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1950-04-27 第7回国会 衆議院 法務委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十七日(木曜日)     午後二時四十一分開議  出席委員    委員長 花村 四郎君    理事 押谷 富三君 理事 角田 幸吉君    理事 北川 定務君 理事 田嶋 好文君    理事 山口 好一君 理事 猪俣 浩三君       佐瀬 昌三君    松木  弘君       眞鍋  勝君    武藤 嘉一君       大西 正男君    田中 堯平君  出席政府委員         法務政務次官  牧野 寛索君  委員外出席者         議     員 飯塚 定輔君         議     員 床次 徳二君         判     事         (最高裁判所事         務総局総務局第         二課長)    磯崎 良譽君         專  門  員 村  教三君         專  門  員 小木 貞一君 四月二十七日  委員勝間田清一君、大森玉木君及び塚田十一郎  君辞任につき、その補欠として田万廣文君、北  村徳太郎君及び高橋英吉君が議長指名委員  に選任された。 同日  委員高橋英吉辞任につき、その補欠として淵  上房太郎君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  司法書士法案起草に関する件  土地家屋調査士法案起草に関する件   請 願  一 奈良地方裁判所葛城支部甲号支部昇格    の請願前田正男君外四名紹介)(第一八    号)  二 戸籍事務費全額国庫負担請願木村榮君    紹介)(第三五号)  三 仙台地方裁判所登米支部及び登米簡易裁判    所の管轄区域変更等請願角田幸吉君紹    介)(第一三六号)  四 福島市に仙台高等裁判所支部及び高等検察    庁支部設置請願大内一郎君外一名紹    介)(第一三七号)  五 広瀬町に簡易裁判所及び家庭裁判所設置の    請願大橋武夫紹介)(第一七七号)  六 不良出版物等取締強化に関する請願(松    野頼三君紹介)(第二二七号)  七 大年寺山東北少年院設置反対請願(庄    司一郎紹介)(第二四一号)  八 中津簡易裁判所岐阜地方裁判所支部及び    家庭裁判所支部併置請願武藤嘉一君紹    介)(第三〇山号)  九 須坂町に刑務所設置反対請願(林百郎君    外一名紹介)(第三二一号) 一〇 戸籍事務費全額国庫負担並びに住民登録法    制定請願田中堯平君外一名紹介)(第    三七一号) 一一 同(足鹿覺紹介)(第三七二号) 一二 福岡地方裁判所田川支部昇格請願長尾    達生君外四名紹介)(第三九〇号) 一三 小山町に簡易裁判所並びに検察庁設置促進    の請願小平久雄君外二名紹介)(第五九    二号) 一四 鳥取地方法務局米子支局焼失に伴う戸籍再    調製費全額国庫負担請願米原昶君紹    介)(第六九九号) 一五 解散団体名儀個人所有財産接収解除に関    する請願加藤充紹介)(第七二一号) 一六 小豆郡に高松地方裁判所支部等設置請願    (玉置實紹介)(第八〇八号) 一七 戸籍事務費全額国庫負担請願塩田賀四    郎君紹介)(第八二一号) 一八 増田町に簡易裁判所設置請願飯塚定輔    君紹介)(第九三七号) 一九 尼崎市に神戸地方裁判所支部並びに検察庁    支部設置請願吉田吉太郎紹介)(第    一〇三二号) 二〇 北見市に地方裁判所設置促進等に関する請    願(松田鐵藏紹介)(第一〇三六号) 二一 紋別町に旭川地方裁判所支部設置請願(    松田鐵藏紹介)(第一〇三七号) 二二 商法改正案に関する請願石野久男君紹    介)(第一二〇二号) 二三 日本共産党解散に関する請願大和田義榮    君紹介)(第一三六六号) 二四 戰災地における既得借地借家権保護等    に関する請願福田一紹介)(第一四〇    七号) 二五 少年保護観察制度強化に関する請願(長    野長廣紹介)(第一四九九号) 二六 角田町に簡易裁判所設置請願庄司一郎    君紹介)(第一七〇九号) 二七 岡山地方法務局津山支局庁舎建設工事促進    の請願若林義孝君外一名紹介)(第一八    六三号) 二八 田上町唐湊に決定少年観護所設置位置変    更に関する請願床次徳二紹介)(第一    八八五号) 二九 名古屋高等裁判所及び同高等検察庁の金沢    支部昇格独立に関する請願鍛冶良作君外    五名紹介)(第一八九三号) 三〇 不良図書取締対策に関する請願松澤兼人    君紹介)(第一八九四号) 三一 めいてい(酩酊)者取締法制定に関する請    願(武藤運十郎紹介)(第一九九一号) 三二 佐賀地方裁判所唐津支部甲号支部昇格    の請願保利茂君外二名紹介)(第二一九    三号) 三三 札幌地方裁判所及び同家庭裁判所の各小樽    支部昇格に関する請願苫米地英俊君紹    介)(第二三三二号) 三四 矯正保護作業運営及び利用に関する法律    制定反対に関する請願川西清紹介)(    第二三五五号) 三五 八尾区検察庁舎建設促進に関する請願(内    藤隆紹介)(第二四九二号) 三六 武蔵野市に東京地方裁判所及び東京家庭裁    判所支部設置請願栗山長次郎君紹    介)(第二五八六号) 三七 矯正保護作業運営及び利用に関する法律    制定反対に関する請願大西弘君外五名紹    介)(第二六六九号) 三八 同(山崎猛君外五名紹介)(第二六八三    号) 三九 安來町に簡易裁判所設置請願木村小左    衛門君紹介)(第二七四九号) 四〇 不良出版物等取締強化に関する請願(橋    本龍伍紹介)(第二八一四号) 四一 宮崎地方法務局延岡支局庁舎新築に関する    請願佐藤重遠紹介)(第二八九八号)     ―――――――――――――
  2. 角田幸吉

    角田委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のため、理事の私が委員長の職務を行います。  請願審査に入ります。今日は請願審査にとどめ、その決定は明日に譲りたいと思います。審査の方法を申し上げますと、紹介議員の來られておりますものはこれをまず審査いたし、紹介議員の來られておりませんものにつきましては、便宜上文書表朗読によつてその審査を進めて参りたいと存じます。  まず日程第一八、増田町に簡易裁判所設置請願文書表第九三七号を議題といたします。紹介議員より説明を願います。飯塚定輔君。
  3. 飯塚定輔

    飯塚定輔君 この増田町は秋田県の湯沢区裁判所管轄になつておりますが、その増田中心にして湯沢裁判所管轄に属しておる郡内の東部に属する七、八箇町村は、この増田中心として生活をしておる状態にあります。この東部の七、八箇町村の問題は全部湯沢に参りまして、湯沢区裁判所の手を経てやつておるのでありますが、非常に交通不便、また距離から考えましても非常に湯沢には遠い距離にある町村でありまして、増田町に簡易裁判所をつくつていただいて、そこで処理のできるものは処理していただきたいという請願趣旨であります。この増田町におきましては、その簡易裁判所庁舎と申しますか、建物は一切増田その他の町村において経費負担するという気持を持つておりますから、できますならば、地元町村民の請願趣旨をおくみとりくださいまして、ぜひその実現をお願いしたいと思います。
  4. 角田幸吉

  5. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいま御請願趣旨は、十分政府といたしましては了承いたしました。なお地元民の費用までも負担いたしてという熱心な御要望に対しましては、われわれといたしまして十分考慮いたしたいと存じております。但し簡易裁判所の問題は最高裁判所権限に属しておりますので、なお最高裁判所ともよく打合せいたしまして、予算の範囲その他の点を考慮いたしまして考えたいと思います。
  6. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――最高裁判所より発言を求められておりますので、これを許したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 角田幸吉

    角田委員長代理 御異議なければ、さよう決定いたします。磯崎説明員
  8. 磯崎良譽

    磯崎最高裁判所説明員 ただいま政府委員からも御説明がありましたように、増田簡易裁判所を置きました場合における審理件数はさほど多くはございません。全国の現在における平均の審査件数よりは相当少いものが予定されるのでありますけれども、御説明のありましたように、交通の点では非常に不便でありまして、特に冬季雪が降りましたような節には、現在湯沢簡易裁判所に参りますのに非常に不便であります事情は、十分了承いたしておりますので、必要な機会予算的な措置を考えまして現地の御要望に沿いたいと存じております。     ―――――――――――――
  9. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に日程第一、奈良地方裁判所葛城支部甲号支部昇格請願文書表第一八号を議題といたします。紹介議員が來られておりませんので、文書表朗読により審査を進めます。文書表朗読を願います。   (書記朗読〕  奈良地方裁判所葛城支部甲号支部昇格請願(第一八号)請願者大和高田市役所内瀧井芳一外八百八十七名紹介議員前田正男藤井平治井上信貴男東井三代次君竹村奈良一君  本請願要旨は、奈良県高田市は昨二十三年に市制が実施された新興都市で、奈良下唯一の活発な商工業都市である。従つて同市にある奈良地方裁判所葛城支部には、民事刑事、家事々件数も急激に増加しつつある。ついては、奈良地方裁判所葛城支部甲号昇格されたいというのである。
  10. 角田幸吉

  11. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願趣旨は、政府といたしましても十分了承いたしておりますが、裁判所支部に関する事情は、最高裁判所権限に属しておりますので、この請願趣旨最高裁判所へ伝達いたしまして、何分考慮を願うことといたしたいと存じますから、さよう御了承願いたいと存じます。
  12. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑はありませんか――磯崎説明員
  13. 磯崎良譽

    磯崎最高裁判所説明員 葛城支部に最近非常に民事事件件数が増加いたしておりますことは請願趣旨にもあります通りでありますが、現在の乙号支部甲号支部昇格するかどうかと申します点は、結局合議事件件数にかかりますので、現在葛城支部は年間を通じまして、民事刑事合議裁事件を合せまして十七件、大体一箇月一件余というふうな件数でございますので、現在のところただちに甲号支部昇格する必要はないのではないか、ただ事件数がふえておりますので、この点に対処いたしますために、最近に判事を一名増員いたしまして、現地の御不便のないようにいたしております。
  14. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑ありませんか――なければ次に進みます。     ―――――――――――――
  15. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二、第一七、戸籍事務費全額国庫負担請願文書表第三五号、第八二一号、は同一趣旨でありますから一括議題といたします。紹介議員が見えられておりませんので、便宜文書表朗読によつて審査を進めます。文書表朗読を願います。   (書記朗読〕  戸籍事務費全額国庫負担請願紹介議員木村榮君  本請願要旨は、民法の改正により戸籍法改正され、戸籍関係事務量がいちじるしく増加し、それに要する人件費物件費その他関係経費も膨大で、市町村財政上に少なからぬ負担を加えている。ついては、戸籍事務は国の委任事務であるから、同関係経費全額国庫負担されたいというのである。
  16. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に政府意見を求めます。
  17. 牧野寛索

    牧野政府委員 戸籍事務は国の行政事務であり、国に重大な利害関係があることは申すまでもありません。従つて政府といたしましても、すでに請願の御趣旨に沿うよう努力いたして参つたのでありまして、その結果昭和二十三年度におきましては、配付税により現実に戸籍事務経費が増加された地方公共団体もあるのでありますが、なお十分満足な結果を得るに至つていないことは、国家財政の現状からやむを得ないところとは申せ、遺憾に存ずる次第であります。昭和二十五年度におきましては、税制改革により戸籍事務に要する経費国庫負担金の形式でなく、平衡交付金によつて調整せられることになるかと思考せられますが、実質的には請願の御趣旨を実現する方針のもとに目下鋭意検討を加えておる次第であります。何とぞ御了承願いたいと存じます。     ―――――――――――――
  18. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に日程第三、仙台地方裁判所登米支部及び登米簡易裁判所管轄区域変更等請願文書表第一三六号を議題といたします。紹介議員は私でありますから、ここで御説明を申し上げます。本請願要旨は、仙台地方裁判所登米支部及び登米簡易裁判所管轄区域は、ところにより区域内に他の裁判所管轄に属するものがあり、地区警察署管轄区域とも管轄を異にしているため業務上支障をきたし、関係民は、不便不利をこうむつておる。ついては、実情に即して、志津川簡易裁判所管轄区域登米支部管轄区に、また、石越村を登米簡易裁判所管轄区域に編入し、さらに仙台地方裁判所登米支部甲号支部昇格の上、気仙沼支部をその管轄区域に編入されたいというのである。  次に政府の御意見を求めます。
  19. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまお述べになりました請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましても御不便事情了承いたしておりますが、裁判所に関する事項最高裁判所権限に属しておりますので、本請願趣旨最高裁判所へ伝達いたしまして、何分の御考慮を願うことにいたしたいと存じます。  次に簡易裁判所管轄区域変更に関しましては、最初の申出でありますから、関係庁へ照会いたしまして、諸般條項調査中でありますので、右調査完了を待つて適当に処置いたしたいと存じますから、さよう御承知願いたいと存じます。
  20. 磯崎良譽

    磯崎最高裁判所説明員 この支部昇格につきましては、現地裁判所へ照会いたしまして実情を調べておりまするが、大いに現地の御要望のある点をいれまして、適当な機会甲号支部昇格を実現いたしたい、さように思つております。
  21. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ次に進みます。     ―――――――――――――
  22. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第四、福島市に仙台高等裁判所支部及び高等検察庁支部設置請願文書表第一三七号を議題といたします。紹介議員が見えられておりませんので、文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  福島市に仙台高等裁判所支部及び高等検察庁支部設置請願大内一郎君外一名紹介  本請願要旨は、福島市には地方裁判所家庭簡易裁判所地方検察庁等があるが、これ等裁判所で行われた裁判の結果による控訴、抗告、上告等は、すべて仙台高等裁判所に申立を断念しなければならないおそれがあり、人権擁護上まことに遺憾で、また近時重大事件が頻発しており、これら事務も繁劇を加えているとき、同市仙台高等裁判所支所及び高等検察庁支部設置されたいというのである。
  23. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  24. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨政府といたしまして十分了承いたしましたが、裁判所支部設置最高裁判所権限に属しておりますので、本請願については最高裁判所意見によりまして決定いたしたいと存じます。
  25. 磯崎良譽

    磯崎最高裁判所説明員 高等裁判所支部福島設置してくれという御要望でございますが、現在福島管内の郡山につきましても高等裁判所設置要望がありまするので、その点も双方比較いたしました上で、愼重に検討しなければならない問題と思つております。支部昇格いたします場合には相当職員の増員を伴いますので、予算的な裏づけがないとなかなか容易に実現できないと思いますので、十分研究いたしたいと存じます。
  26. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ次に進みます。     ―――――――――――――
  27. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に日程第五、広瀬町に簡易裁判所及び家庭裁判所設置請願文書表第一七七号を議題といたします。紹介議員が見えられておりませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  広瀬町に簡易裁判所並びに家庭裁判所設置請願紹介議員大橋武夫君  本請願要旨は、島根県能義郡は県の東端に位し、管轄裁判所のある松江市へは遠くて不便はなはだしいため、同郡の中央部にあり、諸官庁の所在地である広瀬町に簡易裁判所並びに家庭裁判所設置されたいというのである。
  28. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に政府意見を求めます。
  29. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましては本件は最初請願でありますので、さつそく関係庁へ照会いたしまして、諸般状況調査中であります。右調査完了を待つて適当に設置いたしたいと存じますから、さよう御了承願いたいと思います。
  30. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか。     ―――――――――――――
  31. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑がなければ、次に日程第七、大年寺山東北少年院設置反対請願文書表第二四一号を議題といたします。紹介議員が見えられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  大年寺山東北少年院設置反対請願(第二四一号)請願者仙台市議会議長佐伯滿紹介議員庄司一郎君  本請願要旨は、東北少年院建設地仙台市所在の史蹟大年寺山に内定した由であるが、同地区風致地区であり、特殊機関の独占にまかせられないこと、治山治水上からみて不安があること、偏性少年教化に不適地であること等の理由で、同少年院設置予定地を他に変更されたいというのである。
  32. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  33. 牧野寛索

    牧野政府委員 東北管内には少年院施設が不十分なため、東北少年院仙台市に設置することに方針を定め、その適地を物色にあたつて、地勢及び環境その他から判断して、少年教化にふさわしい、かつまとめて買收し得る土地として、大年寺山最適地として選定したのでありますが、当初市当局との間に意見の相違があつたので、数次にわたつて交渉の結果、昨年十二月十八日、当府と仙台市との会見で、従來の面積を一部縮小して設置することに完全な了解を得て、円満に解決したのでございます。
  34. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか。     ―――――――――――――
  35. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑がなければ、次に日程第八、中津簡易裁判所岐阜地方裁判所支部及び家庭裁判所支部併置請願文書表第三〇二号を議題とし、紹介議員より説明を願います。
  36. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 ただいま議題になりました中津簡易裁判所岐阜地方裁判所支部及び家庭裁判所支部併置請願でございます。この岐阜中津附近は、人口では県下非常に多い所であり、面積も非常に大きいのでございますが、御承知のごとく交通機関中央線一本しかないところであります。しかも民事刑事とも事件は相当多いにかかわらず、中津というところと、もう一個所多治見というところと、これよりほか間には裁判所らしいものはないのであります。これは汽車で約二時間半くらいかかるところでありまして、交通の非常に不便なところであるのであります。従來中津は相当大きな町でもありますのに、裁判所は少しも設けられておらなかつたのでありますが、ぜひこの際は、中津にも地方裁判所支部及び家庭裁判所支部設置せられたいことを、郡の町村長連署でもつてお願いに参つているのであります。政府におかれましては、しかるべく設置方に御盡力のほどをお願いしたいと思います。
  37. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  38. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましても、御不便事情了承いたしておりますが、いろいろ予算の都合、その他環境問題等考慮しなければならぬ点がございます。なお裁判所支部設置最高裁判所権限に属しておりますので、本請願趣旨最高裁判所に伝達いたしまして、何分考慮を願うことといたしたいと思います。さよう御了承を願います。
  39. 磯崎良譽

    磯崎最高裁判所説明員 中津支部設置いたします点につきましては、現地岐阜地方裁判所においてもその必要性を認めておりますので、適当な機会予算的措置を講じまして、御要望に沿いたいと思います。
  40. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか。     ―――――――――――――
  41. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑がなければ、次に日程第一〇及び第一一、戸籍事務費全額国庫負担並びに住民登録法制定請願文書表第三七一号、三七二号を一括議題といたします。紹介議員より説明を求めます。田中堯平君
  42. 田中堯平

    田中(堯)委員 この請願要旨は、先ほどとダブるのでありますが、ほかの分がありますので、いま一度一括して繰返します。  この請願要旨は、戸籍事務は国の委任事務であるにもかかわらず、この経費市町村負担することになつておりますが、これは不合理であるばかりではなく、事務の遂行上にも種々支障を生ずるおそれがありますので、法制的に負担関係を明確にするために、地方財政法の第十一條に、戸籍事務に要する経費の項目を加えて、国費をもつて支給せられるよう、予算措置を講ぜられたいというのが第一であります。  その次に、現行寄留法では、制度自体の不備もありますが、届出が励行されていないために、その本來の使命が達せられていないのであります。これにかわるものとして、人口居住状況、配給諸制度改善等をはかる上に便利な住民登録制を実施されたいというのが、第二番目の要旨であります。
  43. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  44. 牧野寛索

    牧野政府委員 戸籍事務費全額国庫負担に関する請願に対する政府意見は、先ほど申し上げた通りでございまして、これによつて了承願いたいと存じます。  それから住民登録法制定の問題でありますが、これは実は前国会政府といたしましてもぜひやりたいという意向で、その法案ができまして、閣議にかけたのでありましたが、予算がこれに伴わないということで、大蔵大臣の方で反対せられて、遂に国会まで提出の運びに至らなかつたのであります。政府といたしましてはぜひこれをやりたい希望を持つておりますので、何とぞ国会の方でも御協力願いたいと思います。
  45. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか。     ―――――――――――――
  46. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑がなければ、次に日程第一二、福岡地方裁判所田川支部昇格請願文書表第三九〇号を議題といたします。紹介議員が見えておりませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  福岡地方裁判所田川支部昇格請願(第三九〇号)請願者田川市長久野保外十四名紹介議員長尾達生衞藤速江田斗米吉淵上房太郎平井義一君  本請願要旨は、田川市には現在福岡地方裁判所田川支部乙号)があるが、全国稀有の炭都である同市をはじめ、郡内には中小炭山ぼつ興するに従つて犯罪関係も激増している。支部取扱犯罪件数と、事務繁激とは甲号支部と同じ実績を持ち、また、乙号支部なるために地理的にも多大の不便と時間を空費している。その管轄区域が広大で特異性があるから、同支部乙号より甲号支部昇格するよう取計れたいというのである。
  47. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  48. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は、十分了解いたしました。政府といたしましても、御不便事情は十分了承いたしておりますが、裁判所支部に関する事項最高裁判所権限に属しておりますので、本請願の御趣旨最高裁判所に伝達いたしまして、何分の御了承を願うことにいたしたいと存じますから、さよう御了承を願います。
  49. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  50. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に日程第一三、小山町に簡易裁判所並びに検察庁設置促進請願文書表第五九二号を議題といたします。紹介議員が見えておりませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  本請願要旨は、栃木県小山町を中心とする下都賀郡東部三町九箇村は、人口二十一万一千余を有するが、昭和二十三年中における犯罪発生状況は、司法、経済事犯数三千百六十八件に上つた。これら事件の処理のためには簡易裁判所並びに検察庁と緊密な連絡を要するが、それらはこの拡大な地域を包含する下都賀郡には栃木市にあるばかりで、郡下の住民は時間的、経済的に多大の損失をこうむつている。ついては、小山町に簡易裁判所並びに検察庁設置されたいというのである。
  51. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  52. 牧野寛索

    牧野政府委員 政府といたしましては、請願趣旨は十分了解いたされますが、先般現地からの報告がありまして、予定管轄区域内の一部に反対の意見があるやに承知いたしておりますので、なお最高裁判所とも協議いたしまして、十分研究いたしたいと存じますから、さよう御了承をお願いいたします。
  53. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――なれば次に移ります。     ―――――――――――――
  54. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に日程第一四、鳥取地方法務局米子支局燒失に伴う戸籍調製費全額国庫負担請願文書表第六九九号を議題といたします。紹介議員が見えておりませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  本請願要旨は、昭和二十四年九月十三日鳥取地方法務局米子支局が保管していた、西伯郡、日野郡、米子市の戸籍除籍副本が燒失したため、この再調製を同市町村へ通達されようとしているが、戸籍事務は国家の要務であり、したがつてその経費も当然国庫において、負担さるべきものであるにもかかわらず、過大なる経費を要するこれらの経費市町村負担とすることは、極度に窮乏せる市町村の財政の堪え得られないところである。ついては、右副本の再調製費を全額国庫負担とせられたいというのである。
  55. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  56. 牧野寛索

    牧野政府委員 御請願にかかる戸籍副本の再製に要する経費は、現制度のもとにおきましてはやはり地方団体がこれを負担すべきものと考えられるのでありますが、戸籍事務の国の行政事務たる性質にかんがみ、また地方的特殊事情をも考慮いたし、何らかの救済対策を講ずるを相当と考え、再製に要する戸籍用紙は現物をもつて二十一万二千二百四十七枚を送付し、人件費その他の消粍品費については、昨年十二月に米子市分として五十万円、鳥取県市町村分として二百万円を特別配付税として一般財源に増額配付せられましたので、二十四年度はこの中からまかなつていただきたく、また二十五年度にかかる分については、別に立案されている地方財政平衡交付金からまかなつていただきたいと存じておりますので、何とぞさよう御了承をお願いいたします。
  57. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  58. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第一五、解散団体名儀の個人所有財産接收解除に関する請願文書表第七二一号を議題といたします。紹介議員より説明を願います。田中堯平君
  59. 田中堯平

    田中(堯)委員 この請願要旨は、昭和二十四年九月八日、団体等規正令によつて解散を指定された在日本朝鮮人連盟、在日本朝鮮民主青年同盟の財産として、自家用乘用自動車三台が接收されたのでありますが、右は便宜上同団体の所有物となつていますけれども、事実は請願者外二名の所有物であります。去る九月に証拠書類を添付して、東京都知事を経由して法務総裁あてに接收財産解除申請書を提出してあるのでありますが、まだ解除になつておりません。ついてはすみやかにこの財産を解除して返還されたいというのであります。
  60. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  61. 牧野寛索

    牧野政府委員 請願にかかる接收自動車については、解除申請の申達を受けており、目下その財産の権利関係について調査中でありますから、さよう御承知を願いたいと存じます。
  62. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  63. 角田幸吉

    角田委員長代理 次は日程第六、不良出版物等取締強化に関する請願文書表第二二七号を議題といたします。紹介議員が見えておりませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  本請願要旨は、近時世上に不良出版物がはん濫しているが、青少年、とくに兒童に及ぼす惡影響は、母としてまことに座視するに忍びないところであり、又幼児を対象とした俗惡卑わいなる紙芝居や抽せん等を以て射こう心を植えつける不健全な遊戯等がはびこり、それがいかに童心を害し不良化を助長しつつあるかを考えるとまことに憂慮に堪えない。ついては、すみやかにこれら不良出版物、不良紙芝居等の取締を励行し、童心を保護善導する措置を講ぜられたい。
  64. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  65. 牧野寛索

    牧野政府委員 青少年、特に兒童に対して惡影響を及ぼすような不良出版物及び幼児を対象とした俗惡卑猥な紙芝居並びに抽籤等の一掃については社会教育の徹底、健全娯楽の充実等と相まつて初めて完璧を期し得ることはもちろんであるが、出版法が廃止された現在においても、猥褻にわたる出版物または紙芝居等については、刑法第百七十五條を適用して取締り得るのであり、また抽籤等であつても單なる一時の娯楽の域を越えて射倖心をそそるようなものについては、刑法賭博罪の規定を適用して取締り得るのであるから、いやしくもこれらの賭博規定に触れる疑いのある行為については随時取締りを励行し、このような違法行為の防喝に遺憾なきを期している次第であります。
  66. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか。なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  67. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第一六、小豆郡に高松地方裁判所支部等設置請願文書表第八○八号を議題といたします。紹介議員が見えておりませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  本請願要旨は、さきに香川県小豆郡には土庄簡易裁判所設置を見たが、その権限はきわめて狭いため、権限以外の多くの事件については管轄裁判所の所在地である高松市に、船で出向かねばならず、関係住民の不利不便は大である。ついては、同郡に高松地方裁判所乙号支部、高松家庭裁判所乙号支部並びに高松地方検察庁支部設置されたい。
  68. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  69. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願に対しまして、政府といたしましても御不便事情はよく了承いたしておりますが、これは最高裁判所権限に属しておりますので、本請願の御趣旨最高裁判所へ伝達いたしまして、何分考慮を願うことにいたしたいと存じます。
  70. 磯崎良譽

    磯崎最高裁判所説明員 小豆郡に高松地方裁判所支部等を設置してもらいたいという請願管轄区域内から移転される件数はさほど多くないと思われるのでありますが、高松まで海上一時間半を要しますので、特に天候の荒れているような際には御不便も多いと思います。よく事情調査いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと思つております。
  71. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ次に移ります。     ―――――――――――――
  72. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第一九、尼崎市に神戸地方裁判所支部並びに検察庁支部設置請願文書表第一〇三二号を議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  尼崎市に神戸地方裁判所支部並びに検察庁支部設置請願請願者尼崎市長六島誠之助紹介議員吉田吉太郎君尼崎市は大阪市に接続した工業都市で、住民の往來がひん繁をきわめ、従つて各種の犯罪数も次第に上昇している。しかし、これら被告人の公判、市民の民事事件、家事審判等の大多数は、交通不便な伊丹支部に出頭しなければならない。そのため、時間的にも経済的にも多大の不便であり、犯人逃走の機会も多く、治安上にも大きい支障をきたしている。ついては、すみやかに尼崎市に神戸地方裁判所支部及び検察庁支部設置されたい。
  73. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  74. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましても、御不便事情は了解いたしておりますが、裁判所支部設置最高裁判所権限に属しておりますので、本請願の御趣旨最高裁判所へ伝達いたしまして、何分考慮を願うことにいたしたいと思いますから、さよう御了承願います。
  75. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか。御質疑がなければ次に移ります。     ―――――――――――――
  76. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二〇、北見市に地方裁判所設置促進等に関する請願文書表第一〇三六号を議題といたします。紹介議員が見えておりませんから、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  北見市に地方裁判所設置促進等に関する請願請願者北見市長伊谷半次郎外一名紹介議員松田鐵藏君  北見市は北海道網走支庁管内における政治、経済、産業、交通、文化等の中心であり、地方民は同市に来ることによつて、きわめて短時間に、能率的にすべての用務を処理することができる。しかるに、ひとり司法事務のみにおいては、北紋別郡七箇町村は、旭川地方裁判所に、東紋別、常呂、網走、斜里の各郡、北見網走の二市二十一箇町村は、釧路地方裁判所にと管轄が二分されて、地方開発の障害になつている。ついては、第五回国会に採択されたとおり、同市地方裁判所設置することを促進され、なおその前提として、釧路地方裁判所北見支部並びに検察庁甲号支部昇格されたい。
  77. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  78. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。北海道はあの広大な地域に札幌、函館、旭川及び釧路の四地方裁判所があるのみでありまして、特に北見市近くの釧路地方裁判所管轄区域は広大でありますので、御不便事情はよく了承しておるのであります。去る第六国会におきましても、同地方裁判所管内の網走市に地方裁判所設置せよとの請願が当院で御採択になつておるのでありまして、さらに相当以前から同管内の帶広市に地方裁判所設置の陳情もあり、三箇所が競願の形にありますので、最高裁判所とも協議いたしまして、なお十分研究いたしたいと存じますから、さよう御了承をお願いいたします。
  79. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ次に移ります。     ―――――――――――――
  80. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二一、紋別町に旭川地方裁判所支部設置請願文書表第一〇三七号を議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読)  紋別町に旭川地方裁判所支部設置請願請願者北海道紋別町長大西真平外五名紹介議員松田鐵藏君  紋別町の簡易裁判所設置後、その事件発生数及び取扱件数は、先進地を凌駕している状況であり、今後ともますます増加する傾向にあることは明白である。ついては、現旭川地方裁判所名寄支部所管区域を分割し、紋別郡一円に、常呂郡、枝幸郡の一部を所管区域とする、旭川地方裁判所紋別支部を、紋別郡の中央である紋別町に設置されたい。
  81. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  82. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。この問題はやはり最高裁判所権限に属しておりますので、最高裁判所請願の御趣旨を伝達いたしまして、十分考慮を願うことにいたしたいと思いますから、さよう御了承を願いたいと存じます。
  83. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  84. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二二、商法改正案に関する請願文書表第一二〇二号を議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。  商法改正案に関する請願請願者東京都文京区小石川町一丁目二番地日本発送電株式会社井上安治外一名紹介議員石野久男君  商法改正案のうち、株式関係について、その改正要点は、形式的な、株主を保護し、地位を強化する点が多分にあり、したがつて、会社にいたずらな責任の加重と制約とを加えるものである。ついては、一方に偏しない、現社会、経済状勢に適応し得るようにされ、株式会社の規模の大小を分ち、あるいは企業内部の規制や、外的監督の強化等に法技術的に検討を加えられたい。
  85. 角田幸吉

    角田委員長代理 政府意見を求めます。
  86. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府は昨年八月商法の一部を改正する法律案要綱を公表いたしますとともに、これを法制審議会に諮問いたしましたが、法制審議会におきましては、要綱公表以來各方面より寄せられました多数の御意見を十分参酌の上、愼重審議せられ、昨年末修正要綱を答申せられました。御指摘の諸点もその審議の過程において十分検討せられ、そのうちあるものはすでに修正要綱中に包含せられておりまして、政府といたしましては、右修正要綱に基き法案を立案いたした次第でありますが、立案にあたりましても、請願の御趣旨は十分尊重いたしております。さよう御了承を願います。
  87. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  88. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二八、田上町唐湊に決定少年観護所設置位置変更に関する請願文書表第一八八五号を議題といたします。紹介議員説明を願います。
  89. 床次徳二

    床次徳二君 簡單に御説明申し上げます。これは普通にありまする位置変更に関する請願とは多少内容が違つておりますことだけを明かにいたしたいと思います。  少年観護所の設置につきましては、どこもあまり歓迎しないのでありまして、往々にして反対があることは皆様よく御承知の通りであります。鹿兒島市におきましても、すでに数箇所において反対があります関係上、その場所の決定を見なかつたのでありますが、たまたまここに書いてあります唐湊という場所において、一町八反歩ばかりの所有者が市の委員長でありました関係上、直接取引をいたしまして、地元の者が知らないうちに所有者たる者が契約をいたしまして、そのまま当局においては工事を進めようとした問題であります。少くとも地元に対してある程度までの了解を求めるというか、手続を全然省いておりました関係上、もう少しうしろに持つて行こうとすれば、もつと適当な場所があるわけであります。また地元としても反対しなくても済む場所があるにも拘らず、その手続を全然欠いておつたところにこの問題があるのでありまして、單にこういうものが來てもらつては困るというような感情問題において反対しているのではない。実質的に土地選定決定の手続において非常に独断的なところがあつたというところに主要な反対の原因があるのであります。今後適当な機会におきまして、位置を変更するなり何かの余地がまだ残されておると思いまして、特に請願をいたします。
  90. 角田幸吉

  91. 牧野寛索

    牧野政府委員 鹿兒島少年観護所は、最初鹿兒島市及び財務部鹿兒島支部の協力によつて、鹿児島市郡元町の旧海軍航空隊敷地の一部の管理がえを受けて、そこに設置する予定であつたが、その後反対運動が起り、市もそれに同調の趣であつたので、市会議員のあつせんにより、市長にも了解の上、現在の唐湊町の土地変更し、ここに建設工事を進めたものであります。しかるにその後この地元民から一、将来鹿兒島市の中心地となること、二、土地選定について地元の了解がないこと等の理由で反対陳情があつたが、当方としてはすでに長期にわたり候補地の選定に努め、ようやくこの地に決定したもので、また他に適当な土地の発見が困難であり、工事予算の関係もあつて、もはや変更いたしがたいため、福岡矯正保護管区本部に対して現地に出張して設置趣旨少年観護所の件質等を説明して理解を得るよう指示しているのであります。これに基き三月二十四日鹿兒島市議会市会議長からかつて一部の地元民の反対はあつたが、すでに市当局との間に完全な了解を遂げ、現在何ら憂慮すべきものはないと思料せられるとともに、鹿兒島市議会は何ら反対の意向はない旨の電報に接しております。しかし念のために、なお福岡矯正保護管区及び鹿兒島少年観護所を通じて、直接地元民各位に対する了解も進めておるのであります。さよう御了承願いたいと思います。
  92. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか。     ―――――――――――――
  93. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑がなければ、日程第二三、日本共産党解散に関する請願文書表第一三六六号を議題にいたします。紹介議員が見えておりませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  日本共産党解散に関する請願(第一三六六号)紹介議員大和田義榮君 本請願要旨は、日本共産党の党員は、ポツダム宣言受諾に基く憲法を無視し、暴力をもつて政権を奪うため、国際コミンテルンの手先となつて、治安をかく乱するから、すみやかに、政治社としての日本共産党の解散を命ぜられたいというのである。
  94. 角田幸吉

  95. 牧野寛索

    牧野政府委員 法務府におきましては、現在日本共産党は団体等規正令によつて解散すべき不法な団体であるとは認定しておりません。しかし法務府特別審査局は同令の運用として、あらゆる政党その他の団体の動向を愼重観察しておるのでありまして、いやしくも同令に抵触する非合法な団体はいかなる団体といえども嚴重に取締る方針であります。
  96. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 いまの紹介議員の名前をお知らせ願いたい。
  97. 角田幸吉

  98. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 委員長から一つ大和田君に反省を促していただきたいと思います。かような一つの政党の解散を請願し、それを自分が提出者として出すという重大案件に対して、ここへ来て説明も何もしないでほつたらかしておくということは請願権の濫用だと思う。さような不謹愼な態度は反省を求めていただきたいということを、私は委員長にお願いしておきます。
  99. 角田幸吉

    角田委員長代理 では委員長より御趣旨に沿うて善処いたします。他に御質疑はありませんか。     ―――――――――――――
  100. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑がなければ、日程第二四、戰災地における既得借地借家権保護等に関する請願文書表第一四〇七号を議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。  戰災地における既得借地借家権保護等に関する請願(第一四〇七号)紹介議員福田一君  本請願要旨は、戰時中疎開し、戰後元住居に復元した場合、その借地及び借家権を再確認して、借地借家人と賃貸人との間における紛争を一  掃されたい。なお、民法第六百十二條は、賃貸人の利益にのみ偏したものであるから、賃借人の権利を保証するよう、同條を改正されたいというのである。
  101. 角田幸吉

  102. 牧野寛索

    牧野政府委員 請願要旨の第一は、戰時中の疎開者の疎開前の住所における借地権及び借家権を再確認して、土地、建物の賃貸借関係の紛争を一掃するようにということであり、第二は、転貸借に関する民法第六百十二條の規定は、賃貸人の利益を偏重しているものであるから、賃借人の権利を保障するよう同條を改正するようにということにあると存ぜられます。  第一の点につきましては、疎開跡地の借地借家関係につき、御承知の通り罹災都市借地借家臨時処理法がある程度その紛争解決の道を用意いたしておるのでありますが、なお個々の問題解決につきましては、問題も多岐にわたり、また重大な権利義務に関することでもございますので、現在すでに行われております裁判制度及び調停制度を当事者に利用していただくのが最良の道と存ぜられます。今ただちに立法または行政措置により一律に問題を解決することは、いかがかと存ぜられます。  第二の点につきましては、民法第六百十二條は、單に借地借家の関係ばかりでなく、一般の賃貸借に関する規定でありますが、特に土地、建物の転貸借につきましては、近く借地借家関係法令を総合的に再検討する際に、御請願の御趣旨を十分考慮いたしたいと存じております。右により御了承をお願いいたします。
  103. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ、次に進みます。     ―――――――――――――
  104. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二五、少年保護観察制度強化に関する請願文書表第一四九九号を議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  少年保護観察制度強化に関する請願、長野長廣紹介  本請願要旨は、少年の犯罪は、混乱した社会情勢の中でますます増加しつつあるが、この防止、善導及び保護に対する施策は、あまり心も傍観的であり、軽視されている。委嘱少年保護司の如きは、保護、善導にあらゆる努力をしているのであるが、無報酬のままで奉仕させている実情である。これでは活発な保護活動をすることができない。ついては、すみやかに、委嘱少年保護司に対し、その経費国庫負担とし、少年保護観察制度の拡充強化を計られたいというのである。
  105. 角田幸吉

  106. 牧野寛索

    牧野政府委員 少年保護観察所及び成人保護観察所がつかさどる犯罪者の保護観察制度の実施に関し、民間の司法保護委員の方々が多大の犠牲を払い幾多の困難を排除して犯罪者の改善及び更生のため真摯熱烈な活動をしておられることは、まことに感謝にたえないところであります。政府は、昭和二十五年度予算において、司法保護委員に対する謝金二千六百七十三万四千円のほか、司法保護委員が保護対象者の指導監督のために要する交通費、通信費、その他の実費を弁償するための補導実費四千四百九万円及び応急救護並びに補導援護に要する援護委託費千四百十一万二千円を計上しております。以上の予算的措置により、従来司法保護委員の方々が、その大部分をみずからの犠牲によつて負担していた諸経費を、昭和二十五年度からは出来る限り国の責任において支弁し、その活動をますます活溌らしめ、もつて犯罪者の改善及び更生に万遣漏なきを期したいと思つております。
  107. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ、次に進みます。     ―――――――――――――
  108. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二六、角田町に簡易裁判所設置請願文書表第一七〇九号を議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  角田町に簡易裁判所設置請願庄司一郎紹介  本請願要旨は、簡易裁判所は、宮城県では県北地方に七箇所設置されたにもかかわらず、県南地方では柴田郡大河原町に一箇所設置されたのみである。伊具郡は交通不便で、関係町村民が裁判所関係用件で大河原町まで行くためには、早朝から夕刻まで終日を要し、用件によつては数日を要するため、伊具郡町村民は少なからず迷惑をしている。ついては、伊具郡の中心地である角田町に、簡易裁判所設置されたいというのである。
  109. 角田幸吉

  110. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分諒解いたしました。政府といたしましては、本件は最初請願でありますので、さつそく関係庁へ照会いたしまして、諸般状況調査中でありますから、さように御了承をお願いいたします。
  111. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ、次に進みます。     ―――――――――――――
  112. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二七、岡山地方法務局津山支局庁舎建設工事促進請願文書表第一八六三号を議題といたします。紹介議員がお見えでありませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  岡山地方法務局津山支局庁舎建設工事促進請願若林義孝君外一名紹介  本請願要旨は、岡山地方法務局津山支局は、裁判所の一部を借り執務しているため、狹あいをきわめ、一般民衆、市町村関係官公署等に多大の不便を與えている。農地改革による事務が激増した上に、近く税務署で取扱つていた土地、家屋台帳に関する事務も、法務局に移管されようとしているので、ますます狹くなる。ついては、津山市田町に庁舎建設の敷地の候補地もあるから、すみやかに、同支局庁舎の建設工事を実施されたいというのである。
  113. 角田幸吉

  114. 牧野寛索

    牧野政府委員 法務局及び地方法務局並びにその支局の庁舎は、その発足当初の昭和二十二年度においてこれを建設すべきであつたが、国家財政の実状その他の事情によりその実現を見ず、昭和二十三年度及び昭和二十四年度において、若干の庁を建設することができたにとどまり、その大部分はいまだ裁判所庁舎等の一部を使用している現状であります。しかるに法務局及び地方法務局の取扱う事務はその後ますます多きを加え、事務の内容も国民と非常に密接な関係のあるものである反面、陳情にもありますように、裁判所庁舎が職員の増加、その所掌事務の増加等により最近著しく狹隘となつたこと等により、庁舎の建設はきわめて焦眉の問題となつて参りましたから、当局といたしましては、その解決に種々考慮を払つている次第でありまして、陳情の岡山地方法務局津山支局の庁舎建設についても、昭和二十五年度において若干考慮できる見通しがつきましたので、昭和二十五年度においてはぜひこれを実現いたしたい所存であります。
  115. 角田幸吉

    角田委員長代理 御質疑はありませんか――御質疑がなければ次に進みます。     ―――――――――――――
  116. 角田幸吉

    角田委員長代理 日程第二九、名古屋高等裁判所及び同高等検察庁の金沢支部昇格独立に関する請願文書表第一八九三号を議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  名古屋高等裁判所及び同高等検察庁の金沢支部昇格独立に関する請願紹介議員鍛冶良作君外五名紹介  本請願要旨は、金沢市には、名古屋高等裁判所及び同高等検察庁の金沢支部設置されているが、高等裁判所支部及び高等検察庁支部は、その取扱う事務の性質上、また位置の関係からいつても、現在の如く関係事務の連絡に時日を要し、さらに重要事項については、名古屋本庁の指令をまたなければならないような状態では、司法事務運営上多大の支障をきたし、憂慮に堪えない。ついては、同両支部をそれぞれ独立昇格させ、同市に金沢高等裁判所ならびに金沢高等検察庁設置されたいというのである。
  117. 角田幸吉

  118. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。金沢市は現名古屋高等検察庁管内における名古屋市に次ぐ大都市でありまして、御不便事情了承されるのでありますが、政府におきましては、去る昭和二十三年法務庁令第十一号をもつて、金沢市に名古屋高等裁判所支部に対応する名古屋高等検察庁支部設置し、同年五月十五日から施行いたしましたことは御承知の通りでありまして、さらにこれを高等検察庁昇格いたしますことは、国家財政上の制約もあり、また他地方との権衡の問題も生ずることでありますから、本請願の御趣旨最高裁判所に伝達いたしまして、なお十分研究いたしたいと存じますから、さように御承知をお願いいたします。     ―――――――――――――
  119. 角田幸吉

    角田委員長代理 牧野法務政務次官が参議院に参られますので、請願審査は一時これを延期し、次に司法書士に関する小委員長より小委員会の報告をいたしたいとの申出がありますので、この際これを許します。北川定務君。
  120. 北川定務

    ○北川委員 司法書士法案に関する小委員長の報告を申し上げます。  現行司法書士法は今を去る三十年の昔、すなわち、大正八年に制定せられた古い法律でありまして、その後若干の事務的修正を経ましたけれども、実質上の改正は一回もなく今日に及んでおるのであります。しかるに当時の代書人は法律知識の程度も低かつたので、司法書士の取締りや監督の規定も嚴重でありましたが、三十年の歳月を経過しまして、新憲法の原則に照しまして司法書士法を見ますると、改正すべき点が多々あることは一目瞭然であります。この改正の必要は司法書士の業者のみならず朝野法曹はもちろん、国民一般の認むるところであります、よつて衆議院法務委員会は、御承知の通り二月十四日司法書士に関する小委員会をつくり、立案起草に当つたのであります。この間小委員会を開くこと数回、最高裁判所、法務庁、弁護士会の意向はもとより、計理士会、公認会計士会、測量士会、弁理士会等広く民間の意向を徴しました。かくて四月四日一応の成案を得て関係方面の了解を求め、四月二十七日了解を得て本日衆議院法務委員会に報告する次第であります。法案の内容については現行法と比較して申し上げます。  第一に現行法によりますと、司法書士は地方裁判所の所属に属し、地方裁判所長の監督を受けることになつておりますが、改正法においては、全面的に監督はこれを廃止し、認可する場合と懲戒する場合とに、法務局長または地方法務局長が事実上の監督をすることにいたしました。  第二に現行法によれば、認可を受けない場合の救済方法はありませんが、改正法におきましては、認可を受けることのできない場合は、第十三條の規定に従つて公開による聽問を求めることができるようにいたしました。  第三に現行法によれば、司法書士会及び同連合会の規定はありませんが、改正法においては明文をもつてこれを規定いたしました。但し当然に入会するのではなく、入会するといなとは各司法書士の自由となつております。  第四に改正法においては、司法書士会を設立した場合にはその内部の自治を認めますので、官庁は会則の変更やその他の事項を命ずることができなくなつたのであります。  第五に現行法も改正法も事務所の設置、嘱託拒絶の禁止、双方嘱託の禁止、訴訟関与の禁止、秘密遵守義務等については大体同様であります。右内容の説明を申し上げたのでありまするが、次に法案朗読いたします。   司法書士法案   司法書士法(大正八年法律第四十八号)の全部を改正する。   (業務)  第一條 司法書士は、他人の嘱託を受けて、その者が裁判所検察庁又は法務局若しくは地方法務局に提出する書類を代つて作成することを業とする。  2 司法書士は、前項の書類であつても他の法律において制限されているものについては、その業務を行うことができない。   (資格)  第二條 左の各号の一に該当する者は、第四條の認可を受けて司法書士となることができる。   一 裁判所事務官、裁判所書記官、裁判所書記官補、法務府事務官又は検察事務官の職の一又は二以上に在つてその年数を通算して三年以上になる者   二 前号に掲げる者と同等以上の教養及び学力を有する者   (欠格事由)  第三條 左に掲げる者は、司法書士となる資格を有しない。   一 禁こ以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつてから二年を経過しない者   二 禁治産者又は準禁治産者   三 公務員であつて懲戒免職の処分を受け、その処分の日から二年を経過しない者   四 第十二條の規定により認可の取消の処分を受け、その処分の日から二年を経過しない者   (認可)  第四條 司法書士となるには、事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の長の認可を受けなければならない。  2 法務局又は地方法務局の長は、前項の認可を与えない場合においては、あらかじめその認可を申請した者の請求により、その出頭を求めて公開による聽問を行わなければならない。  3 法務局又は地方法務局の長は、   前項の聽問を行う場合には、認可を与えない理由並びに難問の期日及び場所を、その期日の一週間前までにその認可を申請した者に通知しなければならない。  4 法務局又は地方法務局の長は、認可を申請した者が正当な理由がなくて聽問の期日に出頭しないときは、聽聞を行わないで認可を与えないことができる。   (事務所)  第五條 司法書士は、法務府令で定める基準に従い事務所を設けなければならない。   (嘱託に応ずる義務)  第六條 司法書士は、正当な事由がある場合でなければ嘱託を拒むことができない。   (報酬)  第七條 司法書士が受けることのできる報酬の額は、法務総裁の定めるところによる。  2 司法書士は、その業務に関して、前項の額を越えて報酬を受けてはならない。   (業務を行い得ない場合)  第八條 司法書士は、当事者の一方から嘱託されて取り扱つた事件について、相手方のために書類を作成してはならない。   (業務範囲を越える行為の禁止)  第九條 司法書士は、その業務の範囲を越えて他人間の訴訟その他の事件に関与してはならない。   (秘密保持の義務)  第十條 司法書士は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱つた事件について知ることのできた事実を他に漏らしてはならない。   (認可の取消)  第十一條 司法書士が左の各号の一   に該当するときは、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は、認可を取り消すことができる。   一 引き続き二年以上業務を行わないとき   二 身体又は精神の衰弱により業務を行うことができないとき   (懲戒)  第十二條 司法書士がこの法律又はこの法律に基く命令に違反したときは、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は、左に掲げる処分をすることができる。   一 戒告   二 一年以内の業務の停止   三 認可の取消   (聽問)  第十三條 法務局又は地方法務局の長は、第十一條又は前條第二号若しくは第三号の処分をしようとするときは、当該司法書士の請求により、その出頭を求めて公開による聽問を行わなければならない。  2 法務局又は地方法務局の長は、前項の聽問を行う場合には、その処分の原因と認められる事実並びに聽問の期日及び場所を、その期日の一週間前までに当該司法書士に通知しなければならない。  3 法務局又は地方法務局の長は、当該司法書士が正当な理由がなくて聽問の期日に出頭しないときは、聽問を行わないで第十一條又は前條第二号若しくは第三号の処分をすることができる。   (司法書士会)  第十四條 司法書士は、法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに司法書士会を設立することができる。  2 司法書士会は、司法書士の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。   (司法書士会の会則)  第十五條 司法書士会を設立しようとするときは、会則を定め、その地を管轄する法務局又は地方法務局の長の認可を受けなければならない。会則を変更しようとするときもまた同様とする。  2 司法書士会の会則には、左の事項を記載しなければならない。   一 名称及び事務所の所在地   二 会の代表者その他役員に関する規定   三 会議に関する規定   四 司法書士の品位保持に関する規定   五 司法書士の執務に関する規定   (司法書士会の会員)  第十六條 司法書士会の区域内に事務所を有する司法書士は、その司法書士会の会員となることができる。   (司法書士会連合会)  第十七條 司法書士会は、共同して特定の事項を行うため、会則を定め、法務総裁の認可を受けて全国を單位とする司法書士会連合会を設立することができる。  2 前項の会則を変更しようとするときは、法務総裁の認可を受けなければならない。(法務府令への委任)  第十八條 この法律の施行に関し司法書士の認可及び業務執行について必要な事項は、法務府令で定める(非司法書士の取締)  第十九條 司法書士でない者は、第一條に規定する業務を行つてはならない。但し、他の法律に別段の定がある場合又は正当の業務に附随して行う場合は、この限りでない。  2 司法書士でない者は、司法書士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。   (罰則)  第二十條 第六條又は第七條第二項の規定に違反した者は、二万円以下の罰金に処する。  第二十一條 第九條の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。  第二十二條 第十條の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。  2 前項の罰は、告訴がなければ公訴を提起することができない。  第二十三條 第十九條第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。  2 第十九條第二項の規定に違反した者は、五千円以下の罰金に処する。     附 則  1 この法律は、昭和二十五年七月一日から施行する。  2 この法律施行の際現に司法書士である者は、この法律の規定による司法書士とみなす。  3 第二條第一号の規定の適用については、裁判所書記の在職年数は、裁判所書記官補の在職年数とみなし、法務庁事務官、司法事務官又は司法属の在職年数は、法務府事務官の在職年数とみなす。  4 この法律施行の際現に設けられている司法書士の事務所は、この法律の規定により設けられたものとみなす。  5 従前の規定により定められた書記料は、第七條第一項の規定により法務総裁が報酬の額を定めるまでは、同項の規定により定められた報酬の額とみなす。  6 この法律施行前にした旧司法書士法第十一條第一項に該当する行為に対する処分については、なお従前の例による。  7 この法律施行の際現に存する司法書士会は、この法律の規定により設立されたものとみなす。  8 前項の司法書士会は、この法律施行の日から六箇月内に第十五條の規定により会則を定め、その地を管轄する法務局又は地方法務局の長の認可を受けなければならない。  9 民事訴訟費用法(明治二十三年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。    第二條第三項を次のように改める。   司法書士法ノ定ムル所ニ従ヒテ司法書士ニ支拂ヒタル報酬ノ金額カ前ニ項ニ定ムルモノト異ナルトキハ其額ニ依ル  何とぞこれを衆議院法務委員会の成案として御可決あらんことを希望する次第であります。右小委員長の報告を申し上げます。
  121. 角田幸吉

    角田委員長代理 これにて小委員長の報告は終了いたしました。御質疑はありませんか――御質疑がなければ本案を一応委員会の成案といたし、委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 角田幸吉

    角田委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。     ―――――――――――――
  123. 角田幸吉

    角田委員長代理 次に土地家屋調査士に関する小委員長より小委員会の報告をいたしたい旨の申出がありますので、この際これを許します。田嶋好文君。
  124. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 それでは私から土地家屋調査法案の提案理由の説明をいたし、また小委員会の経過を御報告いたしたいと思います。  土地家屋調査法案につきましては、御承知のように、今回税制改革の一環といたしまして、地方税法の改正が行われようとしておりますが、これに伴いまして土地台帳法等の一部を改正する法律案が政府より提出され、当法務委員会において、先般修正議決せられた次第であります。これによりますと、従来税務署が取扱つておつた土地家屋の台帳事務を登記所に移管し、台帳事務と登記事務との間に手続上の簡素化をはかろうとするものであります。従いまして土地台帳及び家屋台帳の記載は、不動産登記の目的たる諸権利の基礎となる事実関係を示すものといたしまして、その正確性が特に要請されることとなつたのでございます。よりまして土地台帳及び家屋台帳の登録について必要な土地または家屋に対する調査測量並びに申告手続が的確に行われるかどうかは、国民の権利に関しましてきわめて重大な影響を及ぼすこととなるのであります。これらの調査、測量及び申告手続を業務とする土地家屋調査士に関しまして新たに法制を設ける必要が出て参つたのでございます。  こういうような提案の理由によりまして、小委員会は愼重審議をいたしました結果、この土地家屋調査法案は適当なものと認めまして、小委員会は満場一致これを可決いたした次第でございます。なお土地家屋調査法案の逐條的な説明につきましては、お手元に配付いたしました土地家屋調査法案によりましてお読みとりを願い、御審議を賜わりたいと存じます。
  125. 角田幸吉

    角田委員長代理 これにて小委員長の報告は終了いたしました。御質疑はありませんか。大西正男君。
  126. 大西正男

    大西(正)委員 今の法案でありますが、この附則によりますと、昭和二十五年七月一日から施行するということになつておりますので、小委員長にお尋ねしたいのですが、今の地方税法がもし通らないという場合に、これはどうなりますか。どういう関係になりますか。
  127. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 その点につきましては、いろいろと審議をいたしたのでございますが、地方税法案が可決されなければ、当然これは効力を発生しないものでございますから、一応こうした案文のもとにやつて行くことが適当と認めた次第であります。
  128. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑はありませんか。武藤嘉一君。
  129. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 ほかの事例は知りませんが、この罰則は苛酷ではないか、その辺は小委員長いかがですか。
  130. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 罰則の点につきましても、愼重審議をいたしまして、いろいろ意見も各委員から出たのでございますが、いろいろなこれに関係した、たとえば司法書士法案であるとか、また地方税法案だとか、土地台帳法案だとかいうものと比較検討をいたし、権衡上この程度のものが適当と認めて、こういつたものが決定したのでございます。
  131. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 この附則にありまする、現在その業態をやつておる者は、昭和二十七年三月三十一日まで、この法律の適用においては有資格者であるとみなすという條項がありまするから、現在やつておる者はさしつかえないわけでありまするが、同時に現在やつており、七年以上実務の経験があるというこの條項、それらにかんがみまして、いわゆるインチキをやつてこの資格をとる者がありはしないかということが考えられますが、その点どういうふうに御研究になつたか、御報告願いたいと思います。
  132. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 その点につきましても、やはり実際現在業務を担当をしておる方々の意見も承つたのでありますが、この條文の一つ一つを御検討願いますとわかりますように、そうした面に対しましても、法案はそうしたことの起らないような形において立案いたしたつもりであります。
  133. 武藤嘉一

    武藤(嘉)委員 しからば、たとえばかような業態を営んでおる人が、組合か何かそういうものができておれば、七年なら七年実務をやつたとか、あるいは従来やつておつたというようなことの確実なる証明がつきまするが、どうも私はこの辺について多少不安があるのでございますから、この法案がもし通過いたしまするならば、同時に政府の方でなくて、その団体の業者の自治的な組合か何かをつくつて、実際に業務に数年以上経験があつたかどうかというようなことを、よく実際を調査するような一つの業者の団体が同時にできるようなことを希望したいと思います。
  134. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 その点につきましては、やはり法案に明確に規定してありまして、調査士会というものをつくりまして、自治的に今の御説のような点をやつて行くということに努めたのでございます。  それからなおインチキができないようなこと、インチキをさせないためには、現在の税務署あたりではよく調査が行き届いておりますので、こうした方面から年月の虚偽がないように、一応証明的なものをつけさせまして、国家的証明のもとにその資格を認定するという形で進めたいと考えております。
  135. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑はありませんか。田中堯平君
  136. 田中堯平

    田中(堯)委員 提案者にちよつとお伺いしたいのですが、これは立案に至るまでにいろいろ関係方面には一応の意見を聞くなり、相当な調査を進めた上で立案をされたのですか、それとも突如としてやつたのですか。
  137. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 ただいま簡単に小委員会の経過を申し上げたのでありますが、立案いたしますには、これに関係いたしますところの官庁、それから業者、利害関係を持つ方々の意見を十分聽取いたしました。そうしてこれを立案いたしたわけでございます。
  138. 田中堯平

    田中(堯)委員 そこで司法書士の方の意見はどういうふうになつておりましようか。
  139. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 司法書士会といたしましての積極的な意見は徴しなかつたのでございますが、幸いに司法書士法案というものが現在当委員会にかかつて審議をされておりまして、その司法書士法案の審議と本法案が並行いたしました関係上、委員会におきましてこの法案と司法書士法案とは抵触しないどころか、この法案が通ることによつて、かえつて司法書士の職業を増して行くのではないかというような意見が出まして、またそれを正当なりと認めましたので、この法案を適当と認めた次第であります。
  140. 田中堯平

    田中(堯)委員 これはまだもらつたばかりで、十分目を通しておりませんが、心配になるのは、この土地家屋調査士なるものが、独占的に仕事をみなとつて、あとの者が被害を受けるというようなおそれはないかと思いますがその点についての考慮を御説明願います。
  141. 田嶋好文

    ○田嶋(好)委員 この土地家屋調査士と申しますのは、新しくできますところの土地台帳家屋台帳の記載に対しまして、専門的な知識をもつて、しかも正確にものをやり得る人を中心としたものでございまして、それ以外の書類の作成とかというものにつきましては、これは土地家屋調査士の干与する部面に入らなくて、むしろこれは司法書士等が干与するものであります。なお同じ測量におきましても、測量士法案というものもございまして、測量は測量といたしまして専門的な人がこれに当ることになつておりますので、この業者がこれに関係したすべてのものを独占するという関係にはならないと考えて立案に当つたものでございます。
  142. 角田幸吉

    角田委員長代理 他に御質疑はありませんか――御質疑がなければ、本案を一応委員会といたしまして関係方面の了解を得次第、委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 角田幸吉

    角田委員長代理 御異議なければ、さようとりはからいます。     〔角田委員長代理退席、委員長着席〕     ―――――――――――――
  144. 花村四郎

    ○花村委員長 先ほどに引続き請願審査を行います。日程三二、佐賀地方裁判所唐津支部甲号支部昇格請願文書表第二一九三号、保利茂君外二名紹介議題とし、紹介議員より御説明を願います。
  145. 北川定務

    ○北川委員 本請願要旨を申し上げます。唐津市は漁業の中心港として、また海港として、出入船舶、貨客の増加や、密輸出入や密入出国が頻繁でありまして、さらに管内には多数の炭坑があり、稼働者の移動がはげしいので、民、刑事その他の事件が急激に増加し、かつ事件の性質上、合議審判を必要とするものが多いのであります。ついては、現在のような乙号支部で一人の裁判官では、審理上おもしろからぬこともあり、思い切つた判決もできにくいのであります。さような次第で、同支部甲号支部昇格され、裁判官二名を増員されたいのであります。何とぞすみやかに御審議を賜わりまして、御採択相なるよう希望いたします。
  146. 花村四郎

    ○花村委員長 次に政府意見を求めます。
  147. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまお述べになりました佐賀地方裁判所唐津支部甲号支部昇格請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましても、御不便事情はよく承知いたしておりますが、裁判所支部に関する事項最高裁判所権限に属しておりますので、最高裁判所に本請願の御趣旨を伝達いたしまして、十分考慮願うことにいたしたいと存じますから、さよう御承知願いたいと存じます。
  148. 花村四郎

    ○花村委員長 御質疑はありませんか――御質疑がなければ次に移ります。     ―――――――――――――
  149. 花村四郎

    ○花村委員長 日程第三三、札幌地方裁判所及び同家庭裁判所の各小樽支部昇格に関する請願文書表第二三三二号を議題といたします。紹介議員が見えられませんから、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  札幌地方裁判所及び同家庭裁判所の各小樽支部昇格に関する請願請願者小樽市議会議長岩谷靜衞、紹介議員苫米地英俊君  小樽市は、商都として、貿易港として北海道における経済的、社会的重要地位をしめているが、社会的並びに商取引上発生する各種事件を可及的すみやかに、かつ適正な裁判ないし措置を講じる必要がある。これがためには、ぜひとも地方裁判所所定の員数を必要としている。現在、小樽支部の取扱う民事刑事、家事審判その他各種調停事件を見ると、北海道内の各地方裁判所に比して、劣ることはない。ついては札幌地方裁判所及び同家庭裁判所小樽支部を、それぞれ同裁判所昇格されたい。
  150. 花村四郎

    ○花村委員長 政府意見を求めます。
  151. 牧野寛索

    牧野政府委員 北海道は、あの広大な地域に札幌、函館、旭川及び釧路の四地方裁判所及び家庭裁判所があるばかりでありまして、御不便事情了承されるのでありますが、地方裁判所設置には国家財政上の制約もあり、またさきに帶広市その他にも地方裁判所設置方の陳情がされておりまして、他地方との権衡の問題も生じますので、本請願の御趣旨最高裁判所へも伝達いたしまして、ともに十分研究いたしたいと存じますから、さように御承知をお願いいたします。
  152. 花村四郎

    ○花村委員長 御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  153. 花村四郎

    ○花村委員長 日程第三四、三七、三八、矯正保護作業運営及び利用に関する法律制定反対に関する請願文書表第二三五五号、二六六九号、二六八三号を一括議題といたします。紹介議員が見えておられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  矯正保護作業運営及び利用に関する法律制定反対に関する請願  印刷業は文化国家建設の原動力であり、文化的、経済的地位はひじように高い。しかるに現在日本の刑務所四十七箇所総てが印刷設備を有し、その売上は刑務所作業としては第三位を占め、官公庁の印刷物需要は年額二百億円に達し、全国印刷需要の八割八分に相当している。今回、国会上程の「矯正保護作業運営及び利用に関する法律」は、受刑者の矯正保護作業確保にあることは認めるが、このため、多年印刷文化のこう揚に寄與してきた業者の生活権が奪われることとなり、民主的日本の再建は不可能となるから、この法案の撤回を要望する。
  154. 花村四郎

    ○花村委員長 政府意見を求めます。
  155. 牧野寛索

    牧野政府委員 本法案は、すでに国会に提出され審議中のものでありますが、法務府としては、矯正保護上重要な法案であり、国会において愼重御審議くださることを希望するものであります。  法務府としては、この法律を実施しても、刑務所における就業人員やその技術、あるいは予算等の諸点より見て、その生産額にはみずから制限があるのでありまして、民間企業に影響を与えるとしても、それはごく軽微なものであると考えておるのであります。  これらの具体的数字の説明や将来の運営方針等につきましては、適当の機会において十分説明したいと考えている次第であります。法務府といたしましては、法律によつて作業を課せられる受刑者に、継続的に職業教育上適切な最小限度の仕事を与えることができれば十分であり、決して無制限に生産設備を拡充するようなことは考えているのではありません。また刑務所の仕事さえ確保し得れば、民間のことは考えずともよいというわけではなく、運用において十分この点を考慮し、民間企業の立場を尊重するのであります。印刷関係作業についてももちろん同様でありまして、なおこれが法案通過後の実施につきましても、各省各業者代表とも十分協議をとげ、その適正を期したいと思つている次第であります。
  156. 花村四郎

    ○花村委員長 御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  157. 花村四郎

    ○花村委員長 日程第三六、武蔵野市に東京地方裁判所及び東京家庭裁判所支部設置請願文書表第二五六八号を議題といたします。紹介議員が見えられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  武蔵野市に東京地方裁判所及び東京家庭裁判所支部設置請願請願者武蔵野市長荒井源吉紹介議員栗山長次郎君  現在の地方裁判所八王子支部の位置は、三多摩の中心都市として八王子がその王座を占めていた時代そのままであつて、現在の新興都市としての武蔵野、立川の両市をはじめ、その周辺町村住民にとつては、地方裁判所八王子支部管下にあることは、ともに不便が多く、また同市のように、国鉄の三駅を併有することは、繁栄の原動力となる一面、また犯罪の数を多くする傾向がある。ついては、同市東京地方裁判所、東京家庭裁判所の各支部設置されたい。
  158. 花村四郎

    ○花村委員長 政府意見を求めます。
  159. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましても、財政その他の事情の許す限り、御便利になるよういたしたいと存ずるのでありますが、裁判所支部設置は、最高裁判所権限に属しておりますので、本請願の御趣旨最高裁判所に伝達いたしまして、十分考慮を願うことにいたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。
  160. 花村四郎

    ○花村委員長 御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  161. 花村四郎

    ○花村委員長 日程第三九、安来町に簡易裁判所設置請願文書表第二七四九号を議題といたします。紹介議員が見えられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  安来町に簡易裁判所設置請願請願者島根県能義郡安来町長高橋隆外十九名紹介議員木村小左衞門君 安来町は、島根県東端松江、米子両市の中間に位置する要地で、山陰本線はもとより、郡内交通中心地となつている、また、国警能義地区署、安来町警察署の所在地で、これら官署との事務的関係、および、受益者が、全郡の六十五%にも及ぶ状況であるから、安来町に簡易裁判所設置されたい。
  162. 花村四郎

    ○花村委員長 政府意見を求めます。
  163. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の御趣旨は、政府といたしましては十分了承いたしました。本件は、初めての請願でありますので、さつそく関係庁紹介いたしまして、諸般状況調査中でありますから、右は調査完了を待つて適当に処置いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。
  164. 花村四郎

    ○花村委員長 御質疑はありませんか――なければ次に移ります。     ―――――――――――――
  165. 花村四郎

    ○花村委員長 日程第三五、八尾区検察庁舎建設促進に関する請願文書表第二四九二号を議題といたします。紹介議員が見えられませんので、便宜文書表朗読を願います。     〔書記朗読〕  八尾区検察庁舍建設促進に関する請願請願者富山県婦負郡八尾町長益山虎吉紹介議員藤隆君  富山県八尾町在の八尾区検察庁は、同町役場庁舎の一部を仮庁舎として使用しているが、同仮庁舎は階上の一部を二室に仕切りの上、戸棚、書籍、寝具、雑品類と同居しているため、狹あいを感じ、事務処理にはなはだしい不便を来している。しかるに、二十五年度には同庁舎建設が施行されると聞き及んでいたが、これも予算の関係上本年度も実現至難の由ではなはだ遺憾である。ついては、すみやかに同検察庁舎の建設を実現されたい。
  166. 花村四郎

    ○花村委員長 政府意見を求めます。
  167. 牧野寛索

    牧野政府委員 ただいまの請願の八尾区検察庁舎の件は、昭和二十五年度にて実施の予定で予算を計上決定いたしておるのであります。ただ実施の時期等については認証手続中でありますが、現在設計準備等をいたしておる次第であります。
  168. 花村四郎

    ○花村委員長 何か御質疑はありませんか――なければ、日程第四〇、四一は文書表がまだできておりませんので、本日はこれを延期いたしたいと存じます。  本案に対する審議は本日はこの程度にいたしたいと存じます。  本日は、この程度において散会いたします。     午後四時四十一分散会