○
今野委員 本
請願と同
趣旨のものが、たくさん参
つているのでありますが、この神奈川県三浦郡葉山町下山口万福寺内、江崎慧子という
教員から出された分について、御
説明申し上げます。
本
請願の
要旨は、
請願者は
昭和二十四年の十一月二十二日付で神奈川県
教育委員会から、
地方自治法附則第五條により、官吏分限令第十一條第一項第四号該当者として休職を命ぜられたのでありますが、本人は職務に忠実であり、性格行動においても、教職員として何ら欠陥がなく、また反民主的思想の所有者でもないものが、理由を明示されずにかかる処分をされたことは、不当な処分であり、生活権を脅かすものであるから、休職処分を取消されたい、こういうことなのでありますが、参考のために本人が書いた
請願の中の一部を読ませていただきます。
「私は現在まで、職務に対する責任感が薄く、任務遂行の熱意を欠くような行動のなか
つたことは、今回の処分に対して、受持兒童及び父兄が、とりあへずその理由の明示を校長に追
つたことによ
つても証明されると思います。
兒童の学習活動は、日に日に成長し、入学以来口をきかない兒童まで、はつきりと発表するようになり私の授業を参観した葉山
小学校教官が「級全体の子供たちが少しも萎縮していない」との評の中にも、私の仕事に対する能率が低くないということが言えると思います。
兒童の直接的な
教育指導のほか、他教官との交わりにおいても何の障害も起ることなく、あらゆる
教育活動に積極的に参加し、常に協調的な態度を保して来ました。これは葉山
小学校多数の教官の認めるところです。
また私の性格行動が教職員として適当でないということは、今回の処分に対し、受持兒童の多数が、ごはんも食べず眠れなか
つたとさえ訴え、積極的に「江崎先生はよい先生だからやめさせないもください」という署名運動を起し、また十一月二十四日の父兄会のときに、私の受持にな
つてから、よい子にな
つたという父兄の声が多数であ
つたことからも、簡單にくつがえされます。
また私が極端な反民主的思想を持ち、児童に影響があるということに対してはも十二月三日付読売新聞紙上での鈴木校長の「校内でそうした行動は見られなか
つたし、まじめに勤務していた」という談話の中からも、私が反民主的思想を持ち、児童に影響があ
つたということは言えません。
校長が今回の休職処分に該当する事実を言わないことは不当であり、そのためいかなる事柄から休職に該当するか不明ですが、他の職員に比べて、私に休職を命ぜられる理由が、どこにも見当りません」云々とあるのでありますが、とかくこのようないい先生が処分されるということは、
教育の発展の上にと
つても、また直接には子供たちや父兄にと
つても、非常に残念なことでもあり、困
つたことであるわけであります。こういうことについて、もつと理由をはつきりして、もし不当ならば、こういう処分は取消していただきたい、こういうことなのであります。何とぞ
愼重審議の上採択あらんことをお願い申し上げます。
ただこの際ちよつと
紹介者として申し上げたいのでありますが、このことは神奈川県の
教育委員会に関することであり、従
つて教育委員会の
意見も聞かなければなるまいと思うのであります。ほかの
請願もあるようでありますから、他日そのことが行われて、
愼重審議がなされることを
希望いたします。