつておるという話であつたのであります。ここをもう少し南へ西へ下つて参りますならば、梅の花は散り、菜の花は咲き、桜の花が開きかかつておるのるであります。こういうふうに春がおそいのに、また一方寒さは、ひとしお早くやつて来るのでありまして、西国、南国などでは、まだ白い服を脱ぎ捨てぬ九月、もう寒い霜がおりるという次第であります。しかも、この雪の期間もかなり長いのでありまして、新潟では、二十箇年平均を見た根雪期間は百六十日に及んでおると調べ上げられておるのであります。これでは一年の半分は雪と寒さにとざされておるともいえるわけであります。  寒いから着物もよけいにいる、燃料もいる、食い物もカロリ—が多くいる。家もいたむ、手数もかかるというわけでありますが、それに比べて收入は少い。土地も悪い。一毛作しかとれない。働ける時間も少い。また行政上の両から見ると、川一本、道路一本考えましても、よけいにいたむ、災害も多いというわけであります。ある人の話によりますると、道路が半年雪の中に埋まつておるのならば、半分は使わないのであるから、かかりも半分で済むだろうというふうなことを述べられたそうでありますが、とんでもないことでありまして、このためにいたむ損失といいものは、かえつて非常に大きいということをお知りいただかなければならないのであります。ところが税金はと申しますると、これは画一的にかけられて参るのでありまして、負担の点からは重いということになり、それがまた従来は、東北方面等におきましては、課税目標よりも上まわつた徴收がされているという実情であります。すなわち二十二年、二十三年の徴税実績を見ますると、東京や大阪の国税局におきましては、多くて一〇〇%、少いところは七〇%ぐらいしか税が納まつておりませんのに、東北仙台国税局などを見ますると、一二〇%から一三〇%近ぐ、税金目標を突破しておるといいことがわかるのであります。これは正直者を特にいじめろという、かつて税務官吏の安価な能率主義にもよるものでありましようが、何と申しましても、積雪寒冷地生産所得が單一で、平面的で、税をとりやすいどういうことが大きな原因となつておると考えられるのであります。  さて、かようなわけで、寒冷地は特に貧乏いたしております。これは、日銀の最近のお金の分布状態を調べた発表によつてもわかるのでありますが、平衡交付金につきまして、シヤウプ勧告によれば、財政について最もゆたかな市町村と最も貧しい市町村とでは、十対一の開きがある、この不均衡の埋合せをはかる必要があるという趣旨が述べられておるのであります。平均としては、それほどの数字はもちろん出ませんが、積雪寒冷地一道十一県の地方歳出費昭和十五年から二十年の統計で、人口一人当り百七十四円となつております。これは先ほど趣旨弁明の中にもありました通りであります。山形、福島などにおきましては百三十二円、新潟につきましてほ百二十九円という数字がでておるのでありまして、雲のない温暖地三十四県の平均二百五十一円と比べてみますならば、ざつと半分ということに相なつておるわけでありまして、これだけ地方財政が貧乏しておるということがいえるわけであります。従いまして、住民もそれだけ貧しいわけであります。これは数字をあげますまでもなく、われわれが、たとえば東京駅、上野駅というようなところに行つて見るところでありますが、南の方や西の方に向つて行くお客さんと、東北方面信越方面に乗つて参りますお客さんの客権を見ましても、直感的にそういうことが感ぜられるのであります。  貧困地方では、どうしても苛酷な税金となり、しかも、かように程度の低い行政作用をようやく維持できる程度であるのに対しまして、富裕な地方においては楽々と税金が納められる程度で、しかも高い水準地方行政が可能である。平衡交付金が、このふつり合いを埋めるためのものであるということはシヤウプ勧告によつても込べられておる通りであるのであります。この精神は、当然積雪寒冷地に対する平衡交付金の上においても具現せらるべきであるのでありまして、これは、その測定標準を立てる基本項目として取上げられなければならないものであります。たとえば補正係数などで、ちよびり天井から目薬というような形でもつて取上げらるべきものであつてはならいと思うのであります。すなわち、人力のいかんともできない、自然から来るところのものであるから、災害同一に考えらるべきものであると私ほ考えるのであります。  これは地方財政に対する交付金交付の面から、困るところによけいに厚く出せという意味のものでありまするが、税の徴収の面につきましても、先ほど来、趣旨弁明によつて述べられました通り積雪寒冷地の悪條件に対しましては、税の軽減という形において調整せらるべきものであると考がえるのであります。すなわち国税徴收の上においては、税制基礎控除として寒冷地控除をなすべきものであります。当局におきましては、主張はもつともだが、現在の段階では制度的に複雑で困難であるというようなことを述べられておるのでありますが、これは、やればできることであります。  今日、日本の遅れた農業をほうりつぱなしにして、低米価、低貸金の政策を今後も強行いたし、この方式で資本の蓄積をはかつて参りますならば、それはかえつて日本経済の破滅を招くであろうことは、予見するにかたくないのであります。(拍手)このやり方は、一番遅れておる農業農民水準まで日本の全体の経済水準を引下げて行くということを意味するものでありますが、この遅れた職業の中でも一段と遅れた不公平をしいられておるところの積雪寒冷地農業を見殺しにするということは、さらに日本経済水準を、いやが上にも、最も遅れた寒冷地農民水準まで引下げるという役割を演じて行くことになるのであります。すなわち、ソーシヤル・ダンピングの素地を深めるものであります。従つて、これは日本文化切下げ運動役割を果すものと考えなければならないのでありまして、やがては温暖地におられます人々をも不幸に導く原困をつくつて行くものであり、日本発展のために断じてとらないところと申さなければならないのであり、これは日本民主国家としての再建方式を決定するにあたりまして、きわめて重要なる事柄でありまして、單に寒冷地だけの問題ではないということを、われわれは考えたいのであります。  以上、本決議案に対しまして賛成意見を申し述べる次第であります。(拍手
  9. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 高橋清治郎君。     〔高橋清治郎登壇
  10. 高橋清治郎

    高橋清治郎君 ただいま議題となつてお。ます、各派共同提案積雪寒冷地帯に対する負担の要当公正化に関する決議案に対しまして、私は民主党を代表して賛意を述べるものであります。(拍手)  すでにこの議案に関しましては、趣旨弁明並びに八百板議員より数字をあげまして、みな発表されて、皆さんにお願いしたのでありますから、これ以上私は強調する必要はないと思うのであります。しかしながら、寒冷地帯住民が、いかに苛酷なる苦悩に呻吟しておるかという一つ実例を申し上げてみたいと思うのであります。  それは寒冷地帯における住民は、いわゆるお上の申しつけは必ず果すという、あきらめの観念にとらわれておるのであります。ゆえに、いかにもの所得が少くとも、收入が少くとも、課せられたる税金はどうしても納めるという観念であきらめておるのであります。そこで、その過重なる税金を納めるために、かわいい娘を売つて納税しておるのであります。この悲惨なる実例は、わが宮城県が、悲しいかな東北においてもその第一位を占めておるのであります。そのかわいい娘を売つて税金を納めるこの一つ実例に見ましても、いかに寒冷地帯人々が苦しんでおるか、暖国の方と寒国の方と画一的に待遇されるということは、はなはだ妥当でなく、公正を欠いておるということを、皆さんによく知つていただきたいと思うのであります。たとえて申しますならば、今回官吏寒冷地帶に対する給與の問題が講ぜられることになりましたが、この法案をさらに拡大いたしまして、この寒冷地帶住民勤労者農民並びに中小工業まで及ぼすことを切にお願いする次第であります。  ことに東北割当電気料、いわゆる割当超過電気料に見ましても、九州においては、一キロワツト五円何がしの料金であります。東北においては、八円何がしの料金をとられるのであります。九州における料金は、九州が石炭の産地なるがゆえにという理由のもとに、かくのごとく料金が少いのであります。かくのごとく地域的にものを考えて、かくのごとき料金をきめるとするならば、この恵まれざるところの積雪寒冷地帯に対して特別公正なる減税をはかるべきは当然であると私は思うのであります。どうか政府におきましても、すみやかに、かくのごとき寒冷地帶に対する施策を講ぜられんこと並びにわが同僚の皆様方の熱意あるところの御賛成を得まして、すみやかに、かくのごとき公正な法制化がなされんことをお願いして、私は賛意を表するものであります。(拍手
  11. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと  認めます。よつて本案は可決いたしました。  この際、本多国務大臣から発言を求められております。これを許します。本多国務大臣。     〔国務大臣本多市郎登壇
  13. 本多市郎

    国務大臣本多市郎君) ただいまの御決議に対しまして政府の所信を申し述べたいと存じます。  ただいま御決定になりました積雪寒冷地帶に対する負担妥当公正化に関する決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、課税の面におきましても、必要経費算定に特段の考慮を拂いまして、負担妥当公正化を期したいと考えます。また一面、政府交付金につきましては、今回平衡交付金制度が確立されることになつておりますので、特にこの法律の中に規定を設けて積雪寒冷度に応じて標準財政需要額を高め、これに従つて交付金の額も増額されるような方法を講じて行きたいと考えておる次第でございます。(拍手)      ————◇—————  第一 国が有償で譲渡した物件略奪品として没收された場合の措置に関する法律案内閣提出参議院送付
  14. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第一、国が有償で譲渡した物件略奪品として没收された場合の措置に関する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎勝男君。     —————————————     〔岡崎勝男君登壇
  15. 岡崎勝男

    ○岡崎勝男君 ただいま、議題と相なりました、国が有償で譲渡した物件略奪品として没収された場合の措置に関する法律案について、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  外務委員会は、本案につき、三月一日委員会を開き予備審査を行い、三月十一日及び三月十四日委員会を開き、審議をいたしたのであります。  政府側の説明によりますれば、国がかつて有償で民間へ譲渡した物件が、後日政府によつて略奪品として没収された場合においては、政府は、同一物件を売つた後、無償でこれを取上げたこととなるので、善意の没収された者に対しましては、収納代金に相当する額を拂いもどしすることが妥当であるというのであり、また本法案対象となつています拂下げ物件は、主としてすず、鉛等の非鉄金属類、ミシン、自動車、工作機械、化学薬品、羊毛等である由であります。  次いで、各委員と政府側との間に質疑応答が行われましたが、まず委員側から、当核拂いもどしを受ける者は、その物件略奪品として没収されたもので、戦争の犠牲者である、しかるに、戦争犠牲者は他にも多数あるのに、この没収を受けた者だけが拂いもどしを受けることは公平を欠くのきらいはないかとの質疑がありました。これに対して政府側は、この法律の建前は、国が收納した代金をい不当利得の考え方に基いてこれを拂いもどすというので、没収された者の損失補償とは別問題で、従つて一般戦争犠牲者に対する補償とはおのずから趣を異にするのもであるとの説明がありました。また本法律に必要な予算的措置についての質問に対し、もし没収された者が、漏れなく代金返還を申請し、必要な証拠書類を提出できれば、この法律に必要な金額は大体七、八千万円に上る見込みで、昭和二十四年度において約六百万円を、また昭和二十五年度において約千四百万円を予算に計上したとの政府側の答弁がありました。次いで討論に入り、賛成意見としては、自由党仲内憲治君より、本案は国が不当利得の一種として被没収者を保護する意味で至当であるとて賛成せられ、民主党並木芳雄君も同趣旨を述べ、本案の運用には特に公正妥当な措置を要すとの警告を付して賛成せられました。反対意見としては、社会党福田昌子君、共産党聽濤克巳君よりそれぞれ一般戦争犠牲等もあるので、それらの均衡からいつても本法案を通過させることは妥当でない、また略奪品をして没収されたという問題は、平和條約締結後における補償の問題等とも関連があるので、平和條約の締結を待つて決定すべきであるというような意見が述べられましたが、その詳細については会議録に譲ることといたします。  かく討論は終結し、採決の結果、多数をもつて原案を可決いたした次第であります。つきましては、本院において本案を可決せられんことを希望いたします。  右報告いたします。(拍手
  16. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。福田昌子君。     〔福田昌子君登壇
  17. 福田昌子

    ○福田昌子君 私は、ただいま上程されました法律案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして反対の意見を表明するものでございます。  この法案は、対社会的ないろいろな現象と切り離して考えてみますると、その精神におきまして、まことに尊敬すべき法律案であるといわなければならないのでございます。しかし、これを国民生活のいろいろな現状と照らし合わせて考えてみますると、こういつた種類のものを、講和会議を迎えない、ただいまの現状におきまして、この法律の該当者だけに特別な措置をとるということは、いかにも先走つた法律案であり、また不公平なそしりを免れない法律案であると考えるのでございます。  思いまするに、こういつた拂下げ物件を譲渡されました人たちは、その中には、母子家庭とか、あるいは零細な個人企業家もあるのでございますが、大部分は、戦時中あるいは戦後の不当利得者であり、また統制官僚、あるいはかつての軍閥と結託いたしましたところの特権階級が多いのでございます。こうした人たちは、その当時におきまして、すでに持てるかいきゆうであつたのでありまして、今日におきましても、生活におきまして、さほど困窮した生活をしているとは考えられないのでございます。それにもかかわりませず、この法律の実施によりまして支拂わなければならない約八千万円の金額ともうしまするのは、これを予算のいかなる項目から支出するにいたしましても、結局は国民大衆の重税のもとにおいて負担したところの税金によつて支拂われるものでございます。この国民大衆の中には、物よりももつと大切な人名を戦争犠牲として供しましたところの遺家族があります。また母子家庭があります。あるいは財産におきましても、多額のものを外地に放郷したところの引揚者があるのでございます。さらにはまた、今日ただいまの生活ができずに、必要に迫られて、賃金ペースの値上について深刻にならざるを得ないところの勤労階級があるのでございます。  要しまするところ、この法律案は、こういつたところの一般大衆の負担犠牲におきまして、戦後の一部特権階級、不当利得者といい得る人たちに向かいまして、また新たに救済、補償しようという以外のなにものでもないのでございます。  政府は、さきに阿波九事件におきまして、国際法上当然請求し得るところの権利を放棄いたしました。今回また、戦後の一部不当利得者に対しまして、ただいま申し上げましたような、どろぼうに追い銭的な補償をしようとするのでございます。(拍手政府のこの態度と申しまするものは、まつたくキリスト教的、殉教的な、きわめて美しい、尊敬すべき態度であるかもしれませんが、私は、日本貧困国家財政と照し合せて考えてみますれば、あまりにもふつり合いな、高貴に過ぎるこの精神に対しまして、まつたく了解に苦しむものがあるのでございます。こういつた法律の裏に何ものかが伏在しておるのではないかという疑義をさえ、さしはさむのでございます。  また一方、この法律自体を考えてみましても、あまりにもあいまいな点がたくさんあるのでございます。まず第一におきまして、政府は、この処置を政府の不当利得の拂いもどしたと申しておりますが、こういつたことを、はたして不当利得と解決し得るものなりやいなやということに対しましても、私は疑義なきを得ないのであります。よし百歩を讓りまして、これを不当利得と認めましたといたしましても、この法律に実施によりまして支拂いをいたしました場合におきましては、同じ物件を取扱いました業者の中におきましても、多くの不公平が生ずるのでございます。なぜならば、この物資の転売あるいはまた機会の操業によりまして、その間に多くの利潤を生んでおるに違いないのでありますが、そういつた利潤に対しては何らの追求がなされていない。從いまして、第一、第二、第三といつたような中間の転得者は、これによつて大きな利潤を生むのでありますが、最後の取得者というものは非常な損害をこうむるというような不公平を、あえてまた強化するのでございます。  また、戰争犠牲者というような立場からこの法律案を考えてみましても、最も大きな犠牲を戰争にささげたものは戰死者であり、また遺家族、また母子家庭でなければならないのでございます。また金額の面におきましても、最も大きな犠牲をささげておるものは、外地に多くの財産を残して引揚げたところの引揚者であると考えられるのであります。この法律は、そういつた母子家族または遺家族、あるいは引揚者に対する措置をさしおきまして、まず第一に、この法律の該当者だけに対して政府の特別な恩典を施そうというのでありまして、私は、何がゆえにこの法律の該当者が、引揚者や、あるいは遺家族、母子家族に優先して救済されなければならないかということの了解に苦しむものでございます。こういうようなところに使いまする、八千万になんなんとする予算がおありでございましたならば、私は、これをもつと有効に使つていただきたい。たとえば、子供をかかえて今日の生活の路頭に迷う、一家心中の寸前にあるところの未亡人あるいは引揚者、さらにはまた、将来に多くの夢を持つておりながら、今日の学資において非常に困窮し、学ぶに学資がなく、勤めるに職のないところの青少年、こういつた青少年が、また近いうちには不良青少生あるいは犯罪者に転落するかもしれないところの、いわゆるゆゆしい不良少年の問題が、これに関連しておるりであります。こういつた問題に対しまする対策こそ、私は最も重点的に大切な問題ではなかろうかということを考えるのであります。  こういう意味におきまして、私はこの法律案に反対せざるを得ないのでございます。(拍手
  18. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 聽濤克巳君。     〔聽濤克巳君登壇
  19. 聽濤克巳

    ○聽濤克巳君 私は、この法案に対しまして、日本共産党を代表して反対意見を申し述べます。  この法案は、すでに今までの討論その他でおわかりになりましたように、外見上はどういうことになつておるかと申しますと、一旦政府から有償で拂い下げられた物件が、後になつて略奪品として沒收された場合に、その人たちに対しまして、收納金に相当する益額だけはやはり拂いもとしてやらなければならぬ、こういう趣旨のものでありまして、これは政府の言い分を聞きますと、これだけのことでありますと、いかにも一見合理的に見えるのであります。しかしながら、実はそれは、一目見たところ、うつかりすると、だまされるという性質を持つておるのでありまして、ここがこの法案の大きなへそであります。しかし実際は、すでに社会党の福田議員からも、はつきり証切明れましたように、この内容たるや、きわめて不合理、不当な法案でありますし、のみなちず、国民を誤らせるもはなはだしいものなのでございます。  まず第一に、略奪品と申しますけれども、われわれがどうしても明らかにしなければなりませんのは、その種類、数量、その金額などがどれくらいのものであるか、言いかえますと、その量と金目において、一体どれくらいの規模のものが略奪品として日本に流れ込んで来ておつたのかという事実は、だれでも第一に明らかにしたいと思うところであります。ところが、実は、このことが少しもわからないのであります。ここに、そもそも怪しいところが最初に現われております。  大体政府の説明を聞きますと、種類といたしましては、金銀塊からすず、銅、鉛、自動車、船舶、機械、工具、羊毛、薬品、こういう種類の、相当の量の、しかも戰略物資として陸海軍が非常に重要視した物資が入つて来ておることは明らかであります。ところが、これの数量や金額全貌というものは、幾ら委員会で政府をつつついてみても明らかでない。しかのみならず、この收納金を返してやると言つておりますけれども、その原簿もあるのやら、ないのやら、どうやらないらしい、こういうふうな、でたらめな状態であります。  大体政府の言つておるのは、国民に拂い下げない前に、すでに略奪品とわかつて返還させられたものが、大体三十億円あると言う。一体この評価も、どういうふうな評価が、どういうときに行われて、どういう單価による評価なのか、これもわかりません。しかし、ただこれだけ見ても、相当莫大なものがあつたという想像だけはできるのであります。しかも、なぜこういうふうな状態に対しまして、一見合理的に見えるような、こういう法案を出して来たか、実はここに問題があります。  私は、いろいろ調べて見ましたが、結局この問題たるや何かと申しますと、実は国会において、今までにしばしば問題になつた、あの不当財産事件をわれわれに想起させるものがあるのであります。なぜかと申しますと、政府もはつきり申しておりますが、この略奪品の拂下げが行われたのは、一生として戰後だそうであります。しかも、この略奪品は、先ほど私が指摘しましたように、明らかな戰略物資でありまして、これは当時、陸海軍が海外から強奪して日本に持ち帰つて、そうして軍手持の重要物資の一部に加えられておつたものに相違ございません。ところが、あの終戰の直後、東久邇内閣に一体何をやりましたか。終戰のあのどさくさのときに、連合国の目をごまかすために、軍の持つておりました重要物資一切は、あの緊急処分命令を出して、これを民間に分散、隠匿いたしました。これがいわゆる終戰後における、あの莫大な量に達する隠退蔵物資事件であります。この略奪品というものも、実はこの隠退蔵物資の重要な一部をなしておるのである。しかも東久邇内閣は、これに対する原簿を燒き捨ててしまつておる。政府が、これに対して調査のしようもないのは、あたりまえだ。原簿なんか持つておるはずはないのである。一体何を種にして、こういうでたらめな法案を出して来たのか、事実、この法案のねらいどころは、この明らかな隠退蔵物資に対しまして、おつかけて損害を補償してやろうという、まつたく不当きわまりない法案なのであります。  しかも、私がここまで申し上げれば、これ以上指摘する必要もないくらいでありますが、大体これらの行先はどこであつたか。つまり軍需会社であるとか、あるいは中央、地方のあらゆる種類のボスどもの手に入つてつてた。結局軍と官僚と結託したこれらの連中に入つて行つた。そうして、これらをもらつた連中が何をやつたかといえば、ほとんどただみたいなマル公で手に入れたか、中には大部分、相当な数が持逃げ同樣にして、実際に横から横に流されて行つた。しかも、こういうふうにして不当にして手に入れたものが、これが転売であるとか、あるいはこれを土台にしてやみ会社をつくるとか、これによつて不当な利得を得ておるということは明らかである。これは福田女史がすでに言つておるが、私も、ここでもう一ぺん繰返さなければならぬ。つまり、日本に昔からあることわざにいう通りだ。どろぼうに追銭とは、まさにこの法案のことだ。  しかも、この問題たるや、実は非常に国際的にまたにかけた大犯罪だ。なぜかといえば、他民族から貴重な物資を強奪しておいて、終戰後になつて軍、官僚、軍需会社などが結託して、そうしてこれを不当利得の源泉にしたという、実にこれは国際的な一大犯罪である。しかも、もし政府が主張するように、事情を知らぬ善意の取得者に対して、ほんとうに損害を與えないようにするというなら、なぜ終戰後の一大事件であるところのこの隠退蔵物資の全貌をまず明らかにしないのだ。このことを全然やらないで伏せておいて、そうしてこういう法案、どろぼうに追銭的な法案を出すということは、言いかえると、これは明らかに日本の官僚、軍、さらに政府の行つた大きな犯罪行為を、しかもこれが、あたかも国民の利益に合致するようなふうに見せかけることによつて、この犯罪行為を合理化しようとするねらいがあるのである。  しかし、もう一つ重要なことは、事実これは、賠償問題の一部として、平和條約の締結と同時にのみ解決される問題である。これは国際法的にいつても明らかに違法であります。これは結局、連合諸国に対しまして一大侮辱を與えておる。わが国が講和讓約を欲しておるこのやさきに、こういうことをやるというのが、実は吉田内閣の今現に着々行いつつあるやり方だ。  しかも、こういうやり方は、日本民族に対して、どういう印象を與えるか。皆さんすでに明らかであるように、ポツダム宣言下で、われわれが持つておる重要な義を、あるいは他民族に対しまして、あの侵略戰争によつて犯した犯罪に対するわれわれの大きな責任感、このことを国民に忘れさせ、麻痺させて、そのすきに、自由党並びに政府は、どういうことをやらしておるか、実際には戰犯の釈放を要求させるようなことをやらしたり、あるいは千島とか台湾とか、こういう連合国諸国ですでに決定しておる諸問題について、領土回復運動をやらせるようなことをして、結局戰争前の帝国主義的な、侵略主義的な排外主義の思想を国民の間に復活させつつある。明らかに、この法案たるや、事実これらのやり方と軌を一にするものでありまして、これは講和條約を事実上においてどんどん破壞しつつあるところの吉田内閣の政策の一環として、私は絶対に反対を表明するものであります。(拍手
  20. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。(「定足数がないぞ」と呼び、その他発言する者あり)本案の委員長の報告は可決であります。(発言する者あり)本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  21. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手、発言するものあり)      ————◇—————
  22. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日提第二、麻藥取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長堀川恭平君。     〔堀川恭平君登壇
  23. 堀川恭平

    ○堀川恭平君 ただいま議題となりました麻藥取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における密審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。  本改正法案の提案理由並びに内容を簡單に申し上げますれば、従来麻藥及び大麻の取締りは、各都道府県の吏員の中から厚生大臣が任命した麻藥取締員に司法警察権を與えて実施して参つたのでありますが、これが取締りに際し、取締員の身分関係は都道府県知事に属しており、その搜査の指揮の権限は厚生大臣に属しております関係上、国の一貫した取締行政を行うことが困難な状況でありますので、この欠陷を是正するため、麻藥取締員を官吏となし、もつて国の麻藥取締行政の徹底を期せんとするものであります。  本改正法案は、二月八日、予備審査のため本委員会に付託せられ、同二十四日、厚生大臣から提案理由の説明を聽取したのでありますが、三月十日、本付託となり、十三、十四の両日にわたり、麻藥取締りの実情、密輸入対策、麻藥中毒患者の措置、大麻の作付制限とその農家経済に及ぼす影響等の諸問題について、きわめて熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その評価は速記録について御承知願いたいと存じます。  次いで、質疑を打切り討論に入りましたところ、自由党を代表して大石委員より、農家における纖維資源としての重要性にかんがみ、大麻の作付制限については、その実施方法に善処法を要望して、本法案賛成する旨の意見があり、日本社会党を代表して堤委員より、一麻藥中毒患者は国家の責任において保護すること、二、大麻作付制限の実施方法を十分考究すること、三、ヒロポン、アドルム等の濫用防止につき適宜の措置を講ずることの希望條件をもつて、本法案賛成の旨の意見の開陳がありました。さらに日本共産党を代表して苅田委員よりは、本法案は取締りを名として国家警察の強化をはかる傾向あること、並びに麻藥取締り強化よりも中毒患者対策の方が急務であるとの理由をもつて法案に反対する旨の意見が述べられたのであります。  かく討論を終り、採決に入りましたところ、本案は多数をもつて政府原案通り可決すべきものと決定した次第でございます。  右御報告申し上げます。(拍手
  24. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  25. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  26. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第三、簡易生命保險法の一部を改正する法律案日程第四、郵便年金法の一部を改正する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求め言ます。郵政委員長石原登君。     〔石原登君登壇
  27. 石原登

    ○石原登君 ただいま一括議題となりました簡易生命保險法の一部を改正する法律案並びに郵便年金法の一部を改正する法律案に関し、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず最初に、政府の議案提出の理由並びに両法案の内容の概略を御説明申し上げます。  まず簡易生命保險法につきましては、加入者の保險的利益の万全等を期するため、次の諸点について改正しようといたしておるのであります。  第一に、被保險者が不慮の事故等によつて死亡した場合には、保險金の倍額を支拂うことになつておりますが、この倍額支拂いの條項は、ただいまでは、昭和二十四年六月一日以降の契約に限り適用されておるりを、この適用範囲を拡張いたしまして、昭和二十一年十月一日以降に締結された契約に対しましてもこの特典を認めようとするものであります。  第二に、従来、保險契約の効力発生後二年、復活の効力発生後一年以前に被保險者が死亡した場合には、保險金の金額を支拂うことなく、その一部だけを支拂うのを原則とし、災害まらは伝染病予防法第一條第一項の伝染病によるものに限り、例外としてその全額を支拂つておるのでありますが、同法第一條第二項により規定されている日本脳炎による死亡についても、最近における同病の発生状況にかんがみ、保險金の金額を支拂うことにしようといたしておるのであります。  第三に、保險契約の乘りかえ制限は、インフレの高進に対処いたしまして、加入者と政府と双方の利益のために設けられたものでありますが、その対象となる小口契約の整理は著しく進渉しておる反面、最近の経済情勢では、この制度を存置する必要がなくなつたので、この制度に関する規定を削除するとともに、昭和二十一年九月三十日以前の契約中には未整理の小口契約が残つているので、これらに対しては今後とも同制度を認めることにいたしておるのであります。  最後に、郵便年金法については、最近における経済事情の推移にかんがみまして、年金の最低制限額六千円を三千円に引下げるとともに、各種審議会の整理に伴いまして、両法を通じ、簡易生命保險郵便年金事業審議会を郵政審議会に統合することといたしておるのであります。  本委員会は、両法案の付託以来、法案提出の理由、内容等について詳細検討を加え、政府との間にも種々質疑応答を重ねたのでありますが、それらのすべては会議録に讓りたいと思います。  かくて委員会は、三月十四日質疑を打切つたのでありますが、その際、自由党を代表いたしまして加藤隆太郎君より、両法案の施行期日をそれぞれ昭和二十五年四月一日に改める修正案を提出せられ、討論を省略、ただちに採決に入つたところ、まず右修正案について、多数をもつて可決すべきものと議決し、次いで修正案を除く原案の残余の部分についても多数をもつて可決すべきものと議決いたした次第でございます。よつて法案は修正議決を見た次第でございます。  以上御報告申し上げます(拍手
  28. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  29. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り決しました。(拍手)      ————◇—————
  30. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第五、郵政省設置法の一部を改政する法立案日程第六、法務設置法の一部を改正する法律案日程第七、文部省設置法の一部を改正する法律案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありまするから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長鈴木明良君。     〔鈴木明良君登壇
  31. 鈴木明良

    ○鈴木明良君 ただいま議題となりました郵政省設置法の一部を改正する法律案法務設置法の一部を改正する法律案及び文部省設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会の審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  まず郵政省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、行政機構簡素化のため、郵政省の付属機関であります簡易生命保險郵便年金事業審議会を廃止し、同審議会の所掌事務を郵政審議会に移管することといたし、本年三月一日から施行しようとするものであります。  本案は、二月十五日、予備審査のため内閣委員会に付託され、同二十一日、政府の説明を聽取し、爾来、審査を進めて参つたのでありますが、二月二十八日、参議院の送付を受け、あらためて本委員会に付託され、質疑を重ねました結果、施行期日を四月一日とする修正案が提出され、三月十五日、討論を省略して採決の結果、多数をもつて修正案の通り可決いたしました。  次に法務設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。本案のおもなる改正事項は五つであります。  第一は、法務総裁官房の所掌事務に関する規定の改正でありまして、すなわち弁護士法の改正に伴い、弁護士及び弁護士会に関する事項を削除するほか、一、二の調整を加えようとするものであります。  第二は、法務府の付属機関として新たに検察研究所を設置せんとするものであります。すなわち、久しく大陸法系の刑事手続になじんで参りました現在の検察官に、英米法流の新刑事訴訟法の運用に遺憾なからしめるため、検察事務の高度の学理及び技術の研究を行わせる機関として、法務総裁の管理に属する検察研究所を東京都に設置しようとするものであります。  第三は、訟務及び人権擁護に関する事務が増加して参りました実情にかんがみ、従来これを取扱わない建前になつておりました地方法務局にも、法務局同樣これを取扱わしめようとするものであります。  第四は、前に申し述べました検察研究所の設置及び地方法務局の所掌事務の拡充等に伴いまして、第十七條の規定を改め、警察庁以外の法務府及びその所管各庁に置かれる職員のうち、検事をもつて充て得る職員の数を、二十五人増加して百十五人に定めようとするもりであります。  第五は、別表の改正であります。すなわち、別表二においては、司法保護事業審議会及び法務連絡協議会を廃止するとともに、弁護士法の改正に伴い、弁護士審査会に関する規定を削除しようとするものであります。別表三の改正は、地方法務局の所掌事務の拡大に伴うものであり、別表四は、一府県に一箇の刑務所を設置する方針に基きまして、福井、福島及び釧路の各刑務支所をそれぞれ刑務所に改めるとともに、麓刑務支所は、九州における唯一の女子刑務所である特殊性と、その施設の充実にかんがみ、これを刑務所に昇格せしめようとするものであります。  なお附則において、検察研究所、検事をもつて充て得る職員の数及び刑務所に関する改正規定は四月一日から、その他の規定は公布の日から施行する旨を定め、かつ関係法令の整理を行つているのであります。  本案は、二月二十七日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、法務委員会とも連合審査会を開き、質疑を行つた後、三月十五日、討論を省略して採決の結果、多数をもつて原案通り可決いたしました。  次に文部省設置法の一部をを改正する法律案について申し上げます。  本案において改正を加えんとするおもなるものは二つでありまして、いずれも行政機構簡素化を目的とするものであります。すなわちその一つは、文部省の地方支分部局として全国八箇所に設置されてあります文部省教育施設部出張所を廃止しようとするもりであります。同出張所は、従来国立学校の建築工事の設計及び現場監督並びに臨時物資需給調整法に基く物資に関する事務を取扱つて参つたのでありますが、近来、右のうち物資に関する事務は、統制の縮減等により減少することとなりましたので、この際同出張所を廃止することとし、国立学校の営繕工事実施指導等のためには、技術職員を全国の主要な国立大学数箇所に派遣しまして、事務の遂行に支障のないようにしようとするものであります。  他の一つは、従来文部省の付属機関として置かれてありました二十四の各種審議会等を整理統合して、十八に減じようとするものであります。すなわち、職業教育及び職業指導審議会を教育課程審議会に、青少年教育審議会及び労働者教育審議会を社会教育審議会に、またローマ字調査審議会を国語審議会にそれぞれ統合し、さらに教職員養成審議会及び教員検定審査会を統合して教育職員免許等審議会を教科用図書審議会及び教科用図書検定調査会を統合して教科用図書検定調査審議会をそれぞれ新たに設けようとするものであります。  本案は、以上申し述べました趣旨による関係條文の改正を行い、四月一日からこれを施行しようとするものであります。  本案は、予審査のため、三月一日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、審査をを進めて参りましたが、三月七日、参議院の送付を受け、あらためて付託されましたので、質疑を重ね、三月十五日、討論を省略して採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  32. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) ただいま議題になつております三案を一括して採決いたします。日程第五の委員長の報告は修正でありまして、日程第六及び第七の委員長の報告は可決であります。三案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  33. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告の通り決しました。(拍手
  34. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第八、造幣庁特別会計法案日程第九、証券取引法の一部を改正する法律案日程第十、財政法の一部を改正する法律案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事北澤直吉君。     〔北澤直吉君登壇
  35. 北澤直吉

    ○北澤直吉君 ただいま議題となりました造幣庁特別会計法案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法案は、造幣庁の事業を企業的に運営し、その健全な発達に資する目的をもつて、従前の特別会計を廃止し、新たに特別会計を設置いたしまして、一般会計と区分して経理するために提出されたものであります。こり法案の主要な点は、まず第一に、新たに補助貨幣回収準備資金を設置いたしまして、製造済み補助貨幣の発行高に相当する金額をこの資金として積み立てることといたしておる点でありまして、従前の特別会計におきましては、この金額は特別会計の歳入として計上されておつたものであります。なお回収準備資金は、大蔵省預金部に預け入れてこれを起用することができることとし、またこの資金をもつて引きかえまたは回収しました補助貨幣は、地金の価額もつてこの会計の資産とすることといたしております。  第二に、今回の新特別会計においては、製造済み補助貨幣の発行高に相当する金頭を歳入として計上することをやめますので、補助貨幣の製造に要します経費は、予算の定めるところにより、一般会計が負担してこの会計に繰入れることができることといたしております。  第三に、決算上の利益は原則としてすべて一般会計に繰入れるのでありますが、造幣庁の事業の企業性にかんがみまして、その一部を資本の増加に充て、残余を一般会計に繰入れることとし、決算上損失を生じました場合には、損失の繰越しとして整理することといたしております。なおこのほか、資本及び資産、運転資金、資金計画等について必要な規定を設けております。  以上がこの法案提出になりました趣旨並びにその内容の要点でありますが、この法案は、二月十八日、本委員会に付託されまして、三月四日、政府委員より提案理由の説明を聴取し、十四日及び十五日の両、各委員より、造幣庁の事業の内容、回收準備実金を設けた理由等について熱心なる質疑が行われ、政府委員よりそれぞれ答弁がありましたが、質疑応答の詳細ついては速記録に譲りたいと存じます。  次いで、討論を省略し、ただちに採決いたしましたところ、起立総員をもつて本案は原案の通り可決いたしました。  次に、ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。まず、今回改正案のおもなる点についてその大要を申し上げますと、その第一点は、証券業者及び証券取引所の健全化に関する諸規定を設けたことであります。すなわちその一は、証券業者は営業用純資本として最低額五十万円を常に維持しなければならないこととし、証券業者の資産の内容の堅実化をはかるとともに、投資者の保護を全からしめんとしたのであります。但し、現在の証券業者に対して、ただちにこの制限規定を適用することは適当でありませんで、二年後より適用することになつております。その二は、証券業者が営業または財産の経理状況に照し過当な数量の売買取引、不健全な方法による売買もしくは借入れをなし、または不良と認められる資産を有る場合においては、証券取引委員会は当該行為を制限し、不良資産を償却する等の命令をなすことができることとして、証券業者の健全化をはかることとしたのであります。その三は、盛衰のはげしい証券業の特殊性にかんがみ、損益の平準化をはかるため、証券業者の営業年度を六箇月より一箇年に改正することにしたのであります。その四は、登録取消しの処分を受けた証券会社の役員は、五年間証券会社の役員に就任できないこととる等、現在の登録拒否または登録取消しの條文の不備を準備したことであります。  次に弟二点といたしましては、シャウプ勧告にうたわれている線に沿いまして、証券取引法の規定により提出される貸借対照表、損益計算書等の財務書類について、その用語、様式及び作成方法に関する権限を証券取引委員会に與え、もつて不統一をきわめるわが国企業会計制度の整備に資せんとしたことであります。またこれらの財務書類は、それを提出する会社と特別の利害関係のない公認会計士の監査証明を受けなければならないこととし、わが国で初めての試みである外部監査制度を実効的ならしめることとしたのであります。  第三点は、有価証券の募集または売出しに際して、証券取引委員会規則で届出を免除することができる範囲を、現行の募集またあ売出券面総額五百万円より一千万円に引上げ、経済の実状の変化に即応し得ることとしたことであります。  第四点は、投資についての判断を提供すべき新聞、雑誌等の記事に関する取締り規定を設けたことであります。  第五点に、証券取引法の規定に基いて設立された証券業協会について、その活動に実効性を與えるため、事業者団体法の適用をしないこととしたことであります。  第六点は、証券取引委員会の委員長及び委員は、その職務の特殊性にかんがみ、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するものとし、特別職とした点であります  以上が大体改正案の要点でありますが、この改正法律案は、二月十六日、本委員会に付託されまして、二十日、政府委員より提案理由の説明を聽取し、翌二十一日より数日にわたり、各委員より、証券金融対策、証券保有機関の設置、公認会計士の監査証明、新聞、雑誌に対する取締り等について熱心なる質疑が行われ、政府委員よりそれぞれ答弁がありましたが、その詳細は速記録に譲りたいと存じます。  かくて、三月十五日討論に入りましたところ、田中委員は日本社会党を代表し、三宅委員は自由党を代表し、宮腰委員は民主党を代表して、いずれも本案賛成の意を述べられ、竹村委員は共産党を代表して、本案に反対の意を表せられました。  次いで採決いたしましたところ、起立多数をもつて本案は原案の通り可決いたしました。  次に、ただいま議題となりました財政法の一部を改正する法律案につい、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法案は、予算執行の実績並びに現状にかんがみまして、予算配賦の際の区分並びに支出負担行為についての承認手続を簡略にするためにに提出されたものであります。  すなわち第一点は、内閣が各省各庁の長に対して予算を配賦します場合、現行法によりますと、歳出予算については目をさらに節に区分することになつておりますが、これでは、いたずらに手続を煩瑣にし、実効がありませんので、節の区分を廃止しようとするものであります。なおこれに伴いまして、目の整理統合を行うとともに、従来の節のうち特に流用制限をする必要のあるものは目に引上げる等の調整を行うこととし、これらの措置昭和二十五年度予算から実施し得るよう所要の規定を設けております。  次に第六点は、支出負担行為について大蔵大臣の承認を経るために作製します計画書類は、現行法によりますと、支出負担行為担当官ことに作製することになつておりますが、これも、いたずらに手続を煩瑣にして実効がありませんので、各省各庁ごとに作製することに改めようとするものであります。以上が、この法案提出になりました趣旨並びに内容の要点でありますが、この法案は、三月二日、本委員会付託されまして、四日、政府委員より提案理由を聽取し、十四日及び十五日の両日、各委員より、会計検査院の検査制度、節を廃止した後の影影響等について熱心なる質疑が行われ、政府委員よりそれぞれ答弁がありましたが、質疑応答の詳細については速記録に譲りたいと存じます。  ついで討論に入りましたところ、宮腰委員は民主党を代表して、大蔵大臣の承認は法規裁量によるものとせられたい、一般会計より特別会計への繰入金の跡始末については本委員会に報告せられたい旨の希望條件を付して賛成の意を表せられ、小山委員は自由党を代表して、物品費、消耗費については整備を行われたい旨の希望を付して賛成の意を表せられ、田中委員は社会党を代表して、節を廃止することにより弾力性は認められるが、これに伴う弊害は除去されていない、この法案昭和二十五年度予算案と並行審議さるべきものである等の理由をあげて反対の意を表せられ、河田委員は共産党を代表して、節を廃することにより自由裁量の範囲を広くして、給與等において不公平が行われる等の理由をあげて反対の意を表せられました。ついで採決いたしましたところ、起立多数をもつて本案は原案の通り可決されました。以上御報告申し上げます。
  36. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 討論の通告が士やります。これを許します田中織之進君。     〔田中織之進君登壇
  37. 田中織之進

    ○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする三案のうち、証券取引法の一部を改正する法律案に対しましては、希望条件を付しまして賛成いたしまするが、財政法の一部を改正する法律案に対しましては、われわれは反対の意思を表明せんするものでございます。  証券取引法の一部改正法律案は、ただいまの委員長報告にありました通り、証券投資者の保護を目的として加えましたところの改正でございまして、われわれは、これに対しましては、その改正の趣旨に徴しまして、これに賛意を表するものでございます。ただ、これが運用にあたりましては相当留意されなければならない点が多々あるのであります。  もちろん、今回の改正によりまして、いわゆる証券投資者にいろいろ迷惑をかけておりまするところの中小の証券業者に対しして、純資産五十万円とい最低のわくをはめましたことによつて、相当そういう弱小証券業者と申しまするか、こういうようなものに対しまところの統制が強化せられることは、けつこうなことでございまするけれども、今証券業界の実情を見まするならば、いわゆる五大証券とそれ以下に位しますところのいわゆる中小証券業者との間の大きな資力の面、あらゆる面における隔たりといものが、きわめて危険なる対立関係をかもし出しておるとい点につきまして、今後証券取引委員会におきましても、十分それらの点に留意しなければならね点が第一点でございます。  第二点といたしましては、今回の改正法律案の百九十一條のにありまするところの、証券に関しまする新聞、雑誌等の報道についての一種の制限規定でございます。われわれは、いわゆふ不当なる株価つり上げ工作の意味において出されておりまするところの、いかがわしい株式評論的なものに対しま一種の取締りを進めなければならないことは、投資者保護の立場において、その必要を認めるものでございます。しかしながら、それは証券業者並びに本法の適用によつて十分果し得るのでおりまして私は、こうした規定が設けられることによりまして、ともれすば新聞、雑誌等の言論機関の株式についての公正安当なる評論につきまして、これを圧迫するというような傾向が出て参るということについて、むしろ本法の他の條項の適用によつて、本来ならばこの條項は削除すべきであるという建前をわれわれはとつておるのでありまするから、その意味において、本法の運用にあたりましては、特に以上の論点から十分留意してもらわなければならないという條件をつけて、本案に対しましては賛成をするものであります。  財政法の一部を改正する法律案に対しましては、この改正案は、一面予算執行の関係から参りまして、簡素化と予算の執行の過程における弾力性を付與するという点が現われておるのでありまするが、一面、たとえば支出負担行為に対しまするところの大蔵大臣の承認の問題も、各省庁別に行うということによりまして簡素化されたような形には相なつておりますけれども、大。蔵大臣の統制権というものが一段と強化せられておる矛盾した面を持つておるということを、われわれは指摘せざるを得ないのであります。  さらに、今回節を廃止いたしまして、目を若干ふやして行こうという改正でございますが、従来とても、たとえば会計検査院に対する報告あるいは決算書におきましては、筋に至るまでの詳細な報告の抜字が出ておりますけれども、実際は節の面における流用、移用についていろいろ弊害を起しておるということは、会計検査院から国会に報告されておる決算報告書において毎度指摘されておる点でございますので、一面これは弾力性を持たしておるかのごとく見えますけれども、この弾力性を持つた結果が、いろいろその流用、移用の面において弊害を生ずるという点を十分考えなければならないことを、秋は主張するものであります。  ことに、最近におきまるところの政府のやり方を見ておりますると、物件関係その地における流用、移用については、遠慮なく相当大幅な融通性を持たしておるのであります。しかしながら、たとえば給與の問題をとつて考える場合に、人事院の勧告が出まして、あるいは昨年末のように生活補給金を捻出するというような場合における人件費に価価からの流用、移用というような問題につきましては、ことに現内閣の方針というものが、きわめて冷酷なのであります。これが専売裁定あるいは国鉄の裁定の財源問題で、国鉄あるいは専売公社の場合において指摘せられておることは、皆さん御承知の通りでありますが、これが国の予算の面におきましても、そういう点は厳格に行いますけれども、それ以外の面におきしては、実に融通無碍なる形をとつて行われておるとい点は、これは国民の血税の上に組み立てられておる予算なるがゆえに、われわれは十分検討しなければならぬ問題でありまして、ただ予算に弾力性を持たす、あるいは手続の簡素化の美名に隠れて、こうした実質的な弊害の面を何ら改めることの確約が與えられない以上、本案賛成するわけには行かないのであります。さらに、この法律の第六條には、二十五年度の予算に限りましては、この法律によりまして、いわゆる予算の目を整理統合して、定めた目の区分によつて予算の配賦を認めておるのでありますが、私は、これはきわめて不当なことだと思うのであります。従つて、こうした法律を出しまして、節を廃止いたしまして、目によつて予算を編成するということに相なりまする以上これはむしろ、予算編成に先だつてその方針が打立てられておらなければならないのであります。その予算案がすでに衆議院を通過して参議院にある段階に、本法案が、ようやく遅ればせながら本会議議題になつておる。  しかも問題は、その提出の時期であります。これが衆議院に提出されたのは今月の二日でございまして、一方予算をむりやりに通しておいて、あとからこした形によつて節を廃止して、目によつて相当の融通性を持たせたところの配分を行うというようなことは、私は国会の予算審議権を侵害する結果に相なると思うのであります。これは予算と同時に当然国会提出されなければならない筋合いの法律であるにもかかわらず、これが予算案の提出よりも相当遅れておるという事実は、たとえば予算の裏づけになるべきところの税制に関する法案提出が握れたり、現に予算と平衡資金の関係において関連を持つて来るところの地方税の関係におきましては、これは予算が衆議院を通過しておるけれども、地方税に関する改正法律案が、今なお国会提出されておらぬ。こういうようなことも、多数をもつて衆議院は押し切れるかもしれませんけれども、こういう法律案提出の手続の問題における違法を特に現内閣がたびたび繰返してといるということは、われわれの断じて承服できないところでございます。  その意味において、われわれは、この財政法の一部を改正する法律案に対しまして反対の意思を表明するものであります。  なお最後に一点私がつけ加えておきたいのは、今回の節の廃止、それから目の区分の問題でございますが、ことに人件費に関する部分につきましては、今国会の人事委員会にかかつておりまする職階法との関係におきまして、当然変更されなければならない筋合いであるにもかかわらず、政府側の大蔵委員会における答弁におきましては、すでに一方において人事委員会に出ておる法律案関係を、何らこの節廃止、目の整理、再区分に対しまして考慮に入れておらないということが暴露されておる。この事実に対しまして、ことに役務費の中には、最近定員法で人員が縛られた関係から、いわゆる臨時雇い的なものを役務費の中に入れて、定員法で不当に圧縮したところの人員の不足をカバーせんとするところの項目が露骨に各省の予算、各政府機関の予算に見られる今月の段階におきまして、われわれは、この点からも、この財政法の一部を改正る法律案に対しましては遺憾ながら反対せざるを得ないといということを表明いたしまして、私の討論を終ります。(拍手
  38. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 三宅則義君。     〔三宅則義君発壇〕
  39. 三宅則義

    ○三宅則義君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま上程せられましたる証券取引法の一部を改正する法律案に対して賛成討論をせんとするものであります。  本案は、今日の証券対策として、わが国証券の民主化取引の安全感を基準として提出せられたものであつて、シヤウプ博士の勧告案の線に沿いまして財務諸表の統一をはかり、証券取引委員会のこれらに対しまする整備を基準とたしまして、証券取引所の健全なる発達をなさんとするためにこの法案提出されたのでありまして、従来と異なりして、証券業者をしてその内容の充実を期すべく、純資産金額五十万円以上を常に堅持する方策をとりきめたる点は、わが自由党といたしまして、特に取引の安全と証券の流通化をはかりたる特徴の第一であります。この実施を二箇年後に行わんとするのでありまして、この間、お互いに、業者、取引者ともどもに、企業の健全化、わが党の多年要望いたしておりますることを実現いたしまして、将来の活動を期待いたすものが大であります。  第二の特徴といたしましては、企業会計の健全化、さらに利益の平準化をはかるために、決算期を六箇月より一箇年に改正いたしました点であります。われわれといたしましては、上半期に損失があつたり、また下半期に利益があつたりなどいたしまして、必ずしも決算期ごとに同一とは限つておりません。こういうことのために不公平になる場合が多かつたのでありまするが、今回の改正案によりまして、まさにわれわれの念願とする企業会計一箇年平準化制度といたしました点は、実に進歩いたしたる改革案であると信ずるのであります。  第三の特徴は財務諸表の完備であります。従来は、各会社まちまちでありまして、これを検定するに、はなはだ困難でありました。また証券業者はももろん、一般大衆取引者にとりましても迷惑千万であつたのでありますが、この改正によつて、賃借対照表、損益計算書、財産目録、財務書類の用語、様式等を証券取引委員会で統一いたしまして、これが完全に企業経理の内容を明確にいたしました点は、証券投資者の検閲を便にいたしましたこととともに、実に明治大正、昭和を通じまして、この八十年の変遷を経たる今日として、まことに喜ぶべき改正であると感ずる次第であります。  第四の特徴は、財務諸表が、われわれの信頼し得る公認会計士の監査証明によつて、各会社の内容を公示することに相なつた点であります。多年わが国の企業会計に貢献いたしましたる計理士も、今回の本法改正と相並びまして、公認会計士法の一部改正と相待ちまして監査証明をなし得る点でありまして、まことに時機に適したる改正といわなければなりません。これによつて外部からの会社内容の監査を制度化することができるのでありまして、企業はますます健全となり、証券保持者、取引者の信頼感を高め一般の人人に証券の普及をはかり得るのでありまして、わが党の政策の実現と相待ちまして、その効果顕著なるものがあると信ずるのであります。(拍手)  第五の特徴は、新聞・雑誌等の記事に関しましては、アメリカ流にこれをならいまして、その全社もしくは有価証券葉者より対価を得てこれを書いたかどうかを取締る制度を設けた点は、その真相を判断し得る点等をもちまして、けだし進歩いたしたるものと考えまして、まことに適当なる改正案であると信ずる次第であります。  第六の特徴は、証券取引委員会の委員もしくは委員長は、特に内閣総理大臣が両院の議決を経て任命する特別職といたした点でありまして、このために、公平なる人事 崇高なる人物、識見卓越せる者が真に証券業界の運用をあやまたず、もつぱらその運用の妙とその改善に努力し得る点を、私は最も顕著なる事実といたしたいのであります。  本法案に対しましては、一部におきましては反対の討論もありました。それはいずれも実情に適せず、真に内容を洞察せざる議論であると信ずる次第であります。(拍手)わが党としては、この改正案の可決によりまして、今日一般の業者に活を入れまして、国民の経済復興と、わが党の政策実現と相まちまして、景気の回復をはかりたいと信ずる次第であります。  最後に有価証券取引法は、この公正なる流通と円滑なるその発展を期するために、一般の信用を高め、もつて企業の健全なる発達と経済の安定、国力の充実を期し得べきであるということを確信する次第であります。  以上をもちまして、私は自由党代表し本法案賛成するものであります。何とぞ御賛成を賜るんことを期待いたします。(拍手
  40. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 竹村奈良一君。     〔竹村奈良一君登壇
  41. 竹村奈良一

    ○竹村奈良一君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま提案されておりますところの三案のうち、証券取引法、一部を改正する法律案並びに財政法の一部を改正する法律案に対しまして、反対の意見を申し述べるものであります。  まず証券取引法の一部を改正する法律案について申しますならば、これは表面的には、先ほどから言われたことく、あたたかもいわゆる投資者の権益を保護して、そうして証券業の健全なる発達をはかるの目的とすると言われておりますけれども、事業者団体法の適用を除外したというこの事実において、かつての持株会社の復活を意味法案であるといわざるを得ないのであります。その次には、先ほども言われましたけれど、決算期の六箇月を一箇年に延長するといことが書かれてあるのでございますが、これはいろいろな点から考えまして、昨年度より本年度にわたりましたところの、あの株価の大暴落を隠蔽せんとする、しかもそれによつて証券業者の救済を行わんとるがごときにおいが非常に多いのであります。その一例を申し上げますならば、昨年十二月における全国証券業者の持ち証券は約六十億といわれ、これが委員会において政府から答弁されたのでありますが、この株価の値下りを推定いたしまならば、約五割といたしまして、少くとも評価損は三十億に上ると思われるのであります。この三十億に上るところの評価損、これは一体どうなつておるか。はたして、先ほどから言はれたように、いわゆる投資者の権益を保護せんとするのであつたならば、こういう点において、取引委員会は、常にいわゆるこれら健全なる証券業者の資本に対するところの不安なきかどうかということを当然発表しなければならないにもかかわらず、それを発表することを拒むがゆえに、この法案提出したといわざるを得ないのであります。  まず、今日の四大証券会社といわれておるものの資本金は、一証券会社につきまして二億円であります。これを合計いたしますならば八億円であるのでありますが、この四大証券会社が、株式、社債合せて、全国におけるところの証券のうちの約六〇%を扱つておるといわれておるのであります。このことを考えますならば、たとえば全国の手持ち証券の六〇%の評価損を考えますならば、少くとも十位以上に上ることは当然であります。しかもその資本金が八億円だとするならば、はたして今日健全なる証券会社の資本率が、いわゆる不良資本でいと、だれが言われるかと私は言いたいのであります。  こういうことを勘案いたしますならば、この六箇月を一個年に延長したということは、決算を延ばすことによつて、こうした巷間に伝えられるところの不安を隠蔽せんとし、しかもこの法案によつて、四大証券会社を中心としたところの独占的な証券会社の利益を擁護することに汲々としていると言わざるを得ないのでありまして、このことは、巷間伝えられるところの、いわゆる証券業界から多くの政治献金が行われているといううわさをも、この客観的な事実の前に断じて否定することはでき得ないと私は思うものであります。(拍手)  次には、まず事業者団体法の除外によりまして、私的独占禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用を除外し、または同法に基く公正取引委員会の権限を制限するものと解釈してはならないという、あたかももつともらしい申訳をつけているのでありますけれども、その申訳をつけること自体が、事実の実績において、先ほどから申しましたことく、いわゆる六〇%の証券を扱つているというこの事実からしても、実際においては、こうした四大証巻会社の独占的地位を強化して、内外の独占資本、特に国際独占資本の要請に応じて——この法案を改正し、株価のてこいれ、あるいは証券民主化の名前によつて高い株を民衆に売りつけ、そうしてときには、てこいれ、あるいはその他の株価操作を通じて、暴落したときに大衆からこれを巻き上げるという、一種独特の操作を容易ならしめ、いわゆる国際独占資本の要求に応じた利益を確保せんとるところの意図は明らかであると私は言わざるを得ないのであります。(拍手)  こういう意味におきまして、このことを中心といたしましても、最近行われておりますところのいろいろな政府の政策すなわち国際独占資本の前に叩頭百拜して、日本の経済的な植民地化をはからんとするその意図の現われで、あるところの本法案に対しまして絶対反対を表明する者であります。(拍手)  なお財政法の一部を改正する法案に対しますところの反対は、先ほど社会党の田中議員も指摘されましたことく、今考えられております職階制におけるところの人件費の面においてこわ差額を隠蔽せんとするころの意図、そうして、ひとりいろいろな方面における自由な予算の使い方をせんとする法案でありますがゆえに、これもあわせて、われわれは反対の意見を申し述べる次第であります(拍手
  42. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。  まず日程第八につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり。〕
  43. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。  次に日程第九につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  44. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。  次に日程第十につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  45. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  46. 福永健司

    福永健司君 議事日程の追加の緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議も進められんことを望みます。
  47. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  公立大学に置かれた文部事務官の身分上の措置に関する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員会理事水谷昇君。     〔水谷昇君登壇
  49. 水谷昇

    ○水谷昇君 ただいま議題と相なりました公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案につきまして、本案の概要並びに本委員会における審議の経過及びその結果について御報告申し上げます。  まず、本法案の内容並びに趣旨のおもなる点につきまして御親切申し上げます。すなわち、公共の大学、高等専門学校に勤務する事務職員、技術職員は現在官吏でありまするが、これは当然地方公共団体の職員に切りかえるべきものであります。すでに公立大学の教員及び高等学校以下の公立学校の職員の身分の切りかえには終つておりまするが、公立大学の事務員及び技術職員のみは切りかえが残つていたのでありまして、この法律により公立学校職員の切りかたを完了しようとするものであります。  その内容について御説明申し上げますと、第一項において、現在公立の大学、高等専門学校に勤務する文部事務官、文部技官に、この法律により、その学校を設置する地方公共団体の職員に任命がえされることを規定し、第二項では、これらの職員の休職、停職、減俸中の者については、それらの措置を、新しい任命権者たる地方公共団体の長の行為とみなすといことを規定し、第三項には、切りかえられた職員か、公立学校の事務職員または技術職員である限りは恩給を継続させ得るということを規定してあります。なお附則において、従来の身分の根拠であつた公立学校職員等臨時設置制を廃止しようとするものであります。  本案は、去る二月十五日、本委員会に予備審査のため付託と相なりまして以来、数回にわたつて愼重に審議いたしましたが、三月十五日、正式に付託と相なりましたので、さらに審議を加えました結果、本原案の妥当なるものであることを認めまして、討論を省略、採決の結果、原案通り全会一致をもつて可決いたしました。その詳細なる点につきましては速記録によつて御承知願うといたしたいと存じます。  以上、本法案の審議の経過並びに結果の御報告を終ります。(拍手
  50. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異暇なし」呼ぶ者あり〕
  51. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました  これにて本日の議事日程は議了いたしました。本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十五分散会