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1950-02-14 第7回国会 衆議院 文部委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十四日(火曜日)     午前十一時九分開議  出席委員    委員長代理理事 水谷  昇君    理事 岡延右エ門君 理事 高木  章君    理事 圓谷 光衞君 理事 小林 信一君       柏原 義則君    甲木  保君       木村 公平君    佐藤 重遠君       千賀 康治君    谷口善太郎君  出席政府委員         (大臣官房会計         課長)         文部事務官   寺中 作雄君         (初等中等教育         局長)         文部事務官   稻田 清助君  委員外出席者         議     員 安部 俊吾君         議     員 庄司 一郎君         議     員 世耕 弘一君        專  門  員 横田重左衞門君 二月九日  「婦人の日」を国民の祝日に指定の請願(戸  叶里子紹介)(第五六四号)  朝鮮人教育問題に関する請願砂間一良君外二  名紹介)(第五七一号)  同(今野武雄君外一名紹介)(第五七二号)  旧制高校卒業生の進学問題に関する請願(米原  昶君外一名紹介)(第五七三号)  同外二件(渡部義通君外二名紹介)(第五七四  号)  同外二件(谷口善太郎君外一名紹介)(第五七  五号)  同(土橋一吉君外二名紹介)(第五七六号)  群書類従原版保管に関する請願岡延右エ門君  紹介)(第五八九号)  教育予算増額並びに定員定額制廃止に関する請  願(谷口善太郎君外一名紹介)(第六二〇号)  教育予算増額請願柄澤登志子君外二名紹  介)(第六二一号)  同外一件(今野武雄君外一名紹介)(第六二二  号)  同(谷口善太郎君外一名紹介)(第六二三号) 同月十三日  育英資金増額請願植原悦二郎紹介)(第  六三七号)  芦別町の新制中学校建設費全額国庫負担請願  (柄澤登志子君外二名紹介)(第六四五号)  旧制国立大学存続期間延長請願今野武雄君  外一名紹介)(第六四七号)  大学研究機関拡充に関する請願谷口善太郎君  外二名紹介)(第六五〇号)  私立学校法廃止請願松本七郎君外二名紹  介)(第六五二号)  育英資金増額並びに夜間学生に対する差別待遇  是正の請願松本七郎君外二名紹介)(第六五  四号)  学問と思想の自由擁護に関する請願松本七郎  君外二名紹介)(第六五五号)  同(谷口善太郎君外三名紹介)(第七〇一号)  早稲田大学第一学生寮確保に関する請願松谷  天光光紹介)(第六六二号)  私学に対する国庫補助並びに貸付に関する請願  (松谷天光光紹介)(第六六三号)  教職員給与改訂等に関する請願外九十五件(  早川崇紹介)(第六八一号)  同外四件(田中織之進君外一名紹介)(第六八  二号)  同外七件(田中織之進君紹介)(第六八三号)  旧制高校卒業生の進学問題に関する請願圓谷  光衞紹介)(第六八六号)  同(今野武雄君外三名紹介)(第七〇二号)  山口大学農学部獣医科存続に関する請願田中  堯平君外二名紹介)(第七三三号)  教育予算増額並びに定員定額制廃止に関する請  願(田代文久君外二名紹介)(第七三五号)  同(今野武雄君外二名紹介)(第七四六号)  私学に対する国庫補助請願今野武雄君外三  名紹介)(第七三六号)  教員定員増加並びに待遇改善に関する請願(  今野武雄君外一名紹介)(第七四四号)  六・三制校舎建設予算増額並びに教員待遇改  善に関する請願谷口善太郎君外一名紹介)(  第七四五号)  教育民主化徹底に関する請願風早八十二君  外一名紹介)(第七四七号)  教育予算増額等に関する請願今野武雄君外三  名紹介)(第七四八号)  京都市における教職員不当解職に関する請願  外五件(谷口善太郎君外二名紹介)(第七五二  号)  横浜市等における教員不当解職に関する請願  外二件(今野武雄君外一名紹介)(第七五三  号)  横浜市等における教員不当休職処分に関する  請願外一件(春日正一君外二名紹介)(第七五  四号)  山梨大学職員不当解職に関する請願深澤義  守君外二名紹介)(第七五五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会要求に関する件  文部行政に関する件   請願  一 六・三制校舎建設予算増額請願庄司一    郎君紹介)(第五号)  二 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関す    る請願(山村新治郎君紹介)(第一一号)  三 同(松井豊吉紹介)(第一二号)  四 同(金光義邦君外六名紹介)(第三七号)  五 同(田代文久紹介)(第三八号)  六 同(川島金次紹介)(第五五号)  七 同(小坂善太郎君外九名紹介)(第六三    号)  八 同(金子与重郎君外一名紹介)(第六四    号)  九 同(高木章紹介)(第六五号) 一〇 同(松井豊吉紹介)(第九七号) 一一 同外二件(岩川与助紹介)(第九八号) 一二 同(吉武惠市君紹介)(第九九号) 一三 六・三制校舎建設予算増額請願(大和田    義栄君紹介)(第一〇〇号) 一四 同外二件(降旗徳弥紹介)(第一〇一    号) 一五 同外四件(塩田賀四郎紹介)(第一〇二    号) 一六 法隆寺金堂壁画写真原板保存等に関する    請願水谷昇君外一名紹介)(第一二五    号) 一七 朝鮮人学齢児童生徒教育費全額国庫負担    の請願若林義孝君外九名紹介)(第一七    六号) 一八 科学研究費増額請願根本龍太郎君紹    介)(第一九五号) 一九 六・三制校舎建設予算増額請願降旗徳    弥君紹介)(第二〇二号) 二〇 東北文化研究所設置請願庄司一郎君紹    介)(第二四〇号) 二一 六・三制経費全額国庫負担請願外二件(    竹村奈良一君外二名紹介)(第二九六号) 二二 南北両朝正閏調査設置に関する請願(世    耕弘一紹介)(第三〇〇号) 二三 育英資金増額請願風早八十二君外一名    紹介)(第三一八号) 二四 教育予算増額並びに定員定額    制廃止に関する請願渡部義通君外一名紹    介)(第二九五号 二五 同(片岡伊三郎紹介)(第三二八号) 二六 同外六件(森戸辰男紹介)(第三二九    号) 二七 同外七件(松本七郎紹介)(第三三〇    号) 二八 同外七件(受田新吉紹介)(第三三一    号) 二九 旧制高校卒業生の進学問題に関する請願(    今野武雄紹介)(第三四九号) 三〇 同(渡部義通紹介)(第三五〇号) 三一 同(松谷天光光紹介)(第三五一号) 三二 教員不当休職処分取消に関する請願外二    件(今野武雄君外二名紹介)(第三八九    号) 三三 育英資金増額請願赤松勇紹介)(第    四二八号) 三四 教員待遇改善に関する請願田島ひで君    外一名紹介)(第四二九号) 三五 国瑞巖寺修理工事費国庫補助請願(安    部俊吾君外五名紹介)(第四五二号) 三六 大学院特別研究生給与改善に関する請願    (福田昌子紹介)(第四七二号) 三七 宮村の新制中学校建設費国庫補助請願(    庄司一郎紹介)(第四九二号) 三八 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関す    る請願田中堯平君外二名紹介)(第五〇    七号) 三九 育英資金増額請願並木芳雄紹介)(    第五一五号) 四〇 同(谷口善太郎君外一名紹介)(第五一六    号) 四一 同(米原昶君外一名紹介)(第五一七号)     —————————————
  2. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 委員長はちよつとおさしつかえがありますので、私がかわつて進行したいと思います。御了承願います。  ただいまより会議を開きます。  御承知のことと存じますが、電気通信委員会におきまして、放送法案審査中であります。この法案に関しましては、当文部委員会といたしましても、重大な関心を有するものでありますので、衆議院規則第六十条により、電気通信委員会連合審査会開会申入れをいたしたいと存じますが、連合審査会開会申入れ電気通信委員会へするに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたしました。  なお期日に関しましては委員長に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  4. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 次に文部行政に関する件を議題といたします。特に文部予算について、当局より説明を聽取することにいたします。寺中政府委員
  5. 寺中作雄

    寺中政府委員 ただいまから昭和二十五年度文部省所管予算につきまして、ごく簡單に御説明申し上げたいと存じます。  昭和二十五年度文部省所管予算は、総額にいたしまして百四十六億五百三十九万円でございます。昨年度の三百五十六億六千七百照十九万二千円に比べまして二百十億余り減つておるのでありますがこれは従来文部省所管に計上されておりました義務教育国庫負担壷その他の、相当多額の政府補助金負担金が、平衡交付金として地方自治庁関係予算に繰入れられた関係でございます。でありますから、文部省所管予算は、ただいま申し上げた通りでありますが、文部省関係予算といたしましては、平衡交付金の中に二百六十一億三千五百四万一千円計上しておりまするし、別に経済安定本部関係公共事業関係といたしまして、文部省関係が五十七億五千万円入つておりますので、文部省関係予算総額は四百六十四億九千四十三万一千円になるのであります。それでその関係を前年度と比べますと、七十八億五千九百七十一万八千円、約八十億円の増額なつておりまして、来年度文部省関係予算総額政府予算の六千六百十四億余の予算に比べて比率をとりますと、教育費予算は大体七%になる、昨年度の五・一%に対し二パーセントぐらい上昇したということになる次第であります。文部省所管予算の中で、本省予算は三十八億六百八十五万八千円であります。また文部各庁の予算が一億六千九百六十万二千円、国立学校予算が百六億二千八百九十三万円でございます。  お手先にごく簡潔に事項別予算の表をお配りしたかと思うのでありますが、それに従いましてごく簡単に御説明を申し上げますと、大臣官房予算では事務的な予算が多いのでありますが、ユネスコ事情調査普及に関する経費が五百万円でございます。昨年度の四百万円に対しまして百万円ふえておるわけであります。初等中等教育局予算では、学校教育費基準作成費というものがあります。これは七十九万八千円でありますがこれは義務教育関係地方平衡交付金として使用されることになるに伴つて、その学校教育基準経費を算定する必要がありますので、その事務費として七十九万八千円を計上した次第であります。なお視覚、聴覚教育経費であるとか、あるいは職業教育経費であるとか、あるいは実験学校経費であるとかいうようなものが割合特色のある経費であります。  なお初等中等局関係では、昨年まで計上されておりまして本年度から落された経費も多少あります。たとえば実業教育費補助、これは額としましてはそう大したものではなく、昨年百八十万二千円でございましたが、これが本年度からなくなつたのであります。この実業教育費と申しますのは、実業教育費国庫補助法による補助金で、昨年の経費は一校に対して十万円の三分の一補助して、五十三校に実業教育施設のための経費補助したのでありますが、それは今年度から平衡交付金の中に同時に考えらるべきである、地方経費として地方に於いて実業教育振興をはかる必要があるので、国庫から補助することは適当ではなかろうというような趣旨によつて、切られたわけであります。それから通信教育施設費というのが千三百二十万円ありまして、これも地方の各中学校並びに高等学校通信教育をやるために、問題解答を添削するための手当であるとか、あるいは教員の旅費であるとかいうようなものを計上して補助しておつたわけでありますが、平衡交付金として地方教育費地方的に算定されるという趣旨によりまして、通信教育費施設費を今年度削られたわけであります。なおこの表にあります義務教育費国庫負担金、あるいは定時制高等学校教員費、あるいは中学教育委託費、あるいは特殊教育委託費というようなものは、全部平衡交付金の中に込めて算定されておる次第であります。  大学学術局経費といたしましては、教職員の研修に必要な経費、すなわち小・中学校教員の資格を向上するために、現職教育を行う必要があるのでありますが、その現職教育経費といたしまして二千七百二十九万円を計上いたしております。これは六十一の大学におきまして、夏休み期間中六十日間、約二万五千人の教員に対して大学において現職教育講座を開設させまして、そこで教員の再教育をはかるというための経費でございます。この経費によつて二万五千人くらいの教員の再教育がはかられるのでありますが、教員の総数は五十万ありますので、これでもつて全部の教員の再教育の完全を期するというわけには参りませんが、国において現職教育をやりますのは、いわば地方で再教育をやる、そのモデルとしましてやるわけであります。もともと地方がその責任を負担するというのが、教育公務員特例法による法律趣旨でございますので、本省としましてはいわばモデル的な現職教育実施に対して経費を計上したという形になつておるわけであります。なおこの現職教育講座という形で行います再教育のほかに、通信教育の形によりまして、大学において教員の再教育を行う計画なつておりまして、その予算は別に国立学校予算の中に約二千百万円ばかり計上してあるのであります。これによつて約五万人の通信教育による教員の再教育をはかる計画が立てられておる次第であります。それから学徒援護会補助は昨年一千万円でありましたが、今年は事業を拡張いたしまして一千五百万円に増額されました。  なお相当画期的に増額された経費としましては育英事業拡充経費がございまして、前年九億二千九百三十六万五千円でありましたが、昭和二十五年度は十五億三十七百六十四万八千円が計上されております。これは現在の学生学修費の非常に困窮しておることにかんがみまして、育英事業相当拡充をはかつた次第でありまして、大体大学專門学校生徒につきましては、今までは大体八%の育英をやつておりましたのを一〇%に上げましたまた大学教育学部学芸学部従来の師範学校学生に対しましては五〇%、全学生の半分が育英資金の恩典を受けるという計画なつておるわけであります。それによりまして大体十万人の学生に対して育英事業実施を行うことになる次第であります。  それから次に科学研究経費でありますが、科学研究経費につきましては、いろいろ国会方面からも御援助をいただきまして、相当増額ができまして、昨年度四億五千万円であつた経費が、五億円に増額されました。これもわが国の学術研究向上の上に、非常に大きな貢献をすることと思うのであります。  次に社会教育局経費でありますが、社会教育振興のために三千四十二万円を計上いたしておりまして、そのうち千九百八十四万四千円が公民館の設置運営促進のための経費でございます。  それから国民体育大会運営費、これは昨年まで日本体育協会に対する補助としまして四百五十万円が計上されておりましたが、来年度は八百万円に増額されまして、補助の形でなく、政府直営の形で金を支出することにな、ております。  なお芸術文化振興のために、二千六百四十九万八千円が計上されておりますが、そのうち六百二十二万六千円は、演劇教育指導とあげております通り芸術祭実施のための経費でございます。芸術祭は従来は経費なくして、ただ芸術祭執行委員会の形でもつて運営をして参つたのでありますが、来年度相当実質的な経費を計上いたして運営をする予定になつております。  それから国宝の経費は本年度約一億円に対しまして来年度二億円となつております。この中には日光の補修松本城補修、姫路城の補修法隆寺補修等が入つておるわけであります。  それから調査普及局経費としまして、教育調査のための経費相当増額されました。これは教育費平衡公付金でまかなう関係もありまするので、教育調査相当力を入れる必要がありますので、三百四十三万円の昨年度経費に対して、千二百十二万七千円と増額をいたしたわけであります。  管理局経費としましては、公立小中学校設備に必要な経費四千三百十四万三千円、これは例の六・三制の学校建築費が、公共事業として計上されております。その内部設備としまして、すなわち、いす、机の経費出してこれだけが計上されたわけであります。また学校給食経費は一千六十五万円でございますが、これはユニセフから参ります粉乳の配給のため、また府県の給食事務補助のための経費でございます。  それから私立学校建物復旧貸付金が二億七千六百六十一万円あります。私立学校公立あるいは国立学校同様の比率によりまして、戦災復旧をはかりますための経費を貸し付けるわけであります。  本省経費としましてのおもなるものは、そんなものであります。  文部各庁の経費としましては、これはあまり取立てて申し上げることもない平常的な事務費運営費でございますが、次に国立学校経費といたしまして重要なことは、学校研究費相当増額なつたことであります。研究費の額は昨年度六億一千九百五十一万二千円に対しまして十二億七千三百十七万七千五百円と、約二倍になつておるのであります。単科で大体五割増額になりまして、一講座研究費実験講座については三十八万六千円、臨床講座については四十一万九千円、非実験講座については十三万三千円というふうに増額になつたのでありまして、これも学校研究成果向上に非常に大きな貢献をなすものと期待しておる次第下あります。  それから東京水産大学が農林省から文部省移管になりました。また東京商船大学が、これも運輸省から文部省移管になりました。これによりまして大学が新しく二つ加わりまして、全部で七十の大学文部省が持つことになるわけであります。大学附置研究所におきましても、やはり研究費が、大体学校における研究費と同様の率で増額なつております。  以上が文部省所管予算関係でございます。  次に平衡資金関係でありますが、これはさきに申しましたように、従来の義務教育費国庫負担金が、地方平衡交付金の形で教育費に使われるわけでありまして、所管は違いますが、やはり文部省関係予算ということができると思うのであります。それによりまして小学校教育費、あるいは中学校教育費が、従来の率よりも相当増額なつておるわけであります。小学校教育費の計数は、教員は五十人の生徒に対しまして一・五人、それに結核療養患者〇・三三%というものを加えまして、教員数は二十三万一千六百八十人、中学校教育費は、生徒五十人に対して教員・一八人、それに結核療養患者〇・三三%を加えまし、て教員数は十八万一チ五百八十四人になつておるのであります。でありまするから、その両者を合せますと、小学校におきましては、昨年の人数よりも四万万三千四百五十三人、中学校におきましては一万五千四百九十四人、合せまして五万八千九百四十六人増員をはかるだけの経費が計上されておることになるのであります。昨年の補正予算で一万三百五十八をふやしてもらいましたので、実質的には四万八千五百九十六人の増員をはかり得る経費が、この平衡資金の中に繰入れられておるのであります。定時制高等学校教員費は、昨年の一万三千人に対しまして、約二割を増員いたしまして、一万四千四百人の経費を計上いたしております。  そういう次第で、平衡交付金は昨年の義務教育費の費よりも相当増額になりますが、これを教育費として、ほかの経費とは別に、いわばひもつき教育費に計上されますように、標準義務教育費に関する法律案というのを上程いたしまして、教育の完璧を期したいというのが、文部省の態度でありまして、いずれ法案の御審議を願うこととなると思いますが、文部省としましては、この問題に非常に重要な関心を持つておる次第でございますので、この点に関しまして、ぜひとも御協力をいただきたいと存ずる次第でございます。  それから公共事業関係では、これも国会方面からの御協力のおかげをもちまして、六・三制の建築費に四十五億を計上し、また戦災復旧経費としまして十億、それから災害復旧経費としまして二億五千万円、合せて五十七億五千万円が計上されておる次第でございます。なお災害復旧経費二億五千万円は、経済安定本部との話合いによりまして、実際の使用の場合には、もう少し多額にその方面に使えるような話合いをいたしておる次第であります。なお別に災害復旧につきましては、二十五年度に起る災害復旧費は、大蔵省関係で百億の経費が計上されております。それも文部省関係で起りまし、災害にその一部を使うことができることになつております。  以上によりまして文部省関係予算が、総予算の約七パーセント、四百六十五億の経費になる次第でありまして、これによつて十分とは申せませんが、ますます文教の振興をはかつて行きたいというふうに考えておる次第でございます。簡単でありますが以上で説明を終ります。
  6. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 この際寺中政府委員説明に対して何か御質問はございませんか。
  7. 千賀康治

    千賀委員 科学振興費が一億何かしふえたということ、それと大学学校科学研究費が十二億かあるが、その使いわけはどういうふうになつておるのですか。同じことに使うのですか、全然別に使うのですか、どういうふうになるかちよつと御説明を願います。
  8. 寺中作雄

    寺中政府委員 大学研究費と申しますのは、これは一定の基準がありまして、一講座に対して幾らというようになつております。その一講座というのは、大体教授一名、助教授一名、助手二名というのが標準の形になつております。でありますから一講座に対しては、どれだけという額が計上されるわけであります。その使い方は、研究のための経費でありますので、いろいろ研究器材を買うとか、あるいは研究報告書を出すとか、あるいは研究のための旅行をするとか、研究のためのいろいろ消耗品等を買うとか、各方面経費に使われるほかに、経営的な、たとえば光熱費であるとか、あるいは水道費であるとか、そういうふううな研究に伴う経営的な経費にも使われるわけであります。それは大体従来の実績によりまして、実験講座については大体これだけの経費が必要であるという基礎に対して、いろいろ物値上り等を勘考いたしまして、来年度は本年度の約五割を増額してもらつたわけであります。  それから科学研究費と申しますのは、そういう講座当り経費のほかに、実質的な研究題目に対しまして、これは内容が五つ、六つの項目にわかれておるのであります。科学研究費と申しますのと、試験研究費と申しますのと、科学研究奨励金と申しますのと、人文科学研究費と申しますのと、それから民間の研究団体に対する補助、それから研究成果の刊行に関する経費、こういうふうな部わけによりまして、その研究費をもらう希望のある者は、研究題目を書きまして申請をするわけであります。そうして委員会にかけまして、十分審査した上で、必要だと思われるところに一研究に対して、従来は大体二万五千円ぐらいでありましたが、今度の予算によりますとたしか四万円ぐらいに上つたと思いますが、交付をいたすわけであります。ですから、これは各研究項目ごとに実際の研究費に使われるのでありまして、学校におきますいわば経営的な、ごく平常的な、研究に使われる研究費と、多少その趣を異にしておるような関係なつております。
  9. 千賀康治

    千賀委員 そうしますと、科学研究費の方は、民間団体とか、あるいは民間の個人研究者ことにやるのが趣旨であるが、学校の、たとえば大学研究室が、成規の研究費をもらつて——これは別のルートで十二億の方から行つておるけれども、それでも足らぬから、そちらの方から交付の道を特に重ねて講じてもらいたいのだということを言つて来れば、大学の教室へでも、その金はまわつて行くのか、行く道はないのか、いかがですか。
  10. 寺中作雄

    寺中政府委員 その点は重複するのでありまして、科学研究費も、当然大学研究室に、そのほとんど大部分というわけでもありませんが、約七割は大学研究室の方へ参ります。民間の方へ参りますのが約三割ぐらいになつておると思います。ですから、研究費といたしましては経済的な研究費のほかに、特殊な研究に対しまして、申請によつて科学研究費をとつて研究するという形になつております。
  11. 千賀康治

    千賀委員 大分わかつて参りましたが、そうするとそれを審査する委員会は、どんな構成ですか。
  12. 寺中作雄

    寺中政府委員 それを審査する委員会は学術会議でありまして、学術会議の分科委員会が、その担当ことにこまかい資料によりまして、この研究費を出すのが適当かどうかを検討した上で、出すことになつております。
  13. 千賀康治

    千賀委員 科学振興ということは、今の日本の社会では湯川博士に刺激されぬでも、ほとんど合言葉のように言われることで、われわれもむろん、流行は別といたしましても、将来の日本にはその必要が大いにあると考えております。民間におきまして特にこの声の強いのは、従来政府機関から個人の科学研究に対して、あまり強力な補助を受ける方法がなかつた、こういうことが、ことに民間で科学教育振興を最も強く喧伝せられる理由であろうと思う。そこで従来のやり方でありますと、四億円が一億幾らふえましても、これを審査する機関が同じ機関で行くならば、片方の大学の方で十二億にふえておりましても、やはり同じ比率大学研究費の方にまた吸收されて行くだろうと思います。もちろん大学研究費が足れりとは思いませんか、六億が十二億になつたことは、画期的の陣営強化であることは言を待ちません。こういうような場含に将来の取扱いについて——民間の科学が低劣で別ればこそ、いかに日本の大学研究成果相当世界的に認められるものがあつても、日本の産業あるいは実際部門とのつなかりがなかつたということが、各方面の大きな声のようであると思います。ことに私どもが文部委員会を中心といたして科学振興の議を云々し出しますと、地の部門から、たとえば鉄道からも通産省側からも、エンジニヤを持つたところは、強力な声で、割込み運動と申しますか、とにかくおれたちも一役買つているのだ、お前たちだけの專門ではないというようなわけで、むしろ現今は、その運動の主体ほど、日本の各界を通じて科学振興の議が起りつつあります。その方面におきましても、せつかく日本には相当の学問があるのに、これが民間の実際部門をを刺激していないということが、やはり底流をなした指導原理のようであります。そこでこの際四億か五億何がしこなつたというその科学研究費は、従来よりもはるかに民間の研究陣に、あるいは民間の研究室にやることを、大いこ拡大強化といいますか、比率を変更して、民間の方に大きな刺激を与えたい、そういうことを考えておりますが、従来の審査委員会だけの機構で、そういうことができるのであろうか。またわれわれがそういう意思を持つて、その機構に何らかの変更を与えなければ、そういう取扱いができて行かないであろうか。この点はどういうお見通しでありましようか。
  14. 寺中作雄

    寺中政府委員 ただいま科学研究費の七割は官立関係に行くというふうに申しまして、公私の比率に非常な不公平があるような印象を多少受けられたかと思いますが、実除の科学研究のスタツクというものが何らかの形で官立の大学あるいは研究所に関連を持つておる場合が多いのでありまするし、また民間関係といいましても、民間の組織の中にやはりいろいろな形で官立関係の人が関係しておるという場合も相当あるわけでありまし一、日本学術会議が、その科学研究費の配当について決して私立関係を特に冷遇するというようなことはないと思うのであります。日本学術会議の構成は御承知かと思いますが、相当公正な、また民主的な方法で選ばれたメンバーでございますし、なおこのスタックと申します日本学術会議の出店の機関がありまして、その方面科学研究費の配分等について、相当重大に関係をしておるのでありますが、その中には民間の今が相当に入つておるのであります。でありまするから、特にこの科学研究費の配当について、機構を改めなければ公正なる運営ができないということはないというふうに考えております。
  15. 谷口善太郎

    ○谷口委員 私も千賀さんのしり馬に乗つて、少しだけお聞きしたいと思います。直轄学校に対する本省予算で七十九億八千万円余を計上されておるようでありまするが、これの各大学への配分、これは大体決定して、おりますか。
  16. 寺中作雄

    寺中政府委員 その配賦は、これはこまかいいわゆる単価を集計したものでありますが、その配賦についてはこれからやるのでありますが、材料だけはそろつておるわけであります。何学校に幾らという配賦の額はまだやつておりません。
  17. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それではぜひひとつ早く材料でも見せていただきたいと思います。と申しますのは、今千賀さんから、学校あるいは文部省直轄の研究所、あるいは大学の附属研究所、そのほかの民間研究団体研究所、これらの研究費の配賦について御質問があつたようであります、私はもちろんこういう問題についてお尋ねしたいことが非常にたくさんあるのですが、一、二だけお伺いいたしておきます。  実は最近各大学を二、三まわつてみますと、研究費の問題は、もちろん困つておりますが、同時に研究施設がまつたく荒廃に帰している。なぜ今大学の配分の内容を聞いたかと申しますと、昨年度より若干の研究費あるいは直轄学校経費がふえてはおりますが、しかし私の見た範囲では、単なる研廃施設の荒廃の状態を見ましてもとても五割や五割の増額ではどうにもできな、のであります。極端な例でありますが、京都大学の湯川研究所のごときは、昨年度大体一人当り月三百円の研究費しかない。三百円といいますと、アメリカの単位にしまして大体八十五セントぐらいにすぎないのでありますから、これでは子供の小づかいにもならないものをとつておるわけであります。これは研究者自身が非常に嘆いている、こういう状態が方々にあるのです。地質、鉱物の研究室でありますが、雨漏りがいたしまして地下室に水がたまつている。これをポンプでくみ上げる装置になつておるのでありますが、そのポンプがこわれて、すでに二年間雨が降ると長ぐつをはいて地下の研究室に入る。そこには大事な施設があつて、それを守るだけで一生懸命だ、一体幾らだと聞きますと、七万円あつたらポンプができるというが、その金がないのであります。あるいはまた小さい話でありますが、黒板が小さくて、公式をずつと書いて行くと、学生がそれを写す余裕のない間に消さなければならない。これを三倍くらいにしてほしい。あるいは雨漏りがして研究室が間に合わない、一講座ふえたが教室がない。私ども国会で何十億、何百億と論議していると、何千円何万円とかいうことが問題になつていることは、おかしいくらいでありますが、そういうところに問題の中心かある。これは研究以前の問題だと私は思つております。いろいろ置いてみますと、今度おやめになつたようでありますが、野津という理学部長、この方に聞きますと、いろいろ言いたいが、荒廃の状態を私の口から言つたのでは、にらまれて首になる、だから言わないのだ、学長が言つていいというなら、いろいろデータを出したいと言つております。つまり研究をやる上にどうしても必要な研究以前の施設が、荒廃に帰している。これに対しでどうにもできないのだという気持を、学生連中が持つている、おそらくこれは文部省の方もよく御承知だと思います。しかし何とかしなければならぬ、単に嘆いてばかりいられない。この状態で四、五年もたてば、もう科学の研究というのは、日本の大学になくなる、そういう状態にあると私は思う。こういう点について何とか今度の予算の若干の増額で、こういう問題を幾分考慮において、解決できるものとしてなされたものかどうか、その点を聞きたいと思います。
  18. 寺中作雄

    寺中政府委員 学校研究施設が非常に貧弱であるというお話でありまして、私どももその点非常に責任を感ずるのでありますが、予算の面から申しますと、何しろ戦災並び二その後の災害相当学校がつぶれておりますので、いわゆる公共事業費の中に戦災復旧費が国立関係で八億七千二百万円ございまして、その内容設備としまして一億一千四百万円、そのほかに特別営繕費というり形で約一億円、新制大学設備費としまして、これもやはり研究施設等の充実に充てる経費なのでありますが、それか二億二千万円、これは科学研究費あるいは学校研究費以外のものであります。そういうようなもので、逐次に研究施設の整備をはかりつつあるの下あります。何しろこの損耗が相当大きいので一ぺんに補充なり修築なりをやるということがむずかしい。どうしても財政の都合のつく限り、逐次に整備するというよりほかにないのであります。お話の点ば、私どもも各方面から似たような事例もいろいろ聞くのでありますが、われわれとしても、ただいま申しましたような経費を、できるだけ活用いたしまして、その整備完美をほかつて行くことにいたしたいと考えております。
  19. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 なお御質問もあるでしようが、時間に余裕がありませんので、この程度にして……
  20. 谷口善太郎

    ○谷口委員 質問を打切ることはかまいませんが、実際は文部大臣なりに出ていただきまして、政府委員と両方いてもらつたらけつこうだと思やます。実はこの問題は非常に重要な問題でありまして、もう少しわれわれは大学の現状をよく見て善処しなければならない。これについては、今までの運営委員会でよほど論議があつたのじやないかと思つておりますが、私は私なりにいろいろお聞きしたいことがある。特に最近では電力量の問題が大きな問題になつておりまして、これなんかについてもお聞きしたいと思います。今日もし時間がなくて、質問を打切られることは私はかまいませんが、近いときに委員会を開いていただきまして、この問題をもう少し論議させていただきたいと思います。
  21. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 本日は文部大臣も局長もいませんので詳しいことは御答弁できまいと思いますから、この程度にいたします。     —————————————
  22. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 次に請願日程を順次議題といたします。議事の順序は、特に予算関係を有するものより、逐次日程の順に進めて参りたいと存じます。  日程第一、第二、第一四、第一五、第一九は、いづれも六三制校舎建設予算増額請願でございますので、一括して議題に供します。紹介議員の説明をお願いいたします。庄司一郎君。
  23. 庄司一郎

    庄司一郎君 ただいま議題となりました六・三制関係予算増額に関する請願の件でございますか、私紹介議員として、ただいま陳述いたしたいのは、宮城県のPTAの代表者諸君によつて提出されました請願でございます。もつとも該請願け、昭和二十五年度において六・三制関係予算四十五億円が計上されるということが、まだ一般国民の間に普及徹底しない前の請願書の作成には違いないと考えますが、新制中学校を各都道府県の市町村長か熱心に建築されているこの昭和二十四年から二十五年度にかけまして、市町村財政の面から考えて、また新制中学校を理想的によりよく建立したいという念願の上から、政府財政の乏しい中からも、義務教育の意味において、できるだけより多くの予算上の補助額を確保していただきまして、各市町村等に、これまたでき得るだけより多くの補助を御交付願いたい。かような趣旨請願の大要であると思うのであります。文部委員会においても、委員会の開会のたびここに、御熱心に従来この予算増額の問題について御対策を頂戴していることは、本員もよく承知しておりまして、感謝感激にたえざる次第でございます。この請願はひとり宮城県のPTAの代表の請願だけではありませんで、その心持は全国都道府県一万二千の市町村の衷心からの叫びであると思うのであります。幸いに二十五年度予算の中約四十五億計上され、その他義務教育関係の新制中学校施設費としても若干の御計上を願つていることは、まことにありがたいことでございますが、なお昭和二十六年度、来年度においても一層文部委員会において御奮闘をお願い申し上げて、より多くの補助額を確保していただきたいということが、この請願の大要の趣旨であると思うのでありまして、何分よろしくお願い申し上げたいと思うのであります。  なおこれに附帯して積雪地帯あるい仕冷寒地帯、山村関係等において、雨天体操場であるとか、あるいは三、四里も遠い所から積雪の場合において通学される学生のために、寄宿舎を設けるとか、そういう方面の施設に対する補助等も、一層確保していただきたいというお願いの趣旨が附帯されているのでございます。何分よろしくお願い申し上げたいと思います。  なお委員長のお許しをいただいて、私紹介のもう一つ具体的な請願を申し述べきせていただきます。それは宮城県刈田郡宮村村長から請願なつております宮村の新制中学校建設費国庫補助請願でございます。この宮村というのは蔵王山という有名な山の山村でございます。面積は一村にして十七万里あります。従いまして新制中学校が一村一校では、とうてい間に合いませんので一村に二校あるいは三校の建設をもくろんでいるような次第であります。従つて従来の村単位の六・三制関係補助ではなく、学校数を単位にこの補助の対象としてほしいという意味が含まれている請願でございます。宮村という小さな村の請願のようでございますけれども、これまた全国において、ただいま申し上げたように一村にして十七万里などという広大な山村方面においては、一村に二校ないし三校、あるいは四校の新制中学を建設しなければならぬという状態にある。そういう大きな村に対しましては、従来の村単位の補助方針を一樹されて、学校数単位の補助にお改めをお願いしたい、こういう意味の請願であろうと了承しております、何分よろしくお願い申し上げたいと思います。
  24. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 それでは紹介議員の庄司一郎君が御出席でありますから、日程の第二〇、東北文化研究所設置請願文書表第二四〇号について御説明を願います。
  25. 庄司一郎

    庄司一郎君 ただいま委員長から議題にしていただきました東北文化研究所開設に関する請願は、東北六県の知事が署名して、その代表者の宮城県知事が提案されている請願でございます。これは東北大学の法文学部内に東北文化研究所の御開設を政府にお願いすることが請願趣旨でございます。その理由は、非常に遅れております東北地方の文化を画上させ、あるいは発達させるために、古来の考古学的な面、あるいは産業、経済、交通、教育、すべての文化面より東北のレベルを高めるために、大学内に專門の文化研究所を新しく設置してほしいというのであります。これは主として同大学内の古田教授が熱心に提唱されて東北六県の知事を動かし、六県の知事ももつともで、あるというので、かような請願書が提出されたような次第であります。目下政府予算窮乏の折柄特に文部関係においては、六・三制義務教育等の予算確保のために、文部当局も非常な御苦心の折柄でございますから、今にわかに即時本年度といふことは不可能でありましても、適当な時期に東北文化研究所のようなものを設けさしていただいて、古来遅れている、文化のレベルの低い東北地方の文化向上のために、何分の御配慮をお願い申し上げたいと思うのであります。
  26. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 先刻庄司君から便宜、宮村の新制中学校建設費国庫補助請願について御説明がありましたから、この際日程第三七も議題にいたしまして以上六・三制校舎建設予算増額請願と、東北文化研究所設置請願並びに宮村新制中学校建設費国庫補助請願についての政府の意見を伺います。
  27. 稻田清助

    ○稻田政府委員 ただいま御紹介のありました義務教育充実に関しまする校舎建築等の政府補助金の問題、あるいはまた地方文化向上のための学術研究機関設置の問題につきましては、もとより文部省といたしましても、国家財政の許す限り、充実拡張を念願としているので、ございまして請願の御趣旨もごもつともと考られるのであります。今後財政の許す限り、文部省といたしましても力をいたしたいと考えております。またこれにつきましては十分この文部委員会の御協力も得たいと考えております。
  28. 圓谷光衞

    圓谷委員 今の問題に関連して、六・三制の予算について、この実施にあたつて文部省が〇・七というところの基準を立てて補助の対象にしているのですが、六・三制の実施がこの予算の〇・七で行く場合に翌年度、二十六年度においてできるか。また六・三制実施の〇・七というものは本年限りであるか、また明年度はその基準を改めるか、その点に伺います。
  29. 寺中作雄

    寺中政府委員 昭和二十五年度の六三制予算は一応〇・七坪を確保するための経費でございまして、次年度以後はどういう方針になりますか、まだ確定はいたしておりませんが、決して〇・七坪を確保することをもつて満足するという意味ではございません。それに上つて決して完全な学校ができるというわけではございませんので、ますます委員会の御協力を得まして、六・三制のほんとうに完全な教育ができますような学校建築を充実いたしますように、今後とも努力いたしたいと存じております。
  30. 圓谷光衞

    圓谷委員 二十五年度予算で、〇・七について各県において問題が起つているのですが、その〇・七を実施する場合に、最も必要な村、たとえば一箇村に分教場が六つある、あるいは学校が同じ村に四つあるという場合に、〇・七の坪数を割り当て旬と、そういう村に対しては児童の定員が必ずしも五十人となつていない、二十五人あるいはそれ以下の学級編成をしなければならぬ村においては、この基準がむしろ〇・八以上になつている。しかし実際においては最も必要だという村に実施できないということで、大分問題になつております。この点について文部当局はどういう考えを持つておるか。
  31. 寺中作雄

    寺中政府委員 五十人のクラスに〇・七坪というのは、一応普通の学校の場合の標準でありまして、もつと小さいクラスを構成しなければならないような場合には、それに応じただけの基準をもつてその配賦をいたしておるのでありまして、〇・八あるいは〇・九にL上るような場合もできて来るわけであります。その点は考慮してやつておるつもりでおります。     —————————————
  32. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 次に日程第二二、南北両朝正閏の調査機関設置に関する請願を議題といたします。紹介議員の御説明を願います。世耕弘一君。
  33. 世耕弘一

    ○世耕弘一君 本請願趣旨は、南北両朝の正閏について、世論がまだ一致いたしませんで、ややもすれば皇室の尊厳を傷つけるような言論並びに記事が内外に現われておるような状況であります。最近におきましては熊沢天皇あるいはほかに新しい天皇があるということが、新聞に出ておるようなことで、国家の象徴たる皇室に関して、かくのごときことが流布されるということは、国民としてまことに遺憾千万でありますから、この際新たかる調査機関をつくられて、この問題の帰趨するところをはつきりしていただくようにお取扱いを願いたいというのが、請願の要旨であります。何とぞ御採択あらんことをお願いする次第であります。
  34. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 紹介議員の世耕さんに申し上げますが、説明者がいないそうですから、またあらためて……
  35. 世耕弘一

    ○世耕弘一君 非常に重要なことでありますから、政府の意見も聞く必要があろうと思いますし、またその説明のしかたによつては、私もあらためて証拠を出して議論しなければならぬと思いますから、そこのところは、委員長におかれて適当におとりはからい願いたいと思います。
  36. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 それでは次の機会に譲ります。     —————————————
  37. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 次に日程第三五、国宝瑞巌寺修理工事費国庫補助請願を議題に供します。紹介議員の御説明を濃います。安部俊吾君。
  38. 安部俊吾

    ○安部俊吾君 本請願の要旨は、宮城県宮城郡松島町にある国宝瑞巖寺は各所の腐蝕破損がはなはだしく、すみやかに全面的修理をしなければ、国宝建造物としての保存は期せられない。よつて関係官民一丸となりまして、これが修理事業達成を企図したのでありますが、巨額の負担に耐えられませんので、修理工事実施にあたりまして、ぜひとも工事費総額三千六百二十万円に対する最低八割の国庫補助をせられたいというのであります。  右指定建造物は、明治三十六年十月国庫補助をもつて大修理完成以来、四十七年を経過しておるのであります。従つて各所の腐蝕破損は実にはなはだしいのであります。またこの瑞巌寺は、松島の地にありまして、日本三景の一として景勝の誉れ高く、近くは国立公園候補の声も高いのでありまして、内外観光客の来訪もますます頻繁を予想せられておるのであります。中央を遠く隔てる東北の地に、三百五十年前の桃山時代を誇る美術工芸の精粋を尽して建立されたところの一大殿堂でありますから、これを完全に保護管理することは、最も必要なことと思うのであります。文化国家建設に寄与する重大なる使命を多分に包含しておるものと思うのであります。特に第八軍よりこの保存方を要請されておりまして、ここに付録として宮城県知事より瑞巌寺住職あての書面があります。これを朗読いたします。   昭和二十三年七月三十日      宮城県知事千葉三郎    瑞巌寺住職殿   緊急修理を要する文化施設の件今般東北軍政府から昭和二十三年四月一日附第八軍指令書第二三号(に)の(3)の項目に伴い、文化施設に対する緊急修理の方法を講ずるよう申入れがあつたので左記熟読の上その文化施設に対し緊急修理されたい。       記 一、文化施設 宮城県松島町瑞巌寺(屋根及廊下の広範囲修理) 二、右修理工事は文部省文化課指導の下に国立博物館内国費保存課が監督の任に当る。 三、右修理工事の完了する迄は其の経過報告を毎月提出されたい。 四、取りあえず概略の修理計画書を作成して所見等あるならば附記し至急提出されたい。  以上これに対して承諾書を与えております。    承 諾 書  国宝建造物瑞巌寺本堂外五廉修理工事を瑞巌寺国宝建造物保存協賛会が施行することを承諾しました   昭和二十四年十一月日    宮城県宮城郡松島町松島字町     内九一       臨済宗 瑞巌寺     住  職  三 浦 承 夫     檀徒総代  鈴 木 圓 七     同     大宮司 勝五郎  こういうわけでありまして、この際本委員会において御採択を願いまして、この工事に関して最低八割程度の国庫補助をいただきたいことをお願いする次第であります。
  39. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 政府の御意見を伺います。
  40. 寺中作雄

    寺中政府委員 瑞巌寺の国宝補修につきましては、来年度二億の国宝保存経費のうちに計上されておるのでありますが、はたして御請願のように八割の補助ができますかどうかということは、なお調査員がその補修の必要の程度その他を調査いたしました上で決定することと思います。まだ決定はいたしておらないはずでありますが、御趣旨の点は十分了承いたしまして、できるだけ御趣旨に沿いますように、補助金を出すようにとりはからいたいと存じております。
  41. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 それでは本日はこの程度にいたしまして、残余の請願は後日さらに審議をいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせをいたします。     午後零時二十一分散会