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1950-01-24 第7回国会 衆議院 法務委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年一月二十四日(火曜日) 午後一時五十一分
開議
出席委員
委員長
花村
四郎君
理事
角田
幸吉
君
理事
北川 定務君
理事
小玉
治行
君
理事
田嶋 好文君
理事
石川金次郎
君 佐瀬 昌三君 松木 弘君
眞鍋
勝君 吉田 省三君 猪俣 浩三君 田万
廣文
君 田中 堯平君
出席政府委員
法務政務次官
牧野
寛索
君 (
法制意見
第一
局長
) 検 事
岡咲
恕一君
委員外
の
出席者
専 門 員 村 教三君 専 門 員 小木 貞一君 ――
―――――――――――
昭和
二十四年十二月二十一日
人権擁護
に関する
決議案
(
志賀義雄
君外三十五 名提出、
決議
第三号) 同月二十四日
奈良地方裁判所葛城支部
を
甲号支部
に昇格の請 願(
前田正男
君外四名
紹介
)(第一八号)
戸籍事務費全額国庫負担
の
請願
(
木村榮
君紹 介)(第三五号)
昭和
二十五年一月十八日
仙台地方裁判所登米支部
及び
登米簡易裁判所
の
管轄区域変更等
の
請願
(
角田幸吉
君
紹介
)(第 一三六号) 福島市に
仙台高等裁判所支部
及び
高等検察庁支
部設置
の
請願
(
大内一郎
君外一名
紹介
)(第一 三七号) 広瀬町に
簡易裁判所
及び
家庭裁判所設置
の
請願
(
大橋武夫
君
紹介
)(第一七七号) 同月二十一日
不良出版物等
の
取締強化
に関する
請願
(
松野頼
三君
紹介
)(第二二七号)
大年寺山
に
東北少年院設置反対
の
請願
(
庄司一
郎君
紹介
)(第二四一号)
中津簡易裁判所
に
岐阜地方裁判所支部
及び
家庭
裁判所支部併置
の
請願
(
武藤嘉一
君
紹介
)(第 三〇二号) 須坂町に
刑務所設置反対
の
請願
(林百郎君外一 名
紹介
)(第三二一号) の審査を本
委員会
に付託された。
昭和
二十四年十二月二十四日
戸籍事務費全額国庫負担
の
陳情書外
四件 (第五六 号)
戸籍事務経費
一部
国庫負担
の
陳情書
(第七〇号)
農地改革
に伴う
登記事務費国庫負担増額
の
陳情
書(第一二五号)
戸籍事務費全額国庫負担
の
陳情書外
三件 (第一二 六号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件 小
委員選任
商法改正
に関する件 ――
―――――――――――
花村四郎
1
○
花村委員長
これより
会議
を開きます。 本日の日程は
商法改正
に関する件であります。まず
政府
より
商法改正
に関する
経過
並びに現
段階
における
状況
の概況並びに
要綱
の
説明
をお願いいたします。
岡咲政府委員
。
岡咲恕一
2
○
岡咲政府委員
委員長
の御命令によりまして、
商法改正
の
経過
と、それから現在の
段階
におきまして、
政府
がいかようにこの問題を取扱
つて
おるかということにつきまして、簡単に御
説明
申し上げ、
最後
に
改正法律案
の概要を御
説明
申し上げたいと存じます。 御
承知
のように、昨年の八月十三日に
法務総裁
は
法制審議会
に対しまして、
商法
の一部を
改正
する
法律案要綱
なるものを
諮問
いたしまして、
審議会
の
意見
を求めたのでございます。
法制審議会
におかれましては、ただちに問題が非常に重大であり、かつ根本的な
法規
の
改正
でありまするがゆえに、特に
部会
を設けられまして、その
部会
において審議されるということな
つたの
でございます。
部会
が開かれましたのは正確に今日にちを覚えておりませんが、九月に入
つて
からでございまして、九月以降十一月の末に至るまで、
部会
は三回開会されまして、特にまた
部会
におきまして小
委員会
を設けられまして、その間小
委員会
におきまして、主として技術的な問題を
検討
されたのであります。小
委員会
において
検討
せられました結果、
法務総裁
の
諮問案
に対しまして、
相当
の
修正
を加え、その小
委員会
の方針を
部会
に付されまして、
部会
はその
答申
を採択されて、これを
審議会
にお答えになり、
審議会
は十二月二十三日であつたかと思いますが、
最後
の
会議
におきまして、
部会
の
答申
を
採用
いたしまして、ただいまお
手元
に配付いたしておりますような
商法
の一部を
改正
する
法律案要綱
なるものを、
要綱
として適当であるとして
答申
せられたわけでございます。
政府
におきまして、この
答申案
を基礎といたしまして、さつそく必要なる
部分
の
起案
をいたし、本月の上旬一応の
起案
を終えたのでありますが、
関係方面
との
折衝
もございまして、いろいろさらに
検討
を重ね、あるいは
関係方面
の示唆に基きまして、考えるべき点は考えまして、実は昨日
関係方面
との
最後
の
了解
をつけるこができたわけでございます。よ
つて政府
といたしましては、この
法律案
を来る二十七日の閣議に諮りまして、その御
決定
を得次第
国会
に提案いたすつもりでございます。
審議会
におきまして特に問題になりました点は、後刻
法律案
の
要綱
を御
説明
いたします際に讓りたいと存じまするが、
法務総裁
が
諮問
いたしました
原案
なるものは、どういう
経緯
によ
つて
つくられたかということにつきまして、簡単な御
説明
を加え、その
諮問案
がどういう
経緯
によ
つて
さらにこの
修正
を可決せられたかという点につきまして、御
説明
をいたしたいと思います。 昨年
法務総裁
が
諮問
せられましたこの
法律案要綱
は、実は
法務
府になる前の
法務庁時代
に、
調査意見長官
が
商法改正
の非公式の
調査会
を設置いたしまして、
検討
いたしまして得ました
要綱
を付議いたした次第でございます。その
要綱
につきましては、
関係方面
ともいろいろ
折衝
いたしまして、一応の
了解
をつけてお
つたの
でございます。ところがその後
事務当局
におきましていろいろ
検討
いたしましたところ、この
要綱
はまだ不十分であるということを
認め
ましたので、
さらいろいろ追加要綱
を
検討
いたしまして、
相当
の事項にわたり、新しく
要綱
をつくつた次第でございます。その
関係
はお
手元
に
法律案参考資料
としてお配りいたしております
資料
の中のその一というところに、私が簡単に
要綱
の概説を試みておりますが、その
要綱
の
番号
のうち、この
枝番号
にな
つて
おりますものが、ただいま申しました
事務当局
におきましてさらに追加せられることが適当と考えたものでございまして、
審議会
においては基本の
要綱
、さらに
事務当局
で追加いたしました点を御
検討
になりまして、大体この
要綱
に掲げておりますものは
審議会
において御
決議
に
なつ
たものでございます。 特にこの
要綱
に掲げたものと
審議会
の
答申
とにおきまして、重大の差異のありますものは、後ほど御
説明
いたすつもりでございますが、簡単に申し上げますと、一番に問題になりましたのは、すでに御
承知
かと思いますが、
会社
の
書類閲覧権
でございます。この点は非常に
論議
を見ました点でございまして、これはお
手元
に配付いたしておりますような
原案
に比べますと、
相当
しぼりのかかつた
要綱
に
なつ
た次第でございます。 それからその次は
取締役
の
選任
につきまして、
累積投票
という
制度
を
要綱
は
採用
いたしておりますが、これも
審議会
の
部会
あるいは小
委員会
において、強く
論議
せられた点でございまして、
法律
上当然
累積投票
を
採用
することは、現在の
日本
の
企業組織
の状態から見ますと、やや
行き過ぎ
の感なしとしないということになりまして、これは
定款
をも
つて
累積投票
によらないという
定め
ができる。しかし
発行
総
株数
の四分の一に当る
株主
から
請求
があつた場合には、
定款
の
規定
にかかわらず、
累積投票
によらなければならないというふうなことに
修正
をいたされまして、これも重大なる
修正
であつたかと考えます。 それからその次に問題になりましたのは、
新株
の
引受権
の問題でございます。これは
要綱
をごらんになりますとおわかりになることと思いまするが、後ほどさらに詳しく御
説明
いたしますけれ
ども
、旧
株主
は、
原則
として新しく
会社
が
発行
するところの
株式
に対しまして、持株の数に応じて
引受権
を有するという
原則
をこの
要綱
では
採用
いたしたのでございまするが、これはやはり重要な問題でございまして、いろいろ
論議
の末、
原則
といたしましては旧
株主
が
新株
の
引受権
を持たない、但し
会社
は
定款
によ
つて引受権
を與える、あるいは
株主総会
の
特別決議
によ
つて
その
引受権
を與えることはさしつかえないというふうに、
原則
を
検討
いたしまして、
審議会
では可決
決定
された次第でございます。この三点が最も重大な問題であつたかと考えております。 そのほかの点につきましては、
法務総裁
の
諮問
いたしました
要綱
と
審議会
で可決になりました
要綱
との間に、多少の
修正
のある点はございますけれ
ども
、これはむしろ技術的なこまかい小さい問題でありまして、根本的な問題につきましては、大体
法務総裁
の
諮問
せられたもの、あるいは
事務当局
の考えておりましたものが、
審議会
において御
決定
にな
つたの
でございます。
審議会
につきましては、私から御
説明
いたすのもどうかと考えまするが、各
方面
の権威にお集まりを願いました会合でございまして、特に
審議会
が設けました
商法部会
は、この
商法
問題を
検討
いたしまするのに十分の
資格
のあられる学界、あるいは
一般産業界
、そのほか
裁判所
、
弁護士会
、あるいは
行政機関
、
法務
府、それぞれの
長官
、
局長
というふうなものによ
つて
構成いたされまして、各
方面
の
意見
をも十分しんしやくせられ、
審議会
としては、
部会
とされては十分の御
検討
をされたものと私
ども
は考えまするし、また
部会
があれほど熱心にこの問題を
検討
いたしましたことについては、
法務
府の
事務当局
といたしまして、深甚の感謝をいたしておる次第でございます。
関係方面
との
関係
につきましても、いろいろ困難な問題がございまして、
部会
の
意見
と必ずしも
関係方面
の
意見
とが合致しないような点もございまして、
相当
私
ども
といたしましては苦慮いたした点もございまするけれ
ども
、幸いその点も大
部分意見
の一致を見まして、この
審議会
の
答申案
を得ましたことは、
事務当局
といたしまして深く感謝いたしておる次第でございます。 以上大体
経緯
を御
説明
いたしましたが、この
法律案
の
要綱
の内容につきまして、重要な点について二、三御
説明
をいたしたいと存じます。 このたびの
改正
につきましては、
商法
と申します基本的な
法規
の
改正
でありますがゆえに、各
方面
におかれまして非常な注目をせられまして、いろいろ研究なり御
意見
が発表せられておりますので、
法務委員会
におかれましても、すでに
相当
御
検討
のことと拝察いたしているのでございます。 あまり、くどく御
説明
をする必要もないかと思いますが、まず第一番に、
商法
は
改正
をする必要があるのかという問題が根本にあると考えます。
商法
は
改正
しないでも、
現行法
のままでも
十分りつぱな運用
ができるのではないか、この
商法改正
には賛成できないというような御
意見
を持
つて
おられる先輩老教授もおられるように承
つて
おるのでございますが、私
ども
がこの
商法改正
の問題をとり上げました最初の動機は、第五
国会
におきまして、
商法
の一部を
改正
する
法律案
を提出いたしまして、
株式会社
の受ける
株金
の
金額拂込
み
制度
を
採用
いたしたことに原因を発していると申してもよろしいかと考えます。当時、
委員会
におかれましても御
意見
がございましたように、
株金
の
分割拂い
によるところの弊害は出ているけれ
ども
、その最も大きな長所である
自己資金
を
会社
がそのときの必要に応じて、自由に調達し得るという利点、言いかえれば、未
拂込みの株金額
の拂込みを
請求
することによ
つて
、
会社
が容易に
自己資金
を調達し得るという、非常に大きな利便というものが失われた、これに対して
政府
は適当な
措置
を講ずべきであるという御
意見
にむしろ発足いたしているのでございまして、
政府
はこの際この御要望に対応いたしますために、
アメリカ
において広く
採用
されております
授権資本
制度
を
採用
し、同時にあわせて無
額面株
という
制度
を
採用
してみてはどうか、かように考えた次第でございます。これによ
つて
、先ほど申しましたように
法制意見長官
の下に
調査会
を設けまして、主としてこの二つの問題について
検討
を加えたわけでございます。ところが、その
制度
を研究いたしておりますうちに、
授権制度
と申しますのは、
新株発行
の
権限
を
取締役会
にまかせることでございまして、これは従来
株主総会
の持
つて
おりましたところの
導資
を自治的に
取締役会
に移管したことと相なる次第でございます。言いかえれば、
株主総会
というものと
取締役
というものの
あり方
について、さらに
検討
しなければならない、
授権資本
制度
を
採用
するのであるならば、社債の
発行
ということを
取締役会
の
権限
にそのままにしておくことは、はなはだ権衡を失するのではないかというような問題も起きて参りまして、どうしてもこの間に調節をしなければならない。一方
取締役
、言いかえれば
会社
の
理事者
の
権限
をその程度に強化いたしますると、
取締役
の
責任
というものもまた同時に考えなければならぬ。
取締役
の
責任
ということを考えますると、
株主
との
関係
におきまして、
株主
が
取締役
の
責任
を追究するという
方法
を
検討
する必要があるのではないか。
株主
が
取締役
の
責任
を追究するということを考えますると、
株主
が
会社
の実態について、少くとも正確なる
知識
を持つということが前提になるのでありまして、言いかえれば、
会社
の
業務
に対して接近することができるという機会を與えなければならないのでありまして、先ほど問題になりました
書類
の
閲覧権
というものが、この際非常に大きく取上げられなければならないのではないかということになる次第でございます。また一方
取締役
がそういう重大なる
権限
を持
つて
おるといたしますと、
取締役
の
選任
というものも
従前通り
であ
つて
よろしいかどうか、
通常決議
によ
つて
大
株主
の
支配
が簡單に行われるような
株主総会
において、そのままの形で
取締役
が
選任
されることは、少くとも
少数株主
には十分な
保護
が與えられないことになるのではないかという問題。それから
取締役
が
自己
の手腕を十分振うためには、
取締役
の
資格
という問題につきまして
検討
を要する問題があるのではないか。それから、いやしくも
取締役
として
株主
の信任によ
つて
その
地位
についた以上は、特別な重大な瑕疵のない限りは、あるいはあやまちのない限りは、
取締役
の
地位
にあり得る。言いかえれば、ある程度の
地位
の保障というようなものも考えられなければならないのではないかという問題。それから今度は、
株主
の
利益保護
という面から考えまして、現在のように
会社
の
株式
が
国民一般
の間に広く分散されている現状におきましては、
株主
の個人的な
利益保護
というようなことも、あとう限り
保護
する必要がある。ここで
株式
の
譲渡制
というものについて、現在の
法律
が
譲渡制
を制限することを
認め
ておるのは、
株主
の
保護
において欠くるところがあるのではないか。そうしてまた一方、たとえば
営業
の
譲渡
あるいは
会社
の合併といつたような場合、
菓子少数株主
は
自己
の意思に反して
営業
が讓渡され、あるいは合併されたという場合に、
株主
であることをやめたい、そういう場合に、
一般
の
株式移転
の
方法
だけでは不十分な場合があるのではないか。そこでこの案にございますように、
会社
に対して
株式
の買取り
請求
を
認め
るというような必要があるのではないか。それから
授権資本
というものを
採用
いたしますると、
会社
の
資本構成
というものが、
従前
のような
あり方
でや
つて
行つて
よいであろうかどうであろうか、そういつたような問題が同時に考えられなければならないのでありまして、ここまで考えて参りますると、どうしても
現行会社法
に対して、ある程度根本的な
検討
を加えなければならないという必要を強く感じた次第でございます。よ
つて
この
商法改正
というものを取上げて、
審議会
に御
検討
を願うということにいたした次第でございます。 この
要綱
に盛られておりまする根本的な問題は、ただいま申しました諸問題につきましての回答でございまして、
授権資本
の
採用
と、それから無
額面株制度
の
採用
、それから
株主
の
保護
という問題、それから
取締役会
を強化して
取締役
の
責任
を明確にする、
取締役
の
責任
に対して
株主
からの
賠償訴訟
というものを
認め
る。
取締役会
というものをつくられますと、
従前
認め
られておりました
監査役
という
制度
が、はたして
存在価値
があるかという問題も
検討
されなければなりませんので、
従前
のような
監査役
という
制度
を、言いかえると
業務監査
という
制度
を廃しまして、
会社
の
経理監査
は
会計監査役
という
制度
に切りかえることが適当ではないか。それから
取締役
の
責任
を追究いたしますためには、
会社
の
業務
に対して十分な
知識
を持つ、そのために、
書類
の
閲覧権
というものを取上げなければならない。それに対する適当な
措置
を考えたのが、
要綱
で申しますると第三十の問題でございまして、この問題は特に重大でありまするがゆえに、多少立ち入
つて
御
説明
を申し上げたいと存じます。
法務総裁
が
諮問
いたしました
諮問
の中では、
要綱
の第二十といたしまして
諮問
しておるのでございますが、これには、
一定
の
資格
を有する
株主
に
会計
の
帳簿
及び
書類
の
閲覧権
及び
謄写権
を
認め
、その
行使
が
権利
の濫用にて、
会社
の
業務運営
を阻害し、または
株主共同
の
利益
を害する等の
事由
がある場合のほか、
会社
はこれを拒むことができないこと。この
一定
の
資格
というものが問題になるわけでございますが、この
資格
を非常に制限いたしますると、この
要綱
は大した意味を持たないのでありまするが、
関係方面
との
折衝
の結果合致した
意見
では、一株の
株主
であ
つて
も、六箇月前から引続いて
株主
であれば、この
権利
を
認め
る。そうして
発行
する
株式
の総数の十分の一に当る
株式
を有する
株主
であれば、きよう
株主
にな
つた者
でも
閲覧権
を与えるというふうに、非常に広い範囲の
株主
にこの
閲覧権
を
認め
たのでありまして、しかもこの対象にな
つて
おります
書類
は、
会計
の
帳簿
、そのほか
会社
の
業務
に関する一切の
書類
を含むのでありまして、この
閲覧権
の
行使
によ
つて
、
会社
の現在の業態、
取締役
の
業務
の
執行
の実情というものを、正確に把握することができることはもとよりでありますが、これが濫用されるおそれもまた十分にあるのでありまして、
審議会
におきましても、この点はひどく危惧の念をお持ちに
なつ
たようでありまして、また財界、
産業界一般
の御意向も、この
要綱
の二十は絶対に削らなければいけないという強い希望があ
つたの
でございます。また一方
関係方面
におかれましては、この
要綱
は絶対に存置しなければいけないというふうな御
意見
でありまして、その間にあ
つて
私
ども
は大いに苦慮いたしたのですが、結局たびたび
折衝
をいたしました結果、それではその
書類
の
閲覧権
、
謄写権
を
認め
るかわりに、
会社
の
業務
、
財産
の
状況
を
相当
詳細に記載した
書類
を
会社
の本店あるいは支店に備えて置く、そうして
株主
は何どきでもこの
書類
を閲覧し、謄写し、または謄本、抄本の交付を求めることができる、こういう便法と申しますか、
一種
の
株主
の方にも好都合であり、また
会社
の方からい
つて
も好都合な
書類
の作成、備え置きということによ
つて
これを解決する。もつともそれでも不十分の場合であ
つて
、ぜひ
会社
のほかの
書類
を閲覧したいという場合には、
発行済株数
の十分の一以上に当る
株式
を有する
株主
から
請求
した場合には、これを
認め
て行く。そうしてその
請求
は
会社
の
業務
の
運営
を阻害するとか、あるいは
株主共同
の
利益
を害する等の特定の
事由
がある場合のほかは、
会社
は必ずその
閲覧調査
を許さなければならないという
一種
の
折衷案
を
採用
いたしまして、この案について
関係方面
とも御
了解
を得ることができましたので、
審議会
はこれを
答申案
といたされた次第でございます。 その次に問題になりましたのは、
取締役選任
の問題でございまするが、これは
現行法
では
通常総会
において
取締役
が
選任
され、しかも
通常総会
には
一般
に
定足数
の
規定
がありませんので、極端に申しますと、ごく
少数
の
株主
が出席し、ごく
少数
の
議決権
の
行使
によ
つて取締役
が
選任
される、そうしてその
選任
された
取締役
は、何どきでも
通常決議
によ
つて
解任される。この
制度
をこの
要綱
にございますように、
取締役
の
選任
、引継ぎにおきましては、
定款
で
定足数
を
定め
ましても、その
定足数
は
発行済
総
株数
の三分の一未満に下すことはできない、それから
会議
の
決議
は必ず
特別決議
によらなければならない、しかし
取締役
に不正な行為または
法令定款
に違反するような重大な事実があつた場合には、
株主
から解任の訴えを起すことができるというふうにいたしまして、
取締役
の
職務
の
執行
を厳正ならしむるとともに、いやしくも
法令定款
に違反しないで、誠実に
職務
を
執行
する
取締役
の在任を保障いたすということにいたしたのであります。この点は幸い
審議会
においても、もちろん
反対
の
意見
がありませんで、お
認め
願つたの
ですが、問題は二十二にございまする
累積投票
でございます。
累積投票
の
制度
は、すでに十分御
承知
のことと存じまするが、要するにこれは
一般
の
議決権
に、
取締役
となるべき
取締役
の数を乗じた数の
投票権
を持つわけでありまして、その
投票権
を一人の
候補者
である
株主
に集中して投票してもよろしいし、あるいは適当に分散して、数名の
取締役候補者
に投票してもよろしいという
制度
でありまして、これは計算上
少数株主
の
代表者
を
取締役
たらしめる道を開いたものでございます。
原案
では、この
累積投票
を
法律
上当然のこととして強行されるということにな
つて
お
つたの
ですが、これも先ほど申しましたように、
審議会
でいろいろ議論もございまするし、また
一般会社
におきましても、これは
行き過ぎ
で困る、この
制度
が濫用されると、せつかくこれまでほとんど
日本
で輝かしい伝統として
認め
られていた
取締役
の
協力体
というものが破壊されて、異分子が入
つて
来て、
業務執行
の上に非常に支障が及んで来るから、この
制度
はぜひやめてもらいたい、私個人のところにも
累積投票
の
制度
は絶対にやめてもらうようにということを、強く申された
産業人
もあられますので、はなはだ不評判な
制度
であ
つたの
でございます。これもむしろ削除すべきではないかというふうな
審議会
の
意見
でもあ
つたの
ですが、
関係方面
では、
少数株主
の
保護
というものは、現在の
株式
がことに分散しておるという
状況
と、それから大
株主
による
会社支配
というものが、
株式会社
を健全にするゆえんでない、
株式会社
の
民主化
ということを考えれば、どうしてもこの
制度
は
採用
すべきであるというふうな強い
意見
もございました。これもいろいろ交渉いたしました結果、ここにございまするように一応
原則
として
認め
る。しかし
定款
をも
つて
累積投票
によらないように
定め
をするということが許される。しかしながら
発行済
総
株数
の四分の一以上に当る
株式
の
株主
から要求があつた場合には、
定款
の
規定
にかかわらず、必ず
累積投票
によらなければならないという手段によりまして問題を解決いたした次第でございます。
審議会
もそういう妥協をお
認め
になりまして、この線で
答申
をせられたわけでございます。 それから
株式
の買取り
請求
という問題につきましても、
相当
反対意見
があつたようでございますが、これは
審議会
においてはしかるべきものとお
認め
になりまして、
原案
通り可決されたわけでございます。 次に
新株引受
の問題が問題にな
つたの
でございまするが、これは学問的に申しましても、
ドイツ法時代
におきましても、大いに論ぜられた
規定
でございますが、要するに
株式
は
会社
の経営、それから
利益
の配当、あるいは
残余財産
の分配というものに対する割合的な
権利
を意味するものである。ところが
新株
を
発行
いたしまして、旧
株主
に
引受権
を
認め
ませんで、
新株
を自由に
一般
に公募するということにいたしますと、旧
株主
の割合的な
権利
というものが当然害される。旧
株主
の持
つて
おります割合的な
権利
を保持するためには、
法律
上当然旧
株主
に
新株
の
引受権
を与えるべきだというのが、旧法のとつた
原則
であつたわけでございます。ところがこれは実際の
新株発行
というものをなるべく
会社
に有利に解決いたしますためには、旧
株主
の
引受権
が固定いたされますと、非常にやりにくいのでありまして、また最近の
アメリカ
における
立法
の傾向から見ましても、
新株引受権
を
認め
ないというふうな
立法
がだんだんふえておるような
関係
もしんしやくして、
原案
の
原則
を変更せられまして、旧
株主
は
原則
とし
新株
の
引受権
はない。但し
定款
をも
つて
、あるいは
特別決議
をも
つて
株主
あるいは第三者に
新株引受権
を与えるということは、これはさしつかえないというふうな御
決定
をせられたわけでございます。これがこの
要綱
で申しますと、第三十七にあるのでございます。私
ども
はこの
原則
によりまして、一応
法律案
を
起案
いたしたのでございますが、この点は
関係方面
におかれても、
最後
まで旧
株主
が
原則
として
新株
の
引受権
を有するのだという線を
相当
強く主張せられたのでありますが、
事務当局
といたしましては、
審議会
のこの結論は熱心なる御檢討の結果得たものであ
つて
、報告といたしましては、簡單にこの
原則
を放棄いたすことはできないということを強く申し入れまして、いろいろ
意見
を出しました結果、実は昨日やつと司令部との間に妥協を得まして、それではこの
審議会
の方針のような
原則
を
採用
してよろしい。しかし
新株
の
引受権
に関しては、原始
定款
に必ず
規定
を設けなければならない。それから
会社
が
授権資本
のわくを広げる場合に、必ず
新株引受権
の取扱い方について
決議
をしなければいけない。そういう妥協によりましてこの問題を解決いたした次第でございます。 おもに問題になりましたのは、ただいま申し上げました点でございまして、あとは技術的な小さい問題かと存じますので、あるいはお尋ねによりましてお答え申し上げたいと存じます。 まことに簡單でございますが、これをも
つて
大体の
経緯
と、この
法律案要綱
の重要な点に対しましての簡單な御
説明
を終りたいと存じます。
花村四郎
3
○
花村委員長
ほかに御質疑はありませんか。
佐瀬昌三
4
○佐瀬委員 一点お伺いしてみたいと思いますが、最近の経済思想として、資本と経営の分離ということが顧慮されておりますが、
授権資本
あるいは
新株
権の優先権の指定とかいつたようなものも、多少それに関連しておるように見えるのでありますが、しかし同時に、
株主
の
保護
という
規定
も
相当
強化されておるということも承
つて
おるのであります。そういう観点から見て、
商法
がどういうふうに
改正
の上で顧慮されたかという問題と、資本の集中排除ということも、いろいろな意味からかなり重要性を持つた問題とされておるのでありますが、その観点から見まして、やはり
商法
の
改正
というものがいかに顧慮されたかということを、ごく概略でけつこうでありますから、
審議会
の審議の
経過
について、どういう点が問題にされたかということとあわせて承
つて
おきたい。
岡咲恕一
5
○
岡咲政府委員
佐瀬委員のお尋ねになりました第一点につきましてお答え申し上げます。佐瀬委員の御指摘なさいましたように、企業の所有と企業の経営と申しますか、管理というものが自然分離されて行く傾向があるということは、近代企業の非常に大きな特徴であろうかと考えます。この点を十分顧慮いたしまして
改正
案が練られたということは、この
要綱
をごらんになりますれば十分察知せられるであろうと存ずるのでありますが、
取締役
というものの
地位
をはなはだ強化した、しかも
取締役
たるには
株主
であるということを必要としないという
原則
は、企業の経営に
従前
の人をかえるというために、強く要請せられたのでありまして、しかもその
取締役
を解任いたしますには、
特別決議
によらなければ解任できないということは、
取締役
の
地位
を非常に保障いたしておる、そうして
取締役
の
権限
——この
要綱
で申しますと、それは
取締役会
として組織されることになると考えますが、この
取締役会
の
権限
を非常に強くいたしまして、
業務
の
執行
は
原則
として
取締役会
の
決定
による。従来のように、
株主総会
というものが
株式会社
における最高機関として、
業務
の
執行
についても、
取締役
に対して指示できるというふうな
改正
は、今度の
商法
では
認め
ませんで、
株主総会
は、法令または
定款
に
規定
されておる事項についてのみ
決議
をなすベき
権限
があるので、
原則
といたしましては、たとえば
定款
変更、あるいは
会社
の合併、解放、あるいは特に重大な取引あるいは
利益
配当、
会社
の計算
書類
の承認といつたような、ごく特殊な事項についてのみ
決定
する
権限
がありまして、他の
業務執行
、常業の
運営
は、あげて
取締役会
に一任いたすという
原則
を
採用
いたしたわけでございます。 これは企業の所有と経営を分離したものだと言うことができると思います。と同時に、実際はただ株価の上ること下ることのみに関心を持
つて
おりまして、
会社
の経営の実態に関しては多く無関心な、いわゆる不在
株主
というものが大多数であろうと思いまするが、しかし
株主
が一たび
会社
の経営について実情を知りたいと思いますれば、先ほど申しました
書類閲覧権
、あるいはステートメントの閲覧ということによりまして、
会社
の内容を知り得る。そうして
取締役
にもし法令、
定款
違反の行為があるような場合には、この
要綱
にございまするように、インジヤンクシヨンと申しまするか、
業務執行
を停止することも求められるし、あるいはあえてそれを
執行
して
会社
に損害を加えたような場合には、
株主
個人として
会社
のためにその
責任
を追究するという訴えが起せる。言いかえれば、
株主
としては何どきでも
会社
のため、
取締役
に公正なる
業務執行
をなさしめるような監視の道を開いておる。ということは、
株式会社
の機構に一つの民主的な組織を与えたものである、かように考えるわけでございます。一方御指摘のように、企業の所有と経営とを分離すると同時に、なおその内部において、十分の結びつきをつくつたということが、この
改正
の一つの要点であろうかと考えるのであります。 それから第二点のお尋ねでございまするが、企業の集中排除ということは、これは
株式会社
という一つの
企業組織
体の問題としては、実は取上げなか
つたの
でございます。そうしてその問題は、むしろ公益的な別個の
法律
によ
つて
解決して行く。
株式
に投資する
一般
大衆を
保護
いたしますために証券取引法がありますると同じように、企業集中排除に関しては、特別法によりまして
措置
して行くことがやはり適当と考えますので、その点につきましては、
商法
の
改正
では全然触れなかつた次第でございます。
角田幸吉
6
○
角田
委員
会社
には大
会社
と小
会社
とがあるのであります。大
会社
におきましては、実際上事業の経営参加というようなことよりも、株の上げ下げをも
つて
投機的に
株主
になるという、いわゆる不在
株主
というものが多いようであります。ところがただいまのところで言えば、数百万円程度の小
会社
、これはおそらく不在
株主
というものがきわめて少かろうと思いますので、そういう
会社
とこの大きな
会社
とには区別があるのであります。これらについてどういう構想でやられておるか。
取締役
の
権限
の強化も必要であります。しかしそれはちよつと拝見すると、大体において大
会社
というようなものを目標にして構想にな
つたの
ではないかという感がいたすのでありますが、その点につきましては、どういうふうな見解のもとにその両
会社
に共通するもの、あるいは別に見るべきものについて考慮を払われておるかということをお尋ねしたい。
岡咲恕一
7
○
岡咲政府委員
角田
委員の御指摘になりました点は、まつたくごもつともに存ずるのであります。
会社
には、ほとんど国家的な事業を企業として営んでおるような大
会社
もございますし、あるいは家族的な、あるいは同族的な小さい組織のもとで、一致協力して助け合
つて
や
つて
いるような組織のあることも御指摘の通りでございまして、これを一様に規律して参りますことは、
株式会社
法としてまことに困難であろうと思いまするが、この
改正
は必ずしも大
会社
のみを目標といたしたのではございませんで、大、中、小
会社
に通ずる最大公約数をなるべく短くするようにして案をつくつた次第でございます。ただ私
ども
、
株式
の讓渡制を無制限に保障したという点は、大
会社
においてはきわめて適当であると考えまするが、小
会社
においてはたして適当であつたかどうかという点につきましては、やや危惧の念を持
つて
いる次第であります。この点は、
関係方面
との
折衝
におきましても、大いに力説いたしたのでありますが、これはがんとしてお聞き入れがありませんで、こういうふうな案になりました。ただいま御指摘もございましたが、私
ども
といたしましては、有限
会社
法に適当な
修正
を加えまして、場合によりましては
株式会社
の組織形態をとりながら、実は同族的な、家族的な、あるいは同志的な企業形態を持たれることを強く希望せられる方は、
株式会社
から有限
会社
に簡單に組織変更が行われ、有限
会社
として存立して行く
方法
を
認め
ますことによ
つて
、その問題を解決いたしてはいかようなものであろうかと考えております。重ねて申し上げまするが、この
会社
法は大、中、小の
会社
に普遍的に妥当するようなものにいたしたいと思
つて
起案
いたしたのが、私
ども
の真意でございます。その点御了承を願います。
角田幸吉
8
○
角田
委員 もう一つ伺
つて
おきたいのは、いわゆる不在
株主
の実態を御調査に
なつ
たかどうかという点であります。というのは、御
承知
のごとく、株券は
発行
するけれ
ども
、それは最初から
株主
の手に入らずに、証券
会社
に入
つて
からというのが今日大きな
会社
の実情であります。そういう点から非常に考慮されたような感がするのでありますが、そういうことになりますと、いわゆる
新株
を
発行
する場合に、全株を旧
株主
に割当てるということはどうもおもしろくない。大体証券
会社
が抱いているのだから、証券
会社
がいらぬということで暴落させたり、そこにいろいろトラブルが起
つて
参りますので、いろいろな点が考慮されなければならぬと思います。ところが百万、二百万程度の
会社
であると、そうでなしに、実際
株主
に
新株引受権
を
認め
ませんと、とかく
取締役
の横暴、まつたく
株主
を無視した行動による弊害が今後続出するであろうということが予想されますので、大
会社
の不在
株主
がどの程度存在するかという実態を調査されて参考に供しているか、この機会に承
つて
おきたいと思います。
岡咲恕一
9
○
岡咲政府委員
私
ども
といたしましては、実はあらゆる
株式会社
の実態をなるべく広く調査いたしたい希望を強く持
つて
おるのでございますが、時間もございませんし、また手足も十分ございませんので、自分自身で——同僚の力を借りて調査をいたすことができなかつた次第でございます。ただこの証券取引委員というものができまして、証券の取引については
相当
広くいろいろ研究調査していられますので、
商法改正
委員にその
方面
の
代表者
にも御参加を願いまして、証券の実際の動きというものにつきましてはいろいろお話も承り、御
意見
も承りまして、この法案をつくつた次第でございます。しかし今後も機会があれば、何とかいろいろ
方法
を講じまして、この企業の実態といふものをきわめて参りたい。少くともこの
法律
の施行までにはその点も研究いたしまして、施行法におきましては
相当
の手当をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
法律案
は先ほど申しましたように、今週の金曜日の閣議に提案いたしまして、御
決定
を得次第
国会
に提出いたしたいと考えておりますが、
法律案
の附則におきまして施行のことを
規定
いたしたのでございますが、閣議の御
決定
前に申し上げるのも失礼かと思いますが、来年の七月一日までに施行いたすということにいたしておりますので、施行までには
相当
期間もありますので、いろいろ研究いたしまして、
角田
委員の御指摘の点に十分沿うように、施行法の上においては十分
措置
いたしたいと考えております。 —————————————
花村四郎
10
○
花村委員長
ほかに御質疑はありませんか。——なければこの際お諮りいたしたいことがあります。
商法
の
改正
はわが国法制史上画期的な問題でありますので、当
委員会
におきましても十分研究いたし、法案が提出されました場合にも慎重に審議いたすのに備えたいと存じますので、この際
商法改正
に関する小
委員会
を設けたいと存じますが、御異議ありませんか。
花村四郎
11
○
花村委員長
御異議なければ、
商法改正
に関する小
委員会
を設置いたすことに
決定
いたします。 小委員の員数及び
選任
の
方法
はいかがとりはからいましようか。
田嶋好文
12
○田嶋(好)委員 小委員の数は二十三名といたしまして、その指名は
委員長
に御一任をいたしたいと思いますが、いかがでありましようか、動議を提出いたします。
花村四郎
13
○
花村委員長
ただいまの田嶋好文君の動議に御異議ありませんか。
花村四郎
14
○
花村委員長
御異議なければさようとりはからうことにいたしまして、小委員をただいま御指名いたすことにいたします。
角田
幸吉
君 北川 定務君 小玉
治行
君 高橋 英吉君 田嶋 好文君
石川金次郎
君 加藤 充君 大西 正男君 佐竹 晴記君 佐瀬 昌三君 古島 義英君 松木 弘君
眞鍋
勝君 武藤 喜一君 山口 好一君 吉田 省三君 猪俣 浩三君 田中 堯平君 吉田 安君 三木 武夫君 世耕 弘一君
花村
四郎君を小委員に御指名いたします。 —————————————
花村四郎
15
○
花村委員長
この際久里浜事件について猪俣委員より発言を求められておりますから、これを許します。猪俣浩三君。
猪俣浩三
16
○猪俣委員 先般も
法務
府の
政府
委員に質問をいたしたのでありますが、旧海軍の海仁会なるものは解散団体として指定せられ、それの
財産
、動産不動産共に
株式会社
久里浜会館というものに移されておるのであります。ところがこの解散団体の
財産
は、そのまま当局に申告しなければならぬはずでありまするのに、ほとんど動産のごときは十分の一も申告してない、
相当
の物資を隠匿してしまう。なおまた申告した動産につきましても、その売買取得に至る経路に疑義が多々ありまして、たとえば工業用ミシン機械が百五台あつたにかかわらず、これを三十一台しか
法務
府へ届けてない。しかも三十一台を合計七千円で売買したというようなことであります。常識上われわれは判断に苦しむ。これは国家の
財産
であります。これをかようなことで一部の野心家に売買するということに相なりますることは、実に国家財政逼迫の今日、私
ども
は遺憾に存じます。ことに
株式会社
久里浜会館なるものは、その社長は小田光治と申しまして、浅野物産の専務
取締役
をや
つて
おつた人で、これは財閥
関係
に関連して追放をせられておる人物である。なおまたその専務もやはり浅野物産の大阪支店長をや
つて
おつた人で、追放をせられておる人である。こういう人たちが旧海軍
関係
の動産不動産を手に入れまして、そうしてこの物資を全部申告せずして、十分の一くらいの申告でお茶を濁し、他はやみ売りを盛んにや
つて
巨万のもうけを得たということであります。
法務
府からもお調べに行つたようでありまするが、
相当
刑事上の犯罪が伏在するもののごとき
答申
が出ておるそうであります。本問題につきましては、両三年以来横浜検察庁に対して岩堀金藏という人物が摘発をしておる。この岩堀金藏という人は、海仁会時代に事務主任として長らく勤めておつた人であり、これが
昭和
二十一年、
昭和
二十三年、両度にわた
つて
動産の調べをしておりますが、今日
法務
府に届けられておるものはその何分の一もないということを岩掘が立証いたしまして、横浜の検察庁に告発もしたのでありますが、これは粛正前の横浜検察庁の妙な空気から、どういう理由からでありまするか、これが押えられて、今日まで明かにされておらぬのであります。そこで私
ども
といたしましては、重要なる国家
財産
でありますがゆえに、いかなる経路でかような久里浜会館というような、一営利
会社
にこんな安価に所属せしめられたものであるか。及びその所属せしめられたものについて何か不正事件があるのではないか。なおまたこの動産を
相当
なやみ値で売つたということは、ほとんど久里浜におきましては公知の事実にな
つて
おりますから、あるいは物価統制令、あるいは配給違反、いろいろな統制規則に違反しておる行為を、追放者である人たちがや
つて
おつたということにつきましては、やはり調査する必要があるのではないかというふうに思われるのでありまして、これが第一の事実であります。 それから第二の事実といたしましては、先般東京朝日新聞の夕刊にも出たことでありますが、やはり旧横須賀鎮守府の施設といたしまして、追浜飛行場の周辺にケーブル線が埋ま
つて
おる。これを掘り出して他に販売しておるという事実があるのであります。これがはなはだ奇怪千万なことを耳にするのでありまして、神奈川の地方経済調査庁の腕章をつけた人たちが、田浦警察署の立入り禁止の立札を立てて白昼公然と掘
つて
おる。しかしその掘り上げたものは、やみからやみへ売り飛ばされておるというのであります。すでに東京高検から横浜の地検に指揮が行きまして、横浜の地検が現場を押えた実情もあるのでありますが、これにはどうも神奈川経済調査庁の係官、あるいは神奈川県庁の係官、あるいは田浦警察署の警察官、こういう人たちの行動にはなはだ疑惑があるのであります。その具体的な一、二の例はすでに自供した人があ
つて
上
つて
おるのであります。たとえば横須賀市船越八百六十七番地の中村午治という人間は、このケーブルの切りとつたものを六トンばかり買
つて
おる。だれから買つたということになりますと、多治見製作所というものから買つた。この多治見製作所というのは、大蔵省の所有に属するものだそうでありますが、ところがこの多治見製作所について調べてみますと、はなはだこの男の言うことと符合せないところが多々あるのであります。多治見製作所では、今度は
昭和
二十二年中に神奈川県の物資課から払下げを受けたものだと称しておるのであります。しかしかような軍用施設の埋蔵したものの掘り出したものを物資課が集荷して、これを他に売るなんということは今の法制上ないと思いますが、さように称しておるのであります。これは一トン二万五千円で売
つて
、六トンばかり買
つて
あるというのであります。しかもこの中には大蔵省の財務部の横須賀出張所の係員がタツチしておるということが明瞭にな
つて
おる。なおまた横須賀市に船越産業
株式会社
というものがありますが、ここへやはり追浜の旧航空施設の周辺のケーブル線の掘り出されたものが多数集荷されておりまして、そしてその船越産業
株式会社
の
業務
主任の言うところによると、経済調査庁の係官の腕章をつけた者が数名出て来て、田浦警察署の立入り禁止札を立てて、早朝かあるいは日暮れに掘り出して、それを持
つて
来たというような証言をしておる。その中に、この大蔵省の財務部の出張所が元海軍航空廠の跡にあるのでありますが、そこの主任の宮内四郎という人間が、その掘り出すことに立会つたというのであります。その後神奈川の経済調査庁の湯本事務官が来て、この船越産業
株式会社
に保管せしめた十三トンばかりの掘り出したケーブルを、そつくりどこかへ持ち去つたという事実があるのであります。これもどうも産業復興公団とか、あるいは検察庁が評価をして処分するのが
現行法
だと思うのでありますが、こういう事務官がいかなる
権限
を持
つて
かようなことをや
つて
おるのであるか、実にこれもふかしぎ千万なことであります。のみならずこの元海軍航空廠の中の大蔵省の財務部の出張所には、監視所が設けてあ
つて
、係員が数名巡視しておるはずであるにかかわらず、このケーブルはしよつちゆう盗難にあ
つて
おるという届が出ておるのでありまして、これも私
ども
は、かような係官とどろぼうの一団とが結託してや
つて
おるのではないかという疑いが十分持たれるのであります。 なおまた横須賀の船越町の六百八十八番地の遠藤タバコ屋だそうでありますが、この遠藤タバコ屋の長男の遠藤喜義という人間が、佐藤金属
株式会社
横須賀集荷所という看板を掲げまして、人夫が毎日十数名働いておるそうでありますが、これが市内の小川町にある杉山組という請負師から、このケーブル線を前後数回にわた
つて
七十トン、あるいは八十トンも入札の形式で買つたということがわか
つて
おるのであります。これがどういう経路で杉山組の手に入り、その杉山組からこの佐藤金属
株式会社
横須賀集荷所というものに転々して来たのであるか、はなはだ不可解千万なことだと思うのであります。しかもこの船越産業
株式会社
というのは、県の経済調査庁の指示する何か一つの
会社
だそうでありますが、かような
会社
が常々かような取引をや
つて
おることにつきまして、県の経済調査庁というものの内部に何か不正があるのではないかというふうにも思われるのであります。 かような次第でありまして、こういう地下に埋没されておりますところの軍事施設を、どうも正規な手続によらずしてこれを掘り出し、しかもこれが白昼堂々と時の官憲と結びまして、これが妙なぐあいで処分されておるということに相なりまするならば、国家財政逼迫の今日におきまして、ゆゆしき大きな問題だと思いまするので、当
法務委員会
におきましては、刑法犯的見解から、この粛正のために御調査を願いたいということを提案いたす次第であります。
花村四郎
17
○
花村委員長
本事件を本
委員会
の調査事件として取上げることに御異議ありませんか。
花村四郎
18
○
花村委員長
取上げることに御異議がないようでありますから、さよう
決定
いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十分散会