運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-04-29 第7回国会 衆議院 農林委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十九日(十曜日)     午後二時二十九分開議  出席委員    委員長代理 理事 野原 正勝君    理事 松浦 東介君 理事 八木 一郎君   理事 藥師神岩太郎君 理事 山村新治郎君    理事 吉川 久衛君 理事 小林 運美君    理事 井上 良二君 理事 山口 武秀君       青木  正君    足立 篤郎君       遠藤 三郎君    小淵 光平君       寺本  齋君    平澤 長吉君       渕  通義君    村上 清治君       守島 伍郎君    山本 久雄君       坂口 主税君    小平  忠君       足鹿  覺君    上林與市郎君       横田甚太郎君  出席政府委員         農林政務次官  坂本  實君         農林事務官         (農地局長)  山添 利作君         農林事務官         (蚕糸局長)  最上 章吉君         林野庁長官   横川 信夫君  委員外出席者         参議院議員   伊達源一郎君         專  門  員 藤井  信君     ————————————— 四月二十七日  委員北村徳太郎辞任につき、その補欠として  大森玉木君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員中垣國男辞任につき、その補欠として坂  本實君が議長指名委員に選任された。 同月二十九日  委員坂本實辞任につき、その補欠として中垣  國男君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月二十八日  農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定  措置に関する法律案内閣提出第一九一号)  狩猟法の一部を改正する法律案伊達源一郎君  外九名提出参法第八号)(予) 同月二十九日  狩猟法の一部を改正する法律案参議院提出、  参法第八号) の審査を本委員会付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  十委員補欠選任に関する件  農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定  措置に関する法律案内閣提出第一九一号)  狩猟法の一部を改正する法律案参議院提出、  参法第八号)  蚕糸に関する件     —————————————
  2. 野原正勝

    野原委員長代理 これより会議を開きます。  小笠原委員長にはおさしつかえがありますので、皆さんの御推薦によりまして、本日は私が委員長の職務を行います。  議事に入る前に議案が付託になりましたから御報告いたします。本二十九日、参議院議員伊達源一郎君外九名提出による狩猟法の一部を改正する法律案が、また昨二十八日内閣提出による農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律案が、それぞれ本委員会付託と相なりました。以上御報告いたします。  次に小委員補欠選任を行います。去る二十二日林業対策小委員及び畜産に関する小委員てありました大森玉木君が委員辞任せられ、昨日また大森玉木君が議長指名委員になられました。つきましてはこの両小委員補欠選任を行わなければなりませんが、これは先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 野原正勝

    野原委員長代理 御異議なしと認めます。それでは従前通り林業対策小委員及び畜産に関する小委員大森玉木君を指名いたします。  まず狩猟法の一部を改正する法律案議題とし、その審議に入ります。提案者より趣旨説明を求めます。伊達源一郎君。
  4. 伊達源一郎

    伊達参議院議員 ただいま議題となりました狩猟法の一部を改正する法律案提案理由につきまして、大要を御説明いたします。  わが国におきましては、諸外国に比し一般国民鳥獣に対する認識がきわめて薄く、有益鳥獣保護の方策も不徹底でありましたため、従来鳥獣は次第にその数を減じて来たのでありますが、戰時中の濫獲は特に著しく、さらにまた森林濫伐等は、鳥獣自然的生育條件を奪うこととなりましたため、近時著しくその数を減し、もしこのままに推移いたしますときは、ある種の鳥獣は、わが国から永久にその姿を沒することとなるおそれがあるのであります。近時全国的に蔓延して森林に非常なる損害を加えつつあります森林害虫の異常な発生害虫の大敵たる鳥類の激減によりますところが多く、松食い虫、野鼠その他の有害動物繁殖により、農林業等のこうむる損害は、非常なるものがあります。こうした事態に対応いたしまして、有益鳥獣につきましては、單にその捕獲制限するだけでは不十分でありまして、積極的にその保護繁殖をはかることにより、わが国農林水産業等の発展に資する必要があるのであります。  次に本法案の主な内容簡單に御説明申し上げます。第一に、現行狩猟法は、鳥獣保護鳥獣狩猟鳥獣とに区別いたし、狩猟鳥獣法定猟具をもつて捕獲する場合には、都道府県知事許可を要することを規定しております。しかして特殊狩猟鳥獣につきましては、農林大臣地域を定めて、その捕獲禁止制限することができ、また法定猟具以外の方法による捕獲につきましては、都道府県知事農林大臣の認可を得て制限または禁止することとなつておりますが、法定猟具を用いての捕獲につきましては、危険予防に関する制限以外は、何らの制限が設けられておりませんために、従来種々の不都合が生じておりましたので、第一條に、特に「猟法」という字句を入れ、さらに「特殊ノ」という字句を削り、農林大臣または都道府県知事は、狩猟鳥獣一般捕獲についても、適宜適切な禁止または制限をすることができることといたしたのであります。  第二に、現在空気銃は銃器として規定されておりますので、空気銃を使用して狩猟鳥獣捕獲するためには、三千六百円の狩猟者税を支払わなければなりませんが、実際上狩猟免許を受ける者が非常に少く、ほとんど全都が密猟であり、その取締りもまつたく不可能に近い状態であります。しかしこれを全然放任しておきますことは、鳥獣保護見地から見て適当てはありませんから、特に空気銃につきましては、これを免許対象たる猟具から除外し、簡易な狩猟登録制度を設けることとし、その取締りを容易にするにとといたしたのであります。  第三に、現行狩猟法によりますと、猟期は、内地におきましては十月十五日から翌年四月十五日まで、北海直におきましては、九月十五日から翌年四月十五日まででありまして、特殊の狩猟鳥獣につきましては、さらに猟期を限定することができることとなつておりますが、第五條中「特殊ノ」という字句を削ることにより、農林大臣は広く狩猟鳥獣一般についても、猟期を限定し得ることといたしたのであります。なお猟期外に、法定猟具以外のものを使用して狩猟鳥獣捕獲することは違反であるかいなかにつきましては、疑問がありましたので、これを明確にし、猟期外におきましては、第十二條特別捕獲許可によるほかは、狩猟鳥獣捕獲はまつたく禁止する旨を明らかにいたしたのであります。  第四に、狩猟免許及び狩猟登録を受けるにつきましては、五百円を越えない範囲内において省令で定める額の手数料を納付すべきことといたしましたほか、この法律に基く省令違反して罰金以上の刑に処せられた者が狩猟免許を受け得ない期間を一年から二年に引上げることにいたしたのであります。  第五に、鳥獣の積極的な保護繁殖をはかるため、農林大臣または都道府県知事は、鳥獣保護区を設けることができ、鳥獣保護区内には、営巣、給餌、給水等保護施設を設けるとともに、鳥獣繁殖生育に支障のある水面の埋立、干拓、立木竹の伐採、工作物設置等は、農林大臣または都道府県知事許可を受けさせることとし、これによつて損害をこうむつた者に対しては補償を与えることといたしたのであります。  第六に、狩猟鳥獣の種類の決定、捕獲禁止もしくは制限または鳥獣保護区の設定には、公聽会を開きまして、利害関係人及び学識経験者意見を聞いて手続を慎重かつ民主的にすることにいたしたのであります。  第七に、現在わが国におきましては、一部に、第十二條特別捕獲許可により捕獲した保護鳥獣飼養が行われたおりますが、これにつきましては、特に飼養許可証を発行して、特別捕獲許可によらないで捕獲したものとの区別を明らかにすることによりまして、取締りを容易にいたしますとともに、その保護をはかることといたしたのであります。  第八に、きじ及びやまとりはわが国特有のものでありますにかかわらず、近年その数が著しく減少しておりますので、その捕獲数制限しておりますが、なお十分とは申せませんため、その販売をも禁止いたして、捕獲制限目的を達することといたしたのであります。  第九に、鳥獣輸出及び輸入につきましては、適法に、捕獲された旨の証明書を添付せしめることといたしたのであります。これは従来雌いたちがわが国捕獲禁止しておりますにかかわらず、その皮が外国輸出されている事実にかんがみまして、輸出の際に検査を行うことにより、捕獲の段階だけでなく、最終的な関門によつて違反取締りを行おうとするものであります。なお現在米国初め諸外国にもこの制度の例がありますので、輸入の際にも、そうした制度のある国からの輸入につきましては、当該国証明書を添付せしめることといたしたのであります。  第十に、その地検査報告徴取の規定を整備いたしますとともに、罰則を強化し、体刑をも科し得ることといたしたのであります。  以上狩猟法の一部を改正する法律案提案理由につきまして、概略御説明申し上げました。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  5. 野原正勝

    野原委員長代理 これにて提案者提案理由説明を終りました。  引続き質疑及び討論でありますが、これは都合によりまして後日に行うことといたします。     —————————————
  6. 野原正勝

  7. 坂本實

    坂本政府委員 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律案提案理由説明いたします。  申すまでもなくわが国におきましては、自然の環境上各種の災害がすこぶる多いのに加えまして、戰時中治山治水対策不備等の事情も加わり、近時は災害が相次いで頻発いたしまして、貴重なる農地その他の施設被害は、巨額に上つております。政府といたしましては、戰後国家財政逼迫の中を、可能な最大限の財源をさきまして、これらの災害復旧費につき助成を行い、災害のすみやかなる復旧に努力いたして参つておりますが、今後におきましても、治山治水根本対策とともに、災害復旧に力をそそいで参りたいと考えております。  この趣旨におきまして、従来は、單に災害復旧は、補助要綱に基いて行つておりましたが、この際これを法制化し、補助対象基準内容等を明確にし、国の政策を明らかにいたしまして、一はもつて農山漁民各位に安心を与えるとともに、一層災害復旧を促進して参りたいと考えるのであります。  何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたします。     〔野原委員長代理退席山村委員長代理着席
  8. 山村新治郎

    山村委員長代理 これにて本案に対する提案理由説明を終りました。引続き質疑に入ります。渕委員
  9. 渕通義

    渕委員 この法案は、われわれがかつて望んでおりました補助が法制化するという点につきまして、一段の効果をあらしめようといたしました、まことに貴重な法案で、むしろおそきに失した感があるのでありますが、一応この法案につきまして、質問いたしたい点が一、二ございますので、その一、二点を質問いたしたいと思います。     〔「簡單々々」と呼び、その他発言する者あり〕
  10. 山村新治郎

    山村委員長代理 お静かに願います。
  11. 渕通義

    渕委員 簡單にやります。この法条によりますと、この災害対策国庫補助比率というものが、あらかじめ決定されているのでございますが、この決定された比率以外に、最後末尾の方に、特に附則の二といたしまして、南海震災並びに新潟県の地すべり、こういつたものにつきまして、一応の特別の比率が規定せられているのでありますが、将来こういつた特別な大きな災害が起つた場合につきましては、この最後末尾附則のところの比率を適用されるのであるかどうか、その点を伺います。
  12. 山添利作

    山添政府委員 そういう場合には特別の法律を出すわけであります。
  13. 山村新治郎

  14. 井上良二

    井上(良)委員 まことに適切な法案提出されたのであります。従来はこれが主として政府の政策的な面で、補助要綱に基いてやつておりましたのが、はつきり法律に規定されることは、われわれも全面的に賛成でございます。問題はこの災害復旧対象地区、これは大体この資料によりますと、農地関係とその他にわかれておりますが、たとえば農地関係におきまして、二十五年度の予算では百三億九千万円、二十六年度以降において二百四十九億円が予想されておりますが、これらの地区数は、一体どのくらいになつておりますか。それから一工事の反当りといいますか、單価はどのくらいに見積つておりますか。この点を明らかに願いたい。それから昭和二十五年度に実施しようとする復旧対象地区数、それから二十六年度以降に持ち越される地区数、これを明らかに願いたいのであります。
  15. 山添利作

    山添政府委員 これはただいま資料を持つておりませんから、後ほど申し上げたいと思いますが、地区数は非常にたくさんございます。後ほど調べましてお答え申し上げたいと思います。
  16. 井上良二

    井上(良)委員 問題はこの対象地区の問題でございますが、これによりますと、要は県の方からこういう所を復旧してもらいたいという申請書を出しまして、それで本省専門家の検討によつて対象工事に指定するといいますか、そういうことになりはせぬかと考えているのでありますが、問題はこのあとの條文を見ましても、対象工事として補助金を交付します場合は、その実地がどういう実情にあるか、そしてまた実際府県及び工事施行者の団体からこれを要求して来ております実情に当てはまつておるかどうかということについての、実地の見聞というものは、この際きわめて重要であろうと思うのであります。そういう場合に、政府はこまかいところを一々まわるというわけにはとても参らぬでございましようけれども、少くとも相当大規模の工事については、災害を受けております。実情をよく実地に押えて、それによつて県側及び工事施行者から申請しておりますものの内容を、十分実地に当てはめて検討して、補助率をきめて行く。こういうことが必要だと思いますが、そういうことを実際おやりになつておりますか、どういう方法によつてこれをきめようとしておりますか。これを伺いたい。
  17. 山添利作

    山添政府委員 災害が起りますと、まず地元一つ一つ箇所別災害の調書を出すわけであります。農地関係においては、御承知のように、農地事務局というものがございます。そこの係官の方で現地に参りまして、サンプル調査といいますか、全部はとてもいきませんから、見まして査定をいたします。その結果によつて大体右へならえということになるわけてありますが、むろん大きなものは綿密にやるわけでああります。
  18. 井上良二

    井上(良)委員 かつていろいろな災害を受けた実情を、私どもたびたび議員として現地を見に行きます場合においても、県側では、できるだけ災害のきわめて深刻な、被害の甚大な地域だけをサンプルに見せて、実際の数字とはその実情は違う場合が往々にしてあり得るのであります。われわれは現に地方に行つてその実情を知つております。従つて農地事務局という一つ地域的な監督機関実情を把握さそうとしましても、いろいろな形のかわつた人が見るわけでもありませんし、担当官は大体においてきまつておりますから、これがえてして地元なりあるいは県側の方から、いろいろな接待を受けまして、かんじん正確な良心的な報告というものが、はたして提出されておるかどうかということは、非常に疑問であります。従つて公営補助金を少しでも多くとろうというのが地元の熾烈な要求であり、また実際これを正確に国民の負担によつて行うのでありますから、てきるだけ適切な補助金として交付せなければならぬのであります。問題はその点がどうなつておるかということが、われわれとしては非常に重大な関心を持たなければなりません。そういう場合に、一農地局において何人ぐらいの人が現地に見に行くか。この資料にも出ておりますが、昨年起りましたいろいろな颱風アイオン颱風とかデラ颱風ヘスター颱風キティ颱風というように、颱風がたくさんございますが、これらの颱風が、たとえば九州なら九州の全部を襲つた場合、一体九州農地局というものが、これだけの広い範囲にわたつた被害を、具体的に各県とも実地に把握するということは、非常に困難ではないかということになり得るのでありますが、こういう場合は、他の被害を受けない県から応援を求めるなり、あるいは利害関係のないものが立ち会うなりして、十分実地を把握する必要があろうと思いますが、そういう手はずになつておりますか。なつてないとすれば、今後どうするつもりてありますか。
  19. 山添利作

    山添政府委員 現在までのところ、他の局から応援を出すということはいたしておらないのであります。元来災害復旧だけでなしに、補助金ということになりますと、水増しということが行われがちでございまして、災害の点についても、府県から上つて参ります報告と、農林省で査定します額との間には、どうしても二割、三割の開きが出て来るのであります。これは農地事務局には災害復旧課という課がつくつてございます。そこに係員がおりますので、これが実地に参りまして査定をいたしまして、その基準によつて全般を律するということにいたしております。本省においては、各事務局から上つて参りますものを、また全国的な見地からバランスをとるといいますか、誤りなきよう期しておるのであります。聞いてみますと、当初のうちは、各事務局ごとにどうしても主観的な見地が入るといいますか、多少でこぼこがあつたようでございますが、今日においては相当熟練しております関係上、大したでこぼこがないようになつておるのであります。しかしいずれにいたしましても、災害は非常に箇所が多い関係上、井上委員かおつしやいますようなことが、とかく起りがちであります。こういう法律をつくりまして、基準を明確にする、またこれに附帶いたしまして、査定の標準のこまかいもの等を科学的につくつて行かなければならぬわけでありまして、査定を正確、かつ統一したものにやつて行こうとすることも、またこの法律化するということの目的一つに含まれておるわけであります。
  20. 井上良二

    井上(良)委員 その問題についての質問はさらに続けますけれども、この際政務次官が急ぐそうですから、特に政務次官に伺つておきたいのは、災害復旧に対しての補助金を出すという考え方は、もちろん政府としては、わが国の今日の農林業の現状から、当然国家的な投資を必要とするのでありますが、問題は日本のように非常に災害の多い地理的、または自然的條件に置かれておりますところにおいては、災害が起きてから、初めて災害復旧に対して予算的処置を講じて、実際復旧いたしますのには、数年後でなければこれが完成をしないという実情にありまして、その間の運動から実際工事に入り、工事完成までの労苦なり時間的な大きな損害というものは、はかり知れないものがあり得るのであります。従つて災害が起りますと、ただちに復旧するところの、不断の訓練準備というものが必要じやないかということを、私は常に考えておるのであります。災害が起つて予算的処置を講じておつたのでは、実際上は間に合わぬところがたくさんございますので、幸いに本年から、公共事業費の一部を予備金として政府が持つておるという処置がとられておりますけれども、この金を実際有効適切に活用いたしますためには、最も全国的に災害の起る地域をそれぞれ指定いたしまして、ここで災害赤十字といいますか、そこらの住民の協力を求めて、災害に必要なるいろいろな準備をふだんから立てて置くということも、私は必要ではないかと考えております。たとえて申しますと、大河川にはそれぞれ水防組合というのがございまして、ふだんから堤防が切れた場合の非常処置としての、俵とかじやかごとか、その他非常対策に必要な機材、器具というものが整えられており、またそれぞれ水防員というものがふだんから訓練されて、いつでも出動できるような態勢になつておるのであります。こういう態勢が、日本のように非常に災害の多い地帶においては、国民的の協力訓練と、これに対する政府の資材と資金をふだんから準備して置く、災害が起きればただちにそれを復旧するという、非常措置がとられなければならぬ、こう私は考えますが、この点に対して政務次官はどうお考えになりますか。そういうことについて、積極的に今後政府としては手をつける必要がありはしないかと考えますか、これに対する御意見を承りたいと思います。
  21. 坂本實

    坂本政府委員 災害の程度にもよると思いますが、応急的に措置をしなければならないものもありましようし、また非常に大きな災害につきましては、恒久的な対策を必要とすることもあろうと思うのであります。いずれにいたしましても、平素から万一の場合に対する備えがなければならないという御意見につきましては、まつたくわれわれも同感であります。幸いに本年度の予算におきまして、多少なり予備金が認められたのでありまして、もちろん十分なものではないと思いますが、応急的な対象はとり得るのではないかと思うのであります。従来からいたしまして、大きな災害につきましては、補正予算等におきまして、適宜これを補正して行くということになつておるのであります。従いまして、その年次におきまする国の財政によりまして、いろいろ予算的措置の問題はあろうかと思いますが、今お話の通り、いずれにしましても、災害発生をいたしましたならば、すみやかにこれを復旧するということの必要性は、御指摘の通りであります。これに対しましても、政府といたしましては、万全の措置を講じなければならぬと考えておるのであります。恒久的にこれらの防衛対策というものにつきましては、さらに十分研究してみたいと思います。
  22. 井上良二

    井上(良)委員 さらにもう一点、問題は平常からそういうことを準備しておくということのために、予算的措置として一部予備金が認められた。ところが現在の復旧については二十五年度予算をもつてしても全部復旧ができずに、二十六年度以降においてさえ、まだ二百億からのものが残つておる。こういうことでございますが、これを繰上げて実行することの方が、実際は災害復旧に必要ではないか。予備金をここへ持つてつて、そして実際今までの被害を受けました復旧工事については、すつと繰越してやつて行くという行き方は、どうも私としては不思議でかなわないのです。そういう金があるなら、現に被害を受けて復旧しなければならないものが莫大に残つておるのでありますが、これを何で政府はやらないのか。予備金を残すほどの金があるのですから、そのうち二百億なり三百億なり出してやれば、二十五年度中に済んでしまうという考え方も起つて来ますが、これに対してはどうお考えになりますか。
  23. 山添利作

    山添政府委員 一回に早く直してしまえということは、議論の余地がないのでありますが、国の財政状況からいたしまして、そう行きませんので大体最近では三年以上かかつて復旧することになつております。実際問題といたしましては、簡單工事予算よりも実際に早くできるのでありまして、これは御承知通りであります。ただ国補助金が遅れて参るということになるわけであります。  それから過去のものを放つておいて、新しいものに予備金等準備しておくということはどうかということでありますが、やはり応急措置としては、どうしても必要なのであります。そのための予備金をとつておくことは当然必要だと思います。
  24. 井上良二

    井上(良)委員 さいぜんの質問に続くのですが、工事対象となる実地の問題についてでありますが、私は、できればこの工事対象補助金交付に至るまでの、具体的な実地檢証をやります特別委員会といいますか、そういうものを各農地事務局関係において設定するということが、必要ではないかと思います。と申しますのは、実際この専門的に見に行くという人は特定の人でありまして、しかも非常に年の若い人が多い現状からいたしましても、どうしても県当局なり、また地元有力者の人々に陳情されますと、つい自分の大切な任務というものが、えてして地元意見に合流する危險が非常に多いのであります。こういう面から、そういう工事対象になります実体に対しまして、この工事の経費がどれほどかかるか、国としてはどれくらい補助しなければならないかということの、明確な査定を行いますところの、特別な技術委員会というものを設定する必要が、私はあろうと思いますが、この点に対してはどうお考えになりますか。
  25. 山添利作

    山添政府委員 これは人間の弱点というようなことに関連してのお話でありますが、査定につきましての基準を明確にする必要があるのでありまして、今までもそういうものがありますが、今後一層明確にして行きたい。そのとろの量が幾らであるとか、これを捨てるのにどのくらいかかるとか、どろの量の見積りができますれば、自然その経費も出て来るわけであります。またせきの復旧というようなことにつきましては、その設計を見ますれば、専門的に工事費というものが出て来るわけでありまして、この災害復旧につきましては、一箇所ごとの詳細なる調査を徴しております。その一箇所ごとの調査が、実地の状況とぴつたり合つておるかどうかということが、査定対象になるわけでございます。そこでその調書と実地についての査定とを照し合せまして、一定の査定率を出す。それで全部は見られませんから、それをもつて全般を推す。こういう方法でやつておるのでありますが、井上さんのおつしやいましたことは、そういう非常に科学的にやつて行くという方法のほかに、人間の弱点というようなことが現われないような方法を考えたらどうかという御注意でございますので、これは予算定員等とも関係がございますので、考慮してみたいと思います。
  26. 井上良二

    井上(良)委員 次に補助金の交付手続の問題ですが、実際予算が国会を通過いたしまして、実施に入りましてから、また本省で実際具体的に査定をしましてから後の、補助金の交付の具体的な簡易化の問題でありますが、現在のようなやり方を、もう少し改善するわけには行きませんか。非常に長い手間をかけて、いろいろな陳情をしなければ、実際補助金が施行団体まで下つて来ないという実情を、何とかもつと敏速にする方法はありませんか。
  27. 山添利作

    山添政府委員 これは一つは、新しい災害が起りました場合に、それに対して予算を受けるのに相当の手間がかかるわけであります。これはただいま井上委員が申されましたように、実際に行つて見て、箇所別の詳細な調書をつくりませんと、全体の補助額というものがきまらない、きまりませんければ予算支出というようなこともできない。そこでこれにつきましては、ある程度ひまがかかるということは、井上委員のおつしやる趣旨から見ても、やむを得ぬと思うのでありますが、きまりました後においても、金の出し方はもつぱら政府部内の事務的な問題でございますから、従来も早いところ進めておりますが、今後とも極力早くやつて行きたいというふうに考てております。
  28. 井上良二

    井上(良)委員 次に事業範囲制限の問題でございますが、これによりますと、一箇所工事の費用が十五万円以上のものにとどめ、これは災害復旧事業とみなして、十五万円以下は災害復旧とみなさない、こういうのですが、これの解釈はどういうところから来ているのでありますか。現在わが国の過小農の場合において、一体個人の負担においてこれをやれというのですか。どういうことですか。
  29. 山添利作

    山添政府委員 それ以下の小さいものは、個人なり、あるいは公共施設でございますれば団体でやつてもらうわけでありまして、これは国の財政の都合から見ましても、おのずから制約がございます。また先ほども申しましたように、適正にやらなければならぬ。そうすると行政上扱える範囲というものも、おのずからきまつているわけでありまして、この十五万円ということでは、大して苦情を聞いておりません。
  30. 井上良二

    井上(良)委員 次にこの補助対象補助率の問題ですが、これによりますと、いろいろ補助率が全部異なつております。もちろんその対象が異なつておりますから、補助率も差別をつけるのはやむを得ないと思いますけれども、農地にかかる場合と、林地の荒廃防止施設にかかるものとの比率の違うところ、これはどういうわけでこんなに違うのでございますか。
  31. 山添利作

    山添政府委員 これはあんまり違わないのでありまして、農地にかかるものが十分の五というのは、これは非常に受益者がはつきりしているわけですね。林業の方におきましても、林道にかかるものは受益者が非常にはつきりしておりますので、十分の五であります。農業用施設にかかるものは公共的な性格を持つておりますから十分の六・五、それから林地の荒廃防止施設も、やはり公共的な意味を持つておりますので三分の二、三分の二ということは十分の六・六ということでありまして、あまり違わないのであります。     〔山村委員長代理退席、野原委員長代理着席〕
  32. 井上良二

    井上(良)委員 その次に市町村または特別地方公共団体がやりますものと、今の前の場合との率が非常に違うのですが、これはどういうわけでこんなに違えたかということ。それからその次に補助金の返還の規定がございますが、返還をさせる場合において、特に重要な点は、第二項の農林大臣云々の最後の方に「当該補助目的に反してその補助金を使用したとき、又は当該補助目的である工事の施行が著しく不適当てあるときは、その者に対し、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。」こういうことになつておりますが、一体この場合の監督といいますか、工事監督はだれかやるのでありますか。つまり総事業費がこれだけ、政府補助はこれだけということでその工事の施行を始めるわけです。実際やつた結果を見て、これは政府の意図する通りできていないということから、補助金は返せ、こういうことに結論がいつもなるのです。そうすると、その工事監督の責任は、政府の方にも工事施行者にもあるわけです。この場合とういう考え方ですか。
  33. 山添利作

    山添政府委員 補助率は、全部これは現にやつているやつをそのままとつたのであります。法制化する機会に、上げるわけに行かず下げるわけに行きませず、これは従来の沿革でやつておりますので、十分の六といい、十分の六・五といい、三分の二といい、まちまちになつているのでありますが、現在やつておる通りだというふうに御承知願います。  それから第四條の関係におきまして、工事の監督でありますが、これはもとより国が補助して復旧いたしますので、制度上国が監督いたしますことは当然でありますけれども、事実問題として手が足りませんので、国が直接やることはほとんどむずかしいと思います。そこで第六條におきまして、都道府県知事がこれについての調査、監督をする規定を置いたのであります。実際を申しますと、今まで府県が監督責任を持つておりましたが、今後とも府県が監督責任を持つことが、実際の運用であろうと考えます。
  34. 井上良二

    井上(良)委員 そうすると、今まで補助金を渡しました工事で、ここに規定してあるような事態が起りました事実がありますか。また実際補助目的とはなはだ反した方面に使用されたという事実がありますか。それともまつたく不適当な工事であつたから、その一部の返還を命じたというような事実がありますか。それを伺いたい。  次に適用除外の規定でありますが、これによりますと経済的効果の小さいものはやらない。以下いろいろ書いてありますが、一体この経済効果が少いということは、日本の現在のような耕地の場合は、これは非常に大きな耕地を持つている人は、国家の補助を受けられるのでありますけれども、非常に過小の耕地しか持つていない農民は、まつたく政府補助を受けることができ得ないことになつてしまいます。これをどうお考えになりますか。またこういう経済的効果がないというようなことは、一体どこでだれがきめるのですか。
  35. 山添利作

    山添政府委員 工事の施行が不適当であるというようなことで、補助金の返還を命じた例はおそらくないと思います。また補助金の使用が他の方面に使われた。この事柄は、結局私が知つておる限りではございません。こういうことがございますれば、一面にはこれは刑事事件になるわけでありまして、最近の実例としては私は知りません。しかし昔からいつて、そういうことがなかつたとは申し上げられません。  次に第五條の経済効果の小さいものというのは、小農には困るじやないかというお言葉でございましたが、それとは関係がないのであります。ここに言います「経済効果の小さい」と言いますのは、投じまする復旧の経費と、それによつて受ける利益とがあまりにバランスがとれない。たとえて申しますれば、耕地復旧にいたしましても、これが地盤沈下で海底に落ちてしまつたので、これを復旧しようとすれば一反歩二十万円も三十万円もかかるから、これはやめた、こういうことでありまして、そういうように投ずる費用と、それによつて得る効果とを比較してみての経済効果、こういう意味であります。ただの大小という点から申しますと、復旧工事の経費が十五万円以上でなければ対象にならないということが、別にまた出ているのであります。なおこれの認定は農林大臣であります。
  36. 井上良二

    井上(良)委員 そうしますと、実際は小さい災害で、経済効果が小さいものといいますけれども、なるほど効果の上では小さくとも、それが及ぼす影響といいますか、それをそのまま復旧せずに置いた場合に、次の災害によつて、さらに一層その危險率が他の面に影響して行くという事態は、いろいろな場合多いのであります。そういう場合は当然考慮されなければならぬと考えますが、その点は考慮されるのでありましようか。
  37. 山添利作

    山添政府委員 ここにあげましたのは、ここで考えておりまするのは、費用とそれからそれに伴う効果との比率考えておるのであります。それ以外のフアクターによつて、どうしても何らかの施設をやらなければならぬということでありますれば、その事情は考慮せられると思うのでありまして、おそらくそういうことは非常に小さい場合でなくて、ある程度広い災害が起りました場合に、起り得る事柄かと思うのでありますが、そういう場合には災害復旧ということの全般的見地から考慮せられると思います。
  38. 井上良二

    井上(良)委員 次にこの第三号、第四号の問題でありますが、これによりますと「明らかに設計の不備又は工事の施行の粗漏に基因して生じたものと認められる災害に係るもの」こうなつております。これは私かさいぜんから質疑をいたしております重要な点に関係がございます。いわゆる工事の設計及びその施行の監督が、政府の方にそれを監督しそれを検討する責任が一部あるにかかわらず、政府はこれを府県の監督に委任をいたしまして、実際そういうものが不備または工事の粗漏で起つたものについては、いかなる災害でもこれは補助を適用しない、こういうことになつておるわけです。これはまつたく片手落ちな行き方であつて、この規定を設ける以上は、政府国民の負担による補助災害復旧に使うのでありますから、当然政府みずからが責任を負うた、いわゆる府県の出して来ます。設計書が現地に十分適応した設計であるかどうかということと、工事の施行の実際の経過を見て、これならば将来少々の災害があつても大丈夫だというようなことを、十分検討される必要があろうと思います。それにこの條文を設けて、府県の一方的な責任にかえるということは、ちよつとぼくはおかしいのじやないかと思うのです。  それからその四号の「甚しく維持管理の義務を怠つたことに基因」すると、こう申しますけれども、維持管理の義務を怠るという具体的な解釈というものを、一体政府はどう考えておるか。たとえば河川の場合ある一定量の水が常に流れておる。また非常の出水があつた。しかしその出水に耐えられないような提防てありますとか、用水路でありますとか、そういうものか破壊をしたら、それは維持管理の義務を怠つた、こういうことになりますか。自然の暴威はいかんせん人間の力で防ぎ得ないのであります。この点の義務を怠つたという具体的な政府の解釈は、どういう点を義務を怠つたというのですか。これを明らかに願いたい。
  39. 山添利作

    山添政府委員 この点はあまり実例としては、三号にいたしましても四号にいたしましても、ぶつかつたことはないのでありますが、元来思想的に申しまして、たえず維持管理に注意をいたしておるべきでありまして、何でもかんでも災害が起れば、かえつてその機会に改良をしようというようなことで、災害を待つておられるというような弊風を生じましてはたいへんでありまして、国が災害復旧費を全額持つということの弱点も、まあ財政上の負担と同時に、そういう維持管理に粗漏を来すおそれがあるということも、理由の一つになつておるのであります。この具体的な認定につきましては、それぞれ具体的なケースに当てはめて考えなければならぬのでありまするが、ここにはその思想を明確にいたしまして、平生の注意を促しておると、こういうふうに御承知願いたいのであります。
  40. 井上良二

    井上(良)委員 最後に、この一番しまいの第九号の具体的な御説明を願いたいのであります。「地方公共団体が左の基準以上の助成を行わないもの」として、「農地、農業用施設又は林道に係るもの」は「当該災害復旧事業の事業費の十分の一に相当する額の補助金の交付又は負担金の免除」、こうありますが、この具体的な御説明を願います。
  41. 山添利作

    山添政府委員 これらのものにつきまして、現在府県等におきまして、国が補助のほかに一部補助をつけ足しておるのであります。その事柄をここに明記いたしたのであります。もつとも耕地の復旧につきましては、府県なり町村が一部つけ足しをしておるという実例は少いのでありますが、今回それを入れました。そこで一部つけ足す、まあ府県なり市町村なりが災害復旧費の十分の一、一割以上を持つてもらいたい。またそれを町村の工事として施行する、あるいは都道府県工事として施行するという場合には、地元の業者といいまするか地元の団体から負担金をとつておるわけであります。その一割以上はまけてくれ、とらない、こういうふうにすることが、補助をする條件になつておる、こういうわけであります。
  42. 井上良二

    井上(良)委員 わかりました。
  43. 小平忠

    ○小平(忠)委員 まことに適切なる法案提出を願つたわけでありますが、この際疑問といたしまする二、三点についてお伺いをいたし、政府のお考えを明らかにいたしてもらいたいと思うわけであります。  第一点は、この法案の第二條に公共的施設とあるのでありますが、この公共的施設という政府当局の解釈をお伺いしたいのであります。  次にこの第二條の第一項の第三号のことでありますが、「農地又は農作物の災害を防止するため必要な施設」というのは、一体どのような施設をお考えになつておるのか、まずこれらの点についてお伺いをいたしたいと思います。
  44. 山添利作

    山添政府委員 公共的と申しますのは、平たく申しますれば、多勢の人に関係する、こういう意味であります。それから「農地又は農作物の災害を防止するため必要な施設」と申しますのは、これは現在はあまり適切なる例がございませんが、だんだん土壌侵蝕の防止施設というようなものを講じて参るといたしますと、そう入るわけてあります。
  45. 小平忠

    ○小平(忠)委員 そういたしますと、私はこの際実例をあげてお伺いいたしたいのであります。今回のこの法案内容は、先ほど申し上げましたように、まことに適切なものでありまして、われわれが多年の要望の事項であります。と申しますのは、今日の段階においては、一応災害復旧という点において、従来支出し、また従来政府がとつておるところの要綱に基いて、法制化された事項であります。私はやはり災害が起きてこわれたから、それを復旧するということも大事でありますが、災害を未然に防ぐ。すなわち災害を防止するということを、政府がもう少し積極的に考えてもらわなければならぬのではないか。と申しますのは、今日風水害にいたしましても、あるいは旱害にいたしましても、これによるところの被害は、実に甚大であります。しかしてこれらを未然に防止する施策が、もう少し積極的にやらるべきじやないかと思うのであります。そういう観点から、この法律では第一條の目的に、災害復旧事業に対して国が補助をする。復旧一点張りのように考えるわけであります。しかし第二條の第一項第三号に、「農地又は農作物の災害を防止するため必要な施設」とありますので、防止ということも考えないわけではないと思うのでありますが、この防止というのは、一体防止するための施設をいたしまして、その施設災害にあつた場合に、それに対してやるのか、防止をするための施設に対して補助をするのか、この点をお伺いしたいわけです。
  46. 山添利作

    山添政府委員 これは防止施設に対して補助をするという意味ではございませんので、防止する施設災害にかかつた場合に限定されるのでありまして、防止するための施設につきましては、現に補助をやつておりますのは、御承知の防水溜池でありますとか、あるいは水温上昇施設でありますとか、あるいは旱害交付金でありますとか、これは助成法というものはございませんが、それらの施設は、土地改良法等に規定してございまして、そこでそういう施設をやる。それに対して国が補助金を交付することができる。こういうようなことは、そちらの方の法律に規定してあるわけでございます。
  47. 小平忠

    ○小平(忠)委員 次第に明らかになつて参るのでありますが、そういたしますと、私はこの点に対して、非常に疑問を持つわけです。この第三号の場合には、当然私はこのようなことを考えておるのではないかと思いますのは「農地又は農作物の災害を防止するため必要な施設」というものは、当然客土なり、あるいは混層耕とか、心土耕、あるいは石灰等の施肥、あるいは溜池とかいつたような、未然に防止をする施設に対しても、私は国が補助をする。もちろんこの場合にも、補助の規定によつて、公共的な施設に対して補助をするということでなければならぬと思います。しかるに今の局長の説明によりますと、そういう施設災害かあつた場合に補助をするというのでは、單にあくまでもこわれた場合に復旧する、それに重点が置かれるのでありまして、災害復旧はもちろん大切でありまして、災害に至らないように災害を未然に防止するという観点に重点を置かなければ、何もいまさらこれを法律化する必要はないと思う。特に農林関係公共事業費内容を見ましても実に弱い。いかに全国の農民が毎年毎年血の出るような叫びをいたしましても、何ら予算の上に現われて来ないということを考えてみますときに、私はせつかく政府がこの法律案を用意されたのでありますから、この際未然に防止をするということを、思い切つてつていただきたい。すなわち昨年北海道や長野県下における旱害は、実に莫大なものであります。その被害だけでも、三十億を突破しておる状態であります。これは簡單なことなんです。ということは、混層耕なり、あるいは心土耕あるいは溜池、客土、中には土地改良の問題も入りますが、これに対して事前の策を講ずる必要がある。ことに農作物の災害については、例の農業災害補償法に補助の道がありますが、これは微々たるものであつて、收穫皆無に至る災害補助としては、とうてい不可能である。ですから、この際どうしてもこういう面において、せつかくの法案を立案されたのであるから、その点を織り込んでいただくことは当然だと思いますが、農地局長のお考えは、いかがでございましようか。
  48. 山添利作

    山添政府委員 小平委員の御意見は、私も非常に同感でございます。災害の起りましたあとで騒ぐよりも、その前にいろいろな施設を完備すべきである、かつそれに向つて国が相当の経費をつぎ込むべきである、こういう御議論には、まつたく同感であります。農業関係におきましても——御承知のように、今年は治山治水というので、防災の特別の経費が増額になつたのであります。農業関係ては、その点は見るべきものがございませんで、これは二十六年度には拡充をいたしたいと考えておるのであります。小平委員の言われますことは、まつたく同感でありますけれども、その事柄と、法律制度あるいは法律論と混同なさらぬようにお願いいたしたい。この法律は、災害復旧ということを書いたのでありまして、災害復旧について国が補助することができると書いてありますけれども、その心持は、国は補助をしなければならぬ、こういう意味合いにおいて、この法律災害復旧対象としてつくつたのでありまして、国の全体の政策を推進するという、ただいまの御議論については同感でありますが、法律論は別でございます。
  49. 小平忠

    ○小平(忠)委員 その御意見もよくわかるのでありますが、私はこれは法律論ということになりますと何ですけれども、一つの解釈なんです。法律災害復旧の中に、災害防止というものを含めるという解釈を、本法にうたえばいいのでありまして、決してむずかしい問題ではないと思いますが、特にこの際国の予算とか、本年度の国の財政見地から見て不可能であるならば、また別個の議論となります。しかし例の昨年の北海道や長野県の旱害のときに、政府はいかなる答弁をなさつたかということを考えるならば、あの当時出す根拠がないために、どんなに苦労したか、どんなに努力したか。特に本日出席をされております自由党の青木代議士さんも、当時北海道の現状を見られて、当時自由党の幹部の諸公にも、強くこの点を訴えると指摘いたしまして、自由党の責任ある人たちが、次のごとく論究せられた。これは当然政府として、これに対する処置をしなければならないから、これに対しては、少くとも要求額には足らぬであろうが、必ず出すということを公約されたのであります。ところがその公約はしたけれども、事務的にどれだけ苦労したか。旱害というものは災害復旧ではないから、出す手段がないということを考えてみますときに、また本年も大きな旱害が起きた場合に、昨年の轍を再び繰返すのではないか。そういうことは山添農地局長さんも、よくこの点は御認識をされておられると思いますが、ひとつそういつたようなことについて、この機会に何とかそういう方途を講じなければならぬということを申し上げておきたいと思います。そういう点から考えてみますと、いかにこのような法律をつくられましても、問題は実際に災害復旧する場合に、予算でくぎづけされてしまつたら、この法律は何になるかということを考えなければならぬ。この法案には、別に予算的な面については、ちよつともうたつていないのであります。ところが別刷りて要綱を出されております、その要綱を見ますと、この要綱の第二に、国は予算範囲内で災害復旧事業費の一部を補助することかできるということになつている。一体本法が政府のお考えを一貫されるのか、要綱の方が正しいのか。この要綱で行きますと、いかに災害が起りましても、国の予算がくぎづけされておる場合には出せないという結果になる。この点についてお考えを明確にお伺いしたいのであります。
  50. 山添利作

    山添政府委員 要綱でも法律でも予算範囲内ということは書いてあるのであります。予算範囲内でという言葉は、こういう場合でのきまり文句でございまして、法律的に論ずれは、もとより予算範囲内ということでありますが、この法律趣旨に準じて予算を計上するという趣旨が、この法律全体を通じての精神でございます。
  51. 小平忠

    ○小平(忠)委員 以下につきましては、先ほど私も指摘いたし、井上委員からも疑問と思つております点を指摘されましてその点は明白になりましたから、それ以上私はお伺いしません。この法案を上程される場合に、基本的な災害復旧だけでなく、災害を未然に防止するという処置につきましては、農地局長さんのお考えはこれでわかりました。明日でも農林大臣の御出席を願つて、その点を明らかにいたしまして、この法案に対する私の態度を決定したいと思うわけであります。  以上で私の質問を終了いたします。
  52. 野原正勝

    野原委員長代理 本案に対する質疑は一応とどめます。     —————————————
  53. 野原正勝

    野原委員長代理 この際小淵委員より発言を求められておりますので、これを許します。小淵光平君。
  54. 小淵光平

    ○小淵委員 私は蚕糸に関する問題についてお伺いをいたしたいと思います。蚕糸業に関して農村がいかに重大な関係にあるかということは、いまさら私が申し上げるまでもなく、深い関係があり、経済の上にも種々な影響のあることは、これまた論をまたないのでありまして、すでに月が明ければ、来月は新しい繭が出て参るわけであります。この繭の出まわりに先立ちまして、蚕糸業の特殊性と申すべき値段の非常なる変動のために、実はいろいろ蚕糸業に対しては、生産者あるいは関係業者が、非常に不安を持つておるのでありますが、これについて蚕糸業の安定に対する問題を、ただいま検討いたしておるわけでありますが、これも今国会に間に合うかどうか非常に疑問になつているようなわけであります。そこで蚕糸業の中で、この養蚕者がとりました繭を消化して行く中小の製糸業者というものは、非常に困難な状態にただいま立ち至つておるわけであります。昨年度は原料高による採算不引合いのために、全国的に休業のやむなきに至つたのでありますが、最近ぼつぼつ開始はいたしておるものの非常な窮境にあるのであります。この中小企業者に対して、農林省といたしましては、どういうふうなお考えで、この中小製糸業者を指導して行くか、あるいはどういうふうにこれを持つて行くか、それを伺いたいと思います。
  55. 最上章吉

    ○最上政府委員 蚕糸業に関する統制が撤廃され、自由企業になりまして、中小の製糸業者が特に非常に現在苦境に立つておることは、ただいまお話の通りでございますが、この点につきましては、金融的な措置、あるいは技術指導方面からの、中小企業者に対する保護育成につきまして、努力いたしたいと考えておる次第であります。なお現在一般的に申しますれば、中小企業者に対しましては、個々の業者といたしましては、非常に力が弱いのでありますから、いわゆる中小企業等協同組合法によりまして、協同組合をつくつて、業者が団体の力によつてその弱点を補つて行くというような方向にございますので、中小の製糸業者につきましても、業者が中小企業等協同組合をつくりまして、やつて行こうという場合には、できるだけ政府といたしましては育成して行きたいと考えております。なおこの製糸につきまして特に問題になることは、一般的に申しますれば、中小企業等協同組合は、原則的には、その従業者が百人以上で組織することになつておるのでありますが、これはあくまでも原則でありまして、その事業の性質によつて、それ以上の槌業者の組合も認められるわけであります。製糸業は御承知のように、一種の加工業的色彩が非常に強いのでありまして、一般的に申しますれば、従業者の数も比較的多いのでありまして、百人以上であることが通常でありますが、これは従業者の数が多いから大企業だということは、製糸業には当てはまらないのでありまして、あくまでも事業の実態によつて判断すべき問題であると思いますから、この中小製糸業者の協同組合組織の場合には、そういうことにこだわることなく、あくまでも事業の実態ということによつて判断せらるべきだと考えております。
  56. 小淵光平

    ○小淵委員 この当面の金融の打開、中小企業者の救済等については、中小企業等協同組合を設立させて、この協同の力によつて打開をして行くというお考えのようでありますが、この中小企業等協同組合はその法の明文に、ただいま述べられたように百人未満ということがあるのでありますが、これはやはり事業の実態によつて、百人以上あつたから中小企業者でないというようなことの論拠は、成り立たないと私は思うのでありますが、この製糸業においては、百五十人ないし二百人というのが中小企業者であるというような理論づけを、農林省としてはどんな表現で理論づけられるか、その点を伺いたいと思います。
  57. 最上章吉

    ○最上政府委員 中小企業等協同組合の加入の業者の資格の問題になりますと、結局は公正取引委員会の決定にまつわけでありますが、これは先ほど申し上げましたように、製糸業は本来加工業的な色彩が非常に強いのであります。従つて従業員の数は相当多いのでありますが、従業員の数が多いということは、決して製糸業の場合には大企業であるということを意味しない。そういう特殊な事業であるということを中心にして、問題を考えるべきだと考えている次第であります。
  58. 小淵光平

    ○小淵委員 製糸業の実態は、非常にへんぱな事情にあるわけでありまして、製糸業というものは、昔はその立地條件——養蚕のたくさんできる所に自分の糸をこしらえるというような考えからいたしまして、転々として製糸の工場が、全国各地に原料とマツチして合理的にできたゆえんがあるのであります。その自分の土地を働かしてできた農産物の加工品がいわゆる生糸であり、それがたまたまかつて日本輸出の五〇%以上を占めたというような、非常に重い使命も自然的に現われて来まして、この重要性というものがだんだん認められて、今日では中小製糸業者というものが——大体百ないし百五十あるいは二百かま未満というものが、中小製糸業者というふうに言われるようになつて参つたのでありますが、一方巨大製糸業者というものがございまして、現在日本の国では、大体千かま以上の所有者であるところの六業者が、巨大製糸業者であるというふうに言われておりますが、この巨大製糸業者の資本金等をまず考えてみますと、百八十一業者の中の六業者だけが、その資本金だけでも二十四億円も持つているが、この百八十一の中から六つを引いた百七十五という業者がわずかに資本金が三億四千万円、もつともこのほかに個人企業者がありますが、こういうふうな実態でありまして、巨大製糸業者と中小製糸業者というものが、非常にその幅が広くなつてつている現状てあります。なおこの巨大製糸業者というものは、大体全国各地のそれぞれ立地条件のよい所に工場を設置しておりますために、この六業者の平均した工場数が大体一業者に対して十四工場の平均になつておるのであります。この業者は巨大な資本を擁しており、そのほかに関連事業として、資本力に物を言わせて、その原料を取入れるところの蚕種であるとか、あるいは生糸の販売面を受け持つところの問屋業者であるとか、あるいは輸出業者であるとか、織物紡績あるいは製薬、化粧品というようなあらゆる関連産業を持つておりまして、その中に巨大な事業と資本力を持つておるのであります。こういうふうな人たちに比較いたしまして、ただいま申し上げた百五十ないし二百未満の業者というものは、資本金の面から見ても弱小であり、大業者と太刀打ちできない実情になつておるのであります。昨年の実績から見ましても、全国的に一番原料の安かつたのが東北地方であります。この東北地方はなぜ原料が安かつたかというと、お蚕は一年を三期にそれぞれわけてやつておるのでありますが、春繭だけを七〇%も七五%もつくる東北地方においては、春繭だけが四千がけというようなことさら安い値段であつたものが、晩秋蚕になつてから一万一千がけというような二倍八分にもなるような値段の変動がありましたために、東北地方に工場をたくさん持つているところの巨大製糸業者としては、結局その剰余金というものが莫大な金額に上つて参りますので、その剰余金のはけ口として、実は関東であるとか、信越であるとか、こういう方面に行つてその剰余口のはけ口を求めて、その地方の繭の値段というものを非常に撹乱した例があるのであります。こういうように巨大製糸であるからこそ平均十四工場も持つておりまして、適時に応用動作のできます非常に有利な条件下にあるのと比較いたしまして、中小企業者は、一業者一工場というようなことになつておりまするので、こういうふうな業者が、ただいま申し述べられたように、百人以上が中小企業者でないというふうに認められるといたしましたならば、この八四・五%の中小企業というものは、どうしてもこの際非常な危殆に瀕するような事態が来る。ひいては多数の養蚕農家の人たちに、来月に迫つたところの繭の受入れに関して、非常に心配をさせるというような結果が生じて参るのであります。この点について、いま少し理論づけて、そういうふうなことがありましても、中小企業者であるというようなにとをはつきりわかるように、ひとつ農林省御当局としては発表をしていただきたいと思うのであります。すでに通産省といたしましては、エード資金の貸付等にあたりましては、一つの一基準を示しまして、資本金が三百万円以下、従業員が二百人以下を中小企業者というふうにしまして、金の貸出し対象となつているようでありますが、そういうしつかりしたものを示していただきますと、この問題が、そういうところへ行つてつつかからないで、スムーズに窮局の打開ができ、あるいは技術の共同研究であるとか、あるいは原料の共同購入であるとか、合理的な仕事がやつて行けることになりまして、大企業に相対峙して、りつぱな成果があげられて、ひいては製糸業の発展ができるということになりますので、こういう点をいま少し理論づけて発表されるお気持があるかどうかこの点を、お伺いしたいと思うのです。
  59. 最上章吉

    ○最上政府委員 ただいまの小淵委員のお話ごもつともでございます。大製糸は全国に工場を持つておりますので、いわゆる危險を分散するということができるのでありますが、中小の製糸業者はそういうことができないというようなことで、地方によつては非常な苦境に立つていることは、私どもも承知いたしておるのであります。従いまして、中小の製糸業者におかれましては、協同組合によりまして、協同の力によつて自己の事業を守つて行くということが、最も必要になつて来るわけでございます。ただいまの従業員の問題につきましては、これは実は、結局は最後の公正取引委員会の判断、決定いかんになるわけでございますが、農林省としましては、製糸業の特異性ということを十分考えまして、その点につきましては、公正取引委員会の方とも協議をいたしまして、ただいま小淵委員がお話になつたようなことにつきまして、何らか具体的に明示ができればそういうことにして、地方の中小業者の組合結成につきまして、目標になるようなことを明示したいと考えておる次第であります。
  60. 小淵光平

    ○小淵委員 行政制度審議会で、農林省の蚕糸局が拡大強化されて、通産省から輸出の面まて持つて来て、非常に大世帶になつて来て、蚕糸業の全体の発展をはかつて行こうというような内示も示されたようでありますが、実はわれわれは、これに対してもとより賛意を表しているものでありますが、たまたま製糸業から見たところの農林省というものについては、いささか不満を持つているものであります。それはどういうわけかといいますと、この蚕糸業の中で、工業部面を持つているところの製糸工業については、実は今私が申し上げましたような、窮局の打開の面について、農林省がいま少しく真剣に、この指導なり、あるいは行き方を示してもらいたいという気持が、全体の製糸業者のうちに実はあるわけであります。しかいたしまして、ただいま申し上げましたような中小企業者が寄つて、協同組合をつくつて、そうしてあの中金の豊富な資金を活用して、多数の養蚕業者にも迷惑をかけないで、安心させてやつて行こうというような気持がありましても、実はその主務管庁であるところの農林省が、いま少しくその面に意を注いでいただいて、そうしてそういう方向に進んで行けるように、なるべく早く、しつかりした規範を示してやつていただくことができまするように、われわれは一日もすみやかにこの点をお願い申し上げたいと思うのであります。来月に迫つた最も重要な時期にありますので、この点を特にお願いをいたしまして、私の質問を打切ることにいたしたいと思います。
  61. 小林運美

    ○小林(運)委員 小淵君の質問に対して蚕糸局長のお答えをちよつと聞きましたが、中小企業等協同組合法の第六條の解釈の問題ですが、これは先般私は文書をもつて、一応質問を政府にしておきましたけれども、まだ回答がありませんが、ただいまの御答弁によりますと、百人という人数の制限があるようであります。その内容等については、今小淵君から質問があつたと思いますが、現状は製糸業は決して大企業ではない。三百かま、五百かまも中小の部に入るということは、これは衆目の見るところわかつておるのでありますが、今の御答弁によりますと、公正取引委員会と相談をして、しかるべくきめたいというようなお話でしたが、これは現実の問題としても、中小業者が何か協同組合でもつくらなければ、業者はやつて行けないというような、非常に差迫つた問題でありますので、この問題をはつきりしてもらいたい。たとえば、われわれの見解に立ちますと、二百かま、三百かまは中小企業に入る。三百かまにいたしますと、今までの一かま当り一人三分とかいうようなことになりますと、大体四百人ぐらいのようになりますけれども、これは年間を通じますと、冬期の休業であるとか、その他原料が足りないために、どうしてもこれは休まざるを得ない、そういうようなことから、平均してこれを科学的に計算してみても、二百三十かまぐらいは、平均すると百人以下になると私は思う。その点、局長もすでに蚕糸局では御研究になつておると思いますから、その辺をはつきり——二百五十かまぐらいは百人以下だというふうなことをはつきり御答弁願いたい。もし今できなければ、これは公正取引委員会と御相談の上、大至急方向をきめてもらいたい。できるなら今御返事を願いたい。
  62. 最上章吉

    ○最上政府委員 ただいまの小林委員の御質問でございますが、これは実は公正取引委員会で、最後の決定を得なければならない問題でございますので、ただいまのお話の趣旨はよく私どもにもわかつておるのであります。先ほど小淵委員に対して申し上げましたように、製糸業は一種の加工業であつて、従業員が非常に多いのが、事業の本来の性質でありまして、百人以上あつても、それが決して大企業だということにはならないのでありまして、事業の性質上そういう従業員が多いということになつておるのでありますから、その点は製糸業の特異性を公取方面にも十分説明して、何らかの了解を得て、その趣旨については適当な策をとりたい、かように考えておる次第であります。
  63. 野原正勝

    野原委員長代理 本日の会議はこの程度にとどめ、明日午後一時から開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五分散会