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1950-03-11 第7回国会 衆議院 本会議 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月十一日(土曜日)  議事日程 第二十三号     午後一時開議  第一 科学技術振興に関する決議案星島二郎君外二十人名提出)(委員会審査省略要求事件)  第二 漁業法の一部を改正する法律案田渕光一君外二十名提出)  第三 栄養士法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第四 性病予防法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件  日程第一 科学技術振興に関す決議案(ほしじま二郎君外二十八名提出)  日程第三 栄養士法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第四 性病予防法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  有価証券移転税法を廃止する法律案内閣提出)     午後三時十六分開議
  2. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) これより会議を開きます。      ——————————
  3. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) お諮りいたします。内閣より、運輸審議会委員冨山清憲君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意を與えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  4. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本件同意を與えるに決しました。      ——————————
  5. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第一は提出者より委員会審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。日程第一、科学技術振興に関する決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。前田正男君。     〔前田正男登壇
  7. 前田正男

    前田正男君 私は、これより各党共同提案になりますところの科学技術振興に関する決議案につきまして提案理由説明をいたしたいと存じます。何とぞ皆さまの御賛同を得たいと思うのであります。  最初に決議案文の朗読をいたします。    科学技術振興に関する決議   狹あいにして資源貧困領土の上に八千余万の過大人口を擁するわが国が、真に自立再建せんがためには、その基礎科学に求めなければならない。即ち産業経済発展も、社会文化向上科学技術振興科学的知性の培養によつりて始めて達成される。   飜つて、わが日本の実情を省るに、従来研究施設が極めて貧弱であつたにもかかわらず、多くの優秀なる科学技術研究者を生み、世界的に相当貢献したのであるが、戰後における経済変動の余波を受け、一層衰微を極めている。   日本経済自主再建のため、産業合理化貿易振興を強力に推進せねばならぬが、これがためには、科学技術振興と、これが応用工業化を積極的に実施せねばならない。   政府は、かかる現状にかんがみ、科学技術振興に対し、速やかに左記要項について適切なる措置を講ずることを要望する。  一 科学技術関係国家予算増額するとともに、設備改良等への長期資金融資等特別措置を講ずること。  二 科学教育振興するとともに、研究費増額交付研究者待遇改善を図りもつて科学技術知識の普及に努めること。  三 科学技術応用工業化のため特殊金融金庫を設けること。  四 科学技術関係機関を能率的且つ総合的に運営するため、制度施設改善整備を行うこと。    右決議する。  まず、私より皆様にお諮りいたしますが、本決議案に対します各党各派賛成演説が省略せられますので、少しく私から詳しく御説明させていただきたいと思います。  静かに終戰後敗戰日本を考えてみますときに、この狹隘にして、また領土を失いましたところのわが日本は、非常に過大な、八千万に及ぶところの人口を離しておるのであります。しかもまた、私たち経済中心であります産業設備は、戰戦争にむりな運転をしましたために、非常に損耗し、老朽化しておるのであります。また農村を見ましても、山村を見ましても、いろいろ不安定な問題を蔵しております。あるいはまた貿易面におきましても、非常な行き詰まりにぶつかりつつあることもあるのであります。こういうような諸般の困難な條件を考えますときに、わが日本自立再建、こういう問題は、実に非常に重大な困難を伴うものでありまして、われわれも皆様とともに、これが打開のために日夜努力しつつあるわけであります。このときにおきまして、私たちは非常に明るい光明を見出すことがあるのであります。それに何かと申しますと、本決議案に盛られておる科学技術振興が、この困難なる條件を打破しまして、わが日本再建ができる、唯一の方法であると私は確信いたしておるのであります。  皆さん、私たち日本先輩の人が歩まれて来た道を振り返つてみますと、すでに徳川時代において、世界に誇り得る高等数学を出しておるのであります。この事実は、現在におきましても非常に世界から高く評価されております。そのほか、いろいろと有名な多数の基礎理論の方、あるいは科学研究者の方が、たくさんの功績をを残されております。最近の例におきましては、本衆議院におきまして過般表彰せられましたところの湯川博士の、あのいつぱな功績もあるのであります。私たちは、こういう先輩りつぱな業績基礎科字におきますりつぱな研究成果を持つております。また世界文化向上にも相当寄與しておるのでありますから、この研究をさらに十分に押し広めて行きまして、もつと研究努力いたしまして、また国力をあげてこの方面に力をいたして行きましたならば、私たち日常生活文化経済、各方面にわたりまして科学技術応用利用されまして、国民の総力を結集いたしますならば、必ず自立再建の道もあることと私は信じておるのであります。  これを具体的に申しますと、まず農山村等におきましてのいろいろの技術改良、こういう問題は、やはり科学技術の観点から出発する必要があるのであります。また農村工業化地方産業育成、こういう問題も、私たちは、科学の力、技術の力によりましてをの成功を見なければなりません。また水産業におきましても、改良事業はたくさんあります。また日本におきまして、今回領土狹隘になりましたけれども、しかしながら、資源開発総合開発ということは、またこれからの仕事であるのであります。しかも国土開発におきまして、道路、河川、こういつた方面には土木機械を大いに使わねばなりません。まだ輸送方面におきましても、いろいろな機関、あるいはまだ荷役機械、こういつたものの改良が行われましたならば、物資の交流も、もつと楽になるのであります。あるいはまた産業方面におきましても、新しい製造方式、あるいはまた新しい設備、こういうことによりまして新産業面を打開することができるのであります。その結果、皆さん御承知の通り、安くてよい品物がたくさん出て来ることになりまして、貿易を打開するだけでなしに、私たち日常国民生活を非常に安定し、また向上する方向に持つて行くのであります。私たち日常生活文化向上という点におきましても、ジツポ、テレビジヨン等を見ましても、みな科学知識応用であるのであります。学問におきましても、自然科学は非常な進歩を遂げております。また学術体系も大いに整備され、日本におきましては特に日本学術会議という体制もできまして、私たちは、学問方面においても科学技術の把握に中心があるということが、よくわかるのであります。しかも、私たちのものの考え方社会政治、こういつた方面に対する考え方にもまた科学的な部面というものが非常に大きな作用を及ぼしておるのであります。こういつたことを総合いたしますと、私たちは、科学技術振興によりまして、この日本自立再建は必ずなし得ると考えられるのであります。  しかしながら、飜つたたち日本現状を見ますときにはどうであるかというと、科学技術方面に対しまして、まず第一に国家予算がはなはだ少いのであります。これは、私たち国会にあります者に大きな責任がありますので、少しく数字をもつて説明いたしますと、今回の予算審議におきまして、科学技術振興関係経費の調べを当局から出していただいたのでありますが、今年度予算におきましては約五十億円であります。これは消防から検察の方のことまで、みんな入りました研究費用を一括いたしまして、各省集めて五十億円であります。本年度一般会計のやく六千億に比べまして、わずかに〇・七%というような少額であります。昨年度におきましては、これが三十四億円でありまして、〇・四六%というような実に少額であるのであります。しかもまた、一般研究者の人はどうかと申しますと、研究費に困られて、その研究費を集めるために、資材を集めるために、研究の時間を非常にさいておられるのであります。しかも、社会的なその地位に比べて、その待遇は非常に劣つております。過般新聞をにぎわせました通り、某博士じや渡米されるのに三等の船客であり、某々の娘は二等の船客であつたということが新聞に書いてあつたのでありますが、かくのごときことでは、私たち国政に携わる者として、日本再建につきまして大いに考えなければならぬものがあると思うのであります。(拍手)  皆さん、私たちは例を簡單にあげましても、本多博士八木博士、あるいは今の湯川博士その他いろいろと、地震学その他におきましても非常にりつぱな成果があがつておるのでありますけれども、これらの研究者の方のいろいろな日常生活の困難というものを考えましたときに、私たちは、その努力に対しまして、もつと報いる道を考えなければならぬと存ずるのであります。またこの応用化工業化という方面を見ましても、まだ十分なものはありません。せつかくりつぱな研究がありながら、これが外国によつて行われ、日本によつては行われない。こういう応用化工業化という点が遅れておる。こういう面に対する金融も不十分である。こういうことでは、わが日本再建、また日本経済自立という点から行きましても、非常に私たちは考えなければならない問題であると存ずるのであります。これらのことは、すでにわが国はもちろん、世界各国からも従来十分に指摘されておるろころでありまして、わが国一大欠陥であります。この欠陥に対しましては、社会一般認識が不足である、こういうことももちろんでありますが、また政治貧困であるということも事実であります。あるいはまた、科学者技術者の中に派閥の争いがあつたとか、権限争いがあつたとか、こういうことのために非常に進歩が遅れたということもまた事実であると私は思います。  しかしながら、私たちは現在再建をしなければならないこの重大なる現下の政務といたしましては、こういう古いところの、長く続きましたところの惰性を打破りまして、一大勇猛心をもつて徹底的に打開する必要があるということを私は考えます。そこで、先ほど決議において申し上げました通り政府に各項目について要望したのでありますが、この各項目につきまして、もう少し御説明をさせていただきたいと思います。  先ほど申しました第一項の点でありますが、科学技術国家予算増額するということであります。非常にパーセンテージが少いばかりではありません。これは私たち公共事業費に例をとりましても、二十五年度は九百九十億円であります。それに対しまして、わずかに五十億でありましたならば、三十分の一であります。昨年におきましても、大体二十分の一という比率が出ております。国土開発国土再建のための研究費用と、私たち日常生活文化経済全体にわたりますところのこの再建基礎になります科学技術に対する予算比率を見ますと、わずかに二十分の一ということでは、幾ら私たち文化国家建設を叫でみましても、その実が伴わないということは、よくおわかりだと思います。わが国土の開発に必要なる費用の十分の一、一割くらいは、すなわち約百億くらいの額は、本年度におきましても当然見込まれるべきものであると私たちは、考えておるのであります。  皆さん、最近私たち日本におきまして注目すべき問題は、東南アジア方面におきまして、米国が後進国開発という問題につきましていろいろと援助資金を出すということを、新聞において見ることであります。この方面人たちが、私たちこの敗戦の日本に期待しますものは、実は何かと申しますと、わが国でできますところの機械類、各繊維工場施設設備、こういうものが各東南アジア諸国産業復興計画の中で期待するものが多いという話を私たちはたびたび聞いておるのであります。私たちは、せつかく先人が築いてくれましたところのこの技術、この科学をもちまして、ぜひこの際私たちアジア中心になるくらいの経済方面におきましては、アジア中心としてこの科学技術を輸出して行けるくらいの、しつかりした基礎をつくらなければならないと私は考えるのであります。こういう点から申しまして、も、国家予算という出題について、再考を願いたいと思うのであります。私たちは、文化国家建設日本の面目から見ましても、ぜひこの点は御考慮をお願いしたいと思います。  その次の問題であります設備改良への長期資金ということでありますが、従来つくつております製品におきましても、能率的な生産というものを考えなければなりません。現在非常に設備が悪くなつておりまして、技術向上ということを考えなければならないのであります。また科学的合理ということとを考えましたならばダンピングであるとか、こういうことを言わなくても、同じ作業時間で、同じような値段をもちまして、よいものがたくさんできるのであります。どうしても私たちは、ここに従来の製品におきましても新しい機械に入れかえまして、設備改良するということが必要であります。そればかりではありません。新しい製造方式によりまして、研究者の考えましたところの新しい物質によるところの新産業というものは、化学方面におきましては、これから大いに期待しましても私たちは大きな努力をしなければなりませんが、特に中小企業設備が非常に老朽しておりまして、弱つておりますので、中小企業ほんとうの救済の道は、どうしてもこの人たちの持つておる設備を根本的に改良してやるというために、ぜひ長期資金を貸し出す必要があります。また新しい産業のために設備改良する、こういうことになりますと、この設備仕事は、大半また中小企業下請企業に流れて行くのでありまして、現在困つておられます中小企業有効需要を喚起するという点から行きましても、この設備改良等長期資金は、ぜひこの際出す必要があるものだと私は考えております。また地方農山村等におきましても、非常に今後の恐慌に対して憂慮しておる人がありますが、地方産業育成、あるいは農村工業化等も、みなこの長期資金がなければできないのであります。  ところが、政府のやつておりますいろいろの対策がありますが、見返り資金を直接投資する、これはなかなかすぐ出ません。あるいはまた中小企業に対しまして、市中銀行見返り資金で半分ずつ金を出しておりますけれども、これもなかなか十分に出ないのであります。どうしても私は、この際根本的に産業開発するところの投資会社というようにものをそういう構想のもとに、腹金赤次融資というようなことをなくしましたところの、ほんとう長期開発資金を出すという、日本産業保護政策というものを、ぜひこの際やる必要があるのではないかと考えておるのであります。この化学技術振興決議によりまして、長期資金融通の特別の措置を講ずるということにつきまして、政府一段考慮をお願いする次第であります。  その次の問題でありますところの研究費増額交付ということでございますが、これを本年度予算について御説明申し上げますと、一般的なものは、文部省関係で約五億あります。教育研究費といたしまして十一億、合計十六憾六千万円であります。通産省の工業化のための一億五千万円、これくらいのものが、ほんとう一般的な研究費として盛られておるのであります。これは昨年に比べましても多少増額はしておりますが、今回のガス、電気、こういうものの諸経費の値上りから見ましたならば、実質的全額はないのであります。こういう点から見まして、私たちは、もつとこういう方面研究費増額交付ということは、ぜひ必要であると思います。  そこで、科学教育の問題につきましてお話したいのであります。私たちは、この科学教育の話をよく聞いておりますと、一番かんじんな実業技術教育する実業学校というものが、今の日本教育体系においては不十分であるように思うのであります。どうかこの点につきましても大いにご研究を願いたいと思うのであります。あるいはまた各種大学等におきましても、大学経営科、こういつたものを大いに設けるべきではないかと思うのであります。また生活文化応用の宣伝、こういつたことにつきまして、子供の時から、いろいろとこういう方面に対して教育するために、博物価をつくるというようなことにつきましても、私たちは大いに考えなければならないと考えております。  第三項の産業技術開発金庫の点でございますが、研究工業化に必要な試作または中間試験、こういう方面には相当な資金が必要であります。これをやらないと、生産技術ジリ貧状態になるわけでありまして、自己のリスクだけでは十分できないところがあるのでりますから、どうか政府から回転資金を融資して、将来はこれを返しに行くというような金融特殊金庫をつくつたらどうかと考えるのであります。これは日本学術会議から政府に勧告しておる問題でありまして、日本学術会議の権威のためにも早急に具体化したいと考えております。  第四番目の項目でございますが、これはごく簡單に申上げますが、いろいろとむだな研究重複等、あるいは実行できないようないろいろな研究等があるようでありますから、各機関を総合的に能率的に利用してもらいたいというのがこの意味であります。  大体以上、多少長くなりましたけれども、決議案趣旨につきまして御説明申し上げたのでありますが、要するに、この今回の決議案におきまして、特に皆様にお諮りいたしたいことは、過般本院の議長から、決議案が通過いたしましたときは、これを必ず実行に移すようにしろという御提案がありまして、各派御了承になつたように聞いておるのであります。そこで、この際この決議案皆さんの御賛成をいただいて成立いたします以上は、皆さんの御協力によりまして、ぜひこれを実行に移すことができるようにお願いしたいと思うのであります。私たち再建唯一光明というものはは科学技術振興であると思います。この決議案の根本の趣旨は、科学技術振興を重視するということであります。どうか皆さんの満場一致の御賛成を得まして本決議案の成立いたしますようお願いいたします。(拍手
  8. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。  この際文部大臣及び通商産業大臣から発言を求められております。これを許します。高瀬文部大臣     〔国際大臣高瀬荘太郎登壇
  10. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) ただいまの御決議に対しまして、科学行政担当者としての立場から所見を申し述べたいと存じます。  わが国今日の科学技術の水準から考ええまして、科学技術振興発展がきわめて大切なことであり、それがわが国再建のための基本的な條件でありますと同時に、平和的な文化国家建設の理想の上からいつても急速にその実現をはからなければならないということは、政府といたしましても、もちろん十分認識して努力して参つた次第であります。従つて、ただいまの御決議趣旨につきましては、まつたく共鳴同感いたすところでございます。それにつきまして、ただいまの御決議に指摘されましたいろいろの條項は、いずれも適切な対策と考えますので、今後さらに検討を加えまして、そのすみやかなる実現のための一段努力をいたすつもりであります。(拍手
  11. 幣原喜重郎

  12. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ただいま御決議になりました科字技術振興に関する決議並びにその内容の御説明に対しましては、政府はまつたく同感であるのであります。科学技術振興わが国経済再建基礎をなすという認識のもとに各般の施策を講じて参つたのであります。本年の予算よりも来年の予算は財政の規模が縮小いたしましたが、科学技術振興に対しましての出資は相当ふやして参つておるのであります。今後におきましても、今回の決議によりまして十分予算の査定上考えて行きたいと思つておるのでございます。(拍手)      ——————————
  13. 山本猛夫

    山本猛夫君 日程第二は延期されんことを望みます。
  14. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程第二は延期するに決しました。      ——————————
  16. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第三、栄養士法の一部を改正する法律案日程第四、性病予防法等の一部を改正する法律案、  右両案は同一の委員長に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員会理事松永佛骨君。
  17. 松永佛骨

    松永佛骨君 ただいま議題となりました栄養士法の一部を改正する法律案及び性病予防法等の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。  まず栄養士法の一部を改正する法律案について、その提案理由並びに内容簡單に申し上げますれば、昭和二十三年一月本法施行以来の実績に徹しまするに、栄養士資質向上をはかるの要ますます緊切なるものがありますとともに、多面において一層栄養士資格試験の公正を期する必要が認められるのであります。ここにおきまして、第一には、栄養士資格を得るために、厚生大臣の指定した栄養士養成施設修業年限を現行の一年以上より二年以上に改めるとともに、栄養士試験受験資格として必要な見習い期間を一年以上より二年以上に延長しようとするものであります。第二には、栄養士試験審査会に関する規定を設け、本試験の公正を期せんとするものであります。  次に性病予防法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  昭和二十二年の保健所法改正以来、保健所の機能は大いに拡張せられたのでありますが、都道府県並びに政令で定める三十の市の設置している保健上に対しては、保健所法規定により、都道府県知事またはこれらの市の市長衛生事務に関する権限委任することによりまして、第一線の公衆衛生行政保健所中心として運営せられているのであります。しかしながら、従来の衛生関係法律におきましては、これらの市長権限についてほとんど規定するところがありませんので、現在は地方自治法第百五十三條第二項の規定によりまして、都道府県知事衛生事務に関する権限の一部をこれらの市の市長委任することといたし、その委任の範囲を厚生次官通牒をもつて示して来たのでありますが、かような措置によるのみでは、なお行政事務を行う吏員の身分、権限委任に伴う費用負担関係等について種々便がありますので、これをを法律で明瞭に規定するため性病予防外十四件の法律改正しようとするのが、政府の本改正法案提案理由であります。  次に本改正法案内容のおもな点を申し上げますれば、第一は、従来都道府県知事権限に属する衛生事務のうち、全国的考慮を要するもの、その他特殊なもの以外は、これを政令で定める市につきましては、その市長をして行わしめることにし、各法律について、それぞれの事項を規定したことであります。第二は、政令で定める市の市町村は、その事務を行うために、市の吏員の中から食品衛生監視員、畜産検査員等の職員を任命し得ることにしたことであります。第三は、これらの市長が行う事務について、その市が費用を負担したときは、国庫よりその市に対して負担金を與えるようにしたのであります。  この両法案は、二月十二日、予備審査のため本委員会に付随せられ、同二十四日、厚生大臣から提案理由説明を聽取したのでありますが、三月八日、本付託となり、九日の委員会において、活發なる質疑応答の後、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して堤委員より、一、滿二十年に到達したる全国の男女に対しては、国と地方公共団体の責任において周到なる健康調査を実施すること、二、国民栄養調査を徹底するとともに、六・三制学校においては全面的に給食を実施すること、三、総合的栄養改善の機関を設置すること、この希望意見を付して両法案に賛成する旨の意見の関連があり、また日本共産党の渡部委員よりは、栄養士養成施設における授業科目を再検討してこれを合理的に改革するならば修行期間延長の必要を認められぬとの理由で本法案に反対する旨の意見の開陳がありました。  かくして採決に入りましたところ、両法案は多数をもつて原案通り可決すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手
  18. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) まず日程第三につき採決いたします。本案委員長の報告は可決であります。本案委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  19. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。  次に日程第四につき採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ——————————
  21. 山本猛夫

    山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、有価証券移転税法を廃止する法律案議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  22. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  有価証券移転税法を廃止する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事北澤直吉君。     〔北澤直吉君登壇
  24. 北澤直吉

    ○北澤直吉君 ただいま議題となりました有価証券移転税法を廃止する法律案につき、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法律案は、今次シヤドブ税制使節団の勧告によります税制改革の一環として提出せられたるものでありまして、この税が有価証券の流通を阻害するという非難にかんがみ、取引高税等流通税廃止の一般的方向に即応し、これを四月一日より全廃し、有価証券の流通を円滑にしようというのであります。  この法律案は、二月二十四日大蔵大臣の提案理由説明を聽取し、爾来委員会を開き審議を重ねましたが、その詳細は速記録に譲りたいと存じます。  かくて質疑を打切り、本日討論採決に入りましたところ、田中委員は日本社会党を代表し、北澤委員は自由党を代表し、宮腰本貫は民主党を代表し、内藤委員は国民協同党及び農民協同党を代表し、いずれも本案賛成の意を述べられ、河田委員は日本共産党を代表して本案に反対の意を表せられました。  かくて討論を終り、採決いたしましたところ、起立多数をもつて原案の通り可決いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  25. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 採決いたします。本案委員長の報告は可決であります。本案委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  26. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)  これにて本日の議事日程は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十六分散会